妊婦に薬 胎盤通じ効果…胎児の不整脈
(2010年9月2日 提供:読売新聞)
関西地方に住む26歳のA子さんは今年6月、妊婦健診を受け、「胎児の心拍が速い」と指摘され、国立循環器病研究センター病院(大阪府吹田市)を紹介された。
胎児が心不全を起こし、亡くなる危険性があり、A子さんが不整脈を抑える抗不整脈薬の静脈注射と服用を受けたところ、3日後には胎児の不整脈は消えた。翌月、無事出産。生まれた男児は元気に成長している。
胎児が亡くなったり、後遺症が残ったりしないように治療するのが「胎児治療」だ。
最近、有効性が確かめられた胎児治療が、医療費に一部保険が使える「先進医療」に認められ、広がりつつある。その一つが今年7月、胎児の脈が速い「頻脈性不整脈」に認められた薬物治療だ。
胎児の心拍は通常、1分間に110-160回ほど。しかし、胎児の心臓に何らかの異常があり、持続的に頻脈性不整脈が表れることがある。発病率は胎児1000人に1人ほどと言われ、うち10-30%が重症化して心不全を起こし、その多くが亡くなる。A子さんのおなかの赤ちゃんの心拍は240回にもなり、命が危ぶまれた。
そこで、行われたのが胎児治療。妊婦が抗不整脈薬を静脈注射したり、内服したりすることで、その一部が胎盤を通過して胎児に届き、効果を発揮する。
厚生労働省研究班が、この治療について、全国750病院を対象に2004-06年の治療実績をアンケート調査した。41例で実施、その93%で不整脈の消失または改善の効果があった。
ただし、胎児治療の課題は、健康である母体に、ある程度の負担をかけてしまうことだ。厚労省研究班調査によると、この治療を受けた5例で母親の脈が遅くなるなどの影響が出た。しかし、薬の量を減らすなどして全例が改善した。
研究班の研究代表者の同センター周産期・婦人科部長の池田智明さんは「胎児治療は、これまで、各病院が独自の基準で行ってきた。しかし、胎児不整脈の薬物治療については、全国調査により、高い有効性と安全性を示す投与方法や投与量が確かめられた」と話す。
この治療は、同センターのほか、大阪府立母子保健総合医療センター(大阪府和泉市)、久留米大病院(福岡県久留米市)が先進医療の認定を受けている。神奈川県立こども医療センター(横浜市南区)なども加わり、全国10病院になる予定だ。
そのほかに、先進医療に認められている主な胎児治療には、〈1〉胎盤で血管がつながって、血流の不均衡が起きる双子の病気「双胎間輸血症候群」に対し、つながった血管を焼き切るレーザー治療〈2〉胎児の胸腔(きょうくう)にたまった胸水が肺や心臓を圧迫する「胎児胸水」に対し、胸水を子宮内の羊水へと排出させる特殊な管を入れるシャント術などがある。
難病・障害の子、地元の学校へ…大阪、進む「医療的ケア」
(2010年9月3日 提供:読売新聞)
109人、4年で3倍
難病や障害を抱え、たんの吸引などの「医療的ケア」を受けながら健常者と地元の小中学校に通う児童・生徒が、大阪府内で急増していることがわかった。府が独自で看護師資格を持つ介助員を配置したためで、今年度は計109人と、制度開始時の3倍となった。一方、全国的には同様の児童は、7都県で29人しかいないことも判明。医療的ケアを巡る地域格差が浮き彫りになった形で、支援者グループは「特別支援学校だけでなく、誰もが健常者と一緒に学べる環境を整えてほしい」と訴えている。
府、独自に「看護師」介助員
医療的ケアは、〈1〉たんの吸引〈2〉経管栄養〈3〉導尿補助の三つの介助行為で、医師や看護師、保護者が行える。
厚生労働省は2004年、看護師が配置された特別支援学校に限り、看護師の指導による教員の実施を認めた。しかし、府は医療的ケアが必要な児童が、地元学校への就学を望むことが多いことから、06年、看護師資格を持つ介助員を一般の学校に配置する制度を導入。初年度の利用者は14市町で36人だった。
読売新聞が府内の市町村教委と、全国の都道府県教委に聞いたところ、大阪府内では、健常者と同じ学校に通う児童が今年度、豊中市で16人、吹田市で11人、堺、箕面、茨木市が各7人など25市町で109人に増えていた。
豊中市では、市立豊中病院と連携して救急搬送に備えており、同病院の松岡太郎・小児科部長は「医療的ケアは、適切に行えば誰にでもできるが、地域の病院などのバックアップ体制が重要」と指摘している。
一方、大阪府以外の都道府県には同様の制度はなく、市町村単位で介助員を配置するケースがあるものの、利用者は仙台市の11人や埼玉県東松山市の4人など、全国15市町で計29人だった。
医療的ケアを巡る支援態勢の遅れについて、東北地方の担当者は「地元学校を望む児童が増えれば、財政負担も増える。介助員の確保も難しく、対応しきれないのが実情」と打ち明ける。
「人工呼吸器をつけた子の親の会(バクバクの会)」(大阪府箕面市)の折田みどり事務局長は「地元学校の教員にも一定の条件下で医療的ケアの実施を認めるなど国レベルの支援態勢を検討すべきだ」としている。
食用油に発がん性物質 中国、事実公表せず
(2010年9月3日 提供:共同通信社)
中国湖南省の食用油メーカー「金浩茶油」が、同社製品に基準値を超える発がん性物質が含まれていたことが分かったのに公表せず、ひそかに製品の回収を進めていたことが分かった。3日付の中国紙、北京青年報などが伝えた。
湖南省当局も発がん性物質の検出を把握していたが「社会の安定のため」として公表しておらず、中国メディアは同社と省当局の対応を批判している。
同紙などによると、2009年12月からことし3月までに生産した同社製品から基準値以上の発がん性物質、ベンゾ(a)ピレンが検出された。しかし同社は事実を公表せず、ことし3月から製品の回収を始めた。
対象製品の生産量は42トン余りだが、うち約9トンが回収しきれずに既に消費者の手に渡るなどした可能性があるという。
8月にはネット上で発がん性物質の検出を指摘する情報が流れたが、同社は「デマ」だと事実を否定していた。
(院長のつぶやき)毒入りミルク、毒入り餃子、そして今回・・・中国人の倫理観が信用できなくなるニュースが続きます。
養護教諭がホメオパシー 教委「不適切な行為」
(2010年9月2日 提供:共同通信社)
沖縄県名護市の公立中学校の養護教諭が「ホメオパシー」と呼ばれる代替医療で使用する砂糖玉を、体調不良を訴えて保健室を訪れた生徒に手渡していたことが2日分かった。同市教育委員会は「学校内で行うのは不適切」と問題視し、砂糖玉の配布などを直ちに中止するよう指導した。
ホメオパシーは植物や動物、鉱物の成分などを水で薄め、染み込ませた砂糖玉を飲む療法。
日本学術会議は8月、治療効果を否定した上で「これに頼ることで、確実で有効な治療を受ける機会を逸する可能性がある」と警告する談話を発表。長妻昭厚生労働相も効果の研究に着手する方針を示している。
市教委によると、教諭は校長らの了解を得ないで、生徒に砂糖玉を手渡していた。現時点では、砂糖玉の配布を始めた時期や受け取った生徒の数は分からないという。
(埼玉)熱中症死 屋内の死角
(2010年9月1日 提供:読売新聞)
「クーラー嫌い」「窓閉め切り防犯」高齢者が重症化
厳しい暑さが続く今年の夏。梅雨明け(7月17日)以降、県内で熱中症で死亡した人は31日までに55人に上った。このうち65歳以上の高齢者は40人と、死者の7割超を占める。日中、長時間外出して強烈な直射日光を浴び、体調を急変させるケースが相次ぐが、屋内にも危険はひそむ。夜間に窓を閉め切った部屋で、クーラーや扇風機を使わずに過ごし、死亡に至るケースは増えている。9月も例年より暑い日が続くと予想され、油断は禁物だ。
8月中旬、川口市の市立医療センターに、80歳代の女性が救急搬送された。女性は日中、息子と外出し、帰宅直後に突然、昏睡(こんすい)状態に陥ったという。その日の県内の最高気温は38・1度。医師が名前を呼んでも反応はなく、直腸温度を測ると42度もあった。
首やわきを氷で冷やすなどした結果、女性は意識を取り戻し、翌日には退院できた。直江康孝・救命救急センター長(43)は「生死の分かれ目は、いかに早く体を冷やせるか。一人暮らしで発見に時間がかかると危なかった」と振り返る。
同センターへの熱中症患者の搬送は例年、7-8月に数人しかないが、今年は30日までに13人もあり、3人が死亡した。60歳以上の患者は9人と多い。
日高市の埼玉医科大国際医療センターにも29日までに、熱中症で60歳以上の5人を含む計18人が搬送され、4人が死亡した。心筋梗塞(こうそく)などの重症患者の搬送と重なり、病院が多忙を極めた時期もあったという。
熱中症による死者55人の発見時の状況を見ると、42人は屋内だった。
さいたま市大宮区の無職男性(70)は7月24日午前、寝室と居間の間でパジャマ姿で倒れているのが発見され、死亡が確認された。男性は一人暮らしで、夜間は窓と雨戸も閉め、クーラーや扇風機はあったが、つけていなかった。男性のおいによると、「クーラーが嫌い」だったのだという。
7月23日の日中、自宅で倒れているのを妻が発見し、その後、死亡した無職男性(74)も、クーラーはあっても使わない生活。夜は防犯のため、窓を閉め切っていたという。
室内での高齢者の重症化は、体温調節の機能の衰えが関係しているようだ。山口芳裕・杏林大教授(49)によると、高齢者は若い人に比べて暑さや寒さを感じにくくなっているという。山口教授は、熱中症発生の危険は「気温30度以上」が目安になるとしている。
熊谷地方気象台によると、熊谷市では31日現在、気温35度以上の「猛暑日」が31日、気温が25度を下回らない日が25日となり、いずれも観測史上最多日数を記録した。太平洋高気圧が日本付近を覆う影響で、今後1週間も平年を2度程度上回る暑い日が続くという。
川越市の武蔵野総合病院の梅宮加恵子・外来室長(46)は「9月になると暑い季節は終わったという油断から、水分の摂取を怠りがちになる。1日に1-2度しかトイレに行かないのは、水分が足りていない証拠」と、注意を促している。
◆医師が勧める熱中症予防策
▽長時間、日光にあたらないようにし、暑い時の外出は避ける。
▽汗をかいたら水分と塩分を補給する。
▽寝る前にコップ1杯の水を飲む。
▽体調がおかしいと感じたら、すぐに医療機関で受診する。
■高齢者世帯へ注意喚起 「伝えにくい」自治体苦慮
県内の自治体は、熱中症予防の呼び掛けに力を入れているが、高齢者世帯に声をなかなか届けきれないという悩みもある。
県は8月下旬、一人暮らしの高齢者や、高齢者だけで暮らす世帯への訪問を強化するよう市町村に指導。9月末まで続けるよう求めている。
自治体は多くの場合、民生委員に訪問を依頼したり、地域の老人クラブの催しの際に注意喚起してもらったりしている。熊谷市では、民生委員が一人暮らしのお年寄り約270人を訪問し、気温や湿度を計測できる「携帯型熱中症計」を無料配布した。熱中症計を昨年配布した約2200人に対しても、電池交換のために訪ね、市で作成した熱中症対策のチラシを手渡した。
ただ、さいたま市のある民生委員は「何度訪ねても会えない人もいて、予防策を伝えられない。暮らしぶりを完全に把握するのは難しく、高齢者の方から『困っている』と声を上げてくれないと対処しづらい」と漏らす。実際、同市では、10年前から電気なしの生活を続けていた年金暮らしの男性(76)が熱中症で死亡したケースが波紋を呼んだ。
県東部で高齢者行政を担当する市職員も、「民生委員も会えず、地域のイベントにも参加しない『引きこもりがち』な高齢者ほど注意が必要だが、どうしたら伝えられるのかが分からない」と苦慮している。
エアコン賢く使って
(2010年8月31日 提供:毎日新聞社)
連日30度を超える猛暑が続いている。気象庁によると9~10月も平年より高い気温が続きそうだという。熱中症による救急搬送は今夏、全国で4万人を超え、室内で発症した人も多い。冷えすぎや電気代が気になって、エアコンは苦手、という人もいるだろう。しかし、エアコンを使用しないで熱中症で死亡したケースもある。上手な使い方と、冷房病にならないための注意点をまとめた。
<冷房病対策>
◇28度目安、温度計で測って
■自宅で
冷えすぎを気にしてエアコンを使わず我慢しすぎると、熱中症になる危険性がある一方、過剰な冷えは冷房病を引き起こす恐れがある。北里大学東洋医学総合研究所漢方鍼灸(しんきゅう)治療センターの伊藤剛副センター長は、冷房病を「体が冷えた結果、自律神経に不調をきたして体温調節がうまくいかなくなった状態」と説明する。
夏に向かって暑くなると体は、次第に末梢(まっしょう)の血管が開いて体温を逃がしやすい「夏型」になる。ところが、冷房が利いた部屋に長くいて熱が逃げすぎると、体は熱を体内に保つ「冬型」に戻ろうとする。その結果、体温調節がうまくいかなくなり、ばててだるくなったり食欲不振に陥る。伊藤さんは「冷房は27~28度程度を目安に、長時間いても寒くない温度が適当」と指摘する。ただ、エアコンの性能によって設定通りの温度にならないため、温度計で室温を測りながら温度設定を調節した方がいいという。
■職場で
職場では、女性が冷房病の「被害者」になりやすい。男性に比べ薄手の素材や襟がない服装が多いため、熱が逃げやすく冷えやすい。伊藤さんは「冷気は下にたまるので、ズボンや靴下で保温を」と呼びかける。さらに「可能なら足元に段ボール箱を置き足を入れるなど、川の中で水にぬれないようにするイメージで冷気を遮断して」ともアドバイスする。
体質によって保温策も異なる。手足の先が冷えやすい人は、唐辛子やショウガなど血行を促す食材を取るとよい。血色がよく小太りな人は、体の表面は温かいが内臓が冷えている可能性もある。この場合は食べ過ぎないことが大切だ。いずれのタイプもきちんと食事を取り、適度に体を動かしてエネルギーの燃焼を促すことが体調維持のカギ。デスクワークなどで体を動かす機会が少ない人は、炭水化物よりたんぱく質を意識的に摂取すると熱を生み出しやすいという。
<寝室>
◇風は上に向け、布団かけて
夜はどうだろう。冷えすぎをおそれて、夜はエアコンを使用しない人も多いが、「今年の夏は特別暑い。夜も気温が30度を超える日はエアコンを使ったほうがいい」と空調メーカーのダイキン工業(本社、大阪市)で商品企画チーフの香川早苗さんは語る。
■湿度
「安心して眠るためには、設定温度は28度、湿度は50%が目安」。湿度が高いと汗を発散しにくくなり、体温調節がうまくできなくなるため、熱中症になるリスクも高くなる。湿度の簡単なチェック方法としては、温度が28度の場合、湿度50%では冷蔵庫から出したペットボトルがうっすらと曇る程度だが、湿度が高いと水滴がボトルにつく。
ただしエアコンの温度を高めに設定しても、布団をかけずに眠るのは禁物だ。朝方の冷えすぎを防ぐため、タオルケット1枚でもかけたほうがいい。
■気流
気温、湿度に加えて大切なのは気流や風向きだ。風を体に直接当てるのは、肌が乾燥し、体温も奪われるので避けた方がいいが、ゆるやかな空気の流れは体感温度を下げる。香川さんは「風を天井のほうに向けて、冷気がシャワーのように下りてくるのが望ましい」と話している。
◇電気代節約…掃除し、日中はすだれを
エアコンは家電のなかでも電気消費量が大きいため、電気料金も気になる。東京電力は、1年間のエアコン電気代(10畳程度)をメーカーのカタログ値から試算している。冷房も暖房もあわせた通年の試算で、毎日2時間程度の使用で年間約2000円、同18時間程度の使用だと年間約2万円。ただ、エアコンの性能、温度、部屋の大きさによって条件は変わる。
「冷房」と「除湿」は、どちらがお得か。単純な比較はできないが、同じ温度設定の場合、湿度だけ下げて温度を下げない「再熱除湿」は冷房より割高になるという。また、エアコンのフィルターを掃除するだけでも電気代を節約できる。日中の間、できるだけ室内に熱をとりこまないよう、すだれなどを窓の外に置いておけば、冷房の効率も上がる。
………………………………………………………………………………………………………
■冷房病を防ぐには
・設定温度は26度以下にしない
・風を直接、体に当てない
・冷房の利いた部屋に長くいない
・眠るときはタオルケットなどを体にかける
・オフィスでは冷気がたまる足元の保温に注意
・適度に体を動かす
脳神経外科学会調査/小児脳死判定・臓器移植の体制追いつかず 整備済み提供施設は16%
(2010年8月30日 提供:Japan Medicine)
7月の改正臓器移植法全面施行後に、小児(15歳未満)の法的脳死判定・臓器移植の体制を整備できているのは、脳死下臓器移植提供施設の16%にとどまることが日本脳神経外科学会の調査で分かった。改正法により15歳未満からの脳死下での臓器移植も可能になったが、対応施設の整備が追いついていない実態が浮き彫りになった。
同学会は7月8-22日にかけて、専門医訓練施設1124施設を対象にアンケートを実施。720施設から回答があり、そのうち287施設が脳死下臓器移植提供施設(5類型)だった。
成人の法的脳死判定・臓器提供の体制は、提供施設の86%で整備されていた。これに対し小児に対応できる提供施設は16%にとどまった。
小児の脳死判定・臓器提供への体制が未整備である理由(242施設)を聞いたところ、「虐待に対応不可能」(99施設)、「経験不足」(92施設)、「小児判定不可能」(92施設)などが挙げられた。一方、体制が整っていない施設の約4割は、近く整備を予定していることも分かった。
またアンケートからは、脳死臓器提供施設(66施設)の93%が時間的負担や人的負担を感じている現状が明らかになった。さらに全提供施設の約9割が、学会支部での包括支援、脳死判定技術支援、脳波検査支援などを求めていた。同学会は今後の取り組みとして、脳死下臓器提供の経験がある医師を中心とした支援組織を、各支部などで早急に構築する方針を示している。
「娘の死無駄にしない」 移植募金の7千万円寄付へ
(2010年8月30日 提供:共同通信社)
心臓の筋肉が衰えて機能が低下する拡張型心筋症の治療中、6月に心不全で亡くなった岡山県倉敷市の小比賀姫那(おびか・きな)ちゃん=当時(1)=の父裕也(ゆうや)さん(24)は28日、米国での心臓移植手術のため「きなちゃんを救う会」に集まった募金のうち約7千万円を岡山大病院に寄付する意向を明らかにした。
岡山大病院は国内最多の肺移植の手術例があり、今年7月、15歳以上の心臓移植施設にも認定された。裕也さんは「娘の死を無駄にせず、同じような子を減らし家族の負担も減らせるように役立てたい」と話している。
裕也さんによると、同病院は移植手術などで遠方から訪れる患者や家族のための宿泊施設建設を計画しており、寄付は建設費用に充てる方針。10月末までに寄付する予定という。
5月に発足した「救う会」は、手術費や渡航費など1億5千万円の募金を呼び掛け、約1億800万円が集まった。寄付する約7千万円は、同じように病気の治療で募金活動をしている団体への寄付や経費を除いた全額に当たる。
治療継続、24時間受け入れ こども救命センター、東京都が4病院指定 来月から
(2010年8月28日 提供:毎日新聞社)
都は24時間365日体制で、救命治療の継続が必要な子どもの重篤な患者を受け入れる都内の4病院を「こども救命センター」として指定し、9月1日から運用を始める。他の医療機関で治療継続が困難な場合の搬送先として、4病院に小児科・小児外科医が常駐。集中治療が必要な小児患者を必ず受け入れる「救命搬送システム」の構築は全国で初めて。
指定されるのは、ブロック別で選ばれた東大医学部付属病院(文京区)▽国立成育医療研究センター(世田谷区)▽日大医学部付属板橋病院(板橋区)▽都立小児総合医療センター(府中市)。いずれも集中治療病床を備え、麻酔科、脳神経外科などの当直体制をとって0-15歳の小児患者を受け入れる。都は4病院の人件費など計約1億8000万円を負担する。
呼吸不全や重度の外傷など救命救急の患者は、都内23カ所の救命救急センターが最初の治療を行う。継続して高度な救命治療が必要な場合は、救命救急センターが「こども救命センター」に受け入れを要請し、搬送する。都によると、推計で年間500人程度が搬送されるという。
石原慎太郎知事は会見で「子どもの治療は薬などの選択が難しく、外科手術も格段の技術が必要で期待している」と述べた。
時間外の軽症患者の特別料金…岡山赤十字病院値上げへ
(2010年8月23日 提供:読売新聞)
コンビニ受診減らず
岡山赤十字病院(岡山市北区青江)は9月1日午前0時から、平日夜間や休日など、時間外に救急外来を受診した軽症患者から徴収している特別料金「時間外選定療養費」を、現在の3150円から5250円に値上げする。
軽い症状でも時間外診療を安易に利用する「コンビニ受診」が減らないためで、同病院総務課は「自分で病状を判断するのは難しいと思うが、かかりつけ医をつくり、相談のうえで受診してほしい」としている。
特別料金を求めるのは、平日午後5時~翌日午前8時半、土日祝日、年末年始(12月29日~1月3日)、病院の創立記念日(5月28日)の受診者で、現在は徴収対象外になっている生活保護世帯の患者も、10月1日から対象になる。だたし、▽紹介状を持っている▽入院した▽同病院の医師から救急外来を受診するよう指示があった▽6歳未満--の場合は徴収対象外。119番をして救急搬送された場合も、徴収対象になるケースがある。
同病院によると、過去5年間の休日・時間外受診者は2005年度の3万8791人がピークで、その後も3万人超の状態が続いている。特別料金の徴収を始めた08年12月は、前年同月比41%減の2528人に減少。しかし、09年度は新型インフルエンザの影響もあり3万3317人が受診、約半数が特別料金の対象だった。
ホメオパシー療法「効果ない」 山口で乳児死亡、学術会議が談話
(2010年8月25日 提供:毎日新聞社)
山口県で昨年10月、助産師にビタミンK2の代わりにホメオパシー療法の特殊な錠剤を投与された乳児がビタミンK欠乏性出血症で死亡したことを受け、日本学術会議の金沢一郎会長は24日、「ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されている」との談話を発表した。
ホメオパシー療法は18世紀末ドイツで始まった。病気と似た症状を起こす植物や鉱物を何度も水で薄めてかくはんし、この水を砂糖玉にしみこませた錠剤(レメディー)を服用して自然治癒力を引き出し、病気を治すというもの。元の物質は水にほとんど残っていないが、実践する人たちは「水が記憶している」と主張している。
欧米やインドで盛んだが最近は効果を巡り議論が起きている。日本でもごく一部の医療関係者が、がんやうつ病などの患者にレメディーを投与している。
日本学術会議は政府に科学振興策などを勧告できる、日本の科学者の代表機関。記者会見した金沢会長は、欧米のように普及する前に、医療分野で広がらない手だてが必要と主張した。
山口県の乳児死亡では、母親が助産師を相手に損害賠償を求める裁判を起こしている。
ホメオパシー療法の普及活動をしている「日本ホメオパシー医学協会」(東京都)は「欧米の実績で分かるようにホメオパシー療法は効果が科学的に証明されている」と反論している。
(院長のつぶやき)ここまでいくと『宗教』ですね。
高知・岩崎接骨院、施術内容偽り不正受給 医療保険の受領委任5年間中止
(2010年8月21日 提供:毎日新聞社)
施術内容を偽り、療養費約17万円を不正に受給したとして、四国厚生支局は20日、高知市鴨部3、「岩崎接骨院」の岩崎正房院長(50)に対し、医療保険の受領委任取り扱いを21日から5年間中止すると発表した。岩崎院長は不正受給した全額を返還する。
同支局高知事務所によると、柔道整復師の岩崎院長は08年9月~今年1月の間、延べ326回にわたり、実際には行っていない電気治療などの施術をしたと偽って、患者9人分の計16万7955円を不正に受給したとしている。1カ月に1回、自治体などに提出する療養費支給申請書計43枚に、うその施術回数を書き込んでいたという。
医療費通知を見て不審に思った患者の問い合わせなどが昨年3月に高知市、同8月にいの町にあり、県が患者から聞き取り調査した結果、不正が判明した。岩崎院長は「患者が減り、経営が苦しくなった」と話し、3年ほど前から不正受給していると認めたという。
受領委任された柔道整復師の施術を受けた患者は、費用のうち一部負担金のみを整復師に支払う。残りは、整復師が自治体など保険者に請求する。
(院長のつぶやき)接骨院は父性のやり放題との噂が時々流れてきます・・・これも氷山の一角なのでしょう。
7~8歳で思春期の始まる女児が増加
(2010/08/20:HealthDayNews)
米国では女児における思春期の始まる年齢低下が続いており、多くの女児において7~8歳で乳房の発達がみられることが新しい研究で示され、医学誌「Pediatrics(小児科学)」オンライン版に8月9日掲載された。
今回の研究では、2004年と2006年に米シンシナティ、ニューヨークのイーストハーレム地区、サンフランシスコの6~8歳の女児1,200人強を対象に、乳房組織の有無を触診により調べた。その結果、7歳では白人10.5%、黒人23.4%、ヒスパニック系15%、8歳では、白人18.3%、黒人43%、ヒスパニック系31%に乳房の発達が認められた。
この数値から、過去の同様の研究と比較して早期の性成熟が増えていることが示されると、研究を率いた米シンシナティ小児病院のFrank Biro博士は述べている。10年前の研究では、白人では7歳時で5%、8歳時で10.5%、黒人では7歳児で15.4%、8歳時で36.6%に乳房発達が認められたという(ヒスパニック系のデータなし)。
「思春期の早期発来により、生涯の乳癌(がん)リスクが増大するほか、男性からの性的な誘いなど、女児に心理的、社会的なストレスをもたらす」と米ノースカロライナ大学のMarcia Herman-Giddens博士は述べている。「早熟化の主な原因としては肥満の増加が指摘されており、脂肪細胞によって性成熟の開始に関与するホルモンであるレプチンが産生される」とBiro氏は説明している。このほか、女児の血液および尿を分析し、化学物質への曝露との関係についても調べているが、まだ結果は出ていない。「いずれにせよ過体重と早熟化との関連は極めて強い」と同氏は述べている。
「親や小児科医が適切な栄養摂取と運動によって子どもの正常な体重維持を助けることもできる」とHerman-Giddens氏は述べる。それでも一部の女児には早期の性成熟がみられることがあるが、その場合は、親が話をすることによって子どもを安心させてやることが重要だと同氏は指摘している。
また、同オンライン版掲載の英国の8~14歳の女児を対象とした第2の研究では、母親が12歳前に初経を迎えた女児、妊娠中に喫煙していた女児、あるいは第1子である女児は早熟の比率が高いことが明らかになったほか、母親が肥満であると娘も過体重となる傾向があることも判明した。出生時の体重や身長による影響はみられなかったが、乳児期の急速なボディ・マス・インデックス(BMI)の増加は早熟との関連が認められている。
映画の喫煙シーン減るかも…米で規制強化報告書
(2010年8月20日 提供:読売新聞)
映画の喫煙シーンに影響されて喫煙を始める未成年者が多いことから、米疾病対策センター(CDC)は19日、映画への規制強化を求める報告書を発表した。
具体的には、喫煙シーンを含む映画の前にたばこの害を説く広告を上映することや、映画制作者がたばこ会社から見返りを得ていないことを証明する措置の導入などを提案している。
カリフォルニア大のスタントン・グランツ教授らは、1991-2009年までの毎年の人気映画50本について、喫煙シーンやたばこが登場する場面を数えた。その結果、登場回数は減少傾向にあるものの、09年でも半数近い映画で登場していた。
未成年者の喫煙の44%は映画がきっかけになっているとの推定もあり、報告書は「たばこの場面がある映画は成人向けに指定するべきだ」としている。
だるさ・食欲不振・無気力…夏バテを科学する 特集ワイド
(2010年8月19日 提供:毎日新聞社)
◇冷え過ぎご注意
毎日うだるように暑い。体がだるい、食欲もうせ、ボーッとして気力がわかない、なんていう人も多いのでは。そもそも夏バテとはどんな症状? なぜ夏は体調を崩しやすいの? 夏ならではの疑問を考えてみた。
Q 暑いと、体がだるく、食欲がなくなったり、やる気が低下したり、いわゆる夏バテの状態になる。なぜ夏は体調を崩しやすいのか。
A 夏バテにははっきりとした定義はないという。北陸大学薬学部臨床薬学教育センターの中川輝昭教授によると、次のようないくつかの特徴的な症状がみられた場合、夏バテといわれている。
(1)体温調節の不調。ヒトは体温が36~37度の時が一番活動しやすい。暑くなると、血管が拡張して汗を出し体温調節を行うが、湿度が高いと汗の蒸発が妨げられるため、熱が体内にこもり、疲れやすくなる。また、冷房の利いた室内と、暑い屋外との温度差が大きいと、体温を調節するリズムが乱れて自律神経失調症を起こしやすい。
(2)体内の水分・ミネラル不足。気温が上がり、たくさん汗をかくと、体内の水分と一緒に、ミネラル分も排出されてしまうため、体内の電解質バランスが崩れ脱水症状を起こす。そして体調に異常を起こしてしまうと考えられている。
(3)食欲低下、栄養不足。暑さが続くと、胃の消化機能が低下し栄養の吸収が悪くなり、食欲不振を起こす。栄養の吸収が悪いと、ビタミン類やたんぱく質、ミネラルなど体に必要な栄養素も不足がちになり、だるく感じたり、根気が続かなくなったりする。また、冷たい物ばかり取ると、胃腸が冷え、胃の消化酵素の働きが低下し、消化不良を起こし食欲がなくなるという悪循環に陥る。
◆快眠術
◇部屋の湿度下げて 牛乳をコップ1杯
Q 夏はなぜ寝苦しいのか。
A 快適に眠るためには、室温が25度前後、湿度は40~60%が最適。しかし、エアコンの風に直接当たると、体温が奪われ、健康には良くない。室温は多少高くても除湿をすれば、寝苦しさは多少解消される。寝付かれないときには、牛乳をコップ1杯飲むと良い。牛乳のカルシウムには鎮静作用がある。
Q 平熱の高低や、太っているかなどで、暑さの感じ方は違うの?
A 夏に強いか弱いかは、感覚や環境などの要因も関係する。体温や体形で一律に判断はできない。
ただ、自律神経失調症の人は、体温調節がうまくできないため、夏バテになりやすい。自律神経失調症気味の人には体温の低い人が多いと言われている。このことから、体温の高い人は夏に強いと言われるのかもしれない。
Q 女性と男性で冷房の感じ方が違うのはなぜ?
A 体温は内臓や筋肉の活動により作られる。一般的に女性の方が男性より筋肉が少ないため、同じように熱を作れず、冷えに弱い。また、夏もスーツを着用している男性の快適温度は約20度、薄着の女性は約28度。8度もの差がある。
Q 「夏」風邪とわざわざ呼ぶのはどうして?
A 風邪のほとんどはウイルスの感染が原因で起こる。ウイルスの数は200種類以上と言われている。ウイルスは、インフルエンザウイルスなど、寒くて乾燥した環境を好むものが多いが、暑くて湿度の高い夏のような環境が好きなウイルスもいる。アデノウイルスは、のどの痛みや頭痛を訴え、39度以上の高熱が続く、俗に「プール熱」と呼ばれる症状や結膜炎、急性胃腸炎を引き起こす。エンテロウイルスに感染すると、手のひら、足裏、口内に水疱(すいほう)が出る手足口病や、高熱とのどの痛みのあるヘルパンギーナなどになる。
このようなウイルスに感染した場合、インフルエンザなど冬の風邪と区別する意味で「夏風邪」と呼んでいる。「夏風邪」は冬の風邪に比べ、胃腸障害を伴うことが多いという違いもある。
◆対策は
◇こまめに水分補給 ビールでは逆効果
Q のどが渇いたとき、冷たい物を飲む方がいい?
A のどが渇いたと思う時には、すでに脱水症状が起きている。冷たい飲み物の方が温かい飲み物より、胃から腸への到達時間が短いので、渇きが早く潤すことができる。しかし、あまり冷たい物ばかり飲んでいると、消化不良などの原因にもなるので、飲み過ぎは良くない。
Q 水分補給はビールでも大丈夫?
A ビールに含まれるアルコールには利尿作用があるため尿の量が増え、水分がたくさん出て水分不足になる。効果的ではない。
◆納涼法
◇怪談聞き「ぞくり」 血管収縮し涼しく
Q 夏に増える怪談話。聞くと涼しくなるの?
A 怖い話を聞いたり、恐ろしい体験をしたりすると、背筋がゾゾゾッとして寒気がし、体がひんやりすることがある。冷や汗をかいたり、鳥肌が立ったりすることによるものだ。その時には、皮膚は冷たくなっており、皮膚の血管が収縮するなど寒い時に起きる反応と同じなので、涼しく感じる。
Q 夏によく食べる物で、ウナギと梅干し▽天ぷらとかき氷、あるいはスイカ--などは食べ合わせが悪いと言われるが、どうして?
A 現代医学と漢方の両面から食べ物の研究をしている「東医食治研究会」会長で薬学博士の田村哲彦さんによると「ウナギは脂っこさと、梅干しの酸味が刺激しあって消化不良を起こすことがある」という。一部には「梅干しを食べるとさっぱりするので、つい食べ過ぎてしまいおなかをこわす」からとの説も。だが、ウナギと梅干しは、現在の栄養学の観点から見れば、決して悪くはないという。
天ぷらとかき氷も、かき氷やスイカなど水分の多いものを大量に取ると、胃液が薄まり、天ぷらのような油ものを消化しにくくする。
食べ合わせでいけないものとは胃腸があまり強くない人が、気をつけたほうがいい組み合わせだ。「胃腸が丈夫な人は、何を食べても大丈夫」だという。
Q 体に悪い食べ合わせは夏に多い気がするが、夏だけなのか。
A 衛生上、食中毒や疫病は夏場に起こりやすい。まず食べ物から気をつけようということだ。
イタコ「口寄せ」自殺者遺族への癒やし効果
(2010/08/17:読売新聞)
国助成で今月末から研究スタート
故人の霊を呼び寄せて言葉を伝えるイタコの「口寄せ」に、自殺者の遺族(自死遺族)が癒やされるケースが多いことに注目し、その理由を探る文部科学省の補助金助成研究が、今月末からスタートする。
自殺者が12年連続で3万人を超える中、新たな遺族支援のあり方を提案したい考えだ。
研究は、青森県立保健大健康科学部の藤井博英教授らが実施。調査は3年間で、今年度は、県内のイタコを訪れる自死遺族5人に協力を求め、口寄せを受ける理由や受けた直後の気持ちの変化、話の内容や口調などイタコのどこに癒やされたか――などを聞く。
藤井教授によると、口寄せを受ける自死遺族には、他の遺族とは異なる苦しみがある。自ら命を絶った理由を故人本人から聞けず、自殺を防げなかった自分を責め続けてしまう。
こうした苦しみは、話を聴いてくれるだけの通常のカウンセリングでは解決できないことも多い。
このような遺族に、イタコが呼び寄せた「故人」は決して恨み言を言わず、「世話になって本当に感謝している」などとお礼の気持ちを伝える。さらに「私のために毎朝線香を1本あげてください」など、簡単にできるお願いをする。
すると、「遺族の自責の念が和らぎ、故人と再び対等に向き合えるようになり、立ち直るきっかけになる」(藤井教授)という。
来年度以降は調査対象者を増やし、病死遺族への効果とも比較する。最終的には、イタコの話す内容や口調、場の雰囲気などの中から、カウンセリングや遺族同士のケアに生かせる部分を提案する。藤井教授は「自死遺族の支援は不十分で、後追い自殺をする遺族もいる。非科学的とされる民間信仰を科学的に検証し、遺族支援に役立てたい」と話している。
★ イタコ
東北地方に古くから存在する巫女(みこ)で、死者の霊魂を呼び寄せて自分に乗り移らせ、その言葉を語るとされる。青森県むつ市の恐山が有名。「津軽のイタコの習俗」は国の無形民俗文化財。
(院長のつぶやき)大学生時代、私は「民俗研究会」というサークルに所属し、夏に合宿してフィールドワークをしたりしてました。イタコの口寄せも恐山と弘前の久渡寺でも拝見しました。当時から「イタコは地域のカウンセラー」と評価されていましたが、あれから30年、医療に取り入れられるようになるとは・・・想定外です。
マックのおまけ規制を検討 米市が肥満対策で
(2010年8月16日 提供:共同通信社)
米メディアによると、米サンフランシスコ市は13日までに、ファストフード店などが高カロリーの子ども向けメニューにおもちゃのおまけを付けることを禁じる条例を制定する検討を始めた。
米国で深刻化している子どもの肥満を減らすことが目的。同市に隣接するサンタクララ郡も同様の規制を今年、米国で初めて導入しており、さらに広がるか注目される。
条例案は、600キロカロリーを超えるセットメニューで野菜や果物がつかない場合、おもちゃ付きの販売を禁止する。
米国では子どもの3人に1人が肥満か太り気味とされ、対策が求められている。高カロリーの子ども向けファストフードの消費増加が一因と考えられており、米紙USAトゥデーによるとおもちゃのおまけがこうしたメニューに子どもを引きつける要因になっている。
おもちゃ付きメニューは全米で年間10億人分以上販売されているといい、条例が成立すればマクドナルドをはじめとするファストフード店には打撃。このため同市のレストラン協会は反対している。
イタコ「口寄せ」自殺者遺族への癒やし効果
(2010年8月16日 提供:読売新聞)
国助成で今月末から研究スタート
故人の霊を呼び寄せて言葉を伝えるイタコの「口寄せ」に、自殺者の遺族(自死遺族)が癒やされるケースが多いことに注目し、その理由を探る文部科学省の補助金助成研究が、今月末からスタートする。
自殺者が12年連続で3万人を超える中、新たな遺族支援のあり方を提案したい考えだ。
研究は、青森県立保健大健康科学部の藤井博英教授らが実施。調査は3年間で、今年度は、県内のイタコを訪れる自死遺族5人に協力を求め、口寄せを受ける理由や受けた直後の気持ちの変化、話の内容や口調などイタコのどこに癒やされたか--などを聞く。
藤井教授によると、口寄せを受ける自死遺族には、他の遺族とは異なる苦しみがある。自ら命を絶った理由を故人本人から聞けず、自殺を防げなかった自分を責め続けてしまう。
こうした苦しみは、話を聴いてくれるだけの通常のカウンセリングでは解決できないことも多い。
このような遺族に、イタコが呼び寄せた「故人」は決して恨み言を言わず、「世話になって本当に感謝している」などとお礼の気持ちを伝える。さらに「私のために毎朝線香を1本あげてください」など、簡単にできるお願いをする。
すると、「遺族の自責の念が和らぎ、故人と再び対等に向き合えるようになり、立ち直るきっかけになる」(藤井教授)という。
来年度以降は調査対象者を増やし、病死遺族への効果とも比較する。最終的には、イタコの話す内容や口調、場の雰囲気などの中から、カウンセリングや遺族同士のケアに生かせる部分を提案する。藤井教授は「自死遺族の支援は不十分で、後追い自殺をする遺族もいる。非科学的とされる民間信仰を科学的に検証し、遺族支援に役立てたい」と話している。
★ イタコ
東北地方に古くから存在する巫女(みこ)で、死者の霊魂を呼び寄せて自分に乗り移らせ、その言葉を語るとされる。青森県むつ市の恐山が有名。「津軽のイタコの習俗」は国の無形民俗文化財。
自閉症の徴候は乳児期の早い段階で認められる
(2010/08/13:HnelthDay News)
自閉症の徴候が生後1カ月から認められることが、新しい研究で示された。ただし、その徴候は目を合わせない、笑わないなどの一般的なものではなく、筋緊張の異常や視覚処理の違いなどの微妙なもので、訓練を受けた専門家が注意深く観察しなければわからないと、研究著者の1人である米ニューヨーク州発達障害基礎研究所(オールバニー)のIra Cohen氏は述べている。
自閉症は、社会的交流や言語コミュニケーション、非言語的コミュニケーションの問題、興味や行動の制限などを特徴とする神経発達障害である。今後の研究によって今回の知見が裏付けられれば、小児の自閉症の早期発見と治療につながるはずだという。著者らは、2歳までの介入が最善の結果につながると述べている。
医学誌「Pediatrics(小児科学)」オンライン版に8月2日掲載された今回の研究では、新生児集中治療室(NICU)に入院した乳児で、後に自閉症スペクトラム障害と診断された乳児28人を、性別および在胎週数が一致した自閉症でない乳児112人と比較した。乳児の行動および発達の検査は、生後1カ月、4カ月および約2歳まで定期的に実施された。
生後1カ月の時点で、後に自閉症と診断された乳児は退院後に「持続的な神経行動学的異常」のみられる比率が高かった。また後に自閉症と診断された乳児では、約40%に対象物を目で追う行動に異常がみられ、半数以上に腕の筋緊張の異常(過剰に軟らかい、あるいは硬い)がみられたのに対し、正常に発達した乳児ではそれぞれ10.5%、22%であった。
生後4カ月では、異なるスピードで点滅する光を用い、乳児が視覚刺激光の多いモニターまたは少ないモニターを見ることを選べるようにし、それぞれのモニターを見ている時間を測定した。その結果、自閉症と診断された乳児は多量の視覚刺激を好む傾向がみられた。7~10カ月では、自閉症と診断された乳児には思考能力および運動能力の低下がみられた。自閉症の小児は生後約13カ月までに正常な小児との発達の差が顕著になってくるが、これはその徴候が早期に現れたものと思われる。
研究グループは、今回の研究はNICUに入院した乳児を対象に実施されたものである点を強調。満期産で健康に生まれた乳児でも同じような異常が早期にみられるかどうかを確認するには、さらに研究を重ねる必要があるという。
米ケネディ・クリーガーKennedy Krieger研究所自閉症・関連疾患センター(ボルチモア)のRebecca Landa博士によると、過去の研究では、早産児や低出生体重児は自閉症の発症率が高いことが示されているが、自閉症児のほとんどは早産児ではないという。Landa氏は「今回の研究で筋緊張や視覚システムが報告されている点が重要だ。われわれは今や、従来の定番である表情やアイコンタクトなどは乳児の自閉症の主要な徴候ではないと考えている」と述べている。
看護師による小児科電話相談を実施 群馬・桐生厚生総合病院
(2010年8月13日 提供:毎日新聞社)
桐生広域圏の高度先進医療の中核を担う桐生厚生総合病院(丸田栄院長)は、小児科時間外の外来患者を対象に、深夜から早朝の時間帯に看護師による電話相談を始めた。軽い症状の患者が救急車で搬送されてきたり、自家用車で来院するケースを減らす狙い。同病院は「医師の負担を少しでも減らすことで医師を守り、市民と病院を守る」と話す。
午前0時から同8時45分で、当面は内科、外科医が担当している小児科時間外の外来で実施している。
(院長のつぶやき)看護師が電話相談を担当する場合、バックに小児科医のサポートが必要になります。果たして「小児科医の負担軽減」に繋がるのか、注視したいと思います。実は私、この病院に昔勤務していました(もう20年以上前ですが)。
治療や検査、アニメで説明 スマイルタッチ 子供向け端末、「アンパンマン」など収録
(2010年8月13日 提供:毎日新聞社)
アニメ制作・配給会社「トムス・エンタテインメント」(東京都)は、子供に治療や検査に関する情報を分かりやすく説明するアニメを収録した医療施設向けのアニメ視聴端末「スマイルタッチ」を製作した。「それいけ!アンパンマン」など同社の人気アニメも多数収録し、不安を抱えた病気の子供の心を支える。9月末から小児医療現場向けのレンタル事業を展開する。
小児医療現場では、泣いたり治療を拒否したりする子供の気を引くため、DVDなどでアニメを見せることがあるが、権利者の上映権に抵触する可能性があった。これを懸念した医療機関が同社に依頼したことがきっかけで、権利処理したアニメを使った小児医療の支援事業を始めた。
端末は重さ約1・6キロで、12インチ画面を直接触って操作する。点滴▽採血▽薬剤の吸入▽レントゲン--の4種類の医療行為への理解を促すため、独自のキャラクターを使った各2~3分のアニメを収録した。また、これまで単体での提供に限られていた「きかんしゃトーマス」「名探偵コナン」など同社の人気アニメも同時に収録したほか、消毒にも対応する。
来年3月末までに1000-2000台の提供を見込む。レンタル料は月額9800円(税抜き)など。
子どもの心臓は子ども優先 移植患者選択で新基準案
(2010年8月12日 提供:共同通信社)
脳死と判定された子どもから提供された心臓の移植を受ける患者の選択基準について、厚生労働省の作業班は11日、提供者が18歳未満の場合は、待機患者として登録した時点で18歳未満だった人を優先的に選ぶとの新基準案をまとめた。
作業班は心臓移植の専門家らで構成。法律家らを含む上部組織の臓器移植委員会で認められれば正式決定する。厚労省によると、提供者の年齢に着目した優先規定は、ほかの臓器にはない。
低年齢の患者は、低年齢の人から心臓の提供を受けたほうが、高年齢の人からの提供より生存率が高いとの米国のデータなどを参考にした。移植が必要な子どもは、渡航移植ではなく国内で移植を受けられるように子どもからの提供を可能にした臓器移植法改正の趣旨も考慮した。
新基準案では、医学的に緊急度が最も高い「ステータス1」の待機患者の中で、18歳未満を18歳以上よりも優先する。
またステータス1になる条件のうち、「集中治療室に入り、強心薬の投与を受けていること」について、18歳未満の場合は、投薬を受けていれば、親が付き添えるよう一般病棟などにいてもよいとの例外を新たに設けた。
3D映画は視聴注意、頭痛や眼精疲労
(2010/08/11:読売新聞)
立体的な映像を楽しめる3D(3次元)映画を見て、頭痛や眼精疲労などを訴える人が相次いでいるとして、国民生活センターが注意を呼びかけている。
神奈川県の40代の女性は今年5月、中学1年の娘と3D映画を見た。その後、女性は眼精疲労と頭痛を感じ、娘も乗り物酔いに似た症状が続いた。同センターによると、同様の体調不良に関する相談が、今年に入って5件寄せられた。
専門家によると、3D映像は従来の2D(2次元)映像に比べ、酔いや疲労を感じやすいとされる。たが、なぜこうした症状が出るのかについて研究は進んでいない。
今夏公開の映画には3D版での上映が増え、3D対応テレビも相次いで発売されている。同センターは、3D映像を視聴する際の注意点として、〈1〉気分が悪くなったら視聴を中止する〈2〉見た後しばらくは自動車の運転を控える〈3〉幼い子どもに見せるのは避ける――などを挙げる。
同センターは、映画業界に対して、3D映像の注意点を映画館で周知することなどを要望。映画産業団体連合会は、「要望に沿う形で対処するため、映画制作会社や劇場の関係者を集めた対策会議を開きたい」としている。
粉ミルクに女性ホルモン?中国で乳児の胸膨らむ
(2010年8月9日:読売新聞)
中国で、山東省の大手乳製品メーカーの粉ミルクを飲んだ赤ちゃんに、胸が膨らむなどの異常が見られることがわかり、粉ミルクに女性ホルモンが混入していた疑惑が浮かんでいる。
専門家らは、乳がよく出るように乳牛に注射したホルモンが粉ミルクに残留していた可能性があるとの見方を示しており、乳幼児約30万人に健康被害が出たメラミン混入事件(2008年)以来の汚染ミルク問題に発展するとの懸念も出てきた。
9日付の中国紙「第一財経日報」などによると、湖北省武漢市在住の生後4~15か月の女児3人の乳房が膨らみ始めた。病院で検査した結果、女性ホルモンが成人並の数値を示した。江西、山東、広東の各省でも、同じような症状の赤ちゃんが見つかったという。
いずれの赤ちゃんも、同じ山東省のメーカーの粉ミルクを飲んでいたが、メーカー側は7日、「製品にホルモンなどは添加していない」とする声明を発表、関連を否定している。だが、専門家によると、中国の粉ミルクの品質基準の検査項目にはホルモンが含まれておらず、監督体制の死角になっているという。
映画「小さな命が呼ぶとき」で注目、希少疾患を巡る情勢一変も
東京慈恵医大小児科教授、大橋十也氏にポンペ病などライソゾーム酵素欠損症の診療を聞く
2010年8月9日 星 良孝(m3.com編集部)
「難病」と聞くと、「日常診療とは遠い話だ」と、医師の関心はなかなか向き難いかもしれない。しかし、状況は大きく変化している。背景にあるのは新薬の登場だ。製薬企業が希少疾患向け医薬品を相次いで発売している。
7月24日に全国公開されたハリソン・フォード主演の映画「小さな命が呼ぶとき」の題材となったポンペ病も、最近になり治療薬が登場した希少疾患、ライソゾーム酵素欠損症の1つ。その診療に取り組む、東京慈恵会医科大学小児科の大橋十也教授は、「専門医でなくとも拾い上げを意識してほしい」と強調する。
意外と患者数は多い可能性
「ライソゾーム酵素欠損症の患者は意外と多い可能性がある」。大橋教授はこう語る。2000年代に入って、報告される患者が年々増えてきているという。東京慈恵会医科大学を含む厚生労働省の「ライソゾーム(ファブリー病を含む)に関する調査研究班」が2001年に実施した全国調査では、500人ほどの報告があった。この調査では、ライソゾーム酵素欠損症の1つ「ファブリー病」は100人強の報告にとどまっていたが、2010年現在では400人ほどが報告されるまでになった。また、ポンペ病の患者は30人強だったが、今では国内でおよそ100人が判明している。
大橋教授は、「他疾患、あるいは原因不明として医療機関でフォローされている患者の中にライソゾーム酵素欠損症が埋もれている」と、自身の経験から語る。実際、筋ジストロフィーとして、治る見込みがないと見られている患者がライソゾーム酵素欠損症の1つ「ポンペ病」で、実は薬剤治療が可能と分かることがあった。またある時は、原因不明の糸球体腎炎と診断されていた患者がポンペ病と診断可能で、新規の治療法である「酵素補充療法」の適用となったケースもあった。
「原因不明の糸球体腎炎の中に1%ほどの割合でポンペ病が潜むと言われ、単純計算で1000人規模の患者がいることになる」と大橋教授は分析する。ちなみに、日本透析医学会の統計では、2009年末時点で、人工透析を受ける患者の原疾患別のデータで、慢性糸球体腎炎の患者は10万5202人が存在した。糸球体腎炎の原因は不明の場合も多く、ポンペ病が潜むとすれば、患者が多数に及ぶ可能性は否定できない。
大橋教授は、「鑑別疾患として、筋ジストロフィーとの区別であれば、神経内科。肥大型心筋症ならば循環器科、腎不全であれば腎臓内科の医師に知っていただきたい。末梢血中の酵素濃度を測定することで、ライソゾーム酵素欠損症は比較的容易に診断可能だ」と強調する。
2000年以降に治療薬の登場相次ぐ
ライソゾーム酵素欠損症の診断を付ける意味が大きいのは、酵素補充療法に用いられる新薬が2000年代に入って相次いで承認されているからだ。
先行して動きがあったのは海外で、ファブリー病を適用疾患とするファブラザイム(米国のジェンザイム社が発売)およびリプレガル(アイルランドのシャイアー社が発売)がEU(欧州連合)で最初に承認されたのは2001年。ポンペ病のマイオザイム(ジェンザイム社が発売)は2006年にEUと米国で最初に承認された。ゴーシェ病の酵素補充療法に用いられるセレザイム(ジェンザイム社が発売)は比較的に早く1994年に米国で最初に承認されたが、ライソゾーム酵素欠損症の薬剤が続々と発売されたのは2000年に入ってからだ。
日本では欧米の数年遅れで承認されている。セレザイム(ジェンザイム・ジャパン)が1997年、ファブラザイム(ジェンザイム・ジャパン)が2004年、マイオザイム(ジェンザイム・ジャパン)、リプレガル(大日本住友製薬がシャイアー社から導入し、国内で開発)が2007年にそれぞれ承認されている。ムコ多糖症の1型、2型、6型の治療薬も承認されている。
正確な診断がなければ、こうした治療薬の使用機会は失われてしまう。ポンペ病の成人発症例は、遅滞型筋ジストロフィーと酷似しているが、有効な治療法があるのは、ポンペ病だけ。ポンペ病であっても、遅滞型筋ジストロフィーと診断されてしまえば、「治療のすべがない」とみなされる。新薬の恩恵を適切に受けられない患者をできる限り減らそうと、大橋教授ら専門医は奮闘している。
希少疾患、製薬企業のメーン標的に
実は、ここ数年で、ライソゾーム酵素欠損症に限らず、希少疾患を巡る状況は一変すると見られている。製薬企業が一斉に、希少疾患向けの薬剤、いわゆるオーファンドラッグ開発を強化しているからだ。海外においては、米国のジェンザイム、同じく米国のセルジーンといった希少疾患に特化したメーカーだけではなく、米国ファイザー、英国グラクソ・スミスクライン、スイスのノバルティスといった大手企業も参入した。国内でも、ノーベルファーマや日本新薬といった企業が開発を進めている。
もっとも、オーファンドラッグは公費負担あって初めて成立するカテゴリーで、高額の薬剤費をいかに負担していくかは重要な課題として別途議論が必要だ。例えば、ポンペ病を適用疾患とする点滴静注用マイオザイムの場合、50mgのバイアルが1本9万3994円。体重1kg当たり20mgを隔週投与する必要があり、薬剤費は体重に応じて積み上がっていく。日本のほか、米国や欧州も含めて、国際的にはオーファンドラッグに対する助成を強化する方向にあるとはいえ、薬剤費の設定や負担のあり方などについての議論は続きそうだ。
さらに、患者の肉体的、精神的な負担が大きい面も無視できない。酵素補充療法という性格上、いったん治療を開始すれば、隔週で通院し、1回4時間程度の点滴静注を、生涯継続しなければならない。
様々な方向から希少疾患を論じることはできるが、大橋教授が繰り返し強調するように、最終的には、新薬の登場により、それまで治療法に出会えなかった患者が受ける恩恵が大きいという点を見逃すことはできない。多くの医師の立場に立てば、治療の恩恵の大きさの分だけ、診断の意義が高まっているという事実は大切だろう。治療の選択肢が増えることと併せて、従来十分に認知されてこなかった希少疾患について、詳細な情報を共有できるネットワーク基盤の整備が必要になってきそうだ。
なお、8月22日には、東京慈恵会医科大学で、副腎白質ジストロフィー症の患児を持つ親の会がおよそ100人を集めて開かれる予定。希少疾患への関心はこれから高まることはあっても、低下することはなさそうだ。
【ライソゾーム酵素欠損症】
糖や脂質をうまく分解できなくなる病気。糖や脂質を分解するための酵素が遺伝的に不活性化、あるいは機能低下している。異常がどの酵素に起きているか。その酵素の違いから40種類ほどのライソゾーム酵素欠損症が存在する。ポンペ病(酸性αグルコシダーゼ欠損症、糖原病2型)やファブリー病(αガラクトシダーゼA欠損症)のほか、ゴーシェ病(グルコセレブロシダ-ゼ欠損症)、ムコ多糖症など。ライソゾーム酵素欠損症に対して、疾患で欠損している酵素を注射し、不足した酵素を補う方法が出てきている。国内において、確定診断は東京慈恵会医科大学のほか、国立精神・神経医療研究センターを含む専門機関が受け付けている。一般的には、診療所から大学病院に紹介された上で、そうした専門機関に照会されるケースが多い。
アニメ視聴の小児科支援ツール/「泣かれずに点滴できた」
(2010年8月9日:Japan Medicine)
アニメ作品の企画制作などを手がけるトムス・エンタテインメント(岡村秀樹社長)は、同社保有のアニメコンテンツを利用した小児科支援ツール「スマイルタッチ」を開発した。9月23日から全国の病院・診療所の小児科に向けて、レンタル事業を開始する。
同社は5日、東京都内で「スマイルタッチ」の製品発表を行い、同品が開発段階から「泣かれずに点滴できたのは初めて」などと医療機関から好評を得たことを紹介。子どもが大好きなアニメを活用することで、子どもの治療や検査内容に対する理解や心のケア(プレパレーション)が進み、小児科医療の支援に役立つとした。
スマイルタッチは、治療中や検査中の子どもの痛みや恐怖心をアニメの視聴で和らげる目的で開発された世界初の医療施設向けアニメ視聴端末。子どもでも簡単に操作できる12インチディスプレイを搭載し、内部メモリに「それいけ!アンパンマン」や「きかんしゃトーマス」「ハローキティ」などの同社制作アニメや絵本・図鑑・辞典などに加え、オリジナル医療アニメが収録されている。待合室や処置室・手術室など院内での持ち運びも容易で、頻繁な消毒に耐えられるように対アルコール性能を備えている。
オリジナル医療コンテンツには、「点滴がんばろう!」「採血ってなあに?」といった理解を高め診療支援に役立つアニメや、新米ママの医療知識向上にも役立つ「お熱がでたときは」「予防接種にいきましょう」といった専用アニメが収録されている。コンテンツ更新機能もある。
開発段階で医療従事者120人を対象に行ったアンケート調査では、回答者の74.2%が「非常に有効」もしくは「有効」と答えた。また保護者の90.8%が「とても良かった」もしくは「良かった」と答えた。医療者からは「小児医療の現場に対する、こんな具体的なソリューションは初めて」「患児の治療に対する恐怖心をなくすのに非常に効果がある」などの評価が寄せられたという。
導入コストは月額レンタルで初期登録料9800円および月額利用料9800円。年間レンタルで初期登録料9800円および年間利用料9万8000円。無料トライアルもある。
こどもの体力向上へ、東京都教委が対応策 1日1万5000歩/小学校に運動部
(2010年8月7日:毎日新聞社)
都教育委員会は、子どもたちに体力を付けさせるための12年度までの対応策をまとめ、「1日1万5000歩」「小学校での運動部創設」などの目標を掲げた。都内の子どもの体力が、ほとんどの学年で全国平均を下回っているため。都教委は、12年度までに体力を全国平均にまで引き上げ、19年度にはピークだった昭和50年代のレベルまで向上させたいとしている。
都教委によると、79年の小学生の歩数は1日平均約2万7000歩だった。しかし、07年には約1万3000歩に減少。背景には、ゲーム機の普及で外で遊ぶ時間が減ったことなどがあるという。そこで「現段階において子どもが体力を高めていくために妥当な目標」として、「1日1万5000歩」とした。達成度をみるための歩数計の配布を検討している。
また09年度の小学校の部活動で、運動部には全体の0・6%の約3000人しか参加していないことから、「1日60分運動・スポーツ」の実践を最低基準にし、運動部の創設を促していくという。文化部には約1万人が参加している。
文部科学省が小学5年と中学2年を対象に昨年度実施した全国体力調査では、都道府県別で小5の男子38位、女子35位。中2の男子は46位、女子は43位だった。
家族の承諾だけで初の脳死・臓器移植へ
(2010年8月9日:読売新聞)
関東甲信越地方の病院に入院中の18歳以上の患者が、改正臓器移植法に基づく脳死と判定された。厚生労働省が9日、明らかにした。 患者の性別は不明。患者は生前に書面で意思表示をしておらず、家族が臓器提供を承諾した。
脳死判定は同日午前11時55分、終了した。実際に臓器提供が実施されると、改正法が7月17日に全面施行されて以来、初の適用例となる。1997年の臓器移植法施行後、法的脳死判定は88例目で、臓器提供が行われれば87例目。
ヨン様から保育器の贈り物、鹿児島市立病院に届く
(2010年8月8日:読売新聞)
韓流スターのペ・ヨンジュンさんが、新生児用の保育器を鹿児島市立病院に寄贈した。アジアの子どもたちを支援するチャリティー活動の一環で、全国の8病院に1台ずつ贈ったという。
保育器は低体重児のほか、感染症の治療や手術が必要な新生児を入れる。寄贈されたのは日本製で、7月発売の最新型(約500万円)。ふたが自動開閉し、保温性や加湿性に優れ、軽くて移動させやすいという。ペ・ヨンジュンさんのサイン入りプレートが付いており、3日に届いた。
市立病院総合周産期母子医療センター新生児科の茨聡部長は「ありがたい。ペ・ヨンジュンさんの気持ちを大事にするためにも、多くの赤ちゃんの院内での搬送に活用したい」と話した。
新生児病棟は80床で、このうち新生児集中治療室(NICU)は36床あり、いずれも日本一多い。
助産師の一部が代替医療、命への責任再認識を
(2010.8.3:読売新聞)
昨年10月、山口市内で生後2か月の女児がビタミンK欠乏症となり死亡した。女児の母親(33)は、出産を担当した同市内の助産師(43)が標準予防法のビタミンK2シロップを女児に与えなかったことが死亡原因だとして、助産師を相手取った損害賠償請求訴訟を山口地裁に起こした。
<要約>
・来月始まる裁判は、助産師の行った代替医療が注目点
・死亡乳児への療法は、効果が疑問視されている
・助産師は、医療従事者の基本に立ち返る必要がある
第1回口頭弁論は8月4日に行われるが、この訴訟が注目されるのは、助産師がビタミンK欠乏症予防として代替療法「ホメオパシー」の錠剤を女児に与え、ビタミンK2を与えなかったとされる点だ。代替医療は現代医学には限界があるとして患者の自然治癒力に働きかける治療法の総称で、ホメオパシーはその代表的存在。約200年前に欧州で登場、治療者によっては軽い頭痛から心臓病、がんなどまで対応する。
一方、ビタミンK欠乏症は、新生児の4000人に1人の割合で発症する。生後1か月頃に頭蓋(ずがい)内出血を起こして死亡する症例が多いが、ビタミンK2を生後1か月までに3回与える予防法は確立している。厚生省(当時)も1989年、投与を促す指針を策定し、10万人当たりの発症率は平均18人(78~80年)から2人(90年)まで低下した。
しかし、投与は義務ではないため漏れもある。この助産師もビタミンK2を投与したと母子手帳に記していた。日本助産師会の岡本喜代子専務理事は「ビタミンK2投与は当然行うべき基本的な処置。助産師はホメオパシーなどの伝統医学や食事療法などを妊婦のケアに取り入れる人が多いが、極端に偏った考えの助産師がいたことを重く受け止めている」と話す。
特にホメオパシーについては、同会支部主催で講演会が開催されたこともある。今回の助産師もホメオパシー普及団体の認定資格者の一人。予防接種などを否定する傾向の強い普及団体に関係している助産師もいて、同会の中でも懸念する声があがっていた。
ホメオパシーで使う錠剤は、様々な成分をその分子が検出できないほど水で希釈して砂糖玉にしみ込ませたもの。それ自体有害ではないが、現代医療を受けていれば助かったはずの命が救えない恐れもある。
今年2月には、英国議会も科学的根拠に乏しいことを理由に保険適用の中止を求める報告書を出した。唐木英明・東大名誉教授(リスク管理学)は「代替医療は『自然』『安全』といった言葉で語られるが、治療効果の検証が不十分で、医療従事者が提供すべき医療ではない」と指摘する。
助産師主体で行う出産は全出産数の約1%に過ぎないが、現代医療が濃厚に関与する出産とは異なる選択肢として、一定の支持を得てきた。助産師など医療従事者は存在意義を失わないためにも、その姿勢が患者の命を左右することを肝に銘じるべきだ。
増える「献体」希望者、群大の登録4年待ち
(2010年8月2日:読売新聞)
「医療に貢献」浸透 *「葬儀不要」も背景に
自分の遺体を大学医学部の解剖学実習に無償提供する献体の登録希望者が急増している。
群馬大学では、2002年頃は予約から登録まで1年程度だったが、現在は14年度まで登録待ちで埋まっている。医療の進歩に貢献したいという考え方が広まったことや、伝統的な葬儀にこだわらない人が増えていることが背景にあるようだ。
献体された遺体は、医学部や歯学部の学生が4人前後のグループで半年程かけ、くまなく解剖する。群馬大医学部が解剖する遺体は年間約40体。全国では約3200体に及ぶ。
群馬大の献体登録者は02年以降、約1200人で推移し、予約は09年に累計250人を突破した。かつては警察に頼んで身元不明の遺体を回してもらうなど確保に苦労したが、保管場所が足りなくなり、02年から新規登録を解剖する遺体の数と同じ年間40人程度に制限した。担当者は「医療ミスに対する意識の高まりから、『医学部生の成長に役立ててほしい』という人が増えているようだ」と話す。
全国的な傾向も同様だ。大学の横断組織である篤志解剖全国連合会(東京)によると、解剖する遺体のうち身元不明の遺体などが占める割合は、1970年頃には80%程度を占めたが、献体の急増で09年は約5%にまで減った。
登録者や家族にはそれぞれ事情があり、「家族に迷惑をかけずに済む」「面倒くさくなくて良い」という動機もある。死生学を研究している東京大学の島薗進教授は、「死ぬ前に孤独な人が多くなり、手厚い葬儀や墓参りが減った。簡単で安価な遺体の処理方法が求められているのではないか」と別の増加要因を指摘する。実際、群馬大で解剖された遺体のうち約25%の遺骨が大学所有の納骨堂に入り、引き取り手が現れない。
献体は登録者の善意で支えられているが、無料で火葬され、納骨も行えることから、遺体が何に使われるかを十分理解せずに「葬儀をしなくて良いらしい」と聞きつけて来る人もいるという。群馬大は、医学への貢献という趣旨の理解を促すことに努めている。
全国的には、貧困や身寄りがないために、老人福祉施設などが本人に登録を促していると疑われる例もある。同連合会の大谷修会長(富山大学教授)は「死後も医学に貢献したいと意思表明する人が増えることは、医学部生の責任感を育てることにつながる」と歓迎する一方、「葬儀が要らないという理由は本来の趣旨から外れるが、悪いとも言い切れず難しい問題だ」とも話している。
◆献体の流れ(群馬大に今から申し込んだ場合)◆
・登録を医学部学務課に申し込む。県内か近県在住、家族の同意が条件
・2014年に郵送される申し込み書に記入して返送
・献体登録証が送られる。病院や施設にいる場合、医者や職員に見せておく
・登録者が亡くなったら、遺族が大学に連絡。疾患によって献体できないことも
・通夜・葬式(任意)
・大学が遺体を引き取り、薬剤などを使って保管
・主に実習で解剖される(10月頃から約半年間)
・大学が前橋市斎場で火葬
・県民会館で慰霊祭(5月-6月)。希望する遺族に遺骨を返還。文部科学相の感謝状を贈呈
・納骨式(7月頃)。遺族が希望すると、嶺公園(前橋市)の墓地の納骨堂に。30年間は途中で引き取り可能
ウイルス原因のB型肝炎、成人の性感染広がる ワクチン接種で「母子感染」は激減
(2010/7/30:日本経済新聞)
ウイルスが血液や体液を介して感染するB型肝炎。感染しても無症状な人が多いが、発熱や黄疸(おうだん)などが現れ、肝硬変や肝がんを患うことがある。ワクチン接種で乳幼児の感染は著しく減ったが、成人の間では性感染で広がるケースが増えている。
都内在住の太田容子さん(仮名、56)は32年前、第1子を出産したときに医師から「B型肝炎ウイルス陽性です」と告げられた。発熱やだるさ、黄疸といった症状はなかった。健康診断でも問題はなかったので通院せずそのまま日常生活を送った。
国内感染者110万人
初めて発症したのは13年後の37歳のとき。38度の熱と黄疸が約1週間続き入院した。いわゆる急性肝炎だ。その後も同様の症状が2度起こり入院を繰り返した。最近は2カ月に1度、病院で検査している。入院時のような症状はみられないので特別な治療は受けておらず、仕事もしながら普通に暮らしている。
ただ、ここ2~3年はウイルスの量が増えた。「肝がんになるのではないか心配」と太田さんは不安そうな顔で話す。
国内でB型肝炎の原因ウイルスに感染している人は推定で110万人ほどいる。ウイルスは血液や体液を介して感染する。主な感染経路は妊娠中や出産の際に母から子にうつる「母子感染」と考えられてきた。乳幼児期に感染すると大抵は、ウイルスが体内に生涯居続ける「キャリアー」という状態になる。
一時的に発症すると、発熱や黄疸が現れるが1カ月ほどで治まる。感染している人は自覚症状がないことが多いが、太田さんは「肝炎を発症した後は、症状がなくても疲れやすかったり集中力が落ちたりする」と説明する。
ウイルスに感染していることが分かる機会は様々だ。太田さんのように出産時の検査で判明する場合もあれば、献血や健康診断などの際に分かることもあるという。
現時点ではウイルスを完全に死滅させる薬はない。治療の目的はウイルスの駆逐ではなく、ウイルスを抑えて肝硬変や肝がんに悪化するのを防ぐこと。キャリアーの1~2割ほどが肝硬変や肝がんになるとみられているが、そこまで悪化するのを防ぐことができれば、キャリアーでも普通に暮らせる。
まず、定期的に病院へ通い肝臓の働きを示す検査値「ALT」やウイルス量、ウイルスに対する抗体などを測り様子をみる。30歳くらいまでに肝炎を発症する場合は、体の働きでウイルスを抑えられるケースも多い。発症するとALTは一時的に急増するが、その後抗体が増えてウイルスを抑える。
この状態が続くと、治療をしなくても終生、肝がんや肝硬変にならないことが多い。「キャリアーの約7割が該当する」と東京大学の四柳宏・准教授は説明する。ただ、何度も肝炎を繰り返す場合は肝がんになりやすく、20歳代で進行するケースも多いという。手術などでなるべく早期にがんを取り除く。
また、体内にウイルスが多いと、肝硬変や肝がんになりやすいことが分かっている。その場合は、ウイルスを減らすために「インターフェロン」や「核酸アナログ製剤」を使うことがある。
「ジェノタイプA流行」
国内ではこれまで主要な感染経路が母子感染だったため、国は1986年から母親がキャリアーの場合は生まれた子にワクチンを接種して感染を予防する対策を進めた。その結果、乳幼児の感染者は激減した。
現在は「年間500人ほどの乳幼児が新たに感染している」と済生会横浜市東部病院の藤沢知雄・専門部長は説明する。ワクチン接種に来なかったり、キャリアーの父親などから唾液(だえき)や涙を介してウイルスがうつったりしていると考えられる。
ジェノタイプA流行
さらに最近は、成人で感染してキャリアーになるケースが増えている。欧米で流行している「ジェノタイプA」と呼ぶウイルスが原因で、性感染で広まる。
ジェノタイプAに感染した人の1割ほどがキャリアーになるといわれている。国立病院機構の研究チームが実施した調査では、2009年にB型肝炎ウイルスが原因で急性肝炎を起こした患者の4割以上がジェノタイプAに感染していた。
このウイルスに感染すると、1~6カ月ほどは無症状だが、2~3割の患者が発症。発熱や黄疸、だるさなどが1カ月ほど続く。発症から3カ月間ほどはウイルスが多く、ほかの人へうつす可能性が高い。
症状が治まれば一見、健康そうなので、「退院して感染を広げるケースもあるようだ」と四柳准教授は推察する。国立感染症研究所の調査では、性感染によるとみられるB型肝炎の患者は、99年ではB型患者全体の42.7%だったが、08年には66.3%に増えている。
国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センターの溝上雅史・センター長は「B型肝炎のウイルスの主な感染経路は母子感染から性感染などに変わりつつある。母子感染の予防だけではB型肝炎を防ぎきれない」と訴える。感染対策として有効なのはワクチン。肝臓の専門医らで組織する日本肝臓学会などは、すべての国民がB型肝炎のワクチンを接種できるよう国に求めている。
開業医たちは漢方薬の処方に積極的? 9割が日常診療で処方経験あり
(2010/07/29:CareNet)
株式会社QLife(キューライフ)は27日、開業医の漢方薬処方の背景や今後の意向についてアンケート調査結果を発表した。回答したのは診療所の院長200名。調査は、2010年5月25日~6月1日にインターネット上で行われた。
調査結果によると、日常の診療において漢方薬を使っている医院は89%にのぼった。「患者の5人に1人以上」に処方している医師も13%いた。逆に「過去に処方していたが今はしていない」という回答もあった(8%)。
また、漢方薬の処方に積極的なのは「収益好調な」医院に多い傾向があった。また、漢方薬の処方は治療効果以外にも、患者との関係や再診率向上にもメリットがあったと回答した開業医が多かった。特に「患者層に更年期女性が多い」医院では大きな効果がみられたようだ。
さらに、3人に1人は今後「漢方薬を増やす」と回答し、すでに積極的に処方している医師ほど増やす意向が強かった。主な理由は「西洋薬のみでは限界」「エビデンス情報の増加」など。その一方で、「エビデンス・メカニズムが不明確」「効果に疑問」「剤形の選択肢が乏しい」などの点で増やしにくいと考える医師も少なくなかった。
諏訪マタニティー、「減数手術」873例実施
(2010年7月29日:読売新聞)
諏訪マタニティークリニック(長野県)の根津八紘院長は29日、妊娠した複数の胎児を人工的に減らす「減数手術」を、昨年まで28年間に計873例行ったと、横浜市で開催中の日本受精着床学会で発表した。
減数手術の実施を、医療機関が公表するのは珍しい。
排卵誘発剤や体外受精などの不妊治療で妊娠すると、双子以上の「多胎」になる場合があり、母体や胎児の危険、育児負担が懸念される。根津院長によると、873例中91・4%は、他の医療機関で不妊治療を受け多胎妊娠した後、「うちでは対応できない」と言われ、同クリニックを受診。手術で1-3人に減らした。九つ子も2例あったという。
減数手術には、「胎児の生命を選択する行為」との批判もある。根津院長は「願わくばゼロにしたいが、必要悪だ」と話す。
(院長のつぶやき)建前を重視する産婦人科学会では批判されている根津先生ですが、困った妊婦の駆け込み寺になっているのが現状です。
虐待で死亡の子供、6割の39人が0歳児
(2010年7月28日:読売新聞)
厚生労働省は28日、2008年度に虐待で死亡した子供67人について調査したところ、約6割の39人が0歳児だったと発表した。
過去の調査でも0歳児の割合は3-5割と高かったが、今回はさらに増加した。また、09年度に全国の児童相談所(児相)で対応した児童虐待の件数は、前年度より1546件多い4万4210件(速報値)に上り、過去最多を更新した。
08年度の虐待による死亡例は前年度より6人増えた。67人の年齢別は、0歳の39人のほか、1-5歳が21人、6-10歳と11歳以上が各3人、年齢不明が1人。0歳児39人のうち、生後1か月以内が26人を占めた。
分析した有識者による検証委員会によると、0歳児への虐待の理由は「(出産を)家族、職場、学校に知られたくなかった」「育児能力がなかった」「育児ストレスが募った」など。虐待には身体的虐待のほか、ネグレクト(育児放棄)などがある。検証委では「従来の虐待対応だけでは不十分」とし、〈1〉望まない妊娠を予防するための性教育の充実〈2〉妊娠した女性が相談しやすい体制作り--などの必要性を指摘している。
今年に入っても堺市で3月、泣きやまない生後2か月の長女に腹を立て、揺さぶって脳に損傷を与えて死亡させたとして、母親の武中明日香被告(24)が殺人容疑で逮捕された。武中被告は精神鑑定後の7月、傷害致死罪で起訴されたが、「眠れないほど子育てに疲れていた」などと供述しており、孤立した育児の危険性が浮き彫りになっていた。
一方、全国の児相で対応した児童虐待の件数は、統計を取り始めた1990年度以降、一貫して増えており、90年度比では約40倍となった。厚労省は「虐待が疑われる場合、一般の人にも通報義務が課されていることなどが浸透してきた」と分析。08年4月から可能になった児相による強制立ち入り調査は、09年度は前年度の2件からさらに減って1件にとどまった。
小児移植、追いつかぬ現場…山梨
(2010年7月27日:読売新聞)
15歳未満の子どもからの臓器提供を認める改正臓器移植法が全面施行された。
厚生労働省の新たな運用指針の提示が遅れたこともあり、山梨県内で臓器提供の対象施設となる県立中央病院と山梨大医学部付属病院ではまだマニュアルが完成しておらず、態勢整備を急いでいる。改正法で盛り込まれた虐待が疑われる子どもからの臓器提供を認めないことなど、新たな対応に現場からは戸惑いの声が聞かれる。
改正法では、本人の臓器提供意思が不明でも家族の承諾で提供が可能になり、提供する側の家族への説明を誰がいつ行うかなど、細かな手順を示したマニュアルを病院ごとに定めることになっている。だが、改正法の運用指針が厚労省から示されたのは6月下旬で、説明会が開かれのは施行当日の今月17日だった。このため両病院ではマニュアル作りが遅れている。
特に、これまで対象外だった15歳未満の子どもからの臓器提供について、医師らは不安を感じている。改正法では、虐待された疑いのある子どもは臓器提供の対象外となるが、虐待の有無を見分ける判断が難しいためだ。
県立中央病院の虐待予防連絡会会長で、小児科の駒井孝行主任医長によると、親が不注意で子どもを落としてしまったり、子どもが重傷を負った交通事故に親が居合わせたりした場合も、虐待に含まれる可能性があり、判断に迷うケースが多いという。駒井主任医長は「虐待がないと断定するのはとても難しい。どんな判断を下しても最初は『本当に適切だったのか』との指摘を受けることになる」と対応の難しさを説明する。
同病院では、虐待の有無に関する判断手順などを早急に取り決め、今月中にもマニュアルを完成させる予定だ。山崎弘道副院長は「改正法が施行された以上、やらないというわけにはいかない。早くしっかりとした環境を整えたい」と話す。
一方、山梨大医学部付属病院では、「脳死判定委員会」に小児科医が入っていないことなどから、15歳未満の子どもの臓器提供の実施は現状では困難だという。
8月中旬に小児科医2人を新たにメンバーに加えた脳死判定委員会を発足させ、虐待の有無の判断手順などを検討していく予定だ。同病院総務課は「国の対応の遅れで、現場は非常に混乱している。年内を目標に態勢を整えたい」としている。
また、提供者本人の意思が不明でも家族の承諾があれば臓器提供が可能になり、対象事例が増えるが、患者が脳死となった際に家族に臓器提供の話を持ちかけられるかという課題もある。
県立中央病院救命救急センターの松田潔センター長は「臓器提供の話を何度もすると、こちらが勧めているかのように受け取られ、医療不信を招く。『治療を続けてほしい』と訴える家族も多く、こうした家族には提供の説明はできないだろう」と話している。
あんしん教室 出産の公的支援策は?
(2010年7月27日:読売新聞)
妊娠中の健康診査や分娩(ぶんべん)費用など、出産にはお金がかかると聞いている。公的な支援はあるの?
妊婦健診 完全無料は遠く
妊娠中は母子の健康状態をチェックするため、定期的な健康診査(妊婦健診)を受ける必要がある。
厚生労働省では、出産までに14回の健診を標準にしている。妊娠初期から23週までは4週間に1回、24週から35週までは2週間に1回、36週から出産までは1週間に1回。体重や血圧の測定、尿検査のほか、必要に応じて血液や超音波検査なども行われる。医療機関によって差があるが、1回当たり5000-1万円で、平均的な費用の総額は約11万円だ。
妊婦健診は健康保険が適用されず、本来なら妊婦の自己負担になる。そのため、費用を工面できず、間際に医療機関に駆け込む「飛び込み出産」が問題化した。未受診で生まれた赤ちゃんの約3割が新生児集中治療室(NICU)に入るという調査もあり、産前の受診は母子の健康チェックに欠かせないといえる。
そこで厚労省は2007年度から各市区町村に対し、最低5回分を支援するよう求めた。費用には地方交付税を充てている。08年度と09年度にも対象を拡充、6回目以降にも支援を広げる市区町村には、その半額分を国庫、残りを地方交付税で補助することにした。この結果、14回の健診がすべてタダになったところもある。受診券は、妊娠を届け出る窓口で、母子手帳とともに受け取れる。
厚労省のまとめによると、14回の健診に対し、全自治体が何らかの形で補助していたものの、財政難などから負担額は1人当たり「3万-12万円以上」とばらつきがあることもわかった。「14回全国完全無料化」の実現はまだ遠い。
出産時にも多額のお金がかかり、平均額は約42万円。健康保険の加入者かその配偶者には、原則42万円の出産育児一時金が支給されるため、これで賄える。出産費用が用意できない未加入者には、児童福祉法による助産制度がある。福祉事務所に申請のうえ、都道府県の指定する医療機関(08年度に全国465か所)で産めば費用はかからない。
妊婦健診の国庫補助は今年度限りで、来年度以降は不透明だ。少子化対策には、子育て支援とともに、まずは安心して子どもが産める環境整備が不可欠だ。
小児用医療機器の回収不徹底、製造販売会社に業務停止命令 厚労省
(2010年7月27日:毎日新聞社)
厚生労働省は26日、事故の恐れがある小児の麻酔用呼吸回路「ジャクソンリース回路」の回収を徹底しなかったとして、東京都文京区の医療機器製造販売会社「五十嵐医科工業」(五十嵐康夫社長)に薬事法に基づき25日間の業務停止命令を出した。未回収品が医療機関に残っている可能性も否定できないとして自治体などに注意喚起の通知を出した。問題になったのは、小児にマスク麻酔をする際にチューブを接続する器具。
日本人の平均寿命、男性79.59歳・女性86.44歳 〜4年連続で過去最高
(2010/7/26:日本経済新聞)
日本人の平均寿命は女性が86.44歳、男性が79.59歳でいずれも4年連続で過去最高を更新したことが26日、厚生労働省の2009年「簡易生命表」で分かった。心疾患や肺炎による死亡率が改善し、前年より女性は0.39歳、男性も0.3歳延びた。主要国のなかで女性は25年連続で長寿世界一となったが、男性は08年の4位から5位に後退した。
国際比較では、女性の2位は香港の86.1歳(09年)、3位はフランスの84.5歳(09年)。男性の1位はカタールの81歳(07年)、2位は香港の79.8歳(09年)、3位はアイスランドとスイスの79.7歳(アイスランドは09年、スイスは08年)だった。
日本で09年に生まれた赤ちゃんのうち、65歳以上まで生きる人の割合は、男性が86.7%で女性が93.6%。全体の半分の人が生きる年齢(寿命中位数)は、男性が82.55歳で女性が89.2歳だった。
3大死因(がん、心疾患、脳血管疾患)により死亡する確率は、男性で54.65%、女性で51.84%だった。
同省は特定の死因が克服された場合の平均余命の延びも試算。がんを克服するなどした場合、男性で3.98歳、女性で3.03歳余命が伸びた。心疾患が克服された場合は、男性が1.55歳、女性が1.65歳余命が伸びるという。
(院長のつぶやき)昨今の事情を鑑みると、「長生きしても幸せにはなれない日本」「上手く死ねない日本」という印象がなきにしもあらず。
小さな命を救え ハンドルはタクシー運転手 新生児用ドクターカー
(2010年7月26日:共同通信社)
サイレンを響かせた緊急車両が車の合間を縫っていく。外見は救急車と変わらないが、後部には和歌山県立医大病院の女性医師と看護師。そしてハンドルを握っているのは救急隊員でも医師でもない、ごく普通のタクシー運転手だ―。
地域の診療所で生まれた未熟児や心臓異常などの赤ちゃんを、医師が同乗して設備の整った病院に搬送する新生児用ドクターカー。和歌山県は運転をタクシー会社に委託している。ことしで10年。地元でもあまり知られていない、小さな命を運ぶ取り組みを取材した。
5月下旬の朝、新生児の吐血が止まらないという要請を受けて、車は和歌山市郊外の診療所へ。運転は相互タクシー(和歌山市)の野村広一(のむら・こういち)さん(60)。緊張がハンドルを握る様子から伝わってくる。助手席は同僚の千丈重信(せんじょう・しげのぶ)さん(62)。約100人の赤ちゃんを運んだベテランだ。「この時間ならこっちの道や」。長年の勘で、幅が広く整備され、すいている道を瞬時に判断する。
診療所に到着。前日生まれたばかりの女の子が車の後部に運び込まれる。手足は動かず泣き声も聞こえない。小さな胸が呼吸のたび懸命に動く。野村さんがアクセルを踏む。「保育器の温度が高すぎる」「もっと揺れを抑えて」。医師や看護師らの声が飛び交う。約20分で病院に着くと赤ちゃんは新生児集中治療室(NICU)に入った。
相互タクシーがドクターカーの運転を始めたのは2000年4月。会社に1台が常駐し、年間約20件の出動に24時間備える。要請があれば近くにいる運転手を呼び戻し出動。半径50キロがエリアだが三重や滋賀まで出掛けることも。10年間事故は一件もない。
地域の産科医にとってもドクターカーはなくてはならない存在だ。ある医師は「分娩(ぶんべん)後、何か起こると医師1人では母親と新生児に対応できない。非常に心強い」。
かつては和歌山市消防局の救急車が新生児を搬送していた。しかし市外に出るのは難しい上、「指1本で心臓マッサージをする必要があるなど専門的で対応しきれなかった」と同消防局。困った県が目を付けたのがタクシーだった。県立医大の樋口隆造(ひぐち・りゅうぞう)准教授(小児科)は「専従の運転手を雇う予算は工面できない。必要な時に呼べ、運転のプロのタクシー運転手は最適だ」と話す。
相互タクシーはいつでも出動できるよう車を整備し、月2回の訓練を重ねた運転手が約30人いる。運転手は搬送中、営業を中断。月約2万円の維持費や運転手への手当が病院から支払われるが、会社の負担は小さくない。それでも田畑孝芳(たばた・たかよし)社長は「やめるわけにいかない」と意気込む。
各地に徐々に広がるドクターカーだが、運転手の確保は課題の一つだ。仙台市や岐阜市、松山市などの病院でも新生児用の車の運転をタクシー会社に委託。「以前は職員が運転していたが、負担が減った」(仙台赤十字病院の医師)という。
「ドクターカーの普及は遅れており法整備が必要だ」と指摘する川崎医療福祉大の小浜啓次(こはま・あきつぐ)教授(救急医療)は「24時間対応できるタクシー会社への委託は今後も増えていくだろう」と話す。
搬送後、会社に戻った千丈さんはたばこに火を付けた。緊張が解けたのが表情から分かる。「赤信号に突っ込むのはいまだに怖い」というが「父親になったばかりの夫にお願いしますと手を握られると、目頭が熱くなる」と笑顔を浮かべ、何事もなかったかのように自分のタクシーに戻った。
(院長のつぶやき)今から約20年昔、NICUに勤務していた私はひと月に数回ペースでドクターカーに乗り新生児を搬送していました。そういえば、運転手さんは2人でいつも同じ人だったような・・・すごい負担だったのでしょうね。
「子供の心」専門医育成…静岡
(2010年7月21日:読売新聞)
静岡県は、発達障害など子供の心の問題を治療する医師を確保し、診療・治療の体制を整備するため、今年度から4年間、浜松医科大に児童青年精神専門医を育成するための「児童青年期精神医学講座」を開設する。
「発達障害の子どもたち」(講談社現代新書)の著者で、アスペルガー症候群治療の権威として知られる杉山登志郎医師を指導教授に招き、秋から講義を始める。4年間で約40人の受講生を指導し、卒業・医師免許取得後は県立こども病院など県内の医療機関で勤務するよう促す。
5年以上の実務経験があり、学会が認定する児童青年精神専門医は全国で100人ほどと少なく、県内では5人ほどという。子供の心の問題への社会的関心が高まるとともに、治療体制の整備が求められていた。
国の地域医療再生基金を活用し、県は浜松医大に4年間、毎年度3000万円を寄付し、講座の運営に充ててもらう。杉山医師は今月7日、県庁に川勝知事を訪ね、講座の運営方針などを説明。「専門医が少ないので、1人でも多くの専門医を育てたい」と抱負を語った。
(院長のつぶやき)杉山先生の発達障害に関する著作を何冊か読んだことがありますが、あまりに専門的すぎて「下手に手出しはできない」と感じました。講座で授業を聞いただけで患者さんを診療するのは無理だと思います。野球でカーブの投げ方を口頭で教えてもらっても、実際にはなかなか投げられませんよね。
引きこもり、推計70万人=半数近くは30代-内閣府調査
(2010.7.24:時事通信)
内閣府は24日、「引きこもり」の実態に関する調査結果をまとめた。それによると、全国の15~39歳のうち、自宅に閉じこもってほとんど外出しない人は推計で69万6000人。職場でのトラブルなどが原因で引きこもりとなるケースも多く、半数近くを30代が占めた。
調査は2月、全国の15~39歳の男女5000人を対象に書面で実施。有効回収率は65.7%だった。
対象者全員に外出頻度を聞いたところ、「自室からほとんど出ない」と答えた人は0.12%、「家から出ない」は0.09%、「近所のコンビニなどには出かける」は0.4%だった。これらを狭義の引きこもりと定義して推計すると、15~39歳の年齢層では全国で23万6000人になる。
さらに「自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」は1.19%で、これを含めた広義の引きこもりは69万6000人となった。
広義の引きこもりのうち、男性は66.1%、女性は33.9%。年齢別では35~39歳が23.7%と最多で、30~34歳の22.0%、20~24歳の20.3%、15~19歳の15.3%の順。引きこもりになったきっかけのトップは、「職場になじめなかった」と「病気」が23.7%で並んだ。
心理状態に関する質問(複数回答)では、「死んでしまいたいと思うことがある」「人に会うのが怖い」がともに35.6%に達した。「家族に申し訳ないと思う」71.2%、「他人がどう思っているか不安」50.8%との回答も多く、現状を何とかしたいという切実な気持ちもうかがわれる。
(院長のつぶやき)育った環境を分析すれば、自ずと対策も浮かんでくることでしょう。
イタリアで医師らがスト 医療予算の削減に反対、手術が先送りに
(2010年7月21日:共同通信社)
[ローマDPA=共同]イタリアの医師や医療補助者らは19日、政府が発表した医療関係予算の削減に反対して24時間ストライキを実施した。このため、同日に予定されていた約1万件の手術が先送りされた。
ストには獣医師や医療事務担当者なども参加、議会前で座り込みを行う労働者もいたが、各地の救急センターは平常通り運営され、一部の病院では影響がなかったという。
(院長のつぶやき)日本でもストライキで実力行使しないと医療費を抑制され、医療崩壊がさらに進むことでしょう。民主党は先進国並みに医療福祉費を上げることを公約しましたが、今のところ嘘つきですね。
「将来、法整備が必要」 こんにゃくゼリーで政務官
(2010年7月20日:共同通信社)
消費者庁を担当する内閣府の泉健太(いずみ・けんた)政務官は16日、同庁で記者会見し、窒息事故が相次いでいるこんにゃくゼリーについて「安全性を欠いている。将来的には法的整備が必要だ」と述べ、新法か現行法の改正で規制を検討する意向を示した。
こんにゃくゼリーの規制には、適用法令がなく、消費者庁など各省庁はこれまで法規制に慎重な姿勢を取っていた。しかし、危険性が高いとする新たな実験結果が示されたことから、泉氏は「リスクを減らし、次の事故を防がなければならない」と必要性を指摘、方針を変えた。
新たな法整備は16日の政務三役会議で決定。今後のスケジュールは未定としている。
消費者庁は同日、こんにゃくゼリーの事故防止策を検討してきた「食品SOS対応プロジェクト」(リーダー・泉氏)の最終会合を開催。食品の窒息事故の再現実験を依頼した信州大医学部(長野県松本市)から「(こんにゃくゼリーは)弾力性が高く破断されにくい。重篤な窒息事故を起こすリスクが高い」との結果が報告された。
また同庁は、安全基準となる指標を作るため専門家や製造業者らで構成する研究会を立ち上げ、年内にも結論を出すことを発表した。
(院長のつぶやき)この問題、まだ決着がつかないのですね。業界団体が政治力を持っているのでしょうか?
乳児遺棄致死、手かざしで治ると信じた両親に執行猶予
(2010年7月17日:読売新聞)
福岡市東区に総本部を置く宗教法人「新健康協会」の職員夫婦が病気の長男(当時7か月)を医師に診せずに死亡させた事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた同区の高月秀雄(32)、妻邦子(31)両被告の裁判員裁判の判決が16日、福岡地裁であった。林秀文裁判長は「2人は協会が『浄霊』と呼ぶ手かざしで治ると信じており、自分なりに深い愛情を持って救命に努力していた」として、それぞれ懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑・懲役6年)の有罪判決を言い渡した。
判決によると、2人は皮膚炎の長男を病院に連れて行かず、手かざしを行っただけで容体を悪化させ、昨年10月9日に死亡させた。
林裁判長は「長男がわずか7か月で生涯を終えたのは悲惨で重大」としながらも、2人には愛情があったとして「いわゆる育児放棄とは異なる事案」と認定。長男を放置した事実の発覚を恐れて医師に診せなかった、とした検察側の主張を退けた。
事件の背景には「医療を受けないよう奨励する協会での、閉鎖的な生活があった」と説明。「更生には第三者の保護司の助言、指導を受けるのが適切」とし、最後に「協会以外の人との触れ合いを大切にして、もっと広い視野を持ってほしい」と語りかけた。
(院長のつぶやき)両親に罪がないなら、人の命をおろそかにした「協会」が責任をとるべきでしょう。
「幼児にサプリ」母親の1割、過剰摂取の恐れ
(2010年7月18日:読売新聞)
幼児(5歳以下)を持つ母親の1割が、子供に錠剤やカプセルのサプリメントを与えた経験があることが厚生労働省研究班(主任研究者・梅垣敬三国立健康・栄養研究所情報センター長)の調査でわかった。
梅垣センター長は、「発育過程にある幼児は、大人より摂取した成分の影響を受けやすい」として安易な使用への注意を呼びかけている。
サプリメントは、ビタミンやミネラルなど特定の栄養素を濃縮した食品。カプセル、錠剤、粉末、クッキーなど形態は様々だ。子供用と明示した商品もある。
調査は2008年10月から09年1月、東北、関東地方の6都県で、計17施設の保育園、幼稚園の保護者にアンケートした。
回答した母親1050人のうち、100人(9・5%)が子供にカプセルや錠剤のサプリメントを与えた経験があった。自分自身でも使った経験がある母親は41%だったが、子供に与えている母親に限ると86%にのぼり、母親の使用経験と関係していた。
同研究班の過去の調査では、幼児に与えるサプリメントはビタミンやミネラルがほとんどだった。偏食や小食があると自己判断で栄養不足と思い込み、サプリメントを与える母親も多かった。
だが、ビタミンやミネラルの欠乏が原因の成長障害など限られたケース以外では、有効性が不明な上、錠剤やカプセルは過剰摂取のおそれがある。
母親からの栄養相談に応じる児童施設「こどもの城」(東京・青山)小児保健部の管理栄養士太田百合子さんは、「偏食や小食は、自我が芽生える成長過程ではよくあること。大切なのは食材の形や味、においを感じ、調理を手伝い、会話しながら楽しく食べる経験をすることです。心配ならまず、医師や栄養士に相談してほしい」と話す。
米国では、サプリメントが生後間もない乳児にも広がり問題になっている。液状でスポイトを使って与えるため、気づかぬうちに過剰摂取することもある。米食品医薬品局(FDA)は今年6月、乳児用の液状サプリメント(ビタミンD)について、過剰摂取により吐き気や嘔吐(おうと)、頻尿などが出るおそれがある、との注意喚起をした。
メタボ 腹囲、やはり無関係? 新潟の病院、男性でも裏づけ
(2010年7月20日:毎日新聞社)
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準となる血圧などの検査値の多くは、日本人男性の場合、腹囲(腹部肥満の有無)に関係なく体重が増えれば悪化する傾向が強いことが、立川メディカルセンター(新潟県長岡市)の調査で分かった。3月には厚生労働省研究班の大規模調査で、女性の腹囲と循環器疾患発症の関連性が低いとの傾向も明らかになり、腹囲を必須とする現在の特定健診のあり方も問われそうだ。今月号の米糖尿病学会誌「ダイアベティス・ケア」に発表した。
調査は、同センターの人間ドックを08-09年に受診し、風邪などをひいていない男性1271人(平均年齢51・6歳)を対象にした。メタボ診断基準の血圧、血糖値、中性脂肪、HDL(善玉)コレステロールと、体重変化との関係を、国内でメタボの主因と位置づける腹部肥満がある群とない群でそれぞれ分析した。
その結果、血圧と血糖値は、腹部肥満の有無に関係なく、体重が増加すれば悪化した。HDLコレステロールは、腹部肥満がない群だけが体重増加によって悪化し、いずれも腹部肥満との関係は見いだせなかった。中性脂肪は、腹部肥満がある群で体重増加との関係があった。
世界では、メタボ診断基準作りの中心になってきた国際糖尿病連合などが昨年、腹囲を必須とせず、他の血液検査値などと同列に扱う統一基準を発表した。一方、日本の診断基準は、腹囲が必須条件になっている。
分析にあたった小田栄司・同センターたちかわ総合健診センター長は「腹部肥満がなくても、体重が増えれば検査値が悪化することが分かった。腹部肥満を必須条件に生活指導を実施する現在の特定健診は合理的とは言えず、早急に見直すべきだ」と話す。
………………………………………………………………………………………………………
■解説
◇特定健診の再検討必要
日本のメタボ診断基準が腹囲を必須とするのは、腹部に蓄積する内臓脂肪が心筋梗塞(こうそく)などの循環器疾患を引き起こす主因との考え方に基づいてきたからだ。ところが、日本人の循環器疾患発症の傾向を調べた解析によると、内臓脂肪の蓄積だけではなく、血糖値など一部の血液検査値の悪化や食生活によっても危険性が高まる。
このため、腹囲を必須とする現在の特定健診は、やせていて循環器疾患の危険性のある人を見落とす恐れがあると指摘されてきた。
男性は40~50歳代の比較的若い世代で腹部肥満が増えており、現在の健診に意味があるとみられていた。だが、今回の研究成果では、50歳前後の男性も腹部肥満の有無と検査値悪化の明確な関係を見いだせなかった。
これらの調査結果は、内臓脂肪の蓄積が循環器疾患の原因の一つにすぎないことを示しており、それ以外の要因についても等しくチェックする健診体制の検討が求められることになりそうだ。
(院長のつぶやき)小児医療とは関係ありませんが・・・気になるニュースなので拾っておきました(笑)。
【日漢協が調査】生薬の重量自給率は12%‐中国依存浮き彫り
(2010.7.16:薬事日報)
日本漢方生薬製剤協会は、漢方製剤などの医薬品に使われる原料生薬の数量を把握するため、「原料生薬使用量等調査」を実施。このほど結果の概略がまとまり、日漢協生薬委員会の浅間宏志委員長が、13日につくば市で開かれた「薬用植物フォーラム2010」で発表した。調査結果によると、わが国で医薬品原料として使用された生薬249種類の数量は、総計で年間約2万トンに上った。そのうち、日本国内で調達できていた割合(重量ベースの自給率)は12%に過ぎず、大半を外国、特に中国からの輸入に頼っている実態が裏づけられた。また、一部でも国内で入手していた生薬は、3分の1強に当たる89種類だった。
調査は、2009年度の厚生労働科学特別研究「漢方・鍼灸を活用した日本型医療創生のための調査研究」に日漢協が協力することとなり、その一環として行われたもの。日漢協に所属する76社に対し、08年度に医薬品原料として使用した生薬の種類ごとの数量と、その入手先国を聞いた。
調査対象とした生薬の種類数は、医療用漢方エキス製剤の原料生薬132種類、一般用漢方210処方の原料生薬150種類、薬局製剤用医薬品の原料生薬136種類、薬価基準収載生薬185種類など、国内で医薬品に用いられる生薬を網羅的にリストアップし、重複等を整理して276種類を抽出。このうち、08年度に使用実績があった生薬は249種類だった。
トータルの使用量は2万トン余で、入手先として国内から供給されていたのは、12%の2480トンに過ぎなかった。輸入先としては、中国が圧倒的に多く1万6916トン(83%)、それ以外の国が967トン(5%)だった。
生薬の入手先を見ると、[1]全て日本国内から入手しているものはコウイ、クマザサ葉など22種類[2]中国のみに依存しているのはカンゾウ、タイソウなど114種類[3]日本と中国以外の国からの輸入だけに依存しているのは17種類[4]日本と中国の2カ所から入手しているのは43種類[5]日本およびその他の国から入手しているのは5種類[6]国内供給がなく、中国およびその他の国からの輸入のみに頼っているのが29種類[7]日本、中国、その他の国の3カ所から入手しているのは19種類――となっている。
使用頻度の高い順に生薬を並べると、カンゾウ、シャクヤク、ケイヒ、ブクリョウ、タイソウ、ハンゲ、ニンジン、トウキ、マオウ、コウイ、カッコン、ソウジュツ、サイコ、ヨクイニン、ダイオウ、ビャクジュツ、ジオウ(熟地黄を含む)、オウゴン、セッコウ、センキュウ、タクシャ、ショウキョウ、センナ、カッセキ、ボタンピ、オウギ、キキョウ、クマザサ葉、チンピ、カンキョウが上位30種類になる。
これら30種類で、使用数量全体の76%を占めている。さらに、上位71種類で95%、117種類で99%に達しており、249種類の半数以上は、ごく僅かしか使用されていないことが分かった。
今回の調査から、医薬品原料としての生薬の入手は、中国への依存度が極めて高いことが改めて浮き彫りになった。一方、日本国内でも249種類の36%に相当する89種類([1]の22種類+[4]の43種類+[5]の5種類+[7]の19種類)が供給されていることから、今後の栽培体制の見直しなどによって、中国への依存体質を改善できる可能性もある。
15歳未満の臓器提供可能に 拒否の場合は意思表示必要 改正移植法、17日施行
(2010年7月16日:共同通信社)
生前の本人の意思が不明でも、家族が承諾すれば脳死での臓器提供ができる改正臓器移植法が17日、本格施行される。提供数の増加を目的に提供の要件を緩和し、昨年7月に成立した。
現行法では、15歳以上が書面で提供意思を示すのが条件だが、改正法では、そうした場合に加えて、提供や脳死判定を本人が拒否していなければ、家族の承諾で0歳から提供可能。拒否の意思表示は書面でなくても有効だが、提供したくない人は意思表示カードなどで意思を示す必要がありそうだ。
共同通信社が全国の提供病院を対象に実施したアンケートで、施行時点で子どもからの提供に対応できると回答した病院は13%にとどまっており、医療現場の早急な体制整備が課題だ。
改正法では、虐待を受けた18歳未満からは提供できない。18歳未満からの臓器提供を行う病院は、虐待防止委員会など院内組織の設置や対応マニュアルの整備が必要。有効な意思表示が難しいとして知的障害者は対象外とした。
脳死判定は、6歳以上はこれまでと同じ基準で2回の検査間隔は6時間以上だが、6歳未満は間隔を24時間以上にする。
15歳以上が書面で意思表示した場合に、親や子ども、配偶者に優先提供を認めた改正部分は1月に施行。5月に初の適用例として、夫から提供された角膜が妻に移植された。
現行の臓器移植法は1997年施行。現在まで脳死での臓器提供は86例。日本臓器移植ネットワークによると、心臓や肺などの移植を希望し登録している患者は、6月末時点で計約1万2千人。
窒息防止策、指標作りへ こんにゃくゼリーの形状で 専門家交え、消費者庁
(2010年7月16日:共同通信社)
こんにゃくゼリーなど食品による窒息事故の防止策を検討している消費者庁は、製品の硬さや形などの安全基準となる「指標」を作るため、専門家や製造業者らで構成する研究会を近く立ち上げることを決めた。年内をめどに結論を出す。内閣府の泉健太政務官が16日午後、記者会見し発表した。 こんにゃくゼリーをめぐる初めての指標作りとなる。 こんにゃくゼリーの法規制の在り方などを検討してきた同庁の「食品SOS対応プロジェクト」(リーダー・泉政務官)が16日、会合を開いて協議。その後の政務三役会議を経て決定した。
内閣府や消費者庁などによると、こんにゃくゼリーは、普通のゼリーに比べ、硬く弾力性が強いためのどに詰まりやすい。食べた子どもやお年寄りが窒息する事故が多発し、1994年以降、少なくとも54件発生し、22人が死亡した。
行政側はたびたび、業者側に改善を指導。業界団体や一部メーカーは、こんにゃく粉を減らして軟らかくしたり、表面に細かいひだを付けたりする改善策を実施した例もある。
消費者庁は、指標作りには、医学や口腔(こうくう)衛生学、食品学などの専門家や製造業者らを交えた研究会が必要と判断。こんにゃくゼリーを含む窒息事故が起こりやすい食品の形や硬さを調査、研究する。指標を踏まえて、業界に自主改善を求める方針だ。
食品SOS対応プロジェクトでは6月、内閣府の食品安全委員会から「こんにゃくゼリーはかみ切りにくく、十分に粉砕されないまま、気道をふさぐ」と危険性を指摘した安全評価書を受領。信州大医学部(長野県松本市)にも窒息事故の再現実験を依頼するなどして、対策を話し合ってきた。
※こんにゃくゼリー問題;
1995年から窒息死亡事故が相次いだが、規制する法律がなく、国民生活センターが消費者に注意を呼び掛けたり、農林水産省が業者に再発防止を通知したりした。大手製造業者マンナンライフが一時、製造を中止したこともあった。規制を担当する省庁が明確でない「すき間事案」として社会問題化し、消費者庁ができる契機の一つとなった。
熱中症の搬送者2276人 6月、4人死亡
(2010年7月15日:共同通信社)
総務省消防庁は14日、熱中症により6月に全国で救急搬送された人は2276人で、うち4人が死亡したと発表した。消防庁はこれまで搬送者の増える7~9月分を集計してきたが、今年は6月も気温や湿度が高い日が多く、初めて集計に加えた。
同庁によると、6月前半は寒気の影響で全国的に低温だったが、後半は梅雨前線の北上とともに気温が上昇。26日以降、搬送者は毎日100人を超え、28日は299人に上った。北海道では26日、上空のジェット気流の影響により帯広などで気温35度以上の「猛暑日」となり、33人が搬送された。
都道府県別では、最多が愛知の284人、次いで北海道142人、埼玉140人、大阪125人など。症状が重く死亡したケースは北海道、大阪、徳島、宮崎の4道府県で各1人だった。
65歳以上の高齢者は搬送者全体の43%(972人)を占めた。
紫外線から子どもを守ろう 機能ウエアや防止クリーム 対策求められる学校現場
(2010年7月14日:共同通信社)
日差しがまぶしい夏休みは子どもたちの外出機会も増える。肌へのダメージが大きい紫外線(UV)への対策を講じ、子どもたちをUVから守ってあげよう。
▽目に見えず
日焼けは紫外線によるやけどだ。ダメージを受けた皮膚の細胞は傷ついたDNAを修復しようとするが、長年浴び続けると修復機能が狂って、しみや腫瘍(しゅよう)の原因となる。特に成長期の子どもは細胞分裂が盛んで影響を受けやすいという。
同志社大の市橋正光(いちはし・まさみつ)教授(皮膚科学)は「紫外線のダメージは目に見えない形で何十年と長く蓄積されるため厄介だ」と警告する。免疫機能の低下や白内障の原因ともされ、世界保健機関(WHO)も生涯受ける紫外線量の大半は18歳までに浴びると指摘、子どものUV対策を推奨している。
UV対策ではまず、紫外線量が増える正午前後の外出を避けよう。やむを得ず外出する際には日陰を通り、つばの長い帽子や長袖シャツを着用。日焼け止めクリームも活用し、気象庁がネットで提供する紫外線量予測も参考にしたい。
▽エポカル
UV対策専門の衣料ブランド「エポカル」は、子ども向けを中心に帽子やウエアなど約200種類を展開している。
UVを反射させる特殊セラミックを含む機能素材を使用。吸収剤を吹き付けただけの「UVカット加工」製品とは異なり、何度洗っても防止効果が落ちない。エポカルを展開する「ピーカブー」は、アトピー性皮膚炎を患う子の母親たちが8年前に設立した。
通気性を保つため局所にメッシュを配したり、首回りの襟を高くしたりと育児を経験した母親目線の工夫が特長だ。同社の松成紀公子(まつなり・きくこ)社長は「暑さを嫌う子どもがどれだけ快適性を実感できるかが重要」と強調する。
▽意識改革
育児期間中はUV対策に親の目が届くが、通園・通学となると施設側の管理に委ねるしかなくなる。日本臨床皮膚科医会は2008年度と09年度に全国の保育園や小中学校(336施設)を対象にUV対策に関するアンケートを実施した。
対策が最も必要とされるプールの授業では、日焼け止めクリームの使用を許可しているのは46%。一方、紫外線の強い時間帯を避けて授業を実施しているのは21%と低く、環境省の「紫外線環境保健マニュアル」を活用している施設は4%にとどまった。
同医会の岡村理栄子(おかむら・りえこ)医師は「日焼け止めクリームによってプールの水が汚染されるとの誤解も多い。紫外線の危険性を周知させる学校での保健教育も不可欠だ」と指摘する。同医会は、全国の小中学校向けにUV対策のガイドライン(指針)を策定中で学校側に意識改革を促していく考えだ。
夜更かしする子どもたち 教育関係者ら危機感…学校、園で早寝運動
(2010年7月11日:毎日新聞社)
◇親と一緒に深夜番組、床についても携帯ゲーム…
朝、ぼーっとしていて先生の話が聞けない小学生。「疲れてる」。外へ遊びに誘っても断る保育園児。そんな寝不足気味の子どもたちが、問題になっている。夜更かしする子どもたちの実態と、早寝早起き運動を進めている保育園などでの取り組みを探った。
「きのうはワールドカップ(W杯)見ちゃって疲れ気味です、よろしくお願いします」。東京都内のある保育園で先月、幼児を連れて登園してきた母親が笑顔で保育士に語りかけた。この日、サッカーのW杯で日本代表が戦いを終えたのは未明の午前1時半過ぎ。あっけらかんと語る母親に、保育士はぎこちない笑みを返すしかなかった。
夜更かしの原因の一つはテレビだ。午後10時過ぎのお笑い番組や連続ドラマを、「親と一緒になんとなく見てしまう子は珍しくない。親御さんも注意しない」(小学校の養護教諭)。携帯型ゲーム機の普及も大きい。都内のある小学校の校医は「午前中から保健室でぐうぐう寝るのはゲームざんまいの証拠。床についてもベッドの中で遊んでいて、就寝時間は午前0時を回る子もいる」と話す。
早寝早起きの大切さを各地の保育園で説く鈴木みゆき和洋女子大教授は「ファミコンの普及とコンビニの登場で、就寝時間が遅くなり始めたのが80年代終わり。暗くて怖かった夜が明るく楽しくなり、生活時間がずれ込んだ」と指摘する。
外食産業の深夜営業や24時間営業のコンビニエンスストアの増加などで、午後10時を過ぎても街に幼児の姿を見かけることは珍しくない。日本小児保健協会の調べでは、午後10時以降に寝る4歳児は80年に13%だったが、00年は39%と3倍になった。
鈴木教授が幼稚園の教諭らに聞き取りしたところ、遅く寝る子には一定の傾向があった。「無表情で自分の気持ちを表さず、遊びに乗ってくることができない。夜きちんと眠るかどうかが、その子の昼間を決めるのです」
東京都足立区は08年度から、区内の全幼稚園と保育園で早寝早起き運動を始めた。区が同年度から3カ年計画で始めた子ども施策推進事業に、生活リズム改善も重点目標の一つに加えたためだ。公立保育園の元園長で東京都足立区保育指導担当係長の佐々木恵美子さんは「大人の生活に振り回されて寝不足になった子を何とかしなくてはと思っていた」と語る。
区立中島根保育園の水久保結花里園長は、「早く寝ましょうと呼びかけても、住宅事情で1人だけ早く寝るのが難しかったりして、保護者から『無理です』といわれることもありました」という。08年の調査では、4歳児29人の平均就寝時間は午後10時10分だった。しかし、園児たちに目標を達成できればシールを張る早寝早起きカードを配ったところ、シールを張りたい一心で、「もう寝る」と親に告げさっさと就寝する子が現れた。その後、平均の就寝時刻は20分早まったという。
また昨年、バランスのよい朝食をとるため毎朝の朝食を黄色(炭水化物)▽赤(たんぱく質)▽緑(野菜)に分類させ、色付きシールを張らせた。「赤が足りないからウインナー食べさせて」と親にせがむ子も出て、取り組んだ5歳児は全員が朝食を食べるようになった。水久保園長は「子どもが変われば親も変わる。徐々に意識付けすることが大切」と話す。
千葉県習志野市の屋敷小でも05年度から、毎月1週間、生活リズムを記録する「元気っ子カード」をつけさせている。就寝時間は「9時より前」が32%(05年度)から37%(09年度)に、起床時間は「6時~6時29分」が27%(05年度)から41%(09年度)に増えて、早寝早起きが進んだ。
そろそろ夏休み。崩れがちな日々のリズムを整える方法について、鈴木和洋女子大教授は提言する。
「おやすみなさいツアーと称して、子どもと家じゅうの電気を消す儀式をして、親も寝てしまうのも一案。寝室のカーテンを閉めないでおけば、光が入って早く目覚められる。昼間は水遊びや泥団子づくりで体を動かせば、夜はすっきり眠れるでしょう」
過重負担の解消は急務 悲劇を繰り返すな 核心評論「小児科医自殺訴訟和解」
(2010年7月12日:共同通信社)
過労によるうつ病で自殺した小児科医の中原利郎(なかはら・としろう)さん=当時(44)=の遺族が、勤務先の病院を相手取り、心身への十分な配慮を怠ったとして損害賠償を求めた訴訟は最高裁で和解が成立した。最高裁が「より良い日本の医療を実現するために」と和解を打診し、異例の決着となった。
注目したいのは「医師不足や医師の過重負担を生じさせないことが国民の健康を守るために不可欠」と踏み込んだ和解条項。最高裁が日本の医療に発した画期的メッセージだ。国を挙げて医師の過重負担解消に向け行動しなければならない。
中原さんは、定員6人の小児科の医師が3人に減ったにもかかわらず、小児科の責任者になり、自ら月に5~8回も泊まりの当直をしながら、精神的に追い込まれ、病院屋上から飛び降りた。机の上には「少子化と経営効率化のはざまで」と題された遺書が残され、貧弱な小児科医療の閉塞(へいそく)感の中で医師を続けていく絶望感が書かれていた。
中原さんの自殺は、小児科医の過酷な勤務実態を明るみに出し、遺族が起こした訴訟には、日本小児科学会や多くの医師、医療関係者たちが支援してきた。労災認定は2007年の東京地裁の判決で確定したが、病院側への損害賠償請求は一、二審とも棄却され、遺族が上告していた。
病院側が支払う和解金は700万円で、請求額の1億2千万円を大きく下回った。病院の経営難や医師不足は深刻化している。同じ苦境の中で、病院だけにすべての責任は問えない事情も反映したのだろう。
重要なのは、遺族と病院の双方が医師の不足や過重負担を解消していこうとする点で一致したことである。日本の医療現場を変える一歩になる。
小児科は収益が上がらない不採算部門として医師不足の矛盾が最も集中的に現れてきた。医師は裁量性が強いが、目の前に患者がいれば診療する義務がある。良心的な医師ほど苦悩しつつ患者のために限界ぎりぎりまで働き続ける。こうした労働実態は若い研修医だけでなく、部長や医長らの管理職にも多い。これでは患者の安全は危うい。
医師も労働者である。労働時間が制限され、健康は守られねばならない。雇用する病院はその義務が伴う。勤務医が激務を嫌って次々と立ち去る中で、残された医師に負担がかかる悪循環に陥れば、医療崩壊は進み、病院は成立しなくなる。
長年の医療費削減策で医師不足は深刻化した。08年から全国の大学医学部・医科大学の定員は増加に転じた。しかし、効果が出るのは10年以上先だ。小児科や産科、救急に医療費の配分が最近、少しずつ増え、改善の兆しはあるが、現場の医師の負担解消には程遠い。
中原さんの悲劇を繰り返してはならない。医師の激務解消のため、医療予算を増やした分で医療者の労働条件を改善、働きやすい環境を整えるしかない。
看護師が点滴交換で誤って子どもの指を切る 大阪市立総合医療センター
(2010年7月10日:毎日新聞社)
大阪市立総合医療センター(同市都島区)は9日、入院中の子ども(10歳未満)の点滴チューブを交換する際、女性看護師(52)が誤って子どもの小指をはさみで切る事故が8日にあった、と発表。病院側はすぐに修復手術をしたが、指の曲げ伸ばしで後遺症が残る可能性があるという。「家族の希望」として、性別や年齢は公表していない。
同センターによると、8日朝、点滴チューブ交換のため、子どもの腕を固定しているテープをはがそうとはさみ(長さ約14センチ)を使ったところ、誤って左手小指の第一関節付近を切った。傷は深さ約1センチで、骨や血管、神経、腱(けん)が切断されたという。看護師は26年目のベテラン。
飽食の時代なのに「栄養失調」 若い女性や高齢者に増加中
(2010/7/10:日本経済新聞)
食べたいものが何でもすぐ手に入る飽食の時代に、専門家らは「低栄養(栄養失調)」に陥らないように気をつけるべきだと注意を呼びかける。食が細る高齢者とやせ志向の強い若い女性に顕著で、放っておくと健康をじわじわとむしばんでいくという。
「70歳以上のおよそ6人に1人は低栄養な状態にある。粗食がいい、というのは高齢者にはあてはまらない」。こう言い切るのは、人間総合科学大学の熊谷修教授だ。
肉も毎日少しずつ
長年、東京都老人総合研究所で元気で長生きするための正しい食生活について研究してきた。生活習慣病対策としてメタボリック症候群という新しい「病気」が登場するなど、このところ栄養過多を問題視する社会の風潮が強まっているが、これが高齢者に誤解を与えているとみる。
日本人が1日にとるカロリー量は実は減少傾向にある。厚生労働省が3月に公表した2007年国民健康・栄養調査報告によると、1人当たりの平均エネルギー摂取量は1975年の2188キロカロリーをピークに減り続け、2007年は1898キロカロリーまで下がった。戦後すぐのころとほとんど変わらない水準だ。ほかの先進国と比べても極端に少ない。
確かに中高年にとって太りすぎは糖尿病や血管系疾患を発症するリスクとなり、肥満解消によって生活習慣病の予防になる。ただ、高齢者の場合、残りの人生を元気で過ごすのが一番で、体の老化を遅らせて健康寿命を全うするかが、健康維持に結びつく。
低栄養かどうかを知る上で最近着目されているのが血液中のアルブミン量。アルブミンはたんぱく質の一種で、骨や筋肉のもとになる。足りなくなると足腰が次第に衰え、一度に長い距離を歩けなくなったり、歩く速度が遅くなったりと、自立機能が低下していく。閉経後の女性では太っていてもアルブミン値の低い人が意外に多いという。
「成人後まで影響?」
熊谷教授らは栄養状態の改善で死亡リスクがどう変わるかを、秋田県大仙市在住の70歳前後の高齢者約630人を対象に調べ、2009年の日本公衆衛生学会で発表。4年間の栄養改善でアルブミン値が「よくなった」グループの死亡リスクは、「かわらない、または、悪くなった」グループの半分以下だった。
アルブミン値を上げるには、質のいいたんぱく質を食べればよい。主食のほかに、体にいいと誰もが知っている野菜や果物だけでなく、肉、魚、卵、牛乳、油脂などを少しずつでも毎日食べるのがコツだ。2005年から介護予防事業として低栄養対策に取り組む東京都墨田区も、この点を強調して健康指導をしている。
高齢者以上に深刻なのが、やせ願望からくる20代女性の「低栄養」だ。
体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割って算出するBMI(肥満度指数)。18.5未満を「やせ」とするが、20代女性では4人に1人が該当する。1995年以降でやせの割合が2割を切ったことはない。
成人後まで影響?
若い女性のやせに専門家らがとくに警鐘を鳴らすのには理由がある。貧血になりやすく体温が低くなるといった健康上の問題を引き起こすだけでなく、将来、妊娠した際に低体重児を産むリスクが高くなるからだ。
日本の低出生体重児(2500グラム未満)の割合は30年ほど前から年々、増えている。1980年代は5%台だったが、2007年には2倍近くの9.7%まで増加、およそ10人に1人が低体重で生まれてくる。平均出生体重も過去20年で200グラム以上減った。やせた女性が増え、妊娠中も体重があまり増えないと、生まれてくる赤ちゃんも小さくなるのは自然の理だ。
産婦人科医でもある早稲田大学の福岡秀興教授は、国際学会などに出席するたびに海外の研究者から心配の言葉をかけられるという。「低出生体重児の増加を放っておいて日本は大丈夫なのか」。25年ほど前に英国のバーカー博士がとなえた仮説が、その後の疫学調査や遺伝子研究によって立証されつつあるからだ。
バーカー説は「妊娠中の胎児の栄養状況が、成人後の生活習慣病リスクに関係してくる」という内容。発表当初は異論も多かったが、研究が進むにつれ、今では出生時の低体重と成長してからの高血圧や糖尿病などの発症とには明確な関連性があり、うつ病や統合失調症といった心の病ともなんらかの関係が想定されるという。
健康でいたいという思いをもつ高齢者の栄養改善は介護予防教室などで指導を徹底すれば比較的簡単にできる。一方、強い痩身(そうしん)願望に根付いた若い女性のやせ解消は一筋縄ではいかない。
福岡教授は「女性誌では『妊婦ダイエット』のようなとんでもない企画もあるようだ。太る恐怖をあおるような社会を改めなければならない」と力説する。
「医師不足」に懸念表明 最高裁、異例の和解成立 小児科医の過労自殺訴訟
(2010年7月9日:共同通信社)
過労によるうつ病で1999年に自殺した小児科医中原利郎(なかはら・としろう)さん=当時(44)=の遺族が、心身への十分な配慮を怠ったとして、勤務先の病院を運営する立正佼成会に損害賠償を求めた訴訟は8日、最高裁第2小法廷(古田佑紀(ふるた・ゆうき)裁判長)で和解が成立した。和解条項で医師不足解消への取り組みが「国民の健康を守るために不可欠」との一文が盛り込まれた。
最高裁は3月、日本でより良い医療を実現したいとの観点から双方に和解を打診。医師不足を懸念した異例の和解成立となった。
和解は、立正佼成会側が労災保険給付金とは別に和解金計700万円を支払うことなどが主な内容。
遺族側の代理人弁護士によると、和解条項には「医師不足や医師の過重負担を生じさせないことが国民の健康を守るために不可欠であることを相互に確認する」と記された。
遺族は今回の訴訟のほか、労災認定を求め2004年12月に提訴。07年3月の東京地裁判決は自殺を労災と認め、そのまま確定した。しかし約2週間後にあった今回の訴訟の一審判決(07年3月)は、自殺原因を過労と認めずに請求を棄却。
08年10月の二審東京高裁判決は「全国的な小児科医不足の中で医師の欠員に直面し、負担があった」とする一方、「病院は精神障害を認識できなかった」として一審判決を支持した。
一、二審判決によると、中原さんは87年4月から立正佼成会付属佼成病院(東京)で勤務。99年1月に小児科部長代行に就いた後、うつ病を発症し同8月に自殺した。
小児科医、いまだ過酷労働 宿直月10回、細切れ受診...
小児科医中原利郎(なかはら・としろう)さん=当時(44)=の過労自殺をめぐる訴訟は8日、最高裁で和解が成立した。深夜の細切れ受診、月10回に上る宿直勤務...。小児科医の過酷な労働環境は依然として改善されておらず、専門家らは「負担を軽減しないと、医療事故を起こすリスクも高まる」と警鐘を鳴らしている。
厚生労働省によると、小児科医は2008年、約1万5200人で年々微増を続けている。しかし、医師の労働環境に詳しい北海道大大学院医学研究科の江原朗(えはら・あきら)客員研究員によると、夜間の受診率はこの20年間に約4割増えており、医師増が夜間の医療への対応に追いついていない。
一般病院に勤務している小児科医は1病院当たり3人弱で、宿直回数は月に10回に上ることもある。夜間や早朝など時間外に来院する患者は1日平均10人弱。1人当たりの受診時間が少なくても細切れにしか睡眠が取れず、疲弊しきっている医師が少なくないという。
日本小児科学会は小児科医の不足に対し04年、各地域に小児科医療の中心となるセンターをつくり、マンパワーを集中させて救急医療を行う構想をまとめた。しかし、病院や自治体の意向もあり、実現にはまだ遠い状況。
江原研究員は「患者の安全のためにも、医師の過労を防ぐ態勢づくりを急ぐ必要がある」と話している。
関係者談話 医療崩壊阻止につながる
亡くなった小児科医の妻中原のり子(なかはら・のりこ)さんの話 裁判の解決が、夫が命を懸けて訴えたかった日本の小児医療改善、医療崩壊阻止につながると信じている。病院の経営者、指導的立場の方には二度と同じ不幸が繰り返されないよう最大限の配慮をお願いしたい。
ビタミンK不投与で乳児死亡…母親が助産師提訴
(2010年7月9日:読売新聞)
山口市の助産師(43)が、出産を担当した同市の女児に、厚生労働省が指針で与えるよう促しているビタミンKを与えず、代わりに「自然治癒力を促す」という錠剤を与え、この女児は生後2か月で死亡していたことが分かった。
助産師は自然療法の普及に取り組む団体に所属しており、錠剤はこの団体が推奨するものだった。母親(33)は助産師を相手取り、約5640万円の損害賠償訴訟を山口地裁に起こした。
母親らによると、女児は昨年8月3日に自宅で生まれ、母乳のみで育てたが、生後約1か月頃に嘔吐(おうと)し、山口県宇部市の病院でビタミンK欠乏性出血症と診断され、10月16日に呼吸不全で死亡した。
新生児や乳児は血液凝固を補助するビタミンKを十分生成できないことがあるため、厚労省は出生直後と生後1週間、同1か月の計3回、ビタミンKを経口投与するよう指針で促し、特に母乳で育てる場合は発症の危険が高いため投与は必須としている。
しかし、母親によると、助産師は最初の2回、ビタミンKを投与せずに錠剤を与え、母親にこれを伝えていなかった。3回目の時に「ビタミンKの代わりに(錠剤を)飲ませる」と説明したという。
助産師が所属する団体は「自らの力で治癒に導く自然療法」をうたい、錠剤について「植物や鉱物などを希釈した液体を小さな砂糖の玉にしみこませたもの。適合すれば自然治癒力が揺り動かされ、体が良い方向へと向かう」と説明している。日本助産師会(東京)によると、助産師はビタミンKを投与しなかったことを認めているという。助産師は読売新聞の取材に対し、「今回のことは何も話せない。今は助産師の活動を自粛している」としている。
(院長のつぶやき)この団体は、以前から小児科医の間で「危険だ」と噂されていた「ホメオパシー」という非科学的医学を標榜するものです。とうとう犠牲者が出てしまいましたか・・・。
私も本を読んだことがありますが、怪しすぎます(http://www.amazon.co.jp/花粉症にはホメオパシーがいい―治療現場からの報告-アトピー性皮膚炎からがんまで、エネルギー医学の大きな力-帯津-良一/dp/493893941X/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1278673662&sr=8-2)。
産科医当直は違法な「時間外」…奈良県を書類送検
(2010年7月9日:読売新聞)
奈良県立奈良病院(奈良市)に勤務する産科医の当直勤務は違法な時間外労働に当たるうえ、割増賃金も支払っていないとして、奈良労働基準監督署が、同病院を運営する県を労働基準法違反容疑で書類送検していたことがわかった。
同病院は昨年4月、産科医2人が当直勤務に対して割増賃金の支給を求めた民事訴訟の奈良地裁判決で、計1540万円の支払いを命じられ、控訴審で係争中。公立病院の医師の勤務実態に関して、刑事責任を問われるのは異例という。
捜査関係者らによると、同病院では、産科医らが当直中に分娩(ぶんべん)や緊急手術など通常業務を行っているが、病院は労基法上は時間外労働に相当するのに割増賃金を支払っていなかったうえ、同法36条に基づき、労使間で時間外労働や休日労働などを取り決める「36協定」も結ばず、法定労働時間を超えて勤務させた疑い。
昨年4月の民事訴訟判決で、奈良地裁は「当直の約4分の1の時間は、分娩や緊急手術など通常業務を行っている」などとして、医師の当直勤務を時間外労働と初めて認め、割増賃金の支払いを命じた。判決後の同9月、県外に住む医師が県を労基法違反容疑で告発し、奈良労基署が調査を進め、今年5月に送検した。
県は2004年から、36協定締結について労組側と協議したが、現在まで協定は締結されていない。ただし、県は06年の提訴後、2万円の当直手当に加え、当直中の急患や手術の時間に応じて割増賃金を支給し、当時5人だった産科医を7人に増員するなどの措置を取っている。
武末文男・県医療政策部長は「書類送検されたことを重く受け止めており、協定をできるだけ早いうちに結びたい。割増賃金については、引き続き県の主張を説明する」としている。
県立奈良病院は1977年開院。病床数は430床で、内科、外科、小児科など16の診療科がある。
(院長のつぶやき)小児科ではありませんが、日本の医療全体が抱える問題として提示しました。医療行政改革の基本は「医師2交代制」を基準にコストを計算し、病院経営が成り立つように診療報酬を設定することです。みんなわかっているのに口にしない心の貧しい社会・・・。
私立の11歯学部が定員割れ 17学部中、5割以下も
(2010年7月9日:共同通信社)
私立大歯学部の17学部のうち11学部で、今春の入学者が定員を下回ったことが8日、日本私立歯科大学協会のまとめで分かった。17学部全体の定員充足率も昨春より10・7ポイント減の78・7%で、2学部は充足率が50%を割った。
協会は定員割れが進んだ原因について「不況で高額な学費負担ができないことや、歯科医師の過剰などのイメージが広がったため」と分析している。
協会によると、2010年度入試の募集定員は1891人(09年度より13人減)で、入学者は1489人(同213人減)だった。
09年度も11学部が定員割れだったが、5学部は90%以上の充足率を保っていた。しかし、10年度は11学部全部が90%を割り、定員割れが進んだ。
歯学部の定員充足率を大学別でみると、奥羽大の33・3%が最も低く、松本歯科大の43・8%、北海道医療大50・0%、鶴見大59・4%と続き、4校が6割を切った。
定員を満たしたのは昭和大や愛知学院大など大都市圏の大学が中心だった。
文部科学省は「大学に適正な入学定員を求めていきたい」としている。
脳死臓器移植の子ども提供、施行時は13%
体制整備に大きな遅れ 拒否の有無確認に課題も 全国の病院アンケート 【1】
(2010年7月8日:共同通信社)
本人意思が不明でも、15歳未満を含め家族の承諾で脳死での臓器提供が可能となる改正臓器移植法が17日に施行される時点で、子どもの提供に対応できる病院は13%、「年内に可能」を合わせても28%にとどまることが、全国の提供病院への共同通信社のアンケートで7日、分かった。
改正法は昨年7月に成立したが、運用指針が決まったのは6月下旬で、各病院にはこれから説明するなど、厚生労働省の対応が遅れ、医療現場の体制が整っていない実態が明らかになった。
本人が提供を拒否していなかったかどうかは、運用指針で家族への聞き取りなどによって確認すると定めているが「不十分」との回答が21%。「本人と家族の関係にもいろいろある」などの指摘が多かった。
調査は、日本臓器移植ネットワークが昨年4月現在で施設名を公表している提供病院と、新たに加わる小児専門病院を合わせた337病院が対象。233病院(69%)から回答を得た。
臓器提供への対応について回答した226病院のうち、「年齢にかかわらず対応できる」「大人はできないが、子どもはできる」を合わせると、85病院(38%)が子どもの提供に対応できるとした。だが時期は「改正法施行時」が29病院(13%)、「年内」が35病院(15%)で、年明け以降との回答もあった。「大人には対応できるが子どもはできない」は131病院(58%)、いずれも対応できないは10病院だった。
233病院のうち、提供意思の確認は「救命不能と判断した段階で、その後の治療方針を説明する中で、一つの選択肢として提示する」が52%、「家族からの申し出がない限り、特に対応しない」が28%。「掲示物を検討」との回答もあった。
虐待を受けた子どもからの臓器提供を防ぐための院内組織やマニュアルは30%が「準備した」と答えたが、43%は準備を進めていない。6歳未満の脳死判定は、48%は「自施設で可能」、20%は「他施設からの応援があれば可能」と回答した。
※ 臓器提供病院:臓器移植法の運用指針で脳死者から臓器提供できると規定された病院。大学病院、日本救急医学会の指導医指定施設、日本脳神経外科学会の専門医訓練施設(A項)、救命救急センターの従来の4類型に、新たに小児専門病院など日本小児総合医療施設協議会の会員施設が加わり5類型になる。脳死判定ができ、倫理委員会で承認していることなどが条件で、18歳未満から提供する場合は、虐待を受けた子どもを提供者としないために、院内組織や対応マニュアルを整備する必要がある。
※ 改正臓器移植法:脳死での臓器提供は15歳以上で本人の書面による意思表示が必要とする臓器移植法を改正、子どもを含め生前に拒否していなければ家族の承諾で提供できるようにした。昨年7月成立。提供拒否の意思は年齢に関係なく有効。本人が18歳未満の場合は、提供病院の委員会で虐待の疑いがないか確認し、疑いがあれば提供しない。脳死判定は2回の検査間隔が6歳以上は6時間以上、6歳未満は24時間以上。改正法のうち親や子、配偶者に優先提供できる規定は1月に施行、5月に初の適用例として夫から提供された角膜が妻へ移植された。
提供病院の負担減課題 【2】
【解説】臓器移植法の改正は、国内で伸び悩む脳死移植の件数を増やす狙いだが、臓器提供を支える救急医療などの現場の負担は大きい。共同通信社のアンケートで提供に向けた医療現場の取り組みが十分進んでいないことが浮き彫りになったが、提供病院に体制整備を押しつけるだけでは問題は解決しない。
移植医療を進めるには、国などが提供病院の負担軽減に向け、どのように支援するかが課題だ。
アンケートで、中国地方のある医師は「臓器提供が進まない一番の理由は、現場の多くが提供にかかわることに積極的になれないからだ。臓器提供は、疲弊している救急現場にさらに追い打ちをかける」と断じた。
この医師は「なぜ脳死判定を現場に委ねるのか」と疑問を投げ掛け、各地に専門の脳死判定チームを設置すれば提供病院の負担が大幅に減り、脳死判定の公正さや透明性も保たれると指摘した。
日本臓器移植ネットワークのまとめでは、過去の脳死での提供で、主治医が患者を脳死状態と診断後、2回の法的脳死判定をして臓器が摘出されるまでの時間は平均40時間以上。
2回の判定間隔を長くする6歳未満は60時間前後かかる計算で、虐待の有無に関する確認作業など、改正法で新たに増える負担も多い。このままでは臓器提供の増加は望めないばかりか、救急医療への大きな障害になりかねない。
虐待や家族対応に難しさ 第三者機関設置の提案も 【3】
改正臓器移植法で大きく変わるのは、15歳未満の臓器提供が可能になることだ。特に、これまで海外渡航しかなかった小さな子どもの心臓移植に道を開くことになるが、共同通信社のアンケートでは、子どもの提供は児童虐待や家族への対応が難しく、負担も大きいと考える病院が少なくなかった。
虐待を受けた子どもからの提供を防ぐために設置が必要な院内組織について、中部地方の病院は「都道府県や地域ごとに設置すればよい」と提案。「第三者機関による公正な立場での話し合いができ、提供病院に精神的な負担を掛けることもない」と利点を挙げた。
また「虐待への対応体制が医学的にも社会的にも低い日本の現状を早急に何とかすべきだ」(東北地方の病院)との危機感や、「虐待のチェックを提供病院に課すのは疑問」(関西地方の病院)との考えを示したり、「国レベルで専門家の支援システムが必要だ」とする指摘もあった。
また子どもを失う家族は悲しみが大きく、臓器提供にはつながりにくいとの見方も強い。アンケートでは「家族の悲嘆が強く、脳死状態を受け入れることができないのでは」「家族は少しでも長くそばにいたいと思うことが多い。法律が変わっても臓器提供に同意する親はすぐには増えないと思う」などの回答があった。
関西地方の病院は、提供に対応は可能としながらも「小児の死は家族は受け入れがたく、臓器提供は話しだしづらく、実施は困難」と、改正法に対応する医療現場の複雑な心境をうかがわせた。
(院長のつぶやき)ちなみにアメリカでは虐待で死亡した子どもの遺体も臓器移植の対象となるそうです。
上半期の自殺者、1万5906人…警察庁
(2010年7月7日:読売新聞)
昨年同期より1280人減
警察庁は6日、今年1-6月に全国で自殺した人が1万5906人(速報値)に上ると発表した。昨年同期比で1280人の減だが、依然年間3万人超のペース。
今年上半期の自殺者のうち、約7割に当たる1万1354人が男性。月別では、企業の決算期で雇用契約が切れる年度末の3月が最多の2932人だが、前年同月比では、昨年9月から10か月連続で減少している。
都道府県別で多いのは、東京都269人、大阪府171人、愛知県153人など。北海道で昨年同期より40人減の121人、神奈川県で30人減の135人となるなど、計23道府県で昨年同期を下回った。
安心して産める環境を 〜福島県〜
(2010年7月7日:読売新聞)
「自宅から通うとなると、やっぱり遠い。どこの地域にでも産科の病院があれば助かるんだけど……」
先月29日、双子の赤ちゃんの1か月健診のため、いわき市の市立総合磐城共立病院を訪れた楢葉町の渡部由紀さん(33)はつぶやいた。
渡部さんは、当初は距離が近いクリニックに通っていたが、おなかの中の赤ちゃんが双子と判明し、クリニックから共立病院を紹介された。「ハイリスク出産」と判断されたためだ。
以後は、車で約1時間かけて共立病院へ通った。患者は多く、午前6時半に家を出て診察開始の1時間以上前に着いても、いつも診察待ちの患者が何人かいた。診察の1-2時間待ちはざらで、5月に無事に双子が生まれたことを喜びながらも、大変だった病院通いを振り返った。
診察する側も、激務に追われている。
共立病院は今春、市立常磐病院と統合したが、常磐病院から共立病院に移った医師は2人だけで、産科医は増えなかった。現在、産婦人科は4人の医師と週4日勤務の嘱託医の計5人態勢で、年間の出産取り扱い数は1人150-200件という。出産以外にも、がん治療や救急医療などをカバーする。宿直は免除されているが、午後11時まで働き、午前2時や3時の緊急呼び出しも珍しくない。来春には、医師1人が病院を去ることも決まっている。
産婦人科の本多つよし主任部長(50)は「赤ちゃんや患者の体の変化に昼夜は関係ない。正直、体力的にきついですね」。
◆
医師不足は全国的な問題だが、県内ではさらに深刻だ。県地域医療課によると、県内の医療機関で働く医師数は2008年12月末現在、3760人。人口10万人当たりにすると183・2人で、全国平均の212・9人を大きく下回る。中でも小児科や産科は顕著で、02年に167人いた県内の産科医は08年には136人にまで減少した。県の調査では、出産ができる県内の医療機関数は、06年3月の80から今年4月には54に減った。県の担当者は「長時間労働など勤務が厳しい上、出産手術中に何かあれば訴訟のリスクも大きい」と産科医離れの理由を説明する。
医療機関の診療報酬は、ずっとマイナス改定が続いてきたが、10年ぶりにプラス改定となり、今年度から適用されている。医師不足が深刻な産科や小児科、外科に重点配分する内容で、本多主任部長はこれを評価しながらも、「今のままでは若い先生がやりたいと思える環境ではない。私だって代わりの先生がいれば本当に辞めたいと思っています。辞められたらどれだけ楽なことか……」と語る。
現在妊娠中で、共立病院に通ういわき市内の3児の母親(33)は、「予約人数がいっぱい」として出産受け入れを断られたことがある。里帰り出産やハイリスク出産など、条件によっては受け入れを断る医療機関は多い。母親は訴える。「医療機関をいくつか回ったあげく、ようやくたどり着いた医療機関で何時間も診察を待つことも多い。国には妊婦が安心して赤ちゃんを産める環境を作ってほしい」
子供に3回会えなければ児相通告…福岡市に提言
(2010年7月4日:読売新聞)
福岡市内に総本部を置く宗教団体の職員夫婦が今年1月、病気の長男(生後7か月)に医師の治療を受けさせず死亡させた事件を受け、市は2日、弁護士や大学教授ら外部の専門家6人が再発防止策をまとめた検証報告書を発表した。
乳幼児健診や民生委員らが家庭訪問を3回試みても、子どもに会えなかった場合、児童相談所に虐待通告する仕組みをつくるよう市に提言している。
報告書によると、市は昨年5月14日、福岡市東区の自宅に民生委員を派遣したが、母親は顔を見せず、インターホン越しに応対しただけだった。1週間後に4か月健診の案内を郵送したが受診せず、同年9月に保健師が訪問した時も不在だった。重度のアトピー性皮膚炎にかかっていた長男は同年10月、低栄養による敗血症などで死亡した。
報告書では、市が乳幼児健診を受けない家庭の状況を把握できなくても、虐待の疑いを察知しなければ、特段の措置を取っていない点を重視。子育て支援の部署に虐待防止への積極的関与を求めた。
提言について児童虐待に詳しい関西学院大の才村純教授(児童福祉論)は、「乳幼児健診を受けない家庭で虐待が起きていたケースは多い。この仕組みがうまく機能すれば他の自治体の参考になるだろう」と評価。しかし、市こども家庭課は、4か月健診を受けない家庭だけでも年間約300世帯に上り、態勢を整えるためには費用と人員が必要、としている。
この事件で、夫婦は保護責任者遺棄致死罪で福岡地裁に起訴され、12日に裁判員裁判の初公判が行われる。
(院長のつぶやき)動物は自分の子孫を育てて遺伝子を残すことに最大のエネルギーを費やします。ヒトは自分の子どもを育てる能力を失いつつあります・・・動物以下?
窒息事故防止へ シンポジウム
(2010年7月3日:NHK)
窒息事故が相次いだこんにゃく入りのゼリーの安全対策について考えるシンポジウムが2日夜、東京で開かれ、親の注意や警告表示では事故は防ぐことができず、抜本的な安全対策が必要だという意見が相次ぎました。
日本弁護士連合会が開いたシンポジウムでは、はじめに10年以上前に相次いだこんにゃく入りゼリーの死亡事故の裁判を担当した弁護士が講演し、「当時、対策をきちんと行わず、再び事故が繰り返されたことは残念で、危険性の本質は何も変わっていない」と話しました。このあとパネルディスカッションが行われ、現在、事故防止策として業界が取り組んでいる袋の警告表示などについて、小児科の医師は「注意喚起は安上がりでいくらでもできるが、注意喚起だけで事故が減ったという科学的なデータはない」と述べました。また、消費者団体の代表も「製品そのものの本質的な安全性がないとだめで、親の注意や警告表示だけでは、事故は防ぐことができない」と述べ、規制を含めた抜本的な安全対策が必要だという意見が相次ぎました。こんにゃく入りのゼリーをめぐっては、消費者庁が独自に実験を行うなどリスクの評価を行っていて、これらの結果などを踏まえて今月中にも安全対策をまとめることになっています。
就寝前の携帯使用控えて 日大医など
(2010年7月2日:読売新聞)
睡眠障害リスク1.4倍 中高生に警鐘
就寝前に毎日携帯電話を使う中高生は、使わない生徒と比べて睡眠障害になるリスクが約1・4倍に高まることが、日本大学医学部の大井田隆教授(公衆衛生学)らのグループによる全国調査でわかり、1日から名古屋市で始まった日本睡眠学会第35回定期学術集会で発表された。
調査は、2008年10月から2009年3月にかけて、全国から無作為に抽出した92校の中学生4万151人と、80校の高校生5万5529人が質問書に回答する形で実施された。
それによると、就寝前に毎日携帯電話で通話やメールをする生徒は、そうでない生徒と比べて「入眠障害」や「中途覚醒(かくせい)」、「早朝覚醒」などの睡眠障害を発症するリスクが約1・4倍高いことがわかった。
また日中に過度の眠気に陥るリスクも、毎日通話する生徒で1・17倍、メールする生徒では1・5倍高かった。さらに、睡眠の質が悪くなったり、睡眠時間が6時間未満に減ったりするリスクも高かった。
一方、1日の携帯電話使用時間(1か月平均)が2時間を超えたのは、高校2年の男子で35%、女子で45・8%で、「就寝前に毎日携帯電話でメールをする」男子は18・9%、女子は27・8%だった。また「毎日通話する」生徒も高校3年男子で11・2%、女子は12・5%だった。
研究を発表した同大医学部の宗沢岳史助手は「中学や高校の健康教育で生徒たちに就寝前の携帯使用を控えるよう指導してほしい」と警鐘を鳴らしている。
(院長のつぶやき)「エサを与えてお預け」と云っているようなもの。大人も依存している人が多いのでは?・・・日本人の倫理観・道徳観の欠如が如実に表れています。
小児科医の半数以上が月に1~2回誤診
(2010/07/02:CareNet)
子どものウイルス性疾患と細菌感染症を間違えるのは、小児科医が最もよく犯す誤診であるという。このほか、薬剤の副作用、精神疾患、虫垂炎、喘息および耳感染症などに関する誤診がよくみられることが、新しい研究で明らかにされた。
医学誌「Pediatrics(小児科学)」7月号に掲載された今回の研究では、700人強の小児科医および小児科研修医(レジデントおよびフェロー)を対象に調査を実施した結果、半数以上が月に1~2回は小児の診断を誤ることがあると回答した(このうち77%は研修医)。約半数は年に1~2回、患者に害を及ぼし得る重大なミスをすると回答。この調査では被害の程度について調べておらず、重大さを判定する十分な情報がないが、別の研究では小児医療過誤訴訟の32%が誤診によるものであることが示されている。
調査は、米シンシナティおよびヒューストンの3施設の小児科医を対象に、診断の遅れ、誤り、見落としなどのミスについて調べたもの。小児科医らがミスの生じる原因として最も多く挙げたのは、病歴、検査、カルテの見直しなどの情報収集を怠ったことだった。このほか、親が子どもを適切な時期に受診させなかったこと、検査結果の異常について経過観察を怠ったこと、経過観察の勧めに親が従わなかったことなどが挙げられている。ミスをなくすためには、密接な経過観察、院内のチームワーク、診察時間の延長のほか、電子医療記録や診断ツールへのアクセスの向上が有効であるとの回答がみられた。
研究著者で米ベイラーBaylor大学(ヒューストン)助教授のGeeta Singhal博士は、小児科医が必ずしも正しいとは限らないため、診断に疑問があるときには保護者はさらに詳しい情報を求めるか、セカンドオピニオンを求めるよう勧めている。また、ウイルス性疾患と細菌感染症に関する誤診が多いことから、「医師が必要と感じないときに保護者は抗生物質を強く要求すべきではない」と同氏は述べている。
米国小児科学会(AAP)質向上管理運営委員会のDaniel Neuspiel博士は「大きな問題は知識不足ではなく、記憶に頼りすぎる時代遅れの医療システムにある」と指摘。航空、自動車メーカー、建築業界など、ミスを犯せば生死にかかわる他の業界から学び、エビデンス(科学的根拠)に基づき、標準的対処法を明記した診療ガイドライン(指針)、診断時のチェックリストの利用、処方ミス(投与量、相互作用)や経過観察のスケジュールを自動的に知らせてくれる包括的な電子医療記録などを導入すべきだと述べている。
[2010年6月21日/HealthDayNews]
胎児不整脈:入院費と検査費に保険適用 高度医療と認定
(2010年7月2日:毎日新聞社)
国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)は1日、胎児の心拍が異常に速くなる「胎児頻脈性不整脈」の治療のため妊婦に投薬する治療法が、高度医療として厚生労働省に承認された、と発表した。治療には80万-100万円かかるが、今後、自己負担となる投薬費(7万-9万円)以外の入院費・検査費に保険が適用されることになり、患者の負担が軽減される。
妊娠の0・1%に起き、悪化すると胎児が心不全を起こしたり死亡することもある。今回承認された療法は、母親に投与した薬が胎盤を通じて胎児に届くもの。国循などが、04-06年に全国で起きた160症例を調べたところ、母親に投薬した41件中9割で効果があった。胎児のままでの治療法は他になく、厚労省に高度医療適用を求めていた。
国循と久留米大(福岡県)、大阪府立母子保健総合医療センター(大阪府和泉市)で始め、今後約10病院に増える予定。国循の池田智明・周産期・婦人科部長は「胎児の治療が医療制度の枠内で認められるのは画期的。胎児医療が発展する道が開けた」と話している。
こんにゃくゼリーの窒息、重症率85% 消費者庁分析
(2010年7月1日:朝日新聞)
こんにゃく入りゼリーによる子どもやお年寄りの窒息事故防止策を検討している消費者庁は30日、都市部を中心に2006~08年に救急搬送された約4千件の窒息事故のうち、同ゼリーが原因となった事故の85%が、命の危険がある「重症」以上だったとの分析結果をまとめた。餅やアメなど他の食品の「重症率」を大きく上回り、政府の食品安全委員会が「アメと同程度の事故頻度」としたリスク評価とは異なる実態が浮かび上がった。
東京消防庁や政令指定都市の消防当局などからデータを集め、窒息事故4137件のうち原因食品がはっきりしている2414件を分析。その結果、同ゼリーによる事故は7件と件数は少ないものの、うち2件が「重症」、4件が命の危険が切迫している「重篤」だった。406件あった餅は重症・重篤・死亡の重症以上の事故が54%、アメ(256件)は1%だった。
食品安全委は同ゼリーについて、1億人が一口食べた場合、2.8~5.9人が窒息死する恐れがあると推計。食品ごとの摂取量の差を踏まえると、餅(6.8~7.6人)には及ばず、アメ(1.0~2.7人)と同程度の事故頻度になるとした評価書をまとめ、6月10日に菅直人首相に答申した。
無保険の子 きょうから高校生救済 改正国保法、1万人対象
(2010年7月1日:毎日新聞社)
親の国民健康保険(国保)の保険料滞納で生じた「無保険の子」問題で、救済対象を「中学生以下」から「高校生世代以下」に拡大する改正国保法が1日、施行される。新たな救済対象は約1万人で、親が滞納しても子どもには短期保険証(期限6カ月)が切れ目なく交付される。
「無保険の子」を巡っては、民主、社民、国民新の3党が08年11月、救済対象を「18歳未満」とする国保法改正案を提出。同年12月、「中学生以下」を救済する議員立法が全会一致で成立、09年4月に施行された。政権交代を受け、厚生労働省は対象を「高校生世代以下」に拡大する再改正案を提出。今年5月に国会で可決、成立した。
食品添加物の安全性再認識し啓蒙を
(2010/06/30:化学工業日報社)
梅雨に入り、食中毒の発生が気になる季節になった。高温多湿の日本では9月まで発生件数が増え、十分な衛生管理・予防対策が求められる。保存料の使用は、有効な対策の1つといえるが、食品・飲料業界を見回すと、「無添加」表示を掲げるメーカー、飲食店が目立ってきたのも事実。食品添加物を使用していないことは、あたかも健康によいというイメージを与え、消費者を引き付けようという狙いのようだが、その根拠は極めて薄弱だ。食品の安全性確保に科学的根拠による評価が不可欠となった現在、「無添加」をパッケージに表示することにも、科学的知見に基づく規制を設ける必要があるだろう。
厚生労働省の統計では、昨年度の食中毒発生総数1048件、患者数2万249人。これは公表された事故件数であり、実際はもっと多いとみられる。
食品添加物は、極めて厳しい規制のもとで、綿密な安全性の試験を行って、国が使用を認めている。それにもかかわらず、一部の消費者団体は無添加があたかも賢明であるかのように主張し、とくに保存料と合成着色料を槍玉にあげる。体質的に特定の添加物を摂取できないケースは別として、健康な消費者が保存料や合成着色料を使用基準に基づいて添加した食品を毎日食べても、健康上の問題はない。複数の専門家が何度も会合を開き、安全と判断したことを再認識し、行政サイドから消費者にわかりやすく、表示や安全性について啓蒙活動を展開すべきである。
健康問題と食品添加物を常に結びつけて、「好ましくない」としている消費者団体の一方的非難に対し、国や自治体は冷静に対処する姿勢が欲しい。とくに保存料は、物質名と用途名を併記することが義務づけられているため風評被害を受けやすい。業務用食品では、食感や食品ロス削減につながることなどが見直され、需要が回復しつつあるが、食品の開発者に対しては、風評に惑わされることのないように適切な情報提供が必要になる。また行政の垣根を払い、子どもの「食育」にも、添加物の重要性を盛り込むべきだ。
健康的・安全なイメージを消費者に訴えるため、保存料用途の表示義務づけのない素材や添加物で機能を代替させて「保存料無添加」をパッケージ印刷した食品・飲料が増加している。この風潮が大手食品メーカーにまで広がっていることは残念である。代替物を用いて差別化商品とする食品メーカー、流通業者に対し、行政としては添加物の認可にかかわる審査と同レベルの根拠となるデータを要求するなど、消費者保護に向けた制度見直しも必要ではないか。
(院長のつぶやき)食品添加物を製造・使用している業界からの「食品添加物擁護論」です。昔から疑問に思っているのですが、食品添加物の安全性に関して評価されている内容は、
①急性毒性、②催奇形性、③発がん性などであり、微量を長年摂取することによるアレルギー発生などのリスクは検討されていません。
やはり食物は「放っておくと腐るものを新鮮な状態で美味しく食べる」ことに勝るものはありません。
母乳を介した乳児へのHIV-1伝播を抑える
(2010/06/30:CareNet)
世界では毎年、約20万人の乳児が母乳を通してヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)に感染し、その半数は治療を受けられずに2歳の誕生日を迎えることなく死亡している。米国ノースカロライナ大学のCharles S. Chasela氏らの研究グループはマラウイで、HIV-1の出産後伝播を抑えるため、授乳期間中の28週に行う母親への3剤抗レトロウイルス・レジメンと、乳児に行うネビラピン(商品名:ビラミューン)予防投与による伝播抑制の有効性について評価を行った。NEJM誌2010年6月17日号より。
母親への介入群、子どもへの介入群と、対照群とを比較
研究グループは、HIV-1陽性で、CD4+リンパ球数250個/mm3以上の授乳中の母親2,369例とその子どもを、抗レトロウイルス・レジメン群(母親)、ネビラピン群(乳児)、出産後抗レトロウイルス・レジメンを延長しない群(対照群)の3群にランダムに割り付けた。すべての母親と乳児には周産期予防処置として、ネビラピン投与1回と、ジドブジン+ラミブジンの併用投与を1週間行った。
評価は、カプラン・マイヤー法を用いて、生後2週でHIV-1陰性だった乳児の28週におけるHIV-1伝播または死亡の累積リスクを推定し、log-rank検定を用いて比較した。
HIV-1伝播、早期死亡の危険率が有意に低下
試験対象となった2,369例の母子のうち、生後2週で乳児がHIV-1陽性だった割合は5.0%だった。
生後2~28週におけるHIV-1伝播の推定リスクは、対照群が5.7%と他の2群より高く、母親投与群は2.9%(P=0.009)、乳児投与群は1.7%(P<0.001)だった。
2~28週の児のHIV-1感染・死亡の推定リスクは、対照群7.0%だったのに対し、母親投与群4.1%(P=0.02)、乳児投与群2.6%(P<0.001)と有意に低かった。
好中球減少症を有した母親の比率は、母親投与群(6.2%)が、乳児投与群(2.6%)や対照群(2.3%)より高かった。また乳児投与群では1.9%に過敏反応がみられた。
以上を踏まえて研究グループは、28週の授乳期間中の母親への抗レトロウイルス・レジメン並びに乳児へのネビラピン投与は、HIV-1伝播を抑制するのに有効だと報告している。
小児心臓移植は3施設 東大、阪大など7月認定へ
(2010年6月29日:共同通信社)
日本循環器学会など心臓移植に関連する学会の協議会は28日、小児の心臓移植実施施設の候補として、東京大、大阪大、国立循環器病研究センターの3施設を決めた。施設認定をする移植関係学会合同委員会に推薦し、同委員会は7月に認定する見通し。
7月17日の改正臓器移植法施行後、15歳未満から提供された心臓の移植手術を実施する。
ほかに東京女子医大、岡山大、九州大も認定申請していたが、同協議会は大人での手術経験などを考慮して見送った。審査した和泉徹(いずみ・とおる)北里大教授は記者会見で「断腸の思いだが、良い成績を上げるために3施設とした。年間20件程度の提供に対応できるだろう」と話した。
また15歳以上の脳死者から提供された心臓の移植実施施設は現在6施設が認定されているが、協議会は新たに北海道大、埼玉医大国際医療センター、岡山大を推薦すると決めた。
改正法では、生前の本人の意思が不明でも、家族の承諾で臓器提供ができ、現行法では認められていない15歳未満からの提供による心臓移植が可能になる。
ただ現在の患者選定基準では、15歳未満の提供でも心臓移植を受ける患者として大人が選ばれる可能性がある。日本移植学会などは、15歳未満から提供された心臓は、待機患者として登録した時点で15歳未満だった患者に移植できるよう基準を見直す必要があるとしている。
日焼け止めの使い方Q&A 専門家、メーカーに聞く
(2010年6月29日:毎日新聞社)
日差しが強まる季節。紫外線から肌を守る日焼け止め(サンスクリーン)は、今やレジャーだけでなく、日常生活にも欠かせない。一方で、使い方や商品選びには分かりにくい点も多い。専門医やメーカーに聞いた。
Q・塗る量は?
A・最近の日焼け止めは使用感が良く、さらっと伸びるものが多い。半面、伸ばしすぎて、塗布量が少なくなりがちだ。
製品に表示されたSPFやPAの値は、肌1平方センチ当たり2ミリグラムを塗った時のUV(紫外線)防止効果。目安は、腕なら縦に2、3本の線状に置いた量で、脚なら3、4本程度。顔は1円玉大の2個分と、意外に多い。東京慈恵医大付属第三病院の皮膚科診療部長、上出良一医師は「一般的にはSPF表示の規定量の2分の1-3分の1しか塗られていない」と指摘する。
半分の量しか塗らないと、防止効果は表示の約3分の1に落ち、特に、数値の大きいものほど効果の落ち方も大きいという。「必ずしも規定量を塗る必要はないが、薄めに塗るなら、UV防御効果を過信しないこと」と上出医師は話す。
Q・塗り直しは?
A・きちんとUV防御するには、塗り直しが重要になる。日焼け止めは、汗で落ちやすいのが弱点。防水タイプのウオータープルーフでも、こすれて落ちてしまう。2-3時間ごとに塗り直すのが理想だが、特にタオルなどで汗をふいた時は、塗り直した方がいい。
顔の場合は、UV効果のある下地などで日焼けを防ぐのが一般的だが、化粧を落としてまで塗り直すかは悩みどころ。カネボウ化粧品スキンケア研究所の松江浩二・主任研究員は「そもそも化粧が落ちないように顔に触らない人が多く、他の個所より落ちにくい。ファンデーションを塗り直せば日焼け止め効果としてはOK」と話す。
Q・落とし方は?
A・「SPF50+」など強い日焼け止めやウオータープルーフタイプは、せっけんでは落ちにくい。コーセー広報課の橋本美佳さんは「きちんと落とさないと目に見えない膜が肌に蓄積するので、注意して」と呼びかける。
クレンジング剤が必要なものは製品の裏などに表記があるのでそれに従うとよい。橋本さんは「日常使いなら強力なものを選ばず、せっけんで落ちる程度の日焼け止めを使うのもポイント」と話す。
Q・何年も使える?
A・日焼け止めは消費期限などの表示がない商品がほとんど。前年の余りも使えるのだろうか。上出医師は「レジャー用の日焼け止めは暑い場所に持っていくので変性しやすい。基本的に1シーズンものと考えるべきだ」という。
資生堂で日焼け止め製品を担当する須貝展子さんは「翌年以降でも日焼け止め効果は落ちないが、液が劣化することがある」と話す。翌年に持ち越す場合は、酸化を防ぐためボトルの口元をしっかりふいて、日光の当たらない場所で保管しておく。「油っぽくなったり、水が出るのが劣化のサイン。よく見極めて判断して」と須貝さんは話す。
子供の死、アフリカに集中 栄養不足やエイズまん延
(2010年6月28日:共同通信社)
主要国(G8)首脳会議(ムスコカ・サミット)で議長国カナダが重要課題に掲げる「母子保健」の分野で、アフリカは深刻な状況にある。国連児童基金(ユニセフ)によると、5歳未満で死亡する乳幼児の半数はサハラ砂漠以南のアフリカに集中。栄養不足やエイズ、マラリアのまん延、医療従事者の不足などが背景にあり、貧困が妊婦や子供の命を奪っている。
「ここでは人命があまりにも軽い」。タンザニア西部の病院で助産師として活動する清水範子(しみず・なおこ)さん(33)=埼玉県深谷市出身=の実感だ。
ある日、赤ちゃんが呼吸不全に陥った。自動的に酸素を送る装置はなく、手動の機器を用いた。しかし手動では限界があり、赤ちゃんは死んでしまった。「死をみとりにアフリカに来たのか」と自問自答する日々が続く。
ユニセフによると、5歳未満で死亡する乳幼児は、千人当たりで日本では4人(2008年)だが、サハラ砂漠以南のアフリカでは144人。アフリカ南部のアンゴラでは220人で、ほぼ4人に1人が5歳の誕生日を迎えることができない。
サハラ砂漠以南のアフリカ全体で5歳未満の死亡率は、1990年から08年までの18年間で184人から144人に減少した。しかし、南アジアや中南米・カリブ海諸国など他地域ではこれを上回るペースで死亡率が減少しており、アフリカの立ち遅れが際立っている。
アフリカでは、農村の貧しい住民には車などの交通手段がなく、病気になっても医療機関にたどり着けないことが多い。医療施設になんとか行き着いても、充実した医療はなかなか期待できない。
00年に採択され、15年までに貧困人口半減など8分野での目標達成を目指す「国連ミレニアム開発目標(MDGs)」の10年版年次報告書は、アフリカなどでの改善が大幅に遅れており、このままでは「多くの目標が達成できない」と指摘している。(ヨハネスブルク共同)
母子保健で4500億円 G8、途上国向け
(2010年6月28日:共同通信社)
主要国(G8)首脳会議(ムスコカ・サミット)の議長国カナダのハーパー首相は25日夕(日本時間26日午前)、アフリカや中南米諸国を加えた拡大会合終了後に記者会見し、アフリカなど発展途上国における乳幼児死亡率の低減と妊産婦の健康改善を図る「母子保健」分野でG8が今後5年間に50億ドル(約4460億円)を拠出することで合意したと明らかにした。日本はこのうち最大5億ドルの追加支援を表明した。
ニュージーランド、ノルウェーなど非G8諸国や民間基金が負担する23億ドルを加えれば総額73億ドルが同分野のために拠出される。
「母子保健」は2000年の国連ミレニアム・サミットで採択された途上国支援目標の中で特に遅れが指摘され、カナダが今回サミットの重要課題と位置付けていた。ハーパー首相は拠出額について「歴史的」と意義を強調。「途上国の女性が妊娠や出産で命を落とすことがなくなるよう」貢献すべきだと訴えた。
菅直人首相は会合で「母子保健の最大の障害は、多くの妊産婦が適切な治療前に死亡することだ。日本は産前から産後まで切れ目ない治療提供に焦点を当てている」と語った。
アフリカからはアルジェリア、エチオピアなど6カ国が参加し、G8が過去に約束した対アフリカ支援増額の履行を要請。G8側は援助の使途について説明責任の充実を求めた。中南米からはハイチ、コロンビア、ジャマイカが参加。麻薬やテロ対策も話題となった。
(院長のつぶやき)NHK-BSのアフリカ関係のドキュメンタリーをみていると、このような補助金のほとんどは必要な貧しい人々には届かず、政府高官が着服しているのが現状のようです。「正しく使われているか評価する機関」が必要です。
世界の飢餓人口、さらに増加…国連報告
(2010/06/25:読売新聞)
国連は23日、2015年までに飢餓や貧困に直面する人口を1990年比で半減することなどを掲げた「ミレニアム開発目標(MDG)」の年次報告を発表した。
それによると、08~09年の食糧危機や金融危機により、飢餓人口の増加に拍車がかかった。
飢餓について報告は、栄養不足の人の数が90~92年の8億1700万人から、05~07年には8億3000万人に増加したと指摘した。さらに食糧危機と金融危機が追い打ちを掛け、09年には10億人になったと見積もられている。
一方、途上国で1日に1ドル25セント(約113円)未満で暮らす貧困人口の割合は、中国やインドの経済成長もあり、90年の46%から05年には27%に減少した。
国連は2000年のミレニアムサミットの宣言を受け、飢餓や貧困の撲滅など8分野の目標を設定した。
(院長のつぶやき)この世界には飢餓で苦しむ人が10億人、肥満で苦しむ人が10億人いるそうです。ちょっと食べ物を移動させれば・・・何とかならないものですかねえ。
価格が上がれば人はソフトドリンクを飲まなくなる
(2010/06/25:HealthDayNews)
標準的(砂糖入り)ソフトドリンクの値上げが消費減少につながり、米国での肥満度低下と糖尿病減少の助けとなることが新しい研究で示され、米医学誌「American Journal of Public Health(公衆衛生)」オンライン版に6月17日掲載された。
研究者らは、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院(ボストン)のカフェテリアで販売される標準的ソフトドリンクの値段を35%値上げした場合の影響を、同病院で教育的キャンペーンを行った場合と比較調査するとともに、いかなる介入も行わない比較サイト(近くの病院)についても調査した。
その結果、値上げした場合、ソフトドリンクの販売は26%減少したが、教育的キャンペーンだけでは販売への影響がなかった。価格値上げと教育的キャンペーンが組み合わされた場合には、ソフトドリンクの販売はさらに18%低下した。
著者である米ハーバード大学(ボストン)医学部のJason Block 博士らは、「政策立案者や公衆衛生関係者らは、標準的ソフトドリンクの消費を減少し、歳入を増やすため、これら飲料への課税を要求している。今回の結果は、この政策によって予測される影響を示している可能性がある」と述べ、「今後の研究では、果汁やほかの砂糖入り飲料の価格値上げについて調べ、どの程度の値上げがカフェテリアや食品機関の税収中立を維持しつつ、砂糖入り飲料の販売減少に最も効果的なのかを、いくつかの価格帯で調べるべきである」と結論している。
苦い薬も抵抗少なく
(2010年6月25日:読売新聞)
ジュースと混ぜ 菓子で練習
子どもが病気の時、薬を飲むのを嫌がり、困ることがある。
無理に口に入れると、吐き出してしまうので、苦味を和らげたり、飲む気にさせたりするなど、年齢や状況に応じた工夫が必要だ。
京都府内の母親(37)は、1歳10か月の次女が風邪などの病気になるたび、薬を飲ませるのに苦労している。小学1年生の長女(6)に比べ薬が苦手で、何かに混ぜても気づいて吐き出す。
お気に入りの野菜ジュースの紙パックに粉薬を入れて混ぜておき、そのまま分からないようにストローで飲ませる方法が一番うまくいった。「毎回、あれこれ試しています」と話す。
大阪府和泉市の府立母子保健総合医療センターでは、子どもの服薬に関する注意点などを説明したパンフレットを作成している。
1歳ぐらいまでの乳児期は、粉薬は水や湯冷ましに溶かしてスプーンやスポイトで飲ませるが、「量が多いと飲み残してしまうので、粉が溶ける程度の少量で」と同センター薬局長の室井政子さん。
飲みたがらない時は、粉薬に数滴垂らしてクリーム状にし、ほおの裏側や上あごに塗り、その後、ミルクや湯冷ましなどを与えるとよい。味覚が敏感な舌の上は避ける。哺乳(ほにゅう)瓶のふたの部分を取り外して水に溶いた粉薬などを入れ、乳首側を吸ってもらうのも飲ませやすい。
乳児の主食のミルクやおかゆに薬を入れるのは、その後口にしなくなることがあるので避けたほうがよい。
粉薬をヨーグルトやアイスクリーム、プリンなどと混ぜると飲みやすく、薬と混ぜる専用のゼリーも市販されている。冷たいと苦味を感じにくくなるので、ジュースや水で溶かした薬をシャーベット状に凍らせる方法もある。
ただ、混ぜる際には注意も必要だ。「食品と薬の組み合わせによっては、苦味が増したり、吸収力が低下したりするので、薬剤師に確認しましょう」と大阪府薬剤師会理事の山村万里子さん。
例えば、アジスロマイシンという抗生物質は、スポーツドリンクやヨーグルトと混ぜると苦味が増す。同じく抗生物質の塩酸ミノサイクリンは、牛乳や乳製品などと飲むと吸収力が落ちるという。
言葉が理解できる年齢になれば、「体の中にばい菌がいるので痛くてしんどいんだよ。薬を飲んだら楽になるよ」など、なぜ薬を飲むのか理由を納得させる声かけをし、飲めたらほめることも大切だ。ただし、きょうだいがその様子をみて、自分もほめられようと薬を勝手に飲むこともあるので、保管には注意したい。
元気な時に、砕いたラムネ菓子などを使って、親も一緒に薬を飲む「練習」をするのも抵抗感を薄めるという。
服用後は、子どもの尿や便、皮膚の状態をよく観察し、アレルギー反応があれば、医師や薬剤師に伝えることが必要だ。「地域の薬局で日ごろの子どもの状況を知ってもらい、薬のことを気軽に相談してほしい」と山村さんは話している。
子どもに薬を飲ませる際の注意点
・水薬は泡立てないように静かに振り、平らな場所に置いて正確に分量を量る
・ミルクや食事の間隔が一定しない場合、「食後」にこだわりすぎず、時間を決めて指示された回数を飲ませる
・服薬の回数や日数は、特に指示がなければ、処方に従って飲みきるようにする。症状が回復したように見えても、勝手に判断して服用をやめない
(大阪府立母子保健総合医療センターのパンフレットなどを参考に作成)
高頻度振動換気法は、早産児の予後を改善するか?
(2010/06/24:CareNet)
早産児に対する人工換気法として高頻度振動換気法(HFOV)を選択的に施行しても、気管支肺異形成症のリスクの抑制効果は従来の人工換気法と同等であることが、ベルギーVrije Universiteit Brussel NICU科のFilip Cools氏らPreVILIG collaborationによるメタ解析で示された。新生児ケアの進歩にもかかわらず、早産児では気管支肺異形成症のリスクが依然として高く、長期的には神経発達の遅滞や肺障害が起きる。動物実験では、HFOVは換気法関連の肺疾患が少ない有望な人工換気法であることが示されており、呼吸窮迫症候群を呈する早産児の死亡/気管支肺異形成症のリスクを低減する可能性が示唆されているという。Lancet誌2010年6月12日号(オンライン版2010年6月1日号)掲載の報告。
◇ 10試験に登録された3,229例の個々の患者データを解析
PreVILIG collaborationの研究グループは、早産児における選択的HFOVと従来の人工換気法の効果を比較する系統的なレビューとメタ解析を行った。
解析の対象は、主要評価項目を妊娠週数36週における早産児の死亡/気管支肺異形成症、あるいは死亡/重症神経障害などとする試験とした。10の無作為化対照比較試験が抽出され、これらの試験に登録された3,229例の個々の患者データについて解析を行った。
◇ 従来法に比べ、相対リスクに有意差なし
HFOVを受けた早産児の妊娠週数36週における死亡/気管支肺異形成症の相対リスクは0.95(95%信頼区間:0.88~1.03)、死亡/重篤な神経障害の相対リスクは1.00(同:0.88~1.13)、これらのいずれかが発症する相対リスクは0.98(同:0.91~1.05)であり、いずれも有意な差は認めなかった。
HFOVにより多少なりともベネフィットが得られた早産児のサブグループ(在胎週数、出生児体重、肺疾患の重症度、出生前の副腎皮質ステロイド曝露など)はなかった。換気法のタイプや戦略によって全体の治療効果が変化することはなかった。
著者は、「HFOVは早産児に対し従来の換気法と同等の効果しかもたらさない」と結論し、「在胎週数、出生児体重、肺疾患の重症度などに基づいて選択的にHFOVを施行する治療戦略は支持されない」と指摘している。
(院長のつぶやき)約20年前に日本でも普及し、当時新生児医療に関わっていた私は「夢の人工呼吸器」として使った記憶があります。
農薬汚染の野菜がまん延 中国、禁止農薬も放置
(2010年6月25日:共同通信社)
中国では使用が禁止されたはずの農薬が闇で流通し、野菜の殺虫剤などとして使用され、市場でも十分な安全検査が行われずに、農薬が残留した有害な野菜が大量に市場に出回っている。中国週刊誌「鳳凰(ほうおう)週刊」最新号が農薬汚染の隠れた実態を特集で伝えた。
同誌によると、中国では4月だけで江蘇省常州、山東省の青島や日照で残留農薬野菜による食中毒事件が発覚。報道されないケースを含めると、中毒事件は日常的に発生している。
中国は2200以上の農薬メーカーが乱立し、年間200万トンを超える農薬を生産する世界一の農薬大国。農村では適正な農薬使用量の倍近く乱用され、有機リン系殺虫剤のメタミドホスやイソカルボホスなどは使用が禁止されたにもかかわらず、「生産と使用は暗黙のルール」となっている。
農民は低価格で殺虫効果が高いために乱用し、地元政府も生産増や税収増になるため黙認。イソカルボホスは1瓶18元(約240円)だが、同様の効果があり禁止されていない農薬は50元という。
一方、野菜のサンプル検査などによる衛生当局の管理・監督は設備不足や地方の利益第一主義などのために徹底されず、残留農薬が基準値を超えた野菜の大部分が市場に流通している。3月に国際環境保護団体グリーンピースが全国8都市で実施した調査では約7割の野菜から残留農薬を検出。メタミドホスが検出された野菜もあった。
中国人民大農業農村発展学院の鄭風田(てい・ふうでん)教授は「農薬管理の法律は整っているが、現実には別のルールがあり、巨大な地下経済が背後でつながっている」と指摘した。
(院長のつぶやき)この中国の倫理欠如、なんとかならないものでしょうか?
米団体、マクドナルドのおもちゃ廃止求め提訴の構え
(2010.6.23:CNN)
ニューヨーク(CNNMoney) 米ファストフード大手マクドナルドの子ども向けセットに含まれるおもちゃは子どもを惑わす不当な営業手段だとして、米消費者団体の公益科学センター(CSPI)が提訴の構えを示している。
CSPIは22日、マクドナルドへの書簡で提訴の意思を伝えたことを明らかにした。CSPIは書簡の中で、おもちゃを使った販売促進は消費者保護を定めた一部の州法に違反すると主張。マクドナルド側が30日以内におもちゃの廃止に同意しなければ提訴に踏み切ると警告した。
CSPIは、マクドナルドがおもちゃで子どもを誘うことによって、不健康な食生活を植え付け、肥満や糖尿病のリスクを高めていると主張する。同団体の訴訟担当責任者は「マクドナルドのやり方は、子どもの遊び場へやって来てキャンディーを配るような不気味で強引な行為だ」と述べた。
これに対してマクドナルド側は、「子ども向けセットなどのメニューでは責任あるアプローチに徹している」「新たに幅広い選択肢を用意していることは周知の事実だ」と反論する声明を出した。
CSPI代表者のマイケル・ジェーコブソン氏は、「子どもに健康的な食生活をさせるのは両親の責任だ。しかし大企業は子どもたちにおもちゃを配り、巧妙な宣伝を仕掛けることで、それを台無しにしている」と批判した。
(院長のつぶやき)確かに手を替え品を替え「今回も買わなくちゃ」と思わせる商売方法は子ども対象として不適切かもしれませんね。それにしてもマックのCMのできは良く、いつも感心させられます。
ADHD、脳内タンパク質「CIN85」機能欠損が関係か 群大など発表
(2010年6月23日:毎日新聞社)
◇治療法確立に光明
群馬大と独ゲーテ大の共同研究グループは、「CIN85」と呼ばれるタンパク質の機能欠損が、子供に多い「落ち着きがない」「何かに集中できない」など行動の一部に障害がみられる「注意欠陥多動性障害」(ADHD)を引き起こす可能性があると発表した。欧州分子生物学機構の学術誌「EMBOジャーナル」(電子版)に掲載された。
群馬大によると、CIN85は、生物の行動を調節する神経伝達物質・ドーパミンが神経細胞の接合部(シナプス)から、行動に関する情報を脳に伝達するのを調節する脳内タンパク質。研究チームは、CIN85を持たないよう遺伝子操作したマウスで実験したところ、正常なマウスに比べ、CIN85を持たないマウスは同じ時間内での移動量が20-30%増加する多動性を示し、体脂肪も20%少なかった。
研究チームはこの結果などから、CIN85の機能欠損が起こると、ドーパミンの調節ができなくなり、行動に歯止めが効かない状態になる可能性があると結論付けた。研究チームの群馬大大学院の下川哲昭准教授(応用生理学)は「今後はADHDを患う人の遺伝子を調べ、CIN85とADHDの関係性の証明作業を行う。ADHDの治療法確立に期待ができる」と話した。
慶大など漢方治療の効果 分析へ
(2010年6月21日:読売新聞)
3年かけデータ蓄積
医師の経験に頼る部分が大きい漢方治療で、コンピューターを使い、診療の参考になる客観的なデータを蓄えることを目指す研究を6大学病院などで作る厚生労働省研究班が今年度から始めた。
今後3年で受診する患者のデータをコンピューターで分析し、漢方薬がどんな人によく効くのかを探り出す。将来は、患者の症状を入力すると、治療に適した漢方薬を教えてくれるソフトウエアの開発も目指している。
研究は、慶応大、富山大、東北大、千葉大、東京女子医大、自治医大のほか、亀田総合病院(千葉県)など4病院が参加。期間は、2012年度までの3か年。
データの収集には、患者がパソコン画面に触れて入力する漢方問診システムを使用。質問数は約150。冷え、痛み、ほてり、むくみの程度や、「イライラ」「憂うつ」の精神状態、「のどのつかえ」「胸焼け」など体の異状を尋ねる。
こうして収集されたデータを、東大医科学研究所教授の宮野悟さん、東大工学部特任准教授の美馬(みま)秀樹さんら情報技術の専門家が分析。患者の年齢、性別、体質、症状と、漢方による改善度との関係を調べる。
共同研究に先立って、慶大では08年度から2年間、漢方問診システムで約5000件のデータを収集。漢方治療で患者が多い「冷え」について分析したところ、「むくみがある」「疲れやすい」などの症状もある「冷え」の患者は漢方薬で治りやすいが、にきびがあったり、汗をかきやすかったりする患者では、漢方では改善しにくいことが新たに分かった。
同大病院漢方医学センター長の渡辺賢治さんは「延べ3万人のデータ収集が目標。大量のデータ分析によって、漢方薬ごとの効果予測も可能になるかもしれない」と期待する。
伝統的な漢方治療では、医師が患者の脈、舌、腹部を診て、体力の程度や血流の様子に応じ、漢方薬を処方している。臨床試験で治療の効果を比較する西洋医学に比べ、科学的な根拠が弱いと指摘されている。
(院長のつぶやき)西洋医学の診断名で漢方薬を使おうとすると有効率は下がります。漢方医学の診断名(「証」と呼びます)で漢方薬を使うと8割以上有効と専門家が講演で云ってました。
乳児うつぶせ死訴訟で和解 都などが両親に解決金
(2010年6月18日:共同通信社)
2006年に東京都立豊島病院(現・都保健医療公社豊島病院)で生後9カ月の川村優太(かわむら・ゆうた)ちゃんが死亡したのは保育士がうつぶせに寝かせたのが原因だとして、両親が都などに損害賠償を求めた訴訟は18日、東京地裁(植垣勝裕(うえがき・かつひろ)裁判長)で和解が成立した。両親に解決金4800万円を支払うことなどが条件。
事故を教訓に、保育施設の指導要綱にある「乳児を寝かせる際はあおむけにする」との規定を双方が確認し、「都などは安全で充実した保育の実現と再発防止を目指して努力する」との文言が和解条項に盛り込まれた。
優太ちゃんの母親順子(じゅんこ)さん(34)は「これまで子どものことを忘れたことはない。今後は子どもにとって安全な態勢をつくってほしい」と話した。
両親は07年12月に提訴。植垣裁判長はことし4月「都などに責任があると判断せざるを得ない」との見解を示し、和解を勧告していた。
訴状によると、豊島病院に勤務していた順子さんが06年7月19日、職員用保育室に優太ちゃんを預けたが、泣いていたところを保育士からうつぶせに寝させられ死亡した。
こんにゃくゼリー規制「困難」
(2010/06/17:読売新聞)
ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーによる窒息事故に関し、消費者庁の泉健太内閣府政務官は15日、「法規制は現段階では非常に難しい」と述べ、ゼリーの形状や大きさなどについて法規制を行わない意向を示した。7月末までに最終的な結論を出す方針だ。
内閣府の食品安全委員会が10日、「餅に次いで、あめと同程度に窒息事故頻度が高い」という評価書をまとめ、消費者庁に通知。評価書の内容などを受けて、泉政務官は「規制をするには何らかの基準が必要だが、その基準が明確になっていない」と判断した。
一方、15日、全国の消費者団体などで組織する「全国消費者行政ウオッチねっと」は記者会見し、法的整備を急ぐよう訴えた。
(院長のつぶやき)あれだけ話題になり問題になったのに、結局「消費者の不注意」で終わってしまうのでしょうか。
虫刺され、症状いろいろ かゆみや赤み、アレルギー反応で 命にかかわるハチ
(2010年6月11日:毎日新聞社)
屋外で過ごす機会が増えるこれからの季節は「虫刺され」の心配も増える。「一口に虫刺されといっても、虫の種類や過去に刺された頻度などによって症状は千差万別」。夏秋優・兵庫医科大准教授(皮膚科)は「ハチはもちろん、蚊やブユでも炎症が強ければ皮膚科に相談を」と話す。
虫刺されは、医療現場では虫刺症、虫咬(ちゅうこう)症などと呼ばれる。原因は、蚊やブユなどが血を吸うときに注入する血液の凝固を防ぐ物質▽ハチやムカデ、ドクガの幼虫(毛虫)などが攻撃や保身のために持つ有毒物質--に大別される。
家庭でも頻繁に経験するのは、蚊やノミ、ブユに刺され、かゆみやぷつんと膨らんだ赤い発疹(ほっしん)などが出るケースだ。夏秋さんによると、蚊などの血液凝固を防ぐ物質は有毒ではないが、人の体が「異物」と判断するため、アレルギー反応によるかゆみや赤みが起こる。一般的に、生まれて初めて蚊に刺されたときは無症状だが、何度か刺されると1~2日後に症状が出るようになる(遅延型反応)。繰り返し刺されて幼稚園~小学生くらいの年齢になると、刺されてすぐに出る症状(即時型反応)と遅延型の両方が出る。刺されて症状が出てから1、2時間程度でいったん治まったあと、再び赤みやかゆみ、腫れが数日以上続くケースだ。さらに同じ虫に刺され続けると、最後にはアレルギー反応が出なくなることがある。
治療は、激しいかゆみがあるときは患部を冷やし、ステロイドの入った塗り薬などを使う。炎症が強ければ抗ヒスタミン剤なども内服する。
虫刺されのように見えても実は肝疾患や血液疾患、金属アレルギーなど別の病気が原因のこともある。夏秋さんは「原因を推定するために、虫に刺されたと思う場所などを詳しく教えてほしい」と話す。
◇ ◇
命にかかわることがあるのがハチだ。九段坂病院(東京都千代田区)の大滝倫子顧問(皮膚科)は「気分が悪い、息苦しい、体から力が抜けるなどの症状がある場合はすぐに救急車を呼ぶべきだ。全身症状がなくても、複数個所を刺されたら早急に救急外来を受診して」と話す。
ハチに刺されると有毒物質で痛みや皮膚の赤みが生じ、だんだん膨らみが増す。初めての場合は痛みだけで済むが、2回目以降では、刺された直後よりも2、3日後に症状が最も強くなり、1週間前後で治まることが多い。刺されたら、アウトドア専門店などで販売されている毒吸引器で吸い出し、患部をきれいな水で洗う。「アンモニア水や尿にハチ毒を中和する効果はなく、患部にかけてはいけない」(大滝さん)。口内の粘膜や傷から毒が入り込む危険もあり、口で吸い出すことも避けたい。
最も心配なのは、血圧低下や呼吸停止などの急性アレルギー反応「アナフィラキシーショック」だ。刺されて7分で死亡したケースもあり、大滝さんは「中高年以上で山林での作業などハチに刺される可能性が高く、かつてハチに刺されて全身症状を起こしたことのある人は、事前に専門医のいる医療機関に相談し、応急処置のための自己注射用エピネフリン注射薬を処方してもらった方がよい」と話す。初めて刺されたときでも、一度に数十匹に刺されると何日も体内にハチ毒が残り、数日後にショックを起こすこともあるので注意が必要だ。
◇ ◇
虫刺されは市販の外用薬で対処することも多い。ケイロン薬局(東京都板橋区)の薬剤師、安部好弘さんによると、地域の薬局の強みは「虫刺され被害が多発している場所や虫の種類などの情報が入ること」。自覚症状や刺されたと思われる状況などを薬剤師に伝えることで原因を絞り込み、適切な対処につながることもある。
市販薬は抗ヒスタミン、かゆみ止め、消炎、殺菌などの成分の組み合わせ、薬の形状(液体、軟こう、クリーム)の違いによってさまざまな種類がある。薬局では薬剤師などが、かゆみなどの症状の強さ▽過去に刺されたときに症状の悪化が長く続いた経験があるか--などをたずねた上で、適切な薬を勧める。かゆみなどの症状が強い場合はステロイドの入った薬を勧めることもあるが、市販薬には医療用に比べ穏やかなステロイドが使用されている。「市販薬を1、2日使って症状が変わらなかったり悪化した場合は、医療機関の受診を勧めている」(安部さん)という。
予防策としては市販の虫よけ剤(医薬部外品)が有効だ。主成分の「ディート」は皮膚に対する安全性は確認されているが、鼻や口からの吸入を避けるため、安部さんは「スプレー型の場合、小さな子どもに対しては大人が手に吹き付けた液体を首などに塗ってあげて」と話す。
………………………………………………………………………………………………………
被害を受けやすい場所 刺されやすい部位
蚊 室内、庭、公園、山野 顔、腕、足
ブユ 渓流沿い、高原 腕、足
ネコノミ 室内、庭、公園 足(ひざから下)
トコジラミ 室内 顔、首、腕、足
イエダニ 室内 わきの下、下腹部
ハチ 人家の周辺、山野 頭、顔、手
ムカデ 室内、庭、山野 手、足
クモ 人家の周辺、山野 手
ドクガ(幼虫) 庭、公園、山野 全身
イラガ(幼虫) 庭、公園、山野 手
※記載以外の場所、体の部位でも刺されることはあるので、注意が必要。夏秋優・兵庫医科大准教授の資料を基に作成
………………………………………………………………………………………………………
■ハチに刺されたときの応急処置
・口で毒を吸い出さない(毒吸引器で吸い出す)
・きれいな水で患部を洗う
・患部を冷やす(毒の吸収を遅らせる)
・患部に残った針には触らない(針をつまむと残った毒を体内に押し込む可能性がある)
・(腕、足の場合)患部より上を軽く縛る
・患者を移動させるときは担架などを使う(背負うと患者の胸が圧迫されるため)
自閉症、遺伝子コピーミスが原因 英大チーム解明
(2010年6月10日:毎日新聞)
新生児100人に1人の割合で生じるとされる脳の機能障害「自閉症スペクトラム」が、複数の遺伝子のコピーミスから起きる可能性があることが、英オックスフォード大などの研究で分かった。症状や問診をもとにしてきた診断法の改善につながる成果で、10日、英科学誌ネイチャー(電子版)に掲載された。
自閉症スペクトラムは、他者とのコミュニケーションや社会性の発達に遅れが見られる。自閉症のほか、知的障害がなく特異な才能を発揮する「アスペルガー症候群」なども含み、症状の多様さから「スペクトラム(連続体)」と呼ばれる。
チームはヨーロッパ人の患者996人と健康な1287人のゲノム(全遺伝情報)を比較。その結果、父と母から一つずつ受け継ぐべき遺伝子が一つ足りなかったり、三つになるコピーミスが、患者は健康な人より平均19%多く、健康な人ではめったに起きない遺伝子で起きていた。コピーミスは「コピー数多型(たけい)」と呼ばれ、健康な人では病気のかかりやすさや薬の効き方の個人差として表れる。チームは、鍵となる遺伝子の複数のコピーミスが発症につながるとみている。
理化学研究所の古市貞一・分子神経形成研究チーム長は「自閉症スペクトラムは早期に診断されれば改善が期待できる。今回の成果は科学的診断法確立に向けた基本情報になる可能性がある」と話す。
小児の提供は小児患者へ 臓器移植で関連学会要望
(2010年6月10日:共同通信社)
小児の脳死者から臓器提供が可能になる7月施行の改正臓器移植法に関し、日本移植学会などでつくる臓器移植関連学会協議会は9日、15歳未満から提供された臓器は、15歳未満の待機患者に優先的に移植するよう患者選定基準を見直すことを厚生労働省に要望した。
協議会は、これまで体重20キロ未満の小さな子どもは国内で心臓移植を受けられなかったことを考慮し、15歳未満から提供された心臓は、待機患者として登録した時点で15歳未満だった患者に移植すべきだと提言。
腎臓や肺についても、子どもからの提供は子どもの患者を優先する基準を定めるよう要請。腎臓については、待機期間が長い成人が選ばれやすい現行の患者選定基準の見直しが必要だとした。
協議会は、こうした新基準を定めるために専門家による作業班を開くよう厚労省に要望した。
若者3千万人に精神疾患 中国
(2010年6月10日:共同通信社)
10日付の中国英字紙、チャイナ・デーリーなどによると、中国の精神医療の専門家は17歳以下の約3千万人が情緒障害など何らかの精神疾患を患っていると明らかにした。約10人に1人の割合にあたるという。7日に開かれた精神医療に関する国際会議で語った。
北京安定病院の小児科専門医によると、中国の青少年の精神疾患罹患(りかん)率は国際的にも高く、特に親が出稼ぎのために自宅にいない「留守児童」らの罹患率が上がっているという。
7価肺炎球菌結合型ワクチン、10価・13価より費用対効果低い、オランダ調査
(2010年06月08日:BMJ)
文献:Rozenbaum MH et al. Cost effectiveness of pneumococcal vaccination among Dutch infants: economic analysis of the seven valent pneumococcal conjugated vaccine and forecast for the 10 valent and 13 valent vaccines. BMJ. 2010;340:c2509
新生児180000名を5歳まで追跡し、7価肺炎球菌結合型ワクチンの費用対効果を検討。増分費用対効果比は、現行の4回接種で質調整生存年(QALY)あたり推定113891ユーロ、3回接種でも82975ユーロで、費用対効果ありと見なされる50000ユーロを上回った。10価・13価では31250-52947/QALYユーロだった。
(院長のつぶやき)数字の読み方が今ひとつよくわかりませんが、日本で先行して認可されたのは7価ワクチン(商品名:プレベナー)、今後数年以内に13価が認可されると噂されています。小児科医として待ち遠しい限りです。
母親の死亡で小児の生存率低下、父親は影響なし、バングラデシュ調査
(2010年06月08日:Lancet)
文献:Ronsmans C et al. Effect of parent's death on child survival in rural Bangladesh: a cohort study. Lancet. 2010;375(9730):2024-2031
親の死が小児(10歳以下)の生存に与える影響を、コホート研究で調査。母親が死亡した小児の累積生存率は24%であり、2-5カ月の乳児への影響が最大であった(率比25.05)が、父親の死亡は影響を与えなかった。母乳の突然の停止と母親の不在が子どもに深刻な影響を与えることが示唆された。
新生児の臍帯結紮(さいたいけっさつ)はすぐにしない方がよい
(2010/06/04:HealthDay News)
妊娠女性は出産直後に行われる、新生児の臍帯(さいたい)の結紮(けっさつ)を数分間待ってもらうよう医師に要請した方がよいことが新しい研究で明らかになった。生まれてすぐに臍帯を結紮してしまうと、母体から新生児への血液の流れが遮断され、新生児が最後に臍帯血を得る貴重な数分間を奪ってしまうことになる。臍帯血には、再生特性を有し、さまざまな細胞に成長できる幹細胞が含まれている。
研究著者である米サウスフロリダ大学加齢・脳修復センターのPaul Sanberg博士によると、ある研究では、結紮を1~2分遅らせると正期産児の貧血を予防できる可能性があるとされている。また、早産児の研究では、結紮を30秒以上遅らせることにより貧血、脳出血、遅発性敗血症の発症率のほか、輸血の減少が認められた。Sanberg氏は臍帯血を「自然による最初の幹細胞移植」と呼び、臍帯を遮断することによる影響をもっと知る必要があると述べている。臍帯結紮に関する医学文献をレビューした今回の論文は、医学誌「Journal of Cellular and Molecular Medicine(細胞分子医学)」3月号に掲載された。
臍帯は子宮内で胎児と胎盤を繋いでおり、出産時には胎盤および臍帯が収縮して新生児に血液が送り込まれる。出産後数分で臍帯の脈が停止し、血流は止まる。Sanberg氏によると、進化の過程では、女性は臍帯血が新生児に流れやすいようにかがんだ姿勢で出産していたと考えられるという。その後、出産の方法が変化し、臍帯血に関する考え方も変化してきた。
数十年前は医師の間でも臍帯血は普通の血液であると考えられていたが、現在は臍帯血に幹細胞が含まれていることが知られている。「西洋医学でこれほど早く臍帯の結紮および切断をするようになったのは過去1世紀内のこと」だと同氏は述べている。
米ニューヨーク大学ランゴンLangoneメディカルセンターのBruce Young博士によると、1980年代には、産科婦人科では早産児の臍帯を迅速に結紮するよう指導されていたという。早産児は肝臓が未成熟で赤血球代謝の副産物であるビリルビンを分解できないため、母体から余分な血液を受け取るのを防止すれば黄疸(皮膚の黄変)の予防になると考えられていた。しかし、早産児医療の向上により、光療法でビリルビン代謝が促されることがわかり、現在では早期の臍帯結紮は推奨されていない。
正期産児でも結紮を急ぐ医師はほとんどおらず、臍帯結紮前に赤ん坊を抱くことを希望する母親も多く、その場合、結紮は後になるとYoung氏は述べている。母親の意志により臍帯血を将来の利用のために保存する場合、十分な臍帯血を得るために早期の結紮が促進される可能性もあるが、専門家らは、臍帯血保存の目的で結紮を急がないよう勧めている。
(院長のつぶやき)私が立ち会ったお産では、貧血予防に臍帯をしごいてから切っていた産科医師もいましたし、逆に多血症予防として早く切っていた医師もいました・・・。
薬物依存防ぐため、咳止めシロップの長期使用に注意 厚労省
(2010年6月4日:WIC REPORT 厚生政策情報センター)
厚生労働省は6月1日に、コデインリン酸塩水和物及びジヒドロコデインリン酸塩等を含有する一般用医薬品の鎮咳去痰薬(内用)の販売に係る留意事項に関する通知を発出した。コデインリン酸塩等を含有する、いわゆる咳止めシロップは長期使用により薬物依存を招く危険性がある。そこで、本通知では、当該医薬品の使用上の注意に「過量服用・長期使用しないこと」を追記し、また販売についての留意事項(1人1包装単位とするなど)を守るよう要請するもの。
(院長のつぶやき)これらの薬物は子ども用の風邪薬にも当たり前のように入っています。
牛乳由来のCPP-ACP、歯の健康維持に効果 ヘルシーリポート
(2010年6月4日:毎日新聞社)
◇脱灰抑え、再石灰化を促進
6月4日は虫歯予防の日。虫歯を防ぐには歯磨きの習慣が欠かせないが、牛乳由来成分の「CPP-ACP」(カゼインホスホペプチド・非結晶リン酸カルシウム複合体)も、歯の健康維持に活用されるようになってきた。日常生活に効果的に取り入れるには、どうすればよいのだろう。
CPP-ACPはカルシウムとリン酸によって生成された無味無臭の成分で、99年にオーストラリアのメルボルン大で開発された。英語の「re」(再び)と「cal」(カルシウム)、「dent」(歯の)を組み合わせた言葉で「リカルデント」とも言われている。ガムなどに配合されているキシリトールと混同しやすいが、こちらは樹木などに由来する甘味料の一種で、成分は異なる。
なぜCPP-ACPが虫歯予防に効果的なのか。まず、虫歯ができる仕組みをおさらいしてみたい。
虫歯は口の中にいるミュータンス菌が食べ残しの糖質を分解して酸を出し、それが歯の表面のエナメル質を溶かすことによって発生する。この状態は「脱灰(だっかい)」と言われる。虫歯といえば、歯の表面に穴が開いて黒く変色した部分を思い浮かべるだろうが、脱灰の初期は白チョークのように白濁しているのが特徴で、「隠れ虫歯」とも言われる。
歯に脱灰部分ができてしまっても、程度の軽いうちなら自然に治すことができる。人間の体には、口内を中性の状態にすれば、唾液(だえき)に含まれるミネラルが脱灰した部分の歯を修復する機能があるからだ。この機能は「再石灰化」と呼ばれる。口の中では常に<脱灰←→再石灰化>が繰り返されていると言われている。CPP-ACPには、この脱灰を抑制する働きがある。加えて再石灰化を促し、ミュータンス菌が出す酸に対する歯の抵抗力を高める効果もあるという。最近ではCPP-ACPを歯に直接塗りこめるペースト状の製品も発売されているが、もっと手軽に摂取したい人には、CPP-ACPを配合した牛乳やガムもおすすめだ。
また、日野浦歯科医院(東京都中野区)院長で日大客員教授の日野浦光さん(56)は「普段から牛乳を飲む習慣をつけることも、歯の健康維持につながる」と話す。「そもそも牛乳には再石灰化に欠かせないカルシウムやリン、マグネシウムなどのミネラルが含まれており、乳製品を多く食べる国では虫歯が少ないとも言われています」
虫歯は「なってから」ではなく、ならないための予防が最も重要だと言われている。虫歯になった部分を削って詰め物を入れて治したと思っても、そこが「アリの一穴」となってミュータンス菌がすき間から入り込み、今度は詰め物の内側が虫歯になってしまった--。そんな経験を持つ人は多いだろう。
「歯を健康に保つには、脱灰した部分が再石灰化されるまでの時間をできるだけ多く作ることが重要だ」と日野浦さん。ダラダラと飲食をしたり、間食ばかりしていると、ミュータンス菌が食べ残しの糖質を分解して酸を出すことが増えるため、虫歯のリスクが高まる。
日常生活にCPP-ACPを効果的に取り入れるとともに、生活習慣そのものの見直しも欠かせないようだ。
09年の出生率1・37 4年ぶり上昇ストップ 自然減も過去最多
(2010年6月2日:共同通信社)
女性1人が生涯に産む子どもの推定人数を示す2009年の合計特殊出生率が、08年と同じ1・37だったことが2日、厚生労働省の人口動態統計(概数)で分かった。06年以降続いていた上昇傾向が4年ぶりにストップ。赤ちゃんの出生数も減少し、出生数から死亡数を引いた人口の自然増減数はマイナス7万1895人で、過去最多の自然減になった。
厚労省によると、出生率は05年に過去最低の1・26を記録したが、30代の出産が増えるなどしたため上昇が続いていた。09年は15~49歳の女性人口が約2653万1千人と08年に比べ約22万6千人減少。厚労省は「母親となるこの層の減少自体が出生率の横ばいにつながった」とみている。
年齢別では、10~20代はいずれも08年より下降したが、30代以上は上昇。最も高かったのは30~34歳。
都道府県別では沖縄が最高の1・79、次いで宮崎1・61、熊本1・58、鹿児島1・56。最低は東京の1・12で、次いで北海道1・19、京都1・20の順。
国内で生まれた日本人の赤ちゃんは107万25人で、08年より2万1131人減少した。
死亡数は487人減の114万1920人で、戦後の統計が残っている1947年以降では08年に次ぐ多さ。死因で最も多かったのはがんの34万3954人で29年連続首位。次いで心疾患18万602人、脳血管疾患12万2274人。自殺は3万649人で前年より420人増えた。
結婚したカップルは70万7824組で1万8282組減。一方、離婚は2272組増の25万3408組だった。
(院長のつぶやき)何より驚いたのは「離婚数」!
部活動の中学生、骨量減少…食事量や栄養不足で
(2010年5月26日:読売新聞)
部活動をする子ほど、食事に気をつけないと、丈夫な骨が作れない--。
大分県立看護科学大の岩崎香子(よしこ)助教(生体科学)の調査で、こんなデータが浮かび上がった。岩崎助教は「成長期だからこそ、運動に見合うカロリー摂取が大切」と呼びかけている。
岩崎助教は2006年4月から08年3月にかけて、大分市の特定の中学校の1、2年生計320人を対象に、踵(かかと)の骨量を追跡調査した。
その結果、生徒の大半は岩崎助教が計算した1日の必要カロリー摂取量を下回り、男子の20%、女子の8%が前年より骨量を減らしていた。そのうち男子は約9割、女子は約7割が、部活動で日常的に運動をしている生徒だった。
骨は適切な運動で刺激を受けることにより、丈夫になるとされる。骨量の増加率は、男性が13-15歳、女性は10歳頃をピークに、以降は徐々に鈍り、20歳以降はほとんど増えない。
運動をしている中学生の1日当たりのカロリー摂取目標は、男子が2500-2750キロ・カロリー、女子は2250-2550キロ・カロリーとされる。骨量が減った生徒は、必要摂取量に届かず、2年間で不足幅も広がっていた。
中学生の食事内容を見ると、魚介類よりも、脂肪分が多い肉類を食べる傾向があった。3大栄養素でも、たんぱく質と脂肪は十分だが、ご飯やパンなどの炭水化物は、男子が必要摂取量の80-87%、女子も80-90%だった。野菜や豆類も少なく、カルシウムも不足していた。
新たに15人預け入れ 3年目の赤ちゃんポスト
(2010年5月26日:共同通信社)
親が育てられない子どもを匿名で受け入れる慈恵病院(熊本市)の「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」について、設置を許可した熊本市は25日、2009年度に新たに15人の預け入れがあったと公表した。
預け入れ人数は08年度に比べ10人減で、07年5月の運用開始以来、合計57人となった。虐待の痕跡など刑法上問題となるケースはないという。預け入れ人数の減少について、慈恵病院の田尻由貴子(たじり・ゆきこ)看護部長は「09年度は預け入れる前に病院などに相談してもらったケースが多かった。事前相談(の必要性)を訴え続け、いろんな選択肢があると伝えた結果だと思う」と分析している。
市は今回から赤ちゃんポストを利用した理由や母親の婚姻状況など7項目を新たに公表。
利用の理由(複数回答)では「未婚」と「世間体・戸籍の問題」がそれぞれ6件で最多、「親、祖父母の反対」「不倫」が各3件、「生活困窮」が1件などだった。
母親の婚姻状況は「未婚」8人、「既婚」「離婚」がそれぞれ3人、「不明」1人。
15人の内訳は男児6人、女児9人で、熊本県内からの預け入れはなく、県外の九州地方が3人、関東5人、中部、近畿、中国が2人ずつで、不明が1人だった。
幸山政史(こうやませいし)熊本市長は記者会見で「全国から慈恵病院や熊本市への(預け入れや妊娠などの)相談が多い状況は変わっていない。全国的な相談体制の充実を国に求めたい」と述べた。
安易に救急車要請、抑制へ有料化検討 静岡県市長会、9月末めどに答申
(2010年5月26日:毎日新聞社)
◇富士宮で県市長会作業部会が初会合
急を要する事態ではないのに、救急車を安易に呼ぶ問題が深刻化しているとして、県市長会は25日、救急車を有料化できないか、作業部会を設けて検討を始めた。9月末をめどに結論をまとめ、市長会に答申する。総務省消防庁によると、救急車を有料化した自治体は過去、例がないという。
この部会は「救急車有料化検討作業部会」で25日、富士宮市役所で初会合を開いた。
メンバーは湖西、静岡、藤枝、沼津と富士宮5市の行政、消防の担当者計10人。今後、答申の取りまとめに向け、救急車の利用状況や1件あたりの出動費用などを調べる。
部会設置を唱えた富士宮市の小室直義市長は初会合に出席し「救急医療の現場、救急車のあり方について一定の考えを示してほしい」と述べた。その後、記者団に、緊急ではないのに救急車に出動要請する問題を指摘し「抑制する手段として有料化を考えたい」との認識を示した。
作業部会では「出動要請があった時、救急車が出払っていた」「指の逆むけで救急車が呼ばれた」などの事例が報告された。
富士宮市によると、年間の救急車の出動件数のうち約4割は軽症あるいは軽傷で、出動の必要はなかったという。また、県危機管理部のまとめでは08年、県内での救急車出動は13万7374件あったが、このうち急病による出動は8万2176件(59・8%)だった。
こうした事態を踏まえ総務省消防庁は昨年度、救急車の適正な運用のため、愛知県、奈良県と大阪市をモデル地区に設定し、電話応対で出動の必要性を見極める救急安心センターを運用した経緯がある。
(院長のつぶやき)毎度お馴染みの話題です。
昔勤務した病院での話ですが、独居老人が具合が悪くなり夜間病院へ行きたいけど田舎なので深夜はタクシーが稼働せず、自分で運転もできない・・・救急車で来院するしかありません。
紫外線 白内障の原因、免疫低下も
(2010年5月21日:毎日新聞社)
東京都内の大学に勤務する女性(29)は日焼けを避けるため、夏も長袖を着て通勤する。日焼け止めのジェルを手放さず、指先が出る手袋を着用し、首にはストールを巻くほどの念の入れようだ。「暑くないの?」と同僚からよく聞かれるが、「暑いけど、日焼けはシミなどの原因になる。中学時代は水泳部だったので、将来を考えると、これ以上、日焼けしたくない」と決意は固い。
◇ ◇
日焼けした「小麦色の肌」はかつて、健康美の象徴だった。しかし、80年代ごろから、シミやしわなど肌の老化原因になることが知られるようになり、98年には母子手帳から日光浴を勧める記述が消えた。
日焼けの原因は、太陽の紫外線だ。化粧品メーカー「資生堂」の元学術室長で、日焼けについて研究している長沼雅子・武蔵野大看護学部非常勤講師は「紫外線が強いのは、春分から秋分にかけて。特に真夏の暑い日より、気候がよく屋外で遊ぶ機会の多い4~5月と梅雨の晴れ間が要注意」と指摘する。
人体は紫外線を浴びると、皮膚の細胞のDNAに障害を受け、それを修復しようとして血管を太く拡張させる。さらに皮膚の細胞はメラニンという黒い色素をたくさん作り、紫外線から肌を守ろうとする。このため、日焼けは最初は赤っぽくなり、その後に黒っぽくなる。DNAに障害を受けた皮膚細胞は1週間ほどではがれ落ち、皮がむける。
長沼さんによると、意外にも男性の方が女性より紫外線に対する感受性が高い傾向がある。また、「赤くなりやすい人は、より注意が必要」と指摘する。日焼け以外にも、紫外線が白内障の原因になったり、人体の免疫を低下させることも分かってきた。
◇ ◇
環境省の紫外線対策マニュアルでは、最も強くなる正午前後の外出を避ける▽日陰を利用する▽日傘や帽子を使用する▽衣服で肌を覆う▽サングラスを掛ける▽日焼け止めを利用する--の6項目を挙げている。
だが、紫外線は空気中で散乱されやすく、四方から照射されるため、長沼さんは「日傘や帽子での予防には限界がある」と警告する。つばの長さが7センチの大きな帽子をかぶっても、紫外線防止効果は6割ほどという。衣服で覆うのは効果的だが、暑すぎると熱中症などの危険がある。薄手で風通しのよいものがよい。
常に露出している顔面の対策には、紫外線を吸収したり散乱させる日焼け止め(サンスクリーン)が有効だ。日焼け止めには、波長の異なる2種類の紫外線によって、SPF値とPA値の二つの防止効果指標がある。SPF値は数字が大きいほど、PA値は+の数が多いほど防止効果が高く、生活場面によって使い分けるとよい。
日本化粧品工業連合会の目安によると、
散歩や買い物などではSPF20以下でPA+、
炎天下でのレジャーやスポーツではSPF40-50でPA++-+++が適当だという。
長沼さんは「日焼け止めを塗っても、量が足りない人が多い」と話す。SPF値やPA値は、皮膚1平方センチ当たり2ミリグラムの薬剤を塗った場合の目安だ。(1)手のひらに1円玉大の日焼け止めをとる(2)額、鼻、あご、両ほおの5カ所に分けて日焼け止めを置き、そこから周囲に伸ばす(3)少し乾いたら、これをもう一度繰り返す--という塗り方を推奨する。また、「ファンデーションに紫外線防止効果は期待できない。外出目的に合わせ、いくつかの対策を組み合わせて」と話している。【西川拓】
◇光化学スモッグを誘発
太陽紫外線は大気中の排ガスなどに化学反応を起こし、オゾンなどの有害な光化学オキシダントを発生させる。環境省大気環境課によると、5月3日の栃木県を皮切りに、千葉、埼玉、東京、佐賀、長崎の各都県で光化学オキシダント注意報(自治体の呼称によっては光化学スモッグ注意報)が出され、佐賀県唐津市では4人が目の痛みなどを訴えた。近年は発令地域が拡大傾向にあり、09年は山形、鹿児島両県で初めて発令されるなど過去最多の28都府県に広がった。
日差しが強く、風の弱い日は光化学オキシダントが局所に集中して光化学スモッグとなりやすい。同課は「注意報が発令されたら、すぐに屋内に退避し、窓を閉めてほしい」と呼びかけている。
■ 日焼けマシン、児童に健康被害のリスク、英国調査
(2010年03月24日:BMJ)
文献:Thomson CS et al. Sunbed use in children aged 11-17 in England: face to face quota sampling surveys in the National Prevalence Study and Six Cities Study. BMJ. 2010;340:c877
9310名の児童(11-17歳)を対象に、日焼けマシンの利用状況を調査。日焼けマシンは全国的に児童の間で普及していたが、十分な監督のもとで使用されていない場合が多く、健康被害のリスクがあることが明らかになった。国の立法措置により日焼けサロンの取締まりを行う必要がある、と著者らは指摘している。
北海道・富良野保健所管内でロタウイルス
(2010年5月21日:毎日新聞社)
富良野保健所は20日、管内(富良野市周辺の4市町村)の保育所で感染性胃腸炎患者が発生したと発表した。今月12~19日、0-6歳の園児29人と保育士2人の計31人に嘔吐(おうと)や発熱、下痢などの症状が出て、一時1人が入院。ロタウイルスを10人から確認した。いずれも回復か快方に向かっているという。
「ひきこもり」多くが精神疾患 3分の1は「薬物治療必要」 厚労省調査
(2010.5.19:産経新聞)
就学・就労などを避け、家から出てこない「ひきこもり」の若者を厚生労働省の研究班が調査したところ、専門施設に相談してきた「ひきこもり」に悩む人の3分の1が、統合失調症など薬物治療を必要とする精神疾患を抱えていたことが19日、分かった。他の相談者も何らかの精神疾患を抱えていた。
また、研究班は同日、ひきこもりの長期化を防ぐためには、できるだけ早く当事者が専門機関に相談・受診することが重要などとする「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」を公表した。
調査は平成19~21年度に行われ、精神科医ら専門家が在籍する全国5カ所の精神保健福祉センターに、16~35歳までのひきこもり本人が直接相談にきた184件を検討した。
その結果、診断が確定した149件のうち、49件が統合失調症や不安障害、気分障害など薬物治療が必要とされる精神疾患だったことが判明。さらに48件が広汎性発達障害や精神遅滞と診断され、51件は専門家のカウンセリングなどが治療の中心となるパーソナリティ障害や適応障害などだった。残る1件は前記3分類にあてはまらなかった。
今回の調査結果を受け、厚労省は「診断や治療を受けないまま、症状を悪化させる恐れがある」として、ひきこもりの背景に精神疾患があるケースが多いことを明確化。ガイドラインでは現在全国の約26万世帯でひきこもりの子供がいると推計し、ひきこもりの長期化を防ぐため、できるだけ早く当事者が専門機関に赴いて受診をすることが重要とした。専門機関は長期的な関与を続け、精神疾患の有無を判断すべきだとしている。
疲れない靴、どう選ぶ
(2010年5月14日:毎日新聞社)
◇「幅ぴったり、つま先ゆったり」を 子供は年1、2回買い替えて
1日のかなりの時間身につけている靴。足に合っていないと歩きにくく疲れがちな上、履き続けることで痛みやタコなど障害のもとにもなる。足に合った靴はどのように選べばよいのか。専門家に話を聞いた。
足に合った靴を選ぶには、まず足の特徴をつかむことから始まる。シューフィッターの大木金次さん(64)=大阪市=に私(35)の足を見てもらった。シューフィッターは社団法人「足と靴と健康協議会」(東京都)が養成・認定している資格。主に百貨店や靴の専門店に所属し、全国で3134人が活動している。名前や所属店舗は、同協議会のホームページで調べることができる。大木さんも長年、大手百貨店で靴選びの手助けをしてきた。
大木さんは、紙の上に私を立たせ、専用のペンを使って足の形を描いた。描かれた左右の足形を見て、まず一言。「左の小指と薬指の出っ張りが気になりますね。靴に当たりやすくないですか」。確かにそう感じていた。靴によっては長時間履いていて薬指のつめの内側が内出血したこともあった。でもなぜ出っ張っているのか。
その理由も説明してくれた。「土踏まずが沈み気味で、舟状骨がやや足の内側に出ていますね。これが指の出っ張りにつながっています。このあたりが靴選びのポイントになりそうです」
大木さんの話を理解するには、足の骨格を知っておく必要がある。足の骨格のうち一番下にあるのは、かかとの踵骨(しょうこつ)と立方骨、それにつながる小指と薬指の中足骨だ。そしてその上に、中指から親指にかけての中足骨とその根元にある舟状骨が乗っている。このような「2階建ての構造」になっており、歩く際の衝撃を吸収できるよう、アーチ状を描いている。このため肩幅ほどに足を開いて自然に立つと、「1階」にあたる足の外側に体重が多くかかっているのが分かる。
大木さんによると私の場合、左足の体重が内側にかかって土踏まずが沈み気味で、「2階」にあたる部分が足の内側へ押し出されているため、その反動で「1階」の薬指と小指が外側へ出て靴に当たりやすくなっているのだという。「こうした場合、土踏まずを下から支えてやる中敷きを入れることで、緩和することが可能です」とアドバイスを受けた。
◇ ◇
実際に靴を選ぶ時のポイントで、意外と気にしていないのが足の幅だ。靴は大きさが同じでも、幅は異なる。靴を買う時に試着して、何となく幅が広い方がゆとりがあって歩きやすく、後から履けなくならないからよいと考えがちだが、これは望ましくないという。大木さんは「特に中足骨のあたりが、横からぴったり締まっていることが大事」と指摘する。
これは歩く時の体重移動に関係している。体重はまずかかとに乗り、次に小指と薬指の付け根あたり、最後に親指のあたりで地面をけり出している。大木さんは「靴の幅が大き過ぎると、足が靴の中で滑ったり土踏まずが下がって体重移動がうまくいかず、つま先に力が入りにくく歩きにくい。中足骨のあたりを締めてあげればそうしたことはなく、つま先に力が入って歩きやすくなる」と指摘する。
また、つま先で地面をけって歩くのに、指先を靴の中で動かせる余裕があることも必要だ。だが、靴を買ってからつま先が細く、歩きにくい思いをすることもある。こうしたことを防ぐためには、靴を試着する際に、つま先立ちした状態でしゃがんでみて、違和感がなければ大丈夫だ。あと、かかとの大きさも靴によってまちまちなので、実際に履いてみてぴったり合ったものを選びたい。
◇ ◇
足に合った靴選びは子供にとっても大事だ。アーチ状の骨格が形成され、土踏まずができるのは3歳ごろと考えられている。人間の足の骨は、生まれた時には軟骨が多いが、6歳ごろまでかけて徐々に骨に変わり、体の成長とともにアーチも高くなる。
子供の足と靴の関係を長年調べてきた佐藤整形外科(埼玉県春日部市)の佐藤雅人院長(元埼玉県立小児医療センター副病院長)は「靴が足よりも大きくぶかぶかだと、子供は脱げるのを気にして活発に走り回ることができず、骨格やアーチの形成にも影響する」と強調する。
佐藤院長は過去に、3歳から6歳までの幼稚園児約150人の足を調べた。その結果、足の成長は1年間に0・5-1・5センチだった。この結果から「子どもでは1年に1、2回は大きい靴に買い替えが必要。大きさだけでなく幅も合わせて、動きやすいよう指先に余裕があるのがいい。足に合った靴を履いて活発に運動することが、健全な足の骨格の発育につながる」と助言する。
川崎病の新たな関連遺伝子 発症リスク1・4倍に
(2010年5月13日:共同通信社)
主に乳幼児がかかる「川崎病」の発症に関連する新たな遺伝子を見つけたと、理化学研究所ゲノム医科学研究センターなどが12日、発表した。この遺伝子にあるわずかな違いで発症リスクは1・4倍になるという。
研究チームは、関連遺伝子があると予想した染色体領域で「CASP3(カスパーゼ3)」という遺伝子に注目し、日本人の患者約900人と罹患(りかん)したことがない約1400人を分析。この遺伝子で塩基が1カ所異なる「一塩基多型」のうち、特定のタイプだと発症リスクは1・4倍だった。
この遺伝子は細胞死で重要な役割を果たすが、発症リスクが高いタイプだと遺伝子の働きが弱くなると判明。不要になった血液中の免疫細胞の細胞死が遅れて炎症が続き、川崎病を引き起こしているのではないかとみている。
研究チームは関連遺伝子が存在する可能性のある場所を10カ所見つけ、既に1カ所で発症リスクが高まる遺伝子を特定していた。同センターの尾内善広(おのうち・よしひろ)上級研究員は「ほかにも関連遺伝子がないか調べ、病態解明につなげたい」と話している。
川崎病は原因不明で、発熱や発疹(ほっしん)などの症状のほか、心臓に冠動脈瘤(りゅう)ができて重症になる場合もある。日本では年間1万人以上が発症する。
副作用リスクで販売終了 アンダーム軟膏(ブフェキサマク)
(2010年5月12日:共同通信社)
湿疹(しっしん)や皮膚炎治療の成分「ブフェキサマク」がかぶれを起こす恐れがあるとして、この成分を含む塗り薬などを製造販売している製薬各社は11日、薬の販売を終了すると発表した。重大な副作用の発生はないため、既に小売店などに流通している製品の回収はしないという。
欧州医薬品庁が4月、副作用を理由に欧州での販売をしないよう勧告。保湿剤などで代替できるため、国内でも販売終了を決めたという。
国内では過去3年間に、処方せんが必要な医療用医薬品を販売する6社から計7件、処方せんなしで買える一般用医薬品で9社から計5件の副作用報告がある。
(院長のつぶやき)あえてタイトルに「アンダーム」と記しましたが、元記事には「皮膚炎治療薬」としか書かれていませんでした。隠蔽して闇に葬り去るという魂胆が見え見えです。さて、この記事の前に既にヨーロッパでは承認停止となっており(↓)、これを受けての決定ですね。
このアンダーム軟膏、乳児期の湿疹には昔から一番処方されていた「非ステロイド系消炎軟膏」です。ステロイドの副作用が話題になって久しいですが、「非ステロイド」つまりステロイドが入っていないことが処方しやすかったのですね。しかしアレルギー学会へ行くと非ステロイド軟膏はかぶれ(接触皮膚炎)を起こしやすく、さらに近年、アトピー性皮膚炎を誘導するとさえ云われてきていました。私はもう5年間(開業してから)使用していません。
■ ブフェキサマクの承認取り消しを勧告(欧州医薬品庁医薬品委員会)
(2010.4.24:アポネットR研究会)
EMA(欧州医薬品庁)の医薬品委員会は23日、接触性アレルギーのリスクが高いとして、ブフェキサマク製剤の承認取り消しを勧告しました。
European Medicines Agency recommends revocation of marketing authorisations for bufexamac
~ Medicines to be taken off EU markets because of high risk of contact allergies
(EMA Press Release 2010.4.22)
http://www.ema.europa.eu/pdfs/human/referral/bufexamac/24639510en.pdf
Questions and answers on the revocation of the marketing authorisations for medicines containing bufexamac
(EMA 2010.4.22)
http://www.ema.europa.eu/pdfs/human/
referral/bufexamac/Bufexamac_Q&A_23992310en.pdf
委員会では、ドイツのレビューのデータ(TOPICS 2010.01.26)やメーカーからのデータを検討、患部が湿疹などの状態だとリスクが高まる他、有用性を示すデータも限られるとして今回の結論を下したようです。
これを受け、処方医や患者に対して次のように勧告しています。
医師はブフェキサマクを含む製剤の処方を止めるべきである。広く使われている他の医薬品に変更すべきである。現在ブフェキサマクを含む薬を使用している患者は適切な代替薬に切り替えることができるように、医者と話をするべきである。
患者はどんな質問でも、医者あるいは薬剤師に尋ねるべきである。
EUでは、オーストリア、ブルガリア、チェコ共和国、フランス、ハンガリー、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、ポルトガル、ルーマニア、スロバキアで、ブフェキサマク製剤が承認されていますが、日本でも、アンダーム、ロバック(OTC)として広く使われています。
子のチック、多くは一過性、重症なら投薬治療も
(2010年5月7日:毎日新聞社)
頻繁にまばたきやせき払いなどが出るチック症。子供の10人に1-2人が発症するといわれる。多くが一過性のもので次第になくなるが、症状が増えたり長引く場合もある。家庭や学校など周囲の理解が大切だ。
チック症とは本人が意識しなくても、体の一部が素早く動いてしまい、それが繰り返される神経疾患の一つだ。まばたきや首振り、目の動きといった運動性チックだけでなく、せき払いや声が出てしまう音声チックもある。東京医科大の星加明徳教授(小児科)によると、一度でもチック症を経験したことのある子供は10-24%に上るといわれるほどよくみられる病気だ。
6-7歳ぐらいで発症し、男の子に比較的多い。星加教授は「多くの場合は1年以内に症状が自然に消えるので様子をみてほしい。脳の発達段階で神経回路がうまく機能しないために起こると考えられており、育て方や母子関係が原因ではない」と話す。
学校よりも家で症状が目立つため家庭に問題があると思われがちだが、テレビを見ているときなど、くつろいでいるときに出やすいという。わざとやっているわけではないので、しかったり、「やめなさい」と言うのは逆効果だ。「周囲はゆったりと構えて、子供の特徴の一つとして受け入れることが大切」と、星加教授は指摘する。
□
中には症状が全身に広がったり、長引く場合もある。運動性チックと音声チックの両方が1年以上続く重症なチック症は「トゥレット症候群」と呼ばれる。
4月25日、東京大病院で特定非営利活動法人(NPO)「日本トゥレット協会」(高木道人会長)の講演会が開かれ、患者や家族ら約70人が集まった。医師らの講演の後、患者などからは学校にかかわる問題や治療法などについて質問が寄せられた。
小学6年の息子が多様なチックの症状を持つという母親(44)は「担任の先生やクラスの子は病気のことを分かっているが、他のクラスの児童に嫌がらせを受けている。中学受験をしたいが学校側に病気を理解してもらえるかも不安だ」と悩みを語った。
子供のころチック症で悩んだ東京都新宿区に住む介護職員(42)は「高校生のときは周りの目が気になり不登校になった時期もあった。今の主治医に出会って病気のメカニズムを理解できるようになったら、チックを受け入れられた。病気をコントロールしていこうと前向きな気持ちに変わった」と振り返った。
息子2人がトゥレット症候群という同協会の高木洋子理事は「相談できる人が少ないうえに、お母さんの愛情が足りないからだと言われるなど、周囲の理解不足に傷つく母親は多い」と訴える。
□
金生由紀子・東京大准教授(こころの発達医学)は「治療の基本は、本人や家族が病気や症状についてよく理解し、過度に不安にならないようにすることだ」と強調する。一定の年齢を超えると症状が軽減する可能性が高いので、病気との付き合い方が分かったうえでの経過観察も一つの方法だ。
しかし、日常生活が困難になる場合がある。チックを抑えようとして苦痛を感じたり、「アッ」と大声が出てしまい、学校生活や仕事に支障をきたす。口の中をかんだり、頭を壁に打ち付けるなどの自傷行為を繰り返すこともある。こうした場合には、薬の治療が選択肢になる。
治療には神経伝達物質「ドーパミン」の働きを抑える薬(抗精神病薬)などが使われる。眠気などの副作用に注意しながら服用する。チック症やトゥレット症候群は、気が散りやすいなどの注意欠陥多動性障害(ADHD)や過度に手を洗うなどの強迫性障害を併発する場合が少なくないため、症状に合わせて抗うつ薬など他の薬を組み合わせることもある。
金生准教授は「生活に困らないように症状を軽くすることを目指し、患者さんが自分を受け入れられるようにサポートすることが重要だ」と話す。
NPO法人日本トゥレット協会への問い合わせは03・3200・5451(木曜日午前10時-午後3時)。
………………………………………………………………………………………………………
■ チックの分類
◇ 一過性チック
持続期間が1年未満で自然に消えるもの。運動性チック、音声チックのどちらか一方という場合が多いが、両方現れることもある
◇ 慢性チック
運動性チック、音声チックのどちらか一方が1年以上続く。それぞれ、異なる症状が次々現れたり、複数の症状が同時に出たりする
◇ トゥレット症候群
複数の運動性チックと音声チックの両方が同時に現れたり、次々現れたりする状態が1年以上続く
■ チックの主な症状
◇ 運動性チック
まばたき、首を振る、顔をしかめる、肩をすくめる、ジャンプする
◇ 音声チック
せき払い、鼻を鳴らす、奇声を発する、汚い言葉が口をついて出てしまう、自分で言った言葉や相手の言葉を繰り返す
(星加教授監修の「チックとトゥレット症候群がよくわかる本」をもとに作成)
乳幼児の手足口病が急増 重症化タイプ流行か
(2010年5月6日:共同通信社)
主に乳幼児の口の粘膜や手、足に水疱(すいほう)性の発疹(ほっしん)ができる「手足口病」の患者が急増し、この時期としては過去11年間で最多になっていることが、国立感染症研究所の集計で2日分かった。
原因となる「エンテロウイルス」にはさまざまなタイプがあるが、報告されているのは、髄膜炎などの中枢神経系の合併症を引き起こす恐れがある「EV71」が半分以上を占めており、同研究所は「通常とは違う頭痛や高熱などが起きた場合は、すぐに医療機関を受診してほしい」と呼び掛けている。
同研究所によると、全国約3千の小児科定点医療機関から報告された患者数は、4月18日までの1週間の平均が0・55人と3週連続で増加。昨年同時期の7倍で、ほとんどは5歳以下の乳幼児。通常は流行するのは夏で、この時期としては非常に患者が多いという。これまでに重症患者の報告はない。
ウイルスに感染して3~5日の潜伏期間の後に口や手、足などに2~3ミリの水疱性発疹ができる。ほとんどは軽症で数日で治癒するが、EV71に感染した場合は重症化する場合がある。
過去には日本でも死者が出たほか、最近では中国などでEV71による死者が出ている。
接触などによって感染するため、予防には、手洗いの励行や排せつ物の適切な処理が重要。
同研究所の安井良則(やすい・よしのり)主任研究官は「今年は流行の立ち上がりが早く、さらに患者が増えることが予想され、警戒が必要だ」と話している。
(院長のつぶやき)この春、非典型的な手足口病を何人も診療しました。典型的には手掌・足底・口内に皮疹ができるのですが、手足全体に皮疹が出て手掌・足底には遅れて出てきます。口内炎は不明瞭・・・でもやはり手足口病のバリエーションだったのですね。
「エンテロ71」が流行する夏は重症例が多いので要注意・・・小児科医に伝わる情報です。
成人T細胞白血病:全妊婦に血液検査 母子感染を予防
(2010.4.27:毎日新聞)
主に母乳を通じて乳児に感染する成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルス(HTLV-1)について、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会が、全妊婦に対し健診時に血液検査が行われるよう、産科医向けの診療指針の改定を進めていることが分かった。母子感染を予防するため、検査の実施が不可欠と判断した。今夏、学会員らの意見を聞き、来年4月の改定を目指す。
ウイルスは母乳や精液を通して白血球に感染、ATLや脊髄(せきずい)症の原因になる。厚生労働省特別研究班(主任研究者=斎藤滋・富山大教授)が3月末に公表した報告書によると、母から子への感染が全体の6割以上を占め、全国の感染者は推計約108万人に上る。
過去の感染者は九州・沖縄に集中していたが、最近は関東で増えるなど、全国に拡大しているという。
感染者の母親が母乳を4カ月以上与えた場合の乳児への感染率は15-20%だった。一方、母乳を与える期間が3カ月までの場合、感染率が1・9%にとどまるとのデータもあり、感染が事前に分かれば授乳方法によって子への感染率を大幅に下げられることが明らかになった。
現在、検査の実施率は全国平均で87・8%で、中国地方では8割を切っている。現在の診療指針でこの検査の推奨度は3段階で最も低いCだが、日産婦などは研究班報告書を受け、推奨度をBの「実施が勧められる」に1段階引き上げる指針改定案を作成する方針。
作成を担当する産婦人科診療ガイドライン作成委員長の水上尚典・北海道大教授は「妊婦健診で確実にこのウイルスの検査が行われれば、次世代が感染する危険性を大幅に減らせる」と話している。
指針で推奨度B以上の梅毒やエイズウイルス(HIV)検査は大半が公費負担の対象になっているが、HTLV-1検査は一部の自治体を除き自己負担だ。
研究班の試算では、HTLV-1について全国で年間110万人の妊婦の1次検査費用(1人850円と1900円の2種類)と精密検査を公費負担した場合、年10億-21億円程度が必要だ。厚労省母子保健課は「専門家の意見を聞いて公費負担を検討したい」と話している。
食物アレルギー、幼児の14% 10年前から倍増
(2010年4月23日:毎日新聞)
東京都が3歳児を対象に実施しているアレルギー疾患に関する調査で、食物アレルギーに罹患(りかん)したことのある子どもの割合が09年は14・4%に達し、99年の7・1%から倍増したことが分かった。厚生労働省によると、未就学児の大規模な定点調査で食物アレルギーの増加傾向が裏付けられたのは初めて。
調査は99年から5年ごとに行い、10月の3歳児健診で保護者に調査票を配布している。昨年は7247人を対象に、ぜんそくや食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの症状について尋ね、2912人(40・2%)から回答があった。
3歳までに何らかのアレルギー疾患と診断された子どもは、99年36・8%▽04年36・7%▽09年38・8%--と横ばいだった。しかし、食物アレルギーと診断された子どもは、99年が7・1%、04年は8・5%で、この5年で急増していた。原因食物は、卵が83・9%で最多。牛乳36・3%、小麦12・9%が続いた。
今回は、都内の認可・認証保育所と幼稚園を対象にした調査も初めて実施。配慮が必要な食物アレルギーの子どもがいる施設は68・1%に達した。過去3年に急性のアレルギー反応を起こした子どもがいた施設も12%に上った。
東京都アレルギー性疾患対策検討委員の松井猛彦・荏原病院小児科部長は「原因は単純ではないが、添加物や加工食品の増加など、食生活の変化も一因だろう。昔は食べなかった食品が食べられるようになったことや、離乳食の開始の早期化なども考えられる」としている。
食物アレルギーを食べて治す 専門医のもとで徐々に摂取
(2010.4.20 朝日新聞)
食物アレルギーを、その原因となる食物をあえて食べることで治す療法の開発が進んでいる。従来は原因食物を食べないようにして症状を避ける治療が中心だったが治った例も出てきた。症例をさらに重ねて効果や安全性を確認することが期待される。食事療法なので手軽に思えそうだが、危険も伴うため、専門医のもとで行うことが鉄則だ。
●重症患者の改善例も
「う~ん。まずい」
2月の昼下がり、病室で小学生2人が医師に見守られ、飲み慣れない牛乳を飲んでいた。2人は牛乳による食物アレルギーの重症患者で、元々は飲むと命の危険があった。
だが、8日前に入院してから毎日少しずつ飲む量を増やし200ミリリットルを飲み干せるようになったという。
入院当初は発作が起こるのではと怖がった小学4年の植田尚那(たかとも)君(10)も「完全に治ったら(牛乳が使われていて食べられなかった)給食のパンが食べたい。あとデザートも」と目を輝かす。
牛乳と卵の食物アレルギー患者を対象に、神奈川県相模原市の国立病院機構相模原病院は2008年から、原因食物をとらせる治療の臨床研究を始めた。入院と薬剤費以外は病院持ちで、患者の負担は約10万円ほどだ。
厚生労働省研究班の代表者でもある同病院の海老澤元宏医師は「必ずしも全員治るわけではないが、治癒の道が開けてきた」と語る。
食物アレルギーで目立つのは、原因食物を食べるとじんましんなどが出る即時型で、時には呼吸困難や血圧低下などが起きて生命の危険がある激しいアレルギー反応のアナフィラキシーを起こす。
同病院の入院治療対象はアナフィラキシーを起こす即時型で自然治癒が見込みにくい小学生以上の重症者だけだ。
最初は原因食物を少量ずつとり、アナフィラキシーを起こす限界量を見極める負荷試験をする。1回の摂取が牛乳なら50ミリリットル、卵なら半個までになる間に症状を起こすような患者は、治療に移るため入院してもらう。
入院では、アレルギーを抑える薬を服用しながら初日は負荷試験で見極めた限界量の2分の1~同量の原因食物をとる。10日間毎日、医師の監視下で摂取量を倍増させ、牛乳は200ミリリットル、卵なら1個まで増やす。退院後も毎日、一定量を食べながら経過観察。原因食物を含む加工品も段階的に食べていく。
この結果、昨春に治療を受けた牛乳アレルギーの19人のうち11人は、退院3カ月後も200ミリリットルの牛乳が飲めた。元々は1~12ミリリットルでアナフィラキシーを起こした子どもたちだ。卵の12人でも、8人が卵1個分の60グラムが食べられるようになった。
昨春からの治療で卵アレルギーが改善した横浜市の小学2年、湯次郁磨(ゆすきいくま)君(8)は18日、加熱した卵に関しては「治った」と診断された。毎日の摂取をやめても再びアレルギーが発症しないか、確認のため1カ月、卵を絶っていたがこの日、食べても症状はなかった。まだ生卵はだめだが母の佳子さん(47)は「成長すれば、親が用意したもの以外を食べる機会も増える。安心できました」と喜んだ。
海老澤医師は「アナフィラキシーの危険がある重い食物アレルギーの子は、全国に1学年あたり1千人程度とみられる。治療体制の確立が必要だ」と話す。
●謎多く、療法手探り
この食事療法に取り組む医療機関はほかに横浜市の神奈川県立こども医療センターや岐阜大学病院、大阪府守口市の関西医大滝井病院、国立病院機構福岡病院など。手法は必ずしも同じではない。
こども医療センターは相模原病院と違い、入院中にアレルギーを抑える薬を使わない。原因食物の増やし方もゆっくりで、入院は3週間程度と長い。治療対象も卵、牛乳に加え、ピーナツと小麦も扱う。センターの栗原和幸アレルギー科長は「将来は各病院の治療法を検討の上、標準的な療法の研究が進められるべきだろう」と話す。
また、同センターは、アナフィラキシーを起こさないような症状の軽い患者も対象にしている。重症患者よりもはるかにゆっくりペースで、医師の指導を受け自宅で原因食物をとる療法だ。計38人のうち16人が平均6・8カ月で治癒した。「本来、人体は食べたものにはアレルギーを起こさない。食べて治す、が広く応用される可能性は大きい」と栗原さん。
食べたものにはアレルギーが起こらない状態を経口免疫寛容と言い、ここ10年、治療で着目されている。
理化学研究所とアレルギー食事療法のメカニズム解明に取り組む独立行政法人産業技術総合研究所の辻典子主任研究員によると近年、経口免疫寛容では、制御性T細胞という炎症を抑えるリンパ球が重要なことが、マウスの実験で分かってきた。腸粘膜で生まれる制御性T細胞は、アレルギーを起こしやすい免疫グロブリンE型(IgE)の生産を抑える効果が確認されている。例えば、卵に対応した制御性T細胞は、卵を攻撃するタイプのIgEの生産を抑え、卵アレルギーを防ぐ。
ただ、IgEが多くても食物アレルギーにならない人もいるし、食事療法で治癒した患者のIgEも余り減らない。原因食物を食べることで生まれる制御性T細胞が、IgEの活性自体を抑えるなど、未知の機構でアレルギーを抑えている可能性がある。「制御性T細胞の働きを解明し、治療の向上につなげたい」と辻さんはいう。
<食物アレルギーとは…>
アレルギーは、体に侵入してきた細菌をはじめとする敵を攻撃する免疫が、自分の体も攻撃してしまう現象。免疫は本来、すべての異物を攻撃するが、腸を通じて常に体内に入ってくる食物は攻撃の対象から外されると考えられており、この現象を経口免疫寛容という。何かの間違いで食物が攻撃対象から外れなかった時、過剰反応で体も攻撃されることがある。この時、じんましんができたり、呼吸ができなくなったりするなど、アレルギーの症状が起こる。
(院長のつぶやき)注目されている新しい治療法です。ショックが心配な食物アレルギーの患者さんに入院の上、微量ずつアレルゲンを食べさせて短期間で経口免疫寛容を誘導するという手法。誤解を生みやすいのは「全例が完全に治るわけではない」ということ。一旦食べられるようになってもしばらく食べないでいるとまた症状が出るようになることが珍しくありません。啓蒙が必要です。
母乳感染のウイルス性白血病、全国に拡大 検査徹底必要
(2010年4月19日 朝日新聞)
主に母乳を介して乳児に感染し、九州に多い成人T細胞白血病(ATL)のウイルス感染者が、関東地方では20年近くで1.5倍に増加するなど全国に広がっていることが、厚生労働省研究班の調査でわかった。妊婦の感染を調べる血液検査が徹底されていない実態も判明。研究班は、感染の根絶には全国的な検査の徹底が必要との提言をまとめた。
ATLは母乳や精液に含まれるウイルスで感染する。生涯発症率は約5%と低いが、根治は困難。感染していれば母乳をやめて人工乳にするのが最も効果的とされる。
厚労省の研究班(主任研究者、山口一成・国立感染症研究所客員研究員)は2006~07年、献血した16~65歳の男女の血液から推計。全国の感染者は107万9千人で、1990年比で11万4千人減ったが、首都圏では増えていた。人の移動が原因とみられる。
調査の地域分けの違いで単純に比較はできないが、関東は19万人で6万2千人増、中国・四国でも増えていた。90年は九州・沖縄の感染者が全体の50.9%を占めていたが、今回45.7%まで低下。関東は10.8%から17.7%と増えた。近畿は17.0%から15.9%、北陸・東海は6.9%から7.6%だった。
91年の厚生省(当時)研究班の報告では、発症者は全国で700人と推定され、2050年前後にほぼ根絶するとみられていた。感染者も九州に集中していたことから、厚労省は検査を妊婦健診に加えるかは自治体に委ねていた。検査費用は850~1900円。検査を公費で負担しているのは長崎や鹿児島など一部の県だけだ。しかし、ここ数年、ATLの死者は年間1100人前後で推移、発症者が増えている。
そこで厚労省の別の研究班(主任研究者、斎藤滋・富山大教授)が全国1668カ所の産科の検査の実施状況を調査(回答率38.3%)。実施率は全国平均87.8%で、99.1%だったHIV検査に比べ徹底されていなかった。中国(79.5%)、北海道・東北(83.3%)、関東(84.6%)が低く、九州・沖縄でも87.8%にとどまった。近畿は92.2%、東海・中部は93.9%。
研究班は「全国で検査して母子感染予防を検討する時期」と結論づけた。抗体検査で疑陽性が出る確率が高いことから精密な2次検査の必要性と、感染が見つかった妊婦の不安に対処するカウンセリング法を示した。
斎藤教授は「妊婦も医師も関心が低い。すべての妊婦が検査を受け、対策を施せば2世代で病気を根絶できる」と話す。厚労省母子保健課は「検査の公費負担も含め検討したい」としている。
◇
【成人T細胞白血病(ATL)】
HTLV―1というウイルスの感染が原因で起きる血液のがん。感染から50年ほどたってから発症する。抗がん剤治療や骨髄移植が行われるが、ウイルスの増殖を抑える効果的な方法がなく根治が難しい。このウイルスは、難病の脊髄(せきずい)症(HAM)も引き起こす。感染した母親が4カ月以上母乳で育てた場合の乳児への感染率は15~20%とされる。前宮城県知事の浅野史郎さんが昨年6月に緊急入院したことで関心が集まった。
虐待による乳幼児犠牲が後を絶たず 行政防げず
(2010年4月15日 提供:共同通信社)
大阪府で幼い命が犠牲になる虐待死に歯止めがかからない。堺市堺区で岩本隆雅(いわもと・りゅうが)ちゃん(1)を暴行したとして母親の交際相手の男が15日、逮捕された。府内ではことしに入り、虐待が疑われる事件で0~2歳の3人が死亡、隆雅ちゃんで4人目。行政には事前に情報が寄せられていたが防げなかった。
「虐待されている疑いがある」。隆雅ちゃんを診察した大阪府松原市の医師から堺市に通告があったのは13日午後2時ごろ。しかし堺市は、継続的な虐待の兆候は見られないとしてケースワーカーの派遣を翌14日に設定。隆雅ちゃんは14日に病院で死亡が確認された。
堺市では3月にも、生後2カ月の長女の頭部を激しく揺さぶって死亡させたとして殺人容疑で母親が逮捕された。
母親は事件前、市の保健センターに「子どもが泣くとイライラしてたたいてしまう」と相談。相談員らが自宅を家庭訪問したが、長女に外傷がないことなどから虐待はないと判断していた。
大阪府寝屋川市では、1歳8カ月の女児を激しく揺さぶるなどして死なせたとして府警が4月9日、傷害致死容疑で両親を逮捕。同府門真市でも3月、同居女性の長男(2)に暴行したとして無職の少年が傷害容疑で逮捕された。長男は搬送先の病院で死亡した。
この2例では両市が派遣した保育士や看護師が家庭訪問していたが、虐待の兆候に気付かなかった。
(院長のつぶやき)虐待は社会の歪みが弱いものにしわ寄せした現象のひとつ(年間3万人の自殺もその一つ)。報道は母親・父親、さらに行政の担当部署を責め立てますが、そんなことをしても全く解決に繋がりません。マスコミの報道姿勢にはうんざりです。
胎児治療薬「リンデロン」保険適用〜胎盤通じ新生児の呼吸困難を防ぐ
(2010年4月15日 提供:毎日新聞社)
早産で生まれる新生児の呼吸困難を防ぐため、妊婦に注射し、胎盤経由で胎児の肺の発育を促す薬剤「リンデロン注2ミリグラム」「同4ミリグラム」(一般名・ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム)が、厚生労働省から治療薬として承認され、保険適用されたことが分かった。胎児治療への保険適用は国内で初めて。06年から要望していた日本産科婦人科学会は「薬価自体は安価だが、保険適用は国が胎児を治療対象として認めたことを意味し、非常に画期的だ」と評価している。
承認は09年11月6日付。製造販売元の塩野義製薬によると、同剤は抗アレルギー薬などとして1960年代から販売されていた。今回、母体に投与して胎児の肺の発育を促す効能が追加承認され、添付文書に記載された。大学病院など高度な周産期管理が可能な施設で使用される。母親の健康保険証で治療を受けられる。新生児の約1%に当たる年間1万人程度が投与の検討対象になっていると推定されている。
胎児の肺機能は、妊娠34-35週以降に十分に発達する。肺が未発達な早産で生まれた新生児は呼吸が苦しく、十分に酸素を取り込めない「呼吸窮迫症候群」になる恐れがあり、その場合は新生児集中治療室(NICU)で長期間の管理、治療が必要になる。
34週未満の早産が予想される妊婦にリンデロンを筋肉注射すれば、胎盤経由で胎児に投与され、出生前に十分な肺の発育を促す効果がある。出生後に呼吸窮迫症候群になるリスクや死亡リスクを3割程度減らせ、臨床現場で15~20年前から使われていた。
(院長のつぶやき)今から15年以上前、私はNICUに勤務し新生児医療に従事していました。当時、このリンデロンを投与することは一般的治療でしたが、保健適応はなかったのですね・・・遅すぎる対応です。
相次ぐ赤ちゃん事故 「カンガルーケア」実施に慎重さ求める動き
(2010.4.3 産経新聞)
生まれたばかりの赤ちゃんを母親が胸元で抱っこする「カンガルーケア」の最中に赤ちゃんが低体温状態に陥り、けいれんをおこしたり呼吸が止まったりする事故が相次いでいる。母乳育児の促進などに有効とされ、多くの医療機関で導入されているが、施設によっては事前説明もせず、実施中の見守り態勢がずさんなところもある。メリットが強調されてきたカンガルーケアだが、安易な実施に警鐘を鳴らす動きも出てきた。
□ 待望の赤ちゃんが…
「いいお産でしたよ。何の問題もありません」
昨年12月9日夜、長崎市の産婦人科医院でのいつもの光景だった。赤ちゃんは「オギャー」と元気な泣き声をあげ、院長も満足げな笑みを浮かべていた。
同市の男性会社員(44)と主婦(45)が授かった初めての男の子(3156グラム)。2人とも無事の出産に胸をなでおろし、喜びをかみしめた。
助産師は手際よく男児の身長や体重の計測を終え、主婦に「体に密着させて」と抱かせた。しかし、直後から男児のつめは紫色になり、手足も動かさなくなっていく。
助産師に問いかけても「大丈夫ですよ」というばかり。次第に男児の手は白くなっていったがなぜか近くに助産師の姿はなく、主婦の叫び声で駆けつけたときには、男児の呼吸は止まっていた。
男児は市内の病院に救急搬送され、一命は取り留めたが、脳は機能せず、今も意識不明のまま。医院側からは事前にカンガルーケアの効果や危険性についての説明はなく、男性も主婦も「事故になる可能性があるのなら、絶対にカンガルーケアをしなかった」と憤る。
□ 相次ぐケア中の事故
日本母乳哺育学会の学術集会で昨年、国内205の医療施設に対する調査の結果、カンガルーケア中に赤ちゃんの状態が急変したケースが16例あることが報告された。
そのうち10例は心肺停止や呼吸停止に陥り、うち2人は死亡。5人は脳機能障害など重篤な症状が残った。いずれのケースも看護師や助産師が見守ることなく、赤ちゃんの呼吸状態などを観察する機械も設置していなかったという。
報告者の1人、倉敷中央病院総合周産期母子医療センター(岡山県倉敷市)の渡部晋一主任部長は「カンガルーケアは子育てに有効で推進すべきもの」としたうえで、「看護師らがそばに寄り添うなど母子をきちんと見守ることと、欠点も含めた事前説明は必須」と話す。
鹿児島市立病院総合周産期母子医療センター新生児科の茨聡部長も「肺呼吸に移行したばかりの赤ちゃんは非常に不安定。異変に即座に気づき、対処できる仕組みの確立がカンガルーケアの大前提」と、母子管理や救急体制が不十分な施設でのカンガルーケアの実施に注意を促す。
渡部主任部長らカンガルーケアを推奨する専門家グループは、カンガルーケア中の見守り(モニタリング)や家族に対する事前説明のほか「新生児蘇生に熟練した医療者による観察」などを求めるガイドラインを策定。その上でカンガルーケアを「(産後)できるだけ早く、できるだけ長く」実施することを勧める。
□ 赤ちゃんには寒い分娩室
カンガルーケアはもともと、南米コロンビアで保育器不足の対策として始まった。新生児死亡率の低下に効果がみられたことから世界的に注目されるようになり、母子関係の向上にも効果があるとして日本でも15年ほど前から導入する医療機関が広がった。
しかし、日本はコロンビアとは自然環境も医療水準も異なる。日本では分娩(ぶんべん)室の温度が25度前後に保たれており、「生まれたばかりの赤ちゃんにとっては寒い」との指摘もある。自律神経が安定していない出生直後は、低体温状態に陥りやすいというわけだ。
新生児の体温管理に詳しい久保田産婦人科麻酔科医院(福岡市)の久保田史郎院長は「日本の分娩室では生後1時間前後で体温と血糖値が最も下がる。出生直後からカンガルーケアを行うのは極めて危険で、症状が表に出ない場合でも脳の発達に障害を与える可能性もある」と警鐘を鳴らす。
こうした声は徐々に広がりつつある。昨年12月の長崎市での事故を受け、日本産婦人科医会長崎県支部は3月末、カンガルーケアの実施上の注意点をまとめた通達を県内の開業医らに出すことを決めた。
事前説明と保護者からの同意、ケア実施中に看護師や助産師がそばで見守ることなどを求める内容で、牟田郁夫支部長は「カンガルーケアの問題点についても十分に認識した上で実施してもらえるよう注意を喚起したい」と話している。
<関連記事 2009.6.9 産経新聞>
「カンガルーケア」ガイドラインを作成 万全な安全対策呼びかけ
生まれたばかりの赤ちゃんを母親の胸に抱かせる「カンガルーケア」。日本では母子関係強化に行われることが多いが、赤ちゃんの容体変化に気付かず、死亡や重度障害となるケースが報告されている。こうしたトラブルを防ぐため、専門医らを中心としたグループが、カンガルーケアを行う際のガイドラインをまとめた。グループは「ガイドラインを参考に安全対策を万全にしてほしい」と呼びかけている。
◆ 赤ちゃんのぬくもり
カンガルーケアは、生まれたばかりの裸のままの赤ちゃんを母親の素肌の胸に抱かせ、体温を感じる時間をつくる保育法。1978年、保育器不足の南米コロンビアでお母さんなどの体温で赤ちゃんを温めてもらおうと始まったもので、新生児の死亡率低下などの効果が見られたことから世界中に広まった。
日本では、NICU(新生児集中管理室)で阻害されている母子関係を支援しようと導入されたのが最初。「赤ちゃんの呼吸が安定する」「母乳育児が進む」などの効果が指摘され、最近は早産や低出生体重児に対してよりも、健康に生まれた赤ちゃんに行われるケースが多い。体験した女性からは「赤ちゃんのぬくもりを肌で感じることができ感動した」「自分の子だと実感した」など肯定的な声が多い。
◆ ケアに最大限の配慮を
一方でここ数年、ケア実施中に赤ちゃんが呼吸停止や徐脈(心拍数が異常に遅くなること)となっていることに気付かず、死亡や重度脳性麻痺(まひ)など重い障害を負うケースも報告されている。ガイドラインはこうしたトラブルを防止することなどが目的だ。
作成メンバーの一人で、大阪府立母子保健総合医療センター企画調査室の森臨太郎室長(新生児科医)は、「多くの施設で行われるようになったことで、残念ながら形だけのケアになっているケースもある」と指摘する。
ガイドラインでは、ケアを実施する際の前提条件として「家族への情報提供を十分にし、ケアの時間内だけでなく前後数時間を含め、安全面に最大限の配慮を行うこと」を挙げた上で、健康に生まれた赤ちゃんに行う場合でも、必ずモニターをつけて血液中の酸素濃度や脈拍数を監視し、安全確保を第一とするよう求めている。
森室長は「多くの症例を通して、カンガルーケアが母子心理発達面などで大きな効果を上げているのを実感している。また、低出生体重児へのケアが家族関係に良好な効果が得られることがスウェーデンから報告されており、日本同様に新生児死亡率の低い国でも導入が進んでいる。正しく行えば有効なケアだけに、安全対策を万全にして行ってほしい」と話している。
■ 低出生体重児はグレードA
ガイドラインでは、カンガルーケアを行う対象を
(1)全身状態が落ち着いた低出生体重児
(2)集中治療下にある赤ちゃん
(3)健康に生まれた赤ちゃん-の3つに分類。
(1)については、有効性・安全性に対する科学的根拠が十分あるとして、「推奨グレードA(ケアをすることが強く薦められる)」としている。(2)と(3)は「同B(ケアをすることが薦められる)」。健康な赤ちゃんに薦める科学的根拠としては、生後24時間以内にケアを実施した群としない群との比較研究などで、母乳育児、赤ちゃんの体のサイン、母親の愛着行動において、ケア実施群によい効果があったことを挙げている。
アタマジラミ再び増加 目の細かい「専用くし」が効果的
(2010.3.31 産経新聞)
人の頭髪に寄生するアタマジラミが最近、再び増えている。特に小学校低学年以下の子供と家族は要注意で、専門家は「家庭はもちろん、保育園や学校の対応が大切」とアドバイス。成虫や幼虫には駆除剤のシャンプーが使われるほか、目の細かい専用のくしなら卵も含めて効果があることが、民間機関の実験で示された。
□ 誤解が流行に
「アタマジラミでの受診が非常に増えている。例えば保育園で流行(はや)り、兄弟に移って家族や小学校に広がったりしている。幼児は頭をくっつけて遊ぶので、集団発生につながっているようだ」。高野医科クリニック(東京都葛飾区)の畑三恵子院長(皮膚科)は現状をこう分析する。
流行を防ぐには、保育園や幼稚園、学校の対応が肝心だ。1人にシラミがいたら、早急に保護者に「感染者が出たので、家庭で子供の頭を見てください。異変があれば、すぐ皮膚科へ」とのプリントを配り、注意を促すことが望まれる。
畑院長は「意識の高い先生は全員の頭をチェックして皮膚科受診を勧めており、治りが早い。逆に先生によっては不潔が原因だと勘違いし、告知が遅れて広がってしまう」と指摘する。
感染しても通園通学してよいが、「帽子やマフラーの貸し借り、友達の家での宿泊、頭を着けるような遊びは控えさせる。プールの水からシラミが移ることもあり、プールは禁止」。
シラミと似ていても、ヘアーキャストというフケの一種が髪に付いていることもあり、まずは皮膚科で確認すべきだという。1人が感染したら、家族全員の受診が必要。卵の殻があったら治療を終えてよいという見解もあるが、治っていないことがあるという。
治療には駆除剤「スミスリン」のシャンプーやパウダーが成虫や幼虫には有効で、使い方も簡単で広く使われている。ただ、シラミの卵には効果がないのに加え、最近では、駆除剤が効かない「スミスリン抵抗性アタマジラミ」も増えていると指摘されている。
くしで髪をとかし、物理的に駆除する方法もある。効果を高めるため、一般的なくしの場合は目にガーゼをはさみ込んで髪をとかすとよい。「駆除剤に加え、目の細かいくしも併用できれば効果的」と畑院長。
□ 「卵にも有効」
民間調査機関「エフシージー総合研究所」(品川区)がネット通販などで売られているアタマジラミ駆除用のくし2種類を実験し、昨年12月に結果をまとめた。人の頭髪のカツラにのりを吹きつけ、シラミの卵に見立てた砂を接着。くしのうち、「Lice Meister」で100%、「Nit Free」も99・06%除去できたという。
同研究所は「これらの駆除用のくしの目は0・1~0・2ミリ、アタマジラミの卵は0・5ミリ程度で、卵も駆除できる」としている。
◇
【用語解説】アタマジラミ
成虫が2~4ミリほど、幼虫は1ミリほどで、白っぽく平たい体。人の頭髪に寄生し、頭皮から吸血する。吸血すると赤から黒っぽくなっていく。卵は髪の毛に産みつける。飛び跳ねはしないが、髪の中を素早く動き回る。かゆみを生じ、頭をかき過ぎて炎症などを起こす恐れもある。
東京都福祉保健局の資料によると、都内のアタマジラミの相談件数は平成10年度の1046件をピークに減少し、500~700件あまりで推移。しかし、18年度に1125件、19年度に1935件と近年は急増している。

HOME
ご挨拶
診療案内
オンライン予約
病気のお話
院長の書斎