新型インフルニュース

「新型インフルエンザ」関連ニュース拾い読み

 2009年4月末の突然の登場から現在に至るまで、気になったニュースを私の独断と偏見でセレクトしました。

9月4日

■ 今シーズンの新型インフルエンザワクチンの接種体制等を説明(日本医師会)

 感染症危機管理担当理事連絡協議会が,今シーズンのインフルエンザワクチンに関する報告ならびに説明を行うことを目的として,八月五日に日医会館小講堂で開催された.
 冒頭あいさつした原中勝征会長は,「昨年四月に発生した新型インフルエンザの死亡率を先進諸国に比べて低く抑えることが出来たのも,現場の先生方のご努力のおかげである」として感謝の意を示すとともに,「地元の会員の先生方に本日の内容をご周知いただき,シーズンの到来に備えて欲しい」と要望した.
 当日は,まず,原田真紀子厚生労働省健康局結核感染症課課長補佐が,十月以降の新型インフルエンザワクチンの接種体制について説明.予防接種法等の一部を改正する法律案が継続審議となっているため,臨時的措置として,昨年同様,国の事業として実施することになるが,接種費用に関しては,郡市区医師会等と協議のうえ,市町村が設定することになるとした.また,「低所得者への負担軽減措置を考えており,その際には国庫補助基準を設けるので,市町村には,なるべくその基準に基づいて費用を設定して欲しい」と述べるとともに,従来の二類定期の季節型インフルエンザの接種費用を勘案して,高齢者とそれ以外で異なる費用を設定することも可能との考えを示した.
 さらに,同課長補佐は,個々の医療機関に対して,(一)接種等にかかわる委託契約の締結,(二)被接種者に対する情報提供,(三)予防接種後副反応等の報告―に関する協力を要請.(三)については,「被接種者の区分の簡素化」「十,十一月以降はまとめて年末に報告することを可能にする」など,医療機関の負担軽減策を実施する予定であるとした.
 また,都道府県医師会・郡市区医師会に対しては,「接種協力医療機関になること」「接種に関する委託契約の締結」「接種費用の設定に関する協力」を求めた.
 引き続き,保坂シゲリ常任理事が,昨シーズンと比べた今シーズンの新型インフルエンザワクチンのメリットについて,「優先順位の設定がない」「一ミリリットルバイアルである(十ミリリットルバイアルの供給はない)」「ワクチンの購入および購入価格に特別な制限がない」「予診のみの料金が設定された」ことが挙げられると説明.
 一方,副反応への補償に関しては,国と契約した場合には,その補償額が医薬品だけではなく,接種行為によるものまで含まれるなど,やや手厚い補償が受けられるとした.
 ワクチンの在庫の返品問題については,八月二日の衆議院予算委員会で,長妻昭厚労大臣から,メーカー等が買い戻すことにより返品を認める方針が示されたことを改めて説明.「返品が認められることになったのも,都道府県・郡市区医師会の協力のおかげであり,感謝したい」と述べたうえで,在庫の返品の仕組み等が出来次第,通知等で情報提供するとした.
 質疑応答では,接種費用の問題を中心に多くの質問が出され,保坂常任理事および亀井美登里厚労省健康局結核感染症課長が回答を行った.亀井課長からは,現場の負担を可能な限り少なくするよう努力するとの意向が示された.
 最後に羽生田俊副会長が,「まだ決まっていない部分も多くあるので,引き続き,現場からの情報提供をお願いしたい」とあいさつし,協議会は終了となった.

(院長のつぶやき)今シーズンも国がワクチンの管理するらしい・・・しかし接種体制も接種費用も納入方法も未決定なので、例年9月1日に始めていた予約ができません! 今年もお役所仕事に振り回されそうな雰囲気ですねえ(ヤレヤレ)。

9月3日

■ 新型インフル、早期投薬で死亡率に差 横浜の医師ら結論

(朝日新聞)

 新型の豚インフルエンザによる日本の死亡率が世界的に極めて低かったのは、48時間以内に治療を受けた患者が多かったためだ。けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師らのチームが国内で1千人の小児患者を分析してこう結論づけた。3日から香港で開かれるインフル対策の国際会議で発表する。
 昨年6月から今年1月までに国内25病院に入院した小児の1千人分(平均年齢6.4歳)を調べた。亡くなったのは1人。症状は65%が息ができなくなるなどの呼吸器障害で、26%が脳症やけいれんなどの神経に障害が出るものだった。9%は脱水症状。
 ほぼ全員の984人が抗ウイルス薬を飲んでいた。症状が出てから抗ウイルス薬を飲むまでの時間がわかった667人では、48時間以内に薬を飲んでいたのは89%だった。このうち29%が12時間以内、38%が12~24時間以内と、さらに早い時期に飲んでいた。

米国では48時間以内は39~51%にとどまった。抗ウイルス薬を飲んでいた小児の割合自体も75~79%と低かった。アルゼンチンは48時間以内が12~13%だった
 子どもから大人までの全体の死者数は米国が推計約1万2千人に対し日本は約200人と少ない。厚生労働省によると、人口10万人あたりの死亡率は、米国3.96(推計)、カナダ1.32、メキシコ1.05。日本0.16だった。
 菅谷さんは「医療水準が変わらない米国などでは薬を飲み始めるのが発症から何日もたってからという例が少なくない。死亡率の差は薬を飲む時期が早かったとしか考えられない」と話している。

(院長のつぶやき)最新医療のお手本として紹介されるアメリカではタミフル早期投与が日本より少なかったことを意外に感じる方が多いと思われます。アメリカでは医療費がべらぼうに高いので、日本のように「熱が出たら医者へ」という習慣はありません。先日も「喘息発作で1週間入院したら100万円の請求が来た」という海外赴任家族の話を聞きました。

9月2日

■ 鼻からインフルワクチン、10月から臨床研究 厚労省

(朝日新聞)

 鼻に吹きつけるだけでよいインフルエンザワクチン(経鼻ワクチン)の効果を調べる臨床研究が10月に始まる。米国では市販されている製品もあるが、日本ではまだ動物実験段階で人での本格的な研究は初めてだ。注射器がいらないため、新型インフルなどの大流行に備えて多くの人に素早く使える。
 厚生労働省の研究班(代表=長谷川秀樹・国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター第6室長)が実施する。ワクチンは阪大微生物病研究会が従来の季節性インフル(A香港型)のウイルスを化学処理し、毒性をなくしたものをもとにつくる
 30~50人の健康な成人に約1カ月をあけて2回、鼻に噴霧してもらい、体内でどんな免疫反応が起こるか、鼻汁や血液などにある免疫細胞などを分析。来年以降の実用化を目指すという。
 従来の注射するワクチンは、ウイルスの感染を防ぐというより、体内で感染したウイルスの活動を抑えて重症化を予防するものだった。一方、経鼻ワクチンは、ウイルスがとりつく鼻やのどの粘膜の免疫を活性化し、感染を防ぐ効果があるとされる。
 マウスやサルによる動物実験では、経鼻ワクチンは注射のワクチンと異なり、ワクチンのもとになるウイルスの遺伝子が変化しても、それに対する免疫反応の働きがみられた。またサルの実験ではワクチンの効果は1年たっても持続した。
 研究班の長谷川さんは「米国の経鼻ワクチンは弱毒化したウイルスを使った生ワクチンで、幼児や高齢者など重症化しやすい年齢に使えない。我々のワクチンは毒性を無くしているので使える。免疫を強化する物質を加えた方がいいのかなど見極めたい」と話している。

(院長のつぶやき)アメリカで導入している「経鼻生ワクチン」とは異なる「経鼻不活化ワクチン」のようですね。この種類は従来から日本で治験が行われてきたはずですが・・・。

8月31日

■ 日光市、ひと足早くインフルエンザ接種助成を拡大へ

(下野新聞)

 インフルエンザの冬季流行を前に、日光市は30日、今季の新型インフルエンザ256件ワクチン接種について、中学3年生までを対象に全額助成するなど助成枠を拡大する方針を明らかにした。9月市議会に提案する補正予算案に、拡大枠分6千600万円を加えた1億2000万円を盛り込み、10月からスタートさせる方針だ。
 30日の市議会議員全員協議会で説明した。
 昨シーズン、世界規模で流行した新型インフルエンザ256件の予防措置として、市は1歳~小学6年生の小児を対象に6150円かかった2回のワクチン接種費のうち計3000円を助成した。今季は、1歳~中学3年生にまで対象者を広げ、助成額も全額を助成する、としている。
 このほか、1歳未満の子供を持つ保護者や妊婦、基礎疾患がある人、65歳以上の高齢者に対しては助成額を2000円から3000円に引き上げ、生活保護世帯など低所得者は全額を助成する。
 この助成の対象となるのは市内で約3万8700人。うち全額助成となる1歳~中学3年生までは約1万1000人となる。
 昨季は約1億円の予算に対し、助成額は2千200万円程度にとどまったが、市は「制度を設けた時点で既にり患者が多くいて、予防接種を受ける人が少なかったため」と説明している。

■ 武田薬品、インフルワクチンを事業化

(日本経済新聞)

 武田薬品工業は31日、新型インフルエンザワクチンの事業化を進めると発表した。7月に厚生労働省から開発・生産体制整備に向けた助成金の交付先に選定されていた。同社は今後、米製薬会社バクスター・インターナショナルから技術を導入し、商用生産に向けた技術の確立を進める。
 最大36億円の助成金の交付決定通知を受けたことも発表した。助成金は実験用設備の建設費などに充てる。厚労省は来年度以降、ワクチン製造施設の建設費を補助する支援先を募集する予定で、武田薬品はこれにも応募し、商用生産設備の建設費に充てる方針。

8月30日

■ 新型インフルの死者が3日間で5人に 冬のニュージーランド

(共同通信)

 [ウェリントンAP=共同]ニュージーランドのジェイコブス公衆保健局長は26日、過去3日間で5人が新型インフルエンザによって死亡したと述べ、南半球の同国が冬に入ってから計15人が新型インフルで死亡したことを明らかにした。
 世界保健機関(WHO)は今月10日、新型インフルの世界的大流行(パンデミック)の終息を宣言した。しかし、ニュージーランドでは冬場の感染が再発しており、ジェイコブス局長によると、今年はこれまでに583人が新型インフルを発症し、うち13人は現在、病院の集中治療室で手当てを受けているという。
 ニュージーランドは昨年4月、アジア・太平洋地域で初めて新型インフルの発生を確認した。その後、数千人が感染し、昨年は計35人が新型インフルで死亡した。

■ 過剰在庫分の新型ワクチン、メーカー等の負担で引き上げ

(WIC REPORT:厚生政策情報センター)

 国内産新型インフルエンザA(H1N1)ワクチンの医療機関在庫の引き上げについて(8/27付 事務連絡)《厚労省》
 厚生労働省が8月27日に発出した、国内産新型インフルエンザA(H1N1)ワクチンの医療機関在庫の引き上げに関する事務連絡。
 新型インフルエンザA(H1N1)ワクチン(以下、新型ワクチン)の供給については、国がその流通を管理し、原則として返品を認めないこととしてきた。しかし一方で、接種の過剰予測や重複予約などにより、受託医療機関において新型ワクチンの過剰在庫が生じている。そこで今般、受託医療機関における在庫ワクチンについては、製造・流通業界の負担および理解を得て、引き上げることとしたもの。
 引き上げ対象は、有効期限切れ製品(0.5mLプレフィルドシリンジ製剤)を含めた新型ワクチン。ただし、(1)受託医療機関において既に廃棄した製品(2)開封した製品-などは、引き上げ不可能である。  引き上げスケジュールは、(1)都道府県は、平成22年9月10日までに受託医療機関の返品希望本数を調べ、9月30日までに厚労省に報告する(2)卸売販売業者は、受託医療機関からの新型ワクチンの引き上げを平成22年9月6日より順次開始、9月17日までに完了し、速やかに販売会社へ送付する-というもの。

■ 「医薬品・医療機器の安全対策の推進」に今年度予算の2倍超―医薬食品局概算要求

(CBニュース)

 厚生労働省が8月26日に発表した来年度予算の概算要求で、医薬食品局は今年度当初予算から3億6500万円増の106億4600万円を要求額とした。このうち、特別枠分は15億6600万円。「医薬品・医療機器の安全対策の推進」で今年度予算の2倍超となる20億7000万円、ドラッグ・ラグ、デバイス・ラグの解消に向けた「医薬品・医療機器の承認審査の迅速化」で今年度予算から3億8000万円減の12億5900万円を要求する。
 「医薬品・医療機器の安全対策の推進」では、新規事業として、全国5か所の大学病院などが持つ医療情報を網羅的に、医薬品などの安全対策に活用することを目的とした1000万人規模の医療情報データベースの基盤整備事業費に11億200万円(全額特別枠)を要求。同局は来年度から2年間で整備する予定だ。
 また、今年4月の「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」の最終提言に盛り込まれた、医薬品行政の監視・評価や提言を行う第三者監視・評価組織の具体化のため、運営費として1400万円を盛り込んだ。同局の担当者によると、来年度は法に基づかない組織として立ち上げ、2012年度以降に法に基づく組織に委員会の位置付けを変える予定。
 「医薬品・医療機器の承認審査の迅速化」で要求額が減少したのは、09年度から3年間の基金事業で医薬品医療機器総合機構(PMDA)の人員増を行う「未承認薬等審査迅速化事業費」が、今年度予算の積み残しがあることから、8億5900万円減の1億円と大幅に減少したことが要因。
 主な新規事業としては、「日本発シーズの実用化に向けた医薬品・医療機器薬事戦略相談推進事業費」として4億6400万円(全額特別枠)を要求。これは、医薬品などの候補となる物質の実用化のため、大学やベンチャーでの医薬品・医療機器候補の選定の最終段階から治験に至るまでに必要な試験・治験計画の策定などに関して薬事戦略相談を実施するというもの。
「新型インフルエンザ対策」には2億1700万円増の15億400万円を要求。国内メーカー4社から購入した新型インフルエンザワクチンの有効期限が今年度末で切れることから、「新型インフルエンザワクチンの保管及び廃棄経費」として、2億1800万円増の4億7300万円を盛り込むなどした。

8月27日

■ 新型インフル、季節性扱いに…今年度末めど

(読売新聞)

 厚生労働省は27日、今年度末をめどに新型インフルエンザの法的な位置づけを見直し、従来の季節性インフルエンザ並みの対策に戻す方針を発表した。
 世界保健機関(WHO)が10日に世界的大流行の終息宣言を出したことと、国内で昨年のような季節はずれの流行が見られないことなどから判断した。ただ、今年度中は警戒を続け、ワクチン接種事業などを実施する。流行の仕方などに例年の季節性インフルエンザと大きな違いが見られなければ、感染症法に基づく「新型」から外す。
 新型の指定が外れると、昨年の発生当初に実施された徹底した検疫やウイルス検査などは行わなくなり、高校や大学、専門学校は集団発生の報告が不要になる。ワクチン接種の推奨は終了し、低所得者への接種費用の補助もなくなる。
 同省によると、国内ではこれまでに推定約2100万人が感染し、202人が死亡している。流行は昨年11月にピークを越え、今年3月以降は大きな流行は起きていない。政府の新型インフルエンザ対策本部(本部長=菅首相)も、同日解散した。

■ タミフル耐性も同じ感染力 新型ウイルス、動物実験

(共同通信)

 治療薬タミフルに耐性を持つ新型インフルエンザウイルスは、通常の新型ウイルスと同程度の感染力があることを動物実験で確認したと、東京大医科学研究所の河岡義裕教授と木曽真紀研究員らが米専門誌に27日発表した。
 従来はタミフルに耐性を持ったウイルスは広がりにくいと考えられていた。ただ季節性のAソ連型のように耐性ウイルスが世界中に広まった例もあり、河岡教授は「新型インフルエンザでもタミフル耐性ウイルスの感染が人の間で広がる可能性があり、ウイルスを注意深く監視する必要がある」と話している。
 河岡教授らは、インフルエンザの感染の仕方が人と似ているフェレットで実験。大阪とベトナムで昨年患者から採取したタミフル耐性の新型ウイルスをフェレットに感染させ、別のフェレットに感染するかを観察したところ、普通の新型ウイルスと感染力に違いはなかった。
 体温や体重、症状なども同様で、新型のタミフル耐性ウイルスは、病原性が落ちないまま、感染力を保つことが示唆された。

8月26日

■ 3人が新型インフル感染 鳥取県内で6月以降初

(日本海新聞)

 鳥取県は25日、鳥取市内の3人が新型インフルエンザに集団感染したと発表した。3人は知人とその家族で、いずれも快方に向かっている。世界保健機関(WHO)は今月10日に世界的大流行(パンデミック)が終息したと宣言したばかり。県内の感染事例は6月以降初めてとなった。
 県健康政策課によると、3人は10代男性、20代女性、40代女性。今月21~23日に県内の同じ医療機関を受診し、県衛生環境研究所で実施したPCR(遺伝子増幅)検査で陽性が判明した。感染ルートや接触者は不明という。
 同課は「WHOの終息宣言は出たが、国内では患者が散発している。10月ごろまでは大流行しないだろうが、注意してほしい」としている。

8月25日

■ 重い副作用疑い、5万人に1人=新型ワクチン、季節性と大差なし

(時事通信)

 新型インフルエンザワクチンの安全性に関する厚生労働省の専門家委員会が25日開かれ、医療機関からの副作用報告が2400件余あったことが報告された。重いケースは5万人に1人程度で、従来の季節性インフルワクチンと比べ安全性に大差はなく、注意喚起など新たな対策の必要はないとした。

(院長のつぶやき)ワクチンの効果も知りたいですね。

8月24日

■ 【インド】16-22日の新型インフル感染、1,335人

(インド新聞)

 インド保健・家族福祉省は、2010年8月16-22日の1週間におけるインド国内の新たな新型インフルエンザ感染確認者数は1,335人だったと発表した。マハラシュトラ州の411人、カルナタカ州の291人、デリーの257人などが目立つ。
 この結果、09年5月からの累計感染確認者数は3万8,730人に達した。感染確認数の上位地域はデリーで1万277人、マハラシュトラ州で8,492人、ラジャスタン州で3,404人、カルナタカ州で3,376人、ケララ州で2,879人、タミルナド州で2,427人、ハリヤナ州で1,977人など。
 また、新型インフルエンザによる8月16-22日の確認死亡者数は79人、累計確認死亡者数は2,024人に達した。
 なお、世界保健機関(WHO)は8月10日、専門家による緊急委員会を開催した結果、新型インフルエンザ(A/H1N1)の現在の流行段階は、パンデミック警戒レベル「フェーズ6」から「ポストパンデミック」期に移行したと発表した。インドやニュージーランドなど一部の国では引き続き新型インフルエンザ・ウイルスの流行が見られるものの、世界的にはインフルエンザ・シーズン以外には同ウイルスの流行が見られず、感染力は季節性と同程度であること、また、多くの国から季節性インフルエンザの流行期と同様に、複数のインフルエンザ・ウイルスの混在が報告されているとのことである。(10年8月23日、インド保健・家族福祉省発表から)

8月23日

■ 新接種制度悩める福島県の市町村 費用に地域差/住民に不公平感

(読売新聞)

 新型インフルエンザの再流行に備えようと、10月から全国でスタートするワクチンの新接種制度に、準備を始めた福島県内の市町村から困惑の声が上がっている。制度の変更で、全国一律の接種費用は市町村が個別に決めることになり、自治体間で費用が大きく異なる事態も想定されるからだ。8月中には地元医師会などと交渉して決める運びだが、担当者らは「スケジュール的にも厳しい」と不安を募らしており、円滑に進むかは微妙な情勢だ。
 新型インフルエンザの「世界的大流行」は終結したと世界保健機関(WHO)が宣言した前日の8月9日、県は市町村の担当課長らを集め、新制度の説明会を開いた。概要をはじめ、市町村が取り組む準備事項やスケジュールの流れを示した。
 県などによると、新制度では市町村の役割を拡充する。住民が負担する接種費用は、国が昨シーズンに3600円(1回)と一律に定めたが、今回は国が示した基準額をもとに、市町村が医療機関を束ねる各医師会などと協議した上で設定。接種に協力する医療機関を選定して確保する責任も担うことになった。
 県内の市町村をみると、接種費用は県内で統一された方が、医師会などと交渉する負担は軽減され、都合が良いとする意見が目立つ。
 住民への影響を心配するのは本宮市の担当者。南部の市民の生活圏に郡山市が入っている地域事情も踏まえ、「近隣の自治体と費用が大きく違ってしまうと戸惑いや不公平感を与えたりするのでは」と話す。
 こうした意見に対し、県は国の判断を踏まえて「市町村が協議して費用を統一化するとなると、独占禁止法の観点から不当な取引などとみなされ、実現はかなり厳しい」と指摘する。
 大都市などの動向をうかがう「様子見」の自治体も多い中、医師会との交渉を気にかけているのは福島市。費用積算の参考に昨シーズンの3600円の積算根拠を示してもらうよう県を通して国に要望している。担当者は「かなりのエネルギーを必要とする医師会との協議では、根拠のある積算資料は役に立つ」と話す。
 一方、県医師会の「新型インフルエンザ対策会議」の星北斗委員長(常任理事)は、昨シーズンのワクチンの接種や取り扱いを巡って方針が二転三転するなどし、結果的に余剰在庫を招いた行政の対応に「不信感を覚え、今も『爪跡』が残っている」とする。
 ただ、医師会などの意見が接種費用に反映される仕組みは評価し、「こちらの立場もしっかりと主張し、互いに歩み寄っていければ」としている。

■ デリー(インド)の新型インフルとデング熱、感染者増

(インド・チャネル)

 8月19日の政府発表によると、デリーで新たに32人の新型インフルエンザ患者と25人のデング熱感染者が確認された。これにより、デリーの感染者数は新型インフルエンザが461人、デング熱が322人となった。PTI通信が同日付で報じている。
 デリー市の新型インフルエンザ担当官によれば、新たに新型インフルエンザの感染が確認された32人のうち8人は子供だという。また、デリー市庁(MCD)の医療保健担当官は、「この24時間で25人がデング熱に感染していることが判明した」として、「新たに392人の職員を担当させ、(デングウイルスを媒介する)蚊の繁殖を抑える作業を今後3カ月で徹底する」と説明している。

8月20日

■ 米、感染症対策を強化 昨年の新型インフル流行で

(共同通信社)

 米厚生省は19日、昨年の新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)を受け、ワクチンの早期製造促進を柱とする総額約20億ドル(約1700億円)規模の新たな感染症対策を発表した。
 セベリウス厚生長官は同日、新たな感染症が発生した場合に現状では医療面の対応が行き詰まる可能性を指摘した上で「未知のウイルスに柔軟に対処できない危険がある」と危機感をあらわにした。
 具体的には、最先端技術を持つセンターを新設、民間製薬会社に技術提供したり、ワクチンの認可手続きを効率化したりする。同時に国立衛生研究所(NIH)にチームをつくり、ウイルスの早期発見能力を高める。ワクチンの増産などについて、政府側が民間企業と協力する姿勢も明確にした。
 新型インフルエンザをめぐっては、昨年6月に世界保健機関(WHO)がパンデミックを宣言したが、米国を含めてワクチンの供給が遅れた。パンデミックは今月10日、終息が発表された。

8月18日

 WHOは終息宣言を出しましたが、タイやニュージーランドでは今でも流行中のようです。

■ 新型インフルで死者10人増加 〜タイ〜

(バンコク週報)

 タイ保健省は8月17日、弱毒性とされる新型インフルエンザ(H1N1)感染者が最近新たに10人死亡、国内の累計死者数が245人になったと発表した。
 タイ国内で最初の死亡例が確認されたのが09年4月28日。同省が把握している範囲では最新の死亡例は今年8月7日となっている。
 同省の担当者は、「雨季の到来に伴い、7月初めから新型インフルの感染者が増加し始めた」と説明している。

■ 新型インフル、年初からの死者が50人に 〜タイ〜

(タイ通)

 タイ保健省は本日(20日)、今年初めから8月14日までの新型インフルエンザ感染者数が7515人となり、死者が50人となったことを明らかにした。
 タイ地元紙によると、同省パイチット事務官は、一部地域で感染者数が増加傾向にあることから、各県で感染に注意するよう求めたという。

■ ニュージーランドのインフルエンザ流行、引き続き拡大

(日本経済新聞)

 ニュージーランドのインフルエンザ流行が、引き続き拡大している。32週(8月9日から15日)には10万人当たりの受診率が143.8人と、31週(同110.7人)よりさらに増加した(図1)。この時点で2008年の流行ピークを超える一方、2009年のピークの50%に達した。
 地域的には、10万人当たりの受診率が250~399である「High Activity」の州は前週の4州から3州に減ったが、Hawke's Bay州は10万人当たりの受診率が481.9人と急増した。Bay of Plenty州が294.6人、Waikato州が269.0人で続いている。
 流行しているウイルスは、パンデミック(H1N1)2009が依然として優勢で、検体の81%を占めている(前週は72%)。
 なお、パンデミック(H1N1)2009の感染が確定した人は、2010年1月以来、999人となった。このうち375人が32週に確認された。

8月13日

■ 社説:新型終息宣言 のど元過ぎた時こそ

(毎日新聞)

 この100年で4度目のインフルエンザ・パンデミック(世界的流行)に公式の終息宣言が出された。
 一部で流行は続いているが、全体として「新型」は「季節性」に振る舞いを変えつつある、というのが世界保健機関(WHO)の見解だ。
 この時期になったのは、冬の南半球などを監視していたためで、日本ではすでに関心が薄れている。しかし、これでさらに気が緩むようでは困る。
 新型の特徴である「持病のない子どもや成人の中に重症化する人がいる」という傾向は、今後も続く可能性がある。子どものインフルエンザ脳症も要注意だ。地域によっては、通常の季節性より大きな流行が起きる恐れもある。
 予測の難しい感染症だけに、適切な監視体制の維持は欠かせない。薬剤耐性のウイルスや、病原性の変化した変異ウイルスの出現にも注意を払いたい。
 新型対策で広まった手洗いの励行なども忘れないようにしたい。ワクチンも感染拡大を防ぐひとつの手段だ。今季は、新型、A香港型、B型の3種類混合で、優先接種はない。
 今回の新型ウイルスは恐れられた強毒ではなく、日本は死者数も少なかった。しかし、それは幸運だったと考えたほうがいい。
 インフルエンザの性質を考えると人類は今後も必ずパンデミックに遭遇するだろう。強毒の鳥ウイルスが人型になる可能性は今も否定できない。豚からやってくるウイルスにも病原性の高いものはありうる。
 だからこそ、今回の教訓を生かし将来に備えることが何より大事だ。その視点からみると国の検証は物足りない。厚生労働省が関係者から意見を聞き報告書をまとめたが、不十分な部分が見受けられる。
 たとえば、発熱相談センターや発熱外来のように、見直しが必要としながら、具体的提言にいたっていないものがいろいろある余剰が問題になっているワクチンの輸入決定はどうなされたのか。その時点での新型のリスク分析や、企業との交渉が適切だったかといった点も議論が尽くされたとはいえない
 医療体制や情報の伝え方など、再検討や改善が必要と指摘された点が、実際に改善されているかどうか、点検を重ねていくことも必要だ。
 パンデミック対策が国の危機管理の問題であることを思えば、官邸の対応について再検討し、今後に生かすことも重要だ。
 パンデミック終息宣言は対策終了の合図ではない。流行が収まり、落ち着いている時こそ、将来に備え体制を整える機会としたい。

■ インド、依然新型インフル流行

(インド新聞)

 日本外務省は13日、「新型インフルエンザの流行状況について(第85報)」というタイトルの広域情報を出した。10日、世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザ(A/H1N1)の現在の流行段階は、パンデミック警戒レベル「フェーズ6」から「ポストパンデミック」期に移行したと発表した。新型インフルエンザ(A/H1N1)ウイルスの消失を意味するものではなく、季節性インフルエンザと同様の動向となりつつあり、今後もしばらく存在し続けることは予想される。
 なお、インドやニュージーランドなど一部の国では引き続き流行が見られるものの、世界的にはインフルエンザ・シーズン以外には流行が見られず、感染力は季節性と同程度であること、また、多くの国から季節性インフルエンザの流行期と同様に、複数のインフルエンザ・ウイルスの混在が報告されている。WHOは今後も引き続き警戒を続けることが重要であるとし、「ポストパンデミック」期間においても、引き続き流行状況の把握、ワクチン接種、医療提供を推奨している。

 WHOは全世界の死亡者は少なくとも1万8,449人と発表している(8月1日現在)。しかし2009年7月16日からWHOがすべての国・地域の確定症例数の公表を求めない方針を打ち出したこと、また、検査を受けないで死亡した人も多いことから、この数字は実際の死亡者数よりも少ないとしている

8月12日

■ 取り残された途上国 "調整役"WHO岐路に 新型インフル終息宣言

(共同通信社)

 世界中をパニックに陥れた新型インフルエンザの大流行(パンデミック)。世界保健機関(WHO)のチャン事務局長による10日の「終息」宣言で一区切りとなった。しかし、発展途上国にはワクチンが十分に行き届いておらず、医療現場には「取り残された」との感情が強い。190カ国以上が加盟するWHOは"調整役"としての岐路に立たされている。

 ▽先進国主導

 「米英では罹患(りかん)率が50%を超えた」7月にWHO本部と南半球各国当局との間で行われた会議。チャン事務局長ら幹部はこうした数字を持ち出して早期の終息宣言を主張した。
 一度罹患すると、免疫ができ、新型インフルエンザに新たに感染する率が低くなるという論理だが、あくまでも先進国での数字。フランスなどでは、危機感が薄れたためか、余剰ワクチンが出たり、接種率が低かったりする状況になっている。一方で途上国、特に南半球の罹患率は30%に満たないとみられ、アルゼンチンの当局者らはかみついた。

 ▽19カ国

 WHOの統計によると、8月の1カ月間にワクチンを送付する国は計19カ国で、約1580万回分。バングラデシュには7月30日に約1240万回分が届けられ、8月末までにさらに約317万回分の送付を予定している。
 終息宣言直前に行われた緊急委員会では、インドやニュージーランドが「ワクチン接種キャンペーンがようやく本格的になったのに」と最後まで宣言を渋った。宣言によってフランスのように市民の意識が低下することも懸念されるからだ。
 パンデミック宣言の際には、WHO幹部はワクチンなどを製造する医薬品業界の意向に押されたのではないかとの批判を受けた。7月の会議ではアルゼンチン当局者が「今度は癒着を疑われたくないから終息を急ぐのではないか」と皮肉り、幹部は黙り込んだという。

 ▽第2波

 WHO当局者も「加盟国のための国際機関なので、各国当局の政策に悪影響のある判断は難しい」と話す。温暖化対策や貿易自由化の交渉では途上国グループの発言力が強まっており、国際機関は常に先進国と途上国の間に挟まれる。
 チャン事務局長は終息宣言の際に「今後も各国でワクチン接種を続けるなど警戒が必要だ」と繰り返した。専門家は「第2波」を予測しており、強毒性の鳥インフルエンザウイルスとの結合など、さまざまな可能性が考えられる。
 国ごとに危機意識や危機管理能力が違う中、医療現場との意思疎通を密にして客観的な判断を出せるのか。同当局者も「今後の検討課題だ」としている。

■ 新型インフル終息で対応検討

(NHK)

 世界的に感染が広がった新型インフルエンザについて、WHO=世界保健機関が世界的な大流行は終息したと宣言したことを受け、厚生労働省は、ワクチン接種を促す事業を続けるかどうかなど、今後の対応を検討していくことにしています。
 WHOは、新型インフルエンザについて、冬の流行シーズンを迎えている南半球でも感染拡大が起きていないとして、去年6月以降続いていた、世界的な大流行を意味する「パンデミック」の終息を、10日、宣言しました。これを受けて厚生労働省は、専門家の意見を聞きながら今後の新型インフルエンザ対策を検討していくことになりました。具体的には、自治体などを通じて行ってきたワクチン接種を促す事業を続けるかどうかや、所得が低い人を対象にしたワクチン接種の際の助成を継続するかどうか話し合います。また、現在、新型インフルエンザとしている、A型のH1N1というタイプを、今後は季節性として扱うことについても検討することにしています。厚生労働省は、次の流行シーズンに向けて、新型インフルエンザを含む3つのタイプのインフルエンザに対応したワクチンの確保を進めており、「大流行の終息が宣言されても十分なワクチンを確保して流行に備えたい」としています。

8月11日

新型インフルエンザ「大流行は終息」 WHOが声明

(毎日新聞社)

 世界保健機関(WHO)のチャン事務局長は10日、電話回線による記者会見で、新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)は終息期に入ったとの声明を発表した。パンデミック宣言は09年6月に出されて以来、約1年2カ月ぶりに解除された。
 世界各国の専門家による緊急委員会が同日朝開かれ、感染状況を討議。WHOは6月3日、感染の「最盛期」(ピーク)は過ぎたものの、冬の南半球で感染状況を監視する必要があるとして警戒水準で最高度の「フェーズ6」を維持していた。しかし、その後、一部地域を除き感染拡大が見られないことから、宣言解除を判断した。
 WHOは、09年4月の流行開始からこれまでに1万8449人以上が新型インフルエンザで死亡したとしている。WHOのパンデミック宣言については、先進諸国を中心に大量のワクチンが余ったことから、欧州会議などで批判が起きている。

■ 急ぐ幹部、現場は抵抗 せめぎ合い「終息宣言」

(共同通信社)

 新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)の「終息宣言」は、宣言を急ぐ世界保健機関(WHO)事務局幹部と、流行期の冬を迎え「終息」に抵抗する南半球などの医療現場とのせめぎ合いの中で出された。
 パンデミック宣言の際にも「ワクチンなどを製造する医薬品業界の意向に押されたのでは」との批判を受けた幹部サイド。医療現場との意思疎通が希薄になれば、今後の「第2波」や新たな感染症の流行への対応に支障が生じかねない。
 WHO関係者などによると、チャン事務局長らは米英などで罹患(りかん)率が50%を超え、一定の免疫ができていることを理由に早期の終息宣言を主張。しかし南米などでは30%にすぎず、ワクチンの接種キャンペーンも始めたところで「とてもそういう状況ではない」との声が上がったという。
 今回の終息宣言直前に行われた事務局長の諮問機関、緊急委員会でも、ワクチン接種を活発化させているインド、ニュージーランドから異論が飛び出し「大流行の最中の国があることを認めてほしい」と主張。議論は終了予定時間を過ぎても続いた。
 ただホームページで公開している最近の新型インフルエンザに関する報告では「流行は低迷」といった言葉が強調されており、現場と幹部の綱引きはみじんも感じられない。

(院長のつぶやき)「押しても地獄、引いても地獄」。WHOは板挟みになって大変そうです。

■ ワクチン不要、素早く免疫効果…実験成功

(読売新聞)

 初めて体内に侵入した病原微生物に対し、免疫細胞を改良して、事前にワクチンを打っておいたように素早く十分な免疫反応を起こすことに、東京医科歯科大の鍔田(つばた)武志教授と松原直子・特任助教らが成功した。
 マウス実験の段階だが、変異を繰り返すインフルエンザウイルスなど、あらゆる微生物による感染症を防御する薬の開発につながる可能性がある。
 免疫反応(抗原抗体反応)では、リンパ球の一種のB細胞が、病原体(抗原)ごとに抗体を作って攻撃する。初めての病原体に反応したB細胞が大量の抗体を作るまでに1~2週間かかるが、B細胞の一部が抗体の作り方を記憶。同じ病原体が再度入ってきた時には、大量の抗体を2、3日で作ることができる。ワクチンはこの反応を利用している。
 鍔田教授らは、B細胞表面の「CD22」という膜たんぱく質が、初めての病原体に反応した時に作られる抗体の量を抑制していることを突き止めた。
 遺伝子操作でCD22をなくしたマウスに病原体を注入すると、初めての病原体なのに素早く大量の抗体ができた。自分自身の正常な細胞まで攻撃してしまう自己免疫疾患やアレルギーなどの異常は見られなかった。
 CD22の働きを妨げる化合物も合成し、国内、国際特許を申請した。製薬企業と連携し、従来のワクチンとは異なる新しい予防・治療薬の開発を目指す。
 鍔田教授は「病原微生物を標的にしないため、薬剤耐性菌や耐性ウイルスが出現する心配がない」と話している。

(院長のつぶやき)長い年月をかけて発達してきた複雑な「免疫システム」の一部を取り出して操作することの危険性の方が心配です。

8月10日:世界の死者18449人超

■ WHOが「終息」認定を議論 新型インフルの大流行

(共同通信)

 世界保健機関(WHO)は10日、新型インフルエンザの警戒水準について事務局長に助言する諮問機関である緊急委員会を開いた。世界的大流行(パンデミック)について「終息」と認定するかどうかを議論。委員会は予定の時間を超過して行われ「さまざまな議論」(広報担当者)があったという。
 香港に滞在中のチャン事務局長が同日午後(日本時間同夜)に記者会見、この場で正式にWHOとしての判断を示すことになりそうだ。
 チャン事務局長は6月に「最も激しい(ウイルスの)活動期は過ぎたと判断した」とする声明を発表。事実上の「ピーク越え」を宣言したが、警戒水準の「6」は維持。今回は「6」の次の段階と定義している「最盛期後」の認定をめぐる議論がなされた。
 8月1日時点までに新型インフルエンザの感染が確認されたのは214カ国・地域で、少なくとも1万8449人が死亡。日本では6月末に死者が200人に達した。

■ 武藤インフル撲滅だ「世界手洗い大使」

(日刊スポーツ)

 プロレスラー武藤敬司(47)が新型インフルエンザ撲滅に立ち上がった。武藤は9日、横浜市の道場で日本ユニセフから「世界手洗い大使」として任命され、直後に踊りながら手を洗う“手洗いダンス”のプロモーションビデオの撮影を行った。
 武藤が社長を務める全日本プロレスでは、昨年12月に選手の約3分の1がインフルエンザにかかって試合を欠場することになるなど苦い経験があった。「夏はインフルエンザは目立たないかもしらんが、手洗いすることで別の病原体も退治できる。日本で手洗いが習慣化されるように頑張るぜ。手洗いLOVEだ!」と気合を注入した。武藤以外にも女優、落語家、タレントらが世界手洗い大使に任命され、近日中に発表される。

(院長のつぶやき)ナンノコッチャ?

8月9日

■ 新型インフル流行終結宣言も、WHO緊急委開催へ

(読売新聞)

 WHO当局者は9日、新型インフルエンザに関する緊急委員会を10日午前6時(日本時間10日午後1時)から開くことを明らかにした。
 WHO当局者によると、外部専門家からなる緊急委員会が、「世界的大流行(パンデミック)」を意味する現行の「フェーズ6」から、その終結を意味する「ポスト・パンデミック期」への移行を勧告する可能性が高い。その場合は、マーガレット・チャン事務局長が、昨年6月以来続く世界的大流行の終わりを宣言することになるという。

新型インフルエンザは、冬を迎えた南半球でも大規模な流行が起きていない
 WHOは6月、新型インフルエンザ流行の「最も深刻な時期は脱した」として、「峠越え宣言」を行った。

■ 「もたれ合い社会」からの脱皮を 新型インフルエンザの経験を通して

(週間医学界新聞)
高山義浩

 日本は「もたれ合い社会」である。「支え合い」ではない。「もたれ合い」である。支え合うためには,個人や組織が自立している必要があるが,日本社会は皆で寄りかかり合って成立している。つまり,「もたれ合い社会」である。

〈目安〉に縛られる患者や地域

 本来,医療とは個々の患者に帰結すべきものであり,医療者と患者の対話のなかで答えが見いだされるべきものだ。公衆衛生についても同様で,本来は地域の特性に応じて決定されるべきものであり,地域住民に帰結すべきものである。もちろん全国的な指針というものは必要だが,それは共通事項を再確認するような〈目安〉であるべきで,少なくとも患者や地域を縛るものであってはならない(例外は多々あるが,議論を進めるために割愛する)。
 例えば,昨年の新型インフルエンザ対策では,そうした疑問を感じた医療者の皆さんも多かったと思う。実際,厚労省で通知を作成する側にいた筆者も,それこそ,大都市と農村に同じ運用指針を適用しようとすること自体に無理があると感じていた。濃厚接触者に求めた外出自粛を例に挙げよう。筆者がかつて診療していた長野県の農村では,そもそも外出自粛など無意味な概念である。それは,たぶんこんな会話になる。

「お孫さん,新型インフルだな。あんたは外出自粛だわ」
「なんと! 先生,畑に行ったらいけねぇだか?」
「そりゃ別に構わんさ。まあ,町に行くなって意味だな」
「へぇ,ジャスコに行くなって意味だな。けど,めったに俺は行かねぇよ」

 国として細かく取り決めることには限界がある。予測される以上にアソビの部分を作っておかなければ,現場では必ず摩擦が発生し,最悪,火を噴くことになりかねない。

「箸の上げ下ろしまで指示」を求めるのは誰か

 一方で,すべてを決めてもらわなければ困るとして,少なからぬ自治体が頻繁に問い合わせてきた。医療機関や市町村からの問い合わせを,そのまま国に問い合わせてくる自治体も多い。例えば,ある県の担当者から,こんな問い合わせが筆者のデスクに寄せられたことがある。
「いまから,新型インフルエンザへの感染が疑われる患者を受診させます。自家用車で高速道路を移動することになりますが,途中でトイレに行きたくなった場合には,どうすればよいのですか?」
 当時のメディアでは,自治体担当者のコメントで「厚労省は箸の上げ下ろしまで指示してくる」と批判が出たりしたが,箸の上げ下ろしどころか,パンツの上げ下ろしまで指示を求めているわけだ(あくまで一部の自治体であるが,かといって特殊な事例というわけでもない)。
 もちろん,その自治体担当者が「パンツの下ろし方」を知らないわけではないのだ。「障害者用のトイレでも使って,ササッと用を足していただけばよいのではないでしょうか?」という筆者の提案に,県の担当者は「そうですよねぇ」と満足げである。
 担当者にとって何が必要だったかというと,「厚労省の担当者がいいと言った」という言質なのだろう。週刊誌に『驚愕! 連休の混雑パーキングエリアで新フル患者がトイレを共用! ~○○県危機管理のお粗末』なんて記事が出たときに,「いえ,私も厚労省の担当者に電話で確認したんです。そしたら,トイレの共用なら構わないと言ったんです。私も半信半疑でしたが……」という弁解が県を守るためには必要なのかもしれない。

大量の文書作成は「もたれ合い社会」の極相図

 こうしたメンタリティのもと「すべてを他人に確認し,できるだけ文書で受け取っておく」というシステムが日本に築かれ,そして硬直化しつつあるような気がする。
 すでに,医療者の皆さんには心当たりのあることとも思うが,これは自治体と政府の関係に限ったことではない。皆さんの身近なところでも,すでに散見されているのではないだろうか? 担当患者の入院時に作成しなければならない大量の文書,感染症ルーチン検査の同意書,造影剤使用の同意書,あるいは四肢抑制の確認書……,医療現場ではこうした文書が削られることなく増え続けている。まさに「もたれ合い社会」の極相図を見るかのようである。
 いったい何のために作成する必要があるのか。誰のために作成しているのか。私たちは立ち止まって考え直したほうがよいのかもしれない。米国を先進例として見習い,訴訟に備えて丁寧に文書を作成しているつもりなのかもしれないが,米国にはきちんと決着をつけるという訴訟文化が前提としてあり,何が本当に必要な同意書なのかというフィードバックがかかっている。かつ,日本と比すれば個々がしっかりと自立しているので,責任のたらい回しも発生しにくい。しかし,日本のような「もたれ合い社会」において,このような文書作成を無批判に持ち込むと,ひたすらに文書を求められ,応じていくという悲惨な状況になっていく。それはあたかも「責任は誰もとらない,あえて言うなら文書がとる」と信じているかのようだ。
 行政から発せられる大量の事務連絡,医師と看護師,あるいは患者との間で取り交わされる膨大な確認文書。これらに書かれている内容は,確かに重要なことだし,関係者が知っておくべきものである。ただ,ひとたび文書になると対応が硬直化し,場合によっては非効率の原因ともなる(発熱外来に求められた動線分離が好例であろう)。個々の患者がそうであるように,それだけ医療現場というのは多様性に満ちているものだ。

行政は臨床への敬意と信頼を,臨床は自立した専門性を

 公衆衛生をつかさどる行政が,専門的パートナーである臨床への敬意と信頼をもっと示すと同時に,臨床サイドも自らの専門性を自覚し,安易に行政にもたれないことも大切だ。例えば,抗インフルエンザ薬の使い方についての問い合わせが多く,中には「使用指針を早く国は発表しろ」と促す意見も寄せられた。しかし,これは個別の患者への治療であり,医師の専門性の範疇だ。日本感染症学会のような専門団体が臨床をサポートするガイドラインを出すことはあっても,行政が白衣の袖をつかむようなことがあってはならない(註)。
 こうした専門性が,それぞれの職域や組織において自覚され,かつ他者から尊重される社会をめざすことが,もたれ合い社会からの脱皮へ向けた最初の一歩ではないかと筆者は考えている。

註:行政が介入する可能性として,薬剤の不足など医療の公平性が担保されない場合や,副作用の問題が広く発生した場合などがある。だが,今回の対策では幸いにもそうした介入はほとんど必要とはならなかった。

8月6日

■ 新型インフル大流行、原因特定…河岡東大教授ら

(読売新聞)

 昨年、豚由来の新型インフルエンザウイルスが大流行したのは、これまで知られていなかった特定の遺伝子変異が原因であることを、河岡義裕・東京大学教授らの国際チームが解明した。
 致死率の高い高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)も、同じ遺伝子の変異が起きると人間の体内で増えやすくなることも分かり、H5N1の感染拡大防止への活用が期待される。米専門誌の電子版に6日、掲載された。
 人間で流行するインフルエンザウイルスを作る遺伝子はこれまで、増殖の役割を担う2か所のアミノ酸が変異していることが知られていた。しかし、昨年の新型インフルエンザには、この変異がなく、河岡教授らが調べたところ、別の1か所の変異により、人の体内で増殖する力を獲得していた。
 H5N1ウイルスでも同じ場所を人工的に変異させたところ、人間の細胞で増えやすくなった。
 河岡教授は「この部分が変異しているかを監視すれば、早い段階で大流行するかを判断できるだろう」と話している。
 河岡教授はまた、新型インフルエンザと鳥インフルエンザのウイルスが混合しやすいことも、培養細胞を使った感染実験で確認し、別の専門誌の電子版に発表した。感染拡大しやすい高病原性ウイルスが誕生する可能性を示唆している。

8月4日

■ 新型インフルワクチン 10月から接種 季節性と混合 必要量は十分確保

(山梨日日新聞)

 秋以降に再流行が懸念される新型インフルエンザについて県は3日、市町村担当者らを集め、今シーズンのワクチン接種方法などを説明した。接種は10月からで、新型と季節性を組み合わせた混合ワクチンとなる。昨シーズンは接種の優先順位を設けたが、今秋はワクチンが十分確保できる見通しのため、当初から誰でも接種を受けられる。
 甲府・県立文学館で開いた説明会には約50人が出席。県健康増進課の担当者が、先月末の全国担当者会議で示された国の事業案をもとに、ワクチンの接種計画を説明した。
 昨シーズンは優先順位や接種回数の変更で混乱が生じたが、今シーズンは優先順位を設けず、接種回数も1回(13歳未満は2回)となった。全国一律だった接種費用は、混合ワクチンとなる今回、市町村ごとに設定される。
 低所得者世帯の接種費用の負担軽減措置は、昨シーズンに続いて市町村が国庫補助事業として実施する。ただ、補助単価や補助率など詳細は現時点では未定だという。
 説明会で県は、ワクチン接種を行う医療機関の確保を求めるとともに、低所得者世帯の負担軽減措置については「国が補助単価などを示し次第、接種費用などを決定できるよう準備を進めてほしい」と呼び掛けた。
 県によると、昨シーズンは県内で13~18万人が新型インフルに感染したと推計され、197人が入院、重症化したのは4人だった。県は「昨シーズンに感染した人やワクチン接種を受けた人もすでに免疫が落ちている可能性があるので、あらためてワクチン接種を受けてほしい」(健康増進課)としている。

(院長のつぶやき)今年はスムースにやらせてくれるんでしょうか。10mlバイアル、集団接種の可否、利益率の低い価格設定・・・零細企業の開業医が協力しやすい体制で臨んで欲しいものです。

8月2日

■ 新型インフル:ワクチン買い戻しへ メーカー4社

(毎日新聞)

 長妻昭厚生労働相は2日の衆院予算委員会で、昨年出荷された新型インフルエンザのワクチンが医療機関に大量の在庫として余り、各地の医師会が国に買い戻しを求めている問題で、国内のワクチンメーカー4社が卸売業者などを通じて買い戻すことで関係者の調整がまとまったことを明らかにした。民主党の伴野豊議員の質問に対する答弁。
 厚労省によると、医療機関の在庫ワクチンは今年3月末現在で約208万回分(約29億円相当)。ワクチンは、買い占めなどを防ぐため国がメーカーから買い上げ、卸売業者や販売会社を通じて医療機関に出荷された。しかし、ワクチンが大量に出荷された時期には既に流行が沈静化し、大量の在庫として残っていた。

(院長のつぶやき)政府の失策のツケを民間に負担させるとは・・・これではワクチンを作る会社が育ちません。相変わらずのワクチン行政の貧困さを暴露したような方針ですね。

7月29日

■ 今季は優先接種せず 新型インフルエンザワクチン供給に余裕 厚労省実施案

(毎日新聞)

 厚生労働省は28日、全国の都道府県などの担当者を集めた新型インフルエンザ対策会議で、今季のワクチン接種事業の実施案を公表した。ワクチンは新型と季節性2種の混合ワクチンで、10月から接種を始める。費用は、昨季は国が一律に定めたが、今季は市町村ごとに決める。十分な供給が見込めるため、優先接種対象者などは定めない方針も示した。
 今季のワクチンは、新型と季節性のA香港型、B型の3種を組み合わせた混合ワクチン。昨季のように、新型と季節性を別々に接種する必要はない
 接種回数は昨季と同じく13歳以上は1回、13歳未満は2回。費用は、低所得者(住民税非課税世帯)の減免措置は継続したうえで市町村ごとに定める。厚労省は「昨季の水準(1回3600円)と大幅には変わらないだろう」としている。
 市町村は9月までにワクチンを接種できる医療機関を確保し、広報紙やホームページなどで住民に告知する。接種は、住民が医療機関で行う個別接種が原則だが、市町村の判断によっては保健所などで集団接種を行うことも可能とした。
 製造予定量は国内4メーカー合計で最大約5800万人分(13歳以上の接種量で換算)の見込み。厚労省によると、今季の需要は最大5340万人分と推計される。昨季の新型ワクチンの在庫も7300万人分以上あり、厚労省は「新型については、ほぼ国民全員に対応可能」としている。
 昨季の新型ワクチンの接種は、応急的な措置として国が実施し、副作用被害の救済は特別措置法を制定して対応した。だが、補償額がポリオなど予防接種法に基づく定期接種に比べて低く、厚労省は新型ワクチンについても同法に位置づける必要があるとして、予防接種法改正案を先の通常国会に提出した。参院は通過したが、参院選の影響で衆院の審議入り前に国会が閉会し継続審議になった。
 法案の成立時期は不透明だが、改正法ではワクチン接種の実施主体を市町村と定めているため、10月からは、接種費用の設定や実施医療機関の選定を市町村が行うこととした。

(院長のつぶやき)昨日のニュースとソースは同じです。価格の設定で混乱しそうですね。

■ 4番目のインフル治療薬「イナビル」承認へ

(読売新聞)

 厚生労働省薬事・食品衛生審議会の部会は29日、第一三共が開発したインフルエンザ治療薬「イナビル」(一般名・ラニナミビル)の承認を了承した。
 近く正式承認され、今秋にも発売される見通し。インフルエンザ治療薬としては、タミフル、リレンザ、ラピアクタに次ぐ4種類目となる。
 イナビルは、リレンザと同じ口から吸入するタイプ。タミフルやリレンザは1日2回、5日間の服用が必要だが、イナビルは1回の服用で済む。今年1月に発売された点滴薬のラピアクタも1回で効果がある。

7月28日

■ 新型ワクチン接種費用、市町村が個別に設定へ

(読売新聞)

 厚生労働省は28日、今年10月から始まる新型インフルエンザワクチンを含む3種混合ワクチンの接種事業について、接種費用は市町村が個別に設定する方針を明らかにした。
 新型インフルエンザが流行した昨年度の新型ワクチンの接種費用は国が定めた一律3600円(1回接種)だったが、今季は市町村間で接種費用に差が出そうだ。
 国が目指す「新臨時接種」を見通しての措置。厚労省は、本来、新型ワクチンの接種を、市町村が実施主体となり、健康被害救済金の水準を引き上げた新臨時接種の枠組みで実施する計画だった。そのために必要な予防接種法改正案は、通常国会では通過せず、秋の臨時国会に持ち越された。
 そのため、厚労省は、当面は国の事業として進め、改正法施行後に新臨時接種に移行することを決めた。住民が混乱しないように、当初から接種する医療機関や費用は市町村が決めることにした。低所得者に対しては、昨年度と同様に負担を軽減する。今シーズンは開始時点から全国民を接種対象者とし、優先接種対象者は定めない。

7月27日

【漢方のちから 今、医療の現場で】新型インフル予防に「補中益気湯」

 ■西洋医学も治せぬ患者に

 漢方を処方している医師の多くが「漢方薬を飲んでいると風邪をひかない」という印象を持っている。では、本当に漢方は風邪の予防に役立つのだろうか?
 これを初めて臨床で確かめた研究が昨年12月、英の医学誌『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』オンライン版に掲載された。厳密にいえば、対象とした病気は風邪ではなく、豚由来の新型インフルエンザ(H1N1)。昨年9月からの2カ月間、東京都板橋区の愛誠(あいせい)病院で漢方薬の補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を飲んだ群179人と飲まない群179人で、感染に差があるかを調べた。結果は、飲んだ群では1人、飲まない群では7人の感染で、有意差があった。
 研究を行った帝京大医学部外科の新見正則(にいみまさのり)准教授は「思っていたよりもはっきりと差が出たので私自身もびっくりした」と振り返る。

  中止後も感染なし

 補中益気湯を選んだのは、補中益気湯は元気をつける薬で、免疫力を上げるとの動物実験も報告されていたからだ。飲む飲まないは本人の希望に任せたものだが、飲んだ群のうち14人は「苦くて飲めない」などの理由で1週間で服用を中止した。「補中益気湯は元気があり余っている人が飲むと、時々違和感が生じる。中止した人たちもその後感染していないことから、この人たちは既に十分元気と考えれば漢方的には納得できる結果だ」と新見准教授。
 臨床研究で結果の信頼性が最も高いとされるのは、薬を飲む飲まないを本人の意思と関係なく無作為に割り付け比較する「ランダム化比較試験(RCT)」だ。
 今回の研究は無作為ではないだけに、信頼性をさらに高めるためにRCTを行うことが期待されるが、新見准教授は「抗がん剤のように副作用も強く値段も高い薬は、RCTで科学的エビデンス(証拠)を追求する必要があるだろう。でも漢方は副作用がほとんどなく、しかも安い。もちろん、この結果をもって補中益気湯がインフルエンザの予防に有効だと結論しようとは思っていないが、信じる人が飲めばそれでよい」というスタンスだ。

  試してみる価値

 新見准教授は英・オックスフォード大学大学院での留学から帰国した約10年前、「漢方なんていらない」と考えていた。それが血管外科医として患者を診るうちに西洋医学では治せない多くの患者に遭遇、西洋医学の限界を感じる。これらの患者に漢方を処方したところ、4人に3人に症状の改善がみられ、喜んでもらえるようになった。
 新見准教授は言う。「西洋医学で治る病気は西洋医学で治療した方がよいが、西洋医学で治らない症状や訴えを持つ患者さんは漢方を試してみる価値がある。漢方嫌いの医師はまだ多いが、困っている患者さんが漢方の恩恵を受けられるように、必要性を理解してほしい

 ■組み合わせで効果アリ

 漢方は複数の生薬が組み合わさることで効果があることを新見准教授は動物実験で証明、学会誌『Transplantation(2009)』に掲載された。12生薬からなる柴苓湯(さいれいとう)は心臓移植後のマウスの拒絶反応を抑える効果がある。そこで柴苓湯から一生薬を抜いた柴苓湯を12種類作り、移植後のマウスに与え、拒絶反応が起こるまでの日数を調べた。結果は12種類すべてで本来の柴苓湯のような効果がみられず、薬として12生薬すべてが必要なことを裏付けた。

■ 危機管理の見直し必要 府、新型インフル対策検証

(京都新聞)

 京都府は27日までに、昨年流行した新型インフルエンザに対する府の対策の検証結果をまとめた。医療供給態勢や情報共有、京都市との連携などで課題があったとし、強毒型の発生などに備えた危機管理体制の見直しの必要性を指摘している。
 検証は府や市町村の職員、医療関係者、学識者が中心になって、昨夏と今春の2回実施した。アンケートや聞き取りを通して計671の課題を抽出した。
 まず、医療供給態勢の課題として▽夜間休日の診療態勢の拡充に時間がかかり、医療機関が疲弊した▽患者振り分けの基準が明確でなかったため、感染者が一般外来を受診した可能性がある−などを指摘した。
 また、発生当初には府と市町村の間で情報共有に混乱があった。具体的には▽患者が発生しても京都市は府への報告義務がなく、情報把握が遅れた▽詳細検査の実施基準が府と市で異なり、対応に支障が出た▽府と市町村の情報連絡手段が不明確で受け手が混乱した−などを挙げた。
 このほか▽個人情報の壁があり、関係機関と患者情報の共有ができなかった▽全職員への感染防止対策の徹底が不十分だった▽学校休校基準がなく、現場は対応に苦慮した−などと振り返った。
 改善策として、マニュアル整備や情報共有の強化、医療態勢の再構築など59項目を掲げた。府は検証結果を踏まえて、今年秋までに府の対策計画を見直し、新たな流行や強毒型の出現に備える。

7月26日

■ ワクチン準備に不安4割=半数が廃棄を経験-新型インフル・看護師調査

(時事通信)

 昨シーズンの新型インフルエンザの流行で、ワクチン接種の準備に不安を感じた看護師は約4割に上ることが26日までに、医療機器大手「日本ベクトン・ディッキンソン」の調査で分かった。1人分ずつ注射器に充てんする負担が大きく、約半数の人が使い切れずに廃棄した経験があった。
 新型用のワクチンは当初、大人20人分に当たる10ミリリットル容器で供給され、その後1ミリリットル容器に変更された。
 調査は、新型用ワクチンを接種した看護師1000人を対象に今年5月、インターネットで実施。半数強の人が接種の準備作業を負担に感じており、開封後24時間以内に使い切らなければならないため、接種当日にしか準備できないことを理由として挙げた例が最も多かった。
 準備作業に不安を感じた人は40.8%。その内容は「注射器に正確な量を充てんできるか」が51.2%、「微生物汚染の可能性」が24.0%などだった。実際に充てんミスや、器具の破損・取り違いなどをしたり、しかけたりした人は13.0%いた。
 ワクチン接種で日常業務に支障を来したという人は60.2%。具体的には「業務が多くなりストレスを感じた」「ほかの患者さんへの医療の質が下がった」といった回答が目立った。
 ワクチンを廃棄したことがある人は49.1%で、理由は「開封後の使用期限までに使い切れなかったため」が約6割を占め最多だった。

■ インフルエンザ流行、沖縄県で定点当たり届出数が「1.17人」に

(BPnet)

 沖縄県によると、28週(7月12日から18日)のインフルエンザ定点当たり届出数は1.17人となり、流行の目安とされる「1人」を超えた。これまでに検査できた4検体では、ウイルスタイプはB型が3検体、A香港型(H3N2)が1検体となっており、新型インフルエンザウイルスはまだ検出されていない。
 沖縄県では、2005年以降、夏場のインフルエンザ流行が続いている。昨年は、新型インフルエンザの発生で、2009年28週には7.69人と高水準にあった。同31週には11.79人と流行注意報の目安とされる「10人」を超え、32週に20.36人、33週に29.60人と急増していた。

(院長のつぶやき)いつまで「新型インフルエンザ」と呼べばよいのか、わからなくなってきそうです。

7月24日

■ 日本の死亡率が低かったのはなぜか

(日経サイエンス)

 今回の新型インフルエンザパンデミックで、日本での死亡率が諸外国に比べて低かったのは、成人に感染が広がらなかったからだ──。インフルエンザ研究者交流の会(会長:国立病院機構仙台医療センター西村秀一ウイルスセンター長)がこのほど開いたH1N1パンデミックに関するシンポジウムで、そんな見方が浮上した1)。
 「交流の会」は研究者だけでなく、開業医や地方の衛生研究所の担当者、ワクチンや診断機器メーカーなど、現場で診療や検査に携わる人が幅広く参加している。今年は7月2日から3日間、長野県軽井沢でシンポジウムを開き、H1N1パンデミックのこれまでと今後について、泊り込みで議論した。
 昨年の今ごろ最も懸念されていたのは、若年層に重症ウイルス性肺炎が多発し、救急医療が破綻することだった2)。先に感染が拡大した米国やメキシコでは、普段インフルエンザではあまり肺炎を起こさない20~50代の患者がウイルス性肺炎で死亡。東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らによるサルの実験でも、新型インフルエンザウイルスは肺で増殖しやすく、病原性も強いことが示唆されていた。けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫小児科部長は「重症肺炎のリスクを下げるため、患者全員にタミフルを投与すべきだ」と呼びかけた。
 新型インフルエンザが成人に重症肺炎を比較的起こしやすかったのは確かだ。厚生労働省によれば、15~65歳の死亡例における死因のトップは肺炎。患者の46%で報告された。だが幸い、救急医療が麻痺する事態には至らなかった。日本の死亡率は10万人当たり0.16。米国の3.96は統計の取り方が異なり比較しにくいが、カナダの1.32、韓国0.53、ドイツ0.31などと比べても低く、重症化例は想定を大幅に下回った。東北大学の押谷仁教授は「日本では感染拡大が学校内にとどまり、地域に広がらなかったのが最大の理由だ」と指摘した。
 実際、日本では新型インフルエンザで医療機関を受診した推定患者の7割以上が20歳未満だった。世代人口の65%が受診した計算だが、この世代の受診者が重症化や死亡に至るリスクは小さかった。逆にリスクが高かった40歳以上の世代では、推定受診者は約2.5%にとどまった。米国やメキシコで成人に広がったのとは対照的だ。会では地域の開業医や衛生研究所の担当者から、「家庭でも子供から親にはあまり感染しなかった」との声が相次いだ。

なぜ日本では、成人の間で感染が広がらなかったのか?
(1)抗インフルエンザ薬の投与でウイルスの排出量が減り、二次感染が抑えられた、
(2)家庭内での感染予防策がよく実行された、
(3)親世代に感染させやすい乳幼児の罹患率が比較的低かった
(4)成人に新型インフルエンザへの感染を防ぐ何らかの免疫があった
──などの可能性が指摘されたが、議論は収束しなかった。

 第1波は終息したが、日本には未感染の成人が大量に残っている。会場で行われた電子投票式アンケートでは、参加者の約半数が「今年の秋以降に新型インフルエンザが再流行する」と予測した。また「感染効率は変わらないかやや上昇し、病原性は同程度」と見る人が多数を占めた。

7月22日

■ インフル感染を6分で判定 東洋紡、診断システム発売

(共同通信)

 東洋紡は22日、患者がインフルエンザに感染しているかを従来の半分以下の約6分で検査できる診断システムを、病院向けに29日から発売すると発表した。
 これまでは感染初期でウイルスが少ないと診断に15分程度かかるほか、目視で判断しにくいことが多かったが、このシステムはデジタル判定で結果が一目で分かるという。インフルエンザウイルスA型、B型に感染しているかが判別でき、昨年流行した新型インフルエンザにも対応している。
 発売するのは、試薬カートリッジ「ピオキューブFluAB」(1箱10回分で1万2600円)。昨年秋に発売した小型分析装置にセットして使う。

(院長のつぶやき)新型インフルのみ検出できるわけではなさそうですね。

■ 余剰ワクチン再接種“お得” 新型インフルで福岡県医師会 迫る使用期限、1050円安く

(西日本新聞)
 「早期の新型インフルエンザワクチンの(再)接種をおすすめいたします」-。福岡県医師会は、新型インフルの予防接種を既に1度受けている人が、8-9月に同じ医療機関で再び受ければ、初診料がかからず1050円安い2550円で済む、と“お得PR”に乗り出す。同県内では、3月末時点の県の調査で9万2604回分のワクチンが眠っており、1年間の使用期限が迫る中での窮余の策といえそうだ。
 新型インフルの予防接種について厚生労働省は、13歳未満の子どもや、持病がある人は2回接種とし、料金は1回目は3600円、2回目は同じ医療機関なら初診料を除く2550円と設定している。健康な成人は1回接種の3600円だ。
 県医師会は、この「初診料」に着目。「新型インフルの予防接種事業は昨年10月から継続中であり、再診とみなせる」。福岡県も「再診とみなして差し支えないと厚労省に確認した」と説明する。冬に接種を受けた人が同じ医療機関を「再受診」すれば、1050円安くなるという。
 ワクチンの効果は接種後2週で発現、5カ月程度続くとされる。県医師会は「有効性が接種後4カ月で半分になるとの調査結果があり、集団感染が散発しているので再接種を勧めたい」。ただワクチンの在庫があるか、2550円で接種するかは各医療機関により、事前の問い合わせが必要だ。

(院長のつぶやき)型落ち前の家電製品のたたき売りみたいですね(苦笑)。

■ 中外製薬、中間経常益39%減=「タミフル」売り上げ5割減で

(時事通信)

 中外製薬=2010年6月中間期連結決算は、売上高が前年同期比4.9%減の1823億円、経常利益が39.8%減の261億5800万円、純利益が37.7%減の163億7600万円と減収減益だった。新型インフルエンザの流行が早期に終息したため、抗インフルエンザ薬「タミフル」の売り上げが約53%減少したのが主因。

7月20日

■ パッチはるだけでインフルワクチン接種 米研究チーム

(朝日新聞)

 微小な針が多数ついたパッチを皮膚にはるだけで接種できるインフルエンザワクチンを、米ジョージア工科大などの研究チームが開発し、動物実験で効果を確認した。針は皮膚に刺さると溶け、ワクチンと共に吸収される。実用化すれば、自分でも接種でき、輸送や保存も簡便になり、接種費用が抑えられる。米医学誌ネイチャー・メディシン(電子版)で発表した。
 開発したパッチは、生体に吸収されやすい物質でできた高さ0.7ミリの針が100本ついている。針の中に、液体ワクチンを凍結乾燥させた粉末が入っている
 人の皮膚に似た豚の皮膚を使った実験で、親指でパッチを皮膚に押しつけただけで表皮に刺さり、数分以内に溶け、ワクチンと針が皮膚に吸収されることを確認した。深く刺さらないため、研究チームは「痛くはないはずだ」としている。
 このワクチンを接種したマウス6匹にインフルウイルスを感染させたところ、すべて生き残り、体重も5%以下しか減らなかった。通常のワクチンを注射したマウスも同様だったが、接種しないマウスは6日以内にすべて死んだ。
 研究チームは「通常のワクチンと同等の効果がある。製造費用も同程度だが、接種に医師や看護師が必要なく、注射針の処理もいらず、費用は安くなる」とみている。

(院長のつぶやき)実用化されれば、子ども達にとって朗報です。

■ 新型インフル44人目の死者…台湾

(読売新聞)

 台湾の衛生署は20日、新型インフルエンザに感染した台湾北部地域に住む女子大学生(21)が死亡したと発表した。
 台湾での死者は44人となった。
 同署の発表によると、女子大学生は6月28日に鼻水、発熱などの症状で治療を受けていたが、今月2日に呼吸困難で入院。16日に肺炎などで死亡した。

7月16日

■ 休校割合の高さ 患者少ない要因 新型インフルで宮古

(沖縄タイムス)

 【宮古島】県宮古福祉保健所の2010年度第1回管内健康危機管理対策連絡会議が15日、同保健所であった。高江洲均所長が、昨年から流行した新型インフルエンザの管内での対策を総括。県内保健所で最も患者数が少なかったとして、管内の幼小中高各校で休校した割合が全体で28%と、県平均の17%より高かったと説明。「早めに対応したことが、宮古での患者数が少なかった要因の一つと考えられる」と述べた。
 管内で新型インフルの届け出人数は5011人。そのうち5~19歳の発症数が3132人で約62%を占め、小学校は20校中休校が7件で休校率35%、幼稚園は21園中7園で33%と、いずれも県平均15%の2倍以上だった。
 一方、毎年開かれるトライアスロン大会で医療機関の連携が図られていると紹介。発熱患者の宮古病院での受診自粛と民間医療機関での受診を呼び掛け集中を防げたことが、感染増加を抑制できたと推測した。

■ 小児用ワクチン助成を要望

(中国新聞)

 山口県小児科医会(金原洋治会長)は15日、子どもの細菌性髄膜炎を予防するワクチンの公費助成を県に要望した。県が接種費用の一部を負担するだけではなく、助成に取り組む市町への支援なども必要としている。
 金原会長は、小児科医会の他の3人と県庁を訪れ、健康福祉部の今村孝子部長に要望書を提出。「子どもの命を奪い、障害を残す髄膜炎を行政と一緒に防ぎたい」と強調した。
 要望書では、髄膜炎の原因菌であるインフルエンザ菌b型(Hib=ヒブ)と肺炎球菌のワクチン接種費用の助成を提言。両ワクチンの総額は7万円とし「裕福な家庭の子どもしか受けられず、命の格差を行政がつけている」と訴えている
 小児科医会は、両ワクチンの定期接種化も要求。今村部長は「非常に重く受け止める。定期接種化は必要に応じて国に要望する」と答えた。

7月15日

■ 【論風】日本危機管理学会理事長・東京理科大学客員教授 原田泉

(産経新聞)

 ■新型インフルエンザの教訓 政治家がリスクとって決断を

 6月10日に「新型インフルエンザ(A/H1N1)対策総括会議報告書」が出た。そこでは、病原性の高い鳥インフルエンザ(H5N1)を念頭としたガイドラインで対策を行ったことへの反省が述べられ、また提言部分で「感染力だけでなく致死率等健康へのインパクト等を総合的に勘案して複数の対策の選択肢をあらかじめ用意し、状況に応じて的確に判断し、どの対策を講じるかを柔軟に決定するシステムとすべきである」としている。いわゆる強毒性の対応マニュアルしかなく、弱毒性への対応がうまくいかなかったことに関して、一つにはマニュアルに頼りすぎてはいけないこと、またマニュアル自体に現実への対応力がなかったことを指摘しているのである。
 前者については企業の危機管理でもよくあることだ。マニュアルがあるとそれに固執してしまい、かえって柔軟な対応ができなくなる。一方、後者については筆者もすでに指摘したが(昨年7月8日付の本欄)、米国では2007年から被害の重大性に応じ5段階の対応を設定しており、最低ランクと判断されて以降は、感染拡大を事実上容認し、重症化回避策へと素早く対策転換を図ったのである。
 昨年6月の報道では秋からの流行に備え、厚生労働省はウイルスの毒性を3段階に分け対応するとされていた。しかし、現在まで段階別対策は示されておらず、提言となったのであろう。

 ◆インテリジェンスサイクルが必要

 既にいくつかの地方自治体では、弱毒性と強毒性を分けて対策マニュアルを作成している。ここで担当者の頭を悩ませているのが、誰がいつどうやって強毒と弱毒の判断を行うかだ。その判断が遅く曖昧(あいまい)だと、今回のように過剰対応が続き、行政の無駄や企業の機会損失が大きなものとなってしまう。
 病原性の高い鳥インフルエンザ(H5N1)の場合は、国民の生命はもちろん、国民生活や企業の生産活動などに重大な影響が出る危機であり、行政担当部局や、責任主体のはっきりしない専門家たちの「科学的」判断だけで政策決定が行われるべきものではない。このような社会的に大きな影響をもつ可能性のある決定は、根本的に政治的判断でなければならない。そして当然、不確実なことについての意思決定では、誰がどのような手続きで決定し、その責任を誰が取るのかを明確に定めたルールが必要となる。
 リスクを含む社会的行為の決定に関して、完全に合理的で、立場や意見、信条などとも無関係な中立的判断などというものは実際上あり得ない。そのことをよく認識した上で、決定権者は各方面から意見を聞き、主体的に判断して決定を下さなければならないのである。そのために重要政策の決定に当たってはインテリジェンスサイクルが機能しなくてはならない。

 ◆内閣官房の機能強化を

 インテリジェンスサイクルとは一般に、意思決定者が方針を決定する際や計画を構築する場合の知識創造、情報収斂(しゅうれん)の方法である。まず意思決定者が何を知りたく何を期待するかといった要求を明確にし、それを満たすためインテリジェンス機関がいろいろな手段で関連情報を収集・調査し、それを分析・加工して要求に沿ったインテリジェンスとして提供する。これに対し再度意思決定者が要求を出し、これを繰り返して判断の精度を増すのである。
 わが国では重大な国家的危機に対しては、内閣総理大臣の直轄組織として内閣官房が担当し、インテリジェンスサイクルを回して総理の判断を支えている。ここがより機能するようお願いしたいが、今回の民主党のマニフェストには前回あった危機管理庁の設置などの危機管理体制強化が消えている。危機管理の場でも政治主導を確立し、政治家がリスクをとって迅速な決断が行われる体制を作ってもらいたい。

7月14日

■ インド、一週間で330人の新型インフルエンザ患者を発見

(CRI online)

 インド衛生省は13日「過去一週間、インドの南部で330人の新型インフルエンザ感染が確認された。患者は主に、マハラシュトラ州に集まっている」と発表しました。
 インド衛生省によりますと、今年の7月5日以来、インドでは17人の新型インフルエンザ感染者が死亡しました。インド南部にあるマハラシュトラ州、ケーララ州、カルナータカ州、アーンドラ・プラデーシュ州、タミル・ナードゥ州は新型インフルエンザの多発地域です。首都のニューデリーは13日、新型インフルエンザに感染した幼児1人が死亡しました。
 2009年5月、新型インフルエンザが世界的に広がって、インドでは、33783人の感染者が確認され、1624人が死亡しました。今年の雨季に入ってから、新型インフルエンザは再び蔓延し始めています。

(院長のつぶやき)「雨期に入ってから新型インフルエンザは再び蔓延」との情報はインドからしかありません。隣国の中国では、手足口病による重症者多発の方がインパクトあります。

7月13日

■ 需要予測上回る供給可能 来季のインフルワクチン

(共同通信)

 次のインフルエンザ流行期に備えて接種するワクチンの需要について、厚生労働省の検討会は12日、最大で5340万回分程度になるとの予測をまとめた。国内メーカーの製造能力は5810万回分程度で、十分に供給できる見通し。実際の製造量は今後、メーカーが決定する。
 ワクチンは、昨年から今年にかけて流行した新型インフルエンザとA香港型、B型の3種を組み合わせたもので、厚労省は10月ごろの接種開始を見込んでいる。
 一方、昨年度準備して余った新型インフルエンザワクチンは、今年11月時点で7300万回分、来年2月時点でも4200万回分が使用期限内。厚労省は、接種開始時期より前に新型の流行が始まったり、流行規模が予想以上に大きくなる懸念があったりする場合に使えるとしているが、新たに製造するワクチンで需要が満たされれば、出番のないまま廃棄される可能性がある。

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.108

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 7月4日時点で、WHOには、214ヶ国と地域で確定患者数として合計18311名の死亡者の報告があがっている。WHOは、その地域事務局や加盟国と頻繁に協議、あるいは、複数のデータを監視することで、パンデミックの進展状況を注意深く追跡している。

2) 世界的に、パンデミックインフルエンザ活動は低い状態にある。パンデミックインフルエンザウイルス活動は、熱帯地域、特に南アジア、東南アジア、カリブ海諸国、アフリカ西部の地域の残っている。パンデミックインフルエンザと季節性インフルエンザウイルス活動は、冬期の初期段階にある南半球の温帯地域で低い状態である。。南半球の温帯地域では、南アフリカ、チリ、オーストラリアとニュージランドで、季節性インフルエンザ(H3N2とB型)が、2010年6月検知された。また、支配的になっているパンデミックインフルエンザウイルスが低いレベルで最近検知された。中央アメリカのいくつかの国では、季節性インフルエンザ活動が増加傾向に見て取れる。

3) 呼吸器疾患者の割合が、南半球のいくつかの国で増加しはじめたが、冬季の初期段階では、パンデミック、季節性インフルエンザの活動はほとんど見られない。南アフリカでは、6月後半と7月前半にインフルエンザウイルスの検知率が急速に増加した。主として季節性インフルエンザH3N2ウイルスと季節性B型インフルエンザウイルスであった。(7月第一週は、定点医療機関のインフルエンザ様疾患を呈する患者の呼吸器検体の40%以上がインフルエンザに陽性反応)。しかし、呼吸器疾患関係の外来患者や入院患者のレベルが著しく増加した様子ではない。オーストラリアでは、最近の数週間、インフルエンザ様疾患の比率が若干増加したとの報告があった。たあし、インフルエンザウイルス(主としてパンデミックH1N1と季節性H3N2)と検知された全体の数は、低いままである。ニュージーランドでは、6月を通じて、インフルエンザ様疾患の比率は、増加傾向が続いた。しかし、支配的であるパンデミックインフルエンザウイルスは、現在のところ検知数は小さな数字である。オーストラリアでもニュージーランドでも、インフルエンザ様疾患のレベルは、2008年の同時期-つまり、インフルエンザの時期が始まったことが分かった時で、後に冬期後半にピークに達した―にみられるレベルに近い。チリでは、インフルエンザ様疾患のレベルは、非常に低いままである。2010年6月下旬に、インフルエンザに陽性反応をしめした呼吸器疾患は5%以下(大部分は、パンデミックH1N1ウイルスで季節性H3N2とB型は少数)。アルゼンチンでは、インフルエンザ様疾患のレベルは全体として低く、過去3年の冬期の水準よりも低い。季節性B型インフルエンザウイルスが、最近数週間、少数検知されたのみである。チリでもアルゼンチンでもRSウイルスは、2010年4月中旬以降、流行している循環器ウイルスとして支配的である。

4) アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルス活動は、インド、マレーシア、シンガポールの一部を除いて、低いから散発的という水準である。インドでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、活発であるが、南部のケララ州では、平衡的になっている。2010年6月中旬にパンデミックインフルエンザウイルスの伝播が初めて増加して以来、重篤患者と死亡者が毎回同様の数報告されている。インドの他の南部、西部の州でも2010年6月中旬からパンデミックインフルエンザウイルスの循環が、少数増加していることが観察されている。シンガポールでは、2010年5月に、急性呼吸器疾患(ARI)のレベルがピークに達した後2010年6月の間、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播とともに減少している。2010年7月の第一週インフルエンザ様疾患者の呼吸器疾患検体でパンデミックインフルエンザウイルスに陽性を示した割合は、16%のままである。特筆すべきことは、シンガポールでは、2010年5月から6月にかけて、パンデミックと季節性インフルエンザウイルスH3N2が相当同時循環していることである。マレーシアでは、パンデミックインフルエンザの新たな感染者数が減少していると報告されており、これは、パンデミックインフルエンザウイルス活動が全体として、ピークを迎えた4月中旬から5月中旬の後、6月に相当減少が続いたことを示す。季節性B型インフルエンザウイルスが非常に低いレベルで、中国、台湾、台北と韓国で循環が継続している。

5) 南北アメリカの熱帯地域では、パンデミックインフルエンザウイルスと季節性インフルエンザウイルスの活動は、全体として、低いが、中央アメリカの一部は例外で、パンデミックと季節性H3N2ウイルスの同時循環が最近活発である。パナマでは、A型インフルエンザ(特にH3N2,そしてパンデミックH1N1が少数)の循環が急速に増加していることが2010年6月を通して報告された。呼吸器疾患の高いレベルと医療機関への中程度の影響がでていると報告されている。ニカラグアでは、2010年5月下旬に始まり、6月にかけてピークを迎えた季節性インフルエンザH3N2ウイルスの活発な伝播が、最近数週間の間に大きく弱まったとようである。コロンビアでは5月中旬から6月中旬にかけて広がったパンデミックインフルエンザウイルスの活発な伝播は、大きく弱まったようである。この地域の多くの国では、他の呼吸器疾患ウイルス、最も顕著なものは、RSウイルスが、同時循環が継続していることが継続的に報告されている。

6) サハラ以南のアフリカでは、先週の報告から大きな状況変化はない。パンデミックインフルエンザウイルスと季節性インフルエンザウイルスの活動は、いくつかの国にみられる。。アフリカの西部のガーナでは、パンデミックインフルエンザウイルスが、2010年4月上旬にピークに達しても長期間にわたり、活発な活動が継続している。季節性B型インフルエンザウイルスは、アフリカの中央部と南部の一部で循環が継続している。特にカメルーンである。季節性インフルエンザH3N2ウイルスが、アフリカでは少数検知されており、特にアフリカ東部でみられる。最近検知されたと報告があったのは、ケニアと南アフリカである。

7) 全体として、北半球の温帯地域(北アメリカと欧州)では、パンデミック季節性インフルエンザウイルスが、6月、非常に低いレベルで散発的に検知されている

7月12日

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■ インフル:今冬用ワクチン5800万回分製造要請へ

(毎日新聞)

 今冬のインフルエンザの流行に備え、厚生労働省がメーカーに製造を要請するワクチンの量について、同省の有識者検討会は12日、新型と季節性2種の計3種を混合したワクチン約5800万回分とする方針を了承した。同省は「昨年度流行した新型インフルエンザの影響で接種希望者が増えても対応できる量を確保した」と話している。
 厚労省が09年9月に実施した全国の医療機関に対する調査などを基に算出。ここ数年、季節性のワクチンは5000万回分前後を製造しており、記録が残っている86年以降で最も多いという。今季は季節性と新型のワクチンをそれぞれ接種する必要があったが、今冬は1回の接種で済むことになる。

■ 栄研化学、「Loopamp H1 pdm 2009インフルエンザウイルス検出試薬キット」を発売

(日本経済新聞)

LAMP法を用いた体外診断用医薬品『Loopamp(R)H1 pdm 2009インフルエンザウイルス検出試薬キット』

 栄研化学株式会社(本社:東京都台東区)は、製造販売承認を取得した『Loopamp(R)H1 pdm 2009 インフルエンザウイルス検出試薬キット』を7月14日より新発売いたします。
 『Loopamp(R)H1 pdm 2009 インフルエンザウイルス検出試薬キット』は、鼻腔拭い液又は咽頭拭い液中のinfluenza A(H1N1)pdm(新型インフルエンザウイルス)の検出を目的とした国内初の体外診断用医薬品です。
 この試薬キットは、栄研化学の独自の遺伝子増幅技術である「LAMP法」を利用し、簡易、迅速、高感度に新型インフルエンザウイルスを検出することで、感染の診断補助ツールとして貢献できるものと考えております。

[製品概要]
 製品名:Loopamp(R)H1 pdm 2009 インフルエンザウイルス検出試薬キット
 希望納入価格:76,800円(税別)
 包装単位:48テスト分
 貯蔵方法:2~8℃
 製品コード:LMP462

7月9日

■ インフルエンザで今年度初の学級閉鎖 福井・鯖江、越前市

(2010年7月9日:毎日新聞社)

 県教委は8日、鯖江中学校の2年生7クラス(230人)のうち20人がインフルエンザに感染し、9日から3日間の学年閉鎖にすると決めた。また越前市の南越養護学校でも小学部10クラス(35人)中4人が感染し、同様に3日間の学部閉鎖と決めた。
 県内のインフルエンザによる学級閉鎖は、今年度初めて。いずれも新型インフルエンザとみられる。

■ 天理大柔道部員が新型インフル=重症者なし、快方へ

(時事通信)

 奈良県は9日、天理市にある天理大柔道部の男子寮で部員14人が新型インフルエンザに感染した疑いがあると発表した。重症者、入院者はなく、全員快方に向かっており、活動自粛などの予定はないという。
 県保健予防課によると、部員は今月2日から6日にかけて発熱やせきなどを訴えた。この間、天理市の医療機関で1人が簡易検査で陽性と診断され、この日、遺伝子検査を実施した5人の感染が確認されたという。
 柔道部の寮には寮生83人、職員5人がいる。天理大は6月下旬に東京で開催された全日本学生優勝大会に参加した。

7月8日

■ インフルワクチン、看護師半数「廃棄を経験」ネット調査

(朝日新聞)

 新型の豚インフルエンザ対策で、複数の人数分が入った大きな瓶入りワクチンを使い切れず廃棄した経験のある看護師が約半数いた――。こんな調査結果を医療機器販売会社が発表した。
 日本ベクトン・ディッキンソン(東京都)が、昨年10月から今年2月に季節性インフルも含めたワクチン接種に携わった全国の看護師にインターネットを通じて聞き、1千人から回答を得た。
 今回の流行では、過去に使ったことがない大瓶(10ミリリットル)が流通。大瓶の場合、開封後24時間以内に使い切らなければならず、一気に約20~50人に打つ必要がある。ワクチンを廃棄したことがあると答えた看護師は49%。うち6割が「開封後の期限内に使い切れなかった」と答えた。
 また「当初の接種希望者数と実際に打ちにきた患者数が違い、ワクチンが余った」が35%いた。廃棄経験のある看護師のうち、40%が「もったいない」と答え、「安全性を考えると、廃棄はやむを得ない」とした19%を上回った。
 分量を確認し瓶から注射器に詰め替える作業も多くの看護師に負担だった。分量を間違えたり期限切れワクチンを入れてしまったりするなど、ミスやミスを起こしそうになった経験があると答えた人も13%いた。

■ 新型インフルエンザ感染44万人超、死者11人 京都・対策検証会議

(毎日新聞社)

 ◇宿泊キャンセル、損害22億円

 府内で昨年猛威を振るった新型インフルエンザの対策を府や各広域振興局などが検証する会議が7日、京都市上京区で開かれ、課題や対策を盛り込んだ検証報告書をまとめた。
 府によると、京都市で初めて新型インフルエンザの感染者が確認された昨年5月21日から、国が沈静化を発表した今年3月末までに、府内の感染者(推計)は44万3000-48万7000人で死者は11人だった。ワクチン接種者は延べ42万1000人。また、感染拡大期が修学旅行のピークで宿泊キャンセルが多発したことから、損害額は約22億3000万円と見積もった。
 報告書によると、ワクチン供給に時間がかかり、接種開始当初は混乱した一方、今年3月末現在で4万人分のワクチンが余っているという。平常時から休日・夜間の医療体制を構築し、十分なワクチン量を即時供給できるよう国に要望するとしている。
 また、風評被害対策として、専門知識を持ち情報を正確に分かりやすく伝える「広報官」を設置するとした。

7月6日

■ ワクチン開発6社に助成=増産、スピードアップ目指し-厚労省

(時事通信)

 厚生労働省は6日、新型インフルエンザワクチン製造体制整備のための交付金対象に、6社の7事業を採択したと発表した。
 現在の鶏卵を使った製造法では、病原性の高い新たなインフルエンザが発生した場合、全国民分のワクチンができるまで1年半~2年かかる。このため、半年で製造可能な体制を5年間をめどに整備することを目指し、事業を公募していた。
 細胞培養という新たな方法による実験的製造では6社から応募があり、化学及血清療法研究所(化血研)、北里研究所、武田薬品工業、UMNファーマの4社を採択。従来の鶏卵培養法の生産能力強化事業は、化血研が採択された。
 また、新たな製造法を開発するための研究事業には、テルモ、阪大微生物病研究会が採択された。

■ タミフル類似品に注意

(47News)

 米食品医薬品局(FDA)は、インターネットを通じて販売されている抗インフルエンザ薬タミフルの類似品について、期待される薬効成分が含まれておらず、深刻な副作用が出る恐れもあるとの調査結果を発表した。
 FDAが業者にネット購入を申し込んでインドから届いた「ジェネリック・タミフル」とされるカプセルには、ペニシリンと似た抗生物質のクロキサシリンが含まれていた。この成分は時に呼吸障害など命にかかわる急性アレルギー症状を引き起こすことがある。
 FDAは「一見きちんとしたネット薬局でも、違法な薬物を扱っている場合がある」と消費者に注意を呼び掛けている。

7月3日:世界の死者18239人超

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.107

(Emergency Assistance Japan)

6月27日時点で、WHOには、214ヶ国と地域で確定患者数として合計18239名の死亡者の報告があがっている。WHOは、その地域事務局や加盟国と頻繁に協議、あるいは、複数のデータを監視することで、パンデミックの進展状況を注意深く追跡している。

【感染状況概要】

世界的に、パンデミック、季節性インフルエンザ活動は、低い状態である。南半球の温帯地域で、チリとアルゼンチンは、冬季の初期段階で、パンデミック、季節性インフルエンザは、低いレベルの活動で、散発的な検知がされていない。最近、南アフリカ、ニュージランド、オーストラリアでは、呼吸器疾患者の割合が、若干増加したとの指摘されている。 南アフリカでは、最近、H1N1の確定患者が最初に確認された。しかし、同国での支配的なウイルスは、現在季節性インフルエンザH3N2ウイルスである。南アフリカで検出された季節性インフルエンザH3N2ウイルスは、パース系に類似している。この系は、三価季節性ワクチンの一つになっている。パンデミックインフルエンザウイルスは、依然、熱帯の限定された地域、特に南アジア、東南アジア、カリブ海諸国とアフリカ西部である。季節性インフルエンザH3N2ウイルスは、最近2-週間の間、ニカラグアで検知レベルが上昇している。オーストラリアや中央アメリカ、アフリカ南部とアフリカ東部では、低いレベルあるいは、散発的に検知されている。季節性B型インフルエンザウイルスは、東アジア、アフリカ中央部と中央アメリカの一部で、低いレベルで循環している。

【地域別】

1) 南半球の温帯地域の多くの国(チリ、アルゼンチン、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド)では、2010年6月パンデミックインフルエンザウイルスと季節性インフルエンザが散発的に検知されている。活動レベルは、低く、2008年に比べるとインフルエンザシーズンの到来は遅れている。人口比での呼吸器疾患率は、全体として低いままである。アルゼンチンでは、6月中旬に、季節性B型インフルエンザウイルスが少数検知された。チリとアルゼンチンではRSウイルスが循環呼吸器疾患ウイルスでは支配的な状態が継続しており、そのため、子供の間で呼吸器疾患率が高まっている。
南アフリカでは、季節性インフルエンザウイルスH3N2と季節性B型ウイルスが少数だが増加傾向の件数が6月中旬に検知されている。オーストラリア、ニュージーランドでは、インフルエンザ様疾患のレベルがあがっているが、依然、通常年度のレベルよりも低い。

2) アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスが最も活発に伝播している地域は、インドの南部、バングラディッシュ、シンガポール、マレーシアの一部である。それらの国でもインドを除き、比率は下がっているが、インドでは、6月中旬から、パンデミックインフルエンザ確定患者数が増加している。この活動は、大部分インド南部のケララ州で見られる、重篤患者と死亡者の報告も含まれている。特に妊産婦の間で見られている。バングラティッシュでは、2010年6月上旬に、季節性B型インフルエンザウイルスがパンデミックインフルエンザウイルスと同時循環が低いレベルで継続している。シンガポールでは、2010年6月の第3週に、急性呼吸器疾患(ARI)のレベルは、警戒水準より低く、インフルエンザ様疾患者の呼吸器疾患検体でパンデミックインフルエンザウイルスに陽性を示した割合は、19%から15%に低下した。マレーシアでは限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスは低いレベルで循環しているが、全体としてパンデミックインフルエンザ活動は、2010年6月を通じて減少している。東アジアでは、インフルエンザ活動は非常に低い状態である。中国と日本では、インフルエンザ様疾患レベルは、夏季期間の平年レベルかそれよりも低いままである。季節性B型インフルエンザウイルスは、中国、香港、台湾で、低く、減少がつづくレベルで循環している。

3) 南北アメリカの熱帯地域では、パンデミックインフルエンザウイルスと季節性インフルエンザウイルスの活動は、全体として、非常に低い。キューバでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は活発であるが、2010年4月中旬から5月中旬にピークを迎えて以来、相当なレベルで減少した。報告のあった直近5週間では、死亡者はゼロである。この地域のいくつかの国では、季節性インフルエンザH3N2ウイルス(5月にベネズエラ)と季節性B型インフルエンザウイルス(3月から5月にかけてボリビア、5月下旬から6月上旬のエルサルバドル)の循環があった。ニカラグアは、季節性インフルエンザH3N2ウイルスの検知が急激に増加した。パナマでは、低い数字が検出されている。追加して、パンデミックインフルエンザウイルスの循環がこの20週間なかったが、パナマでは、6月上旬パンデミックインフルエンザウイルスの検知が報告された。この地域の多くの国では、RSウイルスを含めて他の呼吸器疾患ウイルスの同時循環の報告がある。

4) サハラ以南のアフリカでは、パンデミックインフルエンザウイルスと季節性インフルエンザウイルスの活動は、いくつかの国に限定されている。アフリカの西部のガーナでは、パンデミックインフルエンザウイルスが、2010年4月上旬にピークに達してから長く、活発な活動が継続している。季節性B型インフルエンザウイルスは、アフリカの中央部と南部の一部で循環が継続している。特筆すべきはカメルーンである。過去の報告にあるように季節性インフルエンザH3N2ウイルスが、アフリカ一帯で検知されており、特にアフリカ東部でみられる。2010年6月の中旬に、最近検知された国は、ガーナ、ケニア、南アフリカである。この地域で季節性インフルエンザH3N2ウイルスが残っていることは、かなりの確率でコミュニティーレベルでのウイルスが継続的に伝播していることを示している。

5) 全体として、北半球の温帯地域(北アメリカと欧州)では、パンデミックインフルエンザウイルスと季節性インフルエンザウイルスが、過去の月、非常に低いレベルで散発的に検知されている。

■ インフル抗体配合の食品開発 五洲薬品、相手先ブランド生産も検討

 五洲薬品(富山市)は、新型インフルエンザなど5種類のインフルエンザウイルスに対 する抗体を配合した健康食品を開発した。人込みの中に入る際、マスクを着ける代わりに 口内に含み続けることで予防対策につなげる。
 健康食品「ひとごみ対策 バリアタブレット」は、新型のほか、鳥インフルエンザ、季 節性の香港型、ソ連型・B型の五つのウイルスへの抗体を配合する。錠剤形でカシス風味 をつけ、なめやすくした。
 原料にはニワトリの卵黄の粉末を使用した。鳥類には、親が自身の持つ抗体を卵に移し 、ひなを病原体から守る免疫機能がある。これを利用し、抗体事業メーカーのゲン・コー ポレーション(岐阜市)が抗体を入れた卵黄を作製して提供した。
 ベトナム国立衛生疫学研究所などで実証実験した結果、今回使った卵黄には、ウイルス を不活性化させる作用があることを確認している。
 2日までに発売し、秋以降のインフルエンザ流行期の需要を見込む。今後は自社技術を 提案して相手先ブランド製品を生産するODMも検討している。

(院長のつぶやき)医薬品ではなく健康食品ですか・・・怪しいなあ。

7月2日

■ 健康危機管理の組織つくれ 秋以降の再流行に備え 核心評論「新型インフルエンザ」

(共同通信社)

 世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)を宣言してから1年が過ぎた。流行の最盛期は過ぎ、日本など各国は使わなかったワクチンの処理を進めている。
 病原性は当初恐れていたほど高くなかった。日本では2千万人余りの患者が出て、200人が亡くなった。重症になった人の割合や死亡率はほかの国より低い。その理由はよく分かっていない。
 一方で、対応には多くの問題点があった。厚生労働省が対策を検証するためにつくった総括会議は6月に報告書をまとめ、いくつかの提言をした。その中で最も重要なのは、感染症の危機管理をする専門組織をつくれ、というメッセージだ。
 秋以降の流行がどうなるかはよく分からない。ただ米国では約1万2千人の死者が出たと推計されていることを考えると、安心はできない。次の展開に備えるためにも、政府は早急に組織づくりに取りかかるべきだ。
 新型インフルエンザの出現以降、政府の対応は混乱した。対応の基本となる「対策行動計画」と「ガイドライン」はあったが、準備不足だったことと、病原性が高いという想定シナリオが外れたことが原因だった。
 行動計画やガイドラインに代わり、政府の対策本部は「基本的対処方針」を、厚労省は「運用指針」を出した。現状に合った対応は必要だが、対策の軸のぶれは現場の混乱を増幅した。行動計画を基本に据え、状況に応じて修正すべきだった。
 責任を厚労省だけに負わせるのは酷だろう。当初は政府の対策本部が方針を決め、厚労省はその下で動くはずだったのに、病原性が低いことを理由に、厚労省が全体を取り仕切ることになった。
 しかし、そうした危機管理の仕事ができる体制は、厚労省にはない。日ごろから感染症の動向を監視し、流行が起きたらただちに危機管理対策を政府に提言できる専門組織が必要なのだ。
 お手本となるのは米疾病対策センター(CDC)だ。病気の予防を目的に調査や研究、教育活動に取り組み、対策を政府に提言する。中国などにも同様の組織がある。
 "日本版CDC"を一からつくる必要はない。感染症の動向調査や情報提供をしている国立感染症研究所の部門に、予算と人員を充てて権限を与え、機能を強化するところから始めればいい。
 厚労省の総括会議では「日本という国は、何か起こるたびに誰が悪かったという話になり、それで終わりになって、システム自体が変わらないからまた同じことが起こる」という指摘があった。
 感染症の流行は頻繁に起こるものではない。苦い経験を繰り返さぬよう仕組みを変えたいという情熱が社会で共有されているうちに一歩踏み出す必要がある。政治の決断に期待したい。

7月1日

■ 厚生労働省 新型インフルエンザ(A/H1N1)対策総括会議報告書まとまる

(日医ニュース)

 厚生労働省の新型インフルエンザ(A/H1N1)対策総括会議(座長:金澤一郎日本学術会議会長)は,このほど報告書を取りまとめ,六月十日に金澤座長から長妻昭厚労大臣に提出した.
 本会議は,昨年の新型インフルエンザの流行に際して,厚労省が実施した対策の総括を行うことを目的として,三月に設置されたものである.報告書を取りまとめるまでに七回の会議を開催し,現場の状況を把握するため,四十名を超える特別ゲストから意見聴取も行われた.
 今回取りまとめられた報告書には,(一)全般的事項,(二)サーベイランス,(三)広報・リスクコミュニケーション,(四)水際対策,(五)公衆衛生対策(学校等の臨時休業等),(六)医療体制,(七)ワクチンの各項目ごとに,厚労省に対する提言と運用上の課題が示されている.
 (二)サーベイランスでは,厚労省および国立感染症研究所によるサーベイランスの一元化を求めるとともに,サーベイランスの評価にかかわる方法や体制について,検討・強化すべきとしている.
 (三)広報・リスクコミュニケーションでは,新型インフルエンザ等の危機管理においては,国民への迅速かつ正確な情報提供が極めて重要であるとし,国が責任を持って,都道府県,市町村などと連携して,広報していくことが必要と指摘.また,国が迅速に最新の正しい情報を伝える必要がある地方自治体や医療現場などに,情報が迅速かつ直接届くよう,インターネットの活用も含め,情報提供のあり方について検討すべきとしている.
 (四)水際対策では,その縮小など,機動的な見直しが可能となるようにすべきとし,その手段として,海外における感染症発生動向の早期探知や発生国における感染状況等の情報収集・分析が可能となるような仕組みの構築を求めている.
 (五)公衆衛生対策(学校等の臨時休業等)では,学校等の臨時休業の情報について,地域の医療機関や医師会と学校等の関係者が迅速に情報を共有出来るようなネットワークシステムを構築することを提案している.
 (六)医療体制では,医療従事者が地域の医療体制維持に協力しやすい環境を整えるため,休業時や医療従事者が死亡または後遺症を生じた場合の補償も検討すべきとしたほか,医療機関間および行政との連携体制を一層強化するため,保健所や医師会などの関係団体が,医療機関間の調整役となることなども検討すべきとしている.
 (七)ワクチンでは,接種に関するガイドラインの早急な策定が求められるとしたほか,接種の際の実施主体,費用負担のあり方,集団接種についても検討すべきと指摘.さらに,ワクチンの返品問題に関しては,「返品も含めた在庫問題の解決に向けて,早急に最大限努力すべきである」との文言が盛り込まれた.
 特別ゲストとして,第四回会議から出席した保坂シゲリ常任理事は,今回の報告書取りまとめを受けて,次のような考えを示した.
 「会議には途中から参加させていただいたが,議論のなかでは,今回の新型インフルエンザの診療,ワクチン接種は現場の医師や従事者の高い職業倫理に基づく犠牲的行動に支えられたものであったこと,さらには医師会の果たした役割の重要性を強調するとともに,国は今回の対応が不完全であったことを謝罪し,医療関係者に対して,深い謝意を表すべきであると主張してきた.
 その結果,報告書には,医師会の役割の重要性が随所に明記されるとともに,『はじめに』の部分には,死亡率を低く抑えられた理由として,『医療水準の高さと医療従事者の献身的な努力』『国民一人一人の努力と病院,診療所,薬局などで働く医療従事者など現場の努力の賜と考えられる』との文言が盛り込まれたことは高く評価したいと考えている.
 ワクチンの返品の問題については,全国の医師会から,その改善を求める要望をいただいている.この問題の解決なしには次に進むことは出来ないと考えており,会議のなかでも強く主張したほか,五月二十一日には民主党幹事長および同党議員政策研究会予防接種法小委員会に,新型インフルエンザワクチンの医療機関在庫の返品の実現を強く求めてきたところである.
 今回の報告書には,『返品も含めた在庫問題の解決に向けて,早急に最大限努力すべきである』との文言が盛り込まれており,このことは改善に向けた一つの大きな前進と考えている.今後も,引き続き,厚労省などに対して,その解決に向けた働き掛けを行っていきたい」
 なお,報告書の全文は厚労省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/info_local.html)で閲覧可能となっている.

■ 新型インフルエンザの非常事態終結を正式に宣言 メキシコ保健相

(共同通信社)

 メキシコのコルドバ保健相は29日、昨年4月23日にメキシコで初の感染者が見つかった新型インフルエンザによる非常事態の終結を正式に宣言、政府の警戒態勢を解除したと述べた。
 同相によると、昨年10月には同国のインフルエンザ患者の90%が新型インフルに感染していたが、今年5月には新型インフル感染率は10%まで激減し、6月に入ってから死者は1人も出ていない。
 しかし新型インフルのため世界200カ国以上で約1万7800人が死亡し、メキシコでも7万2546人の感染者のうち1289人が死亡した。同相は、政府の警戒態勢は撤回したが、今後も感染情報のモニターを続けると述べた。
 メキシコでは新型インフルのため特に観光産業や小売業が大きな影響を受け、直接被害額だけで45億ペソ(約3200億円)に達すると推定されている。

(院長のつぶやき)「世界中では3秒に1人の子どもが命を落としている」とワクチン募金のキャンペーン・コピーにあります。どちらのインパクトが大なのか・・・。

6月30日:国内死者200人

■ 新型インフル:入院の幼児死亡 国内死者200人に

(毎日新聞)

 厚生労働省は30日、新型インフルエンザに感染し、医療機関に入院していた幼児1人が27日までに死亡し、09年8月以降の国内の新型インフルエンザの死者が200人に達したと発表した。
 厚労省によると今回の新型インフルエンザは、ほぼ全年齢にわたって死者が出ており、40代が最多で32人、▽50代31人、▽60代25人--の順となっている。新型インフルエンザは09年8月に流行入りし、同11月をピークに沈静化している。

■ カンボジア:フン・セン首相、新型インフルに感染

(毎日新聞)

 カンボジア保健省は6月29日、フン・セン首相が新型インフルエンザに感染したと発表した。首相は25日の閣議後、体調不良を訴えて検査を受け感染が確認された。さらに閣議に出席していた閣僚や政府関係者の検査を実施したところ、ジム・チャイリー副首相ら5人の感染もわかった。感染経路などは不明。
 首相は治療を受け、既に回復したという。AFP通信によると、カンボジアではこれまでに591人の新型インフルエンザ感染が確認され、うち6人が死亡している。

6月29日

■ インフルワクチン214億円分を廃棄 輸入解約で273億円節約

(産経新聞)

 海外2社と購入契約を結んでいた新型インフルエンザワクチンについて、厚生労働省は28日、スイスのノバルティス社から当初、輸入予定だったうち未納入の約3割を解約することで合意した。グラクソ・スミスクライン社(GSK、英)とも3月に輸入予定の約3割の解約で合意。厚労省は当初、2社から計9900万回分(1126億円)の輸入契約を結んでいたが、解約により計273億円を節約できたとしている。一方、使われないまま使用期限の切れるノバルティス社の1662万回分(214億円)は廃棄される
 新型インフルエンザの流行は終息し、輸入ワクチンはほとんど使われなかったため、厚労省は2社と一部解約の交渉を行っていた。
 厚労省によると、ノバルティスと購入契約の解約に合意したのは当初予定の33・5%にあたる838万回分で、違約金は約92億円。
 使用期限が1年半あるGSK社の5032万回分(547億円)については、秋以降の流行に向けて備蓄する方針だが、新たな国産ワクチンも出てくるため、使われない可能性が高い。ノバルティス社の廃棄分と違約金を加えると、余剰となった輸入ワクチンへの支出額は853億円。

■ 新型インフルと鳥インフル、抗体使い治療効果 東大など実験

(日本経済新聞)

 東京大の河岡義裕教授らと米バイオベンチャー企業などのチームは、インフルエンザの新たな治療物質を開発した。ウイルスのたんぱく質にくっつく「抗体」で、致死率の高い高病原性鳥インフルエンザと昨年流行した新型インフルエンザの両ウイルスで治療効果があることを動物実験で確認した。今後、ヒトの臨床試験を実施して実用化を目指す。
 米ジョンズホプキンス大などとの共同研究で、米科学アカデミー紀要(電子版)に29日掲載される。
 国際チームは、インフルエンザウイルスの表面にあるたんぱく質「M2」に着目。M2に結合する抗体を米バイオベンチャーのテラクローン・サイエンス社(ワシントン州)が合成した。
 この抗体を高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染したマウスに注射。何もしなければ2週間で大半が死んだが、抗体を注射したマウスは8割が生き延びた。豚から広がり昨年流行した新型インフルエンザウイルス(H1N1型)に感染したマウスは、何もしないとほとんどが1週間で死んだが、抗体を注射すると6割が2週間以上生き延びた。
 インフルエンザの治療には体内でウイルスの増殖を抑える「タミフル」などの治療薬を使うが、効かなくなる「耐性」の問題がある。M2は、どのようなインフルエンザウイルスでも共通で変異しにくいので耐性が出にくいとみられ、新たな治療の選択肢として期待される。

【話の肖像画】アウトブレイクを追え(上)WHO医務官・進藤奈邦子

(産経新聞)

 ■新型の第2波やってくる

 この地球上で起きる感染症のアウトブレイク(集団感染)をいち早くキャッチして分析し、防疫や治療の方法をスイス・ジュネーブのWHO(世界保健機関)本部から世界に発信する。ときには現場に駆けつけ、命がけでキラーウイルスの封じ込めに全力を尽くす。世界をまたにかけて活躍するWHO医務官の進藤奈邦子さん。厚生労働省の会議に出席するため一時帰国した彼女を取材した。(文 木村良一)
                   ◇

 --個人的見解で結構ですから豚由来の新型インフルエンザウイルス(H1N1)の今後の流行について教えて下さい

進藤 免疫(抵抗力)があれば、それが働いて重症化を防いだり、発症を抑えてくれる。しかし、新型には世界の人口の2割しか感染していない。つまり8割の人が免疫を持っていないことになる。これを考えると、流行の第2波、第3波があり、多くの人が感染して重症患者も多く出る。
 《新型インフルエンザは昨年4月にメキシコでそのアウトブレイクが起きた後、瞬く間に世界中に広がり、2カ月後の6月にはWHOがフェーズ6を宣言するパンデミック(世界的大流行)を引き起こした。毒性は弱かったが、適切な治療を受けないと、ウイルス性肺炎などで若くて健康な人も重症化した。死者数は世界で約2万人。日本では昨年の5月16日に神戸市内で最初の患者が確認された後、11月下旬にピークを迎えたが、今年3月には沈静化した。日本での死者数は199人と大幅に少なかった

 --日本の第2波はいつ来ますか

進藤
南半球での流行がいつ始まるかを注意しているが、まだ大きな流行はないようだ。このままだと、南半球では季節性インフルエンザと同じ冬場の7月、8月に流行する可能性が高い。そうなると、日本などの北半球でも年末の冬場に第2波、第3波がやってくる。冬場だと、被害が大きくなる

 --新型の発生で出張中のエジプトから急遽(きゅうきょ)、呼び戻された

進藤 そう。エジプトで鳥インフルエンザウイルス(H5N1)が流行し、エジプト政府の求めで調査に出かけていた。そしたら4月24日の午前1時半ごろ、ケイジ・フクダさんから「メキシコでたくさんの人が死んでいる。事態は深刻だ」と携帯電話に連絡が入った。

 --ケイジ・フクダさんといえば、WHOのスポークスマンの事務局長補代理(現・事務局長特別顧問)としてテレビによく出てました。どんな人物ですか

進藤 彼は両親とも日本人で小学校6年生ぐらいまで日本で暮らしていた。アメリカで臨床医になり、公衆衛生や疫学を学んでCDC(米疾病対策センター)に入り、その後、WHO職員になった。周囲からは「ミスター禅(ぜん)」と呼ばれ、平常心を失わない人のように見られているけど、私には「ニッキー」と愛称で呼んでよく怒る(笑い)。

 --鳥インフルエンザの方は

進藤 鳥の間で蔓延(まんえん)しているので今後も人に感染する危険はある。
 《WHOによれば、鳥インフルエンザウイルスは2003(平成15)年以降インドネシア、ベトナム、中国などで計約500人に感染し、うち300人近くが死亡している。致死率は60%と高い

 --まだ鳥のウイルスですが、人のウイルスになる可能性は

進藤 インフルエンザウイルスは突然変異を繰り返すのでその可能性はある。

 --インフルエンザに限らず、エボラ出血熱のような感染者の多くが命を失う感染症が発生すると、飛んでいくわけでしょ。怖くないのですか

進藤 その感染症の正体を早く確認したいという気持ちが強いので、怖いとは思わない。現場で患者さんを診なければならない医師や看護師が混乱しているので、彼らを早く助けてあげたいと思う。

 --医療従事者が感染することもありますか

進藤 05年にアフリカ・アンゴラ共和国で起きたマールブルグ出血熱の集団感染で現地に行ったが、あのときは医師や看護師が感染して倒れ、病院が重症患者と遺体だけになってしまった。

 --WHOの職員が亡くなることも

進藤 03年に発生した新型肺炎のSARS(重症急性呼吸器症候群)のとき、ベトナムでイタリア人の同僚が感染して亡くなった。彼が携帯電話で「ベトナムにはもう治療に使う人工呼吸器がない。僕は怖い」と連絡してきたのを覚えている。あの時点ではSARSはまだ病原体の正体が分からない未知の疾病でした。

【話の肖像画】アウトブレイクを追え(中)WHO医務官・進藤奈邦子

管理職になって学習曲線上がる
 --アウトブレイク(感染症の集団感染)の現場から一歩退いて昨年4月からは、管理職に昇進されたと聞きました

 進藤 はい。中間管理職。これまでに培ったネットワークや現場に派遣した部下から情報を集めていく。そうすると、感染の規模や治療の方法などさまざまな情報が私のところに上がってくる。それらをもとに対策を練る。

 --管理職を打診され、信頼するWHO(世界保健機関)事務局長特別顧問のケイジ・フクダさんに相談したそうですね

 進藤 私が「マネジメントを勉強したわけではないし、医師というテクニカルスタッフとしてWHOに派遣された」と話すと、彼は「僕が初めて管理職になったときは学習曲線が急上昇した。それぐらいマネジメントの仕事はすごい。やるべきだ」とアドバイスしてくれた。

 --実際、学習曲線は上がりましたか

 進藤 たぶん(笑い)。それにいまの直属のボスのマネジメントスタイルがとても勉強になる。

 --どういうところが

 進藤 ボスはフランス人女性だけど、彼女はまずテクニカルな細部にこだわらない。仕事のできない部下をいじめたり、仕事を与えないで干したりもしない。

 --WHOのような国際組織でもそんないじめがあるのですか

 進藤 ありますよ。しかし、彼女は部下たちが何ができるかを探して与えるのがすごくうまい。それに私たちテクニカルスタッフをポリティカルなことから外してくれる。だから仕事がとてもしやすい。

 --そのボスから学んだことを実行して成果を挙げている

 進藤 いまのところいい感じ。とくに若くて意識の高い人が良い仕事をしてくれる。おもしろいのは(アウトブレイク対応などの)注目度の高い仕事をしていると、医師とか研究者とか世界中から優秀な人材が集まってくる。彼らを育てられるし、彼らの影響を受けてチームも活性化する。

【話の肖像画】アウトブレイクを追え(下)WHO医務官・進藤奈邦子

 ■「お姉ちゃん、お医者さんになって」
 --弟さんの言葉で医者になったそうですね

 進藤 弟は悪性脳腫瘍(しゅよう)で入院していた。その弟が「お姉ちゃん、お医者さんになってほしい」と言った。高校2年の秋で進路を決める時期でしたが、それまで医師という職業について考えたこともなかった。弟は放射線や抗がん剤の副作用で髪の毛が抜けたり、吐いたりしていたから医者や病院が嫌いだと思っていた。だから「どうして」と聞いた。

 --弟さんは何と答えたのですか

 進藤 「お医者さんが回診で『つらい治療や検査によく耐えた。こんなにがんばったのだからあした目が覚めたらきっと良くなっている』と励ましてくれるから僕は夜眠れるんだ」と言ってました。私が「勉強すればあなたが医者になれるわ」と話すと、「僕はなれないよ。だって僕はもう死ぬんだもの」と答えていた。弟はその2日後、植物状態となり、11カ月後に15歳で亡くなった。あれが弟との最後の会話だった。

 --もともとシティープランニング(都市計画)の仕事がやりたかった

 進藤 はい。だから早大の建築学科を受験した。合格したけど、弟を思うと納得できなかった。それで1年浪人して慈恵医大に入学した。

 --弟さんの病気から脳外科に進んだわけですが、そこで挫折する?

 進藤 脳外科医の仕事は体力的に続かなかったし、しかも女人禁制の男の世界でした。手術後は患者さんから目を離せないから3日間まともに眠ることもできない。救急に外傷の重症患者が運ばれてくると、緊急手術に入らねばならないし、いつもフル稼働でした。女医だからと、同僚医師からセクハラも受けた。

 --日本の国立感染症研究所からジュネーブのWHO(世界保健機関)本部に派遣されてからも2人のお子さんを育てながら仕事をしている。いまもハードですよ。

 進藤 それでも睡眠時間は4、5時間はとれる。新型インフルエンザの最盛期のときは3時間の睡眠でした。

 --アウトブレイク(感染症の集団感染)を封じ込める仕事は天職ですね

 進藤 一瞬で自分のすべてを出し切る緊張感がいい。いまは現場より本部での仕事が中心ですが、築き上げたネットワークを使うと、情報がすごい勢いで集まってくる。それを分析し、瞬時に判断して対応する。たとえていえば、私の仕事場は公衆衛生の救急室。達成感も素晴らしい。

6月27日

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.106

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 6月20日時点で、WHOには、214ヶ国と地域で確定患者と、合18209名以上の死亡者の報告があがっている。WHOは、その地域事務局や加盟国と頻繁に協議、あるいは、複数のデータを監視することで、パンデミックの進展状況を注意深く追跡している。

2) 世界的に、パンデミック、季節性インフルエンザ活動は、低い状態である。 熱帯地域の一部、特にカリブ海諸国、アフリカ西部と南アジア、東南アジアであるが、パンデミックインフルエンザウイルス活発な伝播が残っている。南半球の温帯地域の国が冬期の初期入っており、パンデミック、季節性インフルエンザウイルスが、散発的に検知されている。
季節性B型インフルエンザウイルスの世界的な流行は、かなり低下しており、東アジア、アフリカ中央部、中央アメリカの一部で低いレベルで残っている。過去1ケ月季節性インフルエンザウイルスH3N2は、アフリカ東部と南アメリカの一部で低いレベルで検知されている。

3) 南半球の温帯地域の多くの国(チリ、アルゼンチン、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド)では、2010年6月の最初の2週間パンデミックインフルエンザウイルスと季節性インフルエンザが散発的に検知されている。人口あたりの呼吸器疾患の全体としてのレベルは、低い。チリでは、6月の第2週、インフルエンザに陽性反応を示した検対は約1%であった(大部分は、パンデミックインフルエンザウイルス)。アルゼンチンでは、2010年6月の上順に、季節性B型インフルエンザウイルスが少数検知された。チリとアルゼンチンでは、RSウイルスが循環呼吸器疾患ウイルスでは支配的である。南アフリカでは、季節性インフルエンザウイルスH3N2と季節性B型ウイルスが非常に低い数字だが検知されている。オーストラリア、ニュージーランドでは、インフルエンザ様疾患のレベルは、最近の通常年度のレベルよりも低く、2010年6月の前半では、季節性、もしくはパンデミックインフルエンザウイルスは、散発的にしか検知されていない。

4) アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスが最も活発に伝播している地域は、インドの南部、バングラディッシュ、シンガポール、マレーシアの一部である。インドでは、パンデミックインフルエンザウイルス活動が、インド南部の州ケララで最近増加しているとの報告があり、重症患者、死亡者も少数報告されている。特に妊婦に見られる。コミュニティー内での疾患程度が、現在評価されている。バングラティッシュでは、2010年6月初旬に、季節性B型インフルエンザウイルスがパンデミックインフルエンザウイルスと同時循環が低いレベルで継続している。タイでは、限られたデータではあるが、季節性インフルエンザウイルスがパンデミックインフルエンザウイルスが低いレベルで同時循環が継続している。 シンガポールでは、2010年6月の第3週に、急性呼吸器疾患(ARI)のレベルは、警戒水準より低く、インフルエンザ様疾患者の呼吸器疾患検体でパンデミックインフルエンザウイルスに陽性を示した割合は、28%から19%に低下した。マレーシアでは限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスの循環が低いレベルが継続しており、全体としてパンデミックインフルエンザ活動は6月にかけて減少した。東アジアでは、パンデミックインフルエンザと季節性インフルエンザの活動が非常に低いから散発的に変化した。 中国と日本では、インフルエンザ様疾患レベルは、夏季期間の平年レベルかそれよりも低いままである。季節性B型インフルエンザウイルスは、中国、香港、台湾で、低く、減少がつづくレベルで循環している。

5) 南北アメリカの熱帯地域では、パンデミックインフルエンザウイルスと季節性インフルエンザウイルスのパンデミックインフルエンザ活動は、全体として、非常に低いが、キューバとコロンビアは例外で、パンデミックインフルエンザウイルスが、低いレベルである(2010年6月上旬の、両国の呼吸器疾患検体が、パンデミックインフルエンザに陽性反応を約8%示した)。キューバではパンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、活発であるが、4月中旬から5月中旬にピークを着けた後大きく低下した。過去4週間で、死亡者の報告はない。コロンビアでは、2010年5月下旬から、パンデミックインフルエンザウイルスの低いレベルの循環が若干上昇している。しかし、人口に占める呼吸器疾患レベルは、2010年6月中旬は、低いから中程度と報告されている。この地域のいくつかの国では、季節性インフルエンザが最近順間していると報告されているベネズエラでは、2010年5月にA型、ボリビアでは2010年3月から5月にB型、エルサルバドルでは、5月下旬から6月上旬にかけてである。RSウイルスを含めて他の呼吸器疾患ウイルスの同時循環が、ばらつきがあるが、以前継続していることが、この地域では報告されている。

6) サハラ以南のアフリカでは、パンデミックインフルエンザウイルスと季節性インフルエンザウイルスの活動は、いくつかの国に限定されている。アフリカの西部のガーナでは、パンデミックインフルエンザウイルスが、2010年4月上旬にピークに達してから長く、活発な活動が継続している。2010年6月の2週間で、呼吸器疾患検体のうちパンデミックインフルエンザウイルスに陽性を示した比率が、16%から23%に増加している。季節性B型インフルエンザウイルスは、アフリカの中央部と南部の一部で循環が継続している。特筆すべきはカメルーンである。過去の報告にあるように季節性インフルエンザH3N2ウイルスが、アフリカでは検知されており、特にアフリカ東部でみられる。ほとんどの検知は、2010年6月の第二週には、ガーナ、ケニア、南アフリカであった。この地域で季節性インフルエンザH3N2ウイルスが残っていることは、かなりの確率でコミュニティーレベルでのウイルスが継続的に伝播していることを示している。

7) 全体として、北半球の温帯地域(北アメリカと欧州)では、パンデミックインフルエンザウイルスと季節性インフルエンザウイルスが、過去の月、非常に低いレベルで散発的に検知されている。

6月26日

■ 新型インフル・パンデミックの機内伝播リスク、感染者席2列以内で3.5%

(CareNet)

 2009新型(A/H1N1)インフルエンザ・パンデミックに関して、WHOが非常事態を宣言したのは2009年4月25日だった。同日、ニュージーランドの開業医から、3週間のメキシコ旅行を終え米国ロサンジェルスから6時間前に帰国した高校生グループに、インフルエンザ様症状を認めたことが報告された。フライト中12人が症状を申告、後に9人が新型インフルだったことが特定された。旅客機内での感染伝播リスクは示唆されるが、機内でのインフルエンザ感染拡大が特定された例はこれまで3件しかなく、本件はそのうちの貴重な一つ。この事例を対象に、ニュージーランドのオタゴ大学公衆衛生学部門のMichael G Baker氏らは、旅客機内での感染伝播リスクと、着陸後の乗客に対するスクリーニングおよび追跡調査の効果について調査を行った。BMJ誌2010年6月12日号(オンライン版2010年5月21日号)掲載より。

◇ 感染者がいた後部座席搭乗者の、到着後3.2日以内の罹患状況を追跡

 Baker氏らは、乗客に対し行われる健康調査票と、症状を呈した乗客への追跡検査の結果を利用し後ろ向きコホート研究を行った。
 対象としたのは、ニュージーランド、オークランドの国際空港に、2009年4月25日に到着したボーイング747-400機(定員379名)の後部座席搭乗者(定員128名)で、高校生グループ24人(学生22人、教師2人)と、周辺座席の搭乗者102人(うち74人はニュージーランド居住者、19人は外国人観光者、9人は乗継)のうちインタビュー調査に応じてくれた97人(95%)について検討された。
 主要評価項目は、到着後3.2日以内に新型インフル罹患が検査確認された搭乗者で、感染感度および特異度、またコンタクト追跡の完遂度およびタイムリーさについても調べられた。

◇ せき単独症状の感染感度92.3%と非常に高かった

 高校生グループでフライト中に症状を訴え、後に新型インフルと検査確定されたのは9人だった。
 その他の乗客のうち、到着後に新型インフルを発生した人は5人いたが、機内感染拡大例と検査確定されたのは12時間後に症状を発症した1人と、48時間後に症状を発症した1人の計2人だった。この2人は、フライト中以外の感染が考えられなかった。
 またこの2人の座席は、機内で罹患していたことが検査確定された乗客の座席から2列以内の範囲にあった。同範囲内の乗客は57人いて、感染リスクは3.5%(95%信頼区間:0.6~11.1%)と推計された。なお、後部座席全体での同リスクは1.9%(同:0.3~6.0%)と推計された。
 感染感度は、「せき」単独症状が非常に高く(症状を訴えなかったのは1例のみ)92.3%だった。その他の発熱、咽頭痛、鼻水などは30%台と低かった。また複数症状でのインフルエンザ様症状定義づけの感度は相対的に低く、米国版を用いた感度は38.5%、ニュージーランド版は米国版よりは高かったが61.5%だった。
 公衆衛生従事者による追跡精密検査が行われたのは93%だった。到着後72時間以内でコンタクトが取れたのは、52%にすぎなかった。
 以上からBaker氏は、「現代の商業飛行には、低いながらも確実に新型インフルエンザ・パンデミックの伝播リスクが、感染者の近くに集中し存在する。また曝露搭乗者の追跡調査、スクリーニングは、彼らがいったん空港を立ち去ってしまうと緩徐で困難であることが明らかになった」とまとめている。 

6月24日

■ 防衛大で40人、新型インフルエンザ集団感染

(読売新聞)

 神奈川県横須賀市は23日、防衛大学校(同市走水)で新型インフルエンザの集団感染が発生したと発表した。
 22日午後5時までの患者数は防大生39人と教官1人の計40人。重症者はいない。
 市保健所によると、防衛大学校の医務室から今月18日、発熱した学生を検査したところ、新型インフルエンザの患者5人を確認したとの連絡があった。
 同大は患者を隔離し、患者との濃厚接触者らについても外出自粛などの措置を取っている。

■ インフルワクチンの製造株を決定

(キャリアブレイン )

 厚生労働省は6月23日、今年冬の流行に向けて製造する3価インフルエンザワクチンの株を決定した。新型が「A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm高増殖株X-179A」、A香港型が「A/ビクトリア/210/2009(H3N2)高増殖株X-187」、B型が「B/ブリスベン/60/2008」で、いずれも国立感染症研究所の推奨通り。近くメーカーに決定通知を発出する。
 同日の厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会で、同省の担当者が説明した。
 それによると、このうちA香港型の株は、ワクチン株をフェレットに感染させて得られた血清中の抗体と流行が予測される株との交叉反応性試験で、流行株に対する効果が十分でない可能性が示唆された。ただ、この試験は時間的な制約のため、例年は行われていない。またWHO(世界保健機関)は、インフルエンザワクチン株の評価方法に「動物の血清を用いた免疫試験」を加える必要があるかどうか検討しており、この試験の評価は定まっていない。
 過去には「動物の血清を用いた交叉反応試験」で有効性が懸念されたワクチンが、人に対しては有効だったとの報告がある。また、米国、欧州でも日本と同じ株を使用するという。
 厚労省では、諸外国の評価・対応について情報収集する。また、ワクチンの有効性に関する臨床研究の実施について、その必要性も含めて今後検討する。

6月23日

■ インフルエンザウイルスの家庭内感染率やウイルス排出パターン、新型も季節性も類似

(CareNet)

 家族がインフルエンザに感染し発症した場合、同居する家族への感染率やウイルス排出のパターンは、H1N1(新型)も季節性も類似していることが明らかにされた。香港大学Li Ka Shing医学公衆衛生校感染症疫学のBenjamin J. Cowling氏らが、約100人の患者とその同居する家族を対象に調べたもので、NEJM誌2010年6月10日号で発表した。

患者と同居する家族300人弱のスワブについて、RT-PCR法とウイルス培養

 研究グループは、2009年7~8月にかけて、香港の14ヵ所の外来診療所を訪れた、急性気道疾患の患者348人のうち、インフルエンザ迅速診断キット「QuickVue」でA型ウイルスが確認された99人と、その同居する家族について調査を行った。発症後7日以内に3回訪問し、患者と同居する家族全員の鼻腔・咽頭スワブを採取し、定量的逆転写RT-PCR法とウイルス培養を行い、ウイルス排出や感染の有無を調べた。
 同居する家族の数は、新型インフルエンザが130人、季節性が154人だった。なお、QuickVue検査の感受性は、新型インフルエンザが80%、季節性インフルエンザが77%だった。

新型と季節性、家族への二次感染までの日数も同等

 その結果、RT-PCR法でインフルエンザウイルスへの二次感染が認められた同居する家族の割合は、新型インフルエンザが8%(95%信頼区間:3~14)で、季節性インフルエンザが9%(同:5~15)と、同等だった。
 また、患者から家族への二次感染までの日数は、新型が3.2日(95%信頼区間:2.4~4.0)、季節性が3.4日(同:2.7~4.1)と同等だった。さらに、ウイルス排出は発症後5~7日後に終息するなど、パターンも類似していた。気道症状はまた、いずれも発症後10日まで持続した。
 なお、サブグループとして、試験開始時と回復時に血清検査を行い、RT-PCR法で感染が確認された家族19人のうち、新型に感染した11人の36%、季節性に感染した8人の50%で、ウイルス排出が認められなかった。

(院長のつぶやき)6/17に取り上げた記事の詳細版です。

■ オセルタミビル予防的投与と集団隔離は、新型インフル感染封じ込めに有効だったか

(CareNet)

 2009年6月22日から6月25日にかけて、シンガポール軍キャンプ内で新型インフルエンザ(H1N1ウイルス)による4つの集団感染が発生した。防衛省バイオ防御センターのVernon J. Lee氏らは、このケースでオセルタミビル(商品名:タミフル)投与(1日1回75mg)による包囲予防薬物療法(ring chemoprophylaxis)を試み、その有効性を検証した。NEJM誌2010年6月10日号掲載より。

感染者を隔離、感染者が出た部隊全員に予防投与

 試験では、感染が疑われた全隊員が検査を受け、感染が確認された隊員は入院隔離とした。そのうえで、ウイルスが拡散しないよう、オセルタミビルによる包囲予防薬物療法を施した。なお、部隊単位での隔離(感染者が出た部隊は他の部隊と接触しないよう隔離)も行われた。
 全隊員は毎週3回、ウイルス学的感染症有無のスクリーニング(鼻腔・咽頭スワブを採取し、定量的逆転写RT-PCR法と塩基配列決定法による)と、質問票による臨床症状評価のスクリーニングを受けた。
 4集団で、感染の危険に曝されていた隊員は計1,175人。1,100人がオセルタミビルによる予防投与を受けた。

介入後は感染率が有意に低下

 介入前に感染していた隊員は75人(6.4%)だったが、介入後の感染は7人(0.6%)だった。
 全体の再生産数(1人の感染者が生産する2次感染者数)は、介入前の1.91(95%信頼区間:1.50~2.36)に対し、介入後は0.11(95%信頼区間0.05~0.20)と有意に減少した。
 4集団のうち3集団は、介入後の感染率が有意に減少した。分子疫学的解析の結果、この集団感染は4例ともニューヨーク由来のA/ニューヨーク/18/2009(H1N1)型ウイルスによるもので、感染各事例は集団内感染によるもので、無関係な事例からの感染ではないことが明らかにされた。
 オセルタミビルの投与を受けた隊員816例を調べたところ、63例(7.7%)で軽度の非呼吸器系の副作用が報告されたが、重度の有害事象はみられなかった。
 研究グループは、オセルタミビルの包囲予防薬物療法と、感染者(隊員)の迅速な同定と隔離は、セミ・クローズドな環境での新型インフル集団感染の封じ込めに有効だったと報告している。

(院長のつぶやき)臨床的有効性と薬剤耐性化のバランスで評価されるべき事象です。

6月21日

■ 武田がインフルワクチン復活へ 「鳥由来」含め研究

(朝日新聞)

 国内製薬最大手の武田薬品工業は19日、昨年の新型インフルエンザの世界的流行を受け、インフルワクチン事業の復活を検討していることを明らかにした。1994年に一度撤退したが、国内の生産能力不足や海外ワクチン市場の拡大を受けて判断した。第一三共も参入を表明しており、中小メーカーに頼ってきた環境が変わりそうだ。
 山口県光市の自社工場に近く実験設備を設置し、昨年の豚由来のインフル流行の前から懸念されてきた強毒性の鳥インフルを含めた研究を始める。
 政府は2013年度をめどに、半年で国民全員分のワクチンが国内製造できる体制の確立を目指している。武田もこうした枠組みの補助金を活用しつつ、数年内に本格生産を始める意向だ。第一三共も提携先の北里研究所(東京都)のインフルワクチン生産に協力、強化するなどの形で参入を検討している。
 インフルワクチン生産は予防接種が任意化し、需要が減ったために90年代半ば以降に武田などが撤退。現在の国内インフルワクチンメーカーは北里や阪大微生物病研究会(大阪府)など4機関のみで、小規模で国の計画に沿った生産しかしておらず、昨年の大流行時には用意したワクチンの6割を輸入に頼った。

■ 計画的なワクチン政策を 宇都宮で新型インフルシンポ

(下野新聞)

 発生から1年が過ぎた新型インフルエンザの流行と対応を振り返るシンポジウム(県医学会主催)が20日、宇都宮市駒生町のとちぎ健康の森で開かれ、専門家、医師、行政の立場から教訓や課題などが示された。
 シンポには関係者ら約130人が出席。獨協医大医学部微生物学の増田道明教授、宇都宮市医師会の金子達理事、塩谷郡市医師会の植木雅人さん、厚生労働省医系技官の木村盛世さんが登壇した。
 供給不足や接種順など混乱を招いたワクチン問題に対して、増田教授は「製造方法の研究や需要と供給のバランスなど、計画的なワクチン政策を」と教訓に挙げ、疫学予想の難しさなども含め「より強毒な感染病原体に備える機会とすべき」と話した。また、金子理事らからは医師、専門家、行政の連携強化や情報の一元化・共有も課題として示された。
 一方、感染予防など公衆衛生意識が高まったことにも触れ、木村さんは「公衆衛生のインフラを整えるためにも、真の専門家チームを作る必要がある」と強調した。

6月20日:世界の死者18172人超

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.105

1) 感染状況 6月13日時点で、WHOには、214ヶ国と地域で確定患者と、合18172名以上の死亡者の報告があがっている。

2)状況は、先週以来大きな変化はない。 熱帯地域の限定された地域以外、特に中央アメリカやカリブ海諸国の一部と東南アジアと南アジアの一部だが、パンデミックインフルエンザウイルス活動は、全世界的に低い状態である。季節性B型インフルエンザウイルスは、アジア一帯で低いレベルで循環が継続しており、より低いレベルで、アフリカと南アメリカの一部で循環している。 最近、再発した季節性インフルエンザウイルスH3N2が、アフリカ東部で循環が継続している。
南半球の温帯地域の国が冬期に入ってきているので、インフルエンザ活動が散発的に検知されている。

3) 南北アメリカの熱帯地域では、パンデミックインフルエンザが低いあるいは減少した形での循環していることを、主としてコスタリカ(2010年初頭から)、キューバ(2010年5月末に最近では報告)でそれぞれ報告されている。キューバ、より低い程度でコスタリカで、パンデミックインフルエンザ活動が、少数の死亡例に関係している。コロンビアでは、2010年6月の第一週に、呼吸器疾患の増加傾向がパンデミックインフルエンザ活動の地域的な伝播と少数だが新たに死亡例と関係している。これは、おそらく、パンデミックインフルエンザウイルスの低いレベルだが増加する循環を反映しているように見える。この地域のそれ以外の国では、先月は、パンデミックインフルエンザウイルスが散発的に検知されたのみである。いくつかの国では、季節性インフルエンザが最近流行しているようで、季節性A型インフルエンザウイルスは2010年5月からベネズエラで、B型は、2010年3月からボリビアでみられる。本地域全体では、他の呼吸器疾患、特にRSウイルスは、かなりばらついたレベルで同時循環している。

4) アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスは、マレーシア、シンガポールで活発に継続して循環している。またより低いレベルで、インド、バングラディッシュ、ブータンの一部で。マレーシアでは限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が残っているが、減少が続いている。週ごとに報告されるあらたな感染者数は、2010年4月中旬に平衡状態になり、2010年5月末には、減少が始まった。シンガポールでは、2010年6月の第二週、急性呼吸器疾患(ARI)のレベルは、疫学的閾値より低いが警戒レベルであった。インフルエンザ様疾患者の呼吸器疾患検体でパンデミックインフルエンザウイルスに陽性を示した割合は、約28%であった。南アジアでは低いレベルでのパンデミックインフルエンザの循環が、インド西部(2010年当初から)、バングラディッシュ(2010年2月当初から)で残っている。インドにおいては、バングラディッシュではみられないが、2010年の間に地域的に低いレベルでの伝播が、少数の死亡例に関係している。バングラティッシュでは、季節性B型インフルエンザウイルスがパンデミックインフルエンザウイルスと同時循環しており、インドでも、最近になって再発生し、現在では、低いレベルではあるが、支配的なウイルスになっている。特筆すべいきことは、パンデミックインフルエンザウイルス活動が、インド南部の州ケララで、増加していると地元紙が報道していることで、さらなる情報が、近く得られることになる。ブータンでは、同国の3つの地域で、パンデミックインフルエンザウイルス感染が学校で発生したとの最近報告があるが、呼吸器疾患の程度は、全体としては、低いと報告されている。

5) サハラ以南のアフリカでは、パンデミックインフルエンザウイルスは、アフリカ東部と西部の一部の限定された地域で低いレベルで循環が継続している。
タンザニア、ガーナでは、2010年6月の第一週に、呼吸器疾患検体のうちパンデミックインフルエンザウイルスに陽性を示した比率が、10%、16%であった。2010年月下旬から、ケニアとタンザニアでは、季節性インフルエンザウイルスH3N2は、少ないがそれなりの感染が検知されている。

6) 北半球の温帯地域では、全体としてパンデミックインフルエンザウイルスは散発的に過去1ケ月検知されている。南半球の温帯地域では、チリとウルグアイの2ケ国が少数のパンデミックインフルエンザ感染者を報告している。他の呼吸器疾患、もっとも顕著なものはRSウイルスであるが、チリとアルゼンチンで循環していることが知られている。南アフリカでは、2010年6月の最初の2週間に、季節性インフルエンザウイルスH3N2と季節性B型ウイルスが検知されている。ニュージーランド、オーストラリアでは、インフルエンザ様疾患の全体的なレベルは低い。パンデミックインフルエンザウイルスと季節性インフルエンザが散発的にオーストラリアで最近報告されている。

6月18日

■ 新型インフルエンザの変異型を発見

(National Geographic News)

 昨年流行したH1N1新型インフルエンザウイルスがブタの体内に1年以上潜伏し、遺伝子レベルで大きな変化を遂げていたことが最新の研究で明らかになった。
 香港の食肉処理場でブタが保有するインフルエンザウイルスを分析したところ、2009年に世界的に大流行した致死性H1N1ウイルスの遺伝子断片を内包していたという。 新たに確認された「遺伝子混合」ウイルス(2010年型H1N1)は、幸いにも人類の脅威にはならないようだ。
 香港大学でインフルエンザを研究する、今回の研究共著者マリク・ペイリス氏はその理由について、「新種ウイルスの8つの遺伝子断片のうち、人間に感染した昨年のウイルスと共通する断片は1つしかなかった」とコメントしている。
 しかし今回の発見で生じた不安は拭いきれない。他の地域でも、2009年型H1N1ウイルスが動物を宿主として遺伝的変異を遂げている可能性があるからだ。「新ウイルスの1つが2009年型H1N1に酷似していれば、再び人類に襲いかかる可能性もある。香港だけの問題でないことは確かだ」とペイリス氏は危惧する。
 このため同氏は、人に感染する可能性がある新ウイルスを特定するためにも、世界的な豚の調査を拡充するよう提唱している。
「新発見のウイルスは大きな脅威ではなく、豚肉の流通を止める必要もない。しかし、同様の変異が香港以外でも起き、別のかたちで遺伝子が組み合わされれば、人類の健康が脅かされる可能性が出てくる」。
 この研究成果は「Science」誌6月18日号に掲載されている。

■ 新型インフル、さらに変異=豚の体内で、監視必要-香港大など

(時事通信)

 昨春登場した新型インフルエンザウイルスが豚に感染してさらに変異していることを、香港大などの研究チームが確認し、18日付の米科学誌サイエンスに発表した。今後、人に病原性の高いウイルスが生まれる可能性もあり、研究チームは豚インフルの監視を強める必要があるとしている。
 インフルエンザウイルスは動物種が異なると感染しにくいが、豚は人や鳥のウイルスにも感染するため、体内で遺伝子の組み換えが起き、新型の発生源になるとされる。
 研究チームは、昨年6月から今年2月の間に香港の豚から検出された32種類のインフルエンザウイルスの遺伝子を系統的に解析した。この結果、10種が新型、6種が従来の豚インフルだった。
 残り16種類は遺伝子が組み換わったタイプで、このうち今年1月に見つかったものは新型の遺伝子を持っていた。感染した豚には軽い症状が出た。
 豚には、致死率が高い高病原性のH5N1型鳥インフルエンザが感染した例もある。研究チームは、今回の新型は比較的病原性が低いが、豚の体内で遺伝子が組み換わり、有害なウイルスになる可能性があるとしている。

(院長のつぶやき)2件のニュースのソースは同じ。ブタの中でヒトとトリのインフルエンザが同時感染して遺伝子が混ざり合うことを医学用語で「交雑」と呼び、歴代の新型インフルエンザ(香港、ソ連、アジア)は皆このパターンでした。

■ 栄研化学 新型インフルエンザ検出試薬キットの製造販売承認

(NSJショートライブ)

 昨年12月15日に厚生労働省に申請したLAMP法による新型インフルエンザPandemic(H1N1)2009のウイルスを検出するインフルエンザウイルス検出試薬キットの製造販売承認を6月2日付けで取得したと発表。
 鼻空拭い液または咽頭拭い腋中のinfluenzaA(H1N1)pdm(新型インフルエンザウイルス)の検出を目的とした国内初の体外診断用医薬品となり、この試薬キットは7月中旬をメドに新発売するという。

(院長のつぶやき)他のニュースでは、商品名「ルーパンプ」と報道しています。

6月17日

■ 新型インフル1年「被害最小」と総括 〜新潟県

(朝日新聞)

 新潟県内で初めて新型インフルエンザの感染患者が確認されてから約1年が過ぎたのを受け、県はこれまでに実施してきた感染防止対策などを総括し、「健康被害を最小限にとどめる目的は達成できた」と評価した。一方、ワクチン不足によって、接種対象者の子どもたちに十分に行き渡らせることができなかった課題も残った。(大内奏)
   ◆
 県内で初めて感染患者が確認されたのは、昨年5月30日。県は当初、県人口の25%、約60万人が感染するという最悪の事態も想定して対策をとった。だが新型インフルが弱毒性だったため、今年3月末時点までの入院患者は計509人にとどまった。ただ、このうち42人が重症化し、うち4人が死亡した。
 県内の小中学校では、「クラスの子どもの1割が欠席したら学級閉鎖」という厳しい基準を設けた。保護者からは「感染の拡大を防げた」と評価する声があった一方、「何度も学級閉鎖になり、家庭への影響が大きかった」という指摘もあった。
 県民には、うがいと手洗いの徹底を呼びかけた。例年12月に流行するノロウイルスの発生が、前年に比べて約4分の1に抑えられる副次的な効果もあった。
 県は、こうした対策によって流行のピークを昨年11月中旬にまで延ばすことができ、ワクチン入荷など、医療機関での診療体制を整えることができたとみている。このため、喘息(ぜん・そく)や心不全など基礎疾患のある患者のワクチン接種率は90・2%と高率になり、県は「死者を4人に抑えられた大きな要因」としている。
 だが、ワクチン接種では課題も残った。ワクチン不足が12月中旬まで続き、優先接種対象者だった1歳~小学3年生の計約18万人のうち、接種できたのは約3割にとどまった。
 県は今後、11月までに強毒性のインフルエンザが流行することを視野に入れた対策マニュアルをまとめ、訓練を実施して実効性を検証する。

6月16日

■ パンデミック(H1N1)2009、季節性インフルエンザAと同様の経過、香港調査

文献:Cowling BJ et al. Comparative Epidemiology of Pandemic and Seasonal Influenza A in Households. NEJM. 2010;362:2175-2184
 2009年7-8月に急性呼吸器疾患で受診した発端患者348名とその家族を対象に、パンデミック(H1N1)2009および季節性インフルエンザAを疫学的・ウイルス学的に比較。両ウイルスで家族間二次感染率に差は見られず、発端患者のウイルス排出パターンおよび疾患の経過も同様だった。

(院長のつぶやき)新型インフルのインパクトは季節性と変わらなかった・・・肩すかしということでしょうか。やはり来るべき「強毒型鳥インフルエンザ」の実地訓練程度に考えておいた方が良さそう。

6月14日:世界の死者18156人超

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.104

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 6月6日時点で、WHOには、214ヶ国と地域で確定患者と、合18156名以上の死亡者の報告があがっている。

2) 熱帯地域の限定された地域、特に東南アジアとカリブ海諸国であるが、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は活発であるが、減少傾向にある。南半球の温帯地域の国が冬期のインフルエンザシーズンにはいってきているが、チリとウルグアイ以外では、インフルエンザ活動が散発的な発生が検知されるのみである。その両国では、少数のパンデミックインフルエンザウイルス感染が報告されている。季節性B型インフルエンザウイルスが、2010年2月下旬から、循環しているウイルスとして支配的なままであるが、季節性インフルエンザウイルスH3N2が、低いレベルであるが、増加が、特に南アメリカとアフリカ東部では、認められている。

3) 南北アメリカの熱帯地域では、パンデミックインフルエンザ活動は概して低い。季節性B型インフルエンザウイルス、H3N2は、南アメリカの熱帯地域では、活発に循環している。キューバでは特に、パンデミックインフルエンザの伝播が、減少傾向であるが、活発な状態が継続している。最近の週(2010年5月最終週)ではブラジルとベネズエラが、呼吸器疾患の増加傾向をともない、インフルエンザ活動が、地域的な広がりをもっていると報告している。ベネズエラでは、2010年5月上旬に始まったものだが、最近のインフルエンザ活動は、循環している季節性A型インフルエンザウイルスにほとんど起因している。ボリビアでは、季節性インフルエンザウイルス、B型が支配的だが、が、2010年の3月から5月にかけて観察され、現在は、弱くなっている。 

4) アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は低いままであるが、南アジアと東南アジアの熱帯地域一部、特に、シンガポールとマレーシアで、バングラディッシュは例外である。シンガポールでは、概して急性呼吸器疾患(ARI)のレベルは疫学的閾値より低く、インフルエンザ様疾患患者の呼吸器疾患検体でパンデミックインフルエンザウイルスに陽性を示した割合は、34%に若干上昇した。マレーシアでは限られたデータではあるが、2010年5月に平衡状態にあったが、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は下落し始めた。バングラディッシュでは、2010年3月からパンデミックインフルエンザウイルスと季節性B型インフルエンザウイルスは、安定して、継続的、低いレベルでの循環がある。パンデミックインフルエンザウイルスの散発的な検知は、他のアジアの地域で報告が続いている。東アジアでは、全般的にインフルエンザ活動は、低いが、
季節性B型インフルエンザウイルスは、低く減少傾向での循環が継続している。

5) サハラ以南のアフリカでは、パンデミックインフルエンザウイルスは、アフリカ西部一部の地域、特に、ガーナで特筆されるが、低いレベルで循環が継続している。
ガーナでは、直近の報告週で、呼吸器疾患検体の13%がパンデミックインフルエンザウイルスに陽性を示した。2010年5月下旬から、タンザニアとケニアでは、季節性インフルエンザウイルスH3N2は、少ないがそれなりの感染が検知されている。

6) 北半球、南半球の温帯地域では、全体としてパンデミックインフルエンザウイルスは散発的に過去1ケ月検知されている。南半球の温帯地域では、チリとウルグアイの2ケ国が少数のパンデミックインフルエンザ感染者を報告している。2010年5月の最終週に、チリでは、呼吸器疾患検体の3.4%がパンデミックインフルエンザウイルスに陽性を示した。特筆すべきは、ウルグアイでは、最近の週(2010年5月の最終週)、25検体のうち11検体(44%)が、パンデミックインフルエンザに陽性反応を示した。しかしながら、呼吸器疾患の程度をあらわす比率が不明なままである。他の呼吸器疾患、ほとんどがRSウイルスであるが、チリとアルゼンチンで循環していることが知られている。南アフリカでは、パンデミックインフルエンザウイルスは、検知されることはないニュージーランド、オーストラリアでは、インフルエンザ様疾患の全体的なレベルは低い。パンデミックインフルエンザウイルスと季節性インフルエンザが散発的にオーストラリアで報告されている。

(院長のつぶやき)サッカーのワールドカップ開催地である南アフリカでは麻疹が流行しており、日本代表選手達は皆、麻疹ワクチンを接種してから出発したそうです。

6月12日

新型インフル第2波は確実 妊娠女性らワクチン徹底を 「インタビュー」―世界保健機関(WHO)の進藤奈邦子医務官

(共同通信)

 世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)を宣言して11日で1年。WHOの進藤奈邦子(しんどう・なほこ)医務官に現状と課題を聞いた。

 -WHOは大流行は続行中というが一般の危機意識は大きく後退した。

 「昨年の今ごろは北半球で通常の季節性インフルエンザにはない大きな流行の波があった。ことしは今までのところそれが出ていない。南半球ではこれから流行期で、恐らく新型のH1N1が主流のウイルスになる」
 「われわれが十数カ国から集めたデータでは、発生以来、これまで20~30%の人が既に感染していると推定される。まだ7、8割は感染していないので(流行の)第2波、第3波は確実に来るだろう。特に妊婦や、心臓や肺の基礎疾患(持病)がある人はワクチン接種の徹底など注意が必要だ

 -欧州を中心に大流行宣言は誤りで騒ぎ過ぎという批判も根強い。

 「科学的にはH1N1が大流行であることは間違いない。その影響度という意味では、世界中が大流行の準備ができていた初のケースだったこともあり過去の大流行と比べるのは難しい。これまで直接確認できている死者は世界で1万8千人超にとどまるが、実際の死者数は(死亡統計から推計する)『超過死亡』の手法で評価しないと分からない。1918年のスペイン風邪ほどの影響はなかったが、50~60年代のアジア風邪、香港風邪と肩を並べるのではないか」
 「当初の発生の中心となった米国などでは騒ぎ過ぎという批判は少ないようだ。国によって危機管理に対する意識の違いも大きい。流行の当初はどこまで事態が悪化するか予想できない。結果論であり(早期の警報を怠ったと)逆の批判を受ける方がよほど深刻だ」

 -WHOは純粋に科学的な判断ができる立場にあるのか。

 「加盟国のための国際機関なので、各国当局の政策に悪影響のある判断は難しい。例えば最近の『最盛期』を越えた判断も難しかった。大半の国や地域は感染ピークを過ぎているが、アフリカなどではこれからワクチン接種を始めるという段階で、緊張感を緩めるような宣言は出しづらい」
 「昨年の大流行宣言も専門家としての判断では(実際より約1カ月早い)5月にはもう宣言するべきだと思っていたが、英国などでは感染封じ込めを懸命にやっていた。WHO首脳部は非常に悩んだと思う。国や地域ごとに状況が異なる中で、世界一律の判断をどう示すのか、今後の検討課題だ」

(院長のつぶやき)もう冬を迎える南半球でセカンドシーズンの流行があまり話題にならないのが不思議・不気味ですね。

6月11日

■ インフル患者報告ゼロ 〜群馬県

(読売新聞)

 群馬県内の1医療機関あたりのインフルエンザ患者報告数が、最新の5月31日~6月6日の週にゼロになったことがわかった。新型インフルエンザ患者が県内で確認された2009年6月下旬以来、初めて。報告数ゼロは08年10月27日~11月2日の週以来、約1年7か月ぶりとなる。
 県によると、09年は、新型インフルエンザの発生や、流行もあり、報告数がゼロになることは、年間を通してなかったという。
 県内では、09年11月16日~22日の週に、インフルエンザ患者数が42・80人でピークに達した。1人を下回った今年3月1~7日の週以降、報告数が減り、前回までの最近10週では0・01~0・15人で推移していた。

(院長のつぶやき)当院でもインフルの迅速検査を久しくやっていません。発熱+消化器症状の夏風邪が増えてきました。

■ 新型インフル5人感染で学級閉鎖  〜市川の高校、今年度県初

(千葉日報)

 千葉県は9日、市川市内の私立高校(生徒数1349人)で、1年生の女子生徒5人が新型とみられるインフルエンザに感染し、所属する1クラス(38人)が9~12日の3日間、学級閉鎖になったと発表した。県内の小中学校、高校で今年度、学級閉鎖は初めて。県疾病対策課は、流行を抑えるため、手洗い、うがいの徹底などを呼び掛けている。
 また、千葉市健康医療課によると、同市内の私立幼稚園(園児数186人)では先月20~21日、園児15人に新型インフルエンザの集団感染が発生し、閉園となっていた。

(院長のつぶやき)と思ったら、まだ散発しているのですねえ。気を引き締めないと。

■ 定義見直しが焦点=大流行宣言から1年

 (時事通信)

 世界保健機関(WHO)が、新型インフルエンザの世界的な大流行(パンデミック)の発生を宣言してから11日で1年。これまでのところ、感染者の症状が比較的軽いケースが多く、欧州の一部では「WHOの騒ぎ過ぎではないのか」などとの批判も出た。WHOは専門家による検証委員会で、新型インフルエンザ対策の見直し作業を進めており、症状の深刻度を含めた警戒水準の定義見直しが焦点となっている。
 WHOが5月30日時点で確認した全世界の新型インフルエンザによる死者数は累計1万8000人超。当初の懸念ほど深刻な被害が出ていないほか、感染の勢いが落ち着き始めたことから、チャン事務局長は今月初めに新型インフルエンザの警戒水準を判定する緊急委員会を招集。最終的に警戒水準は据え置いたものの、「(ウイルスの)最も活発な活動の時期は過ぎた」とし、感染が最盛期(ピーク)を越えたと事実上認定した。

(院長のつぶやき)WHOが仕切る初めてのパンデミックなので、過剰に反応するのは仕方がありません。もし、より重症で過小評価して対応が後手に回ったなら、今の10倍の非難を浴びることになるでしょうから。

■ インフル対策総括会議、医療機関の休業補償などを提言 〜厚労省は行動計画、ガイドラインの見直しへ

(日経メディカル)

 厚生労働省の新型インフルエンザ(A/H1N1)対策総括会議は6月8日、これまでの議論をまとめた報告書(案)を作成し、了承された。最終的な報告書は、今後の新型インフルエンザ対策に活用される見通しだ。
 報告書ではまず、新型インフルエンザ対策行動計画や新型インフルエンザ対策ガイドラインは高病原性鳥インフルエンザA/H5N1を念頭に置いていた、国内で突如大規模な集団発生が起きた場合の対応が十分に決まっていなかった、09年2月のガイドラインの改訂直後にパンデミックが起き、国や地方自治体での事前準備が調整が十分でなかったなど、新型インフルエンザへの準備不足や各種の制約があったことを指摘した。
 その上で、病原性に応じた対応ができるよう行動計画やガイドラインを見直し、国立感染症研究所や保健所、検疫所などの組織強化を図る必要性などについて言及。感染症法や予防接種法の見直しなども含め、新たに発生するインフルエンザに対して、国として十分かつ柔軟な対策が取れるような体制の構築を求めた。
 報告書では、体制や制度を見直すべき点や運用上の課題などを、広報やリスクコミュニケーション、水際対策、公衆衛生対策、サーベイランス、医療体制、ワクチンといった分野別に列挙。医療体制に関しては、地域の実情に合った医療提供体制のあり方を議論すべきだとした上で、国は医療機関の設備や院内感染対策のための財政支援を行う必要があり、医療機関の休業時の補償についても検討すべきなどと提言した。

(院長のつぶやき)で、将来鳥インフルエンザが発生した場合、やはり無意味な「空港検疫」はやるんでしょうか?

6月10日

■ WHOが新型インフル対策に関与した専門家の利益相反を開示せず

(日経メディカル)

 WHOのインフルエンザパンデミック(大流行)対策に深くかかわった複数の専門家が、インフルエンザの治療薬を製造する企業から研究費などを受け取っていたにもかかわらず、WHOは利益相反関係の開示を怠っている―。そんな特集記事を、英国医師会雑誌(BMJ)が6月3日に発表した(BMJ 2010; 340: c2912.)。
 記事のタイトルは、「利益相反:WHOとパンデミックインフルエンザの“陰謀”」。BMJと英国の非営利の報道機関であるThe Bureau of Investigative Journalismが共同で行った調査報道で、BMJ側の筆者であるデボラ・コーエン氏は、コクラン共同計画が行ったオセルタミビルに関するシステマティック・レビューで、対象となった試験の一部が企業主導のものであった問題を取材、執筆した(BMJ 2009; 339: b5387,参考記事)。
 記事によると、新型インフルエンザのパンデミックに関するWHOの最初の報告書(1999年)は、インフルエンザに関する欧州科学ワーキンググループ(European Scientific Working Group on Influenza;ESWG)と共同で作成されたものだった。だが、ESWGはRocheをはじめとする抗インフルエンザ薬の製造業者の資金で運営されていた。ESWGのメンバーのうちの2人の専門家は、Rocheからの研究費で実施されたオセルタミビルの有効性を支持するランダム化比較試験(Lancet 2000; 355: 1845-50.)に関与していたが、後に、その研究は企業側がゴーストライターを雇っていたことが判明した。
 また、2004年に発表された、パンデミック時の抗ウイルス薬およびワクチンの使用に関するWHOの報告書で、抗ウイルス薬のガイダンスを執筆した専門家は、当時、Rocheから講演料や顧問料を受け取っていた。同じ報告書で、ワクチンに関して執筆した別の専門家は、Roche、GlaxoSmithKline、ViroPharmaから研究費などを受け取っていた。しかし、WHOはこれらの利益相反関係を開示していなかった。
 さらに、WHOは09年、パンデミックに関して事務局長にアドバイスをする緊急委員会(Emergency Committee)が設置したが、その人選は議長を除いて明らかにされていない。
 WHOのインフルエンザパンデミック対策に関して、欧州では以前から、その妥当性を批判する意見がある。欧州評議会の議員会議(Parliamentary Assembly of the Council of Europe: PACE)の社会・健康・家族問題委員会(Social Health and Family Affairs Committee)は6月4日、「H1N1パンデミックのハンドリング:さらなる透明性が必要」と題する報告書の暫定バージョンを公表した。この暫定バージョンは、「WHOのパンデミックへの対応は大げさで、各国が多額の公的資金を浪費する結果となり、しかも関与した専門家の利益相反に関して透明性に欠ける」と指摘している。この問題については、6月下旬に開かれるPACEのプレナリーセッションで討議される予定になっている。

(院長のつぶやき)悲しいけど、パンデミックでお金儲けをしようと企む輩もいるのですね。まあ、戦争(殺し合い)でお金儲けをしてのし上がる人もいるわけですし・・・。

6月9日

■ 新型インフルエンザ対策で総括「目標達成」

(日本テレビ)

 政府の新型インフルエンザ対策について総括する厚労省の専門家会議は、「日本での死亡率は、ほかの国と比較して低い水準にとどまっており、死亡率を少なくし、重症化を減少させるという当初の目標は、おおむね達成できたと推察される」とする報告書案をまとめた。
 この会議は、新型インフルエンザの流行当時、政府に助言を行っていた尾身茂自治医科大学教授や感染症の専門医らを委員として、議論を行ってきた。
 報告書案では、今後は国の意思決定プロセスや責任の所在を明確にすること、国立感染症研究所や保健所を強化すること、専任広報官による広報内容を一元化すること、ワクチン生産体制を強化することなどを提言し、政府のガイドラインなどの改定を求めている。報告書案は、今後、政府に報告される。

■ 新型インフル「地域に応じた対策を」、厚労省総括会議が報告書案

(日本経済新聞)

 厚生労働省の新型インフルエンザ対策総括会議は8日、「地域の実情に応じた対策の策定が必要」と提言する報告書案で合意した。ワクチンを誰に優先接種するかは国が決定するが、地域で柔軟に対応すべきだとした。今回の流行前に作成していた国の行動計画は「突然大規模な集団発生が起こる事態への対策が不十分だった」と指摘した。
 これを受けて厚労省は、国の行動計画を見直すことを明らかにした。
 同日提示した報告書案では、昨年からの流行への国の対応は「死亡率を低くし、重症化を減少させるという当初の最大の目標はおおむね達成できたと推察できる」と評価。どの対策が効果があったかは「未解明」としたが、広範な学校閉鎖、医療水準の高さと抗ウイルス薬の処方、手洗いやうがいなど公衆衛生意識の高さなどを挙げた。
 国が作成していた行動計画は強毒型の鳥インフルエンザを想定。「感染が段階を追って拡大することを想定していたが、突然大規模な集団発生が起こる事態への具体的提示が乏しかった」と指摘し、昨年5月に兵庫県や大阪府などで流行が広がった際に十分対応できなかったとした。
 昨年4月に海外で発生した際の空港などでの検疫強化は「感染拡大時期を遅らせる意義はあるとする意見はあるが、有効性は科学的に明らかでない」とし、対応策として有効か、さらに検討が必要とした。
 総括会議は3月に設置され、昨年4月以降の政府の対策を検証。7回目となる8日の会議の冒頭、同省の足立信也政務官は「厚労省の情報がリアルタイムで共有できず、地域や医療現場に混乱を起こした」と指摘した。

■ 新型インフル総括会議が提言 「おおむね目標達成」だが、反省点も指摘

(産経新聞)

 新型インフルエンザ対策について検証していた国の総括会議は8日、「毒性などに応じた対策をあらかじめ複数用意すべき」などとする報告書をまとめた。報告書は厚生労働大臣に報告し、秋以降の再流行や今後の感染症対策に生かす。
 昨年の新型インフルでは、強毒性のウイルスを想定した行動計画しかなかったため、国はこの計画を弾力的に運用。自治体や医療機関が混乱する原因になっていた。
 報告書では諸外国に比べて致死率が低かったことなどから、「死亡率を少なくするという当初の目標はおおむね達成できた」と総括。その上で、(1)広報(2)水際対策(検疫の強化など)(3)休校措置(4)サーベイランス(病原体の監視)(5)医療体制(6)ワクチン-の各テーマごとに反省点や課題を指摘した。
 過剰だったとして批判の多かった水際対策については、「科学的根拠は明らかでない」と評価は行わず、「機動的に縮小が可能となる基準を策定すべき」とした。一方、感染拡大防止のために行った学校の休校措置については「効果はあったと考えられる」と評価した。
 そのほか、専任のスポークスマンの設置▽ワクチンの集団接種の検討▽都道府県ごとの医療体制の確立-なども提言された。
 同会議は今年3月に発足。計7回に渡り専門家やジャーナリストなど委員11人とテーマごとに選ばれた関係者計約40人が議論を行ってきた。

(院長のつぶやき)この3つの記事のソースは同じでしょうね。報道するニュアンスが異なり、興味深いです(苦笑)。

6月7日

■ 新型インフル初確認から1年 押谷教授に聞く

(河北新報社)

 新型インフルエンザの感染はピークを越えたとみられるが、世界保健機関(WHO)は「世界的大流行(パンデミック)」に関する警戒水準を維持している。流行の見通しや必要な対策を、WHOで感染症対策に携わった東北大大学院医学系研究科の押谷仁教授(感染症対策・微生物学)に聞いた。

 ―今後の流行の可能性や感染の動向をどう見ますか。

 「1シーズン目の流行は終わった状態だが、世界的にもウイルスはなくなっていない上、まだ免疫のない人も多い。秋以降の再流行は避けられない冬に入った南半球では、数週間前から既に流行が始まりつつある。過去のパンデミックも、2年くらいかけて起きている」
 「東北は特に、関西などに比べて流行の始まりが遅く、感染者の大半が20歳未満の若年層にとどまった。幅広い世代に大流行したわけではない。1シーズン目は、リスクの高い成人や高齢者の多くが免疫を持たないまま終わった面がある。ウイルスの病原性が高まる可能性は低いと考えるが、自治体なども油断せずに対応すべきだ」

 ―予防接種の必要性や感染防止策の在り方は。

 「感染はいつ起きるか分からない。未接種の基礎疾患患者は現段階でも受けた方がいい。昨年予防接種を受けた人もワクチンの抗体レベルが下がっていくため、秋以降の流行前に再度接種する必要がある。基礎疾患のない人が死亡した例もあった。ワクチンは余っており、健康な人も含め、できるだけ多くの人が接種を受けることが望ましい」
 「感染拡大を防ぐ手だての一つとして、学校・学級閉鎖は妊婦や高齢者らへの感染を抑える効果があった。学校内の流行をどう抑えるかなどは、さらに検証しなければいけない」

 ―流行時は対応をめぐる混乱も目立ちました。関係機関の対応をどう評価しますか。

 「感染者が出始めた昨年5月ごろの段階では、ウイルスの性状や、どの程度の被害が起きるのかがはっきり分からない状態だった。どこまでが過剰反応だったとみるか、難しい面はある。ただ、国や自治体側に、専門家の助言に基づき速やかに意思決定するという基本的なシステムが確立されていないという問題はあった」
 「昨年6月上旬にかけて緊張感は一気に高まったが、病原性が高くないことが分かるにつれ、しばらく関心が薄れたことも反省点だ。国内の死亡例は今年2月以降も出続けた。ワクチン接種を受けていれば助かった人がいた可能性も否定できない。6~8月の段階で、ワクチン接種の優先順位や態勢をきちんと詰めておけば、流行が本格化した秋以降、より迅速に対応できたはずだ」

6月4日

■ 新型インフル、ピーク越す WHO発表へ、依然大流行

(時事通信)

 世界保健機関(WHO)のチャン事務局長は3日、新型インフルエンザに関する声明を発表し、世界的な大流行(パンデミック)が最盛期(ピーク)を越えたと認定した。新型インフルエンザの感染状況を審議した1日の緊急委員会の討議を踏まえた判断。
 チャン事務局長は新型インフルエンザの感染状況に関して、「(ウイルスの)最も活発な活動の時期は過ぎた」と言明。一方で「(今後も)パンデミックが続くことが予想される」とし、7月半ばまでに改めて緊急委を開き、感染状況を検証する考えを示した。
 新型インフルエンザの警戒水準は、パンデミックの発生を示す「フェーズ6」が最高。ピークを越えたとの判断は、新型インフルエンザがパンデミックの終息に向けた移行期に入ることを意味する。ただ、最終的なパンデミックの終結にはまだ時間がかかるものとみられ、緊急委は「新型インフルエンザへの警戒態勢を維持することが、各国にとって依然重要だ」としている。

(院長のつぶやき)「第一波終了」ということですね。

■ タミフル耐性の仕組み解明 インフルエンザで米チーム

(共同通信)

 インフルエンザウイルスが感染力を保ったまま治療薬タミフルに対する耐性を持つ仕組みを解明したと、米カリフォルニア工科大の研究チームが4日付の米科学誌サイエンスに発表した。ウイルス表面の「ノイラミニダーゼ」と呼ばれるタンパク質で、特定の3カ所に変異が起きることが原因という。新型インフルエンザが耐性を獲得して拡大するかどうかを監視するのに役立ちそうだ。
 インフルエンザウイルスは細胞内に侵入して増殖し、これらが細胞表面から放出されて別の細胞に感染する。放出の際、細胞とウイルスの結合を切り離す役割を担うのがノイラミニダーゼだ。
 タミフルはノイラミニダーゼの働きを妨げ、ウイルスの増殖を抑える。しかし、ノイラミニダーゼの274番目のアミノ酸が別の種類に置き換わってしまうとタミフルは効かなくなる。一方、この変異が起きると通常はウイルスの感染力は低下するが、季節性インフルエンザAソ連型はこの変異を持ちながら世界中に拡大しており、その仕組みは不明だった
 研究チームは、ノイラミニダーゼの274番目のほか、222番目と234番目のアミノ酸も変異したウイルスを細胞に感染させたところ、通常のウイルスと同等に増殖し、タミフルを加えても増え続けた。

(院長のつぶやき)思い起こせば、1999年にタミフルが登場したときから「薬剤耐性ができても感染力もなくなるから問題はない」と云われ続けてきたのでした。しかし2008-2009年シーズンにはAソ連型の耐性獲得が急増し説明不能・・・これを受けた今回の報告です。

■ 新型インフルエンザワクチン,医療機関在庫の返品を求め要望書提出

(日本医師会ニュース)

 羽生田俊副会長,保坂シゲリ常任理事は五月二十一日,民主党幹事長室を訪れ,小沢一郎幹事長に原中勝征会長名の要望書「新型インフルエンザA(H1N1)ワクチン医療機関在庫の返品に関する要望」を提出した.
 要望書では,「平成二十一年五月の国内発生以降,全国に感染が拡大し,各地域の医療機関は感染者の診療ならびにワクチン接種等,昼夜を問わず懸命に対応してきたと強調.ワクチン在庫の発生は医療機関の責に帰すべきものではなく,このまま放置すれば,今後のさらなる新興感染症等に対する協力体制に深刻な影響を及ぼすことが強く懸念される」として,緊急事態に懸命かつ真摯に対応してきた各医療機関の努力に応えるためにも,医療機関在庫ワクチンの返品および国による費用償還の実現を強く求めた.
 当日,要望書を受け取った青木愛民主党副幹事長は,「今回受けた要望を党に伝え検討したい」と述べた.
 要望書提出に先立ち,羽生田副会長,保坂常任理事は,同日,民主党「厚生労働委員会議員政策研究会 予防接種法小委員会」(座長:田名部匡代衆議院議員,共同事務局長:仁木博文・大西健介両衆議院議員)に招かれ,意見を述べた.
 当日の議事は,「新型インフルエンザ対策の問題点と今後」「予防接種法改正案の検討」「子宮頸がん予防ワクチンの公費助成について」であり,保坂常任理事が予防接種の課題について説明した.
 同常任理事は,要望書の内容を説明するとともに在庫発生の背景と懸念される問題を示し,医療機関在庫ワクチンの返品および国による費用償還の実現を要望.さらに,厚生労働省 新型インフルエンザ(A/H1N1)対策総括会議に出席した際の資料を提出し,最大の問題点は,「国が一部分のみ統制的に行い,全体について責任を持って取り組まなかったこと」と指摘し,「国の対応が不十分であった点は,現場が犠牲を払って補っており,協力したすべての医療機関と医師をはじめとする医療従事者に対して,国の対応が不完全であったことを謝罪し,その上で深い感謝の意を表すことが必要」と述べた.
 また,今後の予防接種の課題として,日本と諸外国のワクチンギャップを取り上げ,現在,任意接種で実費徴収されているワクチン(水痘,おたふく,Hib,肺炎球菌,HPV,B型肝炎など)について,公費負担による定期接種化を要望した.
 つづく質疑応答では,羽生田副会長が,今回の新型インフルエンザについて,「現場では,パンデミック初期の頃,電話相談が非常に多く,ワクチンを接種する時間も制限されるほどであった」と振り返り,パンデミック時に国民を安心させる情報整備が必要と主張した.さらに,諸外国に比べ,日本での死者が少なかったことを取り上げ,「日本の医療提供体制の良さを総括に取り入れるべき」と述べた.
 保坂常任理事は,ワクチンに掛かるコストについて,「購入価格自体も問題のひとつである.一方,大型容器のワクチンは,接種回数どおり使いきれるものではなかった.さらに,今回のワクチン接種料には,診察,ワクチン接種等の技術料だけでなく,接種の予約や,電話相談への応答なども,含められてしまっていた.国は,ワクチン接種の予約代行など,医療機関の負担を軽減する措置を行う必要があり配慮が足りなかった」と述べた.
 議員からは,意見交換を受けて,「新型インフルエンザに対する総括を行い,対応を明確にしなければ,現場の医師からの信用を無くしてしまう.国は,何らかの意思表示をする必要がある」との意見や,今後の予防接種の課題として取り上げられた,公費負担による定期接種化の要望に対しては,ワクチン接種の公費助成は民主党のマニフェストにも盛り込む予定であるとし,「遅れたワクチン行政を進めるため,抜本的な予防接種法の改正に向けて取り組みたい」などの意見が示された.

(院長のつぶやき)提出先の小沢一郎さんは昨日失脚しました。残念。

<速報>小学校集団発生から分離されたB型インフルエンザウイルス(Victoria系統)―愛知県

(IASR)

 2010年5月に愛知県内の小学校においてB型インフルエンザウイルスによる集団感染事例があり、ウイルスが分離されたので報告する。
 愛知県T市内の小学校で5月11日にインフルエンザによる欠席者がクラス40名中19名となり、3日間の学級閉鎖の措置がとられた。当研究所には迅速診断キットでB型インフルエンザと診断された児童を含む同小学校の児童11名(男6、女5名)より12日に採取された検体(うがい液)が同日搬入された。  
 MDCK細胞にてウイルス分離を実施したところ、初代培養5日目にすべての検体接種細胞にCPEが観察された。このウイルス培養上清液に対して0.5%ガチョウ赤血球を用いた赤血球凝集(HA)試験を行ったところ、HA価は32~128倍を示した。そこで、国立感染症研究所より配布されている2009/10シーズンインフルエンザウイルス同定キットにて赤血球凝集抑制(HI)試験による型別同定を行った結果、分離された11株は抗B/Brisbane/60/2008血清(ホモ価2,560)に対して1株がHI価1,280、残り10株はHI価2,560を示し、抗B/Bangladesh/3333/2007血清(同2,560)に対してはすべての分離株がHI価<10を示した。一方、抗A/California/7/2009pdm血清(同2,560)、抗A/Brisbane/59/2007血清(同1,280)、抗A/Uruguay/716/2007血清(同2,560)に対してはすべての分離株がそれぞれHI価<40、<10、<10を示し、分離された11株はB型インフルエンザウイルス(Victoria系統)と判定された。
 2009/10シーズンにおいて5月末までに当研究所にて分離同定されたB型インフルエンザウイルスは他に5株(Victoria系統4株と山形系統1株)であった。Victoria系統4株では抗B/Brisbane/60/2008血清に対するHI価はホモ価の2倍以内、山形系統1株でも抗B/Bangladesh/3333/2007血清に対するHI価のホモ価との差は2倍であった。
 今シーズンに当研究所で分離されたB型インフルエンザウイルス株16株すべてにおいて、同定キットに使用されたウイルス株との抗原性の違いはほとんど認められない。
 愛知県では5月の第19週~21週までの間に5件のインフルエンザ集団発生が報告されており、今後季節性インフルエンザの流行および新型インフルエンザの再流行に備えサーベイランスを強化し、その発生動向に注意する必要がある。

<速報>沖永良部島の知名町における新型インフルエンザA/H1N1pdm集団発生―鹿児島県

(IASR)

 鹿児島県沖永良部島の知名町で、新型インフルエンザウイルスA/H1N1pdmが原因とされる集団発生を認めたのでその概要を報告する。
2010年5月12日に、沖永良部島を管轄する保健所に、島内医療機関から「インフルエンザ様疾患の患者が多数受診しており、迅速検査の結果、A型が確認されているので、新型インフルエンザ集団感染ではないか」との情報提供があった。当該保健所より行政検査として遺伝子検査の依頼が当センターにあったので、この概要について報告する。
 鼻腔ぬぐい液10検体が搬入され、14日にリアルタイムRT-PCRを実施した。結果は、10検体中9検体から新型インフルエンザウイルスA/H1N1pdmの遺伝子が検出された。10人の症状や共通点は(表1)のとおりであり、38℃以上の高熱と、咳、鼻汁がほぼ全員に認められた。年齢層は6~56歳と幅があった。56歳の社会人以外は、全員、新型インフルエンザの予防接種を接種済みであった。
 沖永良部島には、和泊町と知名町という二つの町があるが、今回発生が認められたのは知名町の住民であったことから、限られた地域での集団感染が疑われた。5月18日には、同じく、知名町の小学校でインフルエンザ様疾患の集団発生があり、学年閉鎖の措置がとられている。14日に検査した患者の中にも、同小学校の生徒が4名含まれていたことから、18日の集団発生も新型インフルエンザウイルスA/H1N1pdmに起因した事例と思われた。感染経路は定かではないが、沖永良部島の高校生が、沖縄中部において合宿し、帰島する船中で39℃の発熱があったとの情報を得ている。
 ワクチン接種者が多数感染していることから、遺伝子の解析などを行い、今後の発生動向に注意する必要がある。

6月2日

新型インフルワクチン接種、まだ市民の2割 長野県松本市、引き続き呼び掛け

(中日新聞)

 松本市は、昨年10月から実施された新型インフルエンザワクチンの市民の接種率が21・0%にとどまったことを明らかにした。現在流行は収まっているが、再度の流行が起きる可能性があるとして、引き続き予防への注意喚起と必要に応じたワクチン接種を呼び掛けている。
 松本地域の定点医療機関当たりのインフルエンザ患者届け出数は、昨年10月中旬に注意報レベルの10・0人を超え、11月上旬にピークを迎えた。今年1月以降は注意報レベルを下回り、現在収束している。
 ワクチンの優先接種対象者の接種率は高く、医療従事者は78・5%、妊婦は51・2%、1歳未満の乳児と保護者は33・1%、1歳から小学3年生までの児童は48・6%、65歳以上の高齢者は31・3%に上った。だが市民の半数以上を占める優先対象ではない一般成人については、流行が収まった2月以降に接種が始まったこともあり、接種率は8・0%にとどまっている。
 市健康づくり課の萩原良治課長は「今後の再流行も考えられるので、うがい、手洗いなどの予防を引き続き習慣付けてほしい。必要に応じて予防接種も受けて」と話した。 

(院長のつぶやき)小学生の接種率は50%弱ですが、残りの生徒は実際に罹ってしまったのではないでしょうか?

■ 梅干しにインフル抑制成分 和歌山県立医大が発見

(共同通信)

 和歌山県立医大は1日、H1N1型のインフルエンザウイルスの増殖を抑える物質を、梅干しから発見したと発表した。
 梅の産地、和歌山県のみなべ町と田辺市にある梅加工会社計5社が資金提供し2006年から研究していた。同医大によると新型インフルエンザ(H1N1型)にも効果が期待される。
 世界で初めて見つかった物質で、ポリフェノールの一種という。エポキシリオニレシノールと名付けた。
 同医大の宇都宮洋才准教授(病理学)らは、梅干しのエキスを、H1N1型のインフルエンザウイルスを感染させた細胞に加える実験を繰り返し、有効成分のエポキシリオニレシノールを特定。ウイルスを感染させた細胞に、エポキシリオニレシノールを加えると、約7時間後にウイルスの増殖を約90%抑えられた、としている。
 宇都宮准教授は「梅干しを1日に5粒程度食べればウイルスの抑制が期待できる。昔ながらの日本食を見直すきっかけになれば」と話している。

(院長のつぶやき)「食育」とは別の視点の和食のお勧め。

6月1日

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.102

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 5月23日時点で、WHOには、214ヶ国と地域で確定患者と、合18114名以上の死亡者の報告があがっている。

2) パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が現在最も活発な地域は,カリブ海諸国と東南アジアの一部の地域で、低いレベルでの循環が起きている。チリの一部の地域でのパンデミックインフルエンザ活動が限定的な地域で起きているが、それを除き、南半球の温帯では、パンデミックインフルエンザ活動の示すものはほとんどない。すべての地域で季節性A型インフルエンザウイルスが低いから散発的なレベルで検知が継続している。B型インフルエンザは、増加していると報告されているが、南アメリカでは、最近出現してきたが低い数字で、アジアでは減少している。

3) カリブ海諸国と中央アメリカでは、キューバと程度はかなり低いがコスタリカで、パンデミックインフルエンザウイルスの活発な循環が見られ続けている。キューバでは、現在のパンデミックインフルエンザ活動は、2010年2月下旬に開始したが、2010年4月中旬の安定状態に達して以降、変化がない。加えて、過去1ケ月にわたり、季節性B型インフルエンザウイルスが散発的に検知され、他の呼吸器疾患ウイルスの同時循環がしめされている。コスタリカでは、2010年の初めから、パンデミックインフルエンザウイルスが低いレベルで、他の呼吸器疾患ウイルスの同時循環をともなう状態が続いている。この地域の他のいくつかの国でも、季節性B型インフルエンザウイルスの散発的な検知並びに他の呼吸器疾患ウイルスが低いレベルで同時循環されていると報告が継続している。

4) 南アメリカの熱帯地域では、パンデミックと季節性インフルエンザウイルスが、低いから散発的のレベルで循環が続いている。コロンビアとブラジルでは、パンデミック、季節性インフルエンザH3N2ウイルスが低いレベルであるが、過去1ケ月検知されている、ボリビアでは、最近は、季節性B型インフルエンザウイルスが支配的に循環しているようだと結論付けられた。

5) アジアでは、パンデミックインフルエンザ活動は、低いから散発的のレベルだが、南アジア、東南アジア、特にシンガポール、マレーシア、バングラディッシュは様相が異なる。シンガポールでは、シンガポールでは、2010年4月以来、急性呼吸器疾患(ARI)のレベルが上昇し、疫学的閾値に近い状態が数詞週間続いている。5月中旬には、インフルエンザ様疾患患者の呼吸器検体から39%がパンデミックインフルエンザウイルスに陽性を示した。隣国のマレーシアでは、限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスの活発な伝播が、2010年4月中旬にピークを迎えて以降も、残っている。バングラディッシュでは、2010年4月中旬から、パンデミックインフルエンザウイルスと季節性B型インフルエンザウイルスの同時循環が観察されているが、全体としての呼吸器疾患の程度は、この時期では低いと報告されている。低いレベルでのパンデミックインフルエンザウイルスがインド西部で循環が継続している。また東アジアでは、季節性B型インフルエンザウイルスが低いまたは下降したレベルで循環しているとの報告が継続している。

6) サハラ以南では、いくつかの国からの限られたデータではあるが、アフリカの西部で活発に伝播していたパンデミックインフルエンザウイルスが、現在はほとんどなくなったようである。 加えてガーナでは、パンデミックインフルエンザウイルスが低いレベルでの循環が残っており、カメルーン、アンゴラ、ルワンダで、過去1ケ月、パンデミックインフルエンザウイルスの散発的な検知の報告がある。カメルーンでは、2010年3月下旬から、季節性B型インフルエンザウイルスの活発な循環が残っている。

7) 北半球、南半球の温帯地域では、全体としてパンデミックインフルエンザ活動のレベルは低いから散発的の状態が継続している。南半球では、チリで、同国のいくつかの地域でインフルエンザ様疾患の増加が報告されている。南アフリカでも、最近インフルエンザウイルスの検知はない、ニュージーランドとオーストラリアでは、全体としてインフルエンザ様疾患のレベルは低い。オーストラリアでは、最近、季節性H3N2インフルエンザとパンデミックインフルエンザウイルスが、散発的に報告されている。

(院長のつぶやき)世界的にも新型インフルは鎮静状態で、季節性B型がチラホラ流行しているレベルのようです。冬を迎える南半球での流行が聞こえてこないのが不気味ですね。

■ 新型インフルに関するWHO緊急委、1日に開催

(時事通信)

 世界保健機関(WHO)は31日、新型インフルエンザに関する緊急委員会を6月1日に開くと発表した。世界各地の専門家による電話会議で、新型インフルエンザの感染状況を分析し、世界的な流行(パンデミック)が最盛期(ピーク)を越えたかどうかなどを審議する。
 2月下旬に開かれた前回の緊急委では、アフリカなど一部で新型インフルエンザの感染が拡大したことを踏まえ、「(パンデミックが)ピークを越えたと結論付けるのは時期尚早」との見解で一致。感染状況の見極め作業を当面、継続することを決めていた。
 新型インフルエンザの感染は、世界全体ではおおむね収まりつつあるが、チリなどでは増え続けている。

(院長のつぶやき)今更終息宣言を出されても・・・。

■ 新型インフルエンザのワクチン返品に応じるよう、国へ神奈川県と県医師会が要望書

(神奈川新聞)

 県と県医師会は31日、新型インフルエンザのワクチンが県内医療機関に大量に余っているため、国が返品に応じるよう厚生労働大臣あての要望書を、民主党県連を通じて提出した。
 県によると、ワクチンの在庫量は3月31日現在約16万5千回分あり、購入価格は約2億4千万円。接種は県が各医療機関に必要な量を配り、供給量を調整する形で実施。昨年10月に医療従事者から始まり、基礎疾患のある人や妊婦、小児らを対象に行われ、約115万人が受けた。
 しかし、妊婦らへの接種回数を変更するなど国の度重なる方針転換や、感染拡大により接種の予約のキャンセルが多く発生したことなどにより、大量の在庫が生じたという。
 要望書では、「医療機関側にその責を帰すべきものではない」と主張。国に対して返品を認めるよう求めている。認めない場合は、医療機関に多大な負担を強いることになり、今後、予防接種事業で協力を得られないなどの影響が懸念されるとしている。
 流行の沈静化で現在希望者はごくわずかで、妊婦用のワクチンの使用期限はすでに切れ、他のワクチンの期限も半年ほどという。在庫ワクチンの問題は他の自治体でも同様で北海道、大阪府なども国に要望している。

(院長のつぶやき)これでいくつの県がワクチン返品要望を出したのでしょうか・・・国は知らんぷりを決め込んでいますが、しっかりサポートしないと今後有事の際に末端医療機関の協力は得られなくなることがわかっているのでしょうか?

5月30日

B型インフルエンザ患者増加、流行開始目安超す 山口県が注意喚起

(毎日新聞)

 県は28日、定期的に報告を受けている70医療機関あたりのインフルエンザ患者数が、流行開始の目安の1人を超える1・06人になったと発表した。山陽小野田、宇部両市を中心に流行しており、いずれも季節性インフルエンザ(B型)とみられるという。
 県によると、インフルエンザは通常冬場に流行し、この時期の流行は珍しい。4月以降に報告が増え始め、山陽小野田市立厚狭、有帆、本山の3小学校、宇部市立黒石小、周南市立遠石小が学級閉鎖や学年閉鎖になった。また、下松市立下松小が29日から6月1日まで学級閉鎖する。

5月29日

■ 病原性に応じた対処選択を 新型インフル総括会議

(共同通信)

 昨年から今年にかけ流行した新型インフルエンザへの対策を振り返る厚生労働省の総括会議が28日開かれ、厚労省は、今後の再流行や高病原性インフルエンザの発生時に向けた課題として、病原性や感染力などに応じた複数の対策を選択肢として用意しておくべきだなどとする論点案を示した。
 会合は感染症の専門家や自治体関係者などが出席し、これまで5回開催。水際対策や医療体制などテーマごとに議論した。結論は6月には報告書にまとめられる見通し。
 論点案では、空港での検疫などはウイルスの特徴が分かった時点で機動的に態勢を変更すべきで、致死率や感染力で場合分けした対応策が必要だとした。一方で、情報が不確定な流行初期には、最悪のシナリオを想定せざるを得ないことを国民に理解してもらう必要もあるとの見方も示した。
 また、感染拡大の速度を抑えるのに流行初期の学校閉鎖が有効だったが、期間中に生徒同士が接触しないような方策など、運用をさらに検討する必要があるとした。

■ インフルの救済措置実施166校 大学入試で

(共同通信)

 文部科学省は28日、新型インフルエンザに感染した受験生の受験機会を確保するため、今春の入試で追試などの救済措置を取ることを決めていた国公私立大は計614校で、実際に実施したのは166校だったと発表した。
 全国公私立大730校を対象に調査し、国立全82校、公立全76校、私立558校(全572校)の計716校が回答。
 救済措置を決めていたのは国立69校、公立67校、私立478校の計614校で全大学の約84%に上ったが、実施は国立18校、公立18校、私立130校の計166校にとどまった。受験者は計399人だった。
 文科省は「8割以上の大学が救済措置の準備をしたことは良かった。来春の入試は状況を見て対応したい」としている。
 公私立短大は全363校中、352校が回答。298校が救済措置を決めていたが、実施は26校、受験者は43人だった。

■ 大学入試:新型インフル追試実施は2割

(毎日新聞)

 文部科学省は28日、10年度の国公私立大学一般入試で、新型インフルエンザに感染して試験日に欠席した受験生のために追試験などを実施した大学は、全体の約2割だったと調査結果を発表した。新型インフルの感染者や疑いのある受験者のために追試験や振り替え受験を実施したのは▽国立大22%▽公立大24%▽私立大23%▽公立短大5%▽私立短大8%。入学志願者約74万人のうち、計1031人が対象となった。実際に追試を受けた受験者は442人。

5月28日

■ 上田の小学校1学級、新型インフルで閉鎖 長野県内2カ月ぶり

(信濃毎日新聞)

 上田市で新型インフルエンザとみられる集団感染があり、小学校1学級が21日から28日までの予定で学級閉鎖していることが、県のまとめで分かった。県内で学校の休業報告は約2カ月ぶり。県によると、閉鎖学級の児童2人の検体を調べた結果、ともに新型インフル陽性だった。
 県によると、定点医療機関が報告したインフルエンザ患者数は、県上田保健福祉事務所管内が17~23日(第20週)で1定点当たり2・63人と、前週の同0・25人から増加。上田以外では、長野市保健所管内が0・44人(前週0・06人)、県長野保健福祉事務所管内が0・17人(同0人)。ほかは届け出がなかった。
 新型が再流行する兆しかどうか、県健康長寿課は「上田以外では陽性が出ておらず、判断しかねている」と説明。うがいや手洗いの徹底を引き続き呼び掛けるとしている。

子どもの接種用量増量へ インフルワクチンで4社

(共同通信)

 国内でインフルエンザワクチンを製造販売するメーカー4社は27日までに、現行の子どもへの接種用量を増量して世界保健機関(WHO)が推奨する用量に変更するため薬事法に基づく申請を国に提出した。
 審査が順調に進めば今冬の流行シーズンの前までに用量が変更される可能性がある。
 申請したのはデンカ生研(東京都)、北里研究所(埼玉県)、阪大微生物病研究会(大阪府)、化学及血清療法研究所(熊本市)の4社。
 現在承認されている用量は、1回の接種につき1歳未満は0・1ミリリットル、1~6歳未満は0・2ミリリットル、6~13歳未満は0・3ミリリットルをそれぞれ2回接種するが、効果が低いとの指摘が出ていた。
 WHOが推奨する用量は、3歳未満に0・25ミリリットル、3~13歳未満に0・5ミリリットルをそれぞれ2回接種する。独立行政法人国立病院機構がこの用量による臨床試験を全国の8医療機関で実施し、効果が確認されている。

■ 新型インフル、一斉休校の封じ込め効果裏付け

(読売新聞)

 昨年、全国的に流行した新型インフルエンザで、5月に関西で流行したものと6月以降に各地で流行したものは別のタイプのウイルスによって引き起こされたことが、国立感染症研究所の解析でわかった。
 最初期の流行は、兵庫県や大阪府で高校を中心に行われた一斉休校で封じ込められた可能性が高い。休校の効果を裏付ける結果といえそうだ。
 感染研の椎野禎一郎主任研究官は、新型インフルエンザウイルスの広がりを調べるため、昨年5~9月に全国の患者75人から採取したウイルスの遺伝子を比較した。その結果、ウイルスは28の異なるタイプに分類できた。
 このうち、神戸市の高校生から5月16日に検出された国内第1例のウイルスは、月末に大阪府内で見つかったのを最後に国内から報告がなくなった。

5月27日

■ 山口・インフル学級閉鎖

(毎日新聞)

 宇部市教委は25日、黒石小1年1組でインフルエンザが集団発生したため、26日までの2日間学級閉鎖したと発表した。市教委によると、24日現在で13人の児童が欠席。うち8人が陽性だったという。

(院長のつぶやき)新型なのか季節性なのか、この記載では判断不能です。

■ 新型インフル「情報対応 失敗」…厚労省報告書

(読売新聞)

 昨年の新型インフルエンザ発生初期の広報や情報提供について、厚生労働省と地元自治体との間の連携が不十分だったとする報告書を厚労省研究班(研究代表者=安井良則・国立感染症研究所主任研究官)が25日まとめた。
 特に横浜市で昨年4月に見つかった感染疑い例を、厚労省が市と調整せずに公表した件は、混乱を招き「失敗だった」と批判。厚労省に感染症の専門知識を備えた報道官を設置するなど、情報を一元化する仕組みを導入するよう求めている。
 研究班は昨年4-7月の新型インフルエンザの発生初期における厚労省や自治体の対応を調べた。横浜市の場合、厚労省と市は当初、内容をすりあわせた上で同時に公表する取り決めだったが、舛添厚労相(当時)が翌日未明になって突然、記者会見をして発表。その後、感染していないことが判明したが、両者の間で批判の応酬が続いた。国内第一例が発生した神戸の場合、厚労省内部で情報を共有できず、複数の省職員が神戸市に問い合わせ、同市の業務が滞った。

(院長のつぶやき)舛添さんの勇み足が混乱を招いた面もありますねえ。

■ 悩まされた2次被害 新型インフル、学会で報告へ 

(神戸新聞)

新型インフルエンザで休校になった県立神戸高校。誹謗(ひぼう)中傷など2次被害が問題になった=2009年5月、神戸市灘区
 1年前の新型インフルエンザ感染拡大では、感染者の心のケアも課題になった。国内の「水際」以外で初の感染者が確認された県立神戸高校(神戸市灘区)で、生徒のサポートを担ってきた養護教諭の渡辺かおるさん(52)が8月、福井県である「日本災害看護学会」で体験を語る。誹謗(ひぼう)中傷など2次被害が問題になったことなどを報告。「感染症は人権問題。普段から正しい知識や冷静な対応を呼び掛けることが欠かせない」と訴える。
 同校では昨年5月、生徒17人が感染。一部の生徒は防護服を着てカメラのフラッシュを浴びながら病院に入り、一歩も外に出られなかった。
 学校が「感染源」というような誤解が広がり、患者や家族、高校、地域が2次被害に悩まされた。「えらいことしてくれたな」と学校に電話がかかってきたり、爆破予告があったりした。生徒がバスに乗ると、すぐに降車する乗客もいた。
 「いつ、どこで感染したか分からず、誰もが感染する可能性があった。生徒は悪くないのに、不安の裏返しで世間の目が厳しくなった。犯人捜しのようになり、インターネットでの中傷やデマに生徒は傷ついた」
 渡辺さんは振り返る。
 県内の公立高校は一斉休校。その再開を前に、全教職員が研修会で心のケアの方法を学んだ。生徒には電話相談や個別健康相談、家庭訪問をした。夏休み中には感染した生徒を集め、語る場を設けた。
 「同じような悩みを持った生徒同士が体験を振り返り、共感し合うことで、心の重荷がおろされたように思う」と渡辺さん。その後も、カウンセラーや養護教諭らは、生徒を励ましてきた。
 渡辺さんは昨年9月、滋賀県彦根市に招かれ、市民や教育関係者、企業関係者を前に講演。養護教諭の集まりでも体験を語った。
 今年8月28、29日の日本災害看護学会では「新興感染症の集団発生に向けた備え‐保健医療、教育現場からの提言」と題したシンポジウムにパネリストとして参加する。
 渡辺さんは「二度と不適切な対応がされないように、神戸高校だからこその情報発信をしたい」と話す。

■ 新型インフルエンザ、大型旅客機内で感染リスクあり

(BMJ)

文献:Baker MG et al. Transmission of pandemic A/H1N1 2009 influenza on passenger aircraft: retrospective cohort study. BMJ. 2010;340:c2424
 大型旅客機の乗客(感染者を含む高校生集団24名+その他97名)を対象に、機内での新型インフルエンザ(A/H1N1)感染リスクを後ろ向きコホート研究で調査。飛行中に症状が見られた高校生集団の9名が感染していたほか、席が近いその他の乗客2名で2日以内に感染が確認され、わずかながら感染リスクが存在することが示唆された。

5月26日

■ インフルエンザ、宇土で集団発生 学年閉鎖も 〜熊本県〜

(朝日新聞)

 熊本県健康危機管理課は19日、宇土市立網田中学校2年の11人が発熱などのインフルエンザとみられる症状で欠席したため、20日から23日までの間、学年閉鎖にすると発表した。インフルエンザの集団発生は、4月26日の宇城市立松橋小での学級閉鎖以来、今年度に入って2度目。

■ 新型インフル:国と自治体の連携不足指摘 研究班が報告書

(毎日新聞)

 09年流行した新型インフルエンザの情報提供を巡り、国と自治体の連携不足で緊急時の対応が不十分だったとする報告書を、厚生労働省の研究班(研究代表者・安井良則国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官)がまとめた。世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)のように専門知識を持つスポークスパーソン(報道官)の養成や、情報の一元化が急務と提言している。
 研究班は、国内初の感染疑い例が出た(その後否定)横浜市と、初の国内発生があった神戸市について、市側の対応を検証した。
 横浜市では09年4月30日、カナダから帰国した同市内の高校生が「感染疑い」とされた。しかし国と連絡が取れないうちに舛添要一厚労相(当時)が5月1日未明、霞が関で緊急会見。市はその内容を知らされないまま、市独自で会見の用意をするように指示された。会見の後、高校生は新型インフルエンザではないことが判明した。同15日に国内初の感染者が確認された神戸市の場合、厚労省の各部署から似た内容の問い合わせがバラバラに寄せられ、その対応に追われた。
 報告書は「国と自治体で見解が統一されていなければ、行政機関に対する信頼性が揺らぎ、対策の遂行に支障をきたす」と批判している。
 一方、厚労省側の検証は、当事者のほとんどが異動していたためできなかった。安井主任研究官は「原因追究をしっかりしなければ、同じことが繰り返される可能性が高い」と指摘する。

■ 【正論】新渡戸文化短期大学学長・中原英臣 新型インフル対策の教訓は重い

(産経新聞)

 昨年の4月、メキシコで確認された新型インフルエンザが日本に上陸して1年が過ぎた。一時はパニックになりかけた全国的な流行も下火になり、現時点では沈静化していることを受けて、厚生労働省は先ごろ、新型インフルエンザの流行の終息宣言を出した。
 今回のインフルエンザは豚に由来する新型(H1N1)だったが、それまで多くの専門家が予測していたのは、より強毒型の鳥インフルエンザウイルス(H5N1)から発生するものだった。そのため政府は、強毒性を想定して行動計画を立てていた。

 ≪強力な封じ込めが奏功≫

 政府が昨年、日本での新型インフルエンザの発生を宣言すると同時に、それを極力封じ込める作戦を実行に移したのは、そうした背景がある。それは、強毒性の新型インフルエンザの発生を想定した行動計画だった。そのため、自治体に対しては、感染者が1人でも出た時点で都道府県単位で学校を閉鎖したり、集会の中止などを要請することを決めた。
 こうした厳しい措置に多くの自治体から苦情が噴出したことを受け、政府は5月下旬になると、休校の判断も自治体に任せるといったように封じ込め対策を段階的に緩める方向に切り替えた。
 今回の新型インフルエンザ対応は過剰反応だった可能性があるという批判の声もある。だが、少なくとも、その対策によって一定の時間を稼ぎ、その間に多くの対策を講じることができたというのも事実である。
 インフルエンザが流行しなかったと仮定した場合の死者数と流行時の死者数を比較することでインフルエンザによる死亡数を推計する「超過死亡」という調査がある。季節性インフルエンザの超過死亡は例年1万人程度である。
 季節性でさえこうしたことなのだから、性質のはっきりしない段階での新型インフルエンザに対してできる限りの対策をとるのは政府として当然のことである。

 ≪米国の26分の1の死亡率≫

 つまり、過剰だったという批判もあった日本の新型インフルエンザ対策だが、逆に、そのために被害が最小限にとどめられた。厚生労働省の発表によると、この1年間に新型インフルエンザに感染して死亡した人は198人だった。それに対しアメリカでは推定で1万2000人が死亡したといわれている。
 新型の毒性が季節性に比べて低かったことを意味するという専門家もいるが、10万人当たり死亡率をみると、日本の少なさがはっきりする。日本の0・15人に対してアメリカは3・96人である。その他の国をみてもカナダが1・32人、メキシコが1・05人という数字だった。集計方法が異なるという事情はあるにしても、アメリカの死亡率は日本の26倍ということをみても、日本の対策が成功したといってもいいと思われる。
 医学の進歩によって、インフルエンザの迅速検査とタミフルなどの抗ウイルス薬による治療が可能となった。それを受けて日本政府はインフルエンザの症状があったらすぐに受診することの必要性を国民に訴えた。日本の死亡率が低かったことは、それに応えるだけの医療システムが機能した結果だったといえる。

 ≪日本の生活習慣が生きた≫

 人類はその発生のときから、自然をコントロールすることで文明を発展させてきた。火の扱いを会得し、植物や動物を飼いならすことで農耕と牧畜という生産手段を手に入れることに成功した。だが長いこと手に負えなかったのが、かつては「伝染病」と呼ばれたインフルエンザなど感染症を引き起こすウイルスとの戦いである。
 姿を見せないウイルスという敵を倒すためにワクチンが開発されるが、新型インフルエンザで日本人の衛生意識の高さが有効であることも実証された。
 子供たちの間での流行を抑えるため、徹底した学校閉鎖が実施される一方、かかった時に外出を控えた人が多かったこと、そして外出する時には他人に感染させないためにマスクを着用するという配慮も効果があったと思われる。そして、もう一つ考えられるのが、私が子供だった50年ほど前までは生活習慣だった「うがいと手洗い」である。
 感染症の怖ろしさが減少するにつれて生活の場から消えていった「うがいと手洗い」を多くの人が積極的に行ったことが有効だった可能性がある。結果論で政府の対策を批判するよりも、新型の流行を教訓にして、近い将来必ず起きるだろう鳥に由来する強毒性の新型インフルエンザに対する対策を考えることが大切である。

5月25日

■ 新型インフルによる死亡者、2人増加 〜タイ〜

(タイランド通信)

 タイ保健省は、5月8‐21日の2週間で新型インフルエンザによる死亡者は2人増え、そのうち1人はバンコクの女性だったと発表した。
 2010年の、新型インフルエンザ感染者は6625人、うち死亡者33人。現在までにインフルエンザのワクチン接種を受けたのは約117万人(58.6%)で、5月31日をもってワクチン接種期間が終了する。

5月24日

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.101

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 5月16日時点で、WHOには、214ヶ国と地域で確定患者と、合18097名以上の死亡者の報告があがっている。

2) 現在の状況は、前回から大部分変化していない。パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が現在最も活発な地域は,カリブ海諸国と東南アジアの一部の地域である。
北半球、南半球の温帯地域では、パンデミックインフルエンザ活動は日低いから中程度である。中央アフリカでは、季節性B型インフルエンザウイルスの伝播の増加がみられ、この地域の分離されたインフルエンザの85%を占める。B型インフルエンザは、アジアと欧州の一部分で低いレベルで検知がつづいており、中央アメリカでも報告がある。

3) 南北アメリカの熱帯地域では、パンデミックインフルエンザウイルスH1N1活動が、カリブ海諸国の一部で最も活発で、低いレベルに中央アメリカがある。 キューバでは、2010年2月に2度目の活発なパンデミックインフルエンザウイルスがコミュニティ伝播が開始され、4月下旬にピークに達し、それ以降、減少が続いている。2度目の伝播時期は、重篤患者や死亡患者も発生を伴い、2009年9月下旬から11月下旬の1度目の伝播時期に比べ全体としては程度は低いようである。比較して、ドミニカ共和国では、低いから中程度の呼吸器疾患活動は、主として、インフルエンザよりも呼吸器疾患ウイルスとの同時循環と関連している。パンデミックインフルエンザウイルスは低いレベルで中央アメリカと南アメリカの熱帯地域の一部で循環している。例えば、メキシコでは、2009年12月以降、コロンビアとブラジルでは、2010年初期から、グアテマラでは、2010年4月上旬からである。ニカラグア、ホンジュラスでは、最近、地理的に「地域的な広がりをもったインフルエンザの伝播」が報告されているが、パンデミックインフルエンザウイルス、季節性インフルエンザウイルスやその他の呼吸器疾患ウイルスの比率については不明である。それに比較して、パナマでは、過去3ケ月にわたっての低いレベルでの呼吸器疾患は、主としてインフルエンザ以外の循環している呼吸器疾患ウイルスに関連している。特筆すべきことは、ボリビアでは、2010年2月下旬から5月上旬で季節性B型インフルエンザウイルスが低いレベルだが継続的な伝播を経験していることである。
インフルエンザウイルスと他の呼吸器疾患ウイルス(RSウイルスとアデノウイルスも含む)の同時循環が、この地域では、進行していることをしめす証拠がいくつかの国で継続的に確認されている。

4) アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播活動が最も活発な地域は、南アジアと東南アジアの一部の地域で、特にバングラディッシュ、マレーシアとシンガポールである。 マレーシアでは、限られたデータではあるが二度目のパンデミックインフルエンザウイルスの活発な伝播が、2010年4月上旬から発生しているが、全体としての活動は、最近安定しており2009年7月から9月上旬にかけた一回目の伝播時期にみられたパンデミックインフルエンザ活動を超えていないようだ。シンガポールでは、2010年4月以来、急性呼吸器疾患(ARI)の全国的なレベルは疫学的閾値を越えた状態である。最新の週の報告では、ARIのレベルは疫学的閾値を超え、定点機関のインフルエンザ様疾患患者の39%がパンデミックインフルエンザウイルスに陽性を示した。バングラディッシュでは、2010年4月から、パンデミックインフルエンザウイルスと季節性B型インフルエンザウイルスの同時循環が増加していたが、安定化したようである。タイとインドの西部と南部では、低いレベルのパンデミックインフルエンザウイルスの循環が継続している。
東アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスが散発的な検知されている。季節性B型インフルエンザウイルスが支配的なウイルスだが、中国と韓国では、循環は減少しているようだ。

5) 南北アメリカの温帯地域では、チリ以外では、全体としてインフルエンザ活動は、低い程度から散発的な発生の程度である。オーストラリアとニュー時ランドでは、インフルエンザ様疾患活動が若干増加したと報告されている。しかし、オーストラリアでは、その増加は、主としてインフルエンザよりも循環している呼吸器疾患ウイルス に負っている。
チリ以外の南北アメリカの南部の温帯地域では、インフルエンザウイルスが散発的に検知されているのみと報告されている。チリでは、インフルエンザ様疾患活動が限定された地域(ロスラゴス地区)で増大しており、パンデミックインフルエンザウイルスと他の呼吸器疾患ウイルスの同時循環を伴っている。欧州では、パンデミックインフルエンザウイルスと季節性B型インフルエンザウイルスが、とても低いレベルから散発的に発生しているレベルで検知が継続している。グルジアでは、呼吸器疾患の診察者数の増加が報告されている。これは、主として5歳以下と5-14歳の子供が主だが、インフルエンザ様疾患である。この像がが、パンデミックインフルエンザA(H1N1)ウイルスと関係しているかは不明である。

6) サハラ以南のアフリカでは、いくつかの国での限られたデータではあるが、西アフリカでは、活発なパンデミックインフルエンザの伝播が続いていることを示している。
ガーナでは、報告のあった最新週では、臨床検体の6%がパンデミックインフルエンザに陽性であった。この地域のそれ以外の国では、パンデミックインフルエンザウイルスが、散発的あるいは低いレベルで検知されている。最近では大部分はアンゴラやルワンダである。季節性B型、H3N2型インフルエンザウイルスがアフリカの西部、中央部で報告されており、それよりも低いレベルで、アフリカ南部で報告されている。

5月23日

■ 医療従事者、新型インフル患者応対に強いストレス

(中国新聞)

 ▽感染不安や孤立感 神戸の医師調査

 神戸市の3市民病院で、新型インフルエンザ患者に接した医療従事者が、他の職員よりストレスを受けていたことが分かった。神戸市立医療センター中央市民病院精神・神経科の松石邦隆医長(39)が21日、広島市中区で開催中の日本精神神経学会学術総会でアンケート結果を報告した。
 神戸市では昨年5月15日、国内初の新型インフルエンザ患者が確認された。アンケートは3病院の全職員3635人に配布。昨年6、7月に医療現場で感じたストレスの内容について、19項目にわたって質問した。
 回答は1995人(54・9%)から得た。うち発熱外来や感染症病棟などで働いた濃厚接触職員は850人で、回答者の約4割を占めた。指数化した結果を比べると、濃厚接触職員は、他の職員より「感染の不安」「疲労・孤立感」「労働負荷」を強く感じていた。 松石医師は「迅速な情報提供で不安を和らげることが重要だ」と提言している。

5月22日

中学生タミフル服用死で提訴へ 遺族、副作用被害を主張

(共同通信)

 愛知県知立市で2005年、インフルエンザ治療薬タミフルの服用後にマンションから転落死した中学2年秦野皓平君=当時(14)=の遺族が「副作用による異常行動と認められず、被害給付金が不支給となったのは不当」として、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(東京)に不支給取り消しを求める訴訟を東京地裁に近く起こすことが21日、分かった。
 母親で「薬害タミフル脳症被害者の会」代表の秦野竜子さん(50)は「(不支給とした)審査の過程を明らかにしたい。副作用被害だと認めてほしい」と話している。
 竜子さんによると、皓平君は05年2月、発熱のため処方されたタミフルを服用。約1時間半後にマンション9階から転落、死亡した。両親は同6月、機構に被害給付金を申請したが、不支給となった。厚生労働省に再審査を申し立てたが、今年4月に「因果関係が判定できない」として棄却された。

5月21日

■ インフルエンザ:小学校学級閉鎖、7人が感染--鈴鹿市内 /三重

(毎日新聞)

 県は19日、鈴鹿市内の小学生39人がかぜにかかり、うち7人がインフルエンザと診断されたと発表した。県内で5月にインフルエンザの感染が確認されるのは珍しいといい、県は感染が拡大する可能性もあるとして、予防を呼び掛けている。
 県健康危機管理室によると、7人いずれも季節性インフルエンザで、所属する組は19日、学級閉鎖となった。

■ 集団接種推進、余剰ワクチン返品、接種の公費負担化などを要望 〜新型インフル対策総括会議〜

(m3.com)

 5月19日、厚生労働省・新型インフルエンザ(A/H1N1)対策総括会議(座長:金澤一郎・日本学術会議会長)は、第5回目の会合を開き、「ワクチン対策」をテーマに医療従事者、保健所、ワクチン製造会社の関係者などからヒアリングを行った。参加者からは、インフルエンザワクチン接種を公費負担とすること、集団接種の実施体制の整備、医療機関の持つ余剰ワクチンの返品を可能とすることなどが要望された。
 笹井康典・全国衛生部長会会長(大阪府健康医療部長)は、「接種開始直前まで具体的な制度が示されず、自治体・医療機関で事前の準備ができず、接種当初から混乱を極めた」と指摘。また、「製造・供給のスピードが遅く、早期の段階で必要量が確保されていなかったため、供給が起動に乗り始めた頃には感染のピークを過ぎ、ワクチン接種が進まず、医療機関には大量のワクチンが余った」として、直ちに医療機関が保有する余剰ワクチンの返品を認めるよう求めた。併せて、集団感染が懸念される児童・生徒・園児等に対しては全国一律で学校・園等における集団接種が有効であるとして、この実施について文部科学省・厚労省が調整を行い、自治体・学校等に対して明確な指針を示すよう要望した。
 集団接種を実施した長野県の小林良清・健康福祉部健康長寿課長は、責任体制の明確化・住民からの紹介対応の効率化の観点から、医療機関への委託ではなく市町村実施とすること、健康な児童・生徒については、集団接種を標準方式とすることを提案した。また、同様に集団接種を行った東京都中央区の宮野慎太郎・福祉保健部・中央区保健所健康推進課長は、集団接種における課題として、地区医師会との連携(短期間で実施から接種まで決定)、接種医師・従事者の確保、集団的接種の経験(従事経験者の不足)、接種予約の方法(コールセンターの混雑)、臨時の諸費用の確保、などを挙げた。
 保坂シゲリ・日本医師会常任理事は、小児科医の立場から、医療現場が混乱を極めた状況を紹介。「新型インフルエンザの診療・ワクチン接種は、現場の医師・医療従事者の高い職業倫理に基づいた犠牲的行動によって支えられたことを国は強く認識すべき。国は協力した医療機関・医療従事者に対し感謝の意を表し、国の対応が不十分であったことを謝罪することが必要。現場の士気は落ちており、このままでは次に新たな敵が襲ってきた時に闘えない」と危惧するとともに、来シーズンの対応について早急に検討・決定を行うよう要望した。
 松本和則・獨協医科大学特任教授は、新型インフルエンザワクチンの副反応について、10月19-21日の3日間に国立病院機構67施設で2万2112人の医療関係者にワクチンを接種した結果やそれ以降の副反応報告を踏まえ、ワクチンの安全性に重大な懸念はなかったと評価。「高齢者・基礎疾患を持つ患者は、感染リスクは低いものの、インフルエンザに罹患した場合に重篤な転帰を辿る可能性が高く、ワクチンに見られているリスクと比較して、相対的に接種のメリットは大きい」とした。
 森島恒夫・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科小児医科学教授は、「ワクチンが広く実施され始めた時期、既に流行は下火になり、ワクチンの有効性が十分検証されていない」として、次回の流行時期までに可能な限り有効性の検証をする必要性を指摘するとともに、効率的な予防接種の実施・小児医療体制整備のためには、人口の何%が罹患したかを経時的に年齢別・地域別に患者を把握できるシステムを構築するよう求めた。
 田代眞人・国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長は、「輸入ワクチンの種類・方法・量などについて、誰がどのようなリスクアセスメントに基づいて決めたのかほとんど説明されなかったことが、最後まで様々な疑問が残った原因」と問題視。政治的決着によるのではなく、厚労省のインフルエンザ専門家委員会で、再度ワクチンの基本的問題を練り直す必要があるとした。

5月20日

■ 新型ワクチン有効率、4か月で半分に低下

(読売新聞)

 新型インフルエンザのワクチンを接種しても4か月が経過すると、十分に予防効果を期待できる免疫を維持している人は約半数に減ることが、大阪市立大の広田良夫教授(公衆衛生学)らの研究でわかった。
 新型インフルエンザワクチンの再接種の必要性を示唆するもので、19日開かれた、厚生労働省の新型インフルエンザ対策総括会議で報告された。
 広田教授らは大阪市内の高齢者施設で、昨年11月に新型ワクチンを接種した入所者約80人(平均約80歳)と従業員約50人(同約38歳)を対象に、1か月後と4か月後に血液を採取して免疫物質(抗体)の量を調べた。1か月後では、7~8割の人が、予防効果の期待できる量に達していたのに対し、4か月後では抗体を持つ人は高齢者では56%、従業員では45%にとどまった。
 広田教授は「今秋にもう一度調べ、抗体保有率がさらに下がるようなら再接種する必要がある」と指摘している。

■ 新型ワクチンの集団接種を提言―厚労省総括会議

(CBニュース)

 厚生労働省の「新型インフルエンザ対策総括会議」(座長=金澤一郎・日本学術会議会長)の会合が5月19日開かれ、新型インフルエンザワクチンの接種をめぐる課題について議論した。「特別ゲスト」として出席した自治体関係者などから、今後は集団接種で実施すべきとの提言が相次いだ。
 厚労省では昨年9月に開いた都道府県担当者説明会で、「医療機関における個別接種を原則とするが、集団接種を行うことも可能」と説明していた。
 全国衛生部長会の笹井康典会長(大阪府健康医療部長)は、「短期間でワクチン接種を進めるには、集団接種で実施すべき」と提言。特に集団感染が懸念される幼稚園児や小中高校生に対しては、全国一律に学校などで集団接種ができるよう、事前に厚労省と文部科学省が調整すべきとの考えを示した。日本医薬品卸業連合会の松谷高顕副会長は、新型インフルエンザワクチンを供給する医療機関の数が季節性の約2倍になり、配分や調整に関する作業量が多くなったと指摘。「10mLバイアルなど大包装ワクチンの消費促進、接種率向上の観点からも、集団接種が望ましい」との考えを示した。
 集団接種が広く実施されなかった理由について笹井会長は、個別接種が前提になっていたことに加え、住民への周知など事前の準備期間が必要だったためと説明。実際に2か所で計1000人規模の集団接種を2回実施した東京都中央区福祉保健部・中央区保健所健康推進課の宮野慎太郎課長は、地区医師会との連携や接種する医師の確保が、集団接種の実施に当たっての課題だったと振り返った。

■国の方針が二転三転して現場が混乱

 長野県健康福祉部健康長寿課の小林良清課長は、「基礎疾患を有する人」が優先接種対象者になっていたが、「基礎疾患」の定義があいまいで、医療機関によって判断が異なったことを今後改善すべき点に挙げた。笹井会長は、決定した優先順位と実際の感染状況に差が出た場合には、それぞれの地域で感染状況に応じた弾力的な運用を認めるよう求めた。
 日本医師会の保坂シゲリ・感染症危機管理対策担当常任理事は、小児科医として実際にワクチン接種に当たった経験から、接種の回数やスケジュールなど国の方針が二転三転したことが現場の混乱を招いたと批判した。また、「ワクチンがあっても、接種体制が整っていなければ意味がない」と述べ、ワクチンの確保と同時に接種体制の整備を進める必要があったとの考えを強調した。

■ワクチンの有効性の検証を

 岡山大大学院医歯薬学総合研究科小児医科学の森島恒雄教授(日本小児科学会新型インフルエンザ対策室)は、人口の何パーセントが罹患したかを年齢別・地域別に早期に把握できるシステムが、効率的な予防接種の実施のために必要との考えを示した。また、ワクチンが広く接種され始めた時期には流行が既に下火になっていたため、ワクチンの有効性が十分に検証されていないと指摘し、次の流行時までに可能な限り検証すべきとした。

(院長のつぶやき)とにかく、今回の新型インフルワクチン接種方法で厚労省は医療機関の信頼を失ったことは確かです。次回パンデミック騒ぎの時に協力を得るには検証・反省・改善が必須でしょう。

■ 感染症サーベイに「課題」―感染研・岡部センター長

(CBニュース)

 国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦センター長は5月19日の「厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会」(部会長=加藤達夫・国立成育医療センター総長)の会合で、感染症の発生動向を調査する「サーベイランス」について、現行の調査体制ではワクチンの効果を検証するには不十分で、課題が多いとの認識を示した。
 同日の予防接種部会では、同部会で検討対象になっている疾患のサーベイランスや予防接種後の副反応報告をめぐる課題をテーマに、岡部センター長ら委員、参考人がプレゼンテーションした。
 サーベイランスの現状について説明した岡部委員は、インフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌による感染症は現在、感染症法に基づく届け出の対象ではなく、これらを原因に発症する細菌性髄膜炎しか把握できないと指摘。Hibワクチン、肺炎球菌ワクチンの効果を検証できないとの認識を示した。細菌性髄膜炎についても、全国約500か所の基幹病院定点からしか報告されないことを問題視した。また、百日ぜきは全国3000か所の小児科定点医療機関のみの把握で、成人例を把握できないことが問題とした。
 地方衛生研究所全国協議会会長の小澤邦寿参考人(群馬県衛生環境研究所長)は、臨床医にはサーベイランスの重要性が理解しにくい上に、ボランティア的要素が強いため、百パーセントの届け出は期待できないとの見方を示した。愛知県半田保健所長の澁谷いづみ委員は、定点医療機関は本来無作為に抽出されるが、調査に積極的に協力する医療機関ほど選ばれやすい可能性があると指摘した。

■副反応報告の電子化を

 国立感染症研究所感染症情報センター第三室長の多屋馨子参考人は、予防接種後の副反応報告について、現行の紙媒体による報告から、電子媒体に変えるよう提案した。これにより効率的かつ迅速な集計、解析が可能になり、情報提供も早まるとの見通しを示した。また、今回の新型インフルエンザワクチンで多くの副反応が報告されたとした上で、「これ以外のワクチンでは、副反応が十分に報告されていない可能性がある」と指摘。報告基準を明確にすることや、報告制度を徹底することが必要との考えを示した。

■ 「ワクチン輸入で政治介入」=新型インフル検証会議で専門家-厚労省

(時事通信)

 新型インフルエンザ対策を検証する厚生労働省の第5回総括会議が19日、ワクチンをテーマに開かれ、国立感染症研究所の田代真人インフルエンザ研究センター長が「(ワクチンの)輸入には政治的介入があったと思っている」と述べた。
 田代氏は政府にインフルエンザ対策を答申した専門家諮問委員会のメンバー。「経緯を知らない人が対策本部にいたことが問題だった」としたが、介入の具体的な内容は明かさなかった。
 欧州2社から輸入した9900万回分のワクチンは、大半が使われず廃棄される見通し。同氏は「専門家を集めて対策を練り直すべきだ」とした。

(院長のつぶやき)全部さらけ出していただきたい。

5月19日

■ 鹿児島・沖永良部島、小学校学年閉鎖 新型インフルエンザ

(毎日新聞)

 県は18日、沖永良部島の知名町立下平川小で、新型インフルエンザとみられる集団感染が発生した、と発表した。6年生21人中7人が38度以上の高熱などを発症し、18、19の両日を学年閉鎖とした。県内の学級・学年閉鎖は今年3月初旬以来。

■ 【風(1)新型インフル】日本人は熱しやすく冷めやすい?

(産経新聞)

 白い防護服に身を包んだ検疫官が飛行機内に入り、乗客の健康状態を厳重にチェックする-。関西国際空港などでは1年前、映画のワンシーンのようなものものしい光景が繰り広げられた。海外で拡大した新型インフルエンザの感染防止を図る「水際作戦」だった。
 しかし昨年5月9日、カナダから帰国した大阪府寝屋川市の高校生らが初感染。1週間後、同府茨木市や神戸市内の高校で集団感染が確認された。関西を中心に、小中学校などでは学校・学級閉鎖が相次ぎ、地域イベントは自粛、「デパ地下」の食品売り場では試食も中止…。市民生活は大混乱に陥った。
 衆院選を数カ月後に控えた当時、立候補予定者の各陣営もピリピリムードだった。「街頭演説中に支持者が感染したら一大事」と、立候補予定者が有権者との握手を自粛するケースも。ライバル陣営の動き以上に、見えないウイルスへの対応に追われた。
 国内感染は昨年11月末をピークに減り続け、厚生労働省は今年3月末に事実上の終息宣言。死者数は199人、急性脳症などの重症患者数は1557人(11日現在)で、結果的に、致死率は季節性インフルエンザより大幅に低かった。ワクチンも今や約8400万回分がだぶつき、数百万回分が廃棄対象となっている。
 あれほど「新型」に振り回され続けたのは、未知のウイルスだけにやむを得なかったのか。それとも、日本人特有の「熱しやすく冷めやすい」風潮が後押ししたのだろうか。
 「マスコミ特有の『一番目報道』が騒ぎをあおったのでは」と指摘するのは、大阪大医学部の朝野(ともの)和典・感染制御部教授。初感染が確認された高校には、報道陣が早朝から詰めかけ、連日の取材合戦が繰り広げられた。「一番目報道が国民にとってどれほど意味があったのか。事実を冷静に伝えることが大事なのに…」。今となっては、朝野教授の言葉が身にしみる。
 今回の風のテーマは「新型インフルエンザ1年」。あの騒動を、少し冷静に振り返ってみたいと思います。感染した人、ワクチンを求めて病院を探し回った人、対応に追われた医師や学校の先生…。皆さんのご意見をお待ちしています。

■ 【風(2)新型インフル】被害者なのに…責任追及の矢面に

 「高校生が新型インフルエンザに集団感染したらしい。すぐ走ってくれ」
 昨年5月16日夕、筆者の携帯電話に、社会部デスクの声が響いた。大阪府茨木市の私立高校で約100人が症状を訴え、9人が感染濃厚という。福井支局から大阪本社の社会部に異動してまだ2週間。「いきなり新型インフルエンザとは…」と身が引き締まった。
 その日は深夜まで、茨木市役所で対策会議の様子を取材。翌朝、当該高校に行くと、大勢の記者が集まっていた。みんなマスク姿。「異様な光景だなあ」と思ったが、ふと筆者だけマスクを着けていないことに気付いた。慌てて近くのコンビニに行ったが、すでに売り切れ。店員に聞くと、報道された直後から、急にマスクを買い求める人が殺到したという。
 やむなくマスクなしで取材を始めたが、くしゃみが出るたびに周囲から白い目で見られた。「これは花粉症なのに…」。身の縮まる思いだった。
 この学校では、関係者は特にマスクの着用を徹底し、拡大を防ごうと懸命だった。それでも学校には「感染を隠していたんじゃないのか」「日本中に死人を出すつもりか」など、心ない中傷の電話が相次いだという。
 学校関係者は、感染対策だけでなく「世間の目」も気にしなければならなかった。「生徒や保護者、社会に対してひたすら申し訳ありません」。教頭が何度も謝罪の言葉を述べる姿が痛々しかった。
 「日本中で水際対策が叫ばれていた中、本校の生徒が大量感染した。ふと頭に浮かんだのは、エボラ出血熱などの(激烈な)伝染病。最悪の場合、国中の人が次々と倒れる事態まで考えた」と教頭は振り返る。とにかく、治療法や対応策が分からず、不安ばかりだったという。
 被害者であるはずの感染者が、なぜか責任追及の矢面に立たされた。それは、見えないウイルスに対する社会全体の不安の裏返しだったのだろうか。
 さて、皆さんは当時、新型インフルエンザという“新しい脅威”をどのようにとらえ、向き合っていただろうか。ご意見をお待ちしています。

■ 【風(3)新型インフル】ワクチン争奪戦の後遺症、今も

 「インフル騒動」の象徴ともいえるのが、ワクチン。生産が昨年秋の感染のピーク時に間に合わず、大幅に不足したかと思えば、年明け以降は感染者が急減し、大量にだぶつく事態となった。
 ワクチンメーカーが4社しかない日本では当初、供給不足が予測され、接種の優先順位がつけられた。診察にあたる医師らは10月中旬▽妊婦や重い持病の患者は11月▽高齢者は今年1月-などと定められた。
 冬場の流行期を前に、ワクチン不足を心配する声が高まり、鳥取県内の病院では昨年11月、医師らに限定されていたワクチンを病院職員の孫らに接種していたことが発覚。「身内優遇だ」と批判が集中した。
 「新型のワクチンはまだ病院になく、とりあえず季節性インフルエンザのワクチンを10月ごろに打ってもらった」と話すのは、84歳になる筆者の父親。年が明けて新型ワクチンの接種を医師から勧められたが、「すでに周りはだれもマスクをしていなかったし、今さらいいかと考えて」接種を受けなかったという。
 厚生労働省によると、国産ワクチン5400万回分のうち、在庫は2月現在で3110万回分。輸入ワクチンは5300万回分のうち、出荷されたのは、流行がほぼ収束した3月になってもわずか約4千回分で、国産と輸入分で計約8400万回分が余っている。
 接種回数が当初予定の2回から原則1回になったこともあるが、結果論とはいえ、果たして輸入まで必要だったのかという疑問は大いに残った。
 「日本は、世界中からワクチンを買い占めたと言われかねない」と指摘するのは、大阪大医学部の朝野(ともの)和典・感染制御部教授。「先進国と発展途上国で医療体制に差があり、同じウイルスでも致死率は国によって大きく異なる。途上国では病院で治療を受けることすら難しく、そういう国にこそワクチンは必要」と強調する。
 国を挙げて確保に走った「ワクチン争奪戦」は、今や昔話に。だが、「あのときワクチンがあれば…」「残った在庫を何とかして」という声はなお残り、患者や医師らを振り回し続けた争奪戦の“後遺症”は、今も続いている。

■ 【風(4)新型インフル】体調より「感染差別」に不安

2010.5.20

 「出社に及ばず」「海外出張禁止」…。米国などで新型インフルエンザが猛威をふるい始めた昨年5月、国内企業などは感染防止策として、海外からの帰国社員の自宅待機など、次々と措置を打ち出した。
 報道機関も他人事ではなかった。弊社も当時、海外渡航者に対しては帰国後6日間の自宅待機、国内在住者は、家族が発症すれば本人が感染していなくても自宅待機が命じられた。
 一方、感染地域に出向いての現場取材は不可欠。記者たちはマスク着用を徹底した。神戸市内の高校で集団感染が確認された際には、取材拠点の神戸総局にマスク数百枚が急遽(きゅうきょ)配られた。
 ここで、実際に感染した大阪市内の男性会社員(42)の例を紹介したい。発熱やせきなどの症状が出たのは昨年12月。すでに新型インフルエンザが“一般化”しつつあったが、男性の職場ではまだ本人感染の例がなく、「職場の誰かにうつしたかもしれない。でも抱えている仕事もあるし…」とあれこれ悩みながら、意を決して近くの医院へ向かったという。
 待合室で約1時間。診察室に入ると、おもむろに鼻に綿棒のようなものを突っ込まれ、中でグリグリ。「A型ですね」。医師はあっけなく宣告した。
 「色がはっきり変わってるでしょ」。採取した粘液をつけた試薬を医師から見せられた男性。「変わってますかね」と聞き返すと、「変わってますよ。私は何例も見てるんだから」。医師は当然といった感じで説明したという。
 会社を約1週間休んだが、家族も感染を警戒して近づかず「静養という名の“家庭内別居”」だったそうだ。仕事に無事復帰できたものの、男性は「自分の体調より、まず職場や周囲に対する不安があった」と振り返り、「職場によっては『感染差別』を恐れた人も多いのでは」と話す。
 今後も新しい感染症が流行する可能性は否定できない。その際、ウイルスに強い毒性があるのかどうかをいち早く突き止めることこそ、多くの人々を何より安心させる手だてなのかもしれない。

■ 【風(5)新型インフル】パート解雇、生活に深刻な影響

(2010.5.24)

 1年前の「新型インフルエンザ騒動」に関し、さまざまな意見をいただいている。当初は毒性などがはっきりしなかったこともあるが、大きな影響を受けた人が少なからずいたのだと、改めて感じさせられる。
 《すべての販売員にマスクの着用、売り場カウンターに消毒液を並べての営業風景は、物々しい姿でした》と、宝くじ販売関連会社の男性営業部長(46)。ドリームジャンボ宝くじが発売された昨年5月18日、大阪市内の特設売り場の光景を振り返っていた。
 売り場では当初、開店に際して「くいだおれ太郎」を呼んでのカウントダウンイベントを予定していたが、時勢に配慮して自粛。会社ではその約3カ月前、強毒性の鳥インフルエンザに対応する行動マニュアルを作成していたが、《ことごとくマニュアルを裏切られ、想定外の対応をすることになった》という。
 肝心の売り上げは2割以上減少し、《いまだに一昨年並みには回復していません》。男性は《会社の倉庫に眠っている大量の消毒薬とマスク、患者発生時に着用する防護服やゴーグルが、このままの状態で眠り続けてくれることを祈ります》とつづっている。
 生活に深刻な影響をもたらされたケースもある。小、中、高校生の3人の子をもつ大阪府の女性は、新型インフルエンザがきっかけで、パートの仕事を解雇されたという。
 《公立校が一斉休校になった当日、私が37度の発熱。仕事を早退し、発熱外来の電話番号に何度電話しても話し中。『(当時は)発熱した人は直接病院へ行かないで』と報道されていたので、不安と焦りでパニックになりそうでした》
 女性は翌朝には平熱に戻り、出社しようとしたが、会社側が拒否。1週間後に出勤すると、自席の机やパソコンは《消毒液でベタベタ》だった。その後も、子供が微熱を出すと《新型インフルエンザかも》と当日の出勤を控えるようになり、昨年末に《『よく休む』との理由で解雇されました》という。
 女性が記した言葉に、改めて考えさせられた。《未知の病気で専門家にもわからなかったとはいえ、医療機関の対応や、報道のあり方も含めて、今後このような混乱が発生しないように対処してほしい》

5月18日

■ 新型インフル集団感染 富士吉田の昭和大で82人 

(山梨日日新聞)

 山梨県は17日、富士吉田市の昭和大学の学生と職員82人が新型インフルエンザに集団感染と発表した。全員軽症で入院患者はいないという。
 県によると、12日に学生2人がインフルエンザのような症状を発症したため、PCR検査を実施。2人とも新型インフルエンザの陽性を確認し、17日に大学内の発症者を確認したところ、学生と職員計82人の発症を確認したという。
 同大学では発症した学生らの出席を1週間停止する措置をとっている。

■ 新型インフル 経験は一つも無駄にせず

(西日本新聞)

 振り返れば、昨年の4月、5月と新型インフルエンザで大騒ぎだった。
 メキシコ、米国からカナダへと広がっていた。このため、日本では、この3カ国から到着した航空機については機内で検疫を行い、新型ウイルスの侵入をできるだけくい止める水際作戦をとった。
 覚えておられるだろう。マスクにゴーグル、手袋を身に着け、ビニールのかっぱのようなものを羽織った完全防護の医師が機内に乗り込もうとする光景を。
 あれから1年が過ぎた。日本では新型インフルエンザによって198人(今年3月23日集計)が亡くなった。ただ、ほかの国と比べれば被害は少なかった。
 人口10万人当たりの死亡率ではカナダ1・32、メキシコ1・05、オーストラリア0・93、英国0・76などと比べて、日本は0・15と格段に低かった。
 この結果だけ見れば、日本の対策は成功したといえそうだ。しかし、それが満点だったとは誰も言わないだろう。
 では、どこに問題があったのか。それを教訓にして、どう改善していくか。
 厚生労働省は3月、専門家を集めた「新型インフルエンザ対策総括会議」を設置し、検証作業を進めている。
 まず、水際作戦は当時から賛否両論があった。防護服姿の映像は物々しく、むしろ不安感を高める。ウイルス侵入を遅らせる効果も乏しいと批判された。
 空港の検疫業務には多くの医療関係者が応援に駆り出されたが、応援者を効果的に活用できたとは言い難いとの指摘があった。渡航歴のない国内感染者が確認されても検疫業務の変更がなく、現場では徒労感が高まっていったという。
 だが、まったくの無駄と片付けてしまうべきではない、との意見もあった。
 悲劇的だったのは、初期に感染した高校生などが在籍した学校関係者である。理由なき非難、中傷にさらされた。
 いま思うと過剰反応もいいとこだ。なぜ、もっと冷静に対応できなかったのか。情報は適切に提供されたか。政府、マスコミのあり方も考えられるべきだ。
 国と都道府県、市町村の連携も十分だったとは言い難い。縦割り行政の弊害を少しでも解消するため、厚労省の総括会議ではなく、本来は政府全体として大掛かりな検証作業を行ってもいい。
 新型インフルエンザに対するワクチン接種でも1回か2回か二転三転した。結局、ワクチンは大幅に余って医療機関が抱え込むかたちになった。
 一方、学級・学校閉鎖の徹底、タミフルなど抗ウイルス薬の備蓄、予防意識の高さが効果を上げたとの指摘がある。
 ただ、学校閉鎖で困った共働き世帯もあろう。物事は一長一短がある。検証には多様な視点が欠かせない。それで、できるだけ多くの教訓をくみ取りたい。
 総括会議の資料は厚労省のホームページにある。だが、細かく見る人は少なかろう。総括会議は誰もが読みやすく分かりやすい報告書を作ってほしい。広く読まれなければ意味がないものだから。

■ インフルエンザ、集団感染18件確認 〜台湾〜

(中国時報)

 台湾政府衛生署(厚生労働省に相当)は10日、インフルエンザの集団感染が18件認められ、拡大の可能性があると発表した。うち約9割がB型だが、新型インフルエンザの感染も、幼稚園と兵営の計3カ所で確認されている。
 感染者が認められた兵営は、台湾西岸中部にある嘉義新兵訓練センターと台中県にある后里(こうり)の基地。それぞれ112人と47人にインフルエンザの症状が現れ、いずれも17人が新型インフルエンザの陽性反応を示している。嘉義ではうち13人が肺炎を併発している。
 世界保健機関(WHO)は、新型インフルエンザが今後も一定のサイクルで、小規模な集団感染を起こすと予想しており、衛生署でも、今回の新型インフルエンザ感染が広がる可能性は少ないとみている。しかし、若年層のワクチン接種率が、新兵では4%と低いため、早めの予防接種を呼び掛けている。

5月17日

■ 新型インフル:神戸大流行は異なるウイルス 感染経路は別

(毎日新聞)

 渡航歴のない神戸市の高校生から全国で初めて新型インフルエンザのウイルスが検出されて16日で1年。この高校生たちから検出されたウイルスと、神戸市内全域で感染者が確認された6月以降のウイルスの遺伝子が異なっていることが、神戸市環境保健研究所の調査でわかった。6月以降に蔓延(まんえん)したウイルスは、別の複数の経路から侵入したことを示す結果という。
 研究所員の森愛さん(36)=ウイルス学=らは昨年神戸市内で採取した検体のうち、5~8月の患者の検体28人分を抜き出して比較した。ウイルスを構成する遺伝子の塩基配列を調べたところ、5月に感染した高校生8人は塩基配列がほぼ一致。6~8月の20人はいずれも異なり、5月の8人とも違った。この結果から6月以降の流行は5月の患者から広がったのではなく、別の複数の感染経路があった、と結論づけた。
 神戸市内の患者数は、5月中は多い日は1日30人を超えたが、その後減って6月になると1日5人以下に。同11~22日は海外渡航者の2人だけだった。その後7月から再び増え始めて冬まで流行が続いた。国立感染症研究所は、6月の患者数減は、5月中の休校が功を奏したとみている。
 森さんは「一度はウイルスを抑え込めたことで、適切な対策だったことが証明できた」と話している。

■ 各地で危機管理ポスト新設 新型インフルから1年 

(神戸新聞)

 国内初の新型インフルエンザ発生が神戸市で確認されて16日で1年。この間、全国の自治体に危機管理専門のポストや部署を新設する動きが広がっている。感染症の対応は本来、保健福祉部局の持ち場だが、学級閉鎖や行事の中止、企業活動の停滞など新型発生による影響は多岐にわたり「縦割り」対応では限界がある。主に自然災害に対応する防災部局の機能を強化し、全体の調整にあたらせる例も増えている。
 静岡市は今年4月、従来の消防防災局から防災部門を切り離し「危機管理部」を新設した。昨年9月には市長、副市長に次ぐ局長級の「危機管理統括監」も設けた。
 神戸で新型インフルエンザ発生が確認された11日後、静岡市でも感染者を確認。東海地震に備えて地震防災では先進地の同市だが、担当者は「危機管理の対応部門はなかった。新型インフルエンザはまさに全庁対応が迫られ、それを取りまとめるポスト、部署が必要となった」と説明する。
 静岡県は昨年4月に設けたばかりの「危機管理局」を今年4月に「危機管理部」に格上げ。所管のはっきりしない事故や災害が起きると、同部が初動対応を引き受ける。群馬県も「危機管理監」のポストを副部長級から最上位の部長級とし「立場を上げることで庁内調整しやすくした」(危機管理室)。大分県教委も部局間調整にあたる「総括調整監」を設けた。
 一方、阪神・淡路大震災の経験から1996年に全国で初めて危機管理専門の「防災監」を置いた兵庫県も、新型発生や台風災害を踏まえ「副防災監」ポストを4月に新設。朝来市も昨年10月に「防災安全課」を設けた。
 人と防災未来センター(神戸市中央区)の紅谷昇平研究主幹は「国民保護、感染症と、自治体の危機管理事案は増えている」とした上で「今回のインフルエンザ対応は、どこの部署が主導権をとるか、自治体によって対応が分かれた。危機管理部署やポストの新設は、強いリーダーシップや調整機能が求められた結果だが、部署があれば大丈夫というわけではなく、それぞれの危機に対応できる知識、人材の確保も必要」と指摘する。

■ 強毒性、6割が「指針策定しない」=新型インフル-大阪の事業所調査・国交省

(時事通信)

 弱毒性の新型インフルエンザが昨年、早い段階で流行した大阪市で、1100の民間事業者のうち、64%が強毒性のものが発生した際の事業継続計画(BCP)や指針について「現在策定しておらず、今後策定する予定もない」と国土交通省の国土交通政策研究所の調査に回答した。
 調査は、大阪市の約3100の事業所を対象に今年2~3月に実施。1100事業所から回答を得た。
 調査結果によると、強毒性の新型インフルエンザに対応するBCPなどがあると回答したのは14%。今後策定するとしたのは22%だった。規模別に見ると、従業員300人以上の事業所では54%がすでに策定している一方、100人未満では78%(従業員9人以下)~53%(同50人以上99人以下)が策定する予定がないとした。

5月16日

■ 【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.100

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 5月9日時点で、WHOには、214ヶ国と地域で確定患者と、合18036名以上の死亡者の報告があがっている。WHOは、その地域事務局や加盟国と頻繁に協議、あるいは、複数のデータを監視することで、パンデミックの進展状況を注意深く追跡している。

2) パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が現在最も活発な地域は,カリブ海諸国と中央アメリカの一部の地域、そして西アフリカと東南アジア、南アジアでは、程度が低いレベルにある。北半球、南半球の温帯地域では、パンデミックインフルエンザ活動は散発的な状態のままである。季節性B型インフルエンザウイルスは、アジア、アフリカ、欧州の一部地域で散発的に検知が継続されている。

3) 南北アメリカの熱帯地域では、パンデミックインフルエンザウイルスH1N1活動が、カリブ海諸国の一部で最も活発で、低いレベルに中央アメリカがある。 キューバでは、2010年2月に始まった強い伝播活動の後、パンデミックインフルエンザ活動は、減少が続いている。 地理的に広範囲なパンデミッインフルエンザ活動がジャマイカで報告されている(2010年2月から5月にかけて)。ドミニカ共和国では、4月下旬から。しかし、他の呼吸器系疾患ウイルスが、同時循環していることが分かっており、全体としての呼吸器疾患活動は、低いー中程度のレベルのままであると報告されている。
限定されたカリブ海諸国(ドミニカ、ジャマイカ)の定点観測拠点での急性呼吸器疾患率(SARI)は、2010年4月から増加しているが、循環しているパンデミックインフルエンザウイルスと他の呼吸器疾患ウイルスがどの程度影響を与えているかは不明である。中央アメリカと南アメリカの熱帯地域(ニカラグア、ホンジュラス、グアテマラ、コロンビア、ボリビア、ぺル)では、すべての国が、2010年4月下旬以降、1-2週間にわたって、インフルエンザが地域的に広がっているとの報告をしている。これは、この地域でパンデミックインフルエンザウイルスが低いレベルで循環が継続していることを示唆している。それに加え、いくつかの国から、インフルエンザと他の呼吸器疾患ウイルス(RSウイルスとアデノウイルスを含む)が同時循環している証拠がある。

4) アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播活動が最も活発な地域は、南アジアと東南アジアの一部の地域で、特にバングラディッシュ、マレーシアとシンガポールである。バングラディッシュでは、2010年4月から、パンデミックインフルエンザウイルスと季節性B型インフルエンザウイルスの同時循環を伴い呼吸器疾患患者が継続的に増加している。 マレーシアでは、限られたデータではあるが、最近のパンデミックインフルエンザ活動が4月上旬に始まり、中旬以降確実に上昇している。 シンガポールでは、2010年4月以来、急性呼吸器疾患(ARI)の全国的なレベルは疫学的閾値を越えている。 最新の週の報告では、定点機関の臨床検体の38%がインフルエンザに陽性を示した。タイでは、2010年1月から4月初旬に、継続的なパンデミックインフルエンザウイルスの伝播があったが、これは、ほとんど消滅したようだ。 インドでは、低いレベルでパンデミックインフルエンザウイルスがいくつかの西部と南部の州で、検知されている。しかし、呼吸器疾患患者の全体的な割合は、低い状態にある。 インドネシアでは、2010年4月に始まった季節性インフルエンザH3N2ウイルスの低いレベルでの循環期は、現在は静まったようである。 東アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスは、散発的に検知されているが、中国、香港、台湾では、季節性B型インフルエンザウイルスがの循環が、持続的に、しかし、減少方向で報告されている。

5) サハラ以南のアフリカでは、数カ国からの限られたデータではあるが、西アフリカの一部で活発なパンデミックインフルエンザの伝播が続いていることを示している。一方、低いレベルであるが、季節性B型インフルエンザがアフリカ中央部の一部で循環が継続している。また、アフリカ東部でも、より低いレベルで循環している。ガーナではパンデミックインフルエンザウイルスの検知が、2010年4月の上旬にピークを迎えて以降下降している。最新週の報告では、臨床検体の10%がパンデミックインフルエンザに陽性であった。アフリカ中央部で、カメルーンでは、季節性B型インフルエンザウイルスとパンデミックインフルエンザウイルスの同時循環が継続していると報告されている。 後者が、最新週の報告では支配的である。臨床検体の31%が、季節性B型インフルエンザウイルスに陽性で、パンデミックインフルエンザに陽性は4%であった。 季節性B型インフルエンザウイルスと季節性インフルエンザH3N2ウイルスが、散発的に、この1ケ月、アフリカの東部と西部にわたって散発的に検知されている。

6) 南北アメリカの温帯地域では、チリ以外では、全体としてインフルエンザウイルスが、散発的に検知されるのみである。チリでは、パンデミックインフルエンザウイルスと他の呼吸器疾患ウイルスの同時循環を伴いl、インフルエンザ様疾患活動が増加している地域が限定しているが、報告され続けている。

7) 欧州では、全体としてパンデミックインフルエンザウイルスが、散発的に検知されている状態が続いており、呼吸器疾患の程度は、低い状態にある。 季節性B型インフルエンザウイルスが低いレベルで欧州南部と東部の一部地域で循環しており、特にロシアとイタリアである。

■ 消えぬ心のつめ跡 新型インフル国内初感染から1年

(産経新聞)

 新型インフルエンザの国内初感染者が神戸市で確認されてから、16日で丸1年となる。国の行動計画は「強毒型」を想定していたため、兵庫県、神戸市はパニックと風評被害の中、学校の臨時休校や施設の閉鎖など、さまざまな感染防止に向けた対応を迫られた。結果的に被害は予想を大幅に下回ったが、初の感染者が確認された県立高校では今も複数の生徒が心のケアを受けるなど、“インフルショック”の爪痕(つめあと)は消えない。

●卒業まで終わらない

 「今も、心に傷を抱えている生徒がいる。1年たっても、『終わった』とはとても思えない」
 当時3年の男子生徒が初の国内感染者とされた県立県立神戸高校(神戸市灘区)の岡野幸弘校長(58)は、硬い表情を崩さずに語った。
 感染した生徒たちはカメラの放列の中、防護服姿の職員によって病院へ運ばれた。岡野校長は「『自分はバイキンか』とショックを受けたり、『自分のせいで学校が止まってしまった』と自分を責める生徒もいた。当時の生徒たち全員が無事卒業するまでは終わらない」と強調した。

 神戸高校の翌日、生徒の感染が確認された県立兵庫高校(同市長田区)では昨年来、校舎内10カ所に設置した消毒液での感染予防が習慣となった。今月14日朝、江本博明校長(59)は全生徒に「私たちは騒動を乗り越えたが、克服したのではない。いつ健康や命を脅かす事態が発生しないともかぎらない」と引き続き注意を呼びかけた。
 「たとえ強毒性のインフルエンザが発生しても、助け合い知恵で工夫できる兵庫高校である限り、乗り越えられると信じている」

●「過剰反応」

 厚労省によると、この1年間で日本では約2068万人が新型インフルエンザに感染、198人が死亡した。通常の季節性インフルに毎年約1千万人が感染し、1万人が死亡するとされるのに比べると、被害は明らかに少ない。
 神戸市の矢田立郎市長は「思い返すのも嫌」と1年前を渋い顔で振り返った。「過剰反応だったと言わざるを得ない。経験を反省材料に、日本全体でとらえ方を考えるべきだ」。兵庫県の井戸敏三知事も「あの経験を踏まえ独自の対応計画は作ったが、今後は、強毒型の場合にきちんと運用できるか検証が必要」と強調した。想定と現実の大きなギャップが、そのまま混乱の大きさを象徴する。

●団結して乗り越える

 だが、新型インフルの混乱は今も続く。製造が遅れたワクチンが供給され始めたのは昨年10月下旬。感染の中心となった小中高校生に届くころにはピークが過ぎており、医療機関は現在、大量の在庫を抱えている。神戸市保健福祉局予防衛生課の担当者は「発生直後から今まで、国の方針のブレのあらゆるつけが、最前線に立たされた市町村にきている」とこぼす。
 「阪神大震災以来の危機」ともいわれた神戸の新型インフル騒動では、主要産業の観光も大きな被害を受けた。キャンセル客が約2万人、損害は4億円にのぼったという有馬温泉では、初感染確認直後から、観光客を取り戻そうと「清潔・安心」PRの清掃活動や、旅館福袋など知恵を絞ったキャンペーンを展開。有馬温泉観光協会の當谷正幸会長は「昨年秋までには客足を取り戻せた。苦楽はみんなで乗り越えるんだという連帯感が、一層強くなった」と胸を張る。
 17日には「LOVE有馬クリーンアップ」と銘打ち、一般客も巻き込んだ日帰り入浴付きの清掃イベントを実施する。當谷会長は「どんな危機にも揺るがないブランドを、みんなで作り上げていきたい」と話した。

5月15日

■ 新型インフル確認1年 「感染早く把握」教訓に

(読売新聞)

基幹病院敷地に 専用建物建設へ

 神戸市で、新型インフルエンザの国内初感染が確認されてから、まもなく1年を迎える。自治体や医療機関などは、感染の拡大防止や、未知の感染症に不安を募らせた市民への対応、風評被害など様々な問題に直面した。あの一連の騒動から何を学んだのか――。各機関の取り組みを検証した。

■休日に患者殺到

 昨年5月16日の感染確認後、神戸市の医療機関には患者や感染を心配した市民の受診が相次いだ。休日に殺到したことを受け、市医師会は昨年10月~今年1月の日曜と祝日に、「新型インフルエンザ休日対応診療所」を設置。延べ約760の医療機関が協力し、新型インフルエンザの患者だけを診察した。一般病院での診療が始まると、院内感染防止の問題も浮上。今後流行した場合、基幹病院の敷地内に診察室や受付、待合室などを備えた専用プレハブを建設する。
 市医師会はワクチンについて大量の在庫を抱えていることを指摘。4月末にまとめた最終報告書で、優先接種や供給バランスなどを課題に挙げた。学校現場での感染拡大も重視し、早期の集団接種を呼びかける。

■手洗い、うがい励行

 県は昨年10月、神戸市立以外の公立小・中・高校で、風邪の症状による欠席者数を把握するシステムを導入した。県教委の担当者は「どの学校、地域で流行の兆しがあるのかを即座に把握し、対応することが肝心」と話す。
 神戸市内の小中学校や幼稚園などは当初、各学区で感染者が判明するたびに学校を閉鎖した。その後基準を設け、昨年度末までに276校園、延べ3173学級が閉鎖。2、3学期にインフルエンザに罹患(りかん)した児童は、5万4240人で、全体の42・47%に上った。
 手洗いやうがいは励行され、今年度は13日までにインフルエンザ感染の児童・生徒は3人で、学級閉鎖はゼロ。だが、市教委は「子どもの体調変化をよく観察していきたい」と慎重だ。

■正確な情報発信

 「患者が増加するのは秋と見据えて、動いた」。市は昨年5月末、国より早く早期探知の方針を打ち出した。患者の動向を把握するため、9月には市内11か所に感染症の専門保健師を配置、地域との連携を強めた。
 風評被害や情報公開の問題も浮き彫りになった。市内の観光施設やホテルは利用客が激減。また、最初の感染者が確認された学校では、中傷被害があった。
 市危機管理室は「防止には正確な情報発信しかない」とし、個人情報を勘案しながら極力公表する方針という。

■ 新型インフル国内初感染から1年(上)

(朝日新聞)

 神戸市で新型インフルエンザの国内初感染が確認されてから16日で1年になる。多くの生徒が感染した県立兵庫高校の江本博明校長(59)が朝日新聞社のインタビューに応じ、「情報の共有が、生徒や保護者との気持ちの共有につながった」と当時を振り返った。(清野貴幸)

 ――当時、兵庫高校は2週間休校しました。授業や部活動が遅れることに心配はありませんでしたか。

 再開してすぐ行ったアンケートによると、生徒が最も不安を感じていたのはインフルエンザ自体ではなく、勉強の遅れでした。そこで学校のホームページ(HP)に授業の課題を掲載して自宅での勉強の指示をしました。授業時間は夏休みを短くするなどして確保しましたが、3年生の模擬試験の成績は例年より悪かった。それでも最後には遅れを取り戻しました。

 ――学校への中傷や嫌がらせもありました。

 「部活動の生徒があの公園で体操しとったやろ。消毒しに来んかい」「生徒を電車に乗せるな」など数件です。保護者からも「感染者は誰か」との問い合わせがありましたが、HPに学校の対応や生徒への指示を掲載して毎日更新してからは、そうした反応はなくなりました。情報を共有することが、気持ちの共有になったのです。

 ――教育者として学んだことはありますか。

 校長として何を守るのか。一つ目は生徒や教職員の命と健康。二つ目は信頼です。生徒や保護者、地域が学校を信頼すること、その「信頼」を守らないといけない。いつでもそれがうまくいくわけではありませんが、常にそう思っておかないといけない。

 ――振り返って、当時の混乱は何だったのでしょう。

 2週間の休校が明けた昨年5月30日、日ごろ部活動で日焼けしている子どもたちが、白い顔で登校してきました。みんなニコニコとようしゃべってるんですよ。勉強は家でもできますが、彼らは友人の大切さや学校というものの大切さを感じたと思います。感染者を疎外したりもせず、互いに信頼し合った。「あの2週間は何だったんだ」という思いはありますが、ウイルスも強毒性ではなかったし、そうした点を再認識できたのはよかったと思います。
      ◇
 新型インフルの国内初感染から1年。私たちは何を学んだのか。学校、医療、危機管理の現場から、3者に聞く。
 新型インフルエンザの国内初感染 昨年5月16日、県立神戸高校の男子生徒が新型の豚インフルエンザウイルスに感染していることを厚生労働省が確認。国内での感染が確認された初のケースとなった。感染者は高校生を中心に拡大し、県内で5月末までに約200人の感染が確認された。県や神戸市は同16日から学区ごと、同18日からは全県で小中高校などの休校を決めた。民間団体の調査では、神戸市内の事業所の約9割が売り上げや客の減少などの悪影響を受け、県内宿泊施設では5月だけで約5万人分の予約がキャンセルされた。
 兵庫高校は神戸高校と同じ日に感染が確認され、2週間の休校を決めた。再開日の全校生徒のアンケート(回答836人)では、「不安や心配、困ったこと」(複数回答)について「学習面」が193人で最も多く、「部活動」159人、「インフル関連」98人と続いた。昨秋、当時の対応などを記録した冊子「生徒のいない二週間―新型インフルエンザ休校の記録―」を発行し、県立学校や校区内の小中学校に配った。

■ 新型インフル国内初感染から1年(下)

(5/17:朝日新聞)

 県庁の危機管理を統括する木村光利・防災監は、着任から1カ月半後に新型インフルエンザの国内初感染という事態に直面した。危機管理の成否を分けるのは「情報の出し方、使い方」と語った。

 ――県が事前に策定していた新型インフル対策計画はうまく機能しましたか。

 危機管理からいうと「危機」の正体がわからないというのが問題だった。強毒性に対応する対策計画を作っていたが、強毒でないものに強毒の対応をするということは、それだけ不具合が生じる。感染率や重症化率によって対策レベルを変える機動的な対応の必要性を知った。

 ――経済への影響もあって社会不安が広がりました。

 新型インフルとは何ぞやということを我々が伝える努力をもっともっとしていかなければならない。総力を挙げて、わかりやすく感染予防対策や医療体制を伝えることがパニックを防ぎ、感染の沈静化につながる。

 ――学校の一斉休校措置には賛否がありました。

 初期の段階で全県的に学校を閉めたのが、感染拡大の防止に一定の効果があったのではないかと思っている。拡大をいったん止めることができて、秋以降の流行期への備えに時間がとれ、新型インフルの周知期間にもなった。

 ――感染ルートの発端はつかめたのですか。

 一番最初はわからない。当初、(昨年5月16日に)国内初感染と思われた高校生より早い5月5日に発症した高校生が1例目とまではわかったが、そこから元をたどるのはもう不可能だ。

 ――保健所を持ってない市町からは、県からの情報が少ないと不満が出ました。

 情報提供はしたつもりだが、市町によって対策本部を作ってすごく熱心な所と、弱い所がある。我々の情報を活用してもらえるように、指導や助言をしながら整理していかなければいけない。

 ――体制はどのように強化しましたか。

 昨秋、疾病対策室を課に格上げして増員した。また、情報が非常に重要ということで、サーベイランス(監視)の体制を充実させ、学校の欠席状況をオンラインで毎日集計するシステムが稼働した。医療機関、薬局などからも流行状況を把握しており、情報把握は特に力を入れている。

◆メモ
 県は昨年4月、強毒性の鳥インフルエンザを想定した対策計画を策定。感染者が出た時点で全県一斉休校としていた。だが、新型の豚インフルは毒性が強くなく、校区単位の休校にとどめた。昨秋、計画を改定し、感染者数や重症化率に応じた段階的な対策を定めた。休校の範囲を市町単位としたり、診療態勢を簡略化したりできるようにした。

5月14日

■ 新型インフル、混乱検証 「国の硬直的対応が問題」

(日本経済新聞)

 新型インフルエンザで国内初となる患者が神戸市内で確認されてから16日で1年となる。国内に“上陸”後は「強毒型」を想定した厳重な対応で混乱が生じた。結果として被害が予想を大幅に下回り、12日の新型インフルエンザ対策総括会議で「過剰反応だった」との指摘も出た。世界的に流行が下火になったものの、次に備える検証が続いている。
 「問題だったのは国の硬直的な対応だ」。12日に厚生労働省内で開かれた4回目の新型インフルエンザ対策総括会議で、神戸大学の岩田健太郎教授(感染治療学)は国内で患者が初確認された後の対応を批判した。
 強毒型の鳥インフルエンザを想定した行動計画の「国内発生早期」として、感染の疑いのある人は保健所などの発熱相談センターに電話相談し、患者は発熱外来のある医療機関に集約化した。だが流行が広がっていた関西などでパンク状態となった。
 この日の総括会議で、現場の医師から「机上の論理を無理やり適用したことが混乱を招いた最大の原因」との声が上がった。岩田教授も「ウイルスのタイプで画一的な対応を求めるのではなく、流行状態などに合わせて地域で柔軟に対応するように国がメッセージを繰り返し出すべきだった」と主張した。
 輸入してすぐに期限切れになったワクチンも検証のやり玉に挙がっている。輸入ワクチンは1月から接種可能となったが、海外2社分の期限切れとなるのは3月末までに約600万回分、4月末と5月末にそれぞれ約2200万回分。月末までに輸入ワクチン総数の半分を超える約5000万回分が全く使われずに廃棄処分となる計算だ。
 原因は予防接種法に弱毒型を想定した枠組みがないことから特別立法をつくったり、薬事法に基づき特例承認という初の枠組みを適用したりして時間を要したから。ワクチンの有効期限は短いと半年間。海外で製造、保管してあったものを輸入したため、すぐに期限切れを迎えてしまった。
 購入費用約1126億円のうち、一部(約257億円分)を解約できたが、ほとんどが使われない可能性もある。感染症の専門家は「次の流行に備えるために今が接種するいいタイミング」と指摘する。だが厚労省は積極的に接種を促すでもなく、次々と期限切れを迎え、「処分する予算もない」と頭を抱えている。
 「危機管理で輸入ワクチンが余るのは仕方がない」との意見もある中、同省は19日に開催する5回目の総括会議でワクチン対策を検証する。6月中に検証結果をまとめる予定だが、総括会議の一部メンバーは「あまりにも性急で議論が十分できない」と話している。

■ 検体共有で議論継続=新型インフル-WHO部会

 (時事通信)

 新型インフルエンザのワクチン開発に必要な感染者検体の共有問題などを討議する世界保健機関(WHO)の作業部会が10~12日、ジュネーブで開かれた。新型インフルエンザ対策を強化する審議の一環だったが、最終合意には至らず、来年の年次総会まで議論を継続することを盛り込んだ決議案をまとめ、討議を終えた。
 開発途上国側は会合で、検体を提供する見返りに、先進国側にワクチン開発などに伴う利益を義務的に配分するよう要求。先進国側は、利益配分の義務化に慎重な構えを崩さず、これまでの対立の構図が続いた。

5月13日

■ インフルウイルス結合作用を解明 神戸大院教授ら 

(神戸新聞)

 インフルエンザウイルスの表面にあるタンパク質のうち、体内の抗体や治療薬タミフルと結合しやすいアミノ酸を、スーパーコンピューター「地球シミュレータ」を使って特定することに、神戸大大学院の田中成典教授(51)(計算生物学)らの研究チームが成功した。ウイルス変異の予測や、耐性ウイルスに効果がある新薬の開発に役立つと期待されている。
 インフルエンザウイルスは、表面の「ヘマグルチニン」というタンパク質が抗体と結合する。研究チームがこの結合体を構成する2351個のアミノ酸を調べ、結合しやすさを計算したところ、特定のアミノ酸が抗体を引きつける力が強いことが分かった。
 さらに、ウイルスが細胞から外へ出る際に働くタンパク質「ノイラミニダーゼ」と、その働きを阻害するタミフルの結合体も調査。計386個のアミノ酸の中からタミフルを引きつける力が強いものを特定した。
 ウイルスは生き残るため、抗体やタミフルなどと結合しないように、アミノ酸を変化させる可能性が高く、今回の解明は将来の耐性ウイルスの出現予測につながるという。また、タミフルや抗体と同様の働きをするワクチンを、これまで以上にウイルスと結合しやすくできる可能性もある。
 田中教授は「研究成果が、心配されるウイルス変異への対応に役立てられればうれしい」としている。

■ インフル、地域に応じた対策を 厚労省が医療体制を総括

(共同通信)

 厚生労働省の新型インフルエンザ対策総括会議の第4回会合が12日、医療体制をテーマに開かれた。出席者からは、発熱外来や入院措置のタイミングなどについて、地域ごとの流行状況や医療資源に応じた対策が必要だとの声が上がった。
 政府の新型インフルエンザ対策行動計画では、地域の実情に応じた対策が取れることになっているが、神戸大の岩田健太郎教授(感染治療学)は「柔軟に対応できるというメッセージは現場に届いていなかった」と指摘。政府の専門家諮問委員会委員長を務める尾身茂自治医大教授は「地域にどれだけ権限が委譲できるか、大枠を考えておくべきだ」と話した。その場合の財政的な裏付けを求める声も出た。
 地域独自の取り組みとして、仙台市健康福祉局の高橋宮人次長は、軽症患者は最寄りの診療所、重症患者は病院で治療する役割分担で医療体制の確保を図ったり、ウイルスの病原性がそれほど高くないなどの情報をいち早く医療機関に流したりする仕組みを紹介。地元大学や医師会との連携の重要性を強調した。

■ 県内小児科ネットワーク化 教訓生かし重症化対応

(千葉日報)

 新型インフルエンザの患者が、県内で初めて確認されてから1年。県内では推計で90万人が感染し3人の死者が出た。医療現場や学校に混乱をもたらした一方、今後到来する可能性がある「第2波」に備え、新たな体制づくりも始まった。千葉県と県小児科医会は今回の経験を踏まえ、小児科の受け入れ状況を把握するネットワークを構築。今後は、日常の小児救急でも活用される方向で、新型インフルの教訓が医療現場に反映された形だ。
 県健康福祉部によると、県内で初めて感染が確認されたのは昨年5月30日。成田空港に勤務する女性が症状を訴えて判明した。以降、同部の推計で県内感染者は約90万人に上り、2月末現在、375人の入院患者(うち重症者89人)を出した。
 結局、重症患者の拡大には至らなかったが、医療現場では重症化したケースに備え対策を検討。県小児科医会は昨年11月中旬、県と連携して、小児科の空きベッド情報を共有するシステムをつくり上げた。
 小児医療機関を最重症(7病院)、重症(12病院)、入院の3段階に分け、各医療機関が毎日の受け入れ状況を同医会のホームページに掲載。診療所などから重症患者を受け入れる。それでも受け入れ先が見つからない場合は、県立こども病院の医師らがコーディネーターとなり、受け入れ先を探す仕組みだ。
 同医会の西牟田敏之会長(68)=下志津病院名誉院長=は「成人の救急医療にも応用できるネットワーク。新型インフルの教訓がなければ生まれなかったかもしれない」と話す。すでに集中治療が必要な小児救急医療での活用も検討されており、モデルケースとして期待を集めている。

5月11日

■ 新型インフルの男性死亡 札幌市内の病院で

(北海道新聞)

 札幌市は10日、新型インフルエンザに感染した40代男性が入院先の市内の病院で死亡したと発表した。死因は新型インフルエンザ肺炎。基礎疾患はなかった。
 市によると、男性は2月25日に発熱。検査の結果、3月10日に陽性と分かった。点滴薬ラピアクタを投与されたが改善せず、5月7日午後に死亡した。
 厚生労働省によると、国内の死亡例は3月12日に長野県で20代男性が死亡して以来。

■ 「検疫の方法、検証必要」 新型インフル確認から1年

(共同通信)

 成田空港で国内初の新型インフルエンザ感染者が確認されてから9日で1年。厚生労働省成田空港検疫所の上家和子(かみや・かずこ)所長はインタビューに応じ、議論を呼んだ機内検疫について一定の評価をしつつも「機内に乗客を長く留め置く必要があったのかなど、方法を検証すべきだ」と語った。
 メキシコや米国での感染拡大を受け、北米便が多数到着する成田では昨年4月28日から52日間、延べ約2500人の検疫官が計約1万機、乗客計約50万人に対し機内検疫を実施した。感染者10人を発見したが、素通りもあったとみられ、検査のあり方が課題として残った。
 昨年8月に着任した上家所長は、当時の資料などを分析し「水際ですべてを止めるのは不可能だが、いち早く感染者を見つけ、そのウイルスから検査キットを作ることができ、国内対策に役立った」と評価。
 一方で「刻々と状況が変化し、関係機関に新たな方針を周知するのが難しかった。情報をいかに整理、共有するかが課題」と指摘した。
 また検疫結果から、感染者10人のうち、別の患者と機内で隣り合ったために感染した人はおらず、ほとんどが搭乗前から体調不良を自覚していたことが判明。上家所長は「調査方法や質問内容の検証が必要。対応が間違っていたとは思わないが、新たな方法を考えていくべきだ」と語った。
 検疫所は新型インフルエンザ以外の感染症についても情報提供を強化している。ことし3月からは、海外旅行客が国ごとの感染症情報をチェックしやすいよう、検疫所のホームページ『FORTH』(http://www.forth.go.jp)の改訂を進めており、出発前の閲覧を呼び掛けている。

※機内検疫

 厚生労働省による新型インフルエンザの水際対策の一つ。発生国のメキシコ、米国、カナダから到着した旅客機に検疫官が乗り込み、発熱の有無などを記入する質問票を乗客から回収、体調不良の乗客には簡易検査などを行った。国内初の感染者はカナダへの短期留学から帰国した大阪府在住の男子高校生ら3人で、09年5月8日に成田空港での機内検疫で感染が疑われ、翌9日に感染が確認された。

■ 新型インフルエンザ国内初確認1年 患者へ告知「最後」 厚労省「配慮欠いた」

(毎日新聞)

 09年5月9日、国内初の新型インフルエンザ患者が確認された。しかし、隔離入院という厳しい措置を受けながら、患者自身が診断結果を知らされたのは、舛添要一厚生労働相(当時)の会見後。成田赤十字病院(千葉県成田市)で当時、診療を担当した野口博史・感染症科部長(61)は、最も弱い立場の患者が置き去りにされたことを今も悔やんでいる。
 前日の8日、カナダから米国経由で成田空港に到着した大阪府立高校の教諭(当時46歳)と生徒らは機内検疫で体調不良を訴え、同病院に隔離された。9日午前6時ごろ、教諭と男子生徒2人の感染が確定したとの情報が病院にも届いた。しかし、間もなく病院に到着した厚労省職員から検査結果が本人に伝えられることはなかった。
 「どうなっているんですか」。午前9時ごろ、病院の看護師が教諭から問いただされた。教諭は、午前8時半に始まった会見をテレビで見た知人の電話で初めて、自分の診断結果を知らされた。
 看護師から連絡を受けた野口医師は担当医と隔離病室へ駆け付けた。「検査の結果を伝えるのが遅れ、申し訳ありません」。診断結果という最も大切な情報を伝えられるべき患者の権利を守れなかったとの思いから、野口医師は教諭に頭を下げ続けた。10分後、教諭は硬い表情で「分かりました」と一言だけ返した。
 検疫法は感染者の隔離措置を検疫所長の権限としている。患者への通知については明記していないが、検疫所が「隔離決定書」を患者に交付する慣例になっている。この日、成田空港検疫所職員が決定書を教諭に手渡したのは、さらに遅れて昼前だった。同検疫所の当時の担当者は「検疫所から直接患者本人に伝える方法をとれなかったことを反省している」と話す。
 10年3月中旬、野口医師は退院以来初めて教諭に電話し再び謝った。
 厚労省の塚原太郎・大臣官房参事官は「当時の混乱の中で患者個人への配慮を欠いてしまった。同じような状態が発生した場合、確実な情報伝達ができるようにしたい」と話す。

 ◇ワクチン対策に課題

 新型インフルエンザは、動物のインフルエンザウイルスが人に感染し、人から人へ感染するよう変化した伝染能力を持つ新型ウイルスによって発症する。09年に流行した新型ウイルスは、豚インフルエンザウイルスに由来する弱毒型だった。人類のほとんどが免疫を持たないため感染しやすく、世界的に大流行した。
 厚生労働省によると、国内の死者は、体力のない高齢者や病人を中心に198人(4月27日現在)で、致死率は10万人当たり0.15人。この致死率は、米国3.96人(推計)、カナダ1.32人(同)などと比較しても低かった。入院患者の約8割が14歳以下で、重症者に若年層が多いのも日本の特徴だった。
 流行初期の情報提供のあり方や、ワクチン対策に課題を残した。国は国産ワクチンの生産に加え、輸入ワクチンの購入契約も結んだ。だが、国産ワクチンは1月末時点で全体の約14%に当たる約737万回分が余っており、輸入したワクチンもほとんど使用されずに保管されている。

■ 新型インフル発生時想定し訓練 宮崎市市保健所

(宮崎日日新聞)

 新型インフルエンザ患者の宮崎市内発生から1年を前に宮崎市保健所(瀧口俊一所長)は10日、職員を集めて市の新型インフル対応の検証報告を行った。
 午前と午後の2回に分けて実施し、合併や異動で加わった職員を含む90人が参加。今後の課題や初動態勢を確認するとともに、防護服の着用など発生時を想定した訓練も行った。

5月10日

■ 新型インフル混乱の1年沈静化…引き続き警戒 〜山形県〜

7月めど新マニュアル県方針

 新型インフルエンザの患者が国内で初確認されてから9日で1年。山形県内の感染者数は昨年11月にピークを迎え、県民の6分の1にあたる約20万人が罹患(りかん)したとも言われる。医療機関や教育現場で相次いだ混乱の教訓、課題を踏まえ、県は、7月までに新たな活動マニュアルを策定する方針だ。
 県内初の感染者は、昨年7月15日に山形市内で確認された。児童らを中心に流行し、県内48医療機関で行う定点調査では、同11月16日~22日(1週間)の患者数が1医療機関平均45・56人となり、ピークを迎えた。
 今年3月末現在の国内感染者は2068万人(推計)とされ、うち死者は198人。県内では、昨年12月に最上郡内の60歳代女性が死亡している。単純比較はできないが、人口比で算出すれば県内の感染者数は約20万人に上ったことになる。

■医療機関■ 

 医療現場では、診察やワクチン接種を巡る混乱が相次いだ。ピーク時は小児科、夜間診療所などを中心に診察希望者が押し寄せ、県庁や市町村の電話相談窓口にも「感染したかも…」など問い合わせが殺到した。
 医療従事者以外の一般希望者向けのワクチン接種は昨年11月から始まったが、接種者は当初の予想を下回り、3月末時点で約8400回分(大人換算)の在庫があるという。県保健薬務課は「沈静化しているが、備えは大切。引き続き接種の重要性を呼びかけたい」としている。

■教育現場■ 

 教育現場では、学級閉鎖など臨時休業が重なり、授業時間の確保が課題となった。県は、臨時休業に入る基準を「患者数2人以上」から「学級内で20%以上」に改めたほか、休業期間の目安も「7日」から「5日程度」に短縮。それでも足りない分は、一日当たりの授業のコマ数増、冬休みの短縮などで補った。
 県教委は、「現場からは『他県より臨時休業に入る基準が低かったのでは』という意見も出た。患者数など目安の設定については、感染状況に応じて細かく対応できるようにする」と改善点を挙げている。
     ◆
 これらの教訓や課題を受け、県は今年度「対策本部事務局活動マニュアル」の策定に着手した。県庁内の各部局から医療、感染予防、社会対応などの担当者を集めた幹事会を組織し、あぶり出された改善点を反映させるのが狙いだ。7月をめどに、より具体的な業務手順、留意点などを盛り込んだ素案を完成させる予定だ。

5月9日:世界の死者18001人超

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.99

1) 感染状況 5月2日時点で、WHOには、214ヶ国と地域で確定患者と、合18001名以上の死亡者の報告があがっている。

2) パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が現在最も活発な地域は,西アフリカ、カリブ海諸国と東南アジアの一部の地域である。北半球、南半球の温帯地域では、パンデミックインフルエンザ活動は散発的な状態のままである。季節性B型インフルエンザウイルスは、アジア、アフリカ、欧州、南北アメリカで散発的に検知が継続されているが、季節外れの低いレベルのウイルス循環が主として東アジア中央アジア、欧州南部とアフリカ中央部で検出されている。

3) サハラ以南のアフリカでは、数カ国からの限られたデータではあるが、西アフリカの一部で活発なパンデミックインフルエンザの伝播が続いていることを示している。一方、低いレベルであるが、季節性B型インフルエンザがアフリカ中央部の一部で循環が継続している。

3) 南北アメリカの熱帯地域では、限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスH1N1活動がいくつかの国で活発であることを示している。中央アメリカでは、グアテマラが、 呼吸器疾患活動の増加傾向が連続して3週間おきていると報告しており、これは、パンデミックインフルエンザウイルスの地域的な広がりと重篤例の発生を伴っている。キューバではパンデミックウイルスの検知と重篤患者数が3月下旬より増加しているが、パンデミックインフルエンザ活動は、最新の報告があった週にピークを迎えた可能性がある。ペルーでは、首都圏の5歳未満の幼児の肺炎患者数が過去7週間連続で増加し、疫学的閾値を超えた状態にある。しかし、これらの肺炎患者が、この地域で循環しているパンデミックインフルエンザウイルスH1N1あるいは他の呼吸器疾患ウイルスがどの程度影響しているかは不明である。 2010年4月の全体としてこの地域の呼吸器疾患の程度は、低-中程度のままであるが、パンデミックインフルエンザウイルスの循環は、地理的に広範になっている(キューバ、バルバドス)あるいは、地域的に広範になっている(メキシコ、ホンジュラス、ニカラグア、コロンビア、ベネズエラ、ブラジルとボリビア)となっている。 

4) 東南アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスは、この地域のいくつかの国で、活発な循環が続いているが、呼吸器疾患の傾向はこの地域でもばらついている。 マレーシアでは、限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が続いており、新たな感染者(重篤な患者も含め)が継続、いくつかの学校での集団感染の報道をともなっている。これは、特に4月下旬と5月上旬である。シンガポールでは、2010年4月以来急性呼吸器疾患の全国的なレベルが急激に高まり、疫学的閾値を越えた。最新の週の報告では、定点機関の臨床検体の37%がインフルエンザに陽性。タイでは、2010年3月下旬にピークを迎えて以降、定点機関でのインフルエンザ様疾患外来患者、パンデミックインフルエンザウイルス感染に陽性反応を示した肺炎入院患者の割合はともに大幅に減少した。

5) 南アジアでは、最もパンデミックインフルエンザウイルス伝播が活発な地域は、バングラディッシュである。4月中旬からのパンデミックインフルエンザH1N1と季節性B型インフルエンザウイルスが同時循環していることに伴い、呼吸器疾患が増加しているとの報告が継続している。しかし、2010年2月下旬から、両ウイルスが低いレベルで同時循環していることは検知されていた。 インドでは、西部と南部の一部で、パンデミックインフルエンザウイルスが低いレベルの循環が限定的な場所で発生し続けていることが分かっている。

6) 東アジアでは、とても低いレベルでのパンデミックインフルエンザウイルスの検知が続いている。この地域では、呼吸器疾患の全体としての割合は低いままであるが、多くの国での最近の低いレベルのインフルエンザ活動は、季節性B型インフルエンザウイルスの循環によるものが大部分である。 この地域のモンゴル、中国、韓国では、それぞれ、時期的に早く、より影響度のある、冬期パンデミックインフルエンザウイルスの伝播の後を受けて、季節性B型インフルエンザウイルスの継続的な循環に面している。中国と韓国では、季節性B型インフルエンザウイルスの活発ではあるか、低下傾向にある循環が観察され続けている。

7) 南半球の温帯地域では、チリ以外では、全体としてパンデミック、季節性インフルエンザ活動が、散発的な状態にある。チリでは、少数の重篤患者をともない、パンデミックインフルエンザウイルスの低いレベルでのコミュニティー循環の証左がある。しかし、冬期インフルエンザシーズンが早期に始まったことを示すものかどうか判断するにはまだ、早急すぎる。 
チリのインフルエンザ様疾患の全国レベルは、閾値に近いままであるが、少なくても二つの南部の地域では、呼吸器疾患のレベルは、閾値を超えた。また、別の地域のロスラゴスでは、過去4週間、閾値を若干超えた状態にある。特筆すべきことは、定点機関の呼吸器検体のうち6%が呼吸器疾患ウイルスに陽性反応をしめし、そのうち32%がRSウイルス、27%がインフルエンザウイルスに陽性(うち半数がパンデミックウイルスH1N1)反応を示していることである。

8) 欧州では、全体としてインフルエンザ活動は低いままでパンデミックと季節性B型インフルエンザウイルスが低いレベルで同時循環している。定点機関での臨床検体の5.3%がインフルエンザに陽性を示している。定点機関での季節性B型インフルエンザウイルスの検知は、A型インフルエンザウイルスを超えた状態が続いている。この主たる原因は、ロシアとカザフスタンでの低いレベルでの季節性B型インフルエンザウイルスの循環にある。

5月8日

■ 流行下火のうちに… 佐賀県、新型インフル対策を拡充

(佐賀新聞)

 新型インフルエンザの再流行や毒性が強い新型発生に備え、佐賀県は新たに、外来患者を受け入れる医療機関25施設と入院可能な医療機関20施設・400病床の確保を目指す。対象機関には、院内感染を防ぐ施設改造や医療機器の導入を県と国の全額補助で進める。流行が沈静化している今の時期に整備を急ぐ。
 県健康増進課によると、現在5カ所の外来受け入れ医療機関を30カ所に増やす。対象機関には、空気中の細菌を取り除く超高性能フィルターを備えた空気清浄機や、フィルター付きの間仕切り設置を推進する。
 現在5カ所・300床の入院施設は、25カ所・700床に増やす。新たな20カ所には、病床を個室化するリフォームや、ウイルスを外部に漏らさないように室内の気圧を低下させる「簡易陰圧装置」などを設置する。
 総事業費は約9300万円。国と県が費用を半額ずつ負担する方向で調整しており、順次、改装や機器導入を進める。
 世界的に大流行している現在の新型インフルウイルス(H1N1)は毒性が弱く、危険性は通常の季節性インフル並みとされている。今後、強い毒性への変異や、世界各地で散発的に発生している鳥インフル(H5N1)が流行する懸念もある。
 県が策定した「対応行動計画」は、1957年に流行し世界で200万人が死亡した「アジア風邪」(致死率0・53%)と同程度の毒性を持つ場合、ピーク時には県内で700病床が必要になると推定。その数字を基に目標を設定した。

(院長のつぶやき)佐賀県エラい! 流行が治まってホッとしているだけの県と差がつきますね。

■ 秋に向け、流行への備えを 対策の総括が必要 東北大教授 押谷仁 識者評論「新型インフル1年」

(共同通信社)

 昨年4月に発生が確認された新型インフルエンザは、日本でも秋以降に大きな流行を引き起こした。想定されていたH5N1ウイルスによる新型インフルエンザほどには致死率は高くはないということが分かっている。
 しかし米国では、推計で約1万2千人が死亡したと考えられている。日本でもこれまでに198人の死亡者が確認されており、この中には子どもや若者たちも含まれている。被害を決して軽視すべきではない。
 この事実を重く受け止め、今回の対策の問題点を検証し、総括すべきだ。それが、これから起こる流行やさらには将来の新型インフルエンザ発生時に、被害を最小限に抑えることにつながる。
 今回の流行は、新型インフルエンザ対策にまだ多くの問題点があることを明らかにした。
 まずアジアを中心に流行を繰り返してきた高病原性鳥インフルエンザを想定した、非常に致死率の高い新型インフルエンザへの対策が優先されてきたために、今回のような致死率の比較的低い新型インフルエンザに柔軟に対応できなかったという問題がある。
 また流行のピークにワクチンの供給が間に合わず、ワクチン接種をめぐり現場が大きく混乱した。これはもともと国内のワクチン生産体制が限られているという根本的問題が放置されてきたことが大きな原因である。
 接種回数について国の方針が二転三転したことが混乱に拍車を掛けた。政府は急きょワクチンの輸入を決めたが、その対応は遅れ、輸入ワクチンのほとんどは使われないという事態になった。
 日本では米国などに比べ死亡者が比較的少なかった。日本では早期に治療する医療体制が整っており、重症者の多くを救命できたことが一つの要因として考えられる。
 もう一つの要因として、学校閉鎖や手洗いの徹底などによって、広い年齢層に感染が拡大しなかったことが考えられる。
 日本では感染の大半が学校に通う年齢層で起こり、大人や小さな子どもの感染は比較的少なかった。だが致死率を比較すると5歳未満の子どもや大人、特に40歳以上では高い傾向がみられる。
 つまり日本では、より重症化しやすい年齢層に感染が大規模に拡大しなかったことが、低い死亡率につながった可能性がある。逆に言えば、より重症化しやすい人が免疫を持たないまま、残っていることを意味する。
 このウイルスが数年以内に消滅することは考えにくく、これからも流行を繰り返しつつ、季節性インフルエンザになっていくと考えられる。
 今年の秋にかけて散発的な流行が起きる可能性はあり、秋以降には再び大きな流行を起こすことも十分に考えられる。重症化しやすい人たちの間で流行が起これば、日本でも死亡者が多く発生するという可能性もある。
 この新型インフルエンザはもう終わったと考えるべきではなく、次の流行に備え、今のうちに対策を考える必要がある。特に重症化のリスクのある人たちへのワクチン接種は、今すぐにでも取り組むべき課題である。
 今回の流行では対策決定に当たり、専門家の意見が十分に反映されないという問題もあった。国立感染症研究所の機能を強化し、専門家が対策の立案に積極的に関与できるようなシステムを早急に構築すべきだ。

5月7日

■ 群馬県、国にインフルワクチン買い取り要望書 

(読売新聞)

 群馬県内の医療機関で新型インフルエンザワクチンが大量に余っている問題で、県が厚生労働省に対し、買い取りを含めた救済策をとるよう要望書を送っていたことが分かった。在庫に悩む県医師会の要請を受けた措置で、書面による県の要望は初めて。
 県によると、県内の医療機関には、3月末現在、少なくともワクチン約2万8000回分(約4000万円相当)が余っている。
 要望書は県新型インフルエンザ対策本部副本部長の新木恵一健康福祉部長名で、厚労省新型インフルエンザ対策推進本部あてに先月30日付で郵送した。
 県は要望書の中で、医療機関は国の予防接種の仕組みに基づきワクチンを購入したもので、経済負担を医療機関だけに強いることは信頼関係を損ない、別の新型インフルエンザが発生した際などの対応に支障が生じかねないと危惧(きぐ)を示している。
 県保健予防課の担当者は「返品は難しくとも、せめて助成を含めた対応を考えてほしい」と話している。一方、厚労省血液対策課の担当者は「財源だけでなく、品質管理の観点から、廃棄同然のものを買い上げるわけにはいかない。何らかの策がないか検討はしているが、今は、手元に置いていてもらうしかない」と苦しい立場をにじませる。

5月6日

■ 【インド】新型インフル、新たに13人の感染を確認

(インド新聞)

 インド保健・家族福祉省は、「5月4日にインド国内で新たに13人の新型インフルエンザ感染が確認された」と発表した。この結果、同日現在でインドでの累計感染確認は3万603人に達した。また、累計死亡確認数は1,501人となっている。

5月5日

■ 【何を学ぶか 新型インフル1年(中)】麻痺した発熱外来、住民の不安をさばききれず

(産経新聞)

 昨年5月16日、神戸市の医療体制は混乱の極致にあった。海外渡航歴のない市内の高校生の感染が公表されたからだ。日本国内での初の感染確認だった。
 「とうとう来たか」。神戸市の発熱相談センターの電話回線は、不安を訴える声でパンクした。感染者専用の治療拠点として市内9カ所に設置した発熱外来にも住民が押し寄せた。
 「感染公表前の5月15日に42件だったセンターへの電話が、17日に1875件、19日には2678件。電話がつながらないことに業を煮やした住民が発熱外来に殺到した」。神戸市保健所の篠原秀明予防衛生課長はそう振り返る。
 神戸市は5月20日から一般診療所でも診察できるように方針転換を迫られた。国もようやく6月19日、診療所での診察を解禁した。
     ◇
 国が強毒性の新型インフルを想定して平成17年に策定した行動計画では、自治体に発熱外来を設置。患者とそうでない患者を振り分け、感染の拡大防止を図ることを求めていた。
 しかし、瞬く間に患者が増えた今回は、発熱外来がまったく機能しなかった。
 こうした中、独自の対策で、医療機関の混乱回避に成功したのが仙台市だ。当初から一般の診療所で診察を行ったのだ。
 医師の資格を持ち、厚労省仙台検疫所長も務めた、岩崎恵美子仙台副市長(当時)は「発熱外来に患者が殺到することは目に見えていた。かかりつけの医療機関で診てもらい、自宅待機してもらった方が感染拡大防止になる」と断言する。
 仙台市医師会の永井幸夫会長は「市は医療従事者に対し、タミフル(抗ウイルス薬)やマスクなど十分な武器を与えてくれた。だからこそ一般診療機関での診察ができた」と、日ごろの行政との協力関係を奏功の理由に挙げる。
     ◇
 医療機関のドタバタは、全国的に流行が本格化していた昨年9月にも露呈した。感染すると重症化しやすい小児、妊婦、透析患者について、都道府県の半数以上が受け入れ可能な医療機関の把握を行っていないことが厚労省の調査で明らかになったのだ。
 これは、最も手厚いケアが図られなければいけない人たちの受け入れ体制が、整備されていなかったことを意味する。
 一足早く流行入りした沖縄では8月中旬、県内で唯一、小児集中治療室(6床)のある県立南部医療センター・こども医療センターがパンク寸前になった。
 慌てた沖縄県医師会は、診療所などに休日や夜間診療を依頼して患者を分散。医療機関が人工呼吸器の稼働状況などの情報を共有できるネットワークを構築して、危機を乗り切った。
 沖縄の教訓から神奈川県では、重症者の受け入れ可能な県内約50医療機関で空床情報の共有が始まった。神奈川県立足柄上(あしがらかみ)病院の高橋協(かなえ)副院長は「これまでなかった病院同士の連携が進んだ」とその成果を語る。
 教訓から学んだ医療機関同士や自治体との協力の大切さ。今後予想される新型インフルの第2波や、強毒性の新型インフル発生の際に、今回の反省を生かした医療体制の整備がカギとなることは言うまでもない。

若者が感染

 高齢者に感染者が多い季節性インフルと異なり、今回の新型インフルでは若者の感染者が多かった。急性脳症の発症年齢や、ウイルス性肺炎の多発などの点でも、季節性とは異なる傾向があった。
 厚労省によると、新型インフルの推定患者数は約2068万人(3月21日現在)。年代別の推計では10代が756万人ともっとも多く、10歳未満の749万人が続いた。年代が上がるに伴い患者数は減少し、60代では17万人、70代以下では15万人だった。
 原因として、一定年齢以上の人は何らかの免疫を持っている可能性が指摘されている。
 子供がインフルに感染した場合、もっとも注意が必要な症状の一つが急性脳症。季節性では6歳未満に多いが、新型では10代など高い年齢の子供にも目立った。また、ウイルスが直接肺に入って増えるウイルス性肺炎の報告も小児の重症例で多く見られた。

(院長のつぶやき)5月4日からの連載記事です。前項もご覧ください。

■ 【何を学ぶか 新型インフル1年(下)】“本物の危機”への対応は?

(産経新聞)

 国民の25%に当たる3200万人が感染。最大200万人が入院、死者は最大64万人-。
 強毒性の鳥インフルエンザ(H5N1)由来の新型インフルになったと仮定して、厚生労働省がはじき出した国内の被害想定だ。死者の数を比較しただけでも、198人の被害に留まった今回のブタ由来の新型インフル(H1N1)とはまったく別物であることが分かる。
 多くの専門家が現在危惧(きぐ)しているのが、今回の経験から国民の間に「新型インフルエンザは大したことない」という印象が広まってしまうことだ。
 「新型インフル」とは、動物の間でしか流行しないウイルスが変異して、人から人へと感染することができるようになった状況の総称だ。もともと、最も新型になる可能性が高いと注目されていたのがH5N1と呼ばれる鳥インフルエンザだった。
 平成15年以降、東南アジアを中心にニワトリから人への感染報告が相次いで報告され、「新型への変異は秒読み段階」と警戒感が高まっていた。強い毒性が特徴で、これまでに感染した495人のうち、半数以上の292人が死亡したといわれる。
 このウイルスが変異するなどして、人から人に感染し始めると「新型インフル」となる。
 H5N1に関する著書を多数執筆している元国立感染症研究所研究員、岡田晴恵さんは「H5N1が新型になるのは時間の問題。そのことが今回の騒動で忘れられてしまっている」と警鐘を鳴らす。
 今回の新型インフルは弱毒性だったこともあり、発生当初の政府の対応が過剰だったとする批判が多かった。しかし、H5N1が新型となった場合、状況はまったく異なる。
 検疫の強化や学校閉鎖、無用な外出の自粛要請、企業活動の縮小要請…。色々な場面で個人の行動や自由が制限される可能性も覚悟しなければならない。
      ◇
 「H5N1が新型になる前に弱毒性の新型を経験できたのは幸いだった」
 こう話す専門家は多い。
 今後の対策に生かせるような課題が見つかったからだ。例えば、海外発生時の国内の検査態勢。昨年5月16日に神戸市で国内感染者の1例目が見つかった際、すでに周囲の感染者は300人を超えていた。岡田さんは「水際対策ばかりに目がいっていたため国内の検査がおろそかになり、発見が遅れた」と指摘する。
 国は新型インフル対策総括会議で、こうした課題の洗い出しを進めている。
 しかし、総括会議では「この会議で指摘されている色々なことは、平成15年のSARS(新型肺炎)の反省会でも指摘されていたことだ」(国立感染症研究所感染症情報センター、谷口清州室長)という指摘も出ている。15年5月にSARSに感染した外国人男性が日本を旅行していたことが発覚し、立ち寄り先のホテルなどでキャンセルが相次いだ騒動の反省を生かし切れていないというのだ。
 「1、2年で担当が変わる役人に危機管理は無理」との意見もある。今度こそ反省は生かされるのか。“本物の危機”が訪れてからでは遅い。
      ◇
日本が誇るデータ
 「大げさ」と批判がある日本の対応だが、そこからは国内外の専門家の注目を集めるデータもとられた。
 1つは検疫強化の有効性を示すデータ。政府が昨年5月22日に水際対策を縮小してから、感染者の全数を国に報告することをやめた7月8日までに見つかった感染者の3割は渡航歴のある人だった。批判が多かった全数調査から分かった事実だ。
 国立感染症研究所の大日康史主任研究官は「国内で感染者が出てもしばらくは水際対策を続けるべきだ」と話す。水際対策をほとんどやらなかった米国や英国などでは、発生直後の昨春に大きな流行を経験しており、「日本の検疫は流行を遅らせるのに効果はあった」とする専門家は多い。
 また、大規模な学校閉鎖についても一定の効果がみられた。5月中旬に関西の高校生らを中心に広がった感染は、大阪府と兵庫県の全県で学校閉鎖した直後、いったん終息した。専門家らは学校閉鎖の効果が出たと見ている。

■ パンデミック対策を成功させる「十カ条」 ── 新型インフルの本格流行に備える

(COMPUTERWORLD データセンター)

パンデミック発生! そのとき企業は? IT部門はどう対処する?

(2010年05月05日)
新型インフルエンザが猛威を振るいつつある現在、IT担当役員/IT部門はあらためてパンデミック(感染症の世界的大流行)対策の見直しと強化に取り組み、従業員の大量欠勤や在宅勤務を視野に入れて対応準備を進めている。本稿では、ビジネス・コンティニュイティ(BC)とITオペレーションの観点から、パンデミック対策を成功させるためのアドバイスを紹介する。
キャロライン・マルサン/Network World米国版

第一条:行動指針  平静を保ち、従業員の手本となる

 企業の幹部/上司たちは、従業員に対して率先垂範することだ。取るべき行動には、生産的であり続けることだけでなく、備品のハンドサニタイザー(手の殺菌剤)やペットボトル入りミネラルウォーターを増やすことなども含まれる。
 「CIOなどの経営幹部がすべきことは、浮き足立たず、ふだんどおり仕事にあたることを呼びかけるとともに、衛生管理を徹底することだ」と、米国Gartnerの銀行/投資業界向けアドバイザリ・サービス部門の主席アナリスト、リチャード・ドロット(Richard De Lotto)氏は語る。「ほかの従業員は幹部を手本にするだろう」

第二条:対策プラン BCプランの作成には経営陣も巻き込む

 企業におけるパンデミック対策は、IT課題ではなく、ビジネス課題である。
 「パンデミック対策をIT部門が主導する必要はない。データのバックアップだけにとどまらない広範な取り組みとなるからだ」と、IDCフィナンシャル・インサイツのグローバル・リサーチ担当副社長、デビッド・ポタートン(David Potterton)氏は語る。
 「(パンデミック対策は)上級経営幹部が主導して進めるべきだ。この対策では、どれが中核システムかを見極める必要がある。それはビジネス上の判断になる」

第三条:連絡網 連絡網を最新版に更新し、確認する

 多くの企業がこの1年の間にレイオフを実施していることもあり、従業員とその複数の連絡先(自宅や携帯の電話番号など)の最新リストを持っていないかもしれない。そのため、このリストを更新し、緊急連絡システムが機能するかどうかを確認しておく必要がある。
 「信頼できる連絡網を周知しなければならない」とドロット氏。「出勤すべきかどうかを確認するための電話番号を設置するという方法もある。また、合成音声で通知する発信システムを有する企業も多い」

第四条:施設 施設への物理的アクセスをチェックする

 自社のデータセンター施設が入居する国内外のビルの全オーナーに連絡し、現地で新型インフルエンザが蔓延した場合に、データセンター施設に物理的にアクセスできるようにしておくことも重要だ。
 リモート・ホット・サイトを構築したり、あるデータセンターから別のデータセンターに作業をシフトしたりしなければならないことも考慮する。データセンター・オペレーションをアウトソーシングしている場合は、BCPにベンダーも含めるようにする。
 「あるデータセンターで処理する作業を増やさなければならなくなる可能性もある。あるいは、ある地域から従業員を退去させなければならないかもしれない。さまざまなシナリオを想定しておく必要がある」(ポタートン氏)

第五条:リモート・アクセス 在宅勤務の計画とシステムをテストする

 新型インフルエンザの蔓延時には、多くの企業が従業員を在宅勤務にすることが考えられる。しかし、リモート・アクセス・システムが、多数の従業員の同時利用に対応できるとはかぎらない。
 したがって、専門家は試験運用の実施を勧めている。日時を定めて、その期間だけ従業員が自宅から仕事をできるようにし、システムとアプリケーションの稼働状況を調べるわけだ。リモート・アクセス・システムのためにポートやカードを買い足す必要もあるだろう。
 「リモート・アクセス・システムでは、高い可用性を確保しなければならない」と、Yankee Groupのシニア・アナリスト、フィル・ホックマス(Phil Hochmuth)氏は語る。「セカンダリ・リモート・アクセス・システムへのフェールオーバも可能にしなければならない。企業システムへの入り口となる外部ポータルもできるだけ多く用意すべきだ」

第六条:ブロードバンド・アクセス 重要な従業員にブロードバンド・アクセスを提供する

 ダイヤルアップ・アクセスは、エンタープライズ・アプリケーションを長時間使う従業員にはあまり役に立たない。重要な従業員には自宅向けのブロードバンド・アクセスと、どこでも利用できるモバイル・ブロードバンド・アクセスを提供しなければならない。それにはモバイル・データ・カードが効果的なソリューションだと、ホックマス氏は語る。
 「最悪の場合、従業員は自宅でも仕事ができなくなるだろう。健康や安全上の理由から、自宅のある地域を離れ、ノートブックPCを携帯して仕事をする必要に迫られることもありうる」。
 ホックマス氏は、モバイル・ブロードバンド・カードを複数のキャリアから購入することを勧めている(写真1)。「重要な従業員にさまざまなキャリアのカードを支給することも、高可用性を確保する手段になる。エンドユーザー側でロード・バランシングを行うことになるからだ」(同氏)

第七条:Webアプリケーション Webベースのアプリケーションをテストする

 Webベースの電子メールやアプリケーションが最新の機能を備えていることを確認する必要がある。「あなたの会社が使うWebベースのアプリケーションが、従来型のアプリケーションに匹敵するサービス・レベルを提供することを確認しなければならない」とホックマス氏。
 「数人のパワー・ユーザーを選んで、Webメールやリモート・アクセスを存分に使ってもらえばよい。一方で、1~2人の初心者ITユーザーにも操作してもらい、そうしたアプリケーションにリモート・アクセスするのが彼らにとってどれほど大変なのかを調べることも重要だ」。
 さらにホックマス氏は、コンシューマー・ベースのWebアプリケーション、例えば「Google Docs(ドキュメント共有)」「Skype(VoIP)」「AIM(インスタント・メッセージング)」などを、社内アプリケーションのバックアップとして使うという手もあると語る(画面1)。

第八条:研修 従業員に複数分野の研修を受けさせる

 企業で使われる主要アプリケーションの中で、どのような状況でも継続稼働させる必要があるものを決定すると、次に問題になるのは、だれが稼働を継続させることができるかという点だ。
 ミッション・クリティカルなアプリケーションの運用に適したスキルを持ち、その認定を受けている人員を十分に確保するには、従業員に複数分野の研修を受けさせる必要がある。
 これは銀行など、規制されている業界に特に当てはまる。銀行の従業員が顧客データを扱うには、しかるべき認定を受けていなければならない。「従業員に複数の認定を受けさせるとよい。そうすれば、機動的な人員配置ができるからだ」(ドロット氏)

第九条:業務フロー 業務を簡素化するための計画を作成する

 IT部門を現在の60%のスタッフで数週間運営すると仮定し、どのような手を打たなければならないかを考えるべきだと、ドロット氏は力説する。「IT部門の活動規模を円滑に縮小できるように、どの業務を省くかを判断しなければならない」と同氏。
 また、CIOが新型インフルエンザに感染した場合は、IT部門統括の代行者も次々と発症する事態を想定して、だれがどのような順番で代行に就くかを決めておく必要もある。もちろん、代行者には、適切なデータ・パーミッションおよびアクセスを与えるようにしなければならない。

第十条:従業員 何よりも従業員を大事にする

 パンデミックやそのほかのディザスタに対し、経営陣が取るべき適切な対応は、第一に従業員の安全を確保したうえで、ビジネスの再開に頭を巡らせることだ。「企業が真っ先に考えなければならないのは、従業員のことだ。しかし、企業はプラントや設備にばかり目を向け、労働力を二の次にする傾向がある」とポタートン氏は語る。
 さらに同氏は、「従業員にとって大切なのは、まず我が身。そして家族であり、仕事や顧客を気にかけるのはその次であることを、企業は理解する必要がある」と付け加える。
 全体的に見ると、新型インフルエンザの感染拡大は、IT部門にとってBCPを更新するチャンスであるとともに、レイオフや給与凍結で低下した従業員の士気やロイヤリティを取り戻すチャンスでもある。

■ 警戒緩む新型インフル 県「第2波」に備えを 〜青森県〜

(デイリー東北新聞社)

 青森県が新型インフルエンザ対策本部を設置して1年が過ぎた。県は流行が収まっているとして、5月から電話相談の専用窓口を休止。むつ市も市対策本部を解散するなど警戒態勢をいったん緩めている。一方で消毒用アルコールを公共施設の出入り口に常設する措置は、ほとんどの市町村が継続するもよう。国はまだ終息宣言をしておらず、県は今後、イベントなどで人が交流する機会が増えることから“第2波”への備えを呼び掛けている。 
 県が対策本部を設けたのは、世界保健機関(WHO)が警戒レベルを「3」から「4」に引き上げた昨年4月28日。これを受け、県内の市町村でも対策本部や会議を設置する動きが広まった。
 県感染症情報センターの調べによると、県内の調査対象医療機関1カ所当たりの患者数は、昨年11月30日~12月6日の週の「46・6人」をピークに減少。2月下旬以降は、流行を示す「1人」を下回り沈静化している。
 八戸市のある小児科では「集団接種以降、ワクチンの接種を受ける子どもはほとんどいない」という。
 流行が一段落したのを受け、むつ市は昨年7月に発足させた対策本部を今年3月末で解散した。
 三沢市や十和田市、青森市などは継続しているものの「ほぼ休止状態」(十和田市)となっている。
 だが、むつ市を含めほとんどの市町村は「まだ油断はできない」として、庁舎出入り口などで消毒液の設置を続けている。対策本部を設けなかった八戸市も「(消毒液の)撤去は検討していない」という。
 県保健衛生課は「インフルエンザだけでなく、ほかの感染症を防ぐためにも、消毒と手洗いを習慣化して」と話している。

5月4日

■ 社説:新型インフル 情報提供のプロ配置を

(毎日新聞)

 新型インフルエンザ発生が明らかになって1年になる。幸い、ウイルスの病原性は比較的弱く、日本の流行も下火になったままだ。
 歴史を振り返ると、人類は繰り返しインフルエンザ・パンデミック(世界的大流行)に遭遇してきた。今回は21世紀に入って初めてのパンデミックである。
 しかし、その意味は、過去のパンデミックとは大きく異なる。
 新型ウイルスの出現、流行の広がり、被害の実態などをリアルタイムで追跡できた。医療の現場には抗インフルエンザ薬があり、ワクチン作りにも新技術が使われた。人類にとって初体験であり、だからこそ、この1年の経験は貴重である。
 世界保健機関(WHO)は4月から外部委員会による検証を始めた。日本の厚生労働省も関係者らを集め総括を進めている。いずれも、対策の間違いや犯人捜しに終わらせず、建設的な教訓を引き出すことに力を注いでほしい
 初期対応では「水際対策は無意味で、混乱を招いただけだ」といった批判があふれている。確かに、潜伏期から人に感染させるインフルエンザは、検疫を実施してもすり抜ける。もっと国内対策に重点を置くべきだったというのはそのとおりだ。
 一方、それでも初期の水際対策に意味があるなら、どういうやり方が適切か。対策を柔軟に変更するにはどうすればいいかといった課題は、さらに詰めなくてはならない。
 国民への情報提供のあり方も改善が必要だ。日本では、主なスポークスパーソンがはっきりせず、どこに情報が集約されているのかがわかりにくかった。発生初期には厚労省の会見とは別に、厚労相が深夜や早朝に会見を開き、これがかえって混乱を招いたこともあった
 WHOでは事務局長補代理のフクダ博士が、米国の疾病対策センター(CDC)では所長代行のベッサー博士が、主としてスポークスパーソンを務めた。いずれも、感染症や公衆衛生の専門知識を持ち、コミュニケーションの訓練も積んでいる。世界のメディアからの質問に冷静に答え、安心感があった。
 日本にも、専門知識をそなえた情報提供のプロが必要だ。それを支える人員や体制が不十分なら、国は予算を割いて整えるべきだ。国から自治体への情報の遅れを防ぐため、記者会見のネット中継を行うなどの工夫もいる。
 パンデミック対策は厚労省だけでなく、国としての危機管理の問題である。今回も、首相を本部長とする対策本部が内閣に設置されたが、その役割がどう果たされたのかわかりにくい。こちらも検証し、今後の対策に生かしたい。

■ 【何を学ぶか 新型インフル1年(上)】国の行動計画に苦情噴出

(産経新聞)

 〈新型インフルエンザの最初の流行(第1波)は現時点では沈静化していると判断しています〉
 3月31日に開かれた厚生労働省の第1回新型インフル対策総括会議。配られた資料には「流行の終息宣言」が添付されていた。会議の冒頭に長妻昭厚労相が読み上げるはずだった。
 しかし、国会対応に追われた長妻厚労相が会議に姿を現すことはなく、読み上げたのは厚労省の職員。大騒ぎのわりに、幕引きはあっけなかった。
     ◇
 昨年4月24日、メキシコなどで確認された新型インフルエンザ。厚労省によると、この1年間で日本では2068万人が感染し、死者は198人になった。通常の季節性インフルでも毎年約1千万人が感染し、1万人が死亡するといわれている。それに比べれば被害は驚くほど少なかった。
 しかし、ちょうど1年前のゴールデンウィーク。日本中が大騒ぎだった。
 ウイルスの毒性が低いことは、遺伝子分析で発生直後の4月下旬には判明していた。米国など「季節性並みで十分」と特別な対策を取らなかった国も多かった。日本の対応は正しかったのか-。
     ◇
 国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターの田代真人センター長は、日本の対応を「過剰反応」だったとみる。田代センター長は、世界保健機関(WHO)の会議にも出席し、各国の対応をつぶさにみてきた。
 「最初にボタンを掛け違えたことが最後まで尾を引いた」と田代センター長。
 もともと日本は強毒性の鳥インフルエンザ(H5N1)が新型インフルになると想定して行動計画を用意していた。
 昨年4月28日に政府が新型インフルの発生を宣言すると、水際対策などものものしい対策が動き出したのはそのためだ。
 「弱毒性であることが分かっていたのだから、結果的に過剰な対応で、新型インフルに対して(過度に恐れるなど)ネガティブなイメージを社会に植え付けてしまった」。田代センター長はそう振り返る。
 強毒性を想定した行動計画は自治体に対しても、感染者が1人出た時点で都道府県単位で学校を一斉閉鎖したり、集会の中止などを要請した。
 あまりの厳格な措置に、自治体からは「都市機能がまひする」といった苦情が噴出。国は段階的に水際対策を止め、休校の判断を自治体に任せるなど、弱毒性に応じた対策へと切り替えた。GWが明けた5月22日のことだった。
 しかし、最後まで「ネガティブなイメージ」を払拭(ふつしよく)することはできず、本格流行を迎えてからも医療機関に軽症患者が殺到するなど混乱は続いた。

 国の総括会議のメンバーの一人、神戸大の岩田健太郎教授(微生物感染症学)は「今回の対策を結果オーライで終わらせてはいけない。間違いは率直に認め、今後の対策に生かす姿勢が大切だ」と指摘する。
 専門家たちの間では、「猛毒性」だけの行動計画を見直し、毒性の強弱に合わせて柔軟に対応できる行動計画を策定する必要を説く声が多く出始めている。
     ◇
 新型インフル発生から1年。新しいウイルスに対して、日本はどう対処し、そこから何を学んでいくのか。専門家らの声を拾いながら検証してみる。
     ◇

 ■低い死亡率

 「大げさ」の批判も出た日本の新型インフル対策だが、過剰さ故に被害が最小限にとどめられたという側面もある。国内の死者は198人。死亡率は10万人あたりで0・15人と、外国に比べて飛び抜けて低かった。
 集計方法が異なるという事情はあるが、厚労省によると最も死亡率が高かったのは米国。1万2千人が死亡したとされ、死亡率は10万人あたり3・96人。次いでカナダ同1・32人(死者429人)、メキシコ1・05人(死者1111人)。
 専門家らは(1)タミフルなどの抗ウイルス薬の積極投与(2)医療機関へのアクセスの良さ(3)学校閉鎖(4)国民の衛生意識の高さ-などを要因として挙げている。
 厚労省の上田博三健康局長は「死者を最小限に抑えるのが新型インフル対策の最大の目標だったので、死亡率が抑えられたことは良かった。ただ、どの対策がどの程度の効果を上げたかは今後、科学的検証が必要だ」と話している。

5月3日:世界の死者17919人超

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.98

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 4月25日時点で、WHOには、214ヶ国と地域で確定患者と、合計17919名以上の死亡者の報告があがっている。

2) 現在の状況は先週と大きな変化はない。パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が現在最も活発な地域は,西アフリカと中央アフリカの一部の地域で、東南アジアと南アジアでいくつかの活動が集中している地域がある。北半球、南半球の温帯地域の多くの地域では、パンデミックインフルエンザ活動は低い状態である。季節性B型インフルエンザウイルスは、循環は低いレベルだが、東アジア、欧州の北部、東部では、支配的なウイルスである。また中央アフリカで季節性B型インフルエンザウイルスが検知が続いており、今週は西アフリカで検知された。季節性インフルエンザウイルスH3N2も依然、南アジアと東南アジアで検知されており、西アフリカと中央アフリカのいくつかの国や欧州東部で散発的に検出されている。

3) サハラ以南のアフリカでは、西アフリカ及び中央アフリカにかけての地域で活発なパンデミックインフルエンザの伝播は減少してきていることが示されている。ルワンダだけは先週少数のパンデミックウイルスを検知した。ガーナでは、季節性インフルエンザH3N2ウイルスがみられた。この地域では、特にガーナとカメルーンで、季節性B型インフルエンザの検知が増大している。

4) 東アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスH1N1は、現在散発的である。中国、モンゴルと韓国では、インフルエンザ様疾患患者のほとんどは、季節性B型インフルエンザウイルスが主とした要因であることが継続している。中国とモンゴルでは、過去数週間に比べて、インフルエンザの検知の減少が続いている。韓国では呼吸器疾患患者の検体で季節性B型インフルエンザウイルスが検知が増大をともない、呼吸器疾患活動が、この過去5週間以上にわたり、増大しているとの報告がある。特筆すべきことは、この地域のいくつかの国では、パンデミックインフルエンザH1N1、季節性インフルエンザウイルスH1N1とH3N2が、散発的に検知される状態が継続していることがある。

5) 東南アジアでは、インフルエンザ活動の全体的なレベルは低い。この地域ではパンデミックインフルエンザH1N1が、この地域で循環しているウイルスで支配的なものであるが、シンガポール、カンボジア、タイを含むいくつかの国では季節性B型インフルエンザウイルス、少ない割合でH3N2が、同時循環する状態が続いている。 マレーシアでは、パンデミックインフルエンザH1N1に感染したことが確定する患者を伴い、呼吸器疾患活動が増大していると報告がある。報道では、学校閉鎖をしているとの報告もある。シンガポールでは、インフルエンザ様疾患のレベルは、疫学的閾値以下のままであるが、先週に比べ増大している。

6) 南アジア、バングラディッシュでは、4月上旬からパンデミックインフルエンザH1N1に感染したことが確定する患者を伴い、呼吸器疾患活動が増大していると報告がある。インドでは、パンデミックインフルエンザ感染者の数が、少ない数字ではあるが、先週に比べて若干増加する状態が継続している。パンデミックインフルエンザは、この地域では循環しているウイルスでは支配的なものであるが、季節性B型インフルエンザウイルスは、イランとバングラディッシュで検知が継続している。

7) 南北アメリカの熱帯地域では、限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスH1N1活動は低い状態であるが、地域的に限定された伝播がいくつか残っている。ペルーでは、リマ市で5歳未満の幼児の肺炎患者数が6週間連続で増加し、疫学的閾値を超えた状態にある。しかし、これらの肺炎患者が、パンデミックインフルエンザウイルスH1N1がどの程度影響しているかは不明である。著しいことに、この地域でRSウイルスが、循環しているとの報告があった。 

8) 北半球の温帯地域では、全体としてパンデミックインフルエンザH1N1活動は低い。米国では、インフルエンザ様疾患の外来患者の割合は、全国基準値より低い。北米では、B型インフルエンザの報告はない。欧州では、すべての国のパンデミックインフルエンザ活動は非常に低いレベルにある。今週であるが、定点でB型インフルエンザと検知された数は、A型の数を超えているが、これは、欧州東部(ロシアの中央部、シベリア、極東地域並びにカザフスタン)でのウイルスの検知が主因となっている。

9) 南半球の温帯地域では、インフルエンザ様疾患活動は低いままで、過去同時期に経験しているレベルである。オーストラリアでは、この数週間、パンデミックH1N1ウイルス、季節性B型インフルエンザウイルスとH3N2ウイルスが少ない数だが、散発的に検出されている。

(院長のつぶやき)南半球での二期目の流行はまだ検知されていないようですね。

■ 新型インフルエンザ:対応、働くママの苦悩切実--芦屋のNPOアンケート 〜兵庫県〜

(毎日新聞)

 ◇仕事休んで収入減/クビ心配で休めない

 新型インフルエンザの感染防止のため、県内で公立学校や保育所の休校・休所措置などが行われて間もなく1年。当時、仕事を持った母親が子どもの預け先などで頭を悩ませていたことが、芦屋市のNPO法人「さんぴぃす」のアンケートで改めて裏付けられた。「仕事を休んで収入が減り、生活が苦しくなった」「会社をクビになるのが心配で、休めなかった」など、切実な声が寄せられた。
 同NPOは母親の子育て支援に取り組んでいる。アンケートは県の委託事業として昨年9~11月、尼崎、芦屋両市と連携して、学童保育や公立保育所に子どもを通わせている保護者2565人を対象に実施した。
 1330人から回答があり、1週間の休校措置で困ったことでは、子どもの預け先871件▽仕事のやりくり747件▽家から出られない閉そく感487件、などの回答があった(複数回答)。祖父母に子どもの面倒を見てもらったり、会社を休んだ保護者が多いことも分かった。
 「今回の休校は感染防止のために仕方ない」という意見が多かったが、母子家庭を中心に「急な休校で仕事やお金の都合がつけられない」など、生活や仕事への不安を訴える声が目立った。緊急時の迅速な連絡体制の整備などを求める声もあった。
 県内では昨年5月16日に神戸市で新型インフルエンザの国内初感染が確認され、保育所や幼稚園、小中学校、高校などで休校措置が相次いだ。同NPOの河口紅理事長は「働いているお母さんが、子どもの預け先がなく、こんなに困っていた。同じ事態が起きた時、行政や地域でどうサポートできるかを考える必要がある」と話している。
 アンケートは昨年6月に西宮市が実施したものと合わせて、「NPOと行政の子育て支援会議(阪神南地域)」ホームページ(http://hyogo‐kosodate.jimdo.com)で閲覧できる。

5月2日

■ 検証・新型インフル「作戦変更の遅れは反省」 流行から1年

(日本経済新聞)

 豚由来の新型インフルエンザの流行が始まってから1年が過ぎた。流行がおさまってくる一方、世界保健機関(WHO)のほか、厚生労働省でも対応策の検証が始まっている。WHOと同省の総括会議メンバーである岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長に、見えてきた課題を尋ねた。

 ――昨年4月23日、米国の疾病対策センター(CDC)が「豚由来のインフルエンザ(H1N1型)が人から人に感染した」と発表したのが第1報。どう受け止めたか。

 「豚インフルエンザは米国では何年かに一度は人へ感染することはあった。(当時)ちょうど開催中の日本感染症学会でも少し話題になったが、翌日にWHOがメキシコで約60人の死者が出ていると発表、緊張感が一気に高まった」

 ――28日にはWHOが警戒水準(フェーズ)を引き上げ、日本も新型インフルエンザの宣言をした。日本の初動体制をどうみるか。

 「最も警戒していた致死率の高い鳥由来のインフルエンザ(H5N1型)を最悪のシナリオとして策定した国内の対応マニュアルがあり、入国者への検疫強化などの対策を打ち出せた。こうした“手引き”がなければ、2003年に中国を中心に広がった重症急性呼吸器症候群(SARS)のように混乱したかもしれない」

 ――だが、次第に致死率は想定した鳥インフルエンザほど高くないということが分かってきた。

 「米国やメキシコの状況が分かるにつれ、致死率が数%になるような病気ではないという感覚は5月の連休明けごろには持てた。だが日本は島国で、国内への侵入をできるだけ遅くする方法として水際対策は必要だと思う。しかし、空港で複数の患者の入国を防ぎ、国内で患者発生がない状態が続いた結果、『侵入も防げるのではないか』との考えが出たり、一度動き出したルールから検疫強化が継続されていったりしたことは問題だと思う」

 ――結局、国内では昨年5月16日、渡航歴がないのに新型インフルエンザを発症した患者が初確認された。検疫強化の解除は約1カ月後だった。

 「『検疫強化は意味がなかった』との指摘もあるが、患者の自由な入国を食い止め、注意喚起をするなど時間稼ぎにはなった。ただ、国内で患者が確認された時点で通常の体制に戻し、作戦を切り替えるべきだった。作戦変更が遅れ、検疫や保健所、医療現場で大きな負担が続いたのは反省点だ」

 ――国内で患者が次々確認され、大きく報じられたがどう感じたか。

 「未知の感染症だけに、ニュース性としてある程度の騒ぎはやむを得ない。ただ、海外への修学旅行で集団感染した高校の校長が謝罪した映像が流されたり、一部で患者が差別されたりした。患者の個人情報を強く求めるメディアもあった。こうしたセンセーショナルな反応を生むのもメディアだが、SARSの時に比べ冷静な対応を求める報道も多く、過剰反応を打ち消すのもメディアと感じた」

 ――5月に関西を中心に広まった流行はいったん終息したが、8月15日に国内初の死者が出て、19日に厚労省が流行入りを宣言した。夏場からの流行拡大をどうみるか。

 「新型であるがために多くの人に免疫がなく、通常は流行しない時期でもきっかけがあれば広まるとは思っていた。ただ、9月の学校再開が本格的流行のきっかけになると思っていた。夏休み中の流行拡大は意外だった」

 ――厚労省も8月上~中旬は動きが鈍く、流行が拡大した同下旬以降、ワクチンの優先接種順位の意見交換会を急きょ開くなどばたついた。

 「もともと、ワクチンは製造に時間がかかり、一気に製造できるものでもなく、最初の流行には間に合わない。しかし、流行期入りは早かったものの感染拡大は予測より遅く、本格流行の前に製造が間に合い、ワクチンへの期待感が強まった。ただ致死率は低く、高リスクの人は優先接種した方がいいが、そうでない人はワクチンがないと必ずしも危ないわけではない。そうした議論が十分されず、伝わらなかった」

 ――接種回数も2回か1回かで迷走した。

 「国内外の臨床試験の結果、1回で十分な免疫が得られたのには世界中が驚いたが、単純計算で2倍の人に接種できる朗報だった。日本は政治判断で2回目の臨床試験結果が出るまで原則2回を維持したが、専門家の検討会で判断したように、1回接種してから2回目が必要か検討すべきではなかったか」

 ――地方自治体からは「厚労省からメディアへの情報提供が先行し、情報不足で混乱した」という苦情も聞かれた。

 「WHOの会合でも、WHOに対して多くの国から似たような意見があった。だが、すべての国や自治体、医療現場などに情報が届くまでメディアに情報提供しないことは現実的でない。ホームページや電話会議システムなどを活用し、メディアと同じタイミングで迅速に情報を共有できる仕組みが必要だ」

5月1日:国内死者198人

■ 新型の傾向に変化なし―厚労省が疫学情報を更新

(CBニュース)

 厚生労働省はこのほど、新型インフルエンザの発生動向に関する「医療従事者向け疫学情報」(第3版)をホームページ上で更新した。1月に続く更新で、厚労省の新型インフルエンザ対策推進本部が、昨年夏から今年3月下旬までの約8か月間のデータを分析した。同省の担当者は、「今回もこれまでの傾向と変わらなかった。全体の状況がほぼ把握できたので、大きな変化が起こらない限り、アップデートはこれが最後になる」としている。
 自治体を通じて3月23日までに厚労省に報告された198件の死亡事例を分析した結果、発症から死亡までの平均日数は9.5日で、1月に公表された前回の推計(昨年12月6日までに報告)より2.3日に長くなった。しかし、入院から死亡までの期間が平均7.4日と短いことから、同省では前回と同様、「発症後に短期間で入院し、早期で亡くなっているという臨床経過が分かる」としている。
 198件の死亡事例を年代別で見ると、15歳未満が38件、15歳以上65歳未満104件、65歳以上56件。発症から死亡までの各年代の平均日数は、15歳未満が6.6日(前回5.4日)、15歳以上65歳未満9.7日(同7.7日)、65歳以上11.2日(同8.3日)で、いずれも長くなり、15歳未満の経過が早い傾向が見られた。全体の85.3%にあたる163件で、抗ウイルス薬が投与さていた。
 主治医の報告に基づく死因は、15歳未満では脳症・脳炎(29.0%)がトップで、以下は肺炎(16.0%)、多臓器不全、心筋炎(いずれも11.0%)の順。一方、15歳以上65歳未満と65歳以上は、肺炎が共に40%以上を占めた。死亡した65歳以上の94.6%が基礎疾患を持っていた
 死亡例のデータについては、前回の100件からほぼ倍増したものの、入院患者では、

▽基礎疾患を持つ場合に重症化しやすく、特に20歳以上でその傾向が強い
▽発症から死亡までの日数は、年齢によって幅があり、15歳未満の経過が早い

―と、これまでと変わらない傾向が見られた。同省では、「新たな流行の波が発生する可能性はあるものと考え、対策を継続する必要がある」として、引き続き注意を呼び掛けている。

■ 上田健康局長が検疫の意思決定過程説明

(医療介護CBニュース)

 4月28日の「新型インフルエンザ対策総括会議」、厚生労働省の上田博三健康局長が、「わたしは『検疫至上主義者』などと言われているが」と苦笑しながら、機内検疫の実施をめぐる意思決定過程について説明した。上田局長は、現場の負担を考えて「検疫を緩める理由を探していた」とする一方、国内発生がなかったことや、新型インフルエンザウイルスがタミフル耐性を獲得する危険性を考慮し、「毒性、感染力が判明するまで(検疫を)やろうとなった」と振り返った。
 上田局長は、昨年5月初めに政府の新型インフルエンザ対策本部の専門家諮問委員会委員長を務める尾身茂氏(自治医科大教授)から、検疫強化から国内対策にシフトするよう提案されたと説明。しかし、当時の舛添要一厚労相から検疫を継続するよう強い指示があり、事務方としても国内発生が確認されていない段階で検疫を緩めることはできないと考えていたため、「10日までは続けざるを得ない」と応じたとした。
 しかし同時に、「現場からは10日までが限界と悲鳴が上がっていたため、検疫を緩める理由を探していた」という。タイミングとしては、米国での感染拡大や、国内のほか中国、韓国での患者発生を考えていたが、8日に成田空港での機内検疫で最初の患者が発生すると、「世論が盛り上がってしまい、ますます(検疫取りやめを)考えられなくなってしまった」と振り返った。
 上田局長は、「パンデミック対策は、決して検疫だけでやっているものではない」との考えを強調。水際対策や学校閉鎖、抗インフルエンザウイルス薬の投与を含めた医療体制、ワクチン接種などを挙げ、「何を対策の中心として据えるかが一つの大きな課題」との認識を示した。
 その上で、当初は「タミフルなどの抗インフルエンザウイルス薬を有効に使った『医療対策』を中心に考えていた」と述べた。しかし、冬に検出されたAソ連型ウイルスの9割超にタミフル耐性があったため、それと融合したタミフル耐性の新型が流行して、「抗インフルエンザウイルス薬を中心に据えた対策が総崩れになることを心配した」と説明。「毒性、感染力が判明するまでは、(検疫を)やろうとなった」と述べた。
 病原性が判明した時期については、WHO(世界保健機関)が「マイルド」という表現を使い始めた5月中ごろが、「一つの認識が変わる時点だった」とした。

4月30日

 国の反省は責任のなすり合い、という印象があります。「国に任せてはいられない」と独自に対策を立てる県が目立ちます。

■ 新型インフル1年 浮かぶ課題

(読売新聞)

 新型インフルエンザの発生がメキシコなど3か国で確認されたのを受け、政府が全閣僚で構成する緊急対策本部を設置してから、28日で1年となった。流行がほぼ終息したとされる3月末までの国内感染者は2068万人、死者は先進国中最低水準の198人に抑えられたが、国の課題も浮き彫りになった。

□ 国民パニック 政府の情報発信稚拙

 昨年5月、新型インフルエンザ感染者が出た大阪府内の高校では、職員がタクシーの乗車拒否にあい、制服のクリーニングまで断られた。“パニック”の原因は何だったのか。
 「事実と対策を科学的に責任を持って語る人がいなかった」。厚生労働省が3月に設けた新型インフルエンザ対策総括会議。広報をテーマとした議論では、政府の情報発信が稚拙だったとの批判が出席者から相次いだ。
 昨春来の混乱を「脅威と集団パニック」の観点から検証している重村淳・防衛医大講師は「政府やマスコミが冷静な対応をと呼びかけても、担保する具体的な対策が示されず、国民の不安は増幅した」と指摘する。
 「新型インフルエンザ=恐怖」というイメージを決定づけたとされるのが、空港検疫作業。尾身茂・自治医大教授は「あの段階で検疫を行わなければ国民の理解を得られなかった」とする一方、「宇宙服のような検疫官の格好はやり過ぎだった」との見方を示す。
 昨年5~8月の観光業を中心とする風評被害は、京都、大阪、兵庫だけで約2000億円、との試算もある。国立感染症研究所の安井良則・主任研究官は「過剰に反応した国民側も省みるべきだ」と問題提起する。

□ ワクチン不足 製造ラインの増強を

 ワクチン不足も問題に。国内のワクチンは財団法人・阪大微生物病研究会など4団体・メーカーしか製造しておらず、需要がある時に集中的に供給できなかったのが原因だった。感染者が減少すると一転して余り始め、今年3月末現在の余剰は約8400万人分(輸入解約分を除く)に達した。勝田吉彰・近畿医療福祉大教授は「副作用への補償体制を欧米並みに整え、国内の製造ラインを大幅に増強するべきだ」と提言する。
 一方、新型インフルエンザ問題を教訓に、自治体には新たな動きが出ている。感染が確認された早い段階から、患者を診察できる医療機関を増やす試みだ。大阪府は、ウイルス漏出を防ぐ陰圧病床などを設置した病院に5月末までに計5億2000万円を補助。島根県も感染症病床を優先して提供する病院に計約3億円を助成する。

■ 新型インフルエンザ対策:県が新計画案 弱毒性も想定 〜岩手〜

(毎日新聞)

 岩手県は28日、新型インフルエンザ対策連絡協議会幹事会を県庁で開き、「県新型インフルエンザ対策行動計画」案を示した。7月の策定を目指す。
 県は06年に強毒性の鳥インフルエンザを想定した対策対応方針を策定した。だが、発生段階の分類が国と一致していないなどの問題点があり、方針に代え、国に準じた行動計画が必要と判断した。
 計画案は健康被害を最小限にとどめ、地域社会や経済を破綻(はたん)させないことを目的に据えた。未発生期、海外発生期、国内発生早期、感染拡大期、小康期で、医療体制の整備や予防措置、県民への情報提供など各部局の対応を規定した。
 また、これまでの強毒性への対応に加え、弱毒性への対応も併記した。強毒性の場合、医療機関に発熱外来設置を要請し、濃厚接触者には予防接種を実施する。弱毒性では、医療機関に感染拡大防止への配慮を求め、予防接種は原則行わないなどとした。
 県保健福祉企画室の近藤嘉文特命課長は「昨年の教訓を生かし、体制を整えたい」と話した。

■ 新型インフルエンザ:県対策会議 09年度回復期と同様 再流行時の方針示す 〜佐賀〜

(毎日新聞)

 佐賀県の新型インフルエンザ対策推進会議が26日、県庁で開かれた。これまで1年間の県の対応を総括・検証し、今後再流行した時には09年度の回復期と同じ対応とするとの方針を示した。対策本部はウイルスの変異や死亡例の増加などの変化に応じて設置する。
 回復期は発生のピークを過ぎ、沈静化するまでの状態。診察は一般の医療機関で受け、学校は欠席が10~15%になった段階で休業を検討する。
 このほか、2月末で接種率が25%にとどまっているワクチンについて、集団接種を検討するなど効率化を図る。強毒性の新型インフルを想定して策定してある県の行動計画は、弱毒性の新型インフルにも対応できるよう、9月をめどに改訂する。

4月29日

■ 「水際対策、見直し遅かった」=検疫担当者ら指摘-新型インフル

(時事通信)

 厚生労働省は28日、第3回新型インフルエンザ対策総括会議を都内で開き、空港での水際対策などをテーマに議論した。出席した現場の担当者からは、国の行動計画が弾力性を欠いたことや対応の遅れを指摘する声が上がった。
 旅客への負担が重かった厳しい検疫について、神戸検疫所の内田幸憲所長は「暴動寸前という状態が何度もあった」と指摘。流行後も継続したことを挙げ、「態勢縮小があまりにも遅すぎた」とした。
 帰国者らの健康状態確認に追われた東京都荒川区保健所の金田麻里子所長は、外国人やホテル滞在者の調査は不可能だったとし、「医学的にほとんど無意味と思うことも、法律だからという理由で実施することには徒労感が強かった」と述べた。

■ 学校閉鎖は感染拡大抑制に有効 新型インフル検証会議

(中国新聞)

 新型インフルエンザ対策を検証する会議の第3回会合が28日、都内で開かれ、水際対策や公衆衛生、サーベイランスについて議論、専門家からは「大規模な学校閉鎖は感染拡大のスピードを抑えるのに有効だった」などの意見が出た。
 東北大の押谷仁教授は「日本はほかの国と疫学的な特徴が異なり、学校閉鎖で流行拡大がある程度抑えられたと考えている」と指摘。日本の死亡者が少ない点については「中には死亡を防げたケースがさらにあるかもしれないという視点での総括が必要だ」と述べた。
 水際対策については厚生労働省研究班が「今回の新型インフルエンザは検疫で患者を効率的にすべて検出することは困難だった」と指摘する一方、「単純にすべての水際対策を否定してしまわないように注意すべきだ」とするオランダ・ユトレヒト大の西浦博研究員の意見も紹介された。

■ 新型インフル発生宣言から1年 県内学校9割が休業措置 〜栃木県〜

(下野新聞)

 政府が新型インフルエンザの発生宣言をしてから28日で1年が過ぎた。栃木県内では公立学校の約9割が学級閉鎖などの何らかの休業措置を取ったほか、発熱相談センターに1万7千件を超える相談が寄せられるなど、県民生活に大きな影響を与えた。現在は沈静化しているが、県健康増進課は「まだ免疫を持っていない人が多く、いつ再流行するか分からない」と警戒を続けている。
 昨年4月28日、厚労相が新型インフルエンザの発生を宣言。国内では昨年5月16日に初めて感染が確認されると、県内でも一気に不安が広がり、同18日だけで同相談センターに545件の相談が寄せられた。県内で感染が初確認されたのは6月16日。10月に入ると、県内定点医療機関から報告された1機関当たりの患者数が10人を超え「注意報レベル」に。11月下旬に37・95人と流行のピークを迎えた。県内での死者は6人だった。
 学校現場でも学年閉鎖や臨時休業が相次いだ。昨年度、何らかの休業措置を取った県内の公立小中高校は589校に及び、「これだけ学校が休業措置を取ったというのは記憶にない」(県教委健康福利課)という。学級閉鎖は11月をピークに、今年3月上旬まで続いた。
 現在(4月12~18日)報告されている患者数は、1機関当たり0・03人で、「ほとんどいない状況」(県健康増進課)という。
 しかし、自治医大病院感染制御部の森澤雄司部長は「昨年秋から流行した新型インフルエンザは子ども中心だったが、今後は成人を含め流行する可能性がある。特に高齢者は重症化しやすい。さらに新たな新型が出るかもしれないし、そもそもインフルエンザ自体が怖いもの。引き続き注意する必要がある」と訴えている。
 県は、これまでの対応の検証作業を行っており、行動計画の内容を見直す方針。県健康増進課の担当者は「市町に聞いた意見や課題を分析し、今後の対応に生かしたい」と話している。

4月28日

 この秋から導入予定の「季節性インフルエンザワクチン」+「新型インフルエンザワクチン」の複合タイプが南半球で始まっていますが、気になるニュースが飛び込んできました。

新複合インフルワクチンで5歳以下の250人副反応 〜オーストラリア〜

(共同通信)

 オーストラリア保健省は27日までに、インフルエンザの複合ワクチン接種を受けた5歳以下の子供約250人が発熱やひきつけなどを起こしたことから、予防措置として5歳以下への同ワクチン接種を一時見合わせると発表した。
 ニュージーランド保健省によると、同国でも同じワクチン接種を受けた数人に副反応が出ている。これから冬を迎える南半球の両国では先月から接種が始まっていた。
 同ワクチンはオーストラリアの製薬大手CSL社製で、季節性インフルエンザと新型インフルエンザの複合ワクチン。同国メディアによると、世界に先駆けてこの複合タイプの接種が行われた。

■ 新型インフル発生から1年 大流行騒ぎが残した教訓

(CNN)

 米疾病対策センター(CDC)が昨年4月に新型インフルエンザ(H1N1型)のウイルス発見を発表してから1年が過ぎた。その後数カ月にわたって世界中で大流行し、新型インフルだが、1年たった今、人々の記憶からほとんど消えつつある。
 世界保健機関(WHO)によると、これまでに約1万8000万人が新型インフルで死亡したと確認されている。しかし検査を受けなかった患者も多数いるとみられる。
 CDCの推計では米国の感染者は6000万人、死者は1万2000人。死亡した患者の10%は17歳以下だったとみられる。これに対して季節性インフルエンザでは年間約3万6000人が死亡し、その90%を65歳以上の高齢者が占めている。
 当初「豚インフルエンザ」と呼ばれた新型インフルは当初、パニックに近い恐怖を巻き起こし、予防接種には長い行列ができた。しかし秋ごろになってワクチンの供給が安定してくると、安全性を疑問視する見方が浮上したこともあり、需要は減少。米国ではこれまでに1億6250万回分のワクチンが供給されている。
 CDCなどの当局に対しては、危険性を誇張し不安をあおったとの批判もあるが、いまでも流行が終わったわけではない。最近ではハワイの学校で生徒11人が感染している。
 カリフォルニア州のジェシカ・ホルトさんは昨年11月、新型インフルエンザで7歳の長男を亡くした。当初はまったく心配していなかったというホルトさんだが「息子に予防接種を受けさせていたら、きっと今でも生きていたかもしれない」と悔やむ日が続いているという。その後、息子の名前を付けた「ジョーイ・ホルト財団」を設立し、予防接種を呼びかける運動を開始。今後も自分の家族には必ず予防接種を受けさせるつもりだと話している。
 専門家からは、新型インフルエンザを経験したおかげで予防接種の重要性が認識され、手を洗う習慣や衛生面に気を配る習慣が身に着いたなどの効果を指摘する声もある。

4月27日

 今日も新型インフルエンザ発生から1年の検証記事が目立ちました。

■ WHO、対策見直し 定義やワクチン、難航必至 「新型インフル発生1年」

(共同通信)

 「世界的大流行(パンデミック)」宣言を含む一連の対応に「過剰反応」との批判もある世界保健機関(WHO)。今年4月下旬に、新型インフルエンザ対策を見直すための専門家の委員会を発足させた。最大の焦点は、パンデミックの定義に従来の地理的拡大の概念だけでなく感染者の死亡率や入院率など「重症度」の指標を組み込むかどうか。各国で大量に余ったワクチン製造の在り方なども論点となるが、難航は必至だ。
 WHOの対策は、もともと鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に由来する、死亡率が高く、感染が死に直結するような強力な新型インフルエンザを想定していた。定義問題が取りざたされるのは「適切に定義すれば、軽い新型インフルエンザを相手に大騒ぎする必要はなくなる」との発想からだ。
 定義に「重症度」を組み込むという考え方は以前からあった。しかし、流行の当初段階で死亡率などを見通すのは困難として退けられてきた経緯がある。
 WHOのフクダ事務局長特別顧問は流行当初に「重症度を予想するのは不可能」と断言。定義見直しの可能性に極めて否定的な見方を示す。
 見直し作業は結果として、対策計画の大きな変更にならない公算もある。同委員会のファインバーグ委員長も「結論について予断は持たない」と慎重だ。
 ただ、あるWHO当局者は「変えないことを政治が許してくれるかどうかだ」として、欧州を中心に根強いWHO批判、有力加盟国による圧力などを警戒している。

■ 低かった日本の死亡率 「第2波必ず来る」 「新型インフル発生1年」

(共同通信)

 現在、新型インフルエンザの国内の患者発生数は低いレベルで推移、全国の定点医療機関から1週間に報告される患者数は1施設当たり1人以下の状態が続く。だが、専門家からは「流行が終息したのではなく小康期だ」との声が上がる。
 日本で全国的な流行が始まったのは昨年8月。毎年流行する季節性インフルエンザに比べ4~5カ月も早い流行入りだった。爆発的な増加はなかったものの、感染は徐々に拡大。患者数は11月下旬にピークを迎えた後、減少傾向となった。米国では春と秋の2回、流行の「山」があったが、日本は1回だけだった。
 政府は「感染拡大を防ぎ、基礎疾患(持病)を持つ人などを守る」との目標を掲げ、対策に取り組んだ。「重症化、死亡を減らす点では成功だった」と、政府の専門家諮問委員会委員長を務める尾身茂(おみ・しげる)自治医大教授は振り返る。
 今回の国内における流行の大きな特徴は、専門家が首をかしげるほど他国に比べて死亡率が低かったことだ。
 算出方法の違いがあり単純比較は難しいが、米国の人口10万人当たりの死亡率は3・96人、カナダは1・32人、メキシコは1・05人、オーストラリアは0・93人、英国は0・76人。一方、日本は3月23日現在の死亡者が198人で、死亡率は0・15人。重症化や死亡のリスクが高いとされた妊婦も、国内では死亡者がゼロだった。
 死亡率が低かったのは患者が若年層に集中し、死亡リスクが高い高齢者が比較的少なかったことが要因とみられる。また、広範囲な学校閉鎖、タミフルなど治療薬の幅広い投与、医療へのアクセスの良さなどが功を奏したとの見方が多い。
 一方で問題点も続出した。発生初期に空港で実施された機内検疫などの水際対策は実効性に疑問の声が上がり、国内対策の遅れにつながったとの指摘も。ワクチンの接種回数や時期の変更でも現場が混乱した。政府レベルでこうした点を検証する作業が始まった。
 「秋には第2波が必ず来る」と警戒するのはインフルエンザに詳しいけいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫(すがや・のりお)小児科部長。過去の世界的大流行(パンデミック)でも、第1波の数カ月後に次の流行が起きた。菅谷さんは、人口の半分程度が免疫を持てば大規模な流行には結び付かず、パンデミックは終息するとみる。
 国内の推定感染者数は2千万人を超えたが、まだ感染していない人が多く、終息にはもう一度大きな流行を経験しなければならない。「第1波では子どもが多くかかったが、第2波では中高年が相当気を付けなければならない」と警告する。
 新型とは別に、海外では病原性の高い鳥インフルエンザH5N1型の人への感染が続き、状況は変わっていない。第2波の到来とともに、鳥インフルエンザの動向にも注意する必要がある。

■ 医師や保健師不足が深刻 "最前線"担った保健所  「新型インフル発生1年」

(共同通信)

 感染拡大の抑止を最前線で担ったのは各地の保健所だった。帰国者への健康観察や新たに設置された発熱相談センターでの電話問診に追われた。厚生労働省研究班の昨年8~10月の調査では、全国約340施設の60%以上が、対策のための「保健師や医師の人員が十分でなかった」と答えた。
 調査を担当した茨城県筑西保健所の緒方剛(おがた・つよし)所長は「緊急時にほかの医療機関に応援を要請するのは厳しい。不足傾向にある専門職を増員する必要がある」としている。
 健康観察は、米国などからの到着便の搭乗者が対象。滞在先や居住地を管轄する保健所の職員が体調把握のため毎日電話などで連絡したが、対象者の激増で対応できないケースもあった。
 センターは感染が疑われる患者の電話相談以外に、感染の疑いがある人を誘導する「発熱外来」設置に向けた医療機関との協議や、集団感染の感染源や経路を調べる「積極的疫学調査」でも多忙を極めた。
 研究班の調査では、保健師と医師の充足状況について、回答した338施設の60%超がいずれも「不十分だった」と答えた。感染者が当初多かった近畿では80%以上にも上り、「通常業務をしながらの対応は厳しい」「24時間対応は不可能」との声も目立った。

■ 迷走したワクチン接種 助言組織求める声 「新型インフル発生1年」

(共同通信)

 今回の新型インフルエンザ流行では、ワクチン接種をめぐる政策の迷走が問題視された。接種回数の方針は二転三転、誰に優先接種するかの決定にも時間がかかり、医療現場は翻弄(ほんろう)された。ぶれのない政策を実現するために、専門家による常設的な助言組織の必要性が指摘されている。
 厚生労働省によると、3月下旬までの新型ワクチン接種者は推定約2300万人で、例年の季節性の水準さえ下回っている。特例承認という異例の措置で確保した9900万回分の輸入ワクチンは、一部を解約、廃棄する事態となった。
 厚労省は今回、意見交換会などの場を設け、ワクチンの接種回数や優先順位などを計約50人に上る専門家に相談した。ところが、妊婦らへの接種を1回とした専門家会合の合意に足立信也政務官が待ったをかけ「当面2回」に。その後、再び1回に変更された。都道府県は振り回され、医療現場も混乱した。これを機に浮上したのが、米国のような常設の諮問組織の設置。厚労省は今後、検討を本格化させる。
 一方、新型流行で中断していた高病原性鳥インフルエンザ由来のウイルス(H5N1型)対策が再始動しそうだ。鳥のウイルスから作ったプレパンデミック(大流行前)ワクチンは3千万人分が備蓄され、今年も製造を続ける可能性が高い。
 もし、病原性の強いウイルスが現れればワクチン争奪戦が激化し「海外メーカーからの供給は難しいのでは」との懸念もある。政府は5年以内に、流行開始から半年で全国民分を国内で製造できる態勢を整える方針だ。

■ 水際対策強化に批判も 注目浴びた「機内検疫」 「新型インフル発生1年」

(共同通信)

 物々しい防護服姿で空港内を飛び回る検疫官-。厚生労働省は新型インフルエンザの国内流入を食い止めるため、機内検疫の拡充など水際対策を強化した。専門家からは「阻止は不可能」「国内の医療体制充実が先だ」との指摘も相次いだ。
 結果として国内でも流行が始まったが、早い段階で弱毒性と判明。厚労省幹部は今後を念頭に「感染力や致死率は後になってから分かる。方法や装備は検討の余地があるが、ウイルスの性状を見極めるまでは機内検疫は不可欠だ」と強調する。
 舛添要一前厚労相による4月の発生宣言後、政府は強毒性の鳥インフルを想定した行動計画に基づき成田、関西、中部の3空港でメキシコ、米国、カナダからの直行便の機内検疫を始めた。
 検疫官が搭乗者の体温をチェック、体調不良なら問診や簡易検査をし、感染者や感染の恐れがあれば指定病院や宿泊施設に隔離、停留させた。応援は自衛隊医官ら最大で1日約180人に。現役検疫官が国会で「パフォーマンス的な共感を呼び、利用された」と批判する場面もあった。
 政府の専門家諮問委員会委員長を務める尾身茂(おみ・しげる)自治医大教授はことし3月「国内対策へのシフトが遅れた面はある。ただ何もしないという判断が許されるのかは議論が必要だ」と振り返った。

■ あのインフル機内検疫、発見は21万人中4人

(読売新聞)

 新型インフルエンザウイルスの国内侵入を遅らせる目的で、昨年4月28日-5月21日に成田空港など国内3空港で行われた機内検疫は、計907便の乗員乗客21万6718人が対象となったことが厚生労働省のまとめでわかった。
 このうち、機内検疫で見つかった感染者は4人にとどまった。
 この期間には1日平均で医師28人、看護師48人が応援部隊として、3空港に動員された。
 厚労省は「水際作戦でウイルスの国内侵入がどれだけ遅れたかわからない」としている。

4月26日

 新型インフルエンザが登場して1年が経過しました。
 新聞各紙は反省・検証記事を掲載しています。
 概ね、次のような論調が多いですね。

新型インフルエンザ発生から1年を振り返って
強毒性ではなくてよかったが、柔軟性を欠いた対応で混乱した。空港での検疫にこだわる必要はなかったのではないか?
ワクチンの生産から実施まで、混乱の極みであり、従来の予防接種行政の見直しが必要と国民全体に認識された。「ワクチン後進国日本」が浮き彫りになった。
日本における死亡率は世界各国と比較して一ケタ少ない。国民皆保険という医療機関へのアクセスの良さとタミフルの備蓄が有効であった。学校休校は有効だったかは賛否両論(実際に学童の半分くらいが感染した)。
厚労省の発表が会見が優先され、医療現場には遅れて到着したので混乱した。厚労省の方針がぶれて通達が乱発され、現場の混乱に拍車がかかった。

 しかし、気になることもあります。次の次項に対する検証がなされていません。

個人レベルの感染対策(うがい・マスク・など)の検証記事は見あたらない。近隣の市町村ではマスクの配布や空気清浄機の導入などが行われましたが、費用対効果を発表している自治体は皆無です。
不安を煽り、差別を生んだ報道姿勢。

 次の大流行が発生した場合、今回より上手く管理できるのか疑問だらけです。

■ 中部6県で余るワクチン29万回分 全額医療機関の負担に

(中日新聞)

 新型インフルエンザの沈静化で、中部6県(愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀)の医療機関に29万回分(4億4000万円相当)ものワクチンが余っていることが、各県への取材で分かった。メキシコで新型インフルエンザによる死者が出ていると世界保健機関(WHO)が発表してから、24日で1年が経過。余剰ワクチンは返品できず、費用を全額負担しなければならないため、医療機関から悲鳴が上がっている。
 「返品したいんですが…」。愛知県新型インフルエンザ対策室には3月下旬まで、医療機関からほぼ毎日、余剰ワクチンの返品を求める電話が相次いだ。
 同県の担当者は「接種に協力的だった医療機関ほど、ワクチンが余った。何とかしてあげたいのだが…」と同情するが、打つ手がないのが現状だ。
 厚生労働省によると、余剰ワクチンの86%を占める輸入ワクチンは解約や返品交渉をしているが、国産ワクチンのうち200万回分が医療機関の余剰在庫となっている。1回分約1500円の仕入れ費用は、全額が医療機関の負担となる。
 名古屋市西区の名鉄病院は、同市の予防接種センターとして積極的に接種したが、1月以降は急激に減り、約500回分が余った。購入費は75万円。宮津光伸センター部長は(60)は「ちょっと多すぎる」と嘆いた。
 22回分のワクチンが余った同市中区の開業医(51)も「半額でもいいから買い取ってほしい。これでは次に流行が来たときに、協力する医療機関がなくなってしまう」と憤る。
 岐阜県では600回分の在庫を抱える診療所もあり、県医師会が今月、日本医師会に「早急に国としてワクチンの返品を受け付けるよう、強く働きかけをお願いする」とする要望書を提出した。厚労省は「当初から返品は受け付けないと示しており、次の流行の備えに使ってほしい」との姿勢を変えていない。
 大部分を占める瓶タイプのワクチンは有効期限が1年あるが、注射器に入った0・5ミリリットルタイプは半年しか持たず、多くは5~6月に使用期限を迎え、廃棄処分される
 国は次の流行期に向け、新型と、季節性のA香港型、B型の3タイプを組み合わせたワクチンを製造する方針を示しており、今秋にも完成すれば、新型だけのワクチンは需要が低くなる見通しだ。

■ 新型インフル対応計画、自治体6割が変更 朝日新聞調査

(朝日新聞)

 メキシコなどで昨年4月に新型の豚インフルエンザが確認されてから1年。全国の都道府県や政令指定都市のうち6割が新型インフル対応計画やマニュアルを変更したり変更予定を決めたりしていることが朝日新聞の自治体アンケートでわかった。8割の自治体は、この1年の体験が、より毒性の強い新型出現に向けた備えに役立ったと答えた。
 今月上旬から中旬にかけて、47都道府県と19政令指定都市に質問用紙を送り全自治体から回答を得た。
 対策計画を変更・変更予定の自治体は41だった。今回の新型が別の新型インフルに対応するための準備に役立つと評価した自治体も8割以上の55あった。自治体から次のような教訓が挙げられた。
 ▽サーベイランス(定点観測)などによる情報収集・分析が必須であることが明らかになった(東京都)▽トップの判断の重要性や、一斉休校による感染拡大抑制の効果などについて教訓が得られた(大阪府)▽封じ込めより大流行時に医療や社会機能を維持することを主眼に対策を講じるべきだとわかった(沖縄県)など。
 各自治体が新型の対策で使った正確な費用は決算が終わらないと出ないが、予算などを基にした概算は回答のなかった4自治体を除く62都道府県・政令指定都市で計約583億円。

■ 新型インフル1年 危機管理の教訓にしたい

(産経新聞)

 メキシコでブタ由来のインフルエンザが流行し、60人もの死者が報告されていることを世界保健機関(WHO)が発表したのは昨年の4月24日だった。翌日にはWHOから、「国際保健上の緊急事態」に認定され、世界は大きく動揺した。
 国内でも推定2千万人を超える患者が発生したこの新型インフルエンザは、いまやすっかり下火になった。関心も薄れているが、感染症対策や危機管理面で引き出すべき教訓は少なくない。
 WHOの緊急事態認定から3日後の28日には、政府の新型インフルエンザ対策本部が「国内へのウイルスの侵入を何としても防ぐ」として検疫体制の強化を打ち出した。急な発熱などインフルエンザが疑われる人は発熱外来のある病院で診ることにもなった。
 新しい感染症の流行の初期には情報が少ないので、最も厳しいシナリオを前提に対策を立てる。これは危機管理上、当然の選択だろう。だが、事態の推移をにらみ、対策を速やかに現実に適合したものに変えていく臨機応変の判断も政策決定者には必要だ。
 この点で、昨年5、6月の政府の対応は著しく柔軟性を欠いていた。水際対策は国内体制を整えるまでの時間稼ぎ策なのに、ずるずる引き延ばして逆に体制整備を遅らせた発熱外来のシステムも、特定の病院に患者が集中し、かえって混乱を招く結果になった
 こうした錯誤は、感染症にかかった人を社会から排除しようとする発想が根強く政策決定者に残っているからだろう。大いに反省すべき点である。
 今回の流行は、患者数では毎年の季節性インフルエンザを上回ったが、死亡率は人口10万人あたり0・15人で、諸外国に比べてもひとケタ少ない。だれもが気軽に医療を受けられる診療体制が何とか維持され、抗インフルエンザ薬の早期の服用も可能だったからだろう。現場の医療関係者の献身的な努力のおかげともいえる
 ただし、政策的にはその努力に水を差す決定も見受けられた。ワクチンをめぐる方針が二転三転し、結果として大量に余ったことなどその最たるものだ。
 厚生労働省では、専門家による総括作業が進められている。秋の再流行や、より病原性の高い新型インフルが登場する懸念も去ったわけではないので、今後の対策に生かせる総括を望みたい。

4月25日:世界の死者17853人超

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.97

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 4月18日時点で、WHOには、214ヶ国と地域で確定患者と、合17853名以上の死亡者の報告があがっている。

2) パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が現在最も活発な地域は,西アフリカと中央アフリカだが、東南アジアと中央アメリカで伝播が起きている。北半球、南半球の温帯地域の多くの地域では、パンデミックインフルエンザ活動は低い状態である。季節性B型インフルエンザウイルスは、さらに広範な地域で検出が増大しており、東アジア、中央アフリカ、欧州の北部、東部では、支配的なウイルスである。また中央アメリカでも最近、季節性B型インフルエンザウイルスが非常に数は少ないが検知された。季節性インフルエンザウイルスH3N2も以前、南アジアと東南アジア(特にインドネシア)で検知されており、西アフリカのいくつかの国や欧州東部で散発的に検出されている。

3) 欧州では、多くの国が、インフルエンザに陽性反応を示す呼吸器疾患検体は6.8%と、低い呼吸器疾患の状態であると報告している。パンデミックインフルエンザ活動は、最近数週間低下が継続しており、すべて国で非常に低い状態である。

4) 東アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスの検出はほとんどない。中国、モンゴルと韓国では、インフルエンザ様疾患患者のほとんどは、B型インフルエンザウイルスが主とした要因である。呼吸器疾患活動の増加傾向が、この最近2-3週間韓国で、B型インフルエンザウイルスの循環の増加をともなっておきているとの報告がある。

5) 南アジア、東南アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が最も活発な国はマレーシア、タイとシンガポールである。この地域ではパンデミックインフルエンザウイルスが、この地域で循環しているウイルスで支配的なものであるが、シンガポール、タイ、インドネシアでは季節性B型インフルエンザウイルスとH3N2が、同時循環する状態が続いている。インドネシアではこの地域の他の国に比して、支配的に循環しているウイルスは、インフルエンザH3N2であり、B型インフルエンザとパンデミックインフルエンザウイルスはほとんど検出されていない。マレーシアでインフルエンザ様疾患による呼吸器疾患の診察者の数は、先週に比べて、ほとんどの州で増加したとの報告がある。

6) 北アフリカでは、呼吸器疾患活動は、低い状態であるようだ。サハラ以南のアフリカでは、西アフリカで、コミュニティーでのパンデミックインフルエンザの伝播が進行していることが示されている。セネガルでは、2月に伝播のピークを見変えたようであるが、ガーナでは、引き続き活発な伝播が継続している。しかし、それも減少している。コートディボワールとナイジェリアでは、呼吸器疾患活動の増大傾向が報告されているが、ウイルス学的データは入手できていない。中央アフリカでは、低いレベルでのパンデミックインフルエンザ活動が、続いている。

7) 南北アメリカの熱帯地域では、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ呼吸器疾患活動が増加していると報告がある。グアテマラでは、呼吸器疾患診察者の数が、先週に比べて80%増加した。特筆すべきことは、RSウイルス、パラインフルエンザとアデノウイルスを含む他の呼吸器系パンデミックインフルエンザウイルスと、少数のパンデミックインフルエンザウイルスが同時循環していることである。メキシコでは、データによると、パンデミックインフルエンザウイルスが限定した地域だが、活発な状態がメキシコ市で発生している。

8) 南半球の温帯地域では、チリが、過去4週間の間にインフルエンザ様疾患活動が地域的に増加しているとの報告がある。 最新の報告週で、定点サベイランスの検体の6.8%が呼吸器ウイルスに陽性反応をしめした。このうち、52.9%がRSウイルス、23.5%がアデノウイルス、11.8%がパンデミックインフルエンザウイルスであった。オーストラリア、ニュージーランドでは、インフルエンザウイルスの冬期コミュニティーでの伝播が始まりを示唆するものはない。オーストラリアでは、パンデミックH1N1ウイルスと季節性B型インフルエンザウイルスが少ない数だが、散発的に検出されている。

■ 新型インフルで異常行動、季節性の1・5倍

(読売新聞)

 新型インフルエンザで脳症になった子供が意味不明なことを言うなどの異常行動を起こす割合は、季節性の1・5倍に上ることが、厚生労働省研究班(主任研究者=森島恒雄・岡山大教授)の調査で分かった。
 盛岡市で開かれている日本小児科学会で24日発表した。
 研究班は、昨年7月~今年2月に新型インフルエンザで脳症と診断された15歳未満の160人を調査。2005年1月~06年12月に季節性で脳症と診断された159人と比較した。
 脳症の子供のうち、けいれんを起こした割合は新型が49%で、季節性の78%を下回ったが、異常行動の割合は56%で、季節性の38%の1・5倍だった。新型の脳症患者の脳をMRI(磁気共鳴画像装置)で調べたところ、28%に脳の一部が白く映る「異常」が見られ、うち11%は左右の脳をつなぐ「脳梁(りょう)」に集中していた。研究班は「脳梁には、感情や行動を制御する働きもあり、脳梁の障害が、異常行動につながった可能性がある」と分析している。
 森島教授は「次の流行では、新型の感染が乳幼児にもっと広がる恐れがある。乳幼児は十分な感情表現ができないため異常行動が分かりづらい。親は注意が必要だ」と指摘している。

■ 呼吸困難 新型インフルに特有

(NHK)

 新型インフルエンザに感染して息苦しさなどのために入院した子どもの多くが、24時間以内に呼吸困難を起こしていたことが、日本小児アレルギー学会の調査でわかり、新型インフルエンザに特有な症状として注目されています。
 これは、日本小児アレルギー学会の松井猛彦医師らを中心とするグループが、去年、新型インフルエンザに感染して呼吸器症状のために入院したぜんそくの持病のある子ども316人と持病のない子ども195人について比較分析したものです。このうち、症状が悪化して呼吸困難に陥ったのは、ぜんそくの子どもが95%、持病がない場合でも76%に上っています。さらに、熱が出てから呼吸困難になるまでの平均時間を比較しますと、ぜんそくの子どもが12.9時間だったのに対し、持病のない場合は17時間で、ぜんそくの子どものほうが症状の進行が速いものの、持病がなくても多くの子どもが24時間以内に呼吸困難を起こしていました。また、ふだん、ぜんそくの治療に使うステロイドという薬剤を投与した場合、ぜんそくのあるなしにかかわらず9割前後の子どもに効果があったということです。
 呼吸器症状の急激な悪化は、従来の季節性のインフルエンザではほとんど見られなかったということで、調査を行った松井医師は「新型インフルエンザの場合、子どもがハアハア息をするなど、ふだんと違った呼吸器症状があれば早めに医療機関を受診することが必要だ」と話しています。

(院長のつぶやき)松井猛彦先生は「喘息死」の解析で有名です。

■ 死者 季節性の数十分の1以下

(NHK)

 新型インフルエンザがアメリカやメキシコで確認されて24日で1年になります。国立感染症研究所が新型インフルエンザによる国内の死者の数を推計したところ、およそ200人となり、多い年には1万人以上が死亡する季節性インフルエンザの数十分の1以下だったことが初めてわかりました。
 インフルエンザの流行では、患者が検査を受けないまま死亡したり、感染と死亡との因果関係が明らかでなかったりして、正確に死者の数を把握することが難しいため、国立感染症研究所が毎年、人口動態統計を基に死者の数を推計しています。この方法で推計すると、季節性インフルエンザの死者の数は、多い年には1万人を超えますが、ことし2月までの新型インフルエンザでは、死者はおよそ200人となり、季節性インフルエンザの数十分の1以下だったことが初めてわかりました。専門家は、医療機関でタミフルなどの治療が迅速に行われたことや学級閉鎖などで重症化のリスクの高い中高年に感染が広がるのを防いだことが、死者の数を減らすことにつながったとみています。
 国立感染症研究所の安井良則主任研究官は「日本の死者数は欧米に比べ非常に少ない。医療機関で対策を取り、迅速な治療をできたことが死亡者を少なくできた大きな要因だろう。患者の多くが、重症化のリスクの高い高齢者でなく比較的体力のある若い世代だったことも影響していると考えられる」と話しています。

■ 妙寺小学校で学級閉鎖、新型インフルか ー和歌山県

 (わかやま新報)

 和歌山県は23日、 新型インフルエンザとみられる集団風邪でかつらぎ町の妙寺小学校6年A組が24日から27日まで学級閉鎖したと発表した。 同クラス31人中、 5人が欠席した。県難病・感染症対策課によると、 県内医療機関からのインフルエンザ定点報告数はことし第12週 (3月22~27日) から沈静化。 しかし、 昨年は5月から流行化していることから、 県では注意を呼び掛けている。

■ 新型インフル発生から1年 国内流行は沈静化 第2派到来へ警戒を 

(Web 埼玉) 

 新型インフルエンザの発生がメキシコや米国で確認されてから1年。埼玉県内でも7人に1人が感染するなど、一時、猛威を振るった。国内の流行はひとまず沈静化したが、第2波の到来や、より病原性の強い新型が出現する可能性も指摘されている。今回の流行では、国や自治体、医療現場の対応などで多くの問題点が浮かび上がった。この経験を今後の備えにどう生かすのか。課題は山積している。
 現在、新型インフルエンザの国内の患者発生数は低いレベルで推移、全国の定点医療機関から1週間に報告される患者数は1施設当たり1人以下の状態が続く。だが、専門家からは「流行が終息したのではなく小康期だ」との声が上がる。
 日本で全国的な流行が始まったのは昨年8月。毎年流行する季節性インフルエンザに比べ4~5カ月も早い流行入りだった。爆発的な増加はなかったものの、感染は徐々に拡大。患者数は11月下旬にピークを迎えた後、減少傾向となった。米国では春と秋の2回、流行の「山」があったが、日本は1回だけだった。
 政府は「感染拡大を防ぎ、基礎疾患(持病)を持つ人などを守る」との目標を掲げ、対策に取り組んだ。「重症化、死亡を減らす点では成功だった」と、政府の専門家諮問委員会委員長を務める尾身茂自治医大教授は振り返る。
 今回の国内における流行の大きな特徴は、専門家が首をかしげるほど他国に比べて死亡率が低かったことだ。
 算出方法の違いがあり単純比較は難しいが米国の人口10万人当たりの死亡率は3・96人、カナダは1・32人、メキシコは1・05人、オーストラリアは0・93人、英国は0・76人。一方、日本は3月23日現在の死亡者が198人で、死亡率は0・15人。重症化や死亡のリスクが高いとされた妊婦も、国内では死亡者がゼロだった。
 死亡率が低かったのは患者が若年層に集中し、死亡リスクが高い高齢者が比較的少なかったことが要因とみられる。また、広範囲な学校閉鎖、タミフルなど治療薬の幅広い投与、医療へのアクセスの良さなどが功を奏したとの見方が多い。
 一方で問題点も続出。発生初期に空港で実施された機内検疫などの水際対策は実効性に疑問の声が上がり、国内対策の遅れにつながったとの指摘も。ワクチンの接種回数や時期の変更でも現場が混乱した。政府レベルでこうした点を検証する作業が始まった。
 「秋には第2波が必ず来る」と警戒するのはインフルエンザに詳しいけいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫小児科部長。過去の世界的大流行(パンデミック)でも、第1波の数カ月後に次の流行が起きた。菅谷さんは、人口の半分程度が免疫を持てば大規模な流行には結び付かず、パンデミックは終息するとみる。
 国内の推定感染者数は2千万人を超えたが、まだ感染していない人が多く、終息にはもう一度大きな流行を経験しなければならない。「第1波では子どもが多くかかったが、第2波では中高年が相当気を付けなければならない」と警告する。
 新型とは別に、海外では病原性の高い鳥インフルエンザH5N1型の人への感染が続き、状況は変わっていない。第2波の到来とともに、鳥インフルエンザの動向にも注意する必要がある。

□ 7人に1人が感染 死者は9人、重症者40人 〜埼玉県

 埼玉県疾病対策課によると、県内で新型インフルエンザの感染者が最初に確認されたのは、2009年5月。大阪、京都府を旅行した鷲宮町の20歳代男性がPCR(遺伝子)検査を受け、判明した。
 この後、県内では今年3月30日までに延べ約108万人、県民の7人に1人に当たる15・1%が感染。うち死者9人、重症者は40人に上った。1週間当たりの感染者数のピークは昨年10月26日~11月1日の9万7千人だった。従来のインフルエンザに比べ若年層に感染が多いのが特徴という。現在は流行も下火となっている。
 ワクチンは厚生労働省から県に196万回分が供給された。当初1人2回の接種が必要とされたが、昨年11月から12月にかけて13歳未満以外は1回に変更されたため、半分の約97万回分を使用したのみ。残りは国に返還するという。
 県は重症患者や感染力に柔軟に対応できるよう「新型インフルエンザ対策行動計画」の見直しを進めている。

□ 1万8000人を確認 〜さいたま市

 さいたま市内の新型インフルエンザ患者は、昨年10月末にピークを迎え、週間患者数は5505人に上ったが、その後は減少に転じた。年明けの1月13日には市内の定点観測患者数は10人を下回り、県とともに流行の警報を解除した。子どもの患者が減った分、大人の患者の占める割合が半数近くにまで上昇した時期もあったが、2月以降、患者数全体が大きく減少した。
 同市によると、昨年6月中旬以降、4月18日までに延べ1万7936人がインフルエンザと確認され、ほぼ全員が新型とみられるという。
 最新数値の4月12日~18日の定点医療機関からの患者報告数は3人で、1定点当たりの報告数は0・08人。定点当たり1人の流行の指標を大幅に下回り、市内の学校の学級閉鎖もないことから、市地域医療課は「流行は沈静化している」とみている。

■ 新型インフル:発生から1年、残された課題とは ー朝鮮日報

(朝鮮日報日本語版)

 「世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務所の感染病監視局課長から受けた通知をご報告します。米国で7人の豚インフルエンザ患者が発生、メキシコでも発生し、一部地域では学校に休校措置が下されている状態…」
 2009年4月24日午後3時37分06秒。韓国疾病管理本部のクォン・ジュヌク伝染病管理課長が、チョン・ビョンリュル伝染病対応センター長に報告した。WHOが新型インフルエンザの大流行を通知してきたこの日を基点に、韓国国内でも総力を挙げた新型インフルエンザ予防作戦が始まった。今日(24日)はそれからちょうど満1年となる日だ。
 昨年11月、最高段階である「深刻」まで格上げされた韓国の国家伝染病段階は、今月1日付で平常時の水準である「関心」に戻り、新型インフルエンザの流行は一段落した。李鍾求(イ・ジョング)疾病管理本部長は「幸い、韓国は重症急性呼吸器症候群(SARS)や鳥インフルエンザ(で深刻な事態)は経験していないが、新型インフルエンザの事態を乗り越え、『さらに強力なウイルス』が到来する可能性も十分あることを実感した。新型インフルエンザ対策は、これに備えた『(伝染病対策システムの)体力作りの段階』だった」と述べた。

■予防で健闘した韓国

 新型インフルエンザウイルスにとって、世界は「一日生活圏」だった。最初の報告から1週間の昨年5月2日、韓国でも初の新型インフルエンザ感染者が確認され、感染者数は幾何級数的に増えた。
 「感染確認者(検査で感染の事実が確認された患者)が計75万人、タミフル処方が約356万件に達したことを考えると、実際の感染者は150万人前後と推測される」と疾病管理本部は推定している。
 幸い、新型インフルエンザの致死率は低かった。8月15日に初の死亡例が出たが、新型インフルエンザによる死者は計252人で、致死率は季節性インフルエンザ(0.1%)よりもはるかに低い0.017%程度となっている。
 人口3億人の米国では、新型インフルエンザ感染者が昨年4200-8600万人発生、このうち8500-1万8000人が死亡したと推定されている。人口に対する感染者数や致死率を見ると、韓国は予防で善戦していることが分かる。
 WHOは今年流行する季節性インフルエンザのワクチン菌株に新型インフルエンザウイルスを追加したが、この際、新型インフルエンザウイルスの名称を「カリフォルニアA(H1N1)」に変更した。新型インフルエンザはもはや「新型」ではないという意味だ。クォン伝染病管理課長は「新型インフルエンザに変種が発生し、従来のワクチン・治療薬が効かなければ、深刻な状況になる可能性もあるが、現在の南半球の流行でもそうした兆候はない」と話す。

■「運もよかった」

 韓国保健当局の新型インフルエンザ対応は、他国よりも積極的かつ電撃的だった。李疾病管理本部長は「(タミフルなどの)抗ウイルス剤の積極的な投与、広範囲な予防接種などが相乗効果を挙げたものと見られる」と説明する。新型インフルエンザが疑われれば、直ちに抗ウイルス剤を投薬するようにしたこと、小中高校生を優先した予防接種などは、韓国の保健当局ならではの戦略だった。
 運もあった。福祉部関係者は「想定された最悪のシナリオはすべて現実となったが、運がいいことに、タイミングもこれ以上ないというほどよかった。抗ウイルス剤が十分ではなく、『ワクチン主権』も確保できないまま予防を行ったが、かろうじて峠を越えてきた」と話している。
 新型インフルエンザワクチン物量の100%(2500万人分)を調達した製薬会社「緑十字」ワクチン工場は、昨年7月2日に完成した。もし完成が3カ月遅ければ、「ワクチン主権」を確保できない韓国は今ごろ、ワクチンを求め世界中をさまよっていたかもしれない。新型インフルエンザを確保するカギの一つは、「地域社会での集団感染」を最大限に送らせることだったが、初の集団感染例が発生したのが7月20日で、ほとんどの学校が夏休みに入っていたことも幸いだった。
 クォン課長は「油断するたびに何かが起きた」と話す。4月24日は、2008年から続いていた鳥インフルエンザの予防非常勤務が終わった日で、初の死亡例(8月15日)をはじめ、初期の死亡例はほとんどが週末に発生した。公務員の間では、「週末シンドローム」という言葉がささやかれたほどだ。
 予想された悪材料も次々と現実になった。ワクチン接種の副作用は46件報告され、計6000万ウォン(約510万円)の補償が成立、抗ウイルス剤への耐性を持つウイルスの例も11件報告されている。
 李本部長は「ワクチン開発を奨励し、新型伝染病に速やかに対応できる予防システムをしっかりと整えなければならないという教訓を得た」と語った。疾病管理本部はこうした内容をすべて網羅した「新型インフルエンザ白書」を6月に発行する。

4月24日

■ 在庫2万5000回分 どうする県、医師会苦慮 国は回収せず

(読売新聞)

 新型インフルエンザの流行がほぼ終息し、県内の医療機関に配分されたワクチンは、県が把握しているだけで2万4930回分(2月12日現在)が余っている。在庫に頭を悩ます医師らは、厚生労働省による買い取りを求めている。既に自治体が回収を要望している例もあるが、厚労省は応じない構え。調整役として間に立つ県が対応に苦慮している。
 県保健予防課によると、ワクチン1回分は約1450円で、約3615万円分が余っている計算になる。厚労省が県に配分した量は約37万3000回分で、少なくとも約7%が余った。このほか、流通段階で生じた在庫は15万6679回分ある。
 厚労省血液対策課は、財源がないだけでなく、新型の第2波を警戒するため、回収に応じていない。使用期限は大半は約1年だが、流通在庫とは異なり、医療機関の保管は品質が担保されていないとの認識があり、回収しても廃棄処分とせざるを得ないという。
 一方、流通在庫には3か月の支払い猶予が設けられており、返品が可能で備蓄に回される。全国で余っている在庫量(2月12日現在)は約1410万回分だが、「次回の調査ではかなりの量が減っているだろう」(同課)と推測している。
 これに対し、県医師会の今泉友一理事は「次のシーズンには結局、新しいワクチンを購入する必要が生じる」と説明する。国が買い取りに応じるよう、県に働きかけを求めている。
 前橋市の総合病院では、約50万円分のワクチンが余り、事務担当者は「無駄な買い物をしてしまった」とため息。「別の新型インフルエンザが発生するたびに在庫を抱えられない。行政にはもっと計画的に対応してほしかった」と訴える。県保健予防課は、厚労省への要望について「他県の動きや、医療関係者の意見を踏まえて考えたい」と話している。

■ 新型インフルエンザ:ワクチン在庫5万2000回分 道など、負担軽減要望 /北海道

(毎日新聞)

 ◇道と医師会、厚労相に負担軽減要望

 北海道内に供給された新型インフルエンザワクチンのうち5万2000回分が使われず、医療機関の余剰在庫になっていることが、道の調査で分かった。使用期限(半年~1年)後は廃棄せざるを得ず、約7800万円の購入費用は医療機関の負担となる。道と道医師会は22日、負担軽減策を求め、長妻昭厚生労働相あての要望書を民主党道連に提出した。
 在庫量は2月末時点で、道内に供給されたワクチン90万回分の約5・7%に相当する。道健康安全局によると、道内の新型インフルエンザ患者数は昨年10月下旬をピークに減少。最近8週間は定点医療機関当たりの患者数が流行の目安となる1・0人を下回っており、ワクチン接種希望者もほとんどいないという。
 また、当初供給されたワクチンの多くが、量が多すぎて使い勝手が悪かった10ミリリットル瓶(成人18回分)だったことも、在庫が増えた要因になったという。来季は新型と季節性の混合ワクチンが作られる見通しで、大半は未使用のまま期限切れになる可能性が高い。
 国と医療機関の契約では、在庫の返品は認められていない。道や道医師会は「今後、新型インフルエンザが流行した場合に医療機関が損失を恐れ、ワクチン接種の業務委託を拒否することも考えられる」と訴えている。

(院長のつぶやき)その通り。今回のように末端医療機関に責任を押しつけるシステムなら、今後予防接種事業には協力する気が失せますね。

4月23日

 今週は一人もインフルエンザの検査をしていません・・・。

■ 新型インフルほぼ収束 長野県内患者数、6週連続で1人下回る

(中日新聞)

 県内の新型インフルエンザ患者数は、定点医療機関あたり0・02人となり、6週連続で1人を下回ったことが県健康福祉部の集計で分かった。昨秋から今年初めにかけて猛威を振るったが、ほぼ収束状態にあるとみている。しかし、同部は今後も流行することを想定し、ワクチン接種や手洗い、うがいなどの予防策を引き続き求めている。
 今月12~18日(第15週)の定点医療機関あたりの患者数は、飯田が0・13人、長野が0・07人で、松本や伊那、諏訪などそのほかの地域は届け出がなかった。
 ほぼ収まった状況だが、1918年のスペイン風邪では、いったん収まった後の第2波の流行で全国では死者数が増加したことがあった。県健康長寿課は「次の流行が今起きない保証はない」と話し、県対策本部の設置は継続する考えだ。
 県内の医療機関には、約2万回分(3月31日現在)のワクチンの在庫がある。流行の沈静化とともに県民の関心も薄れつつあるが、同課は「次の流行時のワクチンができるまでには時間がかかる。6カ月程度の効果は見込まれ、重症化を防ぐためにもぜひ接種してほしい」と呼びかけている。
 県内での新型インフルエンザの流行は、昨年11月中旬に定点医療機関あたり患者数が55・31人でピークを記録。県は警報を発令した。その後、今年3月上旬から1人を下回っている。

■ 山陰両県(鳥取&島根)で新型ワクチン大量に余る

(山陰中央新報)

 山陰両県の医療機関で、新型インフルエンザワクチンが大量に余っている。両県によると、ワクチンの大半を占める国産の在庫量は3月31日現在、島根県内が約1万1千回分、鳥取県内が約9千回分。一部は5月に有効期限を迎える中、国の方針で返品は認められず、各医療機関は思わぬ「負担」に頭を痛めている。
 同ワクチンは買い占めを防ぐため、国が製造会社から買い上げて管理し、都道府県からの注文を受けて販売業者、卸業者を通して医療機関が購入する仕組み。価格は、1回分の0・5ミリリットルが約1500円で、1ミリリットルは約3千円、10ミリリットルは約2万5800円となっている。
 山陰両県では、昨年10月の供給開始以来、島根県内は693医療機関が約18万1千回分、鳥取県内は480医療機関が約15万回分を購入済み。同12月上旬のピーク時には、対応できないほどの大量注文があった。
 しかし、その後は流行が下火になり、需要が減少。感染したため、キャンセルするケースも相次ぎ、在庫量が膨らんだ。
 一方、有効期限は着々と近づく。特に、妊婦用は保存剤を使っておらず、半年間しか保たない。同ワクチン接種が始まった昨年11月中旬ごろに製造されたものは、5月がタイムリミット。また、妊婦用以外のワクチンの多くも、今年中に1年の有効期限が切れる。
 松江市立病院(松江市乃白町)は、冷蔵庫に保管する432回分のうち102回分は、5月25日が有効期限。残りのワクチンを含め、すべてが使われない場合、病院側が被る”損失”は約60万円に上るだけに、伊藤玄総務課長は「誰も予想できなかった事態。国や県に何らかの措置をお願いしたい」と、財政支援の必要性を訴える。
 こうした状況を踏まえ、鳥取県は20日、岩垣宝祥医療指導課長らが厚生労働省を訪れ、国の負担で返品を認めるよう要望書を提出。島根県も同様の要望を検討している。
 ただ、厚労省の担当者は「財源がなく、国費で買い戻すのは難しい」と話している。

■ 妊婦のタミフル、副作用調査へ=「新型」死亡ゼロで再検証 -日本産科婦人科学会

(時事通信)

 日本産科婦人科学会は22日、抗インフルエンザウイルス薬を妊婦が使用した場合の副作用や胎児への影響について、大規模な調査を行うことを明らかにした。新型インフルエンザは妊婦に危険だとされながら日本では死亡例がなく、ワクチンや薬などの対応が奏功したとみられており、改めて安全性を検証する。
 調査は全国約500の医療機関を対象に、5000例程度を目標に実施。昨年9月から今年12月までの間に、抗ウイルス薬のタミフルとリレンザで治療を受けた妊婦を登録し、副作用や子供への影響を2歳になるまで追跡する。斎藤滋富山大教授が中心となり、同大の倫理委員会での審査・承認を経てスタートする。
 タミフルは胎児への影響がなく妊婦に安全とされるが、90例ほどのデータしかないという。斎藤教授は「学会として治療薬の速やかな使用を提言しており、責任がある」と話している。

4月22日

■ 大洲の小学校で新型インフル ー愛媛

(毎日新聞)

 愛媛県新型インフルエンザ危機対策本部は20日、大洲市立大和小の児童9人が、新型とみられるインフルエンザA型と診断された、と発表した。県内での集団発生確認は約2カ月ぶり。いずれも症状は軽い。9人のうち8人が所属する4~6年は、27日まで学年閉鎖となる。

4月21日

■ 京都府が新型インフル対策を検証 情報混乱など指摘

(京都新聞)

 昨年、京都府内でも大流行した新型インフルエンザへの対応を振り返り、課題を探る検証作業が20日、京都市上京区であった。府内の行政担当者らが議論した結果、情報の混乱と事前の準備不足、関係機関の連携不備が問題点として浮かび上がった。
 検証作業は、対応の課題を洗い出すことで、新たな流行や強毒型の出現に備えるのが目的。京都府と市町村の行政担当者や消防、自衛隊など関係機関から計100人が参加し、危機管理や医療対策、広報・相談などテーマごとに8グループに分かれて当時の対応を振り返った。
 危機管理上の課題として、国と府、市町村の間で情報が混乱して適切な対応がとれなかったことや、市民に正確な情報提供ができず不安を招いたことが指摘された。対策として、情報収集・発信の一元化▽情報伝達ルートの明確化と事前の訓練実施▽広報と相談部門の連携-などが必要とされた。
 医療面では、夜間休日診療所や特定の医療機関への患者集中、ワクチン接種をめぐる混乱が課題として挙げられ、地元医師会との連携強化やワクチン配布ルートの検討などが求められた。
 ほかに「担当者以外の職員の危機意識が低かった」「休校やイベント中止の基準がなく混乱した」などの意見が出された。主催した府新型インフルエンザ対策本部は「今回の議論をマニュアルの改訂に生かしたい」としている。

■ ワクチン余剰2万回分 徳島県内医療機関「廃棄するしか」

(徳島新聞)

 新型インフルエンザの流行が終息し、徳島県内でワクチンの在庫を大量に抱える医療機関が続出している。ワクチンは、県の仲介で国から卸業者を通じて医療機関が購入してきたが、国は「再流行の可能性がある」として買い戻しはしない方針。ワクチンの有効期限は約1年で、医療機関は「このままでは廃棄処分するしかない」と頭を痛めている。 
 県感染症・疾病対策室によると、ワクチンは昨年10月下旬から今年2月上旬にかけて、県内775医療機関に約23万7千回分が配布された。このうち、流行のピークが過ぎた2月12日時点で、約9%に当たる約2万2千回分(約3200万円相当)が余っている。
 現在、約700回分の在庫を抱える徳島市内の病院では2月下旬以降、ほとんどワクチンがさばけていない。病院によると、1日30人近くの申し込みがあった昨年12月下旬までは、病院側が希望する4分の1程度しか支給されなかった。ところが、年が明けて安定供給が始まった途端、接種希望者が激減したという。
 新型ワクチンは年1回は接種する必要がある。ただ、今秋には新型と季節性を混合したワクチンが生産される見通しで、わざわざ新型だけのワクチンを使うとは考えにくくい。このため、今秋までに再流行しなければ、在庫のワクチンを期限内に使用できなくなる可能性が高い。病院長は「新型ワクチンは国の施策に基づいて購入した。国の責任で買い取ってほしい」と訴える。
 阿波市内の病院も120回分のワクチンを抱えている。2月以降、周辺地域の老人保健施設にワクチン接種を呼び掛け、ようやく半分程度の在庫を処理できたという。
 全国的に大量在庫の問題は深刻で、千葉県や大阪府などは国に対して買い取りを強く要望している。県感染症・疾病対策室は「再流行する可能性もあるため、国への要望も含めて検討したい」と様子見の構えだ。

■ 空気清浄機:出荷台数と販売額が過去最高 09年度

(毎日新聞)

 日本電機工業会が20日に発表した09年度の白物家電の国内出荷実績によると、新型インフルエンザの流行などにより、空気清浄機の出荷台数、販売額がともに過去最高を記録した。流行の落ち着きとともに、2月と3月の販売台数は2カ月連続で前年同月を下回ったが、各メーカーは白物家電の重要な製品に成長したとして、10年度にも期待している。

4月20日

■ 「新型」確認1年 インフル対策 見直し必至

(読売新聞)

□ ワクチン「司令塔」不在/国産品不足

 新型インフルエンザの感染者がメキシコで初めて確認されてから今月で1年。
 世界保健機関(WHO)は14日まで3日間、初の対策検証委員会を開いた。日本でも同様の検証が始まったが、第2波の襲来や本命とされる高病原性鳥インフルエンザ流行に向け、対策の見直しは必至だ。

□ ミステリー

 「日本だけがなぜ新型インフルの犠牲者が少ないのか」。WHOでは今、日本がどう流行に対応したのかに関心が集まっている。
 世界全体の死者数は推計1万7000人。米国は同1万2000人に対し、日本では198人と2ケタも少なかった。米メディアは日本の過剰な対応に「パラノイア(偏執狂)の国」と皮肉ったが、WHOは初期の流行が抑えられたこと、妊婦の犠牲者が他国より少なかったことと合わせ、「日本の3大ミステリー」と呼んでいる。
 国内の専門家は、早期の学校休校で関西での流行を抑え込んだと見る。病原性の低さにも救われたが、もともと治療薬タミフルの世界最大の消費国で、高病原性鳥インフルに備えて大量の治療薬が国内にあったことも奏功した。現在の米国とは異なり、誰でも治療を受けられる国民皆保険制度が機能したのも大きかった。

□ 迷走

 一方で、日本の感染症対策のもろさも露呈した。最も問題視されたのはワクチン接種を巡る迷走だ。
 接種回数が二転三転したほか、不足分を輸入するのかどうか、優先接種者をだれにするのか。緊急事態なのに厚生労働省の決定には時間がかかり、結果的に1億650万回分ものワクチンが余った
 背景には「新3種混合(MMR)」ワクチンなどによる過去の副作用問題で、厚労省がワクチン政策の推進に後ろ向きになっていたことがある。ワクチン政策を所管する部局が複数にまたがり、責任の所在もあいまいだった。
 こうした実態を問題視した長妻厚労相は「感染症対策は安全保障上の問題」として、感染症対策を抜本的に見直すことを決めた。まずは予防接種法を今国会で改正し、今回のように病原性が低い感染症にも国が責任を持って対応できるようにする。副作用救済や費用負担のあり方も見直す。
 ワクチンを緊急輸入せざるを得なかったことも反省材料で、長妻厚労相はワクチンを大量生産できる「細胞培養方式」を5年以内に確立すると国会答弁した。
 ワクチンに関する司令塔がない現状も改め、米国のように専門家や国民が参加してワクチンの種類を迅速に決める組織設置をめざす。検疫や広報、医療体制などの見直し案は、設置した対策総括会議で6月までに結論を出すという。

□ 警戒なお必要

 新型インフルは今もアフリカと南米のごく一部で流行しているため、WHOは流行の峠越え宣言を出せていないが、実態は沈静化したと言える。
 それでも研究者は、第2波への警戒の必要性を説く。新型インフルはわずか1個のアミノ酸の変異で感染力が強まる恐れがあることが研究で確かめられるなど、次の流行は今回とは違った形で起こりうるからだ。
 アジアなどで散発している致死率60%の高病原性鳥インフル流行の可能性も消えてはいない。岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長は「流行が一息ついた今こそ、対策の立て直しを急ぐべきだ」と話している。(科学部 高田真之、ジュネーブ支局 平本秀樹)

□ WHO批判 欧州で噴出 〜ワクチン余り「過剰警告だ」〜

 欧州でも新型インフルエンザワクチンが余っており、WHOが新型インフルエンザの危険を過剰に警告した結果だとして、批判が噴出している。信頼が揺らぎ、今後の感染症対策などに支障がでかねないと、WHOは危機感を強めている。
 WHOが、検証委員会の初会合を開いたのは、外部の専門家の目を通して問題点を洗い出す姿勢を示し、批判をかわす狙いからだ。6月と9月にも会合を開き報告をまとめる。
 WHOのマリポール・キーニー・ワクチン対策部長は会合で「対応は完全ではなかった」と認め、次に新しいウイルスが出現したときは、重症度や伝播(でんぱ)の強さに見合った警告が発せられるよう体制を立て直す用意を強調した。WHOが一番心配するのは、WHOの警告はどうせ過大だろうと、軽視したり無視したりされるようになることだ。
 新型インフルエンザで、WHOのマーガレット・チャン事務局長が発生から間もなく、世界の製薬会社幹部をジュネーブに呼び、ワクチンの緊急生産を求めたのを受け、欧州各国は製薬会社の供給枠を奪い合うように調達契約を結んだ。
 だが、ウイルスはそれほど被害を広げないまま、冬前にほぼ終息。欧州各国は巨額の予算を充てて購入した大量のワクチン在庫を抱え込んだ。欧州全体で、新型インフルエンザ対策として、180億ドル(約1兆7000億円)が過剰に費やされたとの試算もある。
 WHOにワクチン政策を助言する専門家委員会のフィンランド人委員の所属研究機関が、英大手ワクチンメーカーから多額の資金提供を受けていた事実も発覚。こうした「癒着」が背景となって、WHOが不必要に危機感をあおったとの疑念が浮上し、WHOへの不信感を広げてしまった。
 だが、検証委員会の委員の間でも「ワクチンが足りなくなるのが一番まずい。多く生産したのは当然」という意見も根強い。ウイルスの危険性を正確に予測するのは難しく、的確なワクチン対策を取るという目標自体が至難だ。

■ インフル1年 沈静化しても油断大敵

(北海道新聞)

 新型インフルエンザの感染がメキシコやアメリカで確認されて1年になる。
 国内での流行は沈静化したが、油断は大敵だ。第2波が来ないとは限らない。ウイルスが強毒性に変異する恐れもある。
 実際、1918年からのスペイン風邪では、第1波より第2波以降の方が被害は大きかった。十分な備えを忘れないようにしたい。
 厚生労働省はこの1年間の対応を検証する総括会議を設置した。専門家も加わり、6月中に報告書をまとめる予定だ。現場の声を聞きながら問題点を洗い出し、有効な対策につないでほしい。
 会議での論点の一つは検疫態勢の取り方にある。空港での水際対策には多くの医療スタッフを投入した。だが、その間に渡航歴のない高校生の感染が確認され、ウイルスが厳しい検疫態勢をすり抜けていたことが分かった。
 日本の研究者も参加した国際研究チームは、水際対策がウイルスの国内侵入を遅らせる効果は極めて限定的だった、と発表している。実態に即した柔軟な対応が必要だろう。
 ワクチン対策にも多くの課題を残した。国内でインフルエンザのワクチンを製造しているのは小規模メーカーばかりで、業者数も少ない。
 生産量が当初の見込みより大幅に少なくなることが分かり、海外から輸入する方針を決めたのは、昨年8月に国内で初めて死者が出た後だ。接種の優先順位の決定も遅れ、国民の不安を増大させた。
 しかも、実際に接種が始まったころには流行が下火になりつつあった。当初1人・2回が必要とされた接種回数は、1回でも効果があることが分かり、結果としてワクチンが大量にだぶつくことになった。
 ワクチン供給をめぐる厚労省の混乱ぶりは目に余るものがあった。国内の生産体制強化へ向けた検討が必要だ。流行が収まった今こそ、接種の国民負担や副作用の補償なども十分に議論してもらいたい。
 感染に伴う国内の死者は約200人。先進国の中では極めて少ない。休日や夜間をいとわずに早期の診療に当たった医療スタッフの努力の結果だろう。
 一方で、道内では週末の当番医に多くの患者が訪れるなどして、医療機関が一時パンク状態に陥った。医師会の協力などで診療態勢はその後強化されたが、再流行に備え、あらためて点検してほしい。
 この1年で、私たちはうがいや手洗い、咳(せき)エチケットなどの重要さを学んだ。これらの予防策は他の感染症にも有効だ。引き続き励行を心掛けたい。

4月19日

 世界中でインフルエンザ流行は小康状態のようです。アイスランドの火山噴火による飛行場閉鎖のニュースが席巻していますね。

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.96

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 4月11日時点で、WHOには、214ヶ国と地域で確定患者と、合17798名以上の死亡者の報告があがっている。WHOは、その地域事務局や加盟国と頻繁に協議、あるいは、複数のデータを監視することで、パンデミックの進展状況を注意深く追跡している。

2) パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が現在最も活発な地域は、南北アメリカ、西アフリカと東南アジアの熱帯地域の一部である。 パンデミックインフルエンザウイルスは、世界で循環しているインフルエンザウイルスの支配的なものであることに変わりはないが、季節性B型インフルエンザウイルスは、東アジアで支配的であり、かつアジアと欧州の一部の地域で低いレベルであるが、検出されている。アジア,欧州東部と東アフリカ、特に最近数週間堅調なのは、インドネシアとタンザニアであるが、散発的に季節性インフルエンザウイルスH3N2が検出されている。先週、ロシアと中国の北部では、ほとんど季節性インフルエンザH1N1は報告されていない。

3) 東アジアではパンデミックインフルエンザ活動は減少が続いており、非常に低い状態である。 この地域でインフルエンザ様疾患呼吸器疾患と関連した支配的なウイルスは、季節性B型インフルエンザウイルスである。中国、モンゴル、韓国で循環が続いている。韓国では、呼吸器疾患活動が、季節性B型インフルエンザウイルスの検出と少数のパンデミックH1N1に関連した増加傾向にあると報告されている。 中国では、急性呼吸器疾患の発生が、季節性B型インフルエンザウイルスと関連しており、パンデミックH1N1によるものは報告されていない。中国北部では、季節性B型インフルエンザウイルスが少数、季節性H1N1ウイルスが散発的に検出されている。モンゴルではインフルエンザ様疾患の比率は減少続け、季節性B型インフルエンザのみに関連している。

4) 南アジア、東南アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が最も活発な国はタイとシンガポールである。そこでは、パンデミックH1N1が、支配的なインフルエンザウイルスで、季節性B型インフルエンザウイルスとH3N2が低いレベルで循環している。タイでは呼吸器疾患活動は、先週から減少した。マレーシアでは、パンデミックインフルエンザ活動は減少しており、感染ケースがほとんどない。インドネシアでは、季節性H3N2ウイルスの低いレベルでの循環が最近弱まっているようだ。

5) 欧州では、パンデミックインフルエンザ活動は、最近数週間低下が継続しており、すべて国で非常に低い状態である。季節性B型インフルエンザウイルスがインフルエンザA型を超えている。

6) 南北アメリカの北の温帯地域では、パンデミックインフルエンザの伝播は、全体として低いままで、パンデミックH1N1ウイルスがいくつかの地域で、非常に低いレベルで循環が続いている。南半球の温帯地域では、呼吸器疾患活動は、全体として低い状態である。

7) 南北アメリカの北と南の熱帯地域では、全体としてのインフルエンザ活動は低いが、多くの国で地域が限定されているが活発な伝播が残っている。 キューバでは、パンデミックウイルスによる感染確定例数が若干増加しているとの報告が、直近の週としてあった。メキシコではパンデミックインフルエンザウイルスが限定した地域だが、活発な状態がメキシコ市で発生しているが、全国的には低い状態である。ブラジルでは、多くの地域で、特に北部であるが、この2週間、インフルエンザ様疾患のレベルが増加しているとの報告が続いている。 

8) 北アフリカでは、呼吸器疾患活動は低い状態のようである。サハラ以南のアフリカ地域、西アフリカでは、コミュニティーレベルでのパンデミックインフルエンザウイルスの伝播が見られている。その中心は、ガーナであり、臨床検体の45%がパンデミックインフルエンザに陽性反応をしめしている。またセネガル、ナイジェリアでも、少ないが感染例がみられている。ガーナでは、最初のパンデミックH1N1の感染者の報告があった。東アフリカでは、パンデミックH1N1の感染者数が、数は減少しているが、ルワンダで継続的に検知されている。ルワンダ、ケニア、南アフリカでは先週季節性B型インフルエンザウイルスとH3N2が少数ながら検知された。タンザニアでは、最近季節性インフルエンザウイルスH3N2がかなり伝播していると報告された。

9) 南太平洋では、バヌアツとナウルで今週呼吸器疾患活動が増加傾向にあると報告されているが、パンデミックH1N1ウイルスに感染が研究機関で確定したということにはなっていない。

10) 南半球の他の温帯地域では、オーストラリア、ニュウージーランドでインフルエンザ活動は低い状態が継続しており、ウイルスとしては、ほとんどがパンデミックH1N1で散発的に季節性インフルエンザウイルスが検知されている。

■ 【新型インフル】期限切れワクチン捨てられず…予算なく、いまだ保管中

(産経新聞)

 新型インフルエンザワクチンの一部が今年3月末に使用期限が来たにもかかわらず、廃棄できない状況になっている。今年度予算に廃棄費用が盛り込まれていなかったためだ。ワクチンの保管には多額の費用がかかる。しかし、厚生労働省幹部は「期限前に処分の予算を組むわけにはいかなかったし…」と困惑している。
 新型インフルのワクチンは製品ごとに使用期限が異なり、最も期限の短いノバルティス社製の輸入ワクチン233万回分が3月末に使用期限となった。
 これらのワクチンは使うことができないため、本来ならば廃棄したいところ。ワクチンは遮光した2~8度の環境で保管しなければならず、保管費用も全体で年2億5千万円と高額なため、廃棄すれば、その分節約できるからだ。
 しかし、ワクチンが使われないまま期限切れになることを想定して予算要求することはできず、今年度予算には廃棄のための費用は盛り込まれていない。今後もワクチンの期限切れは段階的に訪れ、ノバルティス社製は夏までに同社の2500万回分がすべて使えなくなり、国産も4月末から順次、期限切れが出始める予定だ。
 環境省によると、ワクチンは廃棄物処理法の感染性廃棄物に該当する可能性が高く、焼却や消毒などを行う必要がある。専門の業者が廃棄するため、一般廃棄物のように簡単に処分することができない。
 今後大量に生じる期限切れワクチンを年度内に廃棄するには、(1)補正予算に盛り込む(2)ほかの予算を流用(3)予備費の活用-などの方法がある。しかし、厚労省の担当者は「補正にはそぐわないし、緊縮予算のなか、ほかの予算をもってくるのも現実的でない。予備費も財政当局が認めてくれるかどうか…」と話し、先行きは不透明だ。
 このままでは国は期限が切れ“廃棄物”となった大量のワクチンを来年度まで保管し続けることになる。厚労省は「保管と廃棄とどちらの方がコストが抑えられるか、できるだけ早く試算して判断したい」としている。

■ 感染性胃腸炎が大幅減 手洗い、うがい…インフル予防が奏功? ー三重県

(中日新聞)

 新型インフルエンザが国内で発生し始めた昨年5月以降、ノロウイルスなど感染性胃腸炎の患者数が大幅に減ったことが分かった。県健康危機管理室では「インフルエンザ予防で、手洗いやうがいが徹底された効果が表れたのではないか」と推測している。
 県感染症情報センター(4日市市)の統計などによると、新型インフルエンザの世界的流行で、手洗いなどの重要性が指摘された2009年5~12月に県内の保健所に報告があった感染者は約8300人だった。前年同期の約1万1700人から大幅に減少。ノロウイルスが流行する12月の減少が著しく、定点観測している45病院の1週間の平均患者数は、例年だと30人前後だが、09年は10人をわずかに超える程度だった。
 三重県は新型インフルエンザの発生後、正しい手洗いの方法を紹介するDVDを作り、学校などに貸し出したり、手洗い後に残った汚れを確認できる機械を保健所に導入したりした。医療機関や公共施設、ショッピングセンターなど不特定の人が集まる施設では、玄関などにアルコールの消毒液が置かれるようになったことも効果が大きいとみられる。
 同室の担当者は「新型インフルエンザ予防で、手洗いとうがいの重要性が再認識された」と指摘。「新型インフルエンザは終息しつつあるが、いつ再び流行するか分からず油断できない。胃腸炎の予防と併せ、引き続き手洗いなどを徹底してほしい」と呼び掛けている。

(院長のつぶやき)相変わらず正しい知識が普及していません。うがいは感染対策として意味が無く、アルコール消毒はノロウイルスなど感染性胃腸炎には無効・・・誰か教育的指導をしてください。
 感染性胃腸炎の流行が小規模なのは日本に限らず、衛生状態が悪く感染対策の進まない国々でも同じだそうです。

4月18日

■ 日本も輸入の新型ワクチン、カナダが使用期限短縮

(読売新聞)

 新型インフルエンザ対策で、日本が輸入している英グラクソ・スミスクライン(GSK)のカナダ製ワクチンについて、カナダ政府が使用期限を従来の1年半から6か月に見直していたことが分かった。
 同国の工場で生産したワクチンを調べた結果、有効性が想定より早く下がる傾向が確認されたため。
 一方、日本の厚生労働省は、今年3月末までに輸入したワクチン(3687万回分)の有効性を随時調査。「現時点で有効性を否定するデータはない」として、使用期限を変更する予定はないという。
 同省は当初、同社のカナダ製ワクチン7400万回分を輸入する予定だったが、流行がほぼ終息し、余剰分が生じる見通しになったため、同月末に3割を解約した。

■ 増産マスク在庫の山に インフル1年、沈静化で

(共同通信)

 新型インフルエンザの流行が昨秋のピーク以降沈静化し、冬の需要拡大を見込みマスクを増産したメーカーが、大量の在庫を抱える事態になっている。「今年は花粉があまり飛ばなかったのも痛かった」。初の感染確認でマスク姿が町にあふれてから5月で1年になる。
 市場規模の調査会社によると、昨年4月末(1週間)のマスク販売額は前年同時期の約20倍、関西で国内初感染が確認された5月中旬に48倍となり、感染者の死亡が初めて発覚した8月中旬には58倍に達した。
 業界団体の日本衛生材料工業連合会によると、家庭用マスクの生産量は昨年4~6月で前年同期比約6倍、7~9月で約4倍。需要に生産が追いつかない状況となった。
 同連合会の藤田直哉専務理事は「昨年4月から5月にかけてはパニックのようになった」と振り返る。メーカー各社は稼働日数を増やすなどして生産態勢を強化した。
 しかし患者数は11月をピークに減少に転じた。マスクの販売額も11月に前年並み、12月には前年の60~70%に落ち込み、12月末の家庭用マスクのメーカー在庫は前年の同じ時期の約8.5倍に膨らんだ。
 「流行のピークに間に合わせようと中国で増産した中小メーカーの中には、大量の在庫を抱え、ひどい状況になっているところもあると聞いている」と藤田専務理事。例年なら花粉症で需要が増える春も“期待”したほどの引き合いはなく「ダブルパンチだ」と嘆きの声が漏れている。

■ 社説:新型インフル終息 検証重ね万全の備えを

(秋田魁新聞)

 世界中で猛威を振るった新型インフルエンザも、今年に入って感染者の減少が続き沈静化した。厚生労働省は先月末、第1波は終息したとの見解を示した。専門家らによる検証を重ね、6月にも報告書をまとめる意向だ。
 忘れてならないのは、流行がこれで終わったわけではないということ。過去の世界的流行では、第2波以降の感染により被害が深刻化したケースもある。これまでの対応とその効果を検証し、次の流行への備えを怠らないことが肝要だ。
 昨年来流行の新型インフルは、想定された鳥インフルに由来する強毒性ではなく、病原性の比較的弱いウイルスだった。その半面、感染力は強かった。今後、ウイルスが変異する可能性もあり、なお注意深く見守る必要がある。
 昨年5月に神戸市で発症が確認されて以来、国内で死亡した感染者は本県の2人を含む198人。人口10万人当たりの死亡率は0・15で、米国の3・96、カナダ1・32、英国0・76など、諸外国に比べ極めて低い。厚労省の推計によれば、患者の70%以上が未成年者であり、本県などの教育現場が取ったように、感染者が数人段階での早期の学級閉鎖や休校といった対応策が感染拡大防止に効果があったことは間違いない。また、医療機関による発熱外来設置や、発熱外来センターの開設といった早期治療態勢は重症化を防ぐ上で有用だった。
 一方で休校などにより、冬休みに補習授業を余儀なくされるなど、学校運営への影響も大きかった。ウイルスの毒性を勘案し、妥当な対応だったか検証することも必要だろう。
 大きな課題を残したのはワクチンの供給体制である。当初は供給不足が予想され、約9900万回分を輸入契約したが、実際に出荷されたのは4千万回分。有効期限が切れた大量のワクチンが廃棄されることになった。新型インフルが弱毒性と分かって接種を見送る人が多かったほか、接種回数に関する国の方針が輸入決定時の2回から、大半の大人について1回に変更された影響もあった。弱毒性と判明した段階で輸入の必要性を議論できなかったか。
 県内では、夏休み明けから感染者が増加し、10月にピークとなった。ワクチン優先接種が始まったのは11月中旬からで、既に感染して接種の必要がない児童が増えていた。優先接種や輸入が必要となったのは、国内の供給能力に限界があったからだ。流行に迅速に対応できる製造体制が求められることは言うまでもない。
 県は、新型インフルの流行を受け、強毒性に限定した昨年3月改訂の新型インフル対策行動計画を見直す意向。厚労省の報告書や、県健康づくり審議会部会の検証を踏まえ、多様なタイプの流行に県民が即応できるマニュアル確立が望まれる。

4月17日

■ インフル、B型など季節性の割合が増加

(医療介護CBニュース)

 新型インフルエンザウイルスの検出・報告が減り、B型など季節性の割合が増えていることが4月16日、国立感染症研究所感染症情報センターのまとめで分かった。2月ごろまでは検出されるインフルエンザウイルスのほとんどが新型だったが、3月以降では新型の割合が8割にまで減少。一方、A香港型やB型の検出は継続的に報告されており、特にB型の割合は1割を超えている
 同センターによると、昨年7月上旬以降は検出されるインフルエンザウイルスのほとんどが新型になり、2月中旬までに検出されたウイルスの99.33%が新型だった。
 しかし、3月1日-4月4日の5週間に検出・報告されたインフルエンザウイルスでは、新型の割合が79.3%にまで減少。継続的に報告されているB型(15.8%)、A香港型(3.3%)の割合が増えている。

4月16日

■ 新型インフルで1人死亡、保健省はワクチン接種呼びかけ 〜マレーシア

(AsiaX)

 新型インフルエンザA(H1N1)の新たな流行が懸念される中、1人が新型インフルエンザAの合併症により死亡した。4月初旬にはマラッカ州で母娘2人が新型インフルエンザAの合併症により死亡しており、マレーシアでH1N1による累計の死者数は81人となった。
 保健省によると、12日時点で全国の病院で678人のILI 感染者が治療を受け、内66人がH1N1に感染したことが判明したという。5人はICUで治療を受けた。
 クランタン州では中等学校で生徒42人がインフルエンザの症状を訴えたため、13日から3日間、一次休校措置をとっている。生徒は自宅隔離措置を受け、病院で治療も受けたという。
 保健省のイスマイル・メリカン事務次官は、H1N1の流行第2波が訪れた訳ではないとしたうえで、同省は流行第1波の経験から適切な備えを行っていると強調した。

■ 新型インフルエンザ感染者、腎臓疾患に陥る可能性=研究

(ロイター)

 カナダの研究者は14日、昨年、新型インフルエンザ(H1N1型)感染で重篤化した患者に、腎不全を起こして病状が悪化した例が多くみられたとの報告を発表した。
 全米腎臓基金の会合に出席した研究者は、医師らは新型インフルエンザで入院した患者の腎臓の損傷に注意するべきだと警告した。
 カナダ・マニトバ州の州都ウィニペグにあるマニトバ大学のマニッシュ・スード氏の研究チームは、同州にある集中治療室で治療を受けた新型インフルエンザ感染の重篤患者47人の症例を分析。3分の2の患者に腎臓の損傷もしくは腎不全が確認された。また、11%が人工透析を必要とし、16%が死亡したという。

■ 感染症をツイッターで監視できるか? 新型インフルの流行で調査 欧研究

(AFPBB News)

 米マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」を伝染病などの早期警戒システムに活用しうるという研究結果を今週、英ロンドン(London)のシティ大学(City University London)のチームが13日に発表した。 
 同大のチームは2012年に開催されるロンドン五輪に備えて、英国民健康保険(National Health Service、NHS)、欧州疾病予防管理センター(European Centre for Disease Prevention and Control、ECDC)と共同で調査を進めた。背景には、ツイッターを活用すれば、例えば英国を訪れる観光客に対してNHSから、最寄りの病院や歯科医、救急サービスなどの情報提供をスムースに行えないかという構想がある。
 09年5~12月にかけてツイッターに英語で書き込まれたメッセージ(いわゆる「つぶやき」)約300万件を対象に、インフルエンザを意味する「flu」という単語の使われ方を調査した結果、「豚インフルエンザ(新型インフルエンザ)にかかってる(I have swine flu)」という文を含むメッセージが1万2954件、また「インフルエンザにかかった(I've got flu)」という文を含む書き込みが1万2651件あった。

■憶測を広げる側面も

 世界保健機構(World Health Organization、WHO)は今週、新型インフルエンザA型(H1N1)に対する国際的な対応を見直す検証委員会の初会合を開いた。各国の専門家29人で構成する同委員会では13日、前年の警戒態勢の中、特にインターネットが新たな局面をもたらし、中でも世界的大流行のうわさや憶測をあおるなどインターネットがインフルエンザ対策に打撃を与えたことが指摘された。WHOのケイジ・フクダ(Keiji Fukuda)事務局長補代理は「ワクチン接種に反対するメッセージが行き交い、多くの国で保健機関が非常に苦労した」と語った。
 これに対し研究チームの科学者の1人、Patty Kostkova氏は、発生後の伝染病の広がりを監視するには従来の疾病監視システムのほうがすぐれているとしながらも、ツイッターをモニタリングしていれば、世論の懸念や不安の動向を追いかけることや、伝染病の発生を発見することも可能だと反論している。
 調査結果は今週、欧州臨床微生物感染症学会議(European Congress of Clinical Microbiology and Infectious Diseases、ECCMID)で発表された。

4月15日

■ 警戒水準の定義で議論継続=新型インフル対策見直し-WHO検証委

(時事通信) 

 12日から開かれていた世界保健機関(WHO)の検証委員会は14日、新型インフルエンザ対策に関する一連の検討課題を整理し、警戒水準の定義などの見直し作業を今後本格化させることを決めて会合を終えた。チャン事務局長は今回の討議内容を5月下旬のWHO総会に報告する。
 会合終了後に記者会見した検証委のファインバーグ議長(米科学アカデミー医学研究所長)は、今回の討議で「取り組む必要がある多くの課題を特定した」と説明。地理的な感染拡大を重視する警戒水準の定義に、病気の深刻度を反映させるかなどで積極的に議論を進める考えを示した。

(院長のつぶやき)WHOが発信する情報は影響力が大きいので神経を使ってますね。不安を煽る報道を垂れ流す日本のマスコミも見習って欲しいものです。

■ 新型インフルに備え、業務に優先順…厚労省

(読売新聞)

 厚生労働省は14日、毒性が強い新型インフルエンザが発生した場合に備え、同省の業務継続計画(BCP)を公表した。
 年金、雇用対策など全62業務を4つに分け、緊急性の低い業務を中断・縮小し、その担当者を緊急性の高い業務に振り分ける。
 司令塔となる対策本部には、国内流行が事実上終息した今回の流行より100人多い500人をあてるという。
 BCPは、致死率が約6割の高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)が変異して、新型インフルエンザとして流行した場合に、国民生活を維持するための業務・人員配置計画をまとめたもの。職員本人の発症や家族の看病で、職員3300人中、欠勤率が40%に上ると想定し、業務の優先度を順位付けした。
 計画によると、新型インフルエンザ対策関連の19業務をのぞく43業務を3つに区分。年金・生活保護の給付など国民生活の維持にかかわる13業務は継続する一方、白書作成など16業務は縮小し、表彰など緊急性がない14業務は中断することにした。
 昨年末から現在まで、8省庁がBCPを作成したが、厚労省は地方自治体の意見を踏まえたため、公表が遅れた。

(院長のつぶやき)新型インフルエンザ流行第一波が終息した現在、対策の問題点を検証・反省し次回に生かしてほしいものです。で、H5N1が新型化した場合も「空港検疫」はやるのでしょうか?

4月14日

■ 新型インフルのワクチン余り病院困惑 ー鹿児島県

(読売新聞)

 新型インフルエンザワクチンが県内で余っている。国に買い取ってもらえるよう、県医師会が県などに要望活動を行っているが、国は認めない方針を崩しておらず、見通しが立たない状況が続いている。
 昨年10月以降、県は国からワクチンの供給を受け、各医療機関の注文に応じて配分するなどしている。
 国の方針でワクチン接種回数が当初の2回から1回に変更されたことや、流行のピークが昨年11月と早い時期だったため、在庫が膨らんだ。また、ワクチンが不足していた時期に複数の医療機関に接種を予約し、ワクチンが増産された後にキャンセルを申し出る人が相次ぎ、実際よりも多量に注文した医療機関も多かったという。
 県内のワクチン在庫量(成人換算)は、県薬務課によると、2月12日現在で3万473回分、購入価格は約4440万円。九州医師会連合会によると、3月5日現在で2万8868回分、約4200万円に上る。使用期限は製造して半年から1年で、期限を過ぎるものも出始めている。
 再流行の恐れもあるが、使用期限が迫った大量の在庫は医療機関の経営を圧迫しつつある。県医師会は2月、県と日本医師会に、在庫ワクチンの返品を認めるように国に働きかけてほしいという要望書を提出。九州医師会連合会も3月に厚生労働省などに在庫買い取りなどを要望した。
 池田琢哉・県医師会長は「流行を防ぐため各医療機関は懸命の対応をとってきた。大量のワクチン在庫は病院経営を圧迫しており、国には是非買い取りをお願いしたい」と訴える。
 要望を受けた県健康増進課は「国は従来の方針を変更していないが、今後、九州各県でまとまって要望していくことを検討したい」と話している。

4月13日

 流行そのもののニュースは影を潜め・・・と思ったら久しぶりに集団発生の記事が目にとまりました。

■ 新型インフル感染で県立医大保健看護学部で臨時休講措置

(和歌山放送)

和歌山県立医科大学保健看護学部の1年生10人が新型インフルエンザに感染し、きょう(12日)午後から14日まで1年生全員を対象にした臨時休講措置が取られました。感染した10人は現在自宅療養中で特に重い症状の患者はいないということです。新型インフルエンザをめぐっては和歌山市がきょう、インフルエンザの流行は終息したと判断し、和歌山市保健所に設置した対策本部を警戒本部に切りかえています。

■ 新型インフル対策の見直し開始=来月に中間報告-WHO検証委

(時事通信)

 世界保健機関(WHO)のチャン事務局長は12日、世界各国の専門家29人で構成する検証委員会の初会合を開き、昨年6月に世界的な大流行(パンデミック)の発生を宣言した新型インフルエンザに関する対策の見直し作業を開始した。今後、検証委で議論を重ね、5月下旬のWHO総会に中間報告、来年の総会に最終報告を提示する。
 チャン事務局長は会合の冒頭、「WHOと国際社会のパンデミック対応に関して教訓を得たい」と発言。将来のパンデミックや国際的な懸念につながる病気への対応に役立てる方策の検討を求めた。日本からは、国立感染症研究所の岡部信彦感染症情報センター長が参加した。

■ 新型インフル政策の根拠明示を 厚労省の会議が広報総括

(共同通信)

 厚生労働省の新型インフルエンザ対策総括会議が12日、広報や情報伝達をテーマに開かれ、専門知識を持った広報官の設置や、政策の決定、変更の際に根拠を明示することを求める意見が出席者から相次いだ。
 電通パブリックリレーションズの菊地彰夫取締役は、国や自治体、世界保健機関(WHO)など複数機関が情報発信したため情報が錯綜したと指摘。「責任のある報道官1人が統一見解を発信すること」を提案した。
 防衛医大の川名明彦教授は「われわれも不安を抱えながら判断していくなかで、なぜこういう対策を推奨するのか、(根拠を)説明することが重要だ」と強調した。
 国立感染症研究所の安井良則主任研究官は、初期に患者が発生した大阪府内の学校が中傷された事例を挙げ「現状のままでは、今後新たな感染症が国内に侵入しても報告がためらわれるのではないか」と危惧を示した。
 川崎市健康福祉局の坂元昇医務監は、厚労省からの情報伝達の遅さを指摘し「自治体とのホットラインを迅速に開設すべきだ」と話した。
 総括会議は今回が2回目。今後もテーマ別に議論を重ね、6月には報告書をまとめる予定。

■ 医療分野の素案明らかに-民主党参院選マニフェスト

(医療介護CBニュース)

 民主党が夏の参院選に向け取りまとめを急いでいるマニフェストのたたき台となる医療分野の素案が明らかになった。新型インフルエンザへの対応策や海外で使われている医薬品が日本で使えない、いわゆる「ドラッグ・ラグ」を解消するための承認審査体制の強化、予防医療の推進などが新規項目に挙がっている。
 厚生労働省が所管する医療分野の政策は、▽新型インフルエンザ等への万全の対応▽日本発の革新的な医薬品等の研究開発推進▽自殺対策の推進▽予防医療の推進―など。民主党「国民生活研究会」(中野寛成会長)の医療分野を担当する分科会は月内に、この素案を基に追加の項目を検討し、同分野のマニフェストの方向性を固める方針だ。その上で、党のマニフェストを決める「企画委員会」に見解を報告する。  
 4月12日の厚労省政務三役会議では、党の参院選マニフェスト作りにどのように関与するかが話し合われた。政務三役会議後の記者会見で足立信也政務官は、「国民生活研究会の分科会には、新たに加えていただきたい厚労省の項目を挙げた。来週は、政府と党で整合性の取れない部分があるといけないので、すり合わせをする」と述べた。
 素案では、新型インフルエンザに対応するために、5年以内に全国民分の新型インフルエンザワクチンを約半年で生産可能な体制を構築する。所要額として約1200億円を想定している。ドラッグ・ラグの解消では、審査人員の拡充だけでなく、ガイドライン策定を通じた審査基準の明確化や、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の体制整備が検討課題だとしている。
 自殺対策の推進については、自殺の背景に多く見られるうつ病など精神疾患への地域保健医療体制の整備を進める。予防医療の推進のための具体策では、予防接種制度の見直しや「包括的なたばこ対策」が必要だと指摘し、たばこ事業法を改廃して新たな枠組みを構築するなどとしている。

(院長のつぶやき)民主党のマニフェストは信用できませんねえ。「医療費を先進国の平均並みにアップする」と云っていましたが、結果は0.19%の増加にとどまり、イギリスが医療崩壊した時代よりも少ない状況が続きます。「仕分け」で確保した財源は何処へ?

□ 医療機関の倒産、過去最悪の45件-昨年度

(医療介護CBニュース)

 帝国データバンクの調べによると、病院や診療所、歯科医院など医療機関の昨年度の倒産は、前年度比5件増の45件で、過去最悪となった。負債総額は295億1300万円。
 負債総額は、2008年度の213億9500万円より81億1800万円多かったが、07年度の307億7500万円と比べて12億6200万円少なかった。
 現在の集計方法となった05年度以降、これまで倒産件数が最も多かったのは07、08年度の40件。一方、昨年度の倒産件数は1月までで既に41件で、過去最悪を更新していた。

(院長のつぶやき)これも「医療崩壊」の一面です。

4月12日:世界の死者17700人超

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.95

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 4月4日時点で、WHOには、213ヶ国と地域で確定患者と、合17700名以上の死亡者の報告があがっている。

2) 現在の状況は、先週のアップデート以来大きく変化していない。パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が現在最も活発な地域は、東南アジア、西アフリカの一部と南北アメリカの熱帯地域である。南半球の温帯地域にあるチリでは、通常の南半球の冬期のインフルエンザシーズンの開始以前に、初期状態であるが、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が地域限定を示す証拠がある。パンデミックインフルエンザウイルスは、世界で循環しているインフルエンザウイルスの支配的なものであることに変わりはないが、季節性B型インフルエンザウイルスは、東アジアで活発な循環が継続しており、欧州とアジアの他の地域でも低いレベルであるが、検出されている。

3) 東南アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が最も活発な国はタイであるが、2009年2月下旬にピークを迎えて以来疾病活動は全体的に相当減少している。また季節性B型とH3N2ウイルスが、直近の数週間、タイでは、低いレベルであるが検出されている。マレーシアでは、限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザ活動は減少しており、感染ケースがほとんどない。

3) 南アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が最も活発な地域は、バングラディッシュであり、2010年2月下旬から新たな感染者数が増加している。その他の本地域ではパンデミックインフルエンザ活動は全体として低いままで、インド西部でパンデミックインフルエンザウイルスが低いレベルで循環が継続している。

4) 東アジアではパンデミックインフルエンザウイルスは、非常に低いレベルでの循環が継続しており、呼吸器疾患の全体的な比率は、この地域のほとんどで低い状態にある。中国では、インフルエンザ様疾患の比率は通常の年の想定水準にあるが、ほとんどインフルエンザ活動は、季節性B型インフルエンザウイルスが循環していることによるものえある(インフルエンザウイルスとして検知されているものの90%以上)。モンゴルでは、季節性B型インフルエンザウイルスの循環に関連しておきているインフルエンザ活動が最近ピークを迎えたのち、インフルエンザ様疾患の比率は減少が続いている。韓国、香港、台湾では、インフルエンザ様疾患の比率とインフルエンザウイルス検出は、全体として、低いが、最近数週間分離されているウイルスで割合が増加しているものは、季節性B型インフルエンザウイルスである。

5) アフリカのサハラ以南では、パンデミックインフルエンザウイルスは、西アフリカ、北西アフリカの一部で、活発な循環をしている。2010年の3月初旬から中旬にかけて、コートディボアールとガーナの両国でインフルエンザに陽性を示したものは、呼吸器疾患検体の23%になっている(分離ウイルスの大部分はパンデミックH1N1)。セネガルでは、パンデミックインフルエンザの伝播は活発な状態であるが、パンデミックインフルエンザへの陽性反応を示した検体率が、2010年の2月上旬の67%から最近の数週間では17%に減少しており、活動は、落ちてきていると思われる。カメルーンでは、過去2週間でインフルエンザの陽性を示した呼吸器疾患検体は、38%(13/34)で、そのうちの71%はパンデミックで、29%は季節性B型インフルエンザウイルスである。地域限定のパンデミックインフルエンザの活発な伝播が、東アフリカの一部、特にルワンダとタンザニアで残っている。パンデミックインフルエンザウイルスは、西アフリカと東アフリカで循環しているインフルエンザウイルスでは支配的なものであるが、季節性H3N2インフルエンザウイルスも少ない数字だが確認されている。

6) 欧州では、パンデミックインフルエンザウイルスが、低いレベルで、限定された地域で循環し続けている。最新週では、季節性B型インフルエンザウイルスと検知されている呼吸器疾患検体の数は、パンデミックインフルエンザウイルスの数を超えている。ほとんどの国は、呼吸器疾患は低い程度と報告しているが、グルジアのみが、地理的に広範な活動を報告している。

7) 南北アメリカの北と南の熱帯地域では、全体としてのインフルエンザ活動は低いが、いくつかの国においては活発な伝播が限定された地域で発生しており、ばらついている。これらの国には、キューバ、グアテマラ、ペルー、ボリビアが含まれ、過去2週間のうち最低1週間では、呼吸器疾患が、インフルエンザ活動の限定され地域のみから地域的に広がっている状況と伴って増加傾向にあるとの報告がある。メキシコでは、限られたデータではあるが、2010年3月の間に、いくつかの州で、パンデミックインフルエンザウイルスの地域限定での活発な伝播が継続して発生していることを示している。ブラジルでは、過去1ケ月にわたり、ほとんどの地域で、呼吸器疾患のレベルが増加していると報告されていたが、最近のパンデミックインフルエンザウイルスによる重篤、死亡例は、北の地域からのものである。

8) 南北アメリカの北の温帯地域では、パンデミックインフルエンザの伝播は、全体として低いままで、インフルエンザウイルスが低いレベルで循環が続いている。米国では、インフルエンザ様疾患活動は、通年のレベルより低いままだが、南西部地区で、若干通常の地区基準より高い(この増加は、パンデミックあるいはその他のインフルエンザウイルスの検知の増加を伴っていない)。

9) 南半球の温帯地域では、南半球の温帯地域では、インフルエンザ活動は全体として低いままであり、パンデミックと季節性インフルエンザウイルスが散発的に検出されている。特筆すべきは、チリで、過去2週間の間に、最低3地域で、重篤ケースが少数ではあるが報告され、これららからはいずれもパンデミックウイルスが検出された。通常の冬期インフルエンザシーズンの前にパンデミックウイルスの限定された循環があったことの重大性については、不明である。

10) アジア、アフリカ、オーストラリア、南北アメリカでは、季節性H3N2インフルエンザの散発的な検知が継続しているが、最も活発な(全体としては低いが)循環が報告されているのは、インドネシアである。

4月9日

■ 国産初インフル薬、「季節性」治療で著しい効果

(日経産業新聞)

 国産初のインフルエンザ治療薬ラニナミビル(第一三共)が、タミフルが効きにくい季節性インフルエンザの治療に著しい効果を示すことが、けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫・小児科部長らの研究で分かった。成果は米国微生物学会誌の最新号に掲載された。
 原則5日間服用するタミフルと異なり、吸引型治療薬のラニナミビルは1回の使用で効果が持続する。研究チームは、2008年12月~09年3月、タミフルが効きにくいタイプのAソ連型ウイルスに感染した3~9歳の小児に対し、症状がでてから36時間以内にタミフル(32人)、ラニナミビル20ミリ・グラム(40人)、40ミリ・グラム(40人)をそれぞれ服用させた。その結果、ラニナミビル服用群は平均44・3時間~49・6時間で発熱やせきなどの症状を抑えたが、タミフル群は平均110・5時間もかかった。
 ラニナミビルは現在承認申請中で、菅谷部長は「新型インフルエンザでもタミフルが効きにくいタイプが出現しており、ラニナミビルを速く承認すべきだ」と話している。

■ 新型インフル 小中生3人に1人感染 ー茨城県

(読売新聞)

 茨城県内の公立小中学校に通う児童生徒の少なくとも3人に1人が、2009年度に新型インフルエンザに感染したことが県教育庁の調べで分かった。感染やワクチン接種で多くが免疫を得たため、流行が沈静化したとみて、県教育庁は今月から、新型に対応した学校の臨時休業基準を見直し、従来のインフルエンザ発症時の基準に改めた。
 県保健体育課によると、昨年12月末までの児童生徒の新型インフルエンザ罹患(りかん)率は、小学生37・1%、中学生34・5%。このほか症状が現れないケースも15~30%あるとされる。また、今年1月末までのワクチン接種率は、1~12歳35・5%、中高生12・5%だった。
 県内では昨年7月、新型の感染で県立高校が初めて休校。その後、各地で学年閉鎖などが相次いだことから、県教育庁は同8月、臨時休業の基準を改定し、学級で7日以内に欠席者が2人発生した場合、7日間の学級閉鎖を基本とすることを定めた。従来の基準は欠席率20%だった
 09年度の高校、小中学校、幼稚園などでの臨時休業は、10月25~31日の1132件が最も多く、10~12月に1000件以上の週が4回あった。今年1月以降は大幅に減少し、同月17~23日の92件が最多だった。県は3月31日、厚生労働省が新型の流行が沈静化したとの見解を示したことを受け、県内12保健所と県庁内の専用電話で対応していた新型インフルエンザの電話相談を閉鎖した。

4月8日

■ 休校・学級閉鎖がゼロ=新型インフル流行後初-厚労省

(時事通信)

 厚生労働省は7日、3日までの1週間にインフルエンザが原因で休校や学級閉鎖を実施した保育園や小中高校が1施設もなかったと発表した。学級閉鎖などがゼロとなったのは、新型インフルエンザの流行開始後初めて。
 同省は「春休み期間中ではあるが、順調に流行の沈静化がみられる」としている。

■ 新型インフル、家族に予防投与で発症予防効果

(読売新聞)

 新型インフルエンザ患者の家族が前もって治療薬を服用すると、高い発症予防効果があったという調査結果を、国立感染症研究所の安井良則・主任研究官らが6日、京都市で開催中の日本感染症学会で発表した。
 昨年5月の流行初期に大阪府内で発病した患者158人の家族を調査。予防投与を受けた334人のうち発症者は2人(0.6%)だった。一方、服用しなかった48人では、14人(29.2%)が発症した。しかし予防投与後の発症者のうち1人からは治療薬タミフルが効かない耐性ウイルスが見つかった。 

■ 新型インフルエンザ:ワクチン大量在庫 県が国に対策要望 /千葉

(毎日新聞)

◇現行では返品認めず
 新型インフルエンザ対策で千葉県内に供給された新型ワクチン約8万4000回分(成人投与回数換算)が使われず、医療機関で在庫となっていることが分かった。有効期限は半年と1年の2種類あり、5月中に約6000回分が期限切れとなる見込み。現行ルールで返品は認められず、購入費計約1億2000万円が医療機関の負担となる可能性があり、県は余剰分買い取りなどの対策を国に要望している。
 医療機関での在庫数は県の2月12日時点での調査で判明した。県内に供給された約175万5000回分の4・7%に当たる。このほか、医薬品卸にも在庫があるとみられる。
 県などによると、新型の感染が拡大していた昨年秋ごろはワクチン不足が懸念されていた。しかし、流行の沈静化とともに、季節性と症状の程度が変わらないとの認識が広がったこともあり、接種希望者が想定を下回った。厚生労働省の方針で、中学生以上の接種回数を原則2回から1回に減らしたことも、余剰が発生した背景とみられる。
 新型インフルエンザのワクチン接種は現在も引き続き行われており、ワクチンの多くは有効期限が1年で年内は接種できる。だが、来季用ワクチンは新型と季節性を混合したものに統一される見通しで、「わざわざ新型だけのものを使うことは考えにくい」(県内医療機関)状態。在庫分の大半は使われないまま期限切れとなる可能性がある。
 供給されたワクチンは、国と医療機関との契約上「返品は受け付けない」ことになっている。しかし、新型インフルエンザワクチンの接種は国の方針で実施され、返品できないワクチンは最終的に廃棄するしかなく、その処分にも金がかかる。このため、県は国に適切に対処するよう求めている。同様の要望の動きは大阪府や山口県でもある。

(院長のつぶやき)あちこちの都道府県で同様の動きがありますが、厚労省はだんまりを決め込んでいますね。情けなくなるほど無責任な日本のエリート達。

■ 日本の死亡率の低さは早期アクセスと抗ウイルス薬投与の影響?

新型インフルによる日米の入院例を比較

(日経メディカル)

 日本では、患者の病院へのアクセスが早く、抗インフルエンザ薬が早期に投与されたので、新型インフルエンザによる死亡率が低かった――。多くの専門家の指摘を裏付けるような調査研究の結果が明らかになった。琉球大学大学院医学研究科感染病態制御学講座准教授の健山正男氏が、4月5日から京都で開催されている第84回日本感染症学会総会で発表した。
 同大学と沖縄県庁福祉保険部の研究チームは、沖縄県での新型インフルエンザによる死亡率が諸外国に比べて低かった理由を調べるため、後ろ向きの調査研究を実施した。対象となったのは、県立中部病院、那覇市立病院、県立宮古病院など、離島を含めた沖縄県内の17カ所の救急告示病院に入院した242例。
 242例は、昨年6~9月に簡易診断キットでA型またはPCR検査で新型インフルエンザと診断され、24時間以上入院となった症例。同時期、沖縄県においてPCR検査を実施したA型の症例では、新型インフルエンザ以外は検出されていない。
 研究チームは、死亡率や肺炎の合併率、発熱から抗インフルエンザ薬投与までの期間などについて、米国で昨年5~6月に入院した272例(関連記事:2009.10.14「米国の新型入院例、抗ウイルス薬早期投与が転帰に影響」)と沖縄の242例を比較。その結果、死亡率は沖縄で0.8%(242例中2例)だったのに対し、米国では7%(272例中19例)と有意に高かった。一方、入院例における肺炎の合併率は沖縄で44%(詳細な情報を入手できた216例中95例)、米国で40%(242例中100例)と有意差はなかった。
 入院例のうち、抗ウイルス薬を投与された症例は、沖縄で94.6%(223例中211例)、米国では75%(268例中200例)。ただし、インフルエンザ様症状出現後2日以内に薬剤を投与された症例は、沖縄では88.6%(209例中185例)に上ったが、米国では39%(195例中75例)だった。
 症状出現から薬剤投与までの中央値は沖縄では1日、米国では3日と、米国では抗ウイルス薬を投与するまでに時間がかかっていた。これらの結果について健山氏は、「沖縄で死亡率が低かった理由としては、病院へ早くアクセスし、抗インフルエンザ薬が投与されたことが大きいだろう」と結論付けた。
 患者背景は、沖縄では5~9歳、65歳以上の患者が有意に多く、米国では10~17歳、18~49歳の患者が有意に多かった。また、基礎疾患のある患者は沖縄では52.2%(242例中124例)だったのに対し、米国では72.8%(272例中198例)と米国の方が多かった。
 患者の基礎疾患として多かったものは、沖縄では慢性肺疾患、米国では気管支喘息、糖尿病、慢性心疾患など。沖縄では基礎疾患のない高齢者の入院例が多かったことから、こうした患者背景が死亡率の低さに影響している可能性もある。
 また、肺炎の重症度の違いが死亡率に影響している可能性も否めない。ちなみに米国では抗菌薬を投与している割合が有意に高かったことから、2次性の細菌感染が疑われる症例が多かったのではないかとみられている。一方、沖縄では、「2次性の細菌感染はほとんどなく、ウイルス性肺炎が多かった印象だ」

4月7日

■ 新型インフル、予防投与で99%感染せず

(読売新聞)

 新型インフルエンザ感染者の家族のうち、前もって治療薬を服用した人の99%が感染しなかったことが、国立感染症研究所の調査で分かった。
 患者に頻繁に触れる人が感染前から治療薬を服用する「予防投与」が奏功した形で、京都市内で開かれた日本感染症学会で6日、発表した。
 調査は、昨年5月の流行初期に大阪府内で感染した患者158人の家族を対象に実施。予防投与した334人のうち、感染者は2人(0・6%)にとどまり、332人は感染しなかった。一方、服用しなかった48人のうち、4分の1を超す14人(29・2%)が感染した。
 しかし、予防投与後に感染した2人のうち1人からは、治療薬タミフルが効かない耐性ウイルスが見つかった。安井良則・感染研主任研究官は、「予防投与は効果が高い一方、耐性ウイルスが発生する。どのような場合に予防投与をすべきか、国が基準を作るべきだ」と話している。

【キブンの時代】(3)マスクに殺到、豚肉料理中止…

(産経新聞)

■大企業も雪崩 警戒さらに 

 「この1年は“マスクパニック”だった。体重が6キロも落ちた」。マスク大手の白元(東京都台東区)の執行役員、大久保芳則(46)は振り返る。
 新型インフルエンザの発生が確認された昨年4月以降、全国至る所でマスクをつけている人の姿が見られた。マスクは人への感染を防ぐ効果は高いが、予防効果は低いとされている。にもかかわらず、多くの人が予防効果を期待し、マスクをつけた。
 「日本への感染が確認されていない段階で、全国各地から一気に注文が殺到。5月に入った途端に在庫が尽きた」と大久保は話す。
 マスク市場は驚異的な売り上げの伸びを記録した。対前年比で昨年4月末が2018%(約20倍)、関西で高校生への感染が確認された5月中旬で4800%。全国的に流行期に入った8月中旬には5800%。市場規模の調査会社から「こんな数字、見たことがない」と言われた。
 白元には「マスクを融通してくれないか」と切羽詰まった声の電話が殺到した。「小売店以外にも、多くの企業から社員に配るためのマスクの引き合いが相次いだ。多くの企業で、強毒性の鳥インフルエンザを想定した行動計画が動き始めていた」
 白元では国内2カ所にマスクの製造ラインを緊急増設し、24時間体制での製造を始めた。品薄状態は昨年末まで続いた。
 社会の雰囲気を先取りした企業もあった。牛丼チェーンの松屋フーズ(東京都武蔵野市)。メキシコでブタ由来のウイルス(新型ウイルス)が確認されてから4日後に、メキシコ産豚肉を使っていた「豚テキ定食」の販売を中止した。
 松屋広報グループマネジャーの遠藤隆也(36)は「『お客さまが不安と感じる可能性があるなら、やめたほうがいい』という経営判断だった」と説明する。
 政府は当時、「豚肉は安全」と盛んにPRしている最中。松屋の決断への反響は大きかった。即座に消費者行政担当相(当時)の野田聖子(49)が「心外。風評被害を起こしては困るし、消費者に間違ったシグナルを送ることにもなる」と猛反発した。
 しかし、松屋の方針は揺るがなかった。遠藤は「当時は『お客第一』ということを最重要に考えた。さまざまな意見はあるだろうが、間違った判断だったとは思わない」と言う。実際、客の反発はほとんどなかった。
 「出張を控える」「海外から帰国したら自宅待機1週間」「メキシコにいる社員を帰国させる」
 新型インフルの感染が確認されてすぐ、大企業は準備していた行動計画を実行し始めた。その少し前、世界的発生が懸念されていた強毒性の鳥インフルに備えて作った計画だった。新型インフルは感染確認から間もなく、弱毒性で重症者も多くないと分かったが、すでに計画は動き出し、軌道修正は困難だった。
 大手電機の広報担当者は「自分の会社から感染者を出したらイメージダウンになるとの思いもあった」という。ただ、大企業のものものしい対応は国民の危機感を募らせた。厚生労働省幹部も「国から企業向けのメッセージが少なく、企業自身がさまざまな行動を取り始めたことで、社会の警戒心がより敏感になったかもしれない」と自省を込める。
 白元のマスクの売り上げは、感染がピークを越えた昨年末から急激に落ち込み、今年1月は昨年比35%となった。「よかったことは多くの人がマスク着用に抵抗がなくなって、将来の鳥インフル流行のいい備えになったこと。ただ正直、世間の感覚に振り回された感はある」。激動の1年を過ごした大久保は苦笑するばかりだ。

4月6日:世界の死者17483人超

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報NO.94

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 3月28日時点で、WHOには、213ヶ国と地域で確定患者と、合17483名以上の死亡者の報告があがっている。

2) パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が現在最も活発な地域は、アジア、南北アメリカとアフリカの熱帯地域の一部である。パンデミックインフルエンザ活動は、南半球でも北半球でお温帯地域では低い状態にある。パンデミックインフルエンザウイルスは、世界で循環しているインフルエンザウイルスの支配的なものであることに変わりはないが、季節性B型インフルエンザウイルスは、東アジアの多くの場所で支配的であり、かつ東南アジア、西アジア、東アフリカや、欧州東部、北部の一部の地域で低いレベルであるが、検出が増加している。アジアとオーストラリアの一部では非常に少ない数字であれば、季節性インフルエンザウイルスH3N2が検出されている。

3) 東南アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、活発であるが、地域によってかなりばらついている。タイがこの地域ではもっともパンデミックウイルスの活発な循環が報じられているが、疾病活動は、最近ピークに達したようで減少が始まった。マレーシアでは、限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が、新たな感染例の報告が続き、継続しているようである。インドネシアではパンデミックインフルエンザ活動の報告が最近ないが、季節性B型とH3N2のインフルエンザウイルスが低いレベルであるが引き続き検出されている。ミヤンマーでは、限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザは、2月の活発なパンデミックインフルエンザウイルスの伝播の期間より相当下落した。

4) 南アジアでは、全体としてパンデミックインフルエンザ活動は、低い状態であるが、バングラディッシュでは、2月下旬以降新たな感染者の増加とともに地域的なパンデミックインフルエンザウイルスの広がりが報告されている。インドでは、西部でパンデミックインフルエンザウイルスが低いレベルで循環が続いている。

5) 東アジアではパンデミックインフルエンザ活動は、季節性B型インフルエンザウイルスの循環の増加が継続しながら、低い状態になっている。中国では、インフルエンザ様疾患は、かなり減少した。しかし、最近数週間、呼吸器疾患検体のうち約20-30%がインフルエンザ陽性反応を示した。そのうち85%以上が、季節性B型インフルエンザウイルスであった。モンゴルでは、季節性B型インフルエンザウイルスによる強いインフルエンザ活動は、最近、減少傾向になっている。インフルエンザ様疾患の全体的な比率は、日本と韓国では、通年レベルに戻り、パンデミックインフルエンザウイルスの衰えが続いている。東アジア、東南アジアとオセアニア(香港、日本、韓国、中国、台湾、フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア、バングラディッシュ、オーストラリア)の一部の地域では、季節性B型インフルエンザウイルスが低いレベルでの循環が続いている。季節性インフルエンザウイルスH3N2が、少ないながらも、東アジアと東南アジア、オセアニアで、特にインドネシアとオーストラリアであるが、検出されている。

6) 北アフリカと西アジアでは、限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスが、低いレベルで循環が継続しており、疾病活動も全体として低い状態で残っている。

7) アフリカのサハラ以南では、限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、地域ではばらついているが、西アフリカと東アフリカの限定されて地域でもっとも活発である。活発なインフルエンザの伝播が、東アフリカの限定された地域、特に、ルワンダとタンザニアで続いている。

8) 南北アメリカの熱帯地域では、限られたデータではあるが、全体的なインフルエンザ活動は、低いままだが、多くの国で活発な伝播が限定された地域でみらればらついている。グアテマラ、ニカラグア、エルサルバドル、パナマ、ブラジル、ボリビアでは、3月で最低1週間の間、パンデミックインフルエンザウイルスの循環に伴い呼吸器疾患に増加傾向があると報告がある。パンデミックインフルエンザ活動が地域的に増加していることが、いくつかの国で学校での感染拡大にともなって報告されている。しかし、いくつかの国では、部分的には、他の呼吸器疾患ウイルスの同時循環によると説明することもできる。本地域のパンデミックインフルエンウイルスの循環がもっとも活発な地域は、ブラジルであり、北部での疾患活動が、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播を伴っている。メキシコでは、限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスの地域的に活発なパンデミックインフルエンザウイルスの伝播が、3月を通じていくつかの州で発生が続いているが、昨年の秋のシーズウイルスに見られたピークのレベルに達するようなインフルエンザ活動には全体としてはなっていない。

9) 南北アメリカの北と南の温帯地域では、パンデミックインフルエンザの伝播は、全体として低いままで、インフルエンザウイルスが低いレベルで循環が続いている。米国では、インフルエンザ様疾患活動は、通年のレベルより低いまま。カナダでは、インフルエンザ様疾患活動は全体として通年レベルより低いままである。南半球の温帯地域では、インフルエンザ活動は全体として低いままであり、パンデミックと季節性インフルエンザウイルスが散発的に検出されている

10) 欧州では、パンデミックインフルエンザウイルスが、低いレベルで、この地域全体で循環し続けており、特に、南部と東部である。季節性B型インフルエンザウイルスの循環が増加していることが、ロシアのシベリアと極東地区、イタリアとスウェーデンで見受けられ、全体としては低いレベルであるが、循環しているウイルスとしては主導的なものであることが続いている。

■ 新型インフル、検疫体制に批判…学会シンポ

(読売新聞)

 新型インフルエンザ対策について、日本感染症学会のシンポジウムが5日、京都市内で開かれ、参加した専門家の間からは検疫や医療体制の見直しや、国や都道府県の役割を明確にするよう求める声が相次いだ。
 シンポジウムでは、専門家6人が発表。神戸市立医療センターの林三千雄医師は、昨年5月に国内初の感染例が確認された神戸市の経験をもとに、「機内検疫などを実施している間、すり抜けによる国内感染例が相次ぎ、病院の専門窓口(発熱外来)は殺到した患者で診療が事実上破綻(はたん)した」と報告。ウイルスの感染拡大防止策を強調した国の行動計画を批判した。

 政府の新型インフルエンザ対策本部専門家諮問委員会委員を務める岡部信彦・国立感染症研究所センター長も「国や都道府県の役割をもっと明確にすべきだ」と述べ、行政が施策を柔軟に変更できる仕組み作りが必要だと訴えた。
 庵原(いはら)俊昭・国立病院機構三重病院院長は政府のワクチン備蓄方針を支持。ワクチンは国産・輸入含めて大量に余っているが、「今年も9月ごろに流行を迎えたら、次に作るワクチンだけでは間に合わない」と述べた。
 国内感染者の死亡率が低かった点について、学級閉鎖や休校を評価する声が国内外で上がっている。しかし、菅谷憲夫・けいゆう病院小児科部長は「タミフルなど薬による早期治療が奏功しただけだ」と、医療環境の良さを指摘した。

【キブンの時代】(2)新型インフル 行政、病院奔走 「最悪」想定、すぐ沈静化

(産経新聞)

 人工呼吸器、空調機能付きテントの購入、タミフルの備蓄…。埼玉県がこの1年間で新型インフルエンザ対策にとった施策である。10億円単位の予算が必要になったものもあった。
 「『最悪の場合』という情報や想定に、振り回され過ぎた感がある」。埼玉県疾病対策課長の本多麻夫(47)は、新型インフル対策に奔走したこの1年をそう振り返る。
 ウイルスが弱毒性と分かっても、新型インフルは「最悪の場合、若者以外の世代にも感染が蔓延(まんえん)し、病院では重症患者の対応に支障が出る」という想定で語られた。行政も国民も「最悪の場合」を恐れた。
 「関西への修学旅行を中止すべきか」「自分が感染したらどうしよう」。昨年4、5月、県に寄せられた電話相談からは、医療関係者までに不安感が充満している様子が読み取れた。
 住民が安心した生活を送れるようにするのは行政の役目。県は「最悪の場合」に備え、冒頭のように態勢を整えた。しかし、重症者は多くなく、購入機材もほとんど使われなかった。
 対策が一段落した今、本多は安堵と同時に、多少の引っかかりも感じている。
 「国が『最悪の場合』の情報に加え、『最も可能性が高いケース』の情報も発信してくれれば、行政も住民も、もっと冷静に行動がとれたのではないか」
    ◇
 一方、病院は“あえて”最悪の場合に備えた。
 東京都港区にある慈恵医大付属病院。国内感染が判明した直後、感染を封じ込めるだけの十分な医療設備を整え、スタッフにも教育を徹底した。同時に力を入れたのが、「どのようにスムーズに診察するか。混乱を起こさないような情報発信をどうするか」といったスタッフ間の打ち合わせだった。
 スタッフが警戒していたのは“世間の空気”だった。感染対策室長の中沢靖(45)は「もし感染者が入院すれば、『あそこの病院には行かない方がいい』という風評被害が起こる可能性がある。病院は世間の空気を読んで動く。それなりの準備態勢を取るべきと思った」と話す。
 大使館やホテルが多く、外国人が多い六本木もある地域。「海外からのウイルスが入りやすく、患者が運ばれる可能性が高い」とみられていた。
 「世間は騒ぎ過ぎだった。でも世間の理解がなくては、公衆衛生上の機能は果たせない」と振り返る中沢。「病院は医療体制を確立した上で、WHO(世界保健機関)などから発せられる世界の空気と世間の空気、院内の空気をすりあわせた行動をとるべきだ」と語る。
 「最悪の場合」を前提に不安が充満した世間の空気だが、落ち着き始めるのも早かった。
 厚労省によると、国の相談窓口に寄せられた電話は昨年4月末の1日約1200件がピークで、その後は減少。東京都、埼玉県でも寄せられた相談数は、それぞれ感染者が確認された5月中旬がピークだった。
 昨年秋に学級閉鎖やワクチンに関する相談や受診が増えた時期はあるものの、「パニックのような当初の混乱とは、明らかに質が異なるものだった」(中沢)。本多は「身近で感染が起き、ウイルスが弱毒性であることを実感として認識できて冷静さが生まれたのではないか」とみている。
 一時期の混乱はうそのように、今年になって国に寄せられる相談は1日数十件程度。東京都は3月末で相談窓口を閉鎖した。

■ 新型インフル、マラッカ州で2人死亡 ワクチン接種が進まず

(マレーシア・ナビ)

 新型インフルエンザA(H1N1)の発生が各地で報告され新たな流行が懸念される中、マラッカ州で2人が新型インフルエンザAの合併症により死亡した。マレーシアでH1N1による死者が出たのは2月以来で、累計の死者数は80人となった。
 リオウ・ティオンライ保健相は、糖尿病や喘息、腎臓疾患を抱えている人、子供や妊娠中の女性などはH1N1に感染するリスクが高いとし、対策を十分に行うよう呼びかけた。
 また、全国104カ所の公立病院でH1N1のワクチン40万回分の無料接種が可能であるにも関わらず、高リスクグループの間でもワクチン接種が行われていないことに対し、マレーシアでの感染拡大状況は比較的穏やかであるが、コミュニティの中で感染が拡大しており毎週50人程度が感染していることから警戒を強めるべきと述べた。保健省によると、4月2日までにワクチン接種を受けたのは8万1,857人。高リスクの人の接種は4,996人に留まっているという。
 世界保健機関(WHO)の顧問ラム・サイキット医師は、マレーシアにおけるH1N1の流行の第2波が始まったわけではないと指摘。ほとんどのケースが季節性インフルエンザと同様の症状で、軽症で終わる場合が多いが、感染防止には引き続き努めるべきだと述べた。

4月5日

【キブンの時代】(1)新型インフル「偏執病」

(産経新聞)

 「『もう言わんとこ』って決めたんです。話したくないのは当然だけど、思いだしたくもない」
 大阪府寝屋川市にある公立高校の校長は、やんわりと取材を断った。
 昨年5月、この高校は、新型インフルエンザの大騒動に巻き込まれた。短期留学で訪れたカナダから帰国した生徒4人が、成田空港での検疫で新型インフルに感染していることが判明。同じ航空機に乗っていた同級生ら乗客48人がホテルに停留される羽目になった。
 新型インフルの日本での初の感染確認だった。
 高校が追われたのは、生徒らへの対応ばかりではなかった。「謝れ!」「大阪へ帰ってくるな!」「バカヤロー」。伏せられていたはずの高校名をどこで知ったのか、電話が殺到した。
 「危険物扱い。誹謗(ひぼう)中傷も、マスコミの取材もすごかった。でも1週間もして、日本各地で感染が確認されると誰も騒がなくなった。あの雰囲気、世間の気分は、いったい何だったのか」。校長は1年近くたった今でも納得がいかない。
 厚生労働省では、国内での感染確認など要所要所で、当時の厚労相、舛添要一(61)が深夜、早朝を問わず自ら会見を開いた。
 国が騒ぎ過ぎたので、日本中が大騒ぎになったのではないか-。そんな声は当初からあった。舛添から「緊急時なのに連絡がつかない」と指摘された横浜市長(当時)の中田宏(45)が発した「大臣自身が落ち着いた方がいい。カリカリし過ぎ」という言葉が反発を象徴している。
 厚労省幹部によると、首相官邸からも「何で大臣が深夜に会見するんだ」といった牽制(けんせい)があったという。
 これに対し舛添は今年2月、日本環境感染学会で講演し、「反省点は山ほどある」としながらも、「見えない敵との戦争だ。危機管理の問題で情報を公開することが大切。位が上の人が言うほど情報の信頼性が高まる」と反論。「ワクチン対応などで長妻昭厚労相が国民の前で語るのを見たことがない。これではだめだ」と切り返した。
 国の対策の事務方の責任者である厚労省健康局長の上田博三(60)は一連の情報発信について、「大臣の会見で、国民にしっかりとメッセージが伝わった」と肯定的に振り返る。一方で、「情報が強く伝わってしまった点もあった。もっと情報の背景説明などをすべきだった」と語る。
 米紙ニューヨーク・タイムズは新型インフルをめぐって日本中を覆った雰囲気を奇異にとらえ「パラノイア(偏執病)の国」と伝えた。記事は「下着からボールペンに至るまで抗菌性」と日本社会を揶揄(やゆ)し、「もともと衛生状態への強迫観念がある」と分析する。
 なぜ、日本中で「パラノイア」と称される光景が生じたのか。ものものしい防護服に象徴された検疫体制を検証してみる。

■恐怖心、国全体を支配 “新型インフル・パニック”

 「空港の検疫体制は過剰ではなかったのか」。メキシコでの新型インフルエンザ感染確認から約1年がたった今年3月31日。厚生労働省で開かれた新型インフル対策を検証する委員会で、そんな批判が紹介された。
 新型インフルの“恐怖”を視覚的に日本中に伝えたのが、メキシコでの感染確認から間もない昨年4月29日から5月22日まで続けられた航空機内での検疫だ。ゴーグルをつけ、白い防護服を着た検疫官が機内で乗客の健康状態をチェック。島国・日本だからこその“水際作戦”だった。
 だが、当初から専門家は検疫強化による効果に懐疑的な見方をしていた。
 政府の新型インフルエンザ対策本部専門家諮問委員長を務める尾身茂(60)は今年3月、日本記者クラブ(東京都千代田区)での会見で、「水際作戦に限界があったことは皆が承知していた。だが病気についてよく分かっていなかった時点で、水際作戦をやめることに国民は耐えられただろうか」と、世論の動向が検疫強化につながったという見方を示した。
 当時、厚生労働相だった舛添要一(61)もインフル対策を振り返る中で、「水際作戦の継続のように、医学的にみれば『あまり合理的でない』ということはあるかもしれない。しかし、人間の心理や感情を考慮しなくてはいけない」と語っている。
 厚労省内でも感染確認直後から、「ものものしい検疫をいつまでも続けるより、早く病院など国内の体制整備に力を向けたい」という声が聞かれるようになっていた。同省健康局長の上田博三(60)は「5月の連休明けにも検疫体制を縮小することも考えた」と振り返る。
 しかし、まだ連休中だった5月9日。成田空港の機内検疫で感染者が見つかった。カナダへの短期留学から帰った大阪府寝屋川市の高校の生徒たちだった。
 上田は「検疫で見つかることが分かった途端、『もっとやれ』という声がいろいろなところから届き始めた。風向きが急に変わった」と話す。
 検疫の強化は、国内で感染者が確認された後も継続されていくことになる。
 羽田空港検疫所で働く医師、木村もりよ(45)は、厚労省のとってきた政策を正面から批判する。インフル対策で歯にきぬ着せぬ発言をし続け、国会に参考人として呼ばれたこともある現役の厚労省職員だ。
 「そもそもインフルエンザの感染を封じ込めるなんて無理な話で、検疫を強化しても仕方ない。季節性インフルでも何千人と死ぬことがあるのだから、腹をくくり、重症化しやすい人への対策に力を入れるべきだ」。木村はそう主張する。
 そして「公衆衛生や医療現場を分かっていない役人が、誤ったメッセージを国民に伝えるからパニックになった。この騒動は『官製パニック』。国民は踊らされた」と一刀両断にする。
 世界的にみて、今回のインフルで、これほど検疫強化に努めた地域はない。厚労省の立ち上げた検討会では、その評価も含めた検証が始まるが、昨年の日本社会が官僚も国民も含め、新しいウイルスへの恐怖感で満ちていたといえる。
 検疫業務に参加した女性スタッフ(42)が話す。「『大げさだ』と怒られたこともあるが、検疫を受けた人や、多くの国民から『安心した』『頑張って』という声を随分かけてもらったことも事実。少しでも安心な気分になってもらえたなら意味があった、と思う」

4月4日

■ インフルエンザ:患者報告数ゼロに 「新型」確認以降初 /和歌山

(毎日新聞)

 県内定点医療機関からのインフルエンザ患者報告数が、3月22~28日の1週間はゼロになったと、県が2日発表した。09年5月に初めて和歌山市で新型インフルエンザ患者を確認して以降、ゼロになったのは初めて。
 50カ所から報告を受けており、ピークは09年11月23~29日で1カ所当たりの患者数が30・30人となり、警報レベルの30人を超えていた。県難病・感染症対策課は「流行は現時点では沈静化していると考えられる。しかし、冬が来るまでに再流行する可能性がある。予防を心掛けてほしい」としている。

4月3日

■ ワクチン余り現場困惑(福岡県) 新型インフル「沈静化」宣言

(西日本新聞)

 全国で2千万人超がかかったとされる新型インフルエンザ(H1N1)の第1波が去った。国立感染症研究所は2日、3月22-28日の週に全国5千の医療機関を受診した患者は1機関当たり0・23人だったと発表。流行の目安である「1人」を4週連続で下回った。厚生労働省は同31日に「最初の流行は沈静化している」との大臣コメントを出した。
 「ない、ないって一時はあんなに騒がれたんですけど…」
 福岡市城南区の内田こどもクリニック。冷蔵庫には1ミリリットル入り208本の未開封ワクチンが残っている。2回接種の小学生なら300人分だ。
 接種希望を取り始めた昨年11月上旬、2日間で予約が千人を超えた。賄うだけのワクチンを注文したが、納入されたのは160人分。1カ月後「どっさり届いた」とき、希望者は激減していた。
 インフルエンザにかかってキャンセルした人もいたが、複数の医療機関に予約を入れ、1カ所で受けた後は知らんぷり…という人もいたようだ。「あの医院はワクチンがあるとかないとか情報が駆け巡っていたようです。でも、わが子を思う気持ちは分かります」と内田智子院長。
 ワクチンは国が製薬会社から買い上げ、県を通じて配分している。保存料が入っていない妊婦用は使用期限が5月下旬。福島周作事務長は「国に買い取ってほしい」と切望するが、厚労省は「予算がない」と応じない。
 国の供給体制の不備、医療機関の見込み違い、または市民の問題‐。余剰の理由は判然としないが、九州各県の医師会も国に買い取りを求めている。福岡県医師会は、県内の医療機関に計9万2千回分、大人で9万2千人分が残っているとして「計1億3500万円の損失を医療機関が負うことになる」と訴える。
   □   □
 福岡市早良区にある市急患診療センター。いまインフル症状で訪れる人はほぼゼロだが、昨年10月の休日には千人超が押し寄せた。
 そこで課題となったのは、子どもなど重症化する恐れの高い発症者への対応だった。運営する市医師会は、同9月末から1月まで医療者を増やして1万人余りを診た。このうち、インフルエンザ脳症の疑いなどで専門の医療機関へ搬送したのは39人。10歳前後が大半で全員助かった。
 九州では少なくとも160万人が医療機関にかかり24人が亡くなった。
 毒性が中等度のウイルスだったからか、一時的に外来に殺到したものの適切な受診がなされたからか‐。市医師会理事の壁村哲平医師は「市民は『自分の身は自分で守る』と認識し、行政も報道も医療者もそれぞれどうすべきか考えた。それが収穫といえるのではないでしょうか」と言う。

■ 新型インフル 健康成人 ワクチン接種5% ピーク過ぎ危機感低下か ー新潟県

(読売新聞)

 新型インフルエンザ対策で、1月20日から希望者全員が可能となったワクチン接種を実際に受けた県内の健康な成人は、2月末現在で全体の約5%にとどまることが2日分かった。流行のピークは昨年11月で、県健康対策課は、「接種の始まった1月以降は落ち着いており、なかなか接種行動に結びついていないのでは」として、県民の危機意識低下が要因と分析。再流行に備え、「希望者が接種出来る態勢は整えている」と、接種を呼びかけている。
 県が医療機関からとりまとめたデータを基に推計すると、基礎疾患を持つ患者らを除く健康な成人約100万人のうち、2月末現在でワクチンを接種したのは5万4660人。約40万人いる65歳以上の高齢者は6万6693人が接種を受け、接種率は約17%だった。
 このほか、1歳から小学校6年生の子ども(計17万4000人)は約39%、中学生、高校生(計8万9000人)は約22%が接種を受けた。
 県内では、昨年10月から順次対象を拡大する形でワクチンの接種が始まった。1歳から高校生までの児童生徒らは、すでに感染していて接種が不要となったケースも多いとみられる。

■ 新型インフルの集団感染が拡大、保健省が警告

(マレーシア・ナビ)

 保健省は4月1日、新型インフルエンザA(H1N1)の新たな流行が全国で始まったとして、感染予防策をとるよう警告を出した。
 3月21−27日の間で、セランゴールとマラッカ、トレンガヌ州において83人の感染が確認され、病院スタッフの感染も初めて確認された。
 3月27日には全国の公立病院と私立病院にあわせて371人がインフルエンザ様疾患(ILI)に感染したとして入院した。死者は出ていない。
 保健省のイスマイル・メリカン事務次官は、インフルエンザの症状が見られる人がいれば、すぐに最寄の保健局に連絡するよう促した。また、セランゴール州クアラ・クブ・バルのタミル語小学校で、47 人が新型インフルエンザAの症状を訴え、生徒が自宅隔離措置を受けている件に関しては、検査の結果、1人の感染が確認されたと明らかにした。

(院長のつぶやき)アジアでは終息傾向と思っていましたが・・・注視すべき情報です。

■ 新型インフル、中国の死者800人

(産経新聞)

 中国衛生省は3日までに、中国本土での新型インフルエンザによる死者数が3月に7人増え、昨年からの累計死者数が800人になったと発表した。これまでの感染者数は、既に治癒した人を含め12万7千人余りに上ったとしている。3月に報告された新型インフルエンザ感染者数は429人で、地域別では広東、福建、江蘇、浙江各省など南部や東部の沿海地域が多かった。

(院長のつぶやき)いつの間にか増えている中国の死者!

■ 新型インフル接種死亡補償申請、4件棄却 ー韓国

(Innolife.net)

 疾病管理本部は最近、予防接種被害補償審議委員会を開いて、新型インフルエンザ予防接種後の被害補償を申し込んだ103件中、46件に対して補償判定を出したと1日、明らかにした。
 しかし、接種後、脳出血、脳炎などで死亡した4件の事例は全て新型インフル予防接種と関連性がなく、補償が棄却された。

4月2日

■ 新型インフルの第一波、事実上終息…厚労省

(読売新聞)

 厚生労働省は31日、新型インフルエンザの流行について「現時点では沈静化している」として、第一波が事実上、終息したとの見解を示した。
 同省が同日開いた専門家会議で、長妻厚生労働相の談話として発表した。会議では今後、ワクチンや水際対策など6項目の政策について検証。再流行などに備え、結果を6月中にまとめる。
 ワクチンは、スイス・ノバルティス社から輸入した234万回分(30億円)が同日、出荷しないまま使用期限を迎えた。同省は廃棄方針を示している。

新型インフルが再来、セランゴールで59人が自宅隔離 〜マレーシア

(マレーシア・ナビ)

【クアラルンプール】 セランゴール州クアラ・クブ・バルのタミル語小学校で、47人が新型インフルエンザA(H1N1)の症状を訴え、12人がインフルエンザ様疾患(ILI)に感染したとして、地元保健局による指示を受け、自宅で隔離措置を受けている。同校の全校生徒数は508人。検査の結果、生徒2人の新型インフルエンザの感染が確認されたという。
 3月20日時点で、マレーシア国内43カ所の病院で、ILIに感染したとして385人が入院。内30人が新型インフルエンザに感染していたという。昨年4月から今年3月20日の期間に、新型インフルエンザの感染者数は1万2,594人となり、死者数は77人となっている。
 ハサン副事務局長は、新型インフルエンザ感染拡大の第1波は過ぎ、第2波はやってきていないがインフルエンザウィルスはいまだに感染能力があると警告。

■ 東京ディズニーランドとシー、インフルに負けず

(NIKKEI NET)

 オリエンタルランドは1日、運営する東京ディズニーランド(TDL、千葉県浦安市)と東京ディズニーシー(TDS、同)の2009年度の合計入園者数が前の年度比5.2%減の2581万8000人だったと発表した。新型インフルエンザの流行や、「東京ディズニーリゾート」開業25周年で好調だった08年度の反動減が影響した。それでも当初計画を上回り、過去2番目の高水準だった。

4月1日

■ 新型インフル第一波は終息宣言 厚労省、検疫など検証

(朝日新聞)

 厚生労働省は31日、新型の豚インフルエンザについて「最初の流行は沈静化した」として第1波が事実上終息したとの見解を示した。再流行や新たな強毒性のウイルスの発生に備え、今回の水際での検疫対策やワクチン供給などについて専門家が検証し、6月中に報告書をまとめる。
 この日開かれた新型インフル対策総括会議では、強毒性の鳥インフルを想定した従来の計画に基づき、政府が発生当初、検疫強化や学校の臨時休校をとった点について「やりすぎだったのでは」との懸念があることが紹介された。
 厚労省の担当者は一連の対策について「できるだけ感染の波を後ろにずらして時間かせぎをし、死亡者を極力減らすのが目標だった」と説明。これに対し、専門家からは「目標が達成できたのかではなく、その目標でよかったのか、プロセスも検証しないといけない」との意見も出た。
 ワクチン接種体制についても課題が残った。当初は供給不足が予想され、海外2社から約9900万回分(健康な成人は1回接種)を輸入契約したが、接種回数の変更や患者数の減少により必要性が薄れ、出荷されたのは約4千回分にとどまった。ノバルティス社(スイス)の234万回分はこの日で有効期限切れになり廃棄処分される。
 グラクソ・スミスクライン社(英)と契約した7400万回分は約3割にあたる2368万回分を解約することで合意。一方、国産ワクチンの接種者数は、23日現在の推定で約2282万回分だった。
 日本の人口10万人あたりの死亡率は0.15。カナダ(1.32)、英国(0.76)に比べて低かった。政府の諮問委員会委員長を務めた尾身茂・自治医科大教授は「学級閉鎖を行った結果、感染者が学童に限定され地域に感染が広がらなかったため」と指摘した。

(院長のつぶやき)何回も書きますが「検証」作業は内輪でやっても意味がありません。第三者機関が担わないとなあなあで終わってしまいます。

■ 検疫で侵入阻止 最大12日、「効果は限定的」…国際チーム研究

(読売新聞)

 新型インフルエンザの水際対策として、日本を含む21か国で行われた機内検疫などの入国審査は、ウイルスの国内侵入を最大12日遅らせるにとどまったことが、西浦博・科学技術振興機構研究員らの国際チームの研究で明らかになった。チームは「検疫などの効果は限定的。今後も実施すべき施策なのかどうかを費用面を含め検討してほしい」と話している。研究成果は30日付の感染症専門誌の電子版に掲載された。
 研究チームは、ウイルスの侵入を阻止するため、空港での機内検疫や自動体温感知器(サーモメーター)による監視を行った日本や中国など21か国と、対策を実施しなかった5か国とを比較し、ウイルスの国内感染の広がりのスピードに違いが生じたかどうかを調べた。その結果、初の感染例を検知してから、各国の国内で流行が起きるまでの時間は、実施しなかった国に比べて7~12日遅かった。

(院長のつぶやき)この「7〜12日間」のずれをどう評価するか、新聞各紙で温度差があります。読売新聞は「効果は限定的」、毎日新聞は「効果なし」。コストとのバランスで評価する視点も必要かもしれません。

■ ワクチン働く仕組み、阪大が解明 インフルエンザで

(共同通信)

 インフルエンザのワクチンが働く分子レベルの仕組みを大阪大などのグループがマウス実験で突き止め、31日付の米医学誌電子版に発表した。
 日本で使われるワクチンは、インフルエンザへの感染歴がないと効果が低いことが判明。石井健招聘教授は「副作用が少なく有効性がもっと高い次世代ワクチンの開発が必要になるだろう」と話している。
 グループは、インフルエンザウイルスを認識するセンサーを持つ免疫細胞の三つの受容体に着目。これらの受容体がないマウスにさまざまなワクチンを投与すると、「TLR7」というリボ核酸(RNA)の受容体がワクチンの効果に必須であることが分かった。
 日本でワクチンに使われる「不活化スプリットワクチン」は、自然免疫の活性化がほとんど見られず、効果が低かった。感染歴がある人では免疫が再び活性化し、有効なことが人の血液の実験で判明したが、感染歴のないマウスにこのワクチンだけを投与しても感染を防げず死亡した。
 一方、「不活化全粒子ワクチン」を投与すると、受容体の一つが活性化し、より高い効果を発揮。抗ウイルス作用を持つ物質をワクチンに加えることで、効果を増強する仕組みも分かった。

(院長のつぶやき)「不活化全粒子ワクチン」は日本でも昔使用していましたが、接種後の腫れと発熱などの副反応が強く、現在の「不活化スプリットワクチン」にとって変わられた歴史があります。「効果も副反応も強いワクチン」と「効果も副反応も弱いワクチン」のジレンマはなかなか解決されませんね。「最強の効果と最悪の副反応」のワクチンをご存じですか? ・・・そう「自然感染」です。

3月31日

■ <新型インフル>期限切れワクチン 234万回分廃棄へ

(毎日新聞)

 新型インフルエンザ対策で政府が用意したワクチンのうち、234万回分が今月末で使用期限を迎え、廃棄処分される。流行の沈静化などで思ったほど接種希望者がいなかったためだ。ワクチンは現在、国産と輸入を合わせ約1億回分が余っており、多くは順次、使用期限切れで廃棄される見通し。厚生労働省は31日、有識者らによる新型インフルエンザ対策総括会議の初会合を開き、対策が適切だったか、検証に入る。
 厚労省によると、新型のワクチンは国内4メーカーで約5400万回分を用意。不足の懸念から昨年10月、スイスのノバルティスと英国のグラクソ・スミスクラインから計9900万回分を輸入する契約も結んだ。輸入費用は1126億円に上る。
 だが、1人2回接種の予定が原則1回に変更され、流行も昨年11月をピークに沈静化したため、ワクチンの推定接種者数は2282万人にとどまった。国産ワクチンすら余り、実際に出荷された輸入ワクチンは3995回分にすぎなかった。
 このため、厚労省はグラクソ・スミスクラインとの間で、購入予定の7400万回分のうち2368万回分(257億円)を解約することで合意した。一方、ノバルティスとの交渉は難航しているという。
 ワクチンの使用期限は製品ごとに異なる。ノバルティス製は製造から半年間で、今夏までに2500万回分すべてが期限切れとなる。国産は半年と1年間の2種類で、来月~来年3月にかけて順次、期限切れとなる。
 解約分を除いたグラクソ・スミスクライン製の5032万回分は1年半と比較的長く、備蓄して再流行や来季に備えるという。
 ただし、来季用のワクチンは、新型と季節性を混合した1種類に統一する方針で、保存分が使われる可能性は低い。
 厚労省は「インフルエンザの動向は予測が難しく、ドイツやベルギーなどでもワクチンの余剰が生じている。総括会議の指摘を今後の施策に生かしたい」としている。

■ 新型インフルエンザワクチン3万回分余る 山口県医師会、国に買い取り要望

(毎日新聞)

 昨秋から県内の医療機関に配分された約32万回分の新型インフルエンザワクチンのうち、約3万回分が余っている。県によると、当初はワクチンが不足したが、11月下旬に流行のピークを迎えた後は在庫がだぶつき始めたという。県医師会は「国のインフル対策に協力した結果」として、余剰在庫の買い取りを国に求める要望書を日本医師会に送った。【井上大作】
 県の調査では、2月12日時点で県内の330医療機関に計3万412回分が余っていた。11月中旬には定点医療機関あたりのインフル患者数が64人に達し、全国でも4番目の割合で多かった。しかし2月に入ると0・8人にまで減り、ワクチン接種を希望する者はほとんどいなくなったという。
 ワクチンは医療機関の希望数を県がまとめた上で、国が配分しており、余剰在庫の返品を受け付けないという。有効期限は6カ月か1年だが、来季のワクチンは新型と季節性を混合した1種類になる見込みで、今のワクチンは使いにくくなる。さらに県内の余剰ワクチンの半数以上は、成人18回分となる10ミリリットル入りの瓶に入っており、医療現場では非常に扱いにくいという。
 県医師会の8日付の要望書では、▽ワクチンが返品できないと廃棄処分するしかない▽国の示す優先順位に従ったため対象者以外は接種を断る必要があった--などと主張。同様の要請は全国に広がっており、大阪府は府医師会などと連盟で国に対策を求めた。
 県健康増進課は「必要なワクチン接種回数が国の方針で変わるなど現場は混乱した。余剰分も医療機関から多くの相談を受けており、国の担当者に要望を伝えている」とする。

3月30日

■ 新型インフル大流行の定義で議論 WHOが有識者委設置へ

(共同通信)

 世界保健機関(WHO)のフクダ事務局長特別顧問(新型インフルエンザ担当)は29日、国連欧州本部で記者会見し、新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)の定義の在り方などを議論する外部有識者による委員会を設置することを明らかにした。
 委員会は加盟各国の公衆衛生専門家や科学者ら29人で構成。4月12~14日に初会合を開き、中間報告を5月のWHO総会に、最終報告を来年5月の同総会に、それぞれ提出する。
 昨年6月にWHOが大流行を宣言した新型インフルエンザをめぐっては、多くの患者の症状が比較的軽かったため、地理的な感染拡大だけで判断するWHOの現行定義には「いたずらに混乱を招く」などの批判が上がっていた。

3月28日:世界の死者16931人超

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報NO.93

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 3月21日時点で、WHOには、213ヶ国と地域で確定患者と、合16931名以上の死亡者の報告があがっている。WHOは、その地域事務局や加盟国と頻繁に協議、あるいは、複数のデータを監視することで、パンデミックの進展状況を注意深く追跡している。

2) パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が最も積極的な地域は、東南アジア、西アフリカの一部と南北アメリカの熱帯地域である。過去2ケ月の間タイでパンデミックインフルエンザの伝播が続いたが、全体的に活動は減少している。
パンデミックインフルエンザウイルスは、世界的に循環しているウイルスでは、支配的なものであるが、季節性B型インフルエンザウイルスは、東アジアでは支配的であり、東南アジア、西アジア、東アフリカと欧州の一部での検知が、低いレベルではあるが、増加している。

3) 東南アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は2月中旬からタイで活発で地域的に広範な状態が続いているが、マレーシアでは、3月初旬から増加している。季節性B型インフルエンザウイルスは、タイ、東南アジアの一部で分離が継続している。

4) 南アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は同地ではばらつきがある。

5) 東アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、相当減じた。インフルエンザ様疾患と急性呼吸器インフルエンザ様疾患の比率は日本と韓国で通年レベルに近いところに戻っている。中国では、インフルエンザ様疾患とパンデミックインフルエンザウイルスの循環は相当減ったが、季節性B型インフルエンザウイルスの循環が活発な状態が継続している(最近の数週間では、分離されたインフルエンザウイルスの85%に上る)。同様にモンゴルでも2009年11月にパンデミックインフルエンザウイルスの循環によりインフルエンザ様疾患活動の最初のピークを迎えた後、2月下旬から3月初旬に、インフルエンザ様疾患活動の急激な増加が起こったが、これは、季節性B型インフルエンザウイルスの循環が原因となっている。香港、台湾、北朝鮮では、インフルエンザ活動は全体として低い状態が続いている。

6) サハラ以南のアフリカでは、パンデミックインフルエンザ活動は、ばらつきがある。限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が最も活発な地域は、西アフリカと東アフリカの限定された地域、特にルワンダであるが、であることが続いている。ガーナの呼吸器疾患の検体の27%、ルワンダでは47%が、2010年3月の中旬のパンデミックインフルエンザウイルスに陽性反応があった。パンデミックインフルエンザウイルスは、西アフリカと東アフリカで循環している主導的なインフルエンザウイルスであることが続いているが、季節性H3N2とB型インフルエンザウイルスも数は少ないが、確認されている。

7) 南北アメリカの熱帯地域では、インフルエンザ活動は全体としては低い状態であるが、活発なパンデミックインフルエンザウイルスの伝播が中央アメリカと南アメリカの一部で特に、増加しているようである。ブラジルでは、呼吸器疾患が3週間連続で増加しているが、これは、パンデミックインフルエンザウイルスの地域的な広がりをともなっている。ブラジル北部の3州で、感染例の確認が増加していると報告されているが、感染例の程度と深刻度は不明である。メキシコでは、インフルエンザ様疾患と急性呼吸器疾患が2週間増加(各週11-14%)が、2月下旬から3月上旬の間に報告されているが、パンデミックインフルエンザウイルスによる呼吸器疾患活動の程度については不明である。

8) 欧州では、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は全体的に、ほとんどの国で下降または低い状態が続いている。
特筆すべきことは、ドイツ、イタリア、ロシアで、定点観測で採取された検体の20%がインフルエンザに陽性反応を示した。イタリアとロシアでは、季節性B型インフルエンザウイルスは、支配的でもなくパンデミックH1N1と同時流行しているわけでもない。

10) 北アフリカと西アジアでは、限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスは、低いレベルでの循環が続いており、全体として疾患活動は、ほとんどの場所で低いままである。
南北アメリカの温帯地域の北部、南部では、全体としてパンデミックインフルエンザの伝播は、インフルエンザウイルスが低いレベルで循環しており、低い状態である。

11) 南半球の温帯地域では、全体としてインフルエンザ活動は、低いままで、パンデミックと季節性インフルエンザウイルスが散発的に検出されている。

■ 新型インフル対策総括会議の構成員を発表―厚労省

(CBニュース)

 厚生労働省は3月26日、新型インフルエンザ対策総括会議の構成員を発表した。政府の新型インフルエンザ対策本部の専門家諮問委員会委員長を務めた尾身茂氏(自治医科大教授)ら11人で、初会合は31日に開かれる。
 同会議の構成員は尾身氏のほか、▽伊藤隼也氏(医療ジャーナリスト)▽岩田健太郎氏(神戸大大学院医学研究科教授)▽岩本愛吉氏(日本感染症学会理事長)▽岡部信彦氏(国立感染症研究所感染症情報センター長)▽金澤一郎氏(日本学術会議会長)▽河岡義裕氏(東大医科学研究所感染症国際研究センター長)▽川名明彦氏(防衛医科大学校教授)▽田代眞人氏(国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長)▽谷口清洲氏(国立感染症研究所感染症情報センター第三室長)▽丸井英二氏(順天堂大医学部教授)―の全11人。
 同会議は、新型インフルエンザに対して厚労省が講じてきた対策を総括し、今後の新型インフルエンザの再流行時や鳥インフルエンザの発生時の対策に生かすため、同省新型インフルエンザ対策推進本部の下に置かれる。
 会議では、対策の経緯と今後の課題をまとめた上で、水際対策、公衆衛生対策、サーベイランス、広報体制、医療体制、ワクチンなどについて、有識者の意見を踏まえながら今後の課題を検討する。

3月27日

■ 厚労省、GSK社製の3割を解約 余剰の新型ワクチン

(共同通信)

 余剰が見込まれる新型インフルエンザの輸入ワクチンについて厚生労働省は26日、英国のグラクソ・スミスクライン(GSK)社と購入契約を結んでいた7400万回分のうち、32%に当たる2368万回分を解約することで同社と合意に達したと発表した。
 製品に欠点がない限り解約できない契約だったが、1月から交渉を続けた結果、違約金は発生せず、約257億円の経費が節減できるという。2500万回分の購入契約を結んだスイスのノバルティス社とは、引き続き一部解約に向け交渉中。
 厚労省血液対策課によると、当初購入する予定だった2社計9900万回分(1126億円)のうち、26日現在で5千万回分が納入されている。これまでの国内出荷量は約4千回分。未使用分は備蓄に回される。
 GSK社製のワクチンは、別々の容器に詰められた抗原と免疫増強剤を使用時に混ぜ合わせるタイプ。抗原の有効期限は1年半。免疫増強剤は3年で、同社製ならほかのインフルエンザワクチンにも使用可能だという。
 GSK社とは、ドイツ、ベルギー、ノルウェーも約3割の解約で合意しているという。

(院長のつぶやき)自分だけキャンセルなんてずるい! 医療機関からの返品にも応じるのが筋というものでしょう(↓)。

■ 流行下火で“在庫過剰”に 佐賀県内の新型インフルワクチン

(佐賀新聞)

 流行が下火になっている新型インフルエンザのワクチンが、佐賀県内で〝過剰気味〟だ。薬品卸会社にあった在庫は25日までに国が引き上げたが、医療機関によっては未接種分を結構抱えているところもある。今の制度では〝返品〟はできず、医療機関の負担となるため、県医師会や九州医師会連合会は国に買い取りを求めている。

(院長のつぶやき)この状況は佐賀だけではありません。日本全国の病院・開業医が困っている問題です。

■ ヒトへ侵入優先か、抗体防御か=新型インフルと季節性の違い解明-米チーム

(時事通信)

 新型インフルエンザや1918年に大流行したスペイン風邪を、同じタイプの季節性インフルエンザと比べると、ウイルスの表面にあってヒト細胞への侵入に使うスパイク状のたんぱく質「ヘマグルチニン」の頭部2カ所に大きな違いがあることが分かった。新型などには糖鎖の「カバー」がなく、侵入しやすさを優先しているのに対し、季節性ウイルスは少なくとも1カ所にカバーを付けることで、ヒトの免疫抗体に邪魔されないよう、防御していた
 今後、このカバー部分を狙えば、ワクチンを効率良く開発できる可能性があるという。

RSウイルス:乳幼児、注意 かぜ症状、持病あると重症化/例年より遅く現在も流行中

(毎日新聞)

 かぜ症状を起こす呼吸器感染症の原因ウイルスは、数百種にも及ぶといわれる。中でも乳幼児が最も感染しやすいのがRSウイルスだ。例年の流行は年末をピークに急速に終息するものの、今シーズンは3月に入っても例年のピーク時並みの流行が続いている。2歳までにほぼすべての子どもが感染し、持病があったり早産だった子どもは重症化しやすいにもかかわらず、認知度は低い。予防と対策をまとめた。
 楠田聡・東京女子医科大教授(新生児学)によると、冬季に乳児が鼻汁、せきに続いてゼイゼイ言うような場合は30~40%がRSウイルス感染症によると考えられるという。大人は鼻孔などの上気道の感染で済むため症状は軽いが、乳幼児は気管支などの下気道に感染するため、重症化する恐れがある。
 気管支炎にかかると呼吸困難のため不機嫌になったり、哺乳(ほにゅう)量が減少し、食欲の減退、嘔吐(おうと)などを起こす。呼吸の度にゼイゼイ、ヒューヒューという音を伴って小鼻をピクピクさせる様子が見られ、さらに悪化すると血液中の酸素濃度が低下し、唇や顔色が紫色になる「チアノーゼ」が見られるようになる。鼻が詰まって息苦しそうな場合には、早急に小児科を受診すべきだという。
 国立感染症研究所によると、RSウイルス感染症は全国の約3000小児科から患者数が報告され、最新1週間(3月1~7日)の患者数は3012人で、6週連続で減少しているものの例年のピーク時並みだ。
 同じ呼吸器感染症のインフルエンザと同時に流行しないことが知られ、新型インフルエンザが発生し、秋から早い大流行があったため、RSウイルスの流行が遅れているとみられ、依然注意が必要だ。
 RSウイルスは、感染した人のせきで生じた飛沫(ひまつ)や気道から分泌された鼻水などに接触することで感染する。さらに鼻や口の粘膜に加えて目からも感染すると考えられている。看護する人や家族、特にかぜ症状の人はマスクをして、手を洗うことも重要になる。
 RSウイルスは非常に感染力が強く、ウイルスがおもちゃなどに付いて4~7時間は感染力を持つとされる。
 楠田教授は「乳幼児は手近に置いてあるものを何でも口に入れたがる。家庭内にかぜをひいている人がいるときは、アルコールティッシュなどで赤ちゃんの周りのものをこまめに消毒してほしい」と注意を促す。
 ウイルスはエンベロープという表面膜を持つが、せっけんや消毒用アルコール、塩素系消毒薬などに触れると、すぐに感染力を失う。また、流行する秋から春にかけては、特に小さな子どもを人ごみに連れて行かない配慮も必要だ。
 RSウイルスは感染しても持続的な免疫ができにくい。予防のためのワクチン開発は30年近く続けられているが、実用化には至っていない。
 細矢光亮・福島県立医科大教授(小児科学)によると、国内では01年に承認された遺伝子組み換え技術で作成された「モノクローナル抗体」(製剤名、パリビズマブ)を、流行1カ月前から毎月1回筋肉注射するのが、利用できる唯一の薬剤予防法という。
 細矢教授は「乳幼児が気を付けないといけないのはインフルエンザだけではない。抗体医薬は高価で、最善の予防法は周囲の大人も含めた手洗いなどの励行だ。例年にない流行の遅れなので、引き続き、注意してほしい」と話している。

3月26日

B型インフル、検出続く―注意必要と感染研

(CBニュース)

 B型インフルエンザウイルスが継続的に検出されている。国立感染症研究所感染症情報センターが3月23日に開いたメディア意見交換会で、岡部信彦センター長は「B型のシーズンはこれから」と注意を呼び掛けた。
 同センターによると、1月4日から3月14日までに検出・報告されたインフルエンザウイルス2603検体のうち、2569件(98.7%)が新型で、B型が29件(1.1%)、A香港型が5件(0.2%)。依然として新型が大半を占めるが、B型も継続的に検出されている。B型の29件のうち13件は2月22日-3月7日の2週間に検出されたものだった。
 岡部センター長は、「B型の流行は例年3月から4月で、A型より遅れてやってくる」と説明。また、WHO(世界保健機関)のまとめではモンゴルや中国など東アジアではB型が主流になっていると指摘し、今後B型に注意が必要との認識を示した。

■ 季節性インフルエンザB型流行の恐れ ー福島県

(KFB福島放送)

 15日から21日の1週間に県内80の定点医療機関から報告があったインフルエンザの患者数は66人で、このうち12人が季節性インフルエンザのB型インフルエンザの患者だった。
B型の患者は前週は2人のみで、B型が流行する可能性が出ている。

■ 抗体との相互作用を解明 インフルエンザウイルス

(共同通信)

 インフルエンザウイルスの表面にあるタンパクが抗体や薬剤と結合する際に働く相互作用をスーパーコンピューター「地球シミュレータ」を使って解明することに田中成典(たなか・しげのり)神戸大教授らの研究チームが成功した。表面タンパクの構造が変化してウイルスの性質が変わる抗原変異の予測や、耐性ウイルスに効果が期待できる新たな薬剤の開発に役立つ成果だという。
 インフルエンザウイルスが体内で抗体と結合する場合は「ヘマグルチニン(HA)」と呼ばれる表面タンパクと抗体がくっつく。HAと抗体が結合した複合体の立体構造は2351個のアミノ酸から構成されるが、研究チームはアミノ酸1個ずつに働く相互作用をスパコンで計算した。
 すると、HAのある特定の領域に、抗体を引きつける力が働いていることが判明。この領域は、これまで知られていたHAの抗原性にかかわる部位とほぼ一致していることが分かった。
 また研究チームは、別のタンパク「ノイラミニダーゼ」とインフルエンザ治療薬タミフルとの相互作用についても計算。タミフル耐性の変異を起こす可能性がある部位も特定した。

3月25日

□ インフル下火で手洗いおろそか? ノロウイルス 患者増加 静内・富良野 一時警報レベル

(北海道新聞)

 ノロウイルス対策などのため、母親と一緒に手を洗う子供たち=札幌市子育て支援総合センター
 ひところは減っていた、ノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎の道内患者数が、今年に入って例年並みに増えている。静内と富良野の両保健所管内では、一時警報レベルを超えた。専門家は、新型インフルエンザ予防のため励行されてきた「手洗い」が、新型インフルエンザの流行が沈静化したため緩んだのではないかとみて、注意を呼びかけている。
 ノロウイルスは感染性胃腸炎や食中毒の原因となるウイルス。ほとんどが口から体内に入り、24~48時間後に吐き気や嘔吐(おうと)、下痢、腹痛などを起こす。
 ノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎は、例年11月ごろから件数が増え始め、12月から1月に流行のピークを迎え、4月から5月ごろにおさまる。
 道感染症情報センターの定点調査によると、今冬の感染性胃腸炎の道内患者数は、昨年11月2~8日の週は1定点当たり平均0・52人と、過去5年間の同期に比べて4分の1から10分の1だった。
 しかし、12月初旬から徐々に患者数が増え始め、1月18~24日には4・4人となり、直近の3月8~14日には4・45人と、昨年同期の2・7人に比べ約2倍になっている。
 昨年秋は、流行性角結膜炎(はやり目)など他の感染症も例年より発生が少なく、札医大の藤井暢弘教授(微生物学)や道の担当者は「新型インフルエンザ予防のための手洗いが徹底された結果ではないか」と考えていた。
 しかし、最近になって感染性胃腸炎が増えていることに、藤井教授は「新型インフルエンザの流行が落ち着き、手洗いなどに対する注意が薄れてきたのかもしれない」と話す。

3月24日

■ 都内初のタミフル耐性株確認

(産経新聞)

 東京都は24日、新型インフルエンザに感染した女児(12)から、都内初の抗ウイルス薬「タミフル」に耐性を示すウイルスが確認されたと発表した。国内64例目。女児は平成21年9月に発熱し、別の抗ウイルス薬「リレンザ」を処方され、症状が回復した。周囲への感染は確認されていないという。

■ 仏政府、インフルワクチン解約で補償金 製薬会社に支払い

(NIKKEI NET)

 フランス政府が発注した新型インフルエンザワクチンのうち約半分にあたる3億5800万ユーロ(約440億円)分を解約し、製薬会社に対し4800万ユーロ(約59億円)の補償金を払うことが分かった。仏紙フィガロが伝えた。仏政府は仏サノフィ・パスツール、英グラクソスミスクラインなど4社に9400万回分を注文していたが、これまでの接種は560万人にとどまっている。

■ 「スペイン風邪」と類似 新型インフルのウイルス

(共同通信)

 新型インフルエンザのウイルスは、1918年に発生したスペイン風邪のウイルスと構造的な特徴が似ており、スペイン風邪の時に獲得した免疫が新型にも働く可能性があることを、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)と米疾病対策センター(CDC)のチームが突き止めた。24日付の米医学誌に発表した。
 スペイン風邪のウイルスに感染した高齢者は、新型インフルエンザへの免疫を持っているとする報告はこれまでにもあったが、ウイルスの分析で裏付けられた格好だ。
 チームは、いずれも同じH1N1型である新型インフルエンザ、スペイン風邪、季節性インフルエンザのウイルスを調査。それぞれのワクチンをマウスに接種した上で、致死性のある新型インフルエンザウイルスを感染させた。
 新型とスペイン風邪のワクチンを接種したグループはすべて生き残ったが、季節性ワクチンのグループは多くのマウスが死んだ。逆に、新型のワクチンを接種したマウスにスペイン風邪ウイルスを感染させても生き残ったため、新型とスペイン風邪には共通の免疫が働くとみられる。

□ 個人情報…名簿あえて作ろう 新型インフル教訓、大阪府箕面市で珍しい条例

(産経新聞)

 災害や感染症の周知など緊急時に備えようと、自治会などの地域団体に住民らの連絡名簿作りを奨励する全国でも珍しい条例案が25日、大阪府箕面市議会で可決される見通しだ。個人情報保護の観点からこうした名簿を作らない傾向が進む中、不正に扱えば法的責任が生じることなどを指針に明記し、市がチェックして“お墨付き”を与える方式を採用。個人情報保護への過剰反応を懸念する消費者庁が「先進的な取り組み」と評価する一方、運用面で不安視する声もある。

◇ 消費者庁も関心

 新設されるのは、箕面市の「ふれあい安心名簿条例」。同市では昨年5月の新型インフルエンザ騒動の際、休校した19の小中学校のうち2校に名簿がなく、担任が全家庭への連絡に手間取ったことが教訓になった。学校の連絡網はその後整備されたが、「緊急連絡やコミュニティー醸成の観点から、自治会やPTAなどの団体でも名簿は有用」と判断した。
 条例では、登載者の同意を得て個人情報を集める▽名簿管理者を置く▽有効期限を設け、切れたら回収する▽個人情報を不正に扱えば法的責任が生じることを記載する-などの指針を策定。最終的に市が審査し、指針に沿っていれば認証番号を交付する。個人情報を集めやすくする狙いで、名簿作成を義務づける内容ではない。
ついて、市は「(市民向けの)説明会でも正しい理解を進めてきた」と自信をみせるが、市民の間には「情報漏れが心配」といった心配も依然存在する。
 個人情報保護に詳しい新潟大の鈴木正朝教授(情報法)は「安心して個人情報を提供してもらうためには、完成した名簿を認証するのではなく、個人情報を集める段階で、団体に対する市の認証があるほうがよいのではないか。条例案は中途半端な印象だ」と指摘。地域コミュニティーに生かす先駆的な取り組みだが、実際に条例を利用した名簿作りがどこまで広がるかは未知数だ。
 条例案は、本会議での可決を経て、4月1日から施行される予定。

3月23日

■ 「新型インフル対策は成功」=政府諮問委員長が会見で総括

(時事通信)

 政府の新型インフルエンザ対策本部専門家諮問委員会の尾身茂委員長が23日、東京都千代田区の日本記者クラブで記者会見し、諸外国と比べ死亡率を低く抑えることができたと述べ、「国の対策は成功だった」と評価した。
 尾身氏は一連の対策を総括し、「死亡率は圧倒的に低く、世界の中で優等生だ」と指摘。徹底した学校閉鎖や治療薬タミフルが患者に行き渡ったことが大きく影響したとした。
 空港での水際対策は「感染の拡大防止に一定の効果はあったが、(国内発生を想定した)次段階対策へのシフトが遅れた」と分析した。

(院長のつぶやき)この尾身茂氏の仕切った会議は「議事録が残されていない」という、常識外れの責任逃れ・証拠隠滅法を取ってます。検証は自分で総括するのではなく第三者に委託すべきでしょう。

(読売新聞)

 尾身教授は「個人的見解」としつつも、「最大の目標である重症化、死亡の防止は達成した」と評価。主な要因として、広範囲な学校閉鎖で地域への感染拡大が抑制されたと分析した。批判の多い空港検疫などの水際作戦については「やり過ぎだったとは思うが、あの当時、検疫強化を全くやらないことに国民は納得しただろうか」と疑問を呈した。

(院長のつぶやき)つまり「空港検疫は科学的根拠に基づくものではなく国民を納得させるためのパフォーマンスだった」と認めたことになります。帰する所、日本の国民性の問題なのかなあ・・・。

■ 余ったワクチンは国が買い取って 自民議連が要望

(産経新聞)

 新型インフルエンザワクチンが国内で大量に余り、医療機関や医薬品卸業者などでも在庫が出ていることを受け、自民党ワクチン政策議員連盟は23日、厚生労働省に対し、医療機関などの在庫ワクチンの買い取りを求める要望書を提出した。
 ワクチンは国産と輸入を合わせると約1億3千万人分が余っており、大量にワクチンを購入した医療機関などで在庫が出る見通し。
 副会長の塩崎恭久衆院議員は「多くの医療機関は、国の方針に協力してワクチンを購入している。国も対策を考えるべきだ」と訴えている。

(院長のつぶやき)自民党が厚生労働省を批判するなんて意外です。やはり官僚支配されていることの証明でしょうか。

■ 【インド】新型インフル感染確認ゼロに:累計感染確認3万人

 インド保健・家族福祉省は3月21日に、同日インド国内での新たな新型インフルエンザ感染確認はゼロだったと発表した。このところ、感染確認数は急減してきたが、21日はゼロとなった。この結果、3月21日現在、インドでの累計感染確認は3万57人と前日と同数のままだった。内訳はデリーで9,692人、マハラシュトラ州で5,822人、ラジャスタン州で2,199人、カルナタカ州で2,193人、タミルナド州で2,086人、ハリアナ州で1,944人など。
 また、21日の新型インフルエンザによる死者確認数もゼロで、累計死者確認数は1,428人のまま。累計死者数の地域別内訳は、マハラシュトラ州で397人、グジャラート州で301人、ラジャスタン州で197人、カルナタカ州で152人、デリーで95人、アンドラプラデシュ州で52人など。

(院長のつぶやき)日本のように迅速診断キットが普及しているわけではないので、その点を含みながら数字を読む必要があります。数字に表れてくるのは氷山の一角でしょう。

3月22日:世界の死者16813人超

■ 【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.92

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 3月14日時点で、WHOには、213ヶ国と地域で確定患者と、合計16813名以上の死亡者の報告があがっている。

2) パンデミックインフルエンザ伝播は東南アジアと西アフリカでもっとも活発な状態が継続している。限られたデータであるが、パンデミックインフルエンザ活動は、中央アメリカとカリブ海諸国の一部で増加している可能性があることを示唆している。パンデミックインフルエンザウイルスは、世界で循環しているインフルエンザウイルスの支配的なものであることが続いているが、季節性B型インフルエンザウイルスが東アジアでは支配的であり、東南アジアと東アフリカでは、低いレベルで検出されている。

3) 南アジアと東南アジアでは、パンデミックインフルエンザの伝播が最も活発な地域はタイである。タイでは重篤な容体や死亡者がでているものの、昨年6月から9月にかけてのピーク時にみられた活動を超えるようなものではないようだ。ミヤンマーでは呼吸器疾患活動2010年2月に検知されているパンデミックH1N1の感染ケースの増加に関連して活動が増加した後、減少している可能性がある。バングラディッシュでは、呼吸器疾患活動の増加の報告が、過去2週間確定件数の増加と増加している地理的なパンデミックインフルエンザウイルスの拡大によってでてきている。

4) 東アジアでは、パンデミックインフルエンザ活動は、日本、韓国、香港、台湾において、疾患率が通常のレベルに落ち着いているか、低いレベルの状態が続いているため、かなり減少が継続している。中国では、パンデミックインフルエンザ活動は相当なくなっているが、季節性B型インフルエンザの循環が継続している。モンゴルでは、インフルエンザ様疾患が最近急激に増加したが、これは、ほとんど季節性B型インフルエンザウイルスの循環が増加していることに関連している。加え、季節性B型インフルエンザウイルスは低いレベルであるが、東アジアや東南アジアの一部の国(日本、韓国、台湾、フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア、バングラディッシュ)で増加している。季節性インフルエンザのH3N2も、これらの地域のいくつかの国で検知されている。

5) 西アフリカでは、限定したデータであるが、パンデミックインフルエンザウイルスの活発な伝播が、活動の明確なピークの証拠がないままに、多くの国で継続している。パンデミックインフルエンザウイルスは、東西アフリカで循環しているインフルエンザウイルスでは支配的な状態が継続しているが、季節性B型インフルエンザやH3N2ウイルスも少数であるが検知されている。

6) 南北アメリカの熱帯地域、特に中央アメリカとカリブ海諸国では、限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が活発である可能性がある。ブラジルでは、過去2週間、地域的なインフルエンザウイルスの広がりに関連して、呼吸器疾患が増加する傾向があるが、全体としては低い深刻度であるとの報告がある。

7) 北アフリカと西アジアでは、限定されたデータとして、パンデミックインフルエンザウイルスが、地域全体で低レベルで循環している。アフガニスタンでは過去3週間、イラクでは過去2週間、地域的なインフルエンザの広がりにより呼吸器疾患活動の増加が報告されている。

8) 欧州では、全体としてパンデミックインフルエンザの伝播は、減少が続いているが、欧州東部と南部の一部で低いレベルのパンデミックインフルエンザウイルスの循環が継続している。パンデミックH1N12009ウイルスが、引き続き欧州地域では、支配的であるが、スウェーデンとロシアでは、季節性B型インフルエンザウイルスが、同等もしく、支配的との報告がある。

9) 南北アメリカの温帯地域では、パンデミックインフルエンザの伝播は、低いままで、ウイルスの循環は低いレベルである。

10) 南半球の温帯地域では、インフルエンザ活動は、全体として低いままで、パンデミック並びに季節性インフルエンザウイルスが散発的に検知されている。

(院長のつぶやき)北半球における新型インフルエンザは終息傾向で、一部地域にB型インフルエンザが小流行中のようです。南半球における2シーズン目の流行はまだ検知されていないようですね。

■ ワクチン234万人分、今月末に期限切れ 余剰の1億3千万人分に迫る使用期限

(産経新聞)

 新型インフルエンザの流行が下火となる中、スイス・ノバルティス社製の輸入ワクチン234万人分が今月末、使用期限を迎える。月内に使われなければ、廃棄される初の新型ワクチンとなる。ワクチンは国産と輸入を合わせると約1億3千万人分が余っており、今後も使用期限が来れば順次、廃棄される。危機管理として輸入分だけで1126億円もの公費が投入されただけに、国の判断には検証を求める声も出始めている。(蕎麦谷里志)
 厚生労働省によると、今月9日までに新型ワクチンを接種した人は約2300万人。ほぼ全員が国産ワクチンを接種した。当初は、接種希望者が殺到し「足りない」と混乱した新型ワクチンだが、結果的に接種したのは国民の約18%。約30%が接種する季節性インフルを大きく下回った。
 最大の原因はワクチン供給のタイミングが新型流行に間に合わなかった点にある。さらに、2回接種の予定が途中で原則1回に変わったことも、ワクチン余剰に拍車をかけた。
 その結果、現在は国産約3100万人分と輸入約9900万人分の計1億3千万人分が余った状態となっている。
 ワクチンにはすべて使用期限がある。短いのがノバルティス社製で、製造から半年間。それぞれ製造時期が異なるため、今月末に234万人分が期限を迎え、今夏には同社の2500万人分がすべて使えなくなる。国産は使用期限が半年と1年のものがあり、今年4月から順次、期限切れが出始める。
 輸入ワクチンの残り7400万人分をしめる英・グラクソ・スミスクライン(GSK)製のワクチンは使用期限が1年半と比較的長め。厚労省は「再流行した場合や来季にも使える」と期待する。しかし、来季は季節性と新型を1本に混合した新しいワクチンが登場するため、新型だけのワクチンを接種する人は限られる可能性が高い。
 厚労省では現在、輸入ワクチンについてメーカー側と一部を契約解約できないか交渉中。すでにドイツやノルウェーなどはGSKと契約したワクチンの約3割を解約することで合意している。
 ワクチン輸入に使われた税金は1126億円。厚労省は「危機管理上の判断だった」と強調している。ただ、元北海道小樽市保健所長で、インフルに詳しい外岡(とのおか)立人(たつひと)氏は「今回のように季節性と毒性が大きく変わらない新型インフルで、これほど大量のワクチンが必要だったのか。今後の検証が必要だろう」と話している。

3月21日

B型インフルエンザで小学校学級閉鎖--さいたま市 /埼玉

(毎日新聞)

 さいたま市は19日、中央区にある市立小学校3年の1クラスで季節性インフルエンザB型の患者が集団発生し、18~19日を学級閉鎖にしたと発表した。県内でB型の集団発生が確認されたのはこの冬初めて。16~17日に3年生のクラスで36人のうち12人が欠席した。2人が遺伝子検査を受け、B型の感染が確認された。全員軽症という。

(院長のつぶやき)とうとう季節性インフルエンザによる学級閉鎖例が出ました。今シーズン初報告ではないでしょうか。どこまで広がるのやら・・・。

■ インフルは終息したのか 警戒態勢に悩む自治体

(朝日新聞)

 新型の豚インフルエンザは終息したのか――。研究者らが慎重に推移を見守る一方、都道府県は国の対応に注目する。警戒態勢を解かずに第2波に備えるのか、いったん緊張を緩めて新たな体制づくりをするのか。政府の動きや研究者の発言をにらみながら、選択の道はさまざまだ。
 国立感染症研究所の調査では新型インフルの流行による患者数は11月下旬にピークを迎えた後に減少。19日の調査結果では2週連続で流行水準を下回ったが、季節性インフルならまだ流行シーズンのはずで、新型の再燃への懸念も残っている。
 しかし、地域で医療に携わる自治体にとって、住民にずっと警戒するよう呼びかけ続けるのは難しい。感染への注意を促すインフルエンザ警報は、発令した自治体の約6割にあたる約20自治体が解いたのに加え、知事をトップに据え、自治体や医療機関、企業や学校の連携を支える「インフルエンザ対策本部」を解散させる県が出てきた。
 大分県は15日、滋賀県は17日、それぞれ県の対策本部を解散した。「『最高の危機管理体制を敷く必要はない』との合意に至った」(大分県健康増進課)、「県民の感染予防行動が行き届いていた」(滋賀県ウェブサイトでの嘉田由紀子知事のメッセージ)とし、今後は「通常の危機管理体制」で応じるが、新型インフルウイルスの変異や、これまでと異なる年齢層などで集団感染があれば、速やかに対策本部に戻すという。
 残る45自治体は、対策本部を維持しているが、今後の政府の対応により、解散や規模見直しを考えている自治体が多い。流行の沈静化後、対策本部解散を検討したことがある北海道の山口亮・医療参事は、「ワクチンの在庫処理もあり、やはり国の動きを待たないと動きにくい」と話す。愛媛県の担当者は「感染症法上、新型でなくなるのは厚生労働大臣が宣言したときだ」と、判断を心待ちにする。
 次の流行に備えつつ、医療機関や学校、保健所などでの混乱が収まったこの時期に、昨年4月からの対応を振り返り始める自治体も出てきた。千葉県は、今月、検疫関係者への聞き取りに着手、病院や医師会へのインタビューも予定している。長野県も、夏前に報告書にまとめることを目指し、委員会を開いた。
 一方で、富山県など、厚生労働省の新型インフル対策の検証結果が出るのを待ってから県内対策のまとめに取りかかる、と考えている自治体もあり、検証のスピードには差が出そうだ。
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 厚生労働省の担当者は19日の会見で新型インフルは「終息傾向にある」との認識を示した。ただ「季節性インフルが今後新型に取って代わることや、新型が再流行する可能性は否定できない」として、ただちにいまの対策を見直す考えはない点を強調した。
 今後は、今月中にも、検疫やワクチン供給など今回の一連の新型インフル対策の課題を洗い出す専門家の委員会を開く。その上で、国内の情勢や世界保健機関(WHO)の判断をにらみつつ、患者の発生状況の定点観測(サーベイランス)をいつまで続けるかや対策本部の縮小などを具体的に検討していくという。
 厚労省幹部は「いますぐではないが、いまの状態が続けば、どこかのタイミングで、何らかの(終息に向けた)宣言はしなければいけないとは感じている」と話している。

■ 新型インフル、波去ったが… 再流行に備えワクチン準備

(朝日新聞)

 終息する可能性も出てきた新型の豚インフルエンザの流行。昨年5月、全国に先駆けて流行の第1波にみまわれた関西の学校では「あの騒ぎはなんだったのか」という思いが捨てきれない。マスクやワクチンのメーカーは今後の需要が読めない中、強毒性の鳥インフルエンザに備えた対応を始めている。
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 24時間フル稼働で生産を続けていた鳥取市のマスク製造会社「モチガセ」。需要が一気に冷え込み、今年初めから8時間に切り替えた。最大で67人いたアルバイトも姿を消した。
 新型の豚インフルエンザの感染がメキシコで確認された昨年4月以降、製造ラインを四つ増やした。それでも10月末には、約5千万枚の注文がさばき切れない状態だった。
 しかし、新型インフルが最も流行した11月、皮肉にも需要は落ち着いた。若林一夫社長(59)は「症状が思ったほどひどくないと分かり、マスクの必要性を感じなくなったのでは」と分析する。
 国内のワクチンメーカーの一つ、香川県観音寺市の「阪大微生物病研究会」に15日、厚生労働省から「今年のワクチンは季節性と新型を一つにまとめる」と連絡が入った。
 昨年は新型と季節性の2種類をつくった。7月下旬に季節性から新型の製造に切り替え、12月までに1ミリリットルの容器300万本分、成人約600万回分を作った。
 しかし、年明けから接種希望者が減り、ワクチンは各地で余った。今年の製造量は6月に決めるが、需要は読めない。同社の多田善一シニアマネジャー(62)は「鳥インフルエンザの大流行にも備え、ワクチンの製造、供給態勢を検証する必要がある」と言う。
 同社にワクチン製造用の有精卵を納めている香川県三豊市の養鶏場「豊光園」。昨年は通常なら7月いっぱいまでの産卵を10月まで延ばし、1日6万個を出荷し続けた。
 豊光園は、今年は備蓄用の鳥インフルワクチンが製造されると見越して、昨年末から4万羽を準備した。親鳥を仕入れてから産卵までに半年。国の方針を待っていたのでは、餌付けが間に合わないからだ。豊田諭謹(とよた・つぐのり)社長(59)は「新型インフル、強毒性の鳥インフル、季節性インフルと、国はどのワクチンの製造を優先するか、正確な情報に基づき的確に判断してほしい」と話した。
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 「おれたちだけ、なんであんな目にあわないけなかったんや」。大阪府寝屋川市内の府立高校3年の男子生徒(18)は今も不満を隠さない。
 昨年5月、語学研修先のカナダから帰国したとたん、同行した生徒らの国内初感染が確認され、その濃厚接触者として成田空港近くのホテルで1週間足止めされた。
 この男子を含む30人近い生徒は、ホテルの別々の部屋に一人ずつ閉じ込められた。国内への感染拡大を食い止める「水際対策」とされたが、感染はすでに広まっていた。男子生徒がようやく自宅に戻った翌日、神戸市で渡航歴のない高校生の感染が確認された。
 新型インフルは弱毒性とわかり、水際対策や感染者らの隔離はまもなく中止。秋からの流行第2波では、学級閉鎖の基準も季節性並みになった。生徒に感染者が出た寝屋川市の高校の校長は「私たちが巻き込まれた騒ぎは何だったのか」と話す。
 昨年5月、100人を超える感染者が出た大阪府茨木市の関西大倉中学・高校では6月から8月にかけて、校内の手洗い場を改修。手をかざせば水が出る「自動蛇口」にし、温風で手を乾かすドライヤーも設置した。いずれも感染対策だ。
 風評被害は深刻だった。職員がタクシーの乗車を拒否されたり、生徒の制服のクリーニングを断られたり。テレビでさびた蛇口が映され、「古い校舎だから感染が広まった」との憶測も広がった。
2週間の休校が明け、学校が再開すると、生徒たちに手洗いとうがいを徹底させた。
 9~10月、流行の第2波がピークを迎えた。終息は他校より早く、12月以降の学級閉鎖はゼロだった。
 高校の受験者数の減少も心配したが、前年より約200人増えた。宮之前隆春校長(72)は「誠実に情報を出したことが評価されたと思っている」と話した。

■ 来季の備え 呼びかけ ー岡山県

(朝日新聞)

■新型インフル 岡山県注意報解除
 新型インフルエンザの県内での流行が、ひとまずおさまってきた。1医療機関あたりの患者数が2週連続で1人を切ったため、県は11日に「インフルエンザ注意報」を解除した。ただ専門家は「アレルギー体質の子、まだ感染していない子は、来季に備える必要がある」と注意を呼びかけている。
■専門家「秋に接種を」
 県内の感染拡大は昨年9月中旬ごろで、11月下旬にピークを迎えた。主要な84医療機関での患者数は、11月23~29日に1医療機関あたり50・65人まで膨らんだ。大半が新型だったとみられている。
 特に子どもの感染に注意が必要なこともわかった。新型の症状は季節性とほぼ同じとみられていたが、子どもは重症化しやすかったのだ。日本小児科学会の集計によると、入院患者の8割が15歳未満。同学会新型インフルエンザ対策室長の森島恒雄・岡山大教授は「特に子どものウイルス性肺炎が多発し、全国で5千から1万人の小児が入院したのでは」と推測している。
 来季も、今季とほぼ同型のウイルスが現れるとみられ、森島教授は「アレルギー体質の子は重症化しやすい。それに、今回感染しなかった子もワクチンを接種した方がいい」と話す。
 ただしワクチンの効き目は5カ月ほど。森島教授は秋ごろに改めて接種するよう呼びかけている

■ 新型インフル、妊婦への危険性「考えられていたよりも高い」 研究

(AFP BBNews)

 妊娠した女性が新型インフルエンザA型(H1N1)に感染した場合の危険性が、これまで考えられていたよりもはるかに高いとの調査結果が、19日の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal、BMJ)」(電子版)に掲載された。
 H1N1の流行が始まった直後の前年4~5月に米国で女性を対象に実施された調査では、妊娠した女性が入院の必要な深刻な症状を発症する可能性は、妊娠していない女性と比べて4倍の高さだった。
 しかし、今回の調査結果によれば、妊娠した女性の危険性は7~13倍の高だったという。
 論文によれば、オーストラリアとニュージーランドでは、前年6月1日から同8月31日の間に新型インフルに感染して集中治療室(ICU)で治療を受けた出産可能な年齢の女性は209人だったが、そのうち64人が妊娠中または出産直後の女性だったという。入院した女性のうち3分の1近くが妊娠中また出産直後の女性だったことになる。
 妊娠中の女性の死者は7人に上り、乳幼児の死者は3人、死産も4例に上った。22人が早産で、新生児用ICUで治療の必要な乳児は32人だった。妊娠中の女性に対しては季節性インフルエンザのワクチン接種が推奨されているが、ワクチンを接種していた女性は1人もいなかったという。

□ 過去のインフルエンザはもっと危険だった

 一方、カナダのトロント大学(University of Toronto)で救急利用の薬学を研究するスティーブン・ラピンスキー(Stephen Lapinsky)教授は、BMJ誌の解説記事で、新型インフルエンザの妊娠中の死亡率は高いものの、過去に流行したインフルエンザほど高くはないと指摘した。
 1918~19年に世界で大流行し、数千万人が死亡したインフルエンザ「スペイン風邪」では、妊婦の死亡率は最大27%だったとの研究もある。また1957~58年に200万人が死亡した「アジア風邪」では、出産可能年齢の女性の死者のうち半数は妊娠中だったとされている。
 ラピンスキー氏は「妊婦がH1N1に感染すると死亡率が上がるという証拠があるものの、妊婦に対する危険性は当初の見込みよりも低いものだった」と述べ、その理由としてワクチン接種を推奨したり、インフルエンザ感染の症状を感じた女性に早い時期から抗ウイルス薬を投与したことなどが考えられるとしている

■ サーベイランス体制の見直しを検討―インフル対策で厚労省

(医療介護CBニュース)

 厚生労働省は3月19日の記者会見で、新型インフルエンザが終息傾向にあることを受けて、対策の見直しを検討していることを明らかにした。医療提供体制を維持する一方、サーベイランス体制を見直す方針で、月内には方向性を示す。
 同省健康局結核感染症課の江浪武志課長補佐は会見で、新型インフルエンザは「終息傾向にある」との認識を示した上で、「サーベイランスに関しては、これまでも患者が増えてくる中で順次見直してきた。流行状況を踏まえて、何か見直す必要があるのかを検討している」と説明した。
 一方、医療提供体制については、「いつ次の流行が起こってもおかしくない。引き続き感染対策を十分にやっていただく必要がある」と述べ、現行の体制を維持する考えを示した。
 現在、インフルエンザについて実施しているサーベイランスは、インフルエンザ定点医療機関の患者報告のほか、休校数と入院患者数の把握、死亡症例の即時報告など。このうち入院患者数の把握と死亡症例の即時報告は、新型インフルエンザの発生後に開始した。

(院長のつぶやき)「ワクチン返品不可」など医療機関を散々いじめておいて、今後もボランティアのサーベイランスに協力してくれると思っているんでしょうか?

3月20日

■ インフルエンザ患者、2週続けて「流行」の水準割る

(朝日新聞)

 国立感染症研究所は19日、最新の1週間(3月8~14日)に全国約5千の定点医療機関を受診したインフルエンザ患者は、1医療機関あたり0.51人(前週0.77人)だったと発表した。昨年8月中旬に全国的な流行期に入ったことを示す「1人」を超えてから、2週連続で1人を割り込んだ。ほとんどが新型インフル患者とみられている。
 都道府県別でも1人を超えたのは、富山(1.79人)、佐賀(1.77人)、新潟(1.73人)、山形(1.52人)、岩手(1.42人)の5県だけ。
 同研究所の岡部信彦・感染症情報センター長は、「流行は終わりつつあるというのは事実だが、終息ではなくて小康状態というのが適当だ。夏場に向けて流行しないとは言い切れない」と話している。

■ インフルエンザ:県内の小学校、学級閉鎖ゼロに /群馬

(毎日新聞)

 インフルエンザによる小学校の学級閉鎖が3月8日~12日の週は県内でゼロだったことが18日、県教委のまとめで分かった。週の大半が連休だった9月21日~25日の週と、冬休みと重なる1月4日~8日の週を除けば、夏休み後で初めてゼロになった。幼稚園、中学校、高校は既に学級閉鎖ゼロが3~4週続いており、新型インフルエンザの流行が終息状況にあることを示す数字となった。
 県教委によると、夏休み後に学級閉鎖などの対応を取った小学校数のピークは、11月16日~20日の週の167校。年明けは1月18日~22日の週の28校を最高に減少傾向にあり、3月1日~5日の週は2校にとどまっていた。

■ 6割超解約に向け交渉 輸入新型ワクチンで厚労相

(共同通信)

 長妻昭厚生労働相は19日、英国のグラクソ・スミスクライン社、スイスのノバルティス社と購入契約を結んだ新型インフルエンザの輸入ワクチン計9900万回分のうち6割超に当たる6300万回分について、解約できないか両社と交渉していると明らかにした。
 長妻厚労相は「契約数量のすべてを今月末までに日本に引き渡す契約となっており、3600万回分は(既に)在庫として日本にある」と説明。この在庫は備蓄に回し、未入荷分を解約する方向で「2社と厳しい交渉をしている」と話した。
 厚労省によると、輸入ワクチンの出荷は2月までに約2400回分。大半は余る見通しとなっている。

(院長のつぶやき)国内の医療機関からの返品希望にも対応してください。

■ 長野県新型インフル対策委が予防接種呼び掛け

(中日新聞)

 医療関係者らでつくる「県新型インフルエンザ対策委員会」が18日、県庁で開かれた。先週のインフルエンザ患者届け出数は昨年7月以来の低水準になったが、小林良清・県健康づくり支援課長は「予防接種の重要性は変わっていない」と述べ、重症化を予防するワクチン接種を引き続き呼び掛けた。
 同課によると、県内の定点医療機関あたりの患者届け出数(第10週、8~14日)は0・75人。流行の指標とされる1人を下回るのは8カ月ぶり。
 昨年12月までの県へのワクチンの供給量は約54万回分で、接種回数約37万回を上回り、余剰が生じているという。

(院長のつぶやき)流行が治まったところで「ワクチンが重要です」と云われても・・・。

■ 豚肉貿易再開で米中合意

(NIKKEI NET)

 米通商代表部(USTR)は18日、米国産の豚肉と関連製品の中国への輸出を再開することで両国が合意に達したと発表した。中国は豚に由来する新型インフルエンザの流行で、2009年5月から米国産豚肉の輸入を停止していた
 08年の米国からの輸出額は2億7500万ドル(約250億円)。カークUSTR代表は「国際的に通用する科学的な基準をベースに判断すると中国側が確約したことを歓迎したい」との声明を発表した。

(院長のつぶやき)「食べての感染しない」とされていますが、これは?

3月19日

 新型インフルに関するニュースがほとんど見かけなくなりました。当院のインフル陽性患者さんも今週はゼロ更新が続いています。

■ 消防機関の新型インフル対策で報告書-消防庁

(医療介護CBニュース)

 総務省消防庁はこのほど、「消防機関における新型インフルエンザ対策検討会」の報告書を公表した。新型インフルエンザへの対応について、「発熱相談センターの有効性が高く評価されている」と指摘。同センターに相談することによって住民は冷静な対応ができ、その結果、「不要不急の救急要請が抑制され、救急搬送全体が逼迫することなく機能した一因となっているとされている」としている。
 同検討会は、消防機関における新型インフルエンザ対策の一層の強化や、業務継続計画ガイドラインの改定を行うため、昨年8月から計3回開かれた。新型インフルエンザへの対応の状況や、消防機関における新型インフルエンザ対策のための業務継続計画ガイドラインの改定について議論した。

□ ノロウイルス、手洗いに注意!

(日本テレビ)

 ノロウイルスの集団感染が相次いでいます。予防には手洗いが効果的ですが、去年流行した新型インフルエンザとは対策が異なるため、注意が必要です。
 札幌市内の保育園です。食事の前やトイレに行く度に子ども達は、十分な手洗いをします。そして先生方も、汚物などの処理にノロウィルスに強い酸性水を使うなど、感染予防の対策を徹底しています。
(発寒ひかり保育園・早坂菜未さん)「汚物を処理した後に、子どもに感染しないよう、ふた付のバケツに入れて処理しています」
 ノロウイルスは、感染するとおう吐や下痢、発熱の症状が出て、高齢者や乳幼児など抵抗力の弱い人は、重症化することもあります。先週、千歳保健所管内の幼稚園でノロウイルスとみられる集団感染が発生し、園児ら42人が下痢などの症状を訴えました。道内では、ことしに入って76件、1850人が集団感染していて、去年を上回るペースで増えています。
 (道保健福祉部・山口亮医療参事)「毎年11月から患者が増えたり集団感染が起きてる。ピークが少し後にずれぎみ。今後、拡大する可能性があるので、ノロウイルスの対策には注意して欲しい」
 ノロウイルスは、汚染されたものを直接食べなくても、感染した人が調理した食品を食べたり、おう吐物を処理したときに感染します。予防には、注意しなければならない点があります。
 (道保健福祉部・山口亮医療参事)「(ノロウイルスに)通常アルコール消毒は効きにくい。塩素系の消毒剤を使うことが大事」
新型インフルエンザでは、アルコール消毒が有効でしたがノロウイルスでは、効果がありません。1番の予防法は、石けんを使って指の間などよく手を洗うことです。感染を防ぐために、注意が必要です。

3月18日

新型インフルエンザ・ワクチン、大量余剰9900万人分の教訓

(東洋経済)

 新型インフルエンザの輸入ワクチンが大量に余っている。2月の出荷開始以来、接種したのはたった2336人(3月1日時点)。にもかかわらず、政府は海外のワクチンメーカー2社と3月末までに9900万人分を輸入する契約を結んでおり、費用は1126億円に上る。
 長妻昭厚生労働相は「(解約について)話を進めている」と言うが簡単ではない。大量キャンセルとなれば海外メーカーとの信頼関係が崩れ、次のパンデミック時に日本は後回しにされる可能性がある。
 片や昨年10月に開始した国産ワクチン接種者は2274万人で、こちらも1000万人分超の余剰が生じている。
 昨年の流行時は「ワクチンが足りない」と騒動になったのに、なぜ余ったのか。背景には複数の要因が絡み合う。
 まず、接種回数の議論がギリギリまでもつれた。10月には2回だったが、12月中旬に1~12歳児以外は1回となり、国産品の供給可能量が5割近く膨らんだ。並行して輸入品の調達にも奔走。全国民分の確保を目指して9900万人分発注した結果、国産・輸入合計で約1億4000万人分を抱えることとなった。
 ところが、接種率は伸び悩んだ。政府の新型インフルエンザ対策本部の専門家諮問委員会・尾身茂委員長(自治医科大学教授)はこう分析する。「初期に学校閉鎖を広範囲で実施したため、感染は学童に集中した。欧米と違って地域への感染拡大が抑制でき、高齢者を含む成人への感染が少なかったので、ワクチンの必要性が感じられなかった」。
 一方、医療機関の見方は異なる。大阪府保険医協会は「必要なときになかった」と振り返る。昨年末にかけて希望者が押し寄せたときは、優先者以外は断るなど混乱を極めた。だが現在、接種者はほとんどおらず、府内で4割の医療機関が在庫を抱えて困っているという。にもかかわらず「厚労省は新型ワクチンの返品を受け付けない」と憤る。
 新型ワクチンは接種に3800円程度が必要だったことも、思うように接種率が伸びなかった要因だろう。
 流行は終息へ向かっているが、第二波の可能性もぬぐえない。今後は強毒性ウイルス流行のおそれもある。9900万人分の余剰を教訓に、国内外の調達体制を改めて見直すべきだ。

■ 新型インフル搬送、17%の消防で混乱…消防庁調査

(読売新聞)

 新型インフルエンザの発生時、全国の803消防本部の17%に当たる136本部が、医療機関や保健所との事前調整が不十分で患者をスムーズに救急搬送できなかったことが、総務省消防庁の調査でわかった。
 同庁が1月に行った全国調査に、136本部が「搬送が円滑には実施できていない」などと回答。うち83本部が、理由として事前の調整不足で受け入れ先の医療機関選びが混乱したことを挙げた。兵庫県や北海道では、発熱外来に患者が殺到して医療機関が消防本部の緊急搬送に対応できないケースがあったという。
 調査ではまた、消防本部と保健所のどちらが緊急搬送を担当するかを事前に決めていたのは363本部(全体の45%)で、協議をしていない本部が352(44%)に上った。
 このほか、65本部が一時的にマスクなどの感染防止資材が不足。18本部が救急隊員全員にワクチンを接種できなかったとした。
 調査結果を受け、同庁は、各消防本部に保健所や医療機関との連携体制の再確認を求める方針だ。

3月17日

■ 接種優先順位、専門家ら見直し指摘 ー京都府、京都市が新型インフル会議

(京都新聞)

 京都府、京都市合同の新型インフルエンザ対策専門家会議が16日、上京区の平安会館で開かれ、ワクチン接種者が府民の1割程度にとどまったことに対し、専門家から「完全な失敗だった」と接種の優先順位の見直しを求める指摘が相次いだ。
 会議には、医師や弁護士など9人が出席した。府はワクチン接種者が府民全体の12%だったことを報告した。昨秋の大流行時にはワクチン不足で接種が伸びず、年明けに必要量が確保できたときには流行が下火になり、希望者が少なかったことなどを理由に挙げた。
 南京都病の倉澤卓也院長は「大半の子どもが感染した後に接種が始まった。医療関係者より子どもを優先すべきだった」と指摘した。京都産業大法科大学院の川本哲郎教授も「高校生と浪人生の接種時期に差がついた。受験生の理解は得られまい」と述べた。現場の医師からは「医療従事者でも小児科の医師を最優先とすべきだ」との意見が出たほか、接種開始当初は子どもへの投与を望む保護者の電話が鳴りやまず、パニックになった様子も語られた。
 こうした指摘に対し、府は病院へのワクチン配布時期や接種の優先順位は国の指示で、自治体に権限がなかったと説明した。浅田良純・府健康福祉部長は「自治体が実情に応じて自由にやることも必要」と述べ、課題を検証し、強毒性の新型インフルエンザの流行対応に役立てる方針を示した。

(院長のつぶやき)今回の新型インフルエンザ対策の失敗の一つの要因は、現場を知らない国が協力に管理したことだと思います。予防接種行政は自治体と地元医師会の協力関係で成り立ってきましたが、この動きが封じ込まれてしまったのです。現場の混乱は皆さんご存じの通り。

■ 京都府民の接種、12%どまり

(京都新聞)

 新型インフルエンザのワクチン接種で、京都府内の接種者は約30万人で府民全体の12%にとどまり、医療機関などに大量の在庫が残っていることが16日、京都府、京都市合同の専門家会議で明らかになった。高校生以下の子どもの接種率も15%程度と低く、接種開始時に感染のピークが過ぎていたことが原因とみられている。
 ワクチンは国が都道府県に配分し、国が定めた優先順位に基づいて、昨年10月19日から医療関係者で接種が始まった。持病のある人と妊婦▽小学3年生以下▽高校生以下-の順で対象者を広げ、1月18日から府民全員に接種を呼び掛けた。
 府と市によると、2月末までのワクチン接種者は30万4千人。持病のある人は13万7千人が接種し、対象者の76%に達した。医療関係者は希望者6万人のうち、4万5千人が接種を受けた。
 しかし、感染時に重症化が懸念された妊婦は8400人で接種率は37%と低く、小学3年生以下は4万7千人で24%、小学4年生以上は4500人で6%、中学生は5500人で8%、高校生は4800人で7%にとどまった。成人の接種者は1万7千人で、わずか1%だった。
 接種が伸びなかったことで、当初品薄だったワクチンが大量に余り、府内の医療機関に5万人分、業者に25万人分が残っていることも明らかになった。
 接種率が低かった理由について、府は「感染のピークは10月下旬から11月上旬だったが、ワクチンが確保できて子どもへの接種が始まったのは11月末以降と遅れた。すでに感染した子どもが多く、接種を希望しなかった」と説明している。

(院長のつぶやき)もう一つの問題は「予防接種が流行と同時並行で行われたこと」。今回の反省を次回の流行に生かしてほしいものです。

3月16日

■ 来季は季節性と新型、一度に接種 インフルワクチン

(共同通信)

 次のインフルエンザ流行シーズンに備えるワクチンについて厚生労働省は15日、新型と、季節性のA香港型、B型の3タイプのウイルスを対象にすることを決め、三つを組み合わせたワクチンの製造を国内メーカーに依頼する方針を明らかにした。
 季節性と新型のワクチンを一度に接種できるようになる。厚労省は接種を受ける人の経済的、身体的な負担が少ないことを利点に挙げた。
 新型だけのワクチン接種を希望する人には、今シーズン使われなかったワクチンを備蓄して対応するという。
 今シーズンに向けたワクチンは当初、季節性のA香港型、Aソ連型、B型を組み合わせたワクチンで、新型流行を受けて新たに新型のワクチンを製造した。世界保健機関(WHO)は2月、来シーズンに向け、Aソ連型を新型に置き換えるよう北半球向けに推奨、日本もこれを受け入れた形。

■ 熊本県でインフルエンザウイルスAH3亜型を分離

(熊本県保健環境科学研究所)

 熊本県では2010年3月に2009/10シーズン初めてインフルエンザウイルスAH3亜型を4株検出した。
検体提供者は同じ保育園に通う3~5歳の園児であり、この中の一人の園児が1月にA型インフルエンザに感染しており、今回も迅速診断キットでA型陽性であった。このため小児科病原体定点医が季節性インフルエンザを疑い、当研究所に検査依頼があった。
 検査材料(鼻腔ぬぐい液)は2月25日~3月1日にかけて5検体採取され、そのうちの4検体でリアルタイムPCR法およびコンベンショナルPCR法によりAH3亜型が確認された。
 2010年に入りAH1pdmの流行は終息しつつあるが、今回熊本県で分離されたAH3亜型を含め、複数の都道府県で確認され始めているB型については、今後も病原体サーベイランスを強化しながら監視していく必要があると考えられる。

(院長のつぶやき)つまりA香港型が検出されたと云うことです。どれだけ流行るのか見当がつきません。

3月15日:世界の死者16713人超

 日本ではすっかり流行が終息した感がありますが、世界を見渡すと東南アジアや西アフリカの一部ではまだくすぶっているようです。毎年このシーズンに流行する季節性のB型インフルエンザも規模は小さいながらも見られているようですね(当院ではまだゼロですが)。

■ 【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.91

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 2月28日時点で、WHOには、213ヶ国と地域で確定患者と、合計16713名以上の死亡者の報告があがっている。

2) パンデミックインフルエンザの伝播が最も活発な地域は、現在東南アジアですが、パンデミックウイルスの低いレベルの循環は、アジアの他の地域や欧州東部、東南部で残っています。西アフリカでは、限られたデータですが、インフルエンザウイルスの伝播がこの地域では増加している可能性があります。特筆すべきことは、季節性のB型インフルエンザがアジアで検出されることが多くなっていることで、西に拡大しているようです。

3) サハラ以南では、パンデミックインフルエンザウイルスのコミュニティー内での伝播の進行が西アフリカの一部で増加していることを示しています。活動のピークは明確ではありません。パンデミックインフルエンザウイルスの検出が増加していることが観察されているのは、セネガルやコートディボワールを含むいくつかの国の定点サベイランスが行われているところです。ルワンダにおいてもインフルエンザ活動が最近増加しているとの報告があります。アフリカの東部と南部の大部分の国では、2009年11月、2009年の夏にそれぞれ、パンデミックインフルエンザ活動のピークを経験しています。

4) 南アジアと東南アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスの循環が、多くの国で残っていますが、2010年1月中旬よりタイでは、伝搬が最も活発です。タイの県全体の半分程度で、外来患者の10%以上の人が、インフルエンザ様疾患の治療を求めています。タイでの現在の症例数の増加は、2009年6-9月の伝播のピーク時期よりもかなり低い状態です。

5) 東アジア:パンデミックインフルエンザ活動は、減少が継続しているか、日本や韓国のように例年のレベルにインフルエンザ様疾患のレベルが低い状態になっています。モンゴルでは、インフルエンザ様疾患活動が、最近急激に増加していますが、これは、季節性B型インフルエンザウイルスが再度増加していることに大きくかかわっています。中国では、2009年11月にピークに達して以来、パンデミックインフルエンザ活動は、減少していますが、全体としてのインフルエンザ活動は、高いままで、これは、季節性B型インフルエンザウイルスの循環が増加していることが大きく影響しております。

6) 欧州では、パンデミックインフルエンザ活動は低下傾向が続いており、欧州の東部や東南部の一部で低いレベルでのパンデミックウイルスの循環が続いている。パンデミックH1N12009ウイルスは、欧州で支配的に循環しているウイルスであるが、ロシアとスウェーデンは例外で、季節性B型インフルエンザウイルスが、同等もしくは支配的であると報告されている。

7) 南北アメリカの北部と南部の温帯地域では、パンデミックインフルエンザの伝播は、全体的に低く、インフルエンザウイルスは、低いレベルの循環が継続している。中央アメリカでは、ニカラグアやホンジュラスは、呼吸器疾患活動が若干増加していると報告されているが、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播とどの程度まで関連しているか不明である。 

8) パンデミックインフルエンザウイルスは、世界的に循環しているインフルエンザウイルスでは支配的なものではあるが、季節性B型インフルエンザウイルスの循環の増大が、アジア、欧州東部、東アフリカで継続している。特に、顕著な国は、中国、モンゴル、イランとロシアである。

■ 新型インフルで20代男性が死亡 ー長野県

(朝日新聞)

 県は13日、新型インフルエンザに感染した中信地方の20代男性が、12日に呼吸不全で死亡したと発表した。男性は神経疾患の持病があったが、因果関係は不明だという。新型インフルエンザによる死亡は県内5例目。
県健康づくり支援課によると、男性は2月20日に40度の発熱があり、タミフルを処方された。22日に呼吸不全となったため入院し、集中治療室で人工呼吸器を装着し治療を受けていた。新型インフルエンザへの感染は24日の検査で確認された。同課は「流行は終わっておらず、引き続き予防を」と呼び掛けている。

3月14日

■ 輸入ワクチン行き場なく 新型インフル一段落、期限切れも

(共同通信)

 国内での新型インフルエンザ流行が一段落する中、政府がスイスのノバルティス社と英国のグラクソ・スミスクライン(GSK)社から計1126億円で買い付けた輸入ワクチン9900万回分が行き場を失っている。
 昨年10月の売買契約締結の発表時には2回必要とされていた接種は、その後、1回で効果ありとして回数が変更された。この時点で国産の5400万回分と合わせると全国民分を超える量が確保され、ワクチンが余ることが確実になった。厚生労働省は現在も、メーカーと余剰分の解約に向けた交渉を続けている。
 有効期間が製造から6カ月とされるノバルティス社製のうち、2月3日に出荷予定だった234万回分は、引き合いのないまま今月末に使用期限を迎える。これまでに出荷されたのは、山形など4都県から発注のあった136回分のみだ。
 GSK社のワクチンは有効期間が18カ月と長いが、販売単位が1箱50回分と大きいため「一度に使い切れない」と医療機関から敬遠され、今シーズン中の出荷のめどは立っていない。
 厚労省のまとめでは、1月末までに国産ワクチン接種を受けた人は約1800万人。国産の需要も急減している。

(院長のつぶやき)病院や開業医には「余っても返品不可」と責任を押しつけた厚労省。さて、国単位では返品交渉をしているんですねえ。それでも余ったらどう責任を取ってくれるんでしょう・・・赤字分を厚労省職員給料から天引きかな。それくらいやらないといじめられた医者は納得しませんよ。

■ 新型インフルエンザ:ワクチン接種は2278万人

(毎日新聞)

 新型インフルエンザワクチン接種が可能になった昨年10月から今月9日までに推定2278万6533人が受けたと、厚生労働省が12日、発表した。医療機関に納入された出荷量から分析した。
 接種後の死者は131人で、うち3人が医療機関から「接種との関連あり」と報告された。

(院長のつぶやき)上記ニュースとソースは同じと思われますが、接種者の数字が随分違いますね・・・。

■ <新型インフル>今春に再流行の恐れ、当局がワクチン接種を呼びかけ

(Record China)

 2010年3月11日、中国疾病予防コントロールセンターウイルス予防管理所の舒躍龍(シュウ・ユエロン)副所長は中国衛生部が同日行った新型インフルエンザ予防に関する記者会見で、中国南部で今年の春から夏にかけて新型インフルエンザが新たに大流行する恐れがあると述べた。12日付で新京報が伝えた。 統計によると、今年3月7日までに中国では31省(自治区、直轄市)で新型インフルエンザの確定診断例が12万7427件出ており、うち重症例は8320件、死亡例は796件。重症発病例と死亡例のピークは09年12月上旬で、その後次第に下降している。
 舒副所長は、インフルエンザの特性やこれまでの例から、インフルエンザの大流行は通常2年以上続き、その後季節性インフルエンザに移行するため、今回の新型インフルエンザの世界的流行もしばらく続くだろうと述べた。
 最近の血清学データによると、新型インフルエンザの抗体を持つ中国人は30%程度とみられ、慢性疾患患者、高齢者、妊婦、肥満者はワクチンを接種することが望ましい。舒副所長は、今ワクチン接種を受けることが、将来発生するかもしれない大流行に備える意味でも非常に重要だと述べた。

(院長のつぶやき)流行予想の根拠は?

3月13日

■ 新型インフル流行収まる 7カ月ぶり「1人」未満に 

(共同通信)

 国立感染症研究所に全国約5千の定点医療機関から報告された3月1~7日のインフルエンザ患者が速報値で1機関当たり約0・8人となり、全国的な流行入りの指標となる1・00人を下回ったことが12日、厚生労働省への取材で分かった。ほとんどが新型インフルエンザとみられる。
 昨年8月10~16日の週に1機関当たり1・69人となり全国的な流行入りが宣言されてから、1人を下回るのは約7カ月ぶり。昨年7月から今年2月までの累計患者数は推定2059万人と、過去10年で最大級のインフルエンザ流行となった。
 流行終息の指標は決まっていないが、長妻昭厚労相は12日の記者会見で「第2波が来ないとは断言できない。状況を注視しながら取り組みを続ける」と話し、次の流行に備える時期だとの認識を示した。
 今季の流行のピークは昨年11月23~29日の週で、1機関当たり39・63人だった。

■ 新型インフルエンザ:死亡女性の耐性ウイルス感染確認 /福岡

(毎日新聞)

 北九州市は11日、新型インフルエンザに感染し先月13日に死亡した市外の女性(42)が、治療薬タミフルが効きにくい耐性ウイルスに感染していたと発表した。耐性ウイルスの確認は全国で62例目で、市内では初めて。
 市保健衛生課によると、女性は昨年12月28日、血液疾患のため市内の病院に入院。1月8日にタミフルを投与されたが、2月13日にサイトメガロウイルス感染による肺炎で死亡した。

■ 国産インフルワクチン生産へ 第一三共、北里研と連携

(共同通信)

 第一三共は12日、インフルエンザワクチンの仕入れ先である北里研究所(東京)と連携して、同ワクチンを生産する方針を発表した。今後、具体的な連携の方法や開始時期を検討する。同日公表した2010年度から3年間の中期経営計画に盛り込んだ。
 第一三共はこれまで同ワクチンの販売だけを手掛けていた。同社は単独での生産も検討したが、北里研究所のノウハウを生かせるとして連携することにした。
 中期計画には、国内でインフルエンザ治療薬「ラニナミビル」を発売することや、後発医薬品の販売を促進することも盛った。アジア事業などを強化し、12年度に売上高1兆1500億円(09年度は9600億円の見込み)を目指す。

3月12日:国内死者197人

 流行そのもののニュースは減り、周辺事情に関するニュースが増えました。

■ インフルほぼ終息 ー群馬県

(読売新聞)

 群馬県内の1医療機関あたりのインフルエンザ患者数は、最新の1週間(今月1~7日)に0・78人となり、厚生労働省が流行開始の基準としている1人以上を約7か月ぶりに割り込んだ。県は、大半が新型インフルエンザとみられる今季の流行は終息に向かっていると判断している。
 県保健予防課によると、今季の流行期の始まりは、昨年8月17~23日の週で、1医療機関あたりの患者は1・09人だった。
 その後患者は増え、10月12~18日には11・25人と注意報基準の10人を上回り、11月9~15日には34・46人と30人を超え、警報が出された。ピークは翌週の同月16~22日で、42・80人となった。
 年が明けて1月4~10日に警報が解除されると、患者数は1ケタ台で推移し、減っていった。
 同課によると、流行の動向を全国平均と比較すると、県内では遅れて患者数が増えていったものの、減少に転じて以降は全国よりもやや早いペースで終息に向かっている。
 県などに寄せられた相談者数はピークだった昨年10月の3719人に比べ、2月は198人と5%にまで落ち着いている。

■ ワクチン接種26%止まり ー青森県

(読売新聞)

 新型インフルエンザワクチンの優先接種対象者60万4000人のうち、実際に接種を受けた人が26・5%の16万21人(1月末現在)にとどまっていることが11日、わかった。季節性インフルエンザワクチンの接種率(20~30%)とほぼ同じで、流行のピークが過ぎた12月以降、感染者が減少し、県民の危機意識が薄れたことなどが原因とみられる。
 対象別にみると、最も割合が高かったのは、妊婦の68・1%。定期健診とあわせて接種を受けたケースが多かったほか、流行が拡大していた11月上旬に接種が始まったため、関心が高かった。
 感染が目立った若年層では、1歳から小学校低学年で44・3%と高く、小学校高学年は28・7%、中学・高校生は21%と、年齢が高いほど割合は低かった。65歳以上は21・9%だった。

■ 新型インフル 治療薬充実

(読売新聞)

 新しいインフルエンザ治療薬が続々と登場している。発症直後から重症化しやすい新型インフルエンザの流行を受け、製薬各社が開発を急いでいるからだ。服用の方法が異なるなど治療選択の幅が広がり、医療現場からは歓迎する声が上がっている。

点滴タイプも登場 選択の幅広がる

 今年1月に、塩野義製薬が発売したインフルエンザ治療薬「ラピアクタ」。「既存の薬を飲めない患者にとって朗報」と川崎市の開業医、広津伸夫さんは期待する。カプセルのタミフル、口から吸入するリレンザなど、これまでの治療薬と異なり、初めての点滴注射。毎日服用する必要がなく、15分ほどの点滴1回で済むのが特徴だ。広津さんは「嘔吐(おうと)をくり返したり、苦しそうに呼吸したりする患者さんに使用している」と語る。
 もう一つ承認が待たれるのが、今年2月に第一三共が申請した初の国産治療薬「ラニナミビル」。専用の吸引器を使う粉末型だが、ラピアクタ同様、1回の服用で済む。
 このほか、富士フイルム子会社の富山化学は、開発中の新薬「ファビピラビル」の年内申請を目指している。
 こうした治療薬が次々に登場するのは、1968年の「香港かぜ」以来の新型インフルエンザが昨年から流行し、対策の一環として、治療薬がスピード承認されているからだ。米ベンチャー企業が開発したラピアクタの場合、米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可に続き、厚生労働省もわずか3か月の審査で承認した。同省は、「流行に間に合わせるため、できるだけ早く手続きを進めた」と話す。

ウイルスへの作用 様々

 治療薬はどのような作用で効くのか。
 タミフルをはじめ、ラピアクタ、ラニナミビルはインフルエンザウイルスの表面にあるノイラミニダーゼ(NA)というトゲ型のたんぱく質の働きを阻害する。細胞に侵入し、遺伝子を複製したウイルスは、細胞の膜を自らの部品として取り込んで、外に飛び出す。細胞から離れる際にハサミのような働きをするのがNA。NAが阻害されることでウイルスが増えず、重症化が抑えられる仕組みだ。
 同じNA阻害剤なのに、服用方法が経口、吸入、点滴と分かれるのはなぜか。第一三共研究開発本部の山下誠さんは、「薬の構造や水への溶けやすさなど性質が異なるため」と説明する。
 他の薬との差別化戦略もある。第一三共は「(ウイルスの感染しやすい)のどに直接届きやすい吸入型を選んだ」と語り、塩野義は「経口ではうまく吸収できなかったので、点滴による静脈注射にたどり着いた」と話す。
 これらの薬と効く仕組みが異なるのが、ファビピラビルだ。細胞内で、ウイルス遺伝子(RNA)の複製にかかわる酵素の働きを阻害する。
 東京大学の河岡義裕教授によると、強い病原性を備えた鳥インフルエンザのタミフル耐性ウイルスでも効果があるという。新型インフルエンザでも、すでに耐性ウイルスが出現しており、早期承認が待たれるところだ。
 1998年に初めてインフルエンザ治療薬として承認されたシンメトレルはウイルス複製のため、遺伝子放出にかかわる酵素(M2)の働きを抑える。現在、耐性ウイルスが出現し、国内でほとんど使われていない。

■ 死亡補償金は最大3300万円=新型ワクチンの副作用救済-厚労省

(時事通信)

 新型インフルエンザワクチンによる副作用で健康被害が出た場合の救済について、死亡時の補償金を最大約3300万円に増額する方針を厚生労働省が固めたことが11日、分かった。同省は新型ワクチンの接種を円滑に進めるため、予防接種法を改正し、補償額を増やすとしていた。
 政府は12日にも予防接種法改正案を閣議決定し、近く今国会に提出する。

■ 通勤混雑回避「指示必要」が8割 強毒インフルでも

(共同通信)

 通勤ラッシュは避けたいけれど、会社の指示がないとどうにもならない―。致死率が高い強毒性の新型インフルエンザが大流行した場合でも、80%の人が自分の判断だけで時差出勤や自宅勤務はできないと考えていることが11日、大阪市内に通勤する人を対象とした国土交通省のアンケートで分かった。
 流行時は「ラッシュを避けたい」とする回答は68%に上っており、本音より組織的な行動を優先する“サラリーマン気質”が浮き彫りになった格好だ。
 昨春、国内で新型インフルエンザがいち早く流行した関西地区を調査地域に選定。昨年12月、近畿圏(大阪府全域と三重、滋賀、京都、奈良、和歌山、兵庫各府県の一部)に住み、鉄道かバスで大阪市内に通勤する男女計2千人を対象にインターネットで実施した。
 混雑を避けたいと答えた人の具体策(複数回答)は、「出勤時間の変更」(53%)が最も多く、「出勤を控える」(34%)、「通勤手段を自動車や自転車に変更する」(24%)が続いた。一方、実行できるかについては「勤務先の指示や勧めが必要」が44%、「勤務先の計画に従って行動」が36%だったのに対し、「自主的に判断」は20%にとどまった。

3月11日

■ 【ブラジル感染状況】今年初の新型インフルエンザによる死亡を確認

(Emergency Assistance Japan)

 新型インフルエンザ(インフルエンザA H1N1)ウイルスを原因とするサンパウロ州での今年最初の死亡が州保健局により3月8日確認された。 31歳の男性で、入院後一週間に西部のSanta Casa de Santa Barbaraにおいて死亡した。
 当局によれば、患者は慢性疾患の様な特にリスク要因の兆候もなく、インフルエンザに感染する前に海外にいたこともない。同州では全部で本年度7名の感染を記録している。
 昨年は、サンパウロ州で556名が豚インフルエンザの犠牲で死亡しているが、これらは高熱、筋肉痛及び咳など季節性インフルエンザ及びデング熱に似た症状である。
 この月曜日8日からは保健省はウイルス予防の為のワクチン接種を開始、少なくとも7200万人のブラジル人が受けることが見込まれている。
 最初のグループは先住民族及び医療分野従事者である。5月までにさらに抵抗力が弱いと考えられる人々へ年齢及びリスク要因の状況に応じて日程ごとに接種される予定である。
 メキシコで最初の患者が出現したのは約一年前である。その後ウイルスが世界中に拡散して、WHOはこの40年間で最初のパンデミックを宣言した。

(院長のつぶやき)南半球では新型インフルエンザ発生後2年目のシーズンに突入したようです。でも、ウイルスの変異は話題になりませんねえ。

■ インフル原因の休校が減少 6週連続

(共同通信)

 厚生労働省は10日、インフルエンザが原因で2月28日~今月6日の1週間に休校や学年閉鎖、学級閉鎖をした教育関連施設(小中学校、高校、保育所、幼稚園)は124施設で6週連続で減少したと発表した。前週(280施設)と比べ約56%減。ほとんどが新型インフルとみられる。
 都道府県別の最多は長野の11施設で、次いで埼玉が10施設。岩手、茨城、東京、神奈川、新潟が7施設だった。
 今月9日までの1週間の入院患者数は18人(速報値)で、うち基礎疾患(持病)がある人は6人。集中治療室(ICU)に入ったのは1人だった。9日時点の死亡者は197人で、持病があった人は約7割の137人。
 医療機関や、保育所を除く社会福祉施設などで7日までの1週間に確認された10人以上の集団感染は4件で、前週より3件減った。

(院長のつぶやき)Googleの「インフルトレンド」(http://www.google.org/flutrends/jp/#JP)を見ると、日本ではほぼ終息したといってよいようです。

3月10日

■ 新型インフルエンザパンデミックは製薬会社との癒着の上に宣言された?

(REAL LIVE)

 「新型インフルエンザのワクチンが足りない」と、大騒ぎをして輸入したワクチン9900万人分(約1126億円)が無駄になろうとしている。
 厚生労働省や国立感染症研究所によると、全国の新型インフルエンザ感染のピークは昨年11月下旬とみられ、1週間で1医療機関当たりの平均患者数は39.63人だったが、今年1月下旬には9.03人と4分の1に減少した。昨年11~12月には、ワクチン接種希望の問い合わせが殺到していたが、一般成人への接種が始まった今年1月下旬、接種希望者は激減。膨大な在庫を抱えた各自治体は、これ以上輸入ワクチンを出荷されても保存場所すら確保できないと困惑を隠せない。
 そんな今回の新型インフルエンザのワクチン騒動は日本に限った事態ではない。欧州では、今回の世界保健機構(WHO)によるパンデミック(世界的大流行)は製薬会社との癒着の上に宣言された、との疑惑も浮上している。フランスやドイツ、イタリア、ノルウェー、ギリシャなどでは、ワクチン解約の動きも広がっている。
 ただ、今後また患者数が増加に転じる可能性もあり、新型インフルエンザに対する危機管理は、個々が十分に注意する必要があることは言うまでもない。

(院長のつぶやき)WHOの対応を批判する人たちは、新型インフルエンザが強毒性だったら「対応が不十分だ!」とどちらに転んでも文句を言うのでしょう。

3月9日

【ブラジルワクチン】新型ワクチン接種キャンペーンが本日より開始

(Emergency Assistance Japan)

 この月曜日8日に、豚インフルエンザ(インフルエンザAH1N1)用ワクチン接種キャンペーンの第一段階が始まる。 保健省の見通しによれば2ヶ月で9000万人近いブラジル人(ブラジル総人口:1億9千万)がワクチンを受けることになる。
 キャンペーン最初の2週間は、医療分野の従事者(直接病気と闘っている)及び奥地の先住民族のみがワクチンを受けることになる。
 保健省によれば、リスクがあると考えられるグループに属する人々もワクチン接種を受ける必要がある。
 大臣はいまだ国民の残りの人々に対していつから可能になるかは発表していない。「我々としてはより弱く又病気にかかり死亡するリスクがかなりあるグループを守ることになる。」と保健相は去る5日に語った。
 ワクチン接種の優先グループはWHOの指針を引き続いており、医療分野従事者、先住民、妊婦加えて慢性疾患を抱える人々になる。
 ワクチン接種の第2段階には妊婦、幼児(6ヶ月から2歳)、及び慢性疾患者(肥満、糖尿、非免疫抑制者、重症の喘息、心臓病及び慢性呼吸器疾患保有者)が含まれる。
 第3段階は20歳から29歳の人々になる。4月24日から5月7日には60歳以上の老人及び慢性疾患者。加えて老人は季節性インフルエンザ用ワクチンもこの間受けることになる。5月10日から5月21日には30歳から39歳の成人が受ける。
 全体では保健省はワクチン1億1300万人投与分を確保しており、少なくとも対象人口の80%に接種することが目標である。

(院長のつぶやき)これって、来シーズンのためのワクチンですよね。WHO推奨は「季節性インフルエンザワクチンのAソ連型を抜いて豚インフルを入れる」という混合ワクチンと聞いていますが、はて、どうなっているんだろう?

■ 社説:新型インフル 「幸運」にあぐらかかず

(毎日新聞)

 新型インフルエンザの世界的流行(パンデミック)が収まりつつある。日本の患者は減少を続け、世界保健機関(WHO)もピーク越え宣言を検討している。
 今回のパンデミックは、ある意味で「幸運」だった。出現したH1N1型ウイルスは、懸念されていた病原性の高いH5N1型ではなかった。一部の人には基礎免疫もあったと推定される。
 しかし、「幸運」にあぐらをかいてはいけない。これが病原性の強いインフルエンザだったら、今の体制ではお手上げだった。現在のウイルスが変異する恐れも残されている。過去には第2波以降に犠牲者が増えたパンデミックもある。
 気を緩めず、今回の対応の問題点を洗い出す検証作業を進めたい。その上で対策を練り直し、次の流行への備えとすることが大事だ。
 重要な検証対象の一つに、ワクチン対策がある。新型インフルエンザのワクチンは新型ウイルスが出現してから作る。日本でインフルエンザワクチンを作っているのは、小規模のメーカーだけだ。しかも、鶏卵を使う従来の製造法では新型出現から最初のワクチン出荷までに約半年かかる。
 このため、当初はワクチン供給の遅れや不足が懸念された。接種回数についても政府の対応が揺れた。結果的に、政府は国産ワクチン約5400万回分に加え、海外メーカーから9900万回分のワクチンを輸入する契約を結んだ。購入費用は1000億円を上回る。
 ところが、流行は下火になり、ワクチン余りが生じた。
 新型インフルエンザの動向は予測が難しい。不足するより余った方がいいと考えるのは当然だし、今あるワクチンの活用策も検討課題だ。
 一方で、輸入の前提となる新型のリスク評価がきちんとできていたかの検証は必要だ。海外のワクチンメーカーのビジネス戦略も、改めて分析しておいた方がいい。
 国内のワクチン生産の体制強化にも力を入れたい。鶏卵を使わない生産技術の確立に加え、製造力の向上が課題だ。ワクチン生産技術を持つ国はそう多くない。せっかくの技術を生かし、輸出まで視野に入れた体制作りを検討してはどうだろう。
 ワクチン以外にも水際対策や発熱外来のあり方など、検証が必要な対策は数多い。海外に比べると日本は犠牲者が少ない。その背景にある要因も分析し、今後に役立てたい。
 もうひとつ気がかりなのは、これらの対策を統合する国の危機管理の実態が見えにくかったことだ。これを機に、安定感のある体制を整備してほしい。

■ 服着たままシャワーボックスで除菌「バイバイキング」

(毎日新聞)

【群馬】県立群馬産業技術センターと、ジャスダック上場の藤田エンジニアリング(本社・高崎市)は、新型インフルエンザウイルスなどの飛沫(ひまつ)感染を予防するシャワーボックス「バイバイキング」を共同開発した。空間全体を除菌する従来型の空気清浄機と異なり、感染源になり得る人がボックス内に入り、衣服や毛髪などを直接除菌・消臭するのが特徴。特許申請中で、厳しい衛生管理が求められる病院や食品工場などでの需要が期待できるという。
 バイバイキングは衣服を着たままシャワーボックス内に入り「スーパーミクロンジェット」と呼ぶ装置の小さな穴から霧状の「衛生水」を噴霧させる。乾燥時間も含め、除菌・消臭時間は約30秒。微生物群を使った実験で除菌率は9割以上に達し「菌に接触する確率を大きく減らす効果が確認できた」(田島創・同センター主任)。衛生水は殺菌効果が高く、人体にも安全な「弱酸性次亜塩素酸水」を使用しているという。
 病院で使用する場合、医師や看護師がインフルエンザやノロウイルスなどの診察・治療のたびに除菌することで、次に診察する患者への感染を予防する効果が期待できるという。また、病院や高齢者施設、食品工場の入り口に設置し、施設内に菌が侵入するのを抑える効果も期待される。
 バイバイキングの設置第1号は、人工透析患者が通院する伊勢崎市内のクリニック。研究にあたった同センターの高橋仁恵さんは「インフルエンザなどの感染は人によって命にかかわりかねず、そのリスクを軽減できる」と話す。
 藤田エンジニアリングによると、類似製品として半導体工場などの入り口で使用されているクリーンルームがあるが、目的はエアシャワーによる除塵(じょじん)が中心で、除菌を目指すシャワーボックスとはコンセプトが異なるという。設置場所などのニーズに応じて注文生産し、標準価格は150万~300万円。年間数百台の販売を目指す。

(院長のつぶやき)臨床の現場に導入されたら、時間がかかって診療が進まないでしょう。

□ RSウイルス、依然流行 乳幼児のかぜに要注意

(共同通信)

 毎年秋から冬に多い「RSウイルス」感染症が依然流行している。かぜの代表的なウイルスとされ、例年は11~12月がピークだが、今シーズンは年明け以降も増え、高い水準のまま。乳幼児では肺炎を起こすなど重症化する危険性もあり、専門家は注意を呼び掛けている。
 国立感染症研究所によると、全国の約3千の定点医療機関から報告された患者数は、昨年10月ごろからわずかに増えていたが、12~1月に急増。1月最終週が4742人とピークで、その後はやや減少傾向にある。
 同研究所感染症情報センターの安井良則主任研究官は「新型インフルエンザ流行と正反対の傾向を示しているが、関連は不明だ」と話す。
 札幌医科大の永井和重講師(感染免疫学)によると、RSウイルスは2歳までにほぼ100%が感染。変異しやすいため生涯に何度も感染するが、次第に鼻風邪程度に軽くなる。
 ウイルスは、せきやくしゃみなどで飛び散り、数時間は生きているため、病院や家庭内などで感染が広がりやすい。永井講師は「手洗いなどで予防するのが大切だ」と話している。

(院長のつぶやき)「咳が止まらない」と受診する患者さんが目立ちます。おそらくこのRSウイルス感染症と思われます。

3月8日

■ 【ウイルス変異】ノルウエーでの重傷患者での検証結果

(Emergency Assistance Japan)

 ノルウエーの研究者によると、アミノ酸の変化、ウイルスのハマグルティニンのHA1の部位で(位置222)でアスパラギン酸がグリシンに変化が生じでいる(*)ことが、ノルウエーで重傷患者の61例のうち11例の検体サンプルで起きていると報告された。このような変異は205例の軽傷患者ではみられない、この変異の頻度は、重傷患者でかなり高かった。
*D225G変異ウイルスと呼称
 上記の位置での臨床サンプルでの変化に対するコメントは、WHOが、この変異は深刻ではなく、あるいは、デューク医療センターで伝播したH1N1による複数の死亡者ケースが分かった時にコメントする必要もないとするWHOの態度へ率直に反駁したものになっている。
 ノルウエーのデータとともにウクライナ、ロシア、米国や他の国での遺伝子配列は、明確にクラスタリングであり、WHOが深刻ではない、あるいは、コピーエラーによる散発的な発現とのコメントに対する決定的な反駁である。

注 H275Y変異ウイルス(タミフル耐性ウイルス):タミフルに抵抗力のあるウイルスは、主に、H275Y という変異を持つウイルス。これは、ウイルスのHA という突起ではなく、もう1つのNA という突起の遺伝子の275番目のアミノ酸が、H (ヒスチジン)からY (チロシン)へと、変異したもの。

【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.90

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 2月28日時点で、WHOには、213ヶ国と地域で確定患者と、合16455名以上の死亡者の報告があがっている。WHOは、その地域事務局や加盟国と頻繁に協議、あるいは、複数のデータを監視することで、パンデミックの進展状況を注意深く追跡している。

2) 北半球の温帯地域:ウイルスの伝播は、欧州、アジアの一部の地域で続いているが、全体としてのインフルエンザ活動は、減退しており、多くの国で低いレベルになっている。伝播が活発な地域は、南アジア、東南アジアの一部と欧州東部、南東部の地域である。最近はB型インフルエンザがアジアでは報告が増加している。
3)南アジア、東南アジア:パンデミックインフルエンザウイルスは、引き続き循環している。タイでは、活動が増加しており、ミヤンマーでは、地域的に循環しているパンデミックウイルスの報告が継続している。しかし、活動の程度は、両国ともに依然低い。

4) 東アジア:パンデミックインフルエンザウイルスは、香港、台湾を含めて多くの国で低いレベルで残っているか、日本や韓国では、通年レベルに戻っている。 特筆すべきは、季節性B型インフルエンザウイルス活動が、この地域では増加しており、モンゴル、中国、東南アジアの一部では、支配的なウイルスになっている、日本でも、B型インフルエンザに関連したケースがクラスターで報告されている

5) 豪州とニュージーランド:全体としてインフルエンザ活動は、低いままで、今までの年と同時期に見られるレベルにある。南太平洋諸島の国でのH1N1の新しいケースの報告はない。

欧州:インフルエンザ活動は低く、ほぼ平年のレベルに戻った。しかし、東部のロシア、ブルガリア、アルメニアとモルドバの多くの国では、呼吸器疾患患者が通年に比べて増えている報告がある。陽性反応を示した多くは、パンデミックインフルエンザで、季節性インフルエンザH3N2やB型のウイルスとして検知されたものは非常に少なかった。

6) 南北アメリカの北米温帯地域:パンデミックインフルエンザウイルスは、非常に低いレベルで循環が継続しており、パンデミックインフルエンザ活動が全体でも低く、減退するパターンを示している。しかし、メキシコとペルーでは呼吸器疾患が若干増加している。ただ全体のとして程度は低く、パンデミックインフルエンザに関連しているかは不明確である。

7) 北アフリカと西アジア:インフルエンザ活動は低い。しかし、パキスタンの北西部とアフガニスタンで呼吸器に関連する感染が増加しているとの報告がある。この増加活動が、インフルエンザ循環によるものかどうか不明である。

8) サハラ以南のアフリカ:いくつかの西アフリカ諸国で、パンデミックインフルエンザケースが増加している報告があるが、サベイランスデータはこの地域では限定されている。他のアフリカのデータからすると、ほとんどの国のインフルエンザ活動は低く、散発的な伝播が継続している。季節性インフルエンザである、H1N1,H3N2,B型の検知が現在も報告されている。

■ 新型インフル迅速診断 理研、東金病院と研究

(読売新聞)

 新型インフルエンザで課題の迅速診断について、理化学研究所(野依良治理事長)が県立東金病院などと連携し、簡易で精度の高い検査法の研究開発が、実用化に向けて進んでいる。同病院で6日開かれた研究発表会で、理研横浜研究所の林崎良英・オミックス基盤研究領域長と、同病院感染症内科の林栄治医師が報告した。
 理研が開発した「スマートアンプ法」と呼ばれる技術を用いた新しい簡易検査法は、確定診断で行う検査法とほぼ同じ精度ながら、診断まで約1時間と大幅に短縮できるのが特徴。林崎氏は「現在は発熱から24時間程度経過しないとウイルスを検出できないが、スマートアンプ法では1~12時間で検出できる」と強調した。
 医療現場での活用を実証研究するため、同病院と山武郡市の12診療所が協力。昨年10月以降に集めた162検体を分析した結果、現在の簡易検査法で陰性とされた21検体が、理研の検査法では陽性と判定され、その後の詳細な検査で有効性が確認できたという。
 林医師は「一般の診療所でも対応できるので心強い。新型インフルエンザ診療に変革をもたらす」と実用化に期待感を示した。

3月7日

■ 「緩和遅れた」「科学的情報を」=国の新型インフル対策で保健所長ら

(時事通信)

 国の新型インフルエンザ対策について、各地の保健所長が、検疫などの厳格な対策を緩和するタイミングが遅れたり、ウイルスの性質に関する科学的情報の提供が不足したりしていたと考えていることが、厚生労働省研究班が行ったアンケートで分かった。
 研究班は昨年8月、全国510カ所の保健所の所長にアンケートを行い、66%から回答を得た。質問項目と別に設けた自由記載欄に、同省への意見が相次いだ。 

(院長のつぶやき)自分の部下・末端組織からも批判されているようじゃ・・・。

□ リレンザ効かぬA香港型インフルエンザウイルス、ミャンマーの患者

(読売新聞)

 インフルエンザ治療薬のリレンザとアマンタジンの両方に耐性を持つ新たなインフルエンザウイルスを、新潟大やミャンマー国立健康研究所などがミャンマーの患者から発見した。
 別の治療薬タミフルは効果があるが、研究チームは「ウイルスの広がりを今後も監視していく必要がある」と指摘している。
 2007~08年にミャンマーのインフルエンザ患者から採取したA香港型ウイルスを解析。275例中2例に、リレンザとアマンタジンに耐性を持つ遺伝子変異が見つかった。タミフル耐性は季節性や新型のウイルスから多数見つかっているが、リレンザ耐性は季節性ウイルスから少数しか見つかっていない。同大の斎藤玲子講師(公衆衛生学)は「リレンザの使用量は国内でも急増しており、耐性ウイルスが広がる恐れもある」と警告している。

3月6日:国内患者2059万人超

■ 新型インフル5週連続減 国立感染症研究所

 国立感染症研究所は5日、2月28日までの1週間に全国約5千の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は6524人、1機関当たり1・36人だったと発表した。前週は8438人、1・76人で、5週連続の減少となった。
 検出されたウイルスはほとんどが新型だが、最近はB型の報告も少数あるという。
 この1週間に新たに医療機関を受診した患者は推定約7万人(前週約9万人)。昨年7月上旬以降の累計は約2059万人となった。

A香港型、4か月ぶりに検出

(CBニュース)

 A香港型のインフルエンザウイルスが、2月22日から3月7日にかけて熊本県で4件検出された。A香港型の検出は、昨年10月26日-11月1日の週以来、約4か月ぶりという。厚生労働省が3月5日の記者会見で明らかにした。
 一方、Aソ連型のウイルスは昨年8月31日-9月6日の週以降、検出されていない。
■B型「今年はまだ少ない」
 増加傾向にあるB型インフルエンザウイルスは、1月18日から2月21日までの5週間で10件検出された。この間に検出された新型のウイルスは972件で、健康局結核感染症課の中嶋建介・感染症情報管理室長は会見で、現在のインフルエンザ患者の「ほとんどすべてが新型」との認識を示した。
 中嶋室長はB型の検出状況について、週に100件単位で検出される年もあると指摘。「年によって違うが、おおむね今よりも多く採れている。少しずつ採れているとはいえ、今年はまだ少ない」と述べた。

■ 国産インフル薬、相次ぎ名乗り=点滴型や新作用で選択肢拡大

(時事通信)

 新型インフルエンザが猛威を振るった今シーズン(2009~10年)。治療薬の需要は急増し、出荷量は前シーズン(08~09年)の3~4倍に膨らんだ。こうした中、これまで海外勢に占められてきた抗インフルエンザ分野に、国内製薬各社が相次いで名乗りを上げている。既存薬にはない点滴タイプや新規作用などの特徴があり、投薬の選択肢が広がると期待されている。

(院長のつぶやき)ワクチンも国産でまかなえれば、あれほど混乱せずに済んだのに・・・。

■ 新型ワクチン、北海道民接種率11・9% 1月末現在 (03/04 12:47)

(北海道新聞)

 道内で1月末までに新型インフルエンザワクチンの接種を受けたのは66万1千人で、道民の接種率は11・9%だったことが3日、道の調査でわかった。接種率は開始時期が早かった医療従事者や持病のある人が高い一方、順番が遅かった幼児や児童生徒は低かった。
 道がまとめた1月末現在の接種率は医療従事者96・9%、持病のある人は76・4%で、妊婦は35・5%だった。これに対し、昨年12月以降の接種となった1歳~小学生は18・4%、中学生は10・5%、高校生7・3%となった。1月中旬以降となった65歳以上の持病のない高齢者は7・0%だった。
 同部は医療従事者や持病のある人の高い接種率は「流行期の接種開始だったことが大きい」と分析。妊婦は「国内では重症例が少なく、投薬に慎重な心理も影響したのではないか」とみる。幼児や小中高生は、学校などで流行した際に感染して抗体ができ、流行も下火となって、保護者が接種不要と考えたためではと話している。
 また、1月末までの道内のワクチン接種回数は計75万回。これまでに道内に入荷したワクチンは160万回分以上で、大量に余る可能性が高まっている。

■ 【インドワクチン】来週より接種が本格化

(Emergency Assistance Japan)

 インドでは来週より大規模なH1N1新型インフルエンザワクチン予防接種プログラムが開始する。サノフィ・パスツールから輸入した150万回分のワクチンは安全性の面からも問題ないことが確認された。
 ワクチンはまず政府系病院経由で医療従事者及び高リスク患者に優先的に接種され、残りがインド国軍兵士に接種されるという。
 一方、1月から治験を重ねているインド国産ワクチンも4月15日までには接種が可能になる。価格帯は80~100ルピーになる予定。

(院長のつぶやき)すごく遅れている気がするんですが・・・狙いは来シーズン?

来週より接種キャンペーン、国民の半数に接種 ーブラジル

(Emergency Assistance Japan)

 ブラジル保健省は9,100万人を対象とした大規模なH1N1新型インフルエンザワクチン接種キャンペーンを実施する。来週月曜日から開始となり、ブラジル国民の半分が対象となり、最初の2週間は医療従事者と先住民に対して優先的に接種する。
 3月22日から5月21日までの第二段階では妊婦、慢性疾患がある人々、60歳以上及び2歳以下の幼児が対象となる。
 政府は既に8,300万人分のワクチンを確保しており、ここ数ヶ月中に3,000万本を確保する。

(院長のつぶやき)南半球は2シーズン目に突入!

3月5日

 インフルエンザは流行終息モードで、季節性も話題になりません。当院の患者さんは花粉症の方が目立ってきました。

■ 新型インフルで小2女児死亡 神戸市 

(神戸新聞)

 神戸市は4日、新型インフルエンザに感染した市内の小学2年の女児(8つ)が死亡したと発表した。インフルエンザ脳症を併発し、死因は多臓器不全。ワクチンは未接種で持病はなかったという。
 市によると、女児は1月18日に発熱などを訴え、近くの診療所を受診した。翌日、意識が低下したため、市内の病院に救急搬送。高熱に加え脳症を併発し、同20日に新型感染が確認された。その後、意識や自発呼吸がない状態が続き、腎不全も進行していた。
 新型による兵庫県内の死者は、疑い例も含め15人となった。

■ 山梨県内、新型インフルエンザほぼ終息 

(山梨日日新聞)

 山梨県が3日発表した定点医療機関からの新型インフルエンザ患者報告によると、先週(2月22~28日)の県内全域の平均患者数は前週比1・0人減の1・63人となった。5週連続の減少で、患者数が1人台になるのは5カ月ぶり。県はこれまでに12万~13万人が感染し、ワクチン接種者を含めた免疫のある人が4割近くに上ることから、免疫力が保たれる半年程度の間は感染が再び拡大する可能性は低いと判断。「県内の新型インフルの流行は終息レベルに入った」とみている。
 県は毎週、県内40の定点医療機関から報告される患者数を集計。県健康増進課によると、先週の県内全域の患者数は65人で前週から40人(38・1%)減少した。一方、全国の平均患者数(前週)は1・76人で、4週連続で減っている。
 同課は定点観測の結果から、県民の7分の1程度に当たる12万~13万人が新型インフルに感染したと推計。このうち1~9歳の子どもが4万7千~5万人程度、10~14歳も3万6千~3万8千人程度に上り、7割近くが中学生以下とみている。
 同課は「感染者やワクチンを接種した人の数、患者の減少が続いていることを考えると、再び感染者が増えることは考えにくい。県内の流行は、ほぼ終息したといえる」としている。

■ 余る新型インフルワクチン 在庫64万回分 埼玉県

(産経新聞)

 新型インフルエンザワクチンの埼玉県県の在庫が、2月26日時点で約64万回分も余っている。県はすでに約23万回分を返品し、国の2月15、25日出荷分の供給や輸入ワクチンを希望していない。ワクチンの使用期限は1年。新型インフルエンザの流行のピークも過ぎ、ワクチン接種希望者も少なくなる中、余ったワクチンをいったいどうするのか。
 県疾病対策課によると、これまでに県に供給されたワクチンは約197万回分。一方で、接種回数は推計で約109万回だ。県の担当者は、「昨年12月中旬までは『足りない』との声があったが、それ以降はなくなった」と話す。
 県内へのワクチン供給は12月以降になって急増。中高生や高齢者への接種は年明け以降に行われたが、そのころにはすでに流行が下火に。一般的にワクチンの製造には半年ほどかかるというが、“需給バランス”のズレは明らかだ。
 「足りなくて困り、無理して調達した。『一刻も早く打ちたい』といったあの騒ぎはなんだったのか」
 ワクチン渇望状態だった昨年を振り返り、こう苦笑するのは県立小児医療センターの鍵本聖一総合診療科長。「大半の子供の接種は終了した。成人の約3割、子供の7、8割が接種したのでは」と鍵本科長は推測する。余ったワクチンについては「今夏、流行の兆しがあり、かつウイルス株が合えば、職員に打ちたい」と考えている。

3月4日:国内死者195人

■ インフル、休校など5週連続減少 280施設に

(共同通信)

 厚生労働省は3日、インフルエンザが原因で2月21~27日の1週間に休校や学年閉鎖、学級閉鎖をした教育関連施設(小中学校、高校、保育所、幼稚園)は280施設で、5週連続で減少したと発表した。前週(350施設)との比較では2割減。ほとんどが新型インフルとみられる。
 同省の中嶋建介感染症情報管理室長は「減少傾向は変わらないが、徐々に例年の季節性インフルも出てきている。引き続き感染予防を心掛けてほしい」としている。
 休校などの都道府県別の最多は埼玉の24施設。次いで茨城と大阪がともに23施設だった。
 今月2日までの1週間の入院患者は38人(速報値)で、うち基礎疾患(持病)のある人は15人。急性脳症になったり、人工呼吸器をつけたりした人は6人。2日時点の死亡者は195人で、持病があった人は137人と約7割に上る。
 医療機関や、保育所を除く社会福祉施設などで2月28日までの1週間に確認された10人以上の集団感染は9件(前週比3件増)となった。

■ 新型インフルの20代男性死亡 札幌市

(共同通信)

 札幌市は3日、新型インフルエンザに感染した20代男性が入院先の市内の病院で死亡したと発表した。死因は重症肺炎による呼吸困難。基礎疾患はなかった。
 市によると、男性は2月5日に発熱。簡易検査で新型インフルエンザと診断され、点滴薬ラピアクタを投与されたが改善せず、3日午前に死亡した。

■ ロシアでインフルエンザ流行の第二波はない

(IBTimes)

 ロシアでインフルエンザ流行の第二波はない。連邦消費者権利保護・福祉監督局(ロスポトレブナドゾル)のゲンナジー・オニシチェンコ局長の発表を2月21日付でノーボスチ通信が伝えた。
 複数の医療関係者が、2月末から3月上旬にインフルエンザ流行の第二波が来ると予測していた。オニシチェンコ局長はインフルエンザ沈静化傾向と各連邦構成主体における感染予防対策に言及し、この予測を退けた。
 2009年末からロシアではインフルエンザおよび急性呼吸器疾患の発症者数が減少し続けている。2月8日~14日の1週間も減少傾向が続いた。ロシアの大部分の構成主体で発症者数が「流行入り」のレベルを下回っている。レベルを超えたのは、9都市と10の構成主体のみ。

豚由来の新型インフルエンザウイルス検出試薬「アルフレッサ・H1N1・キット」

(薬事日報)

 アルフレッサファーマは、研究者向けに豚由来の新型インフルエンザウイルス検出試薬「アルフレッサ・H1N1・キット」を新発売した。アルフレッサ・H1N1・キットは、従来のインフルエンザウイルス迅速診断キットなどで、A型インフルエンザ感染と診断された患者を対象に、豚由来の新型インフルエンザウイルスを検出する研究用試薬。
 新型インフルエンザウイルス(A/H1N1)に反応するモノクローナル抗体を用いて開発された。

(院長のつぶやき)診療所でも「新型インフルエンザ」と確定診断できるようになります。画期的!

■ 予防接種法「遅くても5年で抜本改正」-足立政務官

(CBニュース)

 厚生労働省の足立信也政務官は3月3日、政策会議後の記者会見で、予防接種法の抜本的改正について「早ければ来年、遅くても5年以内」に実現する方針であることを明らかにした。
 3日の政策会議では、「予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案」の概要について、足立政務官らが与党議員に説明した。出席した議員からは法案の内容のほか、肺炎球菌やHPV(ヒトパピローマウイルス)などの疾病を、予防接種法でどう位置付けるかなどについて質疑があったという。
 予防接種法について足立政務官は、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会のメンバー全員が「抜本改正に非常に前向きだ」と述べた上で、「国民的な議論にどのくらいの時間が必要かが重要だが、(改正実現は)早ければ来年、遅くても5年以内」と話した。

(院長のつぶやき)「新臨時接種」など国の管理を強くするような考え方では、現場はますます混乱するだけですね。期待しないで待ってます・・・。

3月3日

■ 新型インフルによる血液製剤回収を取りやめ

(CBニュース)

 厚生労働省は3月2日の「薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会運営委員会」で、新型インフルエンザ感染の疑いや確定診断による血液製剤の回収を取りやめることを決めた。日赤が感染の疑いにより確保または回収した579人の血液を検査したが、ウイルスが検出されなかったため、血液から感染する可能性はほぼないと判断した。
 日赤では、昨年6月3日から今年1月3日に、献血後7日以内に新型インフルエンザと診断(疑い含む)されたため、579人の血液を血液製剤の原料になる前に確保したか、血液製剤を医療機関から回収した。これらについて検査した結果、すべて陰性だった。579人のうち、10人は献血した当日に、74人は翌日に新型インフルエンザと診断されていた。
 日赤の担当者によると、季節性インフルエンザの場合は血液から感染することはほぼないが、強毒性の場合はエビデンスがないという。
 厚労省では、献血後7日以内に新型インフルエンザと診断されたことが判明した場合、その血液を血液製剤の原料にしないことや、未使用の血液製剤を医療機関から回収することなどを、昨年5月18日に日赤に要請していた。今回の決定は、豚由来のH1N1について今後適用する。別の新型インフルエンザが将来発生した場合には、改めて検討する。

■ 高校入試:県立高、追試験行わず--インフル患者減で /栃木

(毎日新聞)

 県教育委員会は1日、公立中学校のインフルエンザ感染者数が減少していることから、8日に行われる全日制県立高入試で追試験を実施しないと発表した。入試は予定通り実施される。
 県教委は新型インフルエンザの流行を受け、追試験の実施を検討していた。追試験を実施する基準は「公立中学校の生徒7~8%の感染が確認された時」としていたが、2月第4週の感染者数は27人で全体の約0・05%にとどまったため、実施しないことを決めた。
 県によると、2月15~21日の1週間に県内76カ所の定点医療機関を受診したインフルエンザ患者数は1施設当たり2・21人で、前週に比べ約39%減っている。

3月2日

■ 在庫の新型ワクチン買い取り要望 大阪府保険医協会

(共同通信)

 大阪府内の開業医らでつくる大阪府保険医協会は1日、新型インフルエンザワクチンの在庫を買い取るよう厚生労働省に要望書を送った。
 要望書は、厚労省の接種計画を忠実に守った結果、余剰在庫が生まれたと指摘。「優先順位絞り込みなどで混乱し、ワクチンが実際に納入された段階では、既に接種が必要な時期を逸していた」と同省の対応を批判した。
 保険医協会によると、未開封のワクチンの使用期限は約1年で、「メーカーに返品できないため、このままでは廃棄処分にするしかない」という。
 国立感染症研究所によると、新型インフルエンザの新たな感染者数は昨年11月にピークを迎え、その後は減少している。
 同省結核感染症課は「原則として買い取りは行っていない。要望書をよく読んで対応を検討したい」としている。

(院長のつぶやき)余ったワクチンは末端医療機関の責任だよ、と切り捨てるこの高飛車な姿勢。
 では、たくさん余る予定の輸入ワクチンの責任は厚労省がとるんでしょうね・・・責任の取り方のお手本を見せていただきたい。

■ マスク一転して大減産 インフル沈静、花粉少なめのダブルパンチ

(SankeiBiz)

 マスクメーカーが相次ぎ生産を縮小し、新型インフルエンザ特需に一服感が広がっている。大手の白元(東京都台東区)が2月から生産をストップし、ユニ・チャームも今年に入り協力工場への委託生産量を昨秋のピーク時に比べ1割以上減らした。マスクは新型インフルの感染が拡大した昨春以降、店頭で品薄が続いていたが、各社の増産や新規参入も相次ぎ、メーカー在庫が一転して膨らんだためだ。ここにきて家庭内在庫や企業の備蓄が進んだこともある。
 足元の新型インフルも落ち着き、今年は花粉の飛散量が少ないとの予測で、花粉対策の需要も見込めず、メーカー在庫の解消は秋ごろまで長引きそうだ。
 全国マスク工業会によると、昨年10~12月は前年同期に比べ3.8倍の約15億4500万枚が生産された結果、12月には、大幅な供給過剰に陥り、年末の在庫は同8.57倍の約6億8000万枚にまで膨らんだ。
 今年の花粉飛散量は全国的にやや少なめで、花粉対策の販売増もあまり期待できない。
 在庫が予想以上に膨らんだ背景には、大手ドラッグストアなどがプライベートブランド(PB、自主企画)商品の店頭在庫を抱えていることもある。このため、「国内メーカーの商品販売が後回しにされる」(マスクメーカー)との警戒感も広がる。マスク工業会は「過剰在庫の解消は来シーズンに向けた生産が本格化する秋以降になる」とみており、在庫解消は長期化しそうだ。

3月1日:世界の死者162261人超

■ 【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.89

(Emergency Assistance Japan)

1) 感染状況 2月21日時点で、WHOには、213ヶ国と地域で確定患者と、合計162261名以上の死亡者の報告があがっている。WHOは、その地域事務局や加盟国と頻繁に協議、あるいは、複数のデータを監視することで、パンデミックの進展状況を注意深く追跡している。

2) 北半球の温帯地域:
 パンデミックインフルエンザウイルスは、多くの国で検出が続いているが、全体としてのインフルエンザ活動は、多くの場所で弱まり続けている。伝播が活発な地域は、南アジア、東南アジアの一部と欧州東部、南東部の限定されている地域である。

3)東南アジア
 パンデミックインフルエンザウイルスは、引き続き循環しているが、呼吸器疾患活動の程度は、低いかあるいは変化がないとう状況で、いくつかの国が例外である。

4) 東アジア
 ウイルス学的サベイランスのデータによると、パンデミックインフルエンザと季節性インフルエンザB型ウイルスが、同時に循環する状態が継続している。
モンゴルでのインフルエンザ様疾患活動の最近の増加は、季節性インフルエンザB型ウイルスの循環が増加していることが要因かもしれない。日本と韓国において、インフルエンザ活動が、減少し続け通年のレベルになっている。香港と台湾では、パンデミックインフルエンザウイルスの循環は、低いレベルにあるインフルエンザ様疾患活動は、全体として、秋の間にみられたピーク時の活動期間に比べると相当低いものになっている。

5) 南アジア
 インフルエンザ活動は低いままであるが、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、インドの西側に残っている。

6) 欧州
 パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、中央部、南東部に残っているが、全体として程度は低く、ギリシア、ブルガリア、トルコ、スロバキア、モルドバ、ロシアの一部が例外的に、呼吸器疾患活動の中程度の状態の報告が続いている。最低20の呼吸器疾患の検体を最新週でテストしている国のうち、インフルエンザに陽性反応しめしたものが20%以上ある国はない。

7) 北アフリカと西アジア
 パンデミックインフルエンザウイルスは、低いレベルで循環が続きているが、多くの国で疾病率は、継続して低下しているかあるいは、通年レベルになっている。アフガニスタンでは、呼吸器疾患の増加傾向で、医療保険システムに中程度のインパクトがあると報告されているが、増加していることが、インフルエンザウイルスの循環と関係があるか不明である。

8) サハラ以南のアフリカ
 限定的なデータだが、パンデミックインフルエンザウイルスの伝搬は、ほとんどの場所で、散発的に発生している。西アフリカのいくつかの国では、パンデミックインフルエンザの確定感染数が若干増加している報告が続いており、これは、その地域ではコミュニティーレベルの伝播が始まったことを示しているかもしれないが、データが非常に限定されている。

9) 南北アメリカ
 熱帯地域でも、北米の温帯地域でも、パンデミックインフルエンザウイルスは、低いレベルで循環が継続しているが。パンデミックインフルエンザ活動は、ほとんどの国で、減少傾向か、低い状態が続いている。中央アメリカとカリブ海諸国では、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、残っているが、多くの国での活動は全体的に低い状態もしくは変化がないままである。

10) パンデミックインフルエンザH1N12009ウイルスは、世界で循環しているインフルエンザウイルスでは支配的な状況が継続している。中国で最近検知されている季節性インフルエンザB型ウイルスの割合が増加していることに加え、H3N2とB型が低い割合だが、アフリカの一部とアジアで循環している

2月28日

 新型インフルエンザ対策の検証・反省記事が目につきます。

■ ワクチン“後進国”日本 新型インフルで浮き彫り 

(神戸新聞)昨年以降、国内でも大流行を引き起こした後、ほぼ沈静化してきた新型インフルエンザ。この間、新たに出現した感染症ということもあって、さまざまな混乱が生じた。その象徴ともいえるのが、接種回数をめぐる方針が二転三転するなどしたワクチン対策。そこから見えてきた、日本の特殊なワクチン事情について、専門家に取材した。(網 麻子、武藤邦生)
 「国際的に希少なワクチンを日本が買ってしまうのは残念だ」。昨年7月、世界保健機関(WHO)の進藤奈邦子医務官は記者会見で、輸入によって必要な新型インフルエンザワクチンの約半分を賄おうとする日本の姿勢を批判した。
 当時、国が見積もった、国内製造可能量は1700万人分程度。2千万人分近くを輸入で補う方針を示していた。
 その後の接種回数の変更などで、結果的に国産で手当てできる人数は大幅に増えたものの、それでも全国民の半数以下で、「十分な生産体制がないのが明らかになった」と大阪大付属病院(大阪府吹田市)感染制御部の朝野(ともの)和典教授。新型ワクチンを製造する財団法人阪大微生物病研究会(同市)など国内4社はすべて小規模で、海外で製薬大手が大量生産しているのとは対照的だ。
 脆弱(ぜいじゃく)な生産体制の背景には、インフルエンザに限らず、ワクチン全般にわたって“後進国”とされる日本の現状があるという。
     ◆      
 1980年代末から、新三種混合(MMR)ワクチンで副作用による被害が多く発生したことなどで、副作用に対する不安感が根強く、国際的な流れから遅れた日本。ヒブ、B型肝炎、肺炎球菌などのワクチンは、WHOが全世界に接種を推奨し、多くの国で対象者が無料で受けられるのに対し、国内では任意接種で有料となっている。国内のワクチン市場も全医薬品の約1%と小さい。
 ワクチンに精通する兵庫医科大病院(西宮市)小児科の服部益治教授は「今回の事態を、遅れを取ったワクチン政策を根本から考える契機にしなくてはならない」と強調する。感染症に詳しい近畿医療福祉大(兵庫県福崎町)の勝田吉彰教授は、特に世界的な大流行を起こす危険性の高いインフルエンザのワクチンについて、「国内で全部を賄えるだけの生産体制が不可欠。今回は輸入に踏み切ったが、強毒型の鳥インフルエンザが流行すれば(品不足に陥って)海外大手が輸出を規制することも十分考えられる」と危機感を募らせる。

■ 新型インフル 再来への備えを万全に

(中日新聞)世界的に大流行した新型インフルエンザは、感染者の発生ペースが下がり終息に向かいつつあるが、再来の危険性はある。これまでに明らかになった不備な点を反省し、対策を見直してもらいたい。
 世界保健機関(WHO)は今週、世界的大流行(パンデミック)を意味する最高度の「6」にある警戒レベルを見直すかどうかについて議論した。アフリカの一部でまだ感染が拡大していることから最終的には見送られたが、日本を含め他の地域では感染者の発生は減少傾向にあり、早晩、終息するとみられる。
 WHOによると、これまでに世界で一万五千人以上が死亡した。 わが国でも二百人近くが亡くなったが、季節性インフル並みで他の先進国よりも少ない。比較的少ない自己負担で医療機関において早期診断・治療を受けられたためだろう。こうした医療体制は今後も維持してもらいたい。
 だが、見直すべき点もある。
 空港での水際対策に必要以上の医師や看護師など医療従事者を投入し、他の対策が手薄になり、その間に国内では渡航歴がなくても感染者が発生していた。昨春、メキシコでの最初の流行の際、死亡者が続出したうえWHOが当初、入国の際の検疫を重視していたこともあり、わが国が混乱したことは否めない。初期の空港検疫自体は誤りでないにしても、それ一辺倒になったことは反省材料だ。
 対策が硬直した背景には、新型に対する「行動計画」が、鳥由来の新型という最悪のケースを想定していて、結果的には季節性と差がない病原性だった今回の豚由来の新型に対し「鶏を割くのに牛刀」になったことがあげられる。
 それが過度な学級閉鎖、修学旅行の中止なども招いた。
 今後は流行の状況を見ながら臨機応変に対応できる柔軟な「行動計画」にしたい。
 新型の流行が下火になり、国産に加え輸入ワクチンも大量に余るだろう。これを無駄とみるか保険とみるかは意見が分かれるが、明らかになったのは、わが国は他の先進国に比べ、海外に依存せざるをえないほど国内のワクチン製造のインフラが著しく劣っていることだ。ワクチンをめぐっては過去に薬害など不幸な事例があるが、それを乗り越えてメーカーの製造体制を国が支援すべきだ。
 一九一八年から三年続いたスペインかぜでは第二波以降病原性が高まり多数が亡くなった。今回も油断せず次に備える必要がある。

■ 新型インフルエンザ:集団発生、水際重視で対応遅れ 厚労省研究班、初期段階を分析

(毎日新聞)新型インフルエンザの発生初期段階で、全国の保健所職員が平均で1人当たり計33人の帰国者の健康監視と、計180件の発熱相談に対応していたとの調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめた。渡航歴のある人への厳格な対策が人員不足を招き、結果として国内集団発生への対応が遅れたと総括している。
 昨年8月、全国510保健所に送ったアンケートの回答(回収率65%)から推計した。
 国は発生初期、発生国からの帰国者全員に最大10日の健康監視を続け、インフルエンザ症状が出た場合は保健所の発熱相談センターに電話するよう呼び掛けていた。研究班によると、この結果、3000人の保健所職員が10万人の健康監視に当たり、5000人が10万件の発熱相談を受けた。93%の保健所は土日出勤で連日対応し、6割以上が「医師や保健師の人数が不足していた」と回答した。
 研究班は当時の態勢を「水際対策に人材を振り向ける一方で、集団発生への対応が十分でなかった」と指摘した。
 分析した緒方剛・茨城県筑西保健所長は「現場を踏まえた対応ができるよう国が方針を示す範囲と、都道府県の裁量に任せる範囲を整理する必要がある」と話す。

2月27日

 流行そのものについてのニュースが激減しました。

■ 新型インフル4週連続で減少 ピーク時の20分の1以下

(共同通信)国立感染症研究所は26日、21日までの1週間に全国約5千の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は8438人、1機関当たり1・76人だったと発表した。前週は1万3479人、2・81人で、4週連続の減少。昨年11月のピーク時の20分の1以下。患者の大半は新型インフルエンザとみられる。
 この1週間に新たに医療機関を受診した患者は推計約9万人(前週約15万人)。昨年7月上旬以降の累計は約2052万人となった。
 1機関当たりの人数は、山形と新潟を除く45都道府県で前週より減少。福井(5・19)だけが5を超え、佐賀(4・64)、沖縄(3・69)と続いた。すべての保健所地域で警報レベルを下回った。

■ 新型インフル:帰国者対策重視で対応遅れ 厚労省まとめ

(毎日新聞)新型インフルエンザの発生初期段階で、全国の保健所職員が平均で1人当たり計33人の帰国者の健康監視と、計180件の発熱相談に対応していたとの調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめた。渡航歴のある人への厳格な対策が人員不足を招き、結果として国内集団発生への対応が遅れたと総括している。
 昨年8月、全国510保健所に送ったアンケートの回答(回収率65%)から推計した。
 国は発生初期、発生国からの帰国者全員に最大10日の健康監視を続け、インフルエンザ症状が出た場合は保健所の発熱相談センターに電話するよう呼び掛けた。研究班によると、この結果、3000人の保健所職員が10万人の健康監視に当たり、5000人が10万件の発熱相談を受けた。93%の保健所は土日出勤で連日対応、6割以上が「医師や保健師の人数が不足していた」と回答した。

■ インフル対策、当面は実施継続―厚労省

(医療介護CBニュース)新型インフルエンザの流行について、厚生労働省健康局結核感染症課の中嶋建介・感染症情報管理室長は2月26日の記者会見で、「峠は越えている」との認識を示したものの、当面は現行の対策を継続する方針を示した。
 インフルエンザ定点医療機関当たりの全国の患者報告数は、15-21日の週は1.76で、前週より1.05ポイント減った。全国的な流行入りの指標となる1.0を、次週にも下回る可能性がある。
 中嶋室長は会見で、定点当たり報告数に地域差があるため、「一様にピークアウトしたかは(判断が)難しい」との見解を示した。また、最近でも毎週、新たに100人以上が入院し、死者も発生していると指摘。世界的な大流行(パンデミック)が最悪期を脱したとの判断を見送ったWHO(世界保健機関)が、引き続きサーベイランスを実施するよう強調していることもあり、「直ちに手だてを緩めることは難しい」と述べた。

■ 新型インフルワクチンの子供への接種30%超す 青森県

(陸奥新報)新型インフルエンザワクチンの子供(1歳~高校生)の接種率が今年1月末時点で32%であることが25日、県保健衛生課への取材で分かった。同課は「流行期は感染者の大半を子供が占め、(感染で抗体ができて)接種の必要がない子供もかなりいただろう。その中で30%を超えたのは、集団接種の影響などが考えられる」とした。
 接種受託医療機関から市町村にあった報告を同課がまとめた。県内の1歳から高校生は計約22万4000人で、このうち7万2488人が今年1月末までに接種した。このほか、妊婦は68%(8000人中5450人)、1歳未満児の保護者は25%(2万人中4960人)、65歳以上の高齢者は22%(35万2000人中7万7123人)となっている。
 これら全体の接種率は26.5%で、季節性インフルエンザワクチンの例年の接種率(20~30%)とほぼ同率だ。しかし、同課は「県内の新型インフルエンザ感染者は1月末の推計で約13万人と、例年の季節性に比べて倍近い。このことを考えると、ワクチン接種率も3月を終えなければ最終的なことは言えない」と語った。
 19~64歳については1月25日の接種開始から1カ月しか経過していないため、集計は今後になるという。

(院長のつぶやき)この数字、すごいと思います。

2月26日

■ 新型インフル 現場から対策の検証を

(信濃毎日新聞)新型インフルエンザの流行が、北半球でピークを過ぎつつある。日本国内の患者数も減る傾向にある。昨年の春から政府が進めてきた一連の対策を検証し、今後に生かすときだ。

◎ 一つは、初期の段階で取られた水際対策の評価である。

 政府の対策はもともと高病原性鳥インフルエンザの想定だった。ウイルスの国内侵入を防ぐことに重点が置かれ、空港での検疫や接触者らの移動制限が行われた。
 実際はウイルスがすり抜けた可能性が高い。実効性について、さまざまな角度から検証が要る。

ワクチンの生産、供給の態勢については反省点が多い。

 当初、昨年中に国内で生産できる量は1700万人ほどとされ、政府は不足分を補うため大量の輸入ワクチンを確保した。接種が本格化したのは11月半ば。夏から秋の大流行には間に合わなかった。
 現状はどうか。接種を受けた人は最大に見て2200万人余にとどまる。国産ワクチンの供給はだぶつき気味だ。輸入ワクチンはほぼ手付かずの状態にある。
 こうした事態は欧米でも起きている。余ったワクチンを途上国に提供する動きがある。日本も検討すべきである。先進国がワクチンを奪い合い、果ては大量に余らせる-。この愚を繰り返さないために、根本の問題に目を向けたい。医療先進国である日本は、国内の生産態勢の強化を図るべきだ。鳥インフルエンザへの対応も視野に入れ、自前で確保できる準備を進めたい。
 検証作業に欠かせないことがある。厚労省が自治体や現場の医師の意見をよく聞くことだ
 ワクチンが行き渡る前に大流行が起きた今回、重症化や死亡者を最小限に食い止めてきたのは、地域の診療所や病院のがんばりに負うところが大きい。厚労省の対応は柔軟さに欠け、実態にそぐわない指示も目についた。
 昨年秋、ワクチン供給の見通しが不透明なまま、厚労省が子どもへの接種を早めるよう都道府県に求めたのが一例だ。自治体や医療機関に問い合わせが殺到し、現場の混乱を招いた。
 地域の医療態勢やワクチンの優先接種のあり方は、国が一律に縛るのでなく、地域の実情を知る自治体や医療機関の裁量がもっと尊重されるべきではないか。
 厚労省は新たな感染症の発生に備え、予防接種法の改正案を今国会に提出するという。それも、新型の対策から十分教訓を学んだうえで、進めることが大事だ。

(院長のつぶやき)予防接種の改正案とは「新臨時接種」の創設。接種は自己負担だけど、流通から優先順位まですべて国が管理し、責任は現場に押しつける歴史に残る悪法です。
 今回のワクチン行政を現場から見ると、「必要なときには手に入らず、余ったら返品不可で自腹を切る、余ったワクチンを優先順位からはずれて接種すると罰せられる・・・
 地元医師会には夏の段階から「集団接種をやらないとさばききれませんよ」と提案していましたが、「国と医師個人の契約」という形式を取ったために地方自治体が動くことができず、結局実施されたのが流行のピークが過ぎた1月・・・ 
 もう、うんざりして協力する気になりません。

■ 新型インフル、子どもや肥満の人は重症化しやすい=米研究

(ロイター)米専門家が24日、重症肥満の人や学齢児童はそうでない人たちと比べて、新型インフルエンザ(H1N1型)の感染が重症化したり死亡したりしやすいとする研究結果を発表した。
 米疾病対策予防センター(CDC)の専門家によると、予備データでは、重症肥満者はそうでない人と比べて、入院したり死亡したりする割合が4倍と高かった。また、子どもの死亡率はそのほかの年代の人の5倍と高かったという。

2月25日

■ 依然ほとんどが新型も、B型が微増―インフルエンザで感染研

(医療介護CBニュース)今年に入って検出されたインフルエンザウイルスは新型とB型のみで、他のA型のウイルスは検出されていないことが2月22日、国立感染症研究所感染症情報センターのまとめで分かった。同日のメディア意見交換会で明らかにした。依然として新型がほとんどを占めているが、B型も微増傾向にある。中国ではB型が流行していることから、岡部信彦センター長は「今後の動向に注目する必要がある」としている。
中国のB型流行、日本に飛び火か
 また、岡部センター長は、中国で発生しているインフルエンザのうち、およそ半数がB型であることや、その大半がヴィクトリア系統株で、山形系統株は少ないとするWHO(世界保健機関)のデータを紹介。さらに、今年に入ってから日本で検出されているB型は、ほとんどがヴィクトリア系統株である上、今月には神戸市で同系統株の集団発生が確認されていることから、「(現在、流行しているB型ウイルスは)中国から入ってきたと考える方が自然。昨年は3-4月にB型が流行したことを考えると、今後、B型にも注意する必要がある」と述べた。

■ 最悪期脱出判断、WHOが先送り 新型インフルエンザ

(毎日新聞)世界保健機関(WHO)は23日に開いた専門家による緊急委員会で、新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)が最悪期を過ぎたとする判断を先送りした。
 北半球で感染が減少している半面、最近も西アフリカで新たな発生が報告されるなど、南半球ではまだ感染拡大の可能性があるとの意見が出て、なお数週間は推移を見守る必要があると判断した。経過観察を経ても事態が悪化しなければ、改めて緊急委員会を開き、再び最悪期を超えたかどうか判定する。
 WHO執行部は、事前にフクダ事務局長特別補佐(新型インフルエンザ担当)が「最悪期脱出」認定への期待を表明するなど、緊急委員会の開催は大流行終息への第一歩と位置づけていた節がある。先送りが決まると、チャン事務局長らは長時間、対応を協議した。

(院長のつぶやき)注目された会議ですが、流行終息宣言は見送られました。
 考えてみると、新型インフルエンザの登場は昨年4月末。あと2ヶ月で1年経過することになります。大きく変異したウイルスは話題になりませんが、そろそろ南半球での流行がまた報告されるようになる季節になりますね。

■ 新型インフルエンザ、混合型患者を確認 愛知県内初、全国3例目

(毎日新聞)県は23日、タミフルに耐性を示す変異した新型インフルエンザのウイルスと、タミフルが効くウイルスの双方に感染した患者を確認したと発表した。混合型の感染確認は県内初で全国では3例目。患者は既に回復した。県は「タミフルが効かなくなるように変異する過程のウイルスに感染した可能性がある」と分析している。
 県新型インフルエンザ対策室によると感染したのは一宮市の10歳の女児。09年11月20日に39度の発熱があり、呼吸障害が見られたため入院。12月24日に新型インフルエンザの感染が分かった。県衛生研究所で遺伝子解析をしたところ、タミフルに耐性を示す変異した遺伝子を確認。さらに国立感染症研究所で調べた結果、耐性を示すウイルスとタミフルが効くウイルスに感染したことが判明した。ウイルスはリレンザには耐性を示さなかったという。

(院長のつぶやき)わかりにくいニュースです。1度の感染で2種類のウイルスが検出されたという意味なのかな?

阪神ジェット風船 “発射OK!”

(スポニチ)阪神と甲子園球場は24日、新型インフルエンザの感染拡大を受けて、観客に自粛を求めていたジェット風船による応援について、27日のオリックスとのオープン戦(高知・安芸市営球場)から自粛の呼び掛けを解除すると発表した。
 同日はグッズショップなどでジェット風船の販売を再開する。甲子園球場でのジェット風船を使った応援自粛の要請解除は3月13日の横浜とのオープン戦からとなる。

(時事通信)ソフトバンク、阪神が風船解禁
 ソフトバンクと阪神は24日、新型インフルエンザ拡大防止のため自粛を呼び掛けていた「ジェット風船」を使った応援をオープン戦から認めると発表した。

□ 集団食中毒も県が予防呼びかけ

(読売新聞)ノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎の患者が急増している。流行の始まりは、例年は11月下旬頃だが、今季は年明けにみられた。今後も流行が続く可能性があり、県は予防を呼びかけている。
 県が23日公表した15-21日の感染性胃腸炎の患者数は、1医療機関あたり18・08人と前週より2・28人増え、警報レベルの20・00人に迫っている。
 集団食中毒を引き起こすケースも出ている。1月下旬、太田市と前橋市で、飲食店の客計32人が症状を訴えた。また今月4日に前橋市の飲食店で生ガキを食べた5人に症状が出た。
 一方、県衛生環境研究所(前橋市)によると、今季は、同様の傾向が海外にもみられるといい、「(手洗いの習慣が無いなど)衛生観念の異なる地域でも、インフルエンザの収束期に、感染性胃腸炎が増えている」と指摘している。

(院長のつぶやき)当初「感染性胃腸炎の流行が押さえられたのは新型インフル対策としての手洗いが徹底されたからだ」と報道されましたが、この説がもろくも崩れてしまいました。そううまくはいかないものなのですねえ(苦笑)。

2月24日

■ 国産ワクチン在庫、774万回分=1月中旬時点、新型インフル用-厚労省

(時事通信)厚生労働省は23日、国産の新型インフルエンザワクチンの在庫が、1月12日時点で約774万回分に上ると発表した。同省は「健康成人への接種が始まる前の調査で、すべてが余剰に当たるとは言えない」としている。
 同省によると、医療機関に残っているワクチンが約202万回分、納入先が決まらず卸売業者が抱える在庫が約572万回分あるという。

人から人へ感染か=タミフル耐性ウイルス、兵庫と鳥取で

(時事通信)厚生労働省は23日、兵庫県西宮市と鳥取県内で、抗インフルエンザ薬タミフルに耐性を持つ新型インフルエンザへの感染が報告されたと発表した。いずれも9歳の男児でタミフルを服用しておらず、耐性ウイルスが人から人に感染した疑いがあるという。
 耐性ウイルスはこれまでに全国で52例が報告されている。このうち人から人に感染した可能性があるのは、今回を合わせて6例。周辺への耐性ウイルスの感染拡大は確認されていない。
 西宮市の男児は昨年12月9日、鳥取県の男児は同月17日に発熱し、いずれも別の抗ウイルス薬リレンザを処方された。鳥取県の男児は同時期に弟と妹も感染してタミフルを服用しており、弟か妹の体内でウイルスが変異して耐性株になった可能性もあるという。

(院長のつぶやき)要注意のニュースです。

■ 新型インフル:余るワクチン 欧米でWHO非難も

(毎日新聞)世界保健機関(WHO)は23日、新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)が最悪期を過ぎたかどうかを検討するため、専門家による緊急委員会を開いた。多くの国・地域で感染ペースが鈍化する中、「最悪期を越えた(ポスト・ピーク)」と認定するか議論されている。結論は24日に公表される。一方、大量発注で余ったワクチンの始末に追われる欧米では、パンデミックとしたWHOの判断の妥当性をめぐり議論が浮上。今後の対策に微妙な影を投げかけている。
 「(昨年6月に出した)パンデミック宣言や各国に推奨した対策は、製薬会社の不当な影響を受けて行われたものではない」
 WHO事務局長特別顧問で新型インフルエンザ対策責任者のフクダ博士は先月26日、欧州会議(本部・仏ストラスブール、加盟47カ国)のヒアリングで真っ向から反論した。
 言わずもがなの釈明を迫られたのは、同会議保健委員長でドイツ人医師のボーダルク博士が「偽りの宣言を発した経緯を明らかにすべきだ」との動議を出したため。同博士は英仏メディアで「WHOのある人々は製薬会社とつながっており、(各国にワクチンを過剰注文させるため)恐怖心を拡大させた。こんな厳戒態勢を敷く理由はなかった」などと非難していた。
 焦点の一つはパンデミックの定義。WHOは数年前まで「多数の人々が感染または死亡する」事態としていたが、今回の宣言に当たり「人々が免疫を持っていないウイルスが大陸を超えて広がる」事態にハードルを下げた、という指摘だ。フクダ博士は「症状の重さは流行の過程で変わり得る。我々の仕事は予防で、被害を減らすことだ」と説いたが、欧州会議は一連の経緯を検証することを決めた。
 欧米でWHOが批判されるのは、金融経済危機に伴う財政難で予算の“無駄遣い”に世論が過敏になっている事情もある。推計では、欧州全体で薬とワクチンの準備に充てられた予算は総額120億ユーロ(約1兆4850億円)。WHOが当初2回接種を推奨したことから、人口を上回る量を確保した国も多く、製薬会社は収益を大きく伸ばした。
 ところが、実際に使用されたワクチンは想定を大幅に下回った。各国はワクチンの余剰を減らすため製薬会社と交渉。先月、ドイツが注文した5000万接種分の3割削減で合意。仏も約半分を削減した。両国は十数億~数百億円を支払わずに済んだが、残りを使い切れるか不明だ。一方、AP通信によると、ポーランドはワクチンを一切輸入していないが死亡率は他の欧州諸国と大差なかった
 だが、欧米のWHO批判は「富める国のエゴ」の側面も否定できない。WHOは余剰ワクチンを途上国などに振り分けることを推進しているが、先進諸国は「予算の無駄」批判を恐れて余剰分を解約・売却しようとするため、なかなか進まない。
 WHO担当者は警告する。「自国優先の論理と地球全体の要請の間には、ずれがある。はるかに毒性の強い鳥インフルエンザが大流行したら、世界がバランスよく迅速に対応できるだろうか

(院長のつぶやき)結局「強毒性ではない」ことが大いなる誤算となり、それに対応できなかったということでしょう(逆よりマシと思いますが)。

■ タミフル、ネットで違法販売容疑 輸入代行業者を逮捕

(朝日新聞)インフルエンザの治療薬タミフルの広告をインターネット上に無許可で掲載したとする薬事法違反(承認前の医薬品等の広告の禁止)容疑で逮捕された輸入代行会社インターテック(東京都港区)社長保坂誠一郎容疑者(71)らが、無許可でタミフルの販売もしていたとして、大阪府警は保坂容疑者ら数人を同法違反(無許可販売)容疑で24日にも逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。
 捜査関係者によると、保坂容疑者らは09年10~11月、タミフルを輸入代行するとした広告をネット上に掲載。注文した客に郵送で販売した疑いが持たれている。通常、個人輸入の代行業者は、注文を海外の業者に仲介するだけで、タミフルは海外の業者が客に直接発送する。だが今回逮捕される業者は、海外業者からタミフルを仕入れ、客に転売していた疑いがあるという。
 国内でタミフルの輸入販売が厚生労働省に承認されているのは中外製薬だけで、他の業者や個人が販売したり、広告を出したりすることは禁じられている。
 府警は今月4日、インターテックなど東京や大阪、岡山の5業者の経営者ら6人を同法違反(承認前の医薬品等の広告の禁止)容疑で逮捕した。

2月23日

■ 鳥インフルエンザ:季節性と混合で、強毒化する恐れ

(毎日新聞)人に感染すると致死率6割以上という強毒性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が人の季節性ウイルスと混ざり合うと、さらに強毒化する恐れのあることを東京大医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス学)と米などの研究チームが明らかにした。23日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。
 H5N1型ウイルスと季節性(H3N2型)ウイルスを使い、遺伝子のすべての組み合わせ(254通り)の作成を試みた。75種のウイルスを調べた。
 その結果、季節性ウイルスの遺伝子の一つで増殖の働きを担う「PB2」を持つ22種で、それぞれのウイルスを感染させた4匹すべてが6~12日間で死んだ。その他のウイルスはH5N1型と同程度(12日後に致死率50%)か、より弱い毒性だった。

(院長のつぶやき)皆さん、覚えてますか?
 流行中の新型インフルエンザは「豚由来」で、「鳥由来」ではありませんよ〜。

■ 新型インフルの時間外診療25%/弘前市医師会

(陸奥新報)弘前市医師会が、新型インフルエンザ流行時に実施した時間外診療の受診状況などをまとめた。時間外体制をとったのは25日間だったが、この間、弘前市内全体で1万166人が受診し、時間外診療で患者全体の25%を担ったことが分かった。大きな目的の一つだった輪番制病院、急患診療所の負担軽減につながる結果が示された。一方で、弘前市内では1日に最大で900人近くが受診。仮にインフルエンザがさらに拡大した場合や強毒化した場合、医療体制をどう整えるか、課題も浮き彫りになった。
 時間外診療体制は休日に新型インフルエンザの患者が急増し、本来受診すべき急患が医療を受けられない事態を防ぐため、輪番病院の負担を減らすことなどを目的に実施した。昨年10月31日~今年1月3日まで、市内の38医療機関が協力した。
 医師会は時間外診療体制に協力した医療機関、市医師会運営の急患診療所、健生病院、市立病院、国立病院機構弘前病院などの患者数を調査した。

(院長のつぶやき)なんで青森県のニュースが・・・と思われるでしょうが、理由は私が弘前大学出身だからです(笑)。

■ 「厚労省は新型インフルへの対応の総括を」―黒岩氏

(医療介護CBニュース)「今回の(新型インフルエンザをめぐる)大騒動は何だったのか。なぜ、あんなバカなことが起こったのか。その経緯を国民に説明しないと、先には進めませんよ」―。2月19日に開かれた厚生科学審議会感染症分科会の予防接種部会(部会長=加藤達夫・国立成育医療センター総長)。黒岩祐治委員(ジャーナリスト、国際医療福祉大学大学院教授)は、新型インフルエンザをめぐる、これまでの厚生労働省の一連の対応を批判。同日、審議された予防接種制度の見直しに向けた第一次提言の修正を求め、激しく詰め寄った。
 黒岩氏が、まっさきに批判したのは第一次提言のなかの『はじめに』の内容についてだった。
「水際作戦といって、宇宙服のような防護服を着て、空港で大騒ぎしたうえ『水際作成はうまくいっていますから、日本には新型インフルは入ってきていません』という嘘をつき続けた。誰がどこで間違えてそうなったのか。誰かが責任をとったのか。その点をはっきりさせなければ、国民は納得しません。それが『はじめに』に書かれてない」
 これに対し、会議に参加していた厚労省の担当者は、『はじめに』の文中に「今回のインフルエンザ対策の総括も踏まえた上で」と書かれている点に、指摘された内容は含まれると説明。他の委員からは、予防接種部会である以上、検疫体制などインフルエンザ対策全体の問題についての言葉を盛り込むことを疑問視する声も相次いだ。
 それでも黒岩氏は「国民の納得が得られる内容でなければならない」と重ねて主張。また、接種対象者に優先順位をつけるという内容を一次提言から削除すべきと指摘したほか、複雑な予防接種法を改正するのではなく、特別措置法で対応すべきであるとも訴えた。
 一方、他の委員からは、特措法より予防接種法改正で対応する方が現実的とする意見が大勢を占めた。厚労省側の担当者も、国家の安全保障上、特措法ではなく予防接種法を改正する形で臨みたいと説明したが、黒岩氏は「それを官僚主導というんですよ。今回の議論も、すべて(厚労省の作った)シナリオがあったじゃないですか!」と、机を叩きながら反論。提言内容の修正を強く要求した。

(院長のつぶやき)TVで実況中継して欲しい会議です。日本の官僚は責任を足らずに済むシステムを構築してきたので、それを崩すのは大変そうですね。

□ 保団連が既承認ワクチンの定期接種化など要望

(日経メディカル)
 全国保険医団体連合会(保団連)は2月18日、厚生労働大臣などに対し、予防接種行政の早急な改善を求める要望書を提出。国内で既に認められているワクチンの定期接種化や公的負担の実施、不活化ワクチンの実用化の必要性を訴えた。
 現在国内で、予防接種法に基づいて小児への定期接種(一類疾病)が行われているのは、ジフテリア・百日咳・破傷風の3種混合(DPT、トキソイドまたは成分ワクチン)、ポリオ(生ワクチン)、麻疹・風疹2種混合(生ワクチン)、日本脳炎(不活化ワクチン)。65歳以上の高齢者に対する季節性インフルエンザワクチン(不活化ワクチン)接種も、定期接種(二類疾病)に指定されている。また、結核予防法に基づいて結核(BCG、生ワクチン)の定期接種が行われている。
 保団連は、新型インフルエンザへのワクチンの対応で医療現場が混乱したことを指摘。今後の対策の見直しを求めるとともに、任意接種、定期接種などの位置づけについては触れていないものの、新型インフルエンザワクチン、季節性インフルエンザワクチンの両方を公費で接種できるようにすべきと主張した。さらに、新型インフルエンザワクチンの優先接種対象者に医療従事者全員と福祉・教育担当者を加えることなどを求めた。
 国内では経口生ワクチンしか認められていないポリオワクチンについては、不活化ワクチンへの切り替えを要望。麻疹ワクチンに関しては、定期接種の接種率の向上や、定期接種の対象年齢外の小児に対する公費接種の実施などを訴えた。
 また、定期接種が行われていないインフルエンザ菌タイプb(Hib)ワクチン、肺炎球菌ワクチン、HPVワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンについては、いずれも基本的に定期接種にすべきだとした。
 要望書の提出に先立ち、国会議員を招いて行われた学習会では、国立病院機構三重病院名誉院長の神谷齋氏が、予防接種の歴史や国内の予防接種行政の課題などについて講演した。専門家からなる諮問委員会ACIP(Advisory Committee on Immunization Practices)が予防接種を定期接種に推奨するかどうか評価し、関連省庁に勧告を行う米国のシステムを例に挙げながら、ワクチン担当の行政組織が複数部局にまたがっており、人的・組織的な連携が難しい日本の問題点を指摘。その上で、「まずは関係者が一堂に会して議論する場を設けるべきだ。現在行われている予防接種部会の下部組織として専門家のみのワーキンググループを設置し、ワクチンの評価を行う必要がある」(神谷氏)などと述べた。

(院長のつぶやき)小児科医が理想とする予防接種スケジュールは「3種混合(DPT)、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン」の同時接種です。しかし、2つは任意接種でありワクチン代が高価のため、希望者も少ないし勧めづらいのが現状です。

2月22日:世界の死者15921人以上

■ 【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.88

(Emergency Assistance Japan)
1) 感染状況
 2月14日時点で、WHOには、212ヶ国と地域で確定患者と、合計15921名以上の死亡者の報告があがっている。WHOは、その地域事務局や加盟国と頻繁に協議、あるいは、複数のデータを監視することで、パンデミックの進展状況を注意深く追跡している。

2) 状況は前回に変り大きくは変化していない。
 北半球の温帯地域では、欧州東部、南部、南アジアと東アジアの限定した地域で、パンデミックインフルエンザの伝播は、活発であるものの低下傾向が続いている。西アフリカのいくつかの国では、感染ケース数の増加の報告があるが、広範な地域内の伝播が起きていると結論つけるように十分な証拠はない。タイとジャマイカで、呼吸器疾患活動の増加傾向の報告があるが、その原因は現時点では不明確である。

3) 東南アジア
 いくつかの国が、呼吸器疾患活動の増加傾向を報告しているが、全体的に程度は、低い状態である。散発的なインフルエンザ活動が数ケ月続き、タイでは、24県でインフルエンザ様疾患の増加で確認され、呼吸器疾患活動が増加しているとの報告がある。しかし、全国的には、活動レベルは低いままである。ミヤンマーとインドネシアでは、地理的に限定されているインフルエンザ活動、呼吸器疾患の増加傾向、全体としては低いレベルが報告されている。

4) 南アジア
 インフルエンザ活動は、インドの北部と西部の諸州では継続しているが、全体的なインフルエンザ活動は、インド、根パーツ、バングラディッシュ、スリランカでは、低下傾向が続くもしくは、低い状態留まっている。

5) 東アジア
 パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、続いているが、この地域のほとんどの国(中国、日本、韓国)では、継続的に減少している。ただし、北朝鮮は、その例外で、呼吸器疾患活動が増加傾向にあるとの報告がある。西アジアでは、パンデミックインフルエンザウイルスは、多くの国で循環が継続しているが、現在の活動のレベルは、全体的に低い。

6) 北アフリカ
 パンデミックインフルエンザの伝播は残っているが、過去1ケ月にわたって、活動がかなり低下し続いていると報告されている。サハラ以南のアフリカでは、限られたデータではあるが、パンデミックインフルエンザの伝播は、多くの国で散発的になっている可能性がある。西アフリカのいくつかの国では、パンデミックインフルエンザの確定件数が増加しているとの報告が継続しているが、現在は、この地域のいかなる国でお呼吸器疾患活動の増加があるとの報告がない。

7) 欧州
 パンデミックインフルエンザウイルスが、中央、南東部欧州での循環が継続しているが、活動の全体的なレベルは、多くの国で低い状態である。ギリシア、ブルガリア、トルコ、スロバキア、モルドバ、ロシア連邦だけが、中程度の呼吸器疾患活動の状況の報告がある。スロバキアとロシアでは、急性呼吸器疾患/インフルエンザ様疾患の増加が数週間報告されていたが、これらの国の増加活動は、他の循環している呼吸器系ウイルスとの関係がある可能性がある。20以上の検体をテストしている12ケ国の中で、ハンガリーだけが、インフルエンザに陽性反応を示した検体の比率は、20%以上である。

8) 南北アメリカ
 熱帯地域でも、北米の温帯地域でも、パンデミックインフルエンザウイルスは、低いレベルで循環が継続しているが。パンデミックインフルエンザ活動は、ほとんどの国で、減少傾向か、低い状態が続いている。中央アメリカとカリブ海諸国では、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、残っているが、多くの国での活動は全体的に低い状態もしくは変化がないままである。ジャマイカで、呼吸器疾患活動の増加が報告されているが、そのレベルは、全体として低いままである。

9) パンデミックインフルエンザH1N12009ウイルスは、世界で循環しているインフルエンザウイルスでは支配的な状況が継続している。中国で最近検知されている季節性インフルエンザB型ウイルスの割合が増加していることに加え、H3N2とB型が低い割合だが、アフリカ、アジアで循環している

■ タミフル量産、東大と中国企業が共同研究

(読売新聞)東京大学と中国の化学企業が、インフルエンザ治療薬タミフルを安く大量に生産する技術の確立を目指し、共同研究を始めた。
 タミフルは、香辛料の八角に含まれるシキミ酸を原料に作られているが、大量製造には限界がある。東大の柴崎正勝教授らは昨年2月、石油を原料にした新合成法を発表。技術に注目した中国の北京オデッセイ化学が、技術提供を求めた。
 同社の大平原孝・副社長によれば、人口13億人の中国でタミフルの流通量は少なく、強毒性インフルエンザが大流行すれば、不足は必至。治療薬の自国製造を急ぐ中国政府の科学技術部が、提携を強く後押しした。1月から、同社の技術者が東大で製造法を学んでおり、今年中に工業化のめどをつける見通し。
 タミフルの特許は、スイスのロシュ社が所有しており、中国でも成立している。だが、中国政府は昨年、改正特許法を施行。国民の健康を守る必要がある場合、特許を停止し、医薬品を製造できる「強制実施権」を盛り込んだ
 柴崎教授は「感染症に国境はない。中国で治療薬を供給することは、日本への感染拡大を防ぐ効果もある」と話している。

(院長のつぶやき)「強制実施権」って、国際問題になりそうですね。 

2月21日

■ インフル注意報“解除”…国立感染症研究所

(読売新聞)国立感染症研究所は19日、全国約5000医療機関を対象にしたインフルエンザの定点調査で、最新の1週間(8~14日)の新規患者数が1医療機関当たり2・81人となり、都道府県別でも全自治体で注意報レベルを示す10人を下回ったと発表した。ほとんどが新型インフルエンザとみられ、全都道府県で10人未満となったのは約7か月ぶり。

新型インフル諮問委、記録残さず=首相に答申の専門家会議-非公開の10回検証困難

(時事通信)政府の新型インフルエンザ対策本部(本部長・鳩山由紀夫首相)に、国が採るべき方針を答申してきた専門家諮問委員会(委員長・尾身茂自治医科大教授)が、開いたすべての会議で議事録などの記録を残していなかったことが20日、分かった。
 実効性に疑問が残る空港での水際対策やワクチン輸入などは諮問委の見解に沿って実施されたが、決定に至る過程の検証は困難になる可能性が高い。
 諮問委のメンバーは、尾身委員長と感染症の専門家4人。新型インフルの発生を受け、昨年5月1日に初会合が開かれた。会議はすべて非公開で、原則的に開催自体が明らかにされていない。
 厚生労働省や内閣府の関係者によると、これまでに開催されたのは10回で、うち9回は前政権下で開かれた。同省側が対策の根幹となる「基本的対処方針」などの原案を用意し、委員に意見を求める形で議論は進められたという。
 5月は機内検疫や感染者の隔離措置など水際対策を主な議題に5回開かれた。6月は冬の流行拡大に向けて態勢を見直すため3日連続で開催。8月、9月は各1回で、外国製ワクチンの輸入や接種スケジュール、費用などの方針を検討した。
 会議には同省幹部らが同席したが、類似の会議とは異なり、議事録は作らず、発言は一切録音しなかった。残っているのは出席者の個人的なメモのほか、取材対応用に用意した数回分の議事概要だけで、どのような議論が交わされたのかが分かる資料は内部向けを含めて存在しないという。
 世界的に異例だった水際対策は、諮問委の「一定の効果があった」との評価で継続されたが、実際は潜伏期間の感染者が多数すり抜けた可能性があると指摘する研究者もいる。巨費を投じた輸入ワクチンは大半が余る見通しだ。 

(院長のつぶやき)御用学者の責任逃れ体質・・・確信犯ですね。まことにわかりやすい(苦笑)。
 伝え聞く出席者のコメントでは「厚労省の方針が示されて意見を求めるだけで、その場で話し合って方針を決定するような会議ではなかった」らしいです。

2月20日

■ 輸入ワクチン接種始まる=卵アレルギーの人たち-名古屋

(時事通信)外国メーカー製の新型インフルエンザワクチンの接種が19日、名古屋市の名鉄病院で始まった。輸入ワクチンの接種は全国で初めて。
 同病院では、鶏卵で培養している国産ワクチンを使えない卵アレルギーのある人たちに向け、イヌの細胞で培養したノバルティス社(スイス)のワクチンを使用した。
 同日の接種対象は14~60歳の9人。このうち愛知県小牧市の中学2年宮地絵里さん(14)には重度の卵アレルギーがあり、母ひさみさんは「鶏卵のワクチンには不安があったので、病院に頼んで輸入ワクチンを取り寄せてもらった」と話した。

■ インフルワクチンを過大評価=母親の9割、正しく理解せず-民間調査

 インフルエンザワクチンの幼児への効果について、高校生以下の子供を持つ母親の9割が正しく理解せず、半数以上が過大に評価していることが、コンサルティング会社「フライシュマン・ヒラード・ジャパン」(東京)の調査で分かった。
 同社は今月8~10日、全国の24~54歳の母親500人を対象にインターネットを通じて調査した。
 厚生労働省はワクチンが発病を防ぐ効果は、1~5歳の子供では「20~30%」としているが、500人のうち正しく回答したのは全体の3%に当たる15人だけ。57%は「5割以上防げる」などと過大に評価し、「分からない」とした人も36%に上った。
 また、今回の新型インフルエンザが豚由来だと理解している人は59%にとどまり、「分からない」が25%、「鳥由来」と答えた人も15%いた。

■ 弱毒性の新型インフル対応「新臨時接種」を提言

(読売新聞)厚生労働省の予防接種部会(部会長=加藤達夫・国立成育医療センター総長)は19日、弱毒性の新型インフルエンザに対応した新たな仕組み「新臨時接種(仮称)」を予防接種法に導入すべきだとの提言をまとめた。
 厚労省は今国会に同法の改正案を提出する。
 現行法には、天然痘などの病原性が強い感染症流行を想定して、国民に接種の努力義務を課す「臨時接種」の制度がある。新臨時接種は、接種の努力義務までは課さず、国が接種を勧奨する。接種による健康被害が出た場合の救済金は、季節性インフルエンザより高くするよう求めている。

(院長のつぶやき)「新臨時接種」とは「国が管理するけど責任は取らないよ」という悪法として歴史に残ることでしょう。

検疫などインフル対策を検証へ=政府本部、厚労省

(時事通信)足立信也厚生労働政務官は19日、政府の新型インフルエンザ対策本部(本部長・鳩山由紀夫首相)が、新型インフルエンザ対策が適切だったかどうかの検証を今年度内に始めることを明らかにした。厚生労働省も連携して検証作業に入る。
 厚労省によると、検証対象は「水際対策」として空港で行った検疫や、他国が取った対応との相違など。

(院長のつぶやき)おっ、検証するんですか。でも身内でやってもなあなあで終わるでしょうねえ。この辺は相変わらずです。 

■ 新型インフル搬送、17%で問題 消防本部が回答

(共同通信)新型インフルエンザの患者搬送について、全国803消防本部のうち17%に当たる136本部が、受け入れ先がなかなか決まらないなど、必ずしも円滑でなかったと回答していることが19日、総務省消防庁のアンケートで分かった。
 感染症法が移送に責任を持つと定める都道府県との間で、救急車の提供や搬送先の病院に関する事前調整が不足していたことなどが要因。消防庁は昨年5月に国内で初の感染が確認され全国に広がった豚由来のウイルスより毒性が強い鳥インフルエンザなどの発生に備え、連携を促す方針だ。
 搬送に何らかの問題があったとした計136本部のうち、患者を受け入れる病院がなかなか決まらなかった本部は83、都道府県と消防のどちらが搬送を担うべきかで混乱した本部も20あった。

はしか追加接種、依然低迷 13歳と18歳、3月が期限

(共同通信)若者のはしか予防のため、全国の13歳と18歳全員を対象としたワクチン追加接種率は、2009年度は12月末時点の全国平均で13歳が65・8%、18歳が56・6%と、08年度に続き低迷しているとの集計結果を厚生労働省が18日公表した。
 厚労省は、流行防止のために95%以上の接種率が必要との目標を掲げているが、達成は程遠い状況。09年度の対象者は3月末で公費負担による定期接種が受けられなくなるため、厚労省は「早く受けてほしい」と呼び掛けている。
 13歳の全国平均は前年度同期比0・7ポイント減、18歳は1・5ポイント減。
 接種率が高いのは、13歳は茨城(91・8%)、福井(87・6%)、富山(85・7%)。18歳は福井(81・4%)、山形(78・0%)、佐賀(77・9%)。低いのは13歳は高知と福岡(53・6%)、埼玉(54・7%)、18歳は神奈川(36・3%)、東京(40・2%)、大阪(44・3%)。
 都市部で低く、都道府県間の差も大きい。
 08年度の最終的な接種率は、全国平均で13歳が85・1%、18歳が77・3%。95%を達成したのは13歳で3県だけで、18歳ではゼロだった。

(院長のつぶやき)この話題が出る度に、数年前の大学生に流行した麻疹を思い出します。「のど元過ぎれば・・・」の日本人気質は相変わらずですね(苦笑)。

2月19日

■ インフルワクチン、秋から1種類でOK 国産で確保可能

(朝日新聞)国内のインフルエンザワクチンが今秋、1種類にまとめられる見通しになった。世界保健機関(WHO)が18日、来季のインフルワクチンに新型の豚インフルを組み込むことを推奨すると発表したからだ。今季のように季節性と新型の2種類のワクチンを打つ必要がなくなる。例年約4千万人にものぼる接種希望者の負担が軽くなる。
 今季の季節性ワクチンはAソ連型、A香港型、B型の3タイプのウイルスを対象にしてつくられた。インフルワクチンは1種類で最大3タイプのウイルスにしか対応できない。このためこれとは別に新型のワクチンもつくった。特に1~12歳の子どもは季節性と新型を2回ずつ計4回も打つことになった。
 国立感染症研究所のまとめでは、昨年8月末から今年2月中旬までに全国の定点医療機関などを受診した患者から採取され、地方衛生研究所で分析されたインフルウイルスのうち新型が1万8076件。これに対し、Aソ連型はゼロ、A香港型は15件、B型は9件と、圧倒的に新型が多かった。世界的には、B型が日本より多い地域もあるが、おおむね似たような傾向だ。
 過去のパンデミック(世界的大流行)では、新型の流行に取って代わられる形でそれまで流行していたウイルスが世界的に姿を消している。理由はまだわかっていないが、今回も同じことが起きた。
 WHOはAソ連型の代わりに新型を入れることを推奨した。
 国内では今季、インフルワクチンをつくっている4社が季節性(成人換算で約4千万人分)と新型(同約5400万人分)の両方を製造しなくてはならなかった。このため、国産だけでは新型が足りなくなるという予測から外国産の新型(予定で同9900万人分)も輸入された。来季は、1種類のワクチン製造だけで済むため必要量を国産でまかなえる可能性が高い
 国内では感染研が今後、WHOの推奨などを踏まえて専門家の検討会議でワクチンのもとになるウイルス株を選び、最終的には厚生労働省が決める。来季ワクチンが、新型とA香港型、B型という組み合わせになるのは確実だ。

■ ノロウイルスが猛威 新型インフルエンザと入れ替わり

(朝日新聞)新型の豚インフルエンザの流行が下火になってきたのと反対に、小学校や保育園、高齢者施設などで、ノロウイルスを中心とする感染性胃腸炎が猛威をふるっている。新型インフルよりも格段に感染力が強く、国立感染症研究所や保健所は、警戒を強めるよう呼びかけている。
 国立感染症研によると、全国3千の医療機関(小児科)で感染性胃腸炎と診断された患者は1月31日までの1週間で1医療機関あたり14.31人。同時期ではここ10年で最も高い。多くがノロウイルスによるという。
 例年、ノロウイルスを中心とする感染性胃腸炎は、秋に流行が始まって12月ごろにピークを迎え、その後は減少する。それが今季は、11月にピークに達した新型インフルの波が収まったのを見計らったように上昇を始めた。
 インフル流行中は皆が手洗いやうがいに気をつけていたから食中毒を中心とする感染性胃腸炎が少なかったという見方をする人もいる。ただ裏付けるデータはない。

 2006年12月に都内のホテルであった集団感染例はウイルスの手ごわさを示した。
 宴会の利用客を中心に約440人が吐き気や下痢を訴え、発症者の便からノロウイルスが検出された。保健所は分析で食中毒と断定できず、外部から持ち込まれた可能性が強いと報告をまとめた。
 調査で、ノロウイルスに感染した1人が、ホテルの3階と25階でじゅうたんに吐いたことがわかった。従業員が洗剤で清掃した。しかし消毒が不十分で換気の悪い場所だったため、じゅうたんの上を歩いた人が乾燥して舞い上がったノロウイルスを口から取り込んだ可能性も指摘された。
 東京都健康安全研究センターの調査では、床上80センチから模擬嘔吐(おうと)物を落としたところ3時間以内に床上160センチで成分が検出された。人が吐いたときにウイルスを含んだ飛沫(ひまつ)が大人の目や口の高さまで届く可能性があるという。じゅうたんに付いたウイルスは、1週間から10日程度もその場所に残るという報告や、ウイルスの大きさは細菌より30~100分の1と小さく、掃除機の排気口から出てしまうという推測もある。

 新型インフルの流行で常備されたアルコール消毒液では完全に除去するのは難しいという。汚染された床は次亜塩素酸(塩素系漂白剤)の希釈液(0.1~0.02%)に浸した布などでふき取るのが有効だという。衣服などは85度以上の熱湯で1分つける。

■ 【南アフリカ感染状況】ワールドカップ開催時期に新型インフルエンザの感染の危険

(Emergency Assistance Japan)南アフリカのアーロン・モツォアレディ保健相は2月15日、同国で開催されるサッカーのワールドカップの時期に新型インフルエンザの感染が拡大する危険性があることを議会の答弁で説明した。
 同保健相は、新型インフルエンザの再来の可能性が最も高い6月に2010年のワールドカップが開催されることが最大の問題であると語っている。
 アフリカで初めてのワールドカップは、トーナメント期間が約1ヶ月で、期間中約450,000人の観戦客が訪れる見込みである。
 モツォアレディ保健相によると、同国は新型インフルエンザ・ワクチン150万投与分を確保し、更に3月までにWHOから350万投与分が無償供与される。
 昨年6月にパンデミックを宣言したWHOは、トーナメント期間に新型インフルエンザの感染を抑制するため南アフリカ政府と協議に入ったことを明らかにしている。

2月18日

■ 休校や学級閉鎖、3週連続減少=ほとんどが新型インフル-厚労省

(時事通信)厚生労働省は17日、インフルエンザが原因で13日までの1週間、休校や学級閉鎖となった保育園や幼稚園、小中高校などが3週連続で減少したと発表した。
 同省によると、休校や学級閉鎖を実施したのは626施設で、前週と比べ約37%減となった。ほとんどが新型インフルエンザとみられるが、近畿地方の一部で季節性B型インフルエンザのウイルスも検出されている。

■ インフルエンザ:季節性の感染者、今冬ゼロ 新型に淘汰の可能性も /大分

(毎日新聞)大分県は16日、本来この時期に流行のピークを迎える季節性インフルエンザ(A香港、Aソ連)が今冬、定点医療機関では一件も発生していないことを明らかにした。新型の終息とともに季節性が流行する可能性もあったが、全国でも確認されていない。健康対策課は過去の事例から、「旧型」が新型に淘汰(とうた)された可能性も考えられるという。
 09年11月16~22日に全国最高となる1定点医療機関あたり77・21人の新型インフル新規感染者が出た本県。今年第6週(2月8~14日)は1・9人で、5週連続で10人を下回った。
 一方、09年の季節性のピークは第4週の51・67人、08年は第6週の38・00人。過去にさかのぼっても1、2月に集中している。
 ところが、季節性(A型)は、県内では09年8月19日の1人(海外からの帰国者は同月25日に1人)が最後の確認例で、全国でも09年9月9日に札幌市で1人確認されたのが最後という。

■ インフル流行警報を解除 沖縄県対策室

(沖縄タイムス)県新型インフルエンザ対策室は17日、昨年8月以来ほぼ半年間継続していたインフルエンザ流行警報を解除したと発表した。流行は終息に向かっているとみられる。第6週(8〜14日)の県内の患者報告数は1医療機関当たり5・66人となり、警報が解除される基準の10人を下回った。

(院長のつぶやき)常に流行の先端を担っていた沖縄も失速しました。流行の終息を感じさせます。

■ 期限切れワクチン、児童8人に誤接種 茨城西南医療センター病院

(毎日新聞)茨城西南医療センター病院(境町、亀崎高夫院長)は16日、小児科での新型インフルエンザのワクチン接種で、厚生労働省が定めた使用の留意事項に反し、開封後1週間たったワクチンを2-10歳の男女児童計8人に誤って接種したと発表した。児童の体調に特に異常はなかったという。残ったワクチンを保存する際、開封日時を記さなかったことが原因とみられ、同院は今後、医師と看護師による二重のチェックなどを徹底するとしている。
 同院によると、今月5日に児童へのワクチン接種を行った際、10ミリリットル瓶に入ったワクチンが余ったため、女性看護師が自分の判断で冷蔵庫に保存した。新型インフルのワクチンについては、厚労省が「開封後24時間で廃棄」と定めているが、保存の際、開封した日付を瓶などに記さなかったため、1週間後の12日に接種にあたった医師が気付かず使ったという。接種したうち2人の児童に微熱などの症状がみられたが、通常のワクチン接種でも起こる症状という。

■ 近畿日本ツーリスト、店舗2割を年内閉鎖 3期連続赤字

(朝日新聞)旅行大手の近畿日本ツーリストは17日、子会社のKNTツーリストが持つ全国260店舗の約2割にあたる50~70店を年内に閉鎖すると発表した。店舗の従業員数も、採用抑制や配置転換で1730人中350人程度を減らす。

2月17日

■ 韓国、新型インフル対策で北朝鮮に消毒薬送付へ

(産経新聞)韓国統一省は16日、北朝鮮の新型インフルエンザ感染拡大を防ぐため、約10億ウォン(約7800万円)相当の消毒薬を22日に北朝鮮へ送ることを明らかにした。
 韓国政府の人道支援の一環。韓国は昨年12月、タミフルなどの治療薬50万人分を送った。同省によると、消毒薬は約20万リットルにのぼり、トラック20台を使って陸路で北朝鮮に送る予定。

■ 【WHOワクチン】北半球来冬向けのワクチン株選定に対する批判

(Emergency Assistance Japan)
 CDCは14のウィルス分離株にD225G変異を発見したが、臨床検体からではなく、ラボで培養後の分離株から発見された。
 上記コメントはWHOが作成したD225G変異に関する予備報告書からのコメントであり、WHOは同じ内容をウィークリーレポートでも繰り返し掲載することで、D225G変異はウィルスの度重なる複製ミスが原因で発生し、自発的で散発的なものであると主張している。
 しかしこれは、D225G変異とD225N変異が同時期に同じ場所で発生し、系統発生的に関連がある配列において発見されていることを示す、多くの国々のラボから提出された実際のデータに基づいていない。
 そんなWHOではあるが、未だに世界の保健機関に対しては影響力を持っている。今週WHOは2010/2011年の北半球におけるインフルエンザワクチン株の選定を行う。そして上記のD225Gに関するロジックを使って、D225G変異に効果を持たないH1N1ワクチンが推奨されることが予想される。
 イギリスのMill HillにあるWHO地域センターのNIMRは、D225G変異を持つウクライナのウィルスにワクチンは効果がないと見做している。
 また死亡ケースにD225G及びD225N変異が見られる割合が増加していることを示す証拠もあり、D225G変異を持つウィルスが次の感染波では主流になるかもしれないと言われている。
 WHOが推奨するワクチンでは、次のインフルエンザシーズンに北半球で流行するH1N1ウィルスに対して効果がないという事態になりかねない。

(院長のつぶやき)このニュース、よくわかりません・・・。

2月16日

低死亡率や入院年齢層 海外と違う「日本のなぜ」 新型インフル

(共同通信)なぜ、日本の死亡率は低いのか-。世界中で大流行した新型インフルエンザ。しかし、患者や死亡者の発生の仕方を分析すると、日本の状況はほかの国々とは少々違うようだ。世界保健機関(WHO)の担当者も首をかしげる日本の三つの「なぜ」とは。
 新型インフルエンザの感染は、1月現在で209の国や地域に広がり、死亡者数は約1万5千人に上っている。WHOの進藤奈邦子(しんどう・なほこ)医務官は、都内でこのほど開かれた講演会で、世界の中で際立っている日本の流行状況の特徴を紹介した。
 最初に挙げたのは、日本では新型インフルエンザに感染して入院率が最も高い年齢層が「5~9歳」という点だ。進藤さんは「流行シーズンが終わったオーストラリア、アルゼンチン、ニュージーランド、チリといった南半球の地域では、5歳以下の入院率が一番高かった。これは全世界的な傾向だ」と指摘する。
 国立感染症研究所の谷口清州(たにぐち・きよす)室長は「新型のウイルスは季節性のAソ連型と共通の抗原があり、過去にAソ連型に感染した人は、ある程度の基礎免疫があるという論文が発表されている。そうだとすれば、小さい子ほど重症化しやすいと考えられる」と分析。海外の入院患者の傾向は、この見方と一致する。
 ところが日本は違う。谷口さんは「日本では5~9歳のインフルエンザ脳症が多く報告されている。このため不安を感じての入院や経過観察の入院が増えたという憶測があるが、明確な理由は分からない」と話す。
 次の「なぜ」は死亡率の低さだ。進藤さんは「患者数に対して死亡者が著しく少ない」と指摘する。昨年7月上旬以降、先月末までにインフルエンザで受診した国内の患者数は推計約2006万人。これに対し死亡者は186人。一方、米国の死亡者については昨年4月~12月上旬までで8千~1万6千人とする試算がある。単純比較はできないが、大きな隔たりがあるのは確かなようだ。
 進藤さんは「医療機関へのアクセスや、医師、医療スタッフによるケアの良さ。早い段階でインフルエンザ治療薬が処方されることなどが理由として考えられる」と分析する。
 最後の「なぜ」は、国内最初の患者発生後、流行の第1波が直ちにやって来なかった点だ。
 米国では春に第1波が訪れ、さらに秋口に大きな第2波があった。これに対し、日本への新型インフルエンザ侵入が確認されたのは5月。全国的な流行シーズン入りとされたのは8月だったが、その後も患者は急激には増えず、ピークは4カ月後の12月上旬だった。
 進藤さんは、国内侵入後、早い段階に兵庫県、大阪府で大規模な学校閉鎖が実施されたことに注目。「見事に患者数が減り、そのまま秋口まで少ない状態が続いた」と話し、急激な第1波を防ぐことができた理由の一つに挙げている。

■ 低い死亡率、少ない妊婦患者―新型フル、日本は特異?

(医療介護CBニュース)ようやく峠を越えつつあるように見える新型インフルエンザ。日本での患者数は昨年11月末以降、ほぼ一貫して減少しているほか、WHO(世界保健機関)も世界的な大流行(パンデミック)が最悪期を脱したかどうかを検討するための緊急委員会を開く方針を固めた。そんな中、WHOなど関係者の間では、日本での発生状況をめぐる「謎」が話題となっている。

 WHOが昨年11月にまとめた資料によると、新型インフルエンザによる死者は人口100万人当たりでアルゼンチン14.6人、オーストラリア8.6人、米国3.3人、カナダ2.8人などとなっている。一方、日本は0.2人と飛び抜けて低い

 入院したインフルエンザ患者の年齢層も、他国と日本では様相が少し異なる。WHOの調査によれば、最も割合が高いのは5歳以下の乳幼児で、他の年齢層の少なくとも2倍に上る。ところが日本の場合、最も割合が高い年齢層は5-9歳。昨年7月28日から今年2月9日までに入院した新型インフルエンザ患者(1万7195人)のうち40.2%(6917人)を占め、次に多い1-4歳(3470人)の倍近くとなっている。
 さらに入院患者の中でも、特に目を引くのが妊婦の少なさだ。WHOなどの調査によれば、世界各国では新型インフルエンザの入院患者のうち7-10%を妊婦が占めている。ところが日本の場合、妊婦は昨年7月28日-今年2月9日の累計でも71人で、全入院患者(1万7195人)の0.004%にすぎない。
 このほか、他国では新型インフルエンザの流行が始まってからほどなくして千人単位の患者が発生したのに対し、日本では大阪や神戸で流行が始まった時期に確認された患者数が百人単位にすぎなかった点も、関係者の間では「よく分からない現象」として注目されている。

■ タミフル投与/使いすぎは「耐性」を増やす

(河北新報)インフルエンザの治療に広く使用されてきた抗ウイルス剤「タミフル」に対し、新型インフルエンザのウイルスが耐性を獲得し始めたという報告が国内で相次いでいる。タミフル耐性のウイルスが広がることは、新型にせよ季節性にせよ、インフルエンザの治療や予防の効果が大きく失われることを意味する。
 日本は世界でも飛び抜けてタミフルの使用量が多く、耐性ウイルスの出現が早くから心配されていた。耐性ウイルスの問題は日本だけではないが、既に投与には十分な注意が求められる段階にきている。
 新型インフルエンザのタミフル耐性ウイルスは昨年6月、デンマークで世界で初めて見つかった。国内でも同じ6月、大阪府の患者から確認されている。
 東北では昨年7月に岩手県で初めて見つかり、その後、山形、福島県でも耐性ウイルスが検出された。今月、福島で確認されたのは70代の男性で、昨年11月に発熱などのインフルエンザの症状を訴え、タミフルを投与されていた。
 耐性ウイルスの出現には二つの要因が考えられる。患者個人の体内で耐性ウイルスが発生したケースと、もともと耐性ウイルスに感染したケースで、タミフルを服用していた人は前者、服用していない人は後者だと推測される。
 多くはタミフルを服用した人だったが、服用歴のない人も含まれている。まだ耐性ウイルスの感染力は弱いとみなされているものの、人から人への感染が疑われるケースは既に日本や米国で見つかっている
 実はタミフル耐性ウイルスは季節性インフルエンザで深刻化している。国立感染症研究所の調査では、既に昨年3月の時点で、季節性の「Aソ連型」のほぼ100%が耐性ウイルスだったことが分かっている。一昨年は欧州や米国よりかなり少なかったのに、わずか1年で激増する結果になった。
 新型インフルエンザはワクチンが開発されて接種が始まり、予防効果が期待されている。しかし、それでも感染して発症する人は避けられず、タミフルは「リレンザ」などとともに今後も欠かせないだろう。タミフル耐性ウイルスの拡大は、その治療効果を損なわせることになりかねない。
 治療効果の問題だけでなく、既にまん延しているタミフル耐性の季節性ウイルスと新型ウイルスが交雑し、耐性と強力な感染力の両方を獲得する可能性も危ぶまれている。日本は世界のタミフルの70%以上を消費しており、最も耐性ウイルスが発生しやすい環境にある。使用量は異常に多いとも言える。発症前の予防投与などについては、これまで以上に抑制していくべきだ。

■ 塩野義製薬、インフル点滴薬の小児適応を申請

 塩野義製薬は15日、点滴方式のインフルエンザ治療薬「ラピアクタ(一般名ペラミビル)」を0~15歳の小児にも投与できるようにする適応拡大を厚生労働省に申請したと発表した。
 同社はラピアクタを世界初の点滴型インフル薬として1月27日に売り出した。大流行した新型インフルエンザでは小児の発症が問題になったため、小児適応を目指して臨床試験(治験)を実施していた。

(院長のつぶやき)従来は脳症で意識障害のある重症患者には胃チューブから溶かしたタミフルを投与していました。点滴で投与できるようになると効果の確実性が増すことが期待されます。

2月15日

タミフルが河川汚染? 耐性ウイルス懸念、影響調査へ

(朝日新聞)新型の豚インフルエンザで使用が急増した抗インフルエンザウイルス薬「タミフル」が生活河川を通じて環境に与える影響を探るため、日本薬剤師会(児玉孝会長)が全国調査を始めた。すでに国内の河川では、下水などから入ったとみられるタミフルの代謝産物が微量ながら確認されている。
 代謝産物とはタミフルが患者の体内でウイルスを抑えるための形に変化したもの。
 タミフルなど医薬品が河川に入り込む経路ははっきりしていないが、尿などの排泄(はいせつ)物や、のみ残した薬をトイレに流す場合などが考えられる。水鳥などがこれを飲んで体内でウイルスと接するうちに、突然変異で薬が効かず感染力が強いウイルスが生まれないかと懸念される。
 環境への医薬品の残留はタミフルだけの問題ではなく、同会はこれまでも鎮痛剤や向精神薬などによる環境影響の調査に取り組んできた。
 2008~09年の季節性インフル流行時に、京都大学大学院・流域圏総合環境質研究センターの田中宏明教授らが京都で行った調査では、下水処理後の水域でもタミフルの代謝産物が検出された。
 濃度は感染の流行が広がる時期ほど高く、ピークには1リットルあたり約300ナノ(ナノは10億分の1)グラムだった。ただし、今すぐ人体や生態系に何らかの影響を与えるほどではないという。
 冬の渡り鳥は、下水処理場からの温かい水を好む傾向があり、「海外では、代謝産物が残留した水を渡り鳥がくり返し飲んだ場合、薬が効きにくい耐性ウイルスが出現するのではないかと指摘されている」と田中教授はいう。
 国立感染症研究所の岡部信彦感染症情報センター長は「まだ仮説に過ぎず、ただちに影響があるわけではないが、長期的に研究すべき課題だ」と指摘している。

2月14日

 昨日の外来は50人弱でしたが、インフルエンザが話題になることがほとんどありませんでした。このまま終息に向かうのでしょうか。でも、関西では季節性のB型が検出され始め、中国ではすでに流行しているという情報があります。

■ インフル脳症、285人届け出=例年の5~8倍 -感染研

(時事通信)インフルエンザ脳症の患者の届け出数が、昨年7月から今年1月24日までの間に285人に上っったことが、国立感染症研究所(感染研)のまとめで分かった。これまでは1シーズンの届け出が約30~50人だったのに対し、5~8倍となった。
 届け出が増加した背景について、専門家は、新型インフルエンザは肺炎を引き起こすことにより、体内のウイルス量が増えやすい可能性があることや、脳症への関心の高まりなどを指摘している。

(院長のつぶやき)脳症の内訳をみると季節性より軽症者が明らかに多い印象があります。「意識障害が続いたから一応報告しておこう」というパターンも少なからずあったと思われます。

■ H1N1型の死者、最大で1万7000人 CDC推計

(CNN)ジョージア州アトランタ(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は12日、昨年4月から流行している新型インフルエンザ(H1N1型)感染による米国内の死者が、2010年1月12日までに最大で1万7160人に達するとの推計報告を発表した。1月中旬に発表した同様の報告から約1000人増加した。
 感染者数は最大で8400万人としている。CDCによると、H1N1型感染に関連したと確認された死者は1月30日までに2498人だった。
 CDCは、完全な感染状況の把握は困難だとしたうえで、感染者数は4100─8400万人と推計。また、入院者数は18万3000─37万8000人、死者は8330─1万7160人と見ている。

(院長のつぶやき)統計に幅がありすぎて、どの数字を信じてよいのかわかりません。

2月13日

■ 最悪期脱したか判断へ=新型インフルで月内に緊急委-WHO

(時事通信)世界保健機関(WHO)のフクダ事務局長特別顧問(新型インフルエンザ担当)は11日の電話会見で、今月下旬に各国の専門家で構成する緊急委員会を開き、新型インフルエンザの世界的な大流行(パンデミック)が最悪期を脱したかを検討する方針を明らかにした。今月最終週になる見通し。
 緊急委が最悪期を脱したと判断すれば、昨年6月にチャン事務局長が宣言した新型インフルエンザのパンデミックは、終息に向け一歩を踏み出すことになる。 

2月12日

■ 新型インフル ワクチン余りの教訓を生かせ

(2月11日付・読売社説)
 一時は「不足する」と騒ぎになった新型インフルエンザのワクチンが、大量に余りそうだ。
 不足に備えて政府が海外メーカーと輸入契約したワクチンの出荷が、12日から始まる。しかし、全部で接種9900万回分を確保したうち、136回分しか購入希望がない。ほとんどは行き先がない状況だ。国産分も5400万回分製造したうち、1000万回分以上が出荷されず、在庫となっている。
 流行が急速に下火になってきたことが最大の原因だ。終息とは言い切れないが、例年の季節性インフルエンザと似た経緯を辿(たど)るなら流行期は終盤に近い。ワクチン接種希望者の急増は考えにくい。
 輸入に1126億円を投じたうえ、ワクチンが大量に余ったことに、医療機関には政府を批判する声もある。だが、新手の感染症は推移の予測が難しい。足りないより良かった。むしろ大切なのは余ったワクチンをどうするかだ。
 欧米でも流行は下火になっており、ワクチンが余っている。米国や仏、独は、メーカーと交渉してワクチン購入を取りやめたり、ワクチンが不足している発展途上国に供与したりしている。世界保健機関(WHO)も、こうした国際協力を推奨している。
 日本も、契約解除がどこまで可能か交渉すべきだ。途上国に対する支援を含めて、新たな活用策も考えてほしい。ワクチンには使用期限がある。余らせた揚げ句に廃棄ではもったいない。
 これを機に、今回の新型インフルエンザ対策について検証をしておくことも大切だ。
 そもそも、ワクチンの大量輸入に至ったのは、国内のワクチンの製造・供給体制が十分でないことが背景にある。これを抜本的に強化する方策や副作用の補償制度など、検討すべき課題は多い。
 昨年4月にメキシコで新型インフルエンザ流行が始まった際、日本は国際空港などで検疫を強化する水際作戦を展開した。だが、その効果と問題点も、政府としてきちんと検証していない
 医療面では、人口当たりの死亡者数を米国の10分の1以下に食い止めるなど、国際的に日本の水準の高さが注目されている。
 保険制度などが欧米より充実していて病院にかかりやすいことに加え、重症者の治療も適切だったのだろう。ただ、軽症患者が多数受診して病院が混雑するなど、問題点も指摘されている。
 今回の教訓を生かし、感染症への備えを一層充実させたい。

2月11日

■ <新型インフル>12日から輸入ワクチン出荷 安全調査開始

(毎日新聞)新型インフルエンザの輸入ワクチンの出荷が12日から始まるのを前に、医療関係者約600人を対象にした安全性調査が10日から、国立病院機構の18病院で始まった。接種後の副作用などを調べ、症状や発生頻度を国産ワクチンと比較する。
 英国とスイスの2社から輸入されるワクチンは、効果を高めるためのアジュバント(免疫補助剤)が使われ、皮下ではなく筋肉に注射するなど、国産ワクチンとは仕様や接種方法が異なる。承認前の臨床試験で重大な副作用は確認されなかったが、国産ワクチン未接種の病院職員らを対象に詳細なデータを取ることにした。結果は厚生労働省の専門家会議などで検証する。
 国は輸入ワクチン9900万回分の購入契約を結んでいるが、流行が下火になったため国産ワクチンが余っており、12日の初回出荷は4都県で136回分にとどまる。医療機関に国産と輸入の両ワクチンがあった場合、接種希望者はどちらを打つか選ぶことができる。

■ 「関連あり」報告、3例目=新型ワクチン接種後に死亡 -厚労省

(時事通信)厚生労働省は9日、新型インフルエンザワクチンの接種後に死亡した長野県の80代男性について、接種に当たった医師から「ワクチンとの関連がある」との報告があったと発表した。接種と死亡の関係があるとする報告は3例目で、同省は専門家に検証を依頼する。
 同省によると、男性には初期の食道がんや高血圧の持病があった。4日に新型インフルエンザワクチンを接種し、約4時間後に体調が悪化して心不全で死亡した。男性は同日、がんの検査などのため多数の薬を使用していたことから、医師はこれらの薬が死亡の原因だった可能性や、脱水症状の可能性もあるとしているという。 

■ 「高齢者限定規定」から新型インフルを除外へ ー予防接種法

(医療介護CBニュース)厚生労働省は2月9日、「厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会」(部会長=加藤達夫・国立成育医療センター総長)の第4回会合を開き、別の新型インフルエンザが将来発生した場合に対応できるよう予防接種法を改正するため、新型インフルエンザワクチンの接種を予防接種法上の定期接種で小児などにも実施できるよう、現行法の「高齢者限定規定」から新型インフルエンザを除外することで合意した。
 現行の予防接種法では、インフルエンザワクチンの定期接種の対象は高齢者のみ。このため部会では、新型インフルエンザの予防接種を定期接種化しても、小児など高齢者以外にも接種できるよう、高齢者限定規定から新型を除外するかどうかが論点になっていた。事務局が示した除外の範囲は、(1)今回の新型のみが対象(2)将来発生する可能性のある別の新型も対象(3)季節性も対象―の3つ。
 9日の会合で岡部信彦委員(国立感染症研究所感染症情報センター長)は、2001年に高齢者限定規定が設けられた際、「小児の議論も行われたが、当時は十分なデータがなかった」と説明した。その上で、今回の新型インフルエンザでは「小児の集団で(患者が多く)発生するので、非常に社会的な問題になっている」と指摘。「小児に(まで対象を)広げることは、現在の疫学情報からできるのではないか」との考えを示した。廣田良夫委員(大阪市立大大学院医学研究科教授)ら他の委員も、「高齢者限定規定は外した方がよいと思う」とこれに同調した。
 これに対して事務局は、「季節性については、01年当時に(高齢者)限定をかけるべきだとおっしゃった方もいるし、(当時と)大きく違うデータが集まっているわけでもない」ため、「季節性まで外しにかかると、新型まで除外できなくなってしまう可能性がある」と指摘。高齢者限定規定から、今回の新型と、将来発生する可能性のある別の新型のワクチンに限って除外するよう提案し、了承された。
 インフルエンザは、1994年の予防接種法改正で対象疾病から除外された。しかしその後、特別養護老人ホームなどでの高齢者の集団感染や重症化、死亡が問題になり、2001年に改正された予防接種法の附則で、高齢者に限定して定期接種の二類疾病に位置付けられた。

(院長のつぶやき)相変わらず煮え切らない議論です。「無料だけど接種は自由」とすればよいだけなんですけどね。

2月10日

■ 新型インフルで中3男子死亡 ー千葉

(毎日新聞)県は8日、新型インフルエンザに感染した印旛保健所管内の中学3年生男子(15)が死亡したと発表した。死因は新型インフルエンザウイルスによる急性心筋炎。男子生徒に基礎疾患はなく、ワクチンは未接種だったという。新型インフルエンザによる死亡は県内3例目。県健康危機管理対策本部によると、男子生徒は1月11日に発熱とのどの痛みを発症。12日に呼吸停止し緊急搬送され治療を受けたが、2月8日に死亡した。感染経路は特定できていないという。

■ 急増するインフルエンザ脳症、8割以上が新型で発病 ー国立感染症研究所

(医療介護CBニュース)2009年7月6日-2010年1月24日)に報告されたインフルエンザ脳症の患者数のうち、8割以上が新型インフルエンザウイルスによって発病していたことが国立感染症研究所感染症情報センターの調べで分かった。安井良則主任研究官は、同センターで2月8日に開かれた勉強会で「発症数そのものも、インフルエンザ脳症のサーベイランスが始まって以来、飛び抜けて多い」とし、改めて注意を呼び掛けた。

(院長のつぶやき)誤解を招くタイトルですね。残りの2割弱が新型以外ーつまり季節性インフルエンザによるものとは到底考えられません。新型と認定できなかっただけでしょう。

発症の中心年齢層は、5〜9歳
 同センターによると、インフルエンザ脳症患者の報告数は04年以降、1シーズン当たり30―50例前後で推移していた。ところが今シーズンは、流行が終息していないにもかかわらず患者数は285例を記録。このうち新型インフルエンザウイルスによる脳症は240例(84%)に達した。そのほかA型で38例、B型で1例、型別不明で6例が確認された。なお年齢層は5―9歳が中心で、特に7歳が39例(13.7%)で最も多かった。新型インフルエンザが、従来の季節性インフルエンザより多くの脳症を引き起こしている理由について、安井主任研究官は「発症の中心年齢が、既存の季節性インフルエンザよりも高いことも含め、はっきりとした理由は分からない」としている。
120例の臨床像を報告
 また、安井主任研究官は、同センターが実施したインフルエンザ脳症例の調査結果も紹介した。対象は、昨年7月6日から今年1月22日までに報告された症例のうち、新型インフルエンザウイルスによる脳症と確認された120例(男性74例、女性46例)。調査結果によると、年齢分布は1-70歳で、中央値は7歳。57例で熱性けいれん(24例)、気管支喘息(16例)などの基礎疾患や既往歴が認められた。そのほか、120例すべてで意識障害が確認されており、発熱から意識障害出現までの期間は当日が29例、1日が66例、2日が14例、3日が4例、4日が2例。6―8日も各1例あった(中央値は1日)。異常行動や異常言動は81例、けいれんは66例で見られた。
 また、95例で脳波検査が実施されており、66例で高振幅徐波などの所見を確認。頭部CT検査もしくは頭部MRI検査が実施された118例のうち、62例でなんらかの所見を認めた。とくにCT検査では脳浮腫が見つかった例が多かったという。治療では、120例のうち118例で抗ウイルス薬が投与されていたほか、ステロイドパルス療法(97例)、yグロブリン療法(49例)、脳低体温療法(12例)などが行われていた。人工呼吸器は32例で使用された。
 転帰については、回答が得られた118例のうち、死亡が8例、後遺症ありが14例、治癒・軽快が96例となった。後遺症については13例で精神神経障害が認められたほか、8例で身体障害との合併も確認された。

■ <新型インフル>ワクチンの副作用被害救済 部会が増額合意

(毎日新聞)新型インフルエンザワクチンの接種による副作用被害について、厚生労働省の厚生科学審議会部会は9日、同ワクチンを予防接種法に位置付けたうえで、補償の水準を現行より引き上げることで合意した。厚労省は年度内にまとまる提言を受け、今国会での法改正を目指す。
 現在の新型ワクチンは予防接種法に基づかない任意接種の扱いで、被害救済は特別措置法により季節性ワクチンの場合と同水準と定められている。厚労省は来シーズン以降、新型ワクチンを予防接種法に組み込む考えで、その場合は「任意」より国の関与が強い「勧奨」の接種を想定していることから、今より高額の補償が必要だとの意見で一致した。

(院長のつぶやき)そもそもワクチンの種類を「定期」「任意」に分けて、それにより保障の大小を設定することをやめてほしいんですけど・・・こんなの日本だけ。

■ ツムラ、営業益を下方修正=新型インフル流行下火で

(時事通信)ツムラ=2010年3月通期の連結業績予想について、売上高を913億円(従来予想926億円)、営業利益を193億円(同200億円)、純利益を113億円(同116億円)にそれぞれ下方修正した。主力の育薬処方薬の売り上げが計画よりも遅れているため。また、当初見込んでいた新型インフルエンザ流行による風邪関連製品の販売増が年明け以降の流行下火で計画を下回り、売上高、利益ともに下振れする見通し。

(院長のつぶやき)新型インフルエンザ流行で漢方薬がブレイクするかと思いきや、重症感無くタミフルも有効なので出番が思ったほどありませんでした。

2月9日

■ H1N1型感染、まだ終息せず 米CDCがワクチン接種奨励

(CNN)米疾病対策センター(CDC)の関係者は5日、新型インフルエンザ(H1N1型)感染による入院者や死者が依然出ている実態を踏まえ、より多くの国民がワクチン接種を受けることを望む考えを明らかにした。
 CDCの推計によると、H1N1型感染による死者数は、昨年4月から12月12日までに最大1万6460人に達している。各州からの感染報告は現在散発的になっているものの、CDC関係者は同型が依然脅威であるとして警戒を呼びかけている。
 米国内で現在入手可能なワクチンは1億2400万本で、これまでに接種を受けた米国民は全人口の23.4%にあたる7000万人。18歳未満の37%が既に接種を受け、10歳未満の3分の1強は2度目の接種を受けた。ただし先週には子ども9人の死亡が新たに報告されている。昨年4月以来、感染の合併症で死亡した子どもは推定830─1730人とされる。
 CDCはワクチン接種が感染予防の最善策であり、インフルエンザ感染の一般的終息期である5月までまだ時間があるとして、引き続き接種を奨励していく方針という。

■ 国立大13校がインフル追試を見送り 流行下火で特別扱い避ける

(産経新聞)新型インフルエンザの流行が下火になっている影響で、国立大学全82校のうち東大など13校が感染者救済のための追試験実施を見送ったことが8日、分かった。私立も早稲田大が今月5日に見送りを発表している。最大5万人の追試に備えた1月の大学入試センター試験でも、インフルとみられる症状で追試を許可されたのは509人に過ぎず、受験の現場で新型インフルの“特別扱い”を避ける判断が広がっているようだ。

(院長のつぶやき)考えてみると、義務教育期間では「インフルエンザは欠席扱いにならない」という「特別扱い」がされていますね。受験だけ「されない」のもおかしいという議論も成り立つ?

■ 「はしかワクチン」接種率伸び悩み 新型インフル影響 ー鳥取県

(日本海新聞)麻しん(はしか)の撲滅に向けて、昨年4月から公費負担されている中学1年生(第3期)、高校3年生(第4期)の全員を対象とした「はしかワクチン」の接種率が、伸び悩んでいる。今年は新型インフルエンザの流行が大きく影響。県は市町村や学校などを通じて、未接種者にワクチンを受けるよう、周知徹底など対策強化を求めている。
 例年、冬はインフルエンザの予防接種が中心となり、そのほかの予防接種は低迷する傾向にあるが、県健康政策課によると昨年12月末のはしかワクチンの接種率は、第3期が64・7%(前年同期68・9%)、第4期59・7%(同63・9%)で、前年同期より約3%低い。
 さらに、就学前の年長児(第2期)についても69・7%(同72%)と低下した。
 年度末になって駆け込み接種が増える傾向にはあるが、疾病・感染症対策担当者は「麻疹ワクチン接種を入学要件にしている大学もある。体調を崩して時期を逃すと、全額自己負担になる。体調をみて早めに接種してほしい」と呼び掛ける。
 追加接種は、2007年春に全国的にはしかが猛威をふるい10~20代で流行し、大学や高校などで学校閉鎖が相次いだのを受けて国が実施している。通常、ワクチン接種には6千円~1万円の費用がかかるが、08年から12年度までの5年間の時限措置で公費負担される。

(院長のつぶやき)アメリカでは麻疹ワクチンをスケジュール通り接種しないと、小学校でさえ入学できません。

2月8日

 日本国内のニュースはめっきり少なくなりました。

■ 【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.86

(Emergency Assistance Japan)
1) 感染状況
 2月5日時点で、WHOには、209ヶ国と地域で確定患者と、合計15714名以上の死亡者の報告があがっている。

2) 北半球の温帯地域
 秋冬のパンデミックインフルエンザ活動のピークを10月末から11月末に迎えた以来、パンデミックインフルエンザ活動は、多くの国で減少あるいは、変化がない状態が継続している。いくつかの国、とくに北アフリカ、欧州の東部、東アジアの一部で活発な証拠があるが、伝播は低下している。

3) 北アフリカ
 パンデミックインフルエンザのウイルス伝播は、活発で地理的に広範囲な状態が続いているが、全体の活動は、昨年12月末から1月にかけてピークを越えた後、減少している。2010年1月には、モロッコとエジプトでのパンデミックウイルスの分離数や新しいケース数が相当な程度落ちている。

4) 西アジア
 パンデミックインフルエンザの伝播は、地理的に地域的か広範囲な状態が継続しているが、活動のレベルは、全体として低い状態のままである。

5) 南アジアと東南アジア
 パンデミックインフルエンザ活動は、活発なままであるが、地理的には、局所的あるいは地域的な状況である。呼吸器疾患活動の程度は、多くの国では、低いから中程度であると報告されている。
 インドでは、インフルエンザ活動は、すべての地域で低下が継続しているが、西部の州では、現在伝播が最も活発である。パンデミックH1N1のケースの数のピークは、2009年12月の中旬で、これらのケースの大部分は、北部、西部の州で確認されている。
 タイでは、インフルエンザ様疾患活動は、低い状態であるが、中央部、北部のいくつかの州で、局所的に活動の増加がみられる。 

6) 東アジア
 パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は活発で、地理的に広範な状態であるが、全体の活動は、低下が継続している。日本では、インフルエンザ活動は、減退が続いているが、沖縄では他の地域に比べて、伝播レベルが高い状態にある。韓国では、インフルエンザ様疾患の割合は、昨年11月初めから中旬にかけてピークを迎えた時期のかなりの活動があった後、通常のレベルに近い水準へ減少が継続している。モンゴルでは、インフルエンザ様疾患活動が11月初めより高い状況が継続した後、最近通常のレベルと思われる状態に落ちてきている。
 中国の北部、南部は、インフルエンザ様疾患の割合は、通常の年にみられるレベルに戻った。中国で特筆すべきことは、パンデミックインフルエンザウイルスの循環が、最近数週間落ちているが、同時循環している季節性インフルエンザB型が増加してきていることである(34%と66%)。

7) 欧州
 パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、限定されたいくつかの国で活発で、ほとんどの国では、概して活動は低いレベルである。インフルエンザ様疾患と急性呼吸器疾患が少し増加したことが、過去2週間の間で、スロバキア、ベラルーシ、ロシアで報告された。

8) 南北アメリカ
 熱帯・温帯地域で、パンデミックインフルエンザ活動は、多くの国で低下、あるいは維持が継続している。中央アメリカとカリブ海地域では、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、存在しているが、多くの国で全体の活動は、低いもしくは変わらずの状態である。

9) 南半球の温帯地域
 パンデミックインフルエンザの散発的なケースが報告されているが、持続的な地域伝播の証拠はない。

10) パンデミックインフルエンザH1N12009ウイルスは、世界で循環しているインフルエンザウイルスでは支配的な状況が継続している。中国で最近検知されている季節性インフルエンザB型ウイルスの割合が増加していることに加え、H3N2とB型が低い割合だが循環していることがアフリカ、東アジア、東南アジアの一部で見られ、他の大陸でも散発的にみられている

■ 【WHO感染状況】タミフル耐性ケースは全世界で225例

(Emergency Assistance Japan)
 WHOは2月5日オセルタミビル耐性ウイルスのケースが225件発見されていると発表した。人から人へ感染したクラスター感染がいくつかあるが、まだ地域集団(community)レベルにはなっていない。かなり免疫が弱くなっている人で感染の多くはおきているため、そのようなグループの患者を監視することが一層重要である。
 225件は、20ケ国で報告され、米国では、65件、欧州で75件、アフリカで1件、西太平洋地区で82件。すべてのケースでH275Yの変異がある分離株であり、これがオセルタミビル耐性となっているが、ザナミビル(リレンザ)への耐性はない。
 142ケースでのデータが見られるが、そのうち56ケース(40%)は、かなり免疫抑制のある患者で、53例(38%)は、治療に関連している。16件(11%)は、予防的投与に関連し、残りの16件は、l抗ウイルス剤使用との関係がみられない。
 WHOは、タミフル耐性ケースの3つのクラスター感染の報告書を検討した。米国、英国、ベトナムで各1件。
1) 昨年10-11月に発生。米国ノースカロライナ州ダーラムのデューク大学病院で同室に入院していた4名の重篤な免疫抑制患者。3名は、耐性が、タミフル使用までに確認されている。
2) 昨年11月に発生。英国ウエールズのウエールズ大学病院8名の血液悪性腫瘍患者。最低4名は、他のものから耐性ウイルスに感染。
3) 昨年7月に発生。列車で一緒に旅行しているベトナムの7名の健康な若者で、出所不明なウイルスに感染したと考えられている。このクラスタ―発生は他の感染にはつながっていない。
 WHOは、パンデミックが世界的に広がっている状況でオセルタミビルが広範に使用され、しっかりとした監視が行われている中で、ウイルス耐性ケースの数は低い、と述べた。また、タミフル耐性ウイルスが地域集団(community)で通常に循環している証拠はないが、限定された人―人感染がいくつかの疫学的な状況で発生している明確な証拠があり、ウイルス耐性ケースへの積極的な監視とすべてのケースを調査し、公衆衛生当局への報告が重要であると述べた。

2月7日:世界の死者15174人超

■ 新型インフル、感染拡大のペース鈍る WHO

(AFP)世界保健機関(World Health Organization、WHO)は5日、1月31日現在の新型インフルエンザA(H1N1)に感染していたことが確認された死者の数は1週間前より463人増え、209の国と地域で1万5174人になったと発表した。
 地域別では南北米大陸が最も多く7261人、欧州が3605人、東アジアと西太平洋地域が3127人だった。
 新型インフルエンザの感染拡大の勢いは2009年10~12月に最も高くなった後、北半球の温暖な地域から北アフリカ、アジアなど世界の多くの地域で減少傾向を示すか、低い水準にとどまっている。

■ 接種と死亡、専門家は関連認めず―新型ワクチン

(医療介護CBニュース)厚生労働省は2月5日の記者会見で、新型インフルエンザワクチンの接種後の死亡で、接種と死亡の間に「関連あり」と主治医が初めて報告した例について、専門家3人がいずれも関連を認めなかったことを明らかにした。
 死亡したのは、高血圧などの基礎疾患がある新潟県の80歳代の女性で、1月26日に新型インフルエンザワクチンを接種。その後30分は医療機関にとどまり、異常はなかったが、帰宅途中に路上に倒れ、医療機関に救急搬送されたが死亡した。
 これについて評価した高齢者医療の専門家は、「時間的にアナフィラキシーではないと考える」とした。その上で、「暖かい場所から寒い場所に移動したことなどを踏まえると、致命的な不整脈が生じた可能性、急に動き出したことにより肺塞栓が生じた可能性もあると考えているとの報告医の評価を支持する」との見解を示した。
 また、循環器の専門家は、「接種によると思われる直接の原因を示唆する所見はない」とした上で、基礎疾患が影響したことを否定できないと指摘。もう1人の循環器の専門家は、「ワクチンとの関連の可能性も否定できないが、因果関係は不明」とした。
 主治医は、戸外に出たタイミングで致命的な不整脈などが生じた可能性も否定できないとしながらも、アナフィラキシーショックが生じやすい30分をやや過ぎただけの時間の急死だったため、接種と死亡の因果関係について「関連あり」と報告した。

■「関連あり」が2例に
 また、厚労省は5日の会見で、接種と死亡の間に「関連あり」と主治医から報告を受けた例が1例増え、2例になったことを明らかにした。
 死亡したのは、糖尿病などの基礎疾患がある三重県の70歳代の女性で、昨年11月25日にワクチンを接種。29日に呼吸停止の状態で家族に発見され、その後死亡した。主治医は「脳血管障害や心血管障害なども考えられる」としながらも、死亡時の状態が不明のため、ワクチンとの因果関係も否定できないと考え、「関連あり」と報告したという。
 医薬食品局安全対策課の佐藤大作・安全使用推進室長は、「医学的に考えて、1例目より関連があるとは言えない」との見方を示している。
 新型インフルエンザワクチンの接種後の死亡は、3日報告分までで124例。これらの2例以外に、「関連あり」と主治医が報告した例はない。

■ 子どもの手荒れ増加 新型インフル予防の手洗いで

(中国新聞) 
▽乾燥が原因、保湿を呼び掛け
 新型インフルエンザの予防のために手を頻繁に洗い、かゆみを伴う手荒れを訴える患者が、広島市で子どもを中心に増えている。皮膚科の医師たちは、洗浄液で皮脂を洗い流しすぎるために乾燥するのが原因とみている。
 岡野皮ふ科クリニック(安佐北区)では、新型インフルエンザによる学級閉鎖が広島県内で増え始めた昨年9月ごろから、月10人程度が訪れる。幼児と小学生が大半を占めるが、水仕事の多い女性も目立つ。手のかゆみを訴え、かきむしって傷ができるケースもある。
 岡野伸二院長は「学校の指導もあり、頻繁に手を洗う子どもに症状が現れている」と指摘。「速乾性の高いアルコール消毒液の多用も肌を乾燥させる」と注意を促す。
 木下皮膚科医院(南区)でも昨年11月ごろから、手荒れの相談が増えた。木下三枝子院長は「皮膚の弱い子どもに症状が出やすい。洗浄剤の流し残しでも手が荒れるので、十分にすすいで、水分をふき取ってほしい」と助言している。
 症状が軽い場合や予防には、保湿クリームなどの塗布を勧める。改善しにくければ、ステロイド剤を使う場合もある。
 適度な手洗いとうがいは感染症予防に欠かせない。市衛生研究所(西区)の磯野裕之専門員は「インフルエンザは下火だが、1月ごろから感染性胃腸炎が増えている。手洗いと手のケアを両立させてほしい」と呼び掛けている。

2月6日:国内患者2006万人超

■ 5~9歳のインフル脳症13倍に…昨年7月以降

(読売新聞)新型インフルエンザが流行した昨年7月以降のインフルエンザ脳症は、5~9歳の年齢層で100万人当たり25・5人を超え、2008年(1・9人)の約13倍に上ったことが国立感染症研究所の調べでわかった。
 脳症患者は例年、0~4歳の割合が高いが、新型インフルエンザ流行期には5~9歳が最も多く、季節性インフルエンザより発症年齢が高かった。
 感染研によると、脳症の報告数は1月27日までで285人。このうち新型が240人(84%)で、残りはA型38人、B型1人、不明6人だった。
 さらに、07年、08年、新型インフルエンザが全国的に流行する前の09年7月5日までの患者数を、それ以降と年齢層別に比較。5~9歳の人口100万人当たりの患者数は、07年、08年、09年前半はそれぞれ3・2人、1・9人、2・6人だったが、流行以降は25・5人と大幅に増えた。
 患者の予後は、回答があった118人のうち、96人は回復したが、8人が死亡、14人に後遺症が残った。

■ 新型インフル患者、累計で2000万人突破

(読売新聞)国立感染症研究所は5日、全国約5000医療機関を対象にしたインフルエンザの定点調査で、最新の1週間(1月25~31日)の新規患者数が1医療機関当たり6・46人となり、前週(18~24日)を2・57人下回ったと発表した。
 ほとんどが新型インフルエンザと見られ、7月上旬以降の累計患者数は約2006万人。

■ 健康被害救済に15人申請 新型インフルワクチン

(共同通信)厚生労働省は5日、新型インフルエンザワクチンの副作用で健康被害が生じた場合に国が補償する救済制度に対し、1月末までに15人が申請したことを明らかにした。医師らで構成する審査会が接種と被害の因果関係を認めれば、医療費や障害年金、遺族一時金などが支給される。

■ 新型インフルで休業 107校が冬休み授業 ー徳島県

(朝日新聞)新型インフルエンザの影響で今年度、冬休み前までに1学級以上臨時休業をした県内の公立学校は、小学校で7割、中学校で8割、高校でも6割に上ったことが、県教委のまとめでわかった。各学校は、冬休みや放課後を活用して、何とか学習の遅れを取り戻しているようだ。

■ 鳥取市 国保料引き上げへ 新型インフルエンザの流行で

(日本海新聞)鳥取市国民健康保険運営協議会(会長・金子弘道鳥取環境大教授)は4日、2010年度の保険料を引き上げるよう答申した。改定率は9・74%で、標準モデル世帯(基準総所得125万円の2人世帯)の年間引き上げ額は2万3800円となる。新型インフルエンザの流行で医療費が予想以上に増えたのが主な理由という。

■ 【欧州研究報告】死亡率は季節性より低いが、子供の比率が高い

(Emergency Assistance Japan)
 2009インフルエンザパンデミックによる欧州での昨年末の死亡率は、子供の間で高いこという調査内容が発表された。
 8ヶ国を対象に行われた調査で、5歳から14歳の間の子供における死亡率が約28%上昇していると言う。これは通常の同時期に同じ年齢層に見られる死亡者よりも、約77人多い勘定となる。
 感染者の多くが検査も受けず、また死因が不明であったり、必ずしも死因がインフルエンザに関連していない場合もあったりする為、インフルエンザによる死者の推定は、非常に困難を伴う。今回の調査も、報告の遅れが理由で、控えめな数字になっているとある欧州の研究者は言う。
 今回の調査を行った研究者グループは、ベルギー、デンマーク、ギリシャ、ドイツのヘッセン州、マルタ、オランダ、スウェーデン、そしてスイスからデータを収集した。
 研究者グループによると、予備データでは2009インフルエンザパンデミックによる死亡率は通常の季節性インフルエンザによる死亡率よりも低かった。しかし5歳から14歳までの子供の間で、通常より77人も多く死者が出ていることを発見している。41週を過ぎてから死者が急増したことは、今回の調査対象国の中でパンデミックインフルエンザ活動が活発になった事実と一致していると言う。
 一方、米国では300人以上の子供がパンデミックインフルエンザで死亡しているが、死者はもっと増えると言われており、季節性インフルエンザによる死亡者の2倍になると予想されている。

■ 【WHOワクチン】余剰ワクチンの途上国への配布に伴う困難

(Emergency Assistance Japan)
 米国を含む富裕国では、未使用の新型インフルエンザワクチンが大量に余っている為、その余剰分を何とか処理しようと躍起になっている。しかしその一方で、現在パンデミックの衝撃を受けている最貧の国々は、ワクチンをほとんど入手できていない。
 新型インフルエンザワクチンを入手する術がないと昨年WHOに訴えた95ヶ国のうち、唯一アゼルバイジャンとモンゴルの2ヶ国だけがワクチンを受領することができた。次に受領するのはアフガニスタンとなっている。
 インフルエンザの勢いは北米では弱まっているものの、北アフリカや中央アジア、東欧の一部では未だに猛威をふるっている。富裕国と最貧国とのアンバランス、そして最貧国にワクチンが行きわたらない現状に、専門家はフラストレーションがたまっている。 
 そしてWHOは行き詰っている。ワクチンを購入できる国々は早々と購入し、そして最悪の事態が過ぎると、WHOを上手く利用して、残ったワクチンを貧しい国々に分配しようとしている現状に。
 WHOのDr.Fukudaによると、ワクチンの運搬は非常に困難であることが判明したと言う。『非常に多くの人々や機関や国々の労力を必要とし、しかも作業は非常に複雑なものになる。』
 ワクチン譲渡を希望する国々は、ワクチンがきちんと冷蔵保存されていることを証明するプランを提出し、ワクチンを希望する国に与え、接種し、その後のフォローアップも行わないといけない。またワクチン提供者の法的責任を免除する書面にもサインをし、ワクチンの譲渡を受ける国にきちんとした監督機関がない場合は、WHOがワクチンの安全性を保証しなければならない。また出荷の遅れもあり、12月の時点で注射器を受領したのは5ヶ国だけだという。
 貧しい国々にワクチンを送ることが意味のあることだと全ての人々が考えているわけではない。
 ビル・ゲイツは先日100億ドルの寄付を約束したが、それは別のワクチンを貧しい国々に送る為のものであり、新型ワクチンのことを“夢物語”だとして却下している。
 『輸送の為のインフラ設備もないのに、現実的ではない。それに新型ワクチンに気を取られて、例えば麻疹のワクチンを見過ごすようなことになってほしくない。』
 WHOには1億9,000万本のワクチンが寄贈されたが、未だ使用する段階に至っていない。その為、富裕国はワクチンの注文をキャンセルしようと躍起に必死になっている。
 例えばフランスは6,500万人に対して9,400万本のワクチンを注文した。当初フランス国民はワクチンの有効性に疑問を呈しており、80%の国民が接種を拒否するとの調査結果が発表された。しかし数人死者が出たことで、リヨンではワクチン接種を希望する長い行列ができ、警察までが出動した。しかしその後関心は薄れ、フランスは何とかして5,000万本を売却しようとしている。
 他の国々も同じような状況に直面している。
 イギリスでは専門家により65,000人の死者が出ることが予測したが、後ほど1,000人に下方修正したが、実際に死亡したのは400人以下であった。現在政府は9,000万本分の処遇について製薬会社と交渉を行っている。
 ノバルティス社の会長は、今回契約を反故にした国々は、次にパンデミックが発生した際に優先順位が低くなると警告する。
 しかし唯一新型ワクチンを拒否したポーランドは例外で、パンデミック阻止に全く国費を投入していないと伝えられている。ポーランドでの死者は150人以下で、政府の決断は好意的に受け止められていると言う。
 米国は5社に対して2億5,100万本を購入する契約を締結したが、そのうちオーストラリアのCSL社と結んだ契約、3,600万本のうちの2,200万本をキャンセルした。結局6,200万本しか接種されていない為、無駄な買い物をしたとの批判はあるが、第三波に備えて在庫を抱えるほうがましだという声もある。米国は2,500万本をWHOに寄贈すると約束している。

■ 正規の4倍で150人に タミフル販売容疑も立件へ

(共同通信)抗インフルエンザ薬「タミフル」の違法広告事件で、薬事法違反(未承認医薬品の広告)の疑いで逮捕された5業者のうち、東京都港区の個人輸入代行業者「インターテック」経営保坂誠一郎(ほさか・せいいちろう)容疑者(71)は、約150人に未承認とみなされるタミフルを売っていたことが5日、捜査関係者への取材で分かった。
 捜査関係者によると、保坂容疑者はインターネットで、正規薬価(10錠3091円)約4倍の1万1千円で販売。2005年12月から昨年11月に、約165万円を売り上げたとみられる。
 大阪府警生活環境課は購入者からも話を聴くなどして、保坂容疑者を含む業者の一部を同法違反(無許可販売)の疑いでも立件する方針。生活環境課によると、保坂容疑者は「知らない」と容疑を否認している。
 生活環境課は4日、違法広告の疑いで、保坂容疑者ら東京や大阪、岡山にある5業者の6人を逮捕し、これまでの家宅捜索で顧客名簿などを押収。業者間につながりはないとみている。
 購入客が数人だった業者がある一方で、正規薬価の5倍以上の1万6500円で販売して利益を上げていた業者もあり、同課は各業者の経営実態の解明を進めている。

■ トルコから輸入か タミフル、国内調達も

(共同通信)未承認の抗インフルエンザ薬「タミフル」の違法広告事件で、薬事法違反(未承認医薬品の広告)の疑いで逮捕された大阪市中央区の個人輸入代行業者「TEN」経営榎園誠(えのきぞの・まこと)容疑者(49)は、トルコから商品を輸入していた可能性のあることが4日、大阪府警生活環境課への取材で分かった。
 同課によると、榎園容疑者は自社のホームページ上にタミフルの錠剤の写真を載せた上で「スイス製トルコ流通品」と示し、正規薬価の約3倍の8200円で販売すると広告していた。
 同課は昨年11月、TENへの家宅捜索でトルコや輸入業者から仕入れたタミフルとみられる錠剤30錠を押収。榎園容疑者が個人輸入の代行を装って入手した商品を正規薬価よりも高値で販売し利益を得ようとしていたとみている。

2月5日

■ タミフル輸入、違法広告 薬事法違反容疑、代行業者を逮捕

(読売新聞)国内では「中外製薬」(東京都中央区)にしか輸入販売が認められていないインフルエンザ治療薬「タミフル」の輸入代行広告をホームページ(HP)に掲載したとして、大阪府警生活環境課は4日、東京都港区の輸入代行会社「インターテック」社長・保坂誠一郎容疑者(71)ら5業者の計6人を薬事法違反(未承認医薬品の広告禁止)容疑で逮捕した。
 発表によると、5業者は、

インターテック(東京都港区)
TEN(大阪市中央区)
エーアイジー(東京都豊島区)
バイオコム(同文京区)
▽ 個人業のサイアムユーミン(岡山市)。

 保坂容疑者ら6人は厚生労働省の承認を受けずに昨年8-11月、「タミフルカプセル」の写真や代金などの広告をHPに掲載した疑い。
 タミフルはスイスの製薬会社ロシュが製造。個人輸入や、その代行は違法ではないが、中外製薬以外の業者が広告や販売をした場合は未承認薬とみなされる。府警が昨年11月、5業者の関係先を捜索していた。

■ 「子づくり前に、インフル予防接種を」…中国政府が女性に呼びかけ

(サーチナ)中国政府・衛生部は3日、「2010年1月における新型インフルエンザ抑制状況」を発表した。
 ワクチン接種では、「他の病気で接種ができない人を除き、すべての人々が接種の対象になっている」、「居住地当局の手配に従い、できるだけ早く、接種を受けてほしい」と説明した。
 妊婦が新型インフルエンザに感染した場合、重症化する率が高いことから「今年、妊娠する計画がある女性は、できるだけ事前に接種を受けてほしい」と呼びかけた。
 衛生部によると、中国本土で1月31日までに新型インフルエンザに感染したと確認された患者は12.6万人。うち、外部で感染した人は1225人。完治した人は11.8万人。死亡した人は775人。

(院長のつぶやき)日本で同じことを宣言したら「人権侵害」と非難されそうです。中国は天安門事件やチベット問題でわかるように、人権が保障されていませんのでこのようなことがまかり通るかと。

2月4日

 当院では新型インフルエンザは減少傾向、代わってノロウイルスと思われる嘔吐下痢患者が増加してきました。全国的な傾向のようですね。

■ 休校など減少傾向も「今も流行中」―新型インフルで厚労省

(医療介護CBニュース)新型インフルエンザの流行で休校などの措置を取った学校数が、1月24-30日の週は1596校で、前週より500校以上減ったことが2月3日、厚生労働省のまとめで分かった。学校再開以降は増加傾向にあったが、4週ぶりに減少した。新規に入院した患者数は9週連続で減っており、健康局結核感染症課の中嶋建介・感染症情報管理室長は同日の記者会見で、「いずれも減少傾向にある」としながらも、「今も新型インフルエンザの流行は続いている」との認識を示した。

■ 国産ワクチンも余る!?輸入ワクチンに加え 優先順位付けが裏目

(産経新聞)新型インフルエンザの国産ワクチンが、1月12日時点で約737万回分と大量に余っていることが3日、厚生労働省の調査で分かった。厚労省のこれまでの調査で、今後出荷が始まる予定の輸入ワクチンの需要がほとんどないことがすでに判明しているが、国産ワクチンも大幅に余る可能性が出てきた。
 厚労省によると、1月12日時点の国産ワクチン在庫は、医療機関で約163万回分、都道府県で約574万回分の計約737万回分。
 1月15日から接種対象者が健康成人にも認められたため、厚労省は「これらのワクチンのすべてが余るというわけではない」としているが、すべての人が接種できるようになった後の1月29日に、自治体から追加出荷の希望があった国産ワクチンは520万回分のみ。
 国産ワクチンは5400万回分が用意されたが、そのうち1400万回分はまだ出荷すらされていない。一方で流行は昨年11月をピークに、広がりを見せていない。
 国産もだぶつく事態に、輸入ワクチンはほとんど使われない状況が現実味を帯びてきた。厚労省によると、現段階で輸入ワクチンの入荷を希望しているのは東京、愛知、滋賀の3都県で計102回分のみ。当初、200回分の入荷を希望した山梨県も発注をキャンセルした。
 輸入ワクチンの購入費1126億円(9900万回分)は税金。使用期限が半年と短いものもあり、大部分が無駄になる可能性もある。厚労省はメーカーと一部の解約を交渉している。
 川田医院(東京都大田区)の川田彰得院長は「優先順位を付けたことが今回の大きな誤り。ワクチンに余裕があっても、優先対象者でないため接種を断らなければいけない状況があった」と、現場に裁量が認められなかった点を指摘している。

(院長のつぶやき)繰り返しますが、ワクチン行政の歪みが白日の下に晒されただけです。責任者の厚生労働省健康局課長はまだ辞めないで居座っているそうですが・・・今必要なのは「change!」です。

■ 中外製薬が過去最高益 タミフル国内売上高、前年比9倍

(朝日新聞)中外製薬は3日、インフルエンザ治療薬「タミフル」の2009年の国内売上高が前年比約9倍の762億円と過去最高だったと発表した。同日発表の09年12月期連結決算も売上高が前期比31.2%増の4289億円、営業利益が同60.2%増の826億円、純利益が同44.2%増の566億円と、いずれも過去最高を更新した。

□ ノロウイルス拡大の兆し 1か月遅れ ー高知県

 高知県は、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の流行の兆しが現れ始めたと発表した。例年より1か月余り遅れ。新型インフルエンザ対策で手洗いなど感染予防策が浸透したためか、昨年12月までは流行の兆しはなかった。県健康づくり課は今後の流行を警戒。一方、県内の新型インフルエンザの患者は減少し、15週間ぶりに注意報の基準以下となった。
 ノロウイルスの感染は、例年11月頃から増え始め、12月上旬頃に注意報値(1医療機関当たりの患者数12人)を超える。しかし今季は、12月に入ってから徐々に増え始め、例年なら流行のピークは過ぎている1月25~31日になって初めて注意報値を超え、14・77人となった。
 流行が遅れた理由は不明だが、同課はインフルエンザ対策の手洗いが奏功した可能性を指摘していた。
 今季は2月1日までに、保育、幼稚園を中心に11施設で253人が集団感染した。今後、重症化のおそれがある高齢者にも広がる可能性があり、施設内での感染予防の徹底を呼びかけている。

(院長のつぶやき)群馬県でも同様の状況です。昨日は待合室で何人も嘔吐してました。

2月3日

■ 新型インフル感染疑い、伊丹の11カ月男児が死亡 

(神戸新聞)西宮市は2日、新型インフルエンザの感染が疑われる伊丹市在住の男児(11カ月)が、1月30日に西宮市内の病院で死亡した、と発表した。
 男児は誕生時の体重が1000グラム未満の超低出生体重児で慢性肺疾患があり、死因は呼吸不全と肺炎。新型インフルによる兵庫県内の死者は、疑い例も含め14人目で、男児は最年少という。
 同市によると、男児は1月28日から発熱とせきなどの症状があり、29日に簡易検査で新型と同じA型陽性と確認、症状が悪化したため入院していた。

新型ワクチンの一般県民接種開始 対象拡大も初日は少なく ー福井県

(福井新聞)新型インフルエンザのワクチン接種で、国が定めた優先対象者以外の一般県民(健康成人)の接種が2日、県内で始まった。これで全県民に接種対象が拡大されたが、推計43万人の新たな対象者のうち初日に接種を受けたのは少数とみられる。
 今回接種が始まったのは19~64歳の健康成人。ワクチンの効果が薄いとされる1歳未満の乳児も希望すれば受けられる。1月28日から医療機関で予約が始まっていた。
 福井市大和田町の安川病院では2日、午後5時までの接種者が13人。市内の主婦(29)は「子どもがいるので用心のため受けた。ただ流行が落ち着いていて周囲で接種を希望する人はいない」。自営業の男性(62)も「国産ワクチンがあるうちに、と思って来た。軽症で回復することが多いようなので感染にあまり不安はない」と話していた。

■ インフル行動計画検証へ 強毒性への備え構築

(産経新聞)長妻昭厚生労働相は2日、弱毒性とされる今回の新型インフルエンザに対して講じた対策の検証を行い、強毒性の新型インフルが発生した場合の対策を新たに検討する方針を明らかにした。長妻厚労相は「今回の新型インフルで見えた課題を検証し、備えを構築したい」としている。
 現在の行動計画は、平成15年ごろから東南アジアなどで強毒性の鳥インフル(H5N1)に人が感染し、死亡するケースが相次いだことから、鳥インフルが強毒性の新型インフルに変異することを想定し、17年に策定された。
 行動計画は新型インフルが発生した場合、飛行機内で検疫を行うことや、外出・集会の自粛などを規定し、感染拡大防止のため、国民の行動を大きく制限する内容となっている。
 厚労省は今回の新型インフルで取られた機内検疫や医療体制を検証し、新たな対策につなげる方針。

□ 感染性胃腸炎患者急増 1月の集団発生 前年2倍に ー栃木県

(読売新聞)感染性胃腸炎の主な症状は、下痢や吐き気など。栃木県の調査によると、最新の1週間(1月18日~24日)に報告のあった患者数は1医療機関あたり12・15人と、前年同期と比べ3倍近い多さだ。過去10年で1月としては最も多くなっている。
 県西健康福祉センター管内(鹿沼市、日光市、西方町)では、2週連続して1医療機関あたりの患者数が警報レベルの20人を超えた。
 また、1月中に県内で報告のあった感染性胃腸炎の集団発生は前年の2倍の12件。いずれもノロウイルスが原因だった。
 県などによると、ノロウイルスが原因の感染性胃腸炎は例年、秋から流行が始まり、12月にピークを迎え、1月には減少傾向を示す。
 ノロウイルスの感染防止の基本は「手洗い」。宇都宮市保健所では、今年は新型インフルエンザの対策として手洗いが広く浸透し、それが年末まで感染性胃腸炎の流行も防いだ可能性があると推測した上で、「新型インフルエンザの流行が一段落したことで、以前より手洗いが徹底されなくなり、1月の流行を招いたのでは」と話す。
 県は1日、安足健康福祉センター管内(足利、佐野市)の高齢者施設で先月23日から1日にかけ、入所者と職員計17人が吐き気や下痢の症状を訴え、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生とわかったと発表。宇都宮市でも同日、市内の小学校で先月25~30日、児童46人の集団発生があったと発表した。

2月2日

■ インフル治療薬の国内製造、第一三共が承認申請

読売新聞

 第一三共は1日、インフルエンザ治療薬「CS―8958」の国内での製造販売承認を、1月29日に厚生労働省に申請したと発表した。
 既存のタミフルは1日2回、5日間の投与が必要だが、今回の新薬は口から吸入するタイプで1回の使用で、タミフルを5日間使用したのと同じ治療効果があるという。
 これまでインフルエンザ治療薬はタミフルとリレンザの2種類のみで輸入に頼っていたが、国内で生産を手がけるのは1月に販売を開始した塩野義製薬に続き2社目となる。
 富山化学工業も10年中に厚労省に新薬を承認申請する方針で、国内での供給体制が整ってきた。

朝日新聞

 第一三共は1日、抗インフルエンザウイルス治療薬「CS―8958」の製造販売について、厚生労働省に承認申請手続きを行った、と発表した。A型とB型のインフルエンザに効く成人と小児向けの吸入薬で、2010年度中の発売を目指す。

■ 【ウィルス変異】アメリカ・ノースカロライナのケース

(Emergency Assistance Japan)
 過去2週間で5人が新型インフルエンザH1N1感染でノースカロライナ大学病院に入院し、そのうち3人が集中治療室に収容される事態となっている。
 上記のコメントはノースカロライナでより重篤なH1N1が発生しているのではという懸念を引き起こす。また上記に先だって、メンフィスでも子供のH1N1感染に関して同様の事象が報告されている。メンフィスでは1月の最初の3週間で、17~18人の子供がLe Bonheur Children’s hospitalに入院し、そのうち少なくとも7人が集中治療室で治療を受け、2人が死亡した。懸念は病院の医師により表明されており、またノースカロライナの病院でも同様の懸念を医師が表明している。更に金曜日に発表された第3週目のインフルエンザリポートでは肺炎患者数とインフルエンザによる死者数が急増しているが、原因は不明のままである。
 ノースカロライナの件は同じくノースカロライナにあるローリー・ダラム地区のDuke Medical Centerでの発生もあり、特に懸念の材料となっている。Duke Medical Centerでは昨年10月に少なくとも4人の感染者にH274Y変異(=タミフル耐性)を持つH1N1ウィルスが見つかった。先日GISAID(=鳥インフルエンザ情報共有の国際推進機構)で発表された配列の中には、ノースカロライナで報告されたH274Y変異と、珍しいY233H変異の5例が含まれていた。更に、そのうちの3例でヘマグルチニン配列にD225G変異もしくはD225H変異が見られ、これは3例の死亡ケースから発見されたことが示唆される。また後に発生したノースカロライナのケースも発表され、同じくD225G変異が確認された。しかしながらH274Y変異や珍しいHAマーカーは確認されなかったが、ウクライナで確認されたサブクレードに適合するHAマーカーを持っていた。
 それ故、複数のケースやサブクレードにおけるD225G/N変異の存在は、ノースカロライナで発生した感染波は、より多くの死者や重症ケースをもたらすのではないかという懸念を引き起こしている。
 今回発生したノースカロライナでの感染例の配列データの解析が待たれるところだ。

(院長のつぶやき)強毒変異株による第二波でなければよいのですが・・・。スペイン風邪は第二波の方が死亡数が多かったと記録されています。

2月1日

■ 新型インフルで重症肺炎400人…小児科学会

(読売新聞)新型インフルエンザに感染した子どものうち、重い肺炎を併発したのは全国で400人に、インフルエンザ脳症は104人に上ったことが31日、日本小児科学会のまとめで分かった。
 流行は収束傾向にあるが、同学会は「第2波が起きるかもしれず、引き続き警戒が必要」と、ワクチン接種などの対策を勧めている。
 同学会は、全国の小児科医から寄せられた新型インフルエンザの症例を集計しており、1月29日現在の結果を公表した。それによると、1週間以上入院し、酸素の投与を必要とした重症肺炎400人のうち5人が死亡インフルエンザ脳症も104人中8人が亡くなった
 肺炎の多くは、感染初期に重症化しやすいウイルス性肺炎とみられている。年齢別にみると、最も多いのが6歳(63人)で、次に5歳(50人)、7歳と8歳(いずれも45人)が続いた。同学会は、重症を含めた肺炎による入院例は最大1万人に上ると推計している。
 小児科領域では昨秋以降、発症した子どもが自宅や外来診療を受けた時点で亡くなるなどの急死例も目立ったという。

(院長のつぶやき)インフルエンザ脳症の死亡率がとても低く抑えられていますね。話題になった10年前は死亡率30%と云われていましたので。これも季節性との違いでしょうか。

■ 韓国支援のインフル薬、北は出どころ伏せ住民に供給

(聯合ニュース)北朝鮮は韓国政府から支援を受けた新型インフルエンザ治療薬50万人分を、出どころを伏せたまま住民に供給していると伝えられた。
 米国の自由アジア放送(RFA)が30日、北朝鮮と取引する貿易業者とのインタビューを報じたもの。この業者は、北朝鮮の医師の多くは治療薬が韓国から来たものだと知っているが、保健部門から秘密にするよう指示が下されているため、住民らは韓国が支援した薬だと知らないケースが多いと話している。北朝鮮保健当局は、「薬は韓国ではなく国連が提供した」と住民に伝えるよう、医師に指示しているという
 韓国政府は先月、タミフルなど新型インフルエンザ治療薬50万人分を、陸路を通じ北朝鮮に支援した。北朝鮮は今月19日、タミフル30万人分とリレンザ8万人分を平壌と各市・道に分配し残りを備蓄したという報告書を、韓国側に送付している。

(院長のつぶやき)隣人に助けてもらっても感謝する心を持たない国は、やはり一度解体すべきなのでは?

1月31日:世界の死者14700人超

■ 薬事審不承認でも解約できず=新型インフルの輸入ワクチン-厚労省

(時事通信)新型インフルエンザの輸入ワクチンは、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会で販売が承認されなかった場合でも解約できる規定がなかったことが30日、分かった。審議会は今月に承認を了承したが、緊急輸入の必要性が問題となり認められなければ、販売できないワクチンを国が購入する事態となりかねなかった。
 輸入ワクチンは副作用の評価を理由に契約解除ができないことも分かっており、同省関係者は「契約時はワクチンの確保を急いでいた上、海外企業との交渉経験がなく、不利な内容になった」と証言している。

(院長のつぶやき)予想通りの展開です. 

■【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.85

(Emergency Assistance Japan)
1) 感染状況 1月29日時点で、WHOには、209ヶ国と地域で確定患者と、合計14711名以上の死亡者の報告があがっている。
2) 北半球の温帯地域
 大部分は、秋冬のパンデミックインフルエンザ活動のピークを10月末から11月末に迎えたが、ウイルスの伝播は、遅れて影響をうけているいくつかの地域、とくに北アフリカ、欧州の東部、南東の限定した地域と南アジアと東アジアの一部で、依然活発である。
3) 北アフリカ
 限定したデータであるが、パンデミックインフルエンザのウイルス伝播は、特にモロッコ、アルジェリア、リビア、とエジプトで、活発で地理的に広範囲な状態が続いている。この地域でも、12月あるいは1月にピークを越えた様であるが。西アジアでは、パンデミックインフルエンザ活動は、地理的に地域的か広範囲な状態が継続しているが、活動のレベルは、12月以来減少もしくは低い状態が続いている。
4) 南アジア
 パンデミックインフルエンザ活動は、活発なままであるが、地理的にはばらついている。北インド、ネパール、スリランカの活動の最近のピークは、12月末と1月初めになっている。
5) 東アジア
 多くの国でパンデミックインフルエンザウイルスの伝播や活動は、低下が継続している。北朝鮮で、地域で限定された呼吸器疾患が増加する傾向が報告されている。韓国では、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が、依然活発(呼吸器疾患の検体の20%がH1N1に陽性)だが、11月にピークを迎えて以降は、活動そのものは低下が継続している。日本では、インフルエンザ活動は、減退が続いているが、沖縄で伝播レベルが高い状態にある。中国の北部、南部は、パンデミックウイルスの分離が、11月初旬から中旬のピーク以降、かなり減少しているが、一方、インフルエンザB型のウイルスの検出が増加している。
6) 東南アジア
 パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は続いているが、現在の活動レベルは低い。ベトナムでは、インフルエンザ活動は、10月と11月にピークを迎えて以来、かなり低下した。タイでは、インフルエンザの局所的な発生が、北部と中央部で部分的に発生が報告されているが、インフルエンザ様疾患活動は、全体として低い。
7) 欧州
 パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、中央、東部、南東部の一部で、地理的に地域的から広範な範囲な状態ではあるが、全体として活動は、多くの場所で、減少が継続している。オーストリア、アルバニア、ブルガリア、スロバキアとロシアでは、急性呼吸器疾患あるいはインフルエンザ様疾患活動が若干上昇したことが報告されているが、そのレベルは、ほとんど、活動のピーク時に比較して相当低い。呼吸器症検体でインフルエンザの陽性がみられた割合は、ピークの11月の初めは、45%を占めたが、16%となっている。
8) 南北アメリカ
 熱帯と北アメリカの温帯地区の多くの場所で、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、低下が継続もしくは、低い状態にある。特筆すべきは、RSウイルスの検出が2-3の国で増加しており、これは、部分的に若年層でのインフルエンザ様疾患が高いレベルにあることを説明しているかもしれない。米国、カナダでは、パンデミックインフルエンザウイルスの検出と重篤もしくは死亡例の数がかなり低下しており、かつインフルエンザ様疾患の割合は例年の水準より低い状態にある。中央アメリカとカリブ諸国では、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、継続しているが、全体としての活動は、低いか、おしくは、変化が多くの国ではない。
9) 南半球の温帯地域
 パンデミックインフルエンザが散発的に発生している報告があるが、持続的に地域で伝播している形跡はない。
10) パンデミックインフルエンザ(H1N1)2009ウイルスは、世界で循環しているウイルスでは支配的なものである。季節性インフルエンザH3N2とB型ウイルスは、アフリカの一部、東、南東アジアでは、低いレベルで循環しており、他では散発的にだけ検出されている

(院長のつぶやき)中国の「B型インフルエンザ」流行が気になるところです.日本での季節性インフルエンザ流行は如何に?

1月30日

■ 小中学生の患者比率が3割超に—新型インフル

(医療介護CBニュース)新型インフルエンザの患者に小中学生が占める割合が3割超にまで増加していることが1月29日、厚生労働省のまとめで分かった。小中学生に当たる5-14歳がインフルエンザの推計患者に占める割合は、18-24日の週は35.4%となり、前週から約10ポイント増加した。健康局結核感染症課の中嶋建介・感染症情報管理室長は29日の記者会見で、「学校での流行と呼応するものではないか」と指摘した。
 全国の推計患者数は約48万人で、前週と変わらなかったが、5-9歳の推計患者数は10万人(前週比3万人増)、10-14歳は7万人(同2万人増)だった。
 一方、成人が推計患者に占める割合は41.7%となり、前週の52.1%から10ポイント以上減少し、5割を下回った。

■ 新型接種40分後に死亡、主治医「関連あり」

(読売新聞)厚生労働省は29日、新型インフルエンザのワクチン接種を受けた新潟県の80歳代女性が約40分後に死亡し、主治医が因果関係について「関連あり」と報告したことを明らかにした。
 ワクチン接種後に死亡した例は、同日までに117件が同省に報告されているが、主治医が「関連性あり」としたのは初めて。厚労省は、専門家3~4人に分析を依頼するほか、来月開く副作用検討会でも議論する。
 女性は高血圧と心臓弁の持病があり、昨年11月に季節性インフルエンザワクチンを接種した際に異状はなかった。今月26日にかかりつけの医療機関で新型インフルワクチンを接種。30分たっても副作用が見られなかったので帰宅したが、その約10分後に路上に倒れているのが発見され、死亡が確認された。死因は不明。
 当時、外は雪が降っており、主治医は、暖房のきいた室内から急に寒い場所に出たことで「不整脈や肺塞栓(そくせん)が起きた可能性も否定できない」としているが、「ワクチンとの因果関係も同程度に可能性がある」と報告している。

■ 輸入ワクチン、希望は3都県=949万回分余る−新型インフル

(時事通信)厚生労働省は29日、2月中旬の第2回出荷で新型インフルエンザの輸入ワクチンを希望したのは、3都県にとどまったと発表した。希望は計102回分で供給量を大幅に下回り、現時点での余りは949万回分に上る。
 一方、唯一山梨県内の医療機関からあった初回出荷に対する200回分の注文は、全量がキャンセルされたという。
 第2回出荷はグラクソ・スミスクライン(英、GSK)が2月9日、ノバルティス(スイス)が同月12日を予定。初回分の在庫と合わせ、それぞれ600万回分、349万回分が供給可能な状況にある。 

■ 山積みワクチン 専門家「流行備え接種を」ー宮城県

(読売新聞)新型インフルエンザワクチンの9回目の配分が29日、全国一斉に始まり、県内分として国産ワクチン約11万回分が供給される。ただ、県内の製薬卸業者には約19万回分のワクチンが既に在庫となっており、業者らは対応に苦慮している。最近は接種予約のキャンセルも相次ぎ、余剰気味のワクチンを使い切る見通しは立っていない。専門家は「これから流行が再来する可能性もある。今からでも接種を」と呼びかける。

(院長のつぶやき)確かに、スペイン風邪では第三波まで襲来し、多数の死者を出した記録があります。まだ、これで終わりかどうか予測がつきません。

■ 知的障害者施設で新型インフル集団感染 /奈良

(毎日新聞)奈良市は28日、知的障害者入所更生施設「ボイス」(同市鹿野園町)の入所者11人が新型インフルエンザに集団感染した疑いがあると発表した。重症者はおらず、全員快方に向かっている。同市保健所によると、施設では男女11人が24~28日に発熱などの症状を訴えた。うち9人がインフルエンザA型陽性と判定され、全員が新型インフルザに感染した可能性が高いという。

1月29日

■ 再び注意報レベルに ー栃木県

(下野新聞)県保健福祉部は28日、県内76の定点医療機関で24日までの1週間にインフルエンザと診断された患者数が、前週より56%増加し1機関当たり10・01人と、再び注意報レベル(10人)を超えたと発表した。増加は8週ぶり。県内は前々週から警報レベル(30人)の終息基準値の10人未満になっていた。
 患者総数は761人。厚生労働省のデータによると依然、大半が新型とみられるという。
 地区別に見ると、増加率は宇都宮市が108%で最も高く、安足(80%)、県南、県東、県北、県西と続いた。1機関当たりの患者数は12・71人の県南、11・78人の宇都宮市を除き10人以下。

■ インフルエンザ 流行警報を解除ー岩手県

(朝日新聞)県は27日、昨年11月4日から県内に発令していた「インフルエンザ流行警報」を解除した。今月18〜24日(第3週)の全県の患者報告数が、定点あたり5・88人となり、警報を継続する基準の10人を下回ったためだという。

新型インフルワクチン接種者6万2千人 優先接種対象者数を大きく下回る ー栃木県宇都宮市

(下野新聞)新型インフルエンザワクチンの接種を市内で昨年12月末までに受けた人は延べ約6万2千人で、子どもなどの優先接種対象者数(推計約24万3千人)を大きく下回っていることが分かった。市が28日の市長定例会見で明らかにした。市内での患者報告数は減少傾向から再び増加に転じており、市は警戒を呼び掛けている。
 市によると、推計対象者数に対する延べ接種者数の比率は、医療従事者が192%で最も高く、基礎疾患(持病)のある人が78%、妊婦48%、1歳から小学校3年39%、1歳未満の子どもの保護者22%、小学校4年から6年10%となっている。
 1人で2回接種した人は「2人」と数えており、実際に接種した人の比率はこれより低い。比率は優先順位に応じて接種が可能となった順(接種期間の長さ)と比例している。中高生や高齢者には接種が始まっていなかった。きょう29日から健康な成人も含めた全員が接種可能となる。

1月28日

■ インフル再燃?学級閉鎖など前週の3・1倍に

(読売新聞)厚生労働省は27日、インフルエンザが原因で休校や学年・学級閉鎖の措置を取った小中高校や幼稚園、保育所が、17~23日の1週間で2159施設に上り、前週(10~16日)の693施設から約3・1倍となったと発表した。
 新型インフルエンザの影響と見られる。厚労省は「冬休み直前の状況まで戻っており、本格的に学校が再開したことで、感染者が増えた可能性がある」としている。
 施設別では、小学校が1163校で最も多く、次いで幼稚園313施設、中学校292校、高校209校、保育所128施設など。

(院長のつぶやき)想定内です。

■ 新型の報告や出社は「常識任せ」 中小の4割、大阪市

(共同通信)大阪市信用金庫が27日発表した中小企業アンケートによると、新型インフルエンザに社員や同居する家族が感染した際、会社への報告や自宅待機を義務付けていた企業は11・9%にとどまる一方、「本人の常識任せ」との回答が39・6%に上った。
 これまでに社員や家族らの感染を把握した企業は28・1%だったが、同信金は「感染者はさらに多い可能性がある」と指摘。「気を緩めずに、経営者は万全の態勢を敷くべきだ」としている。
 また、アンケートでは感染に対する危機意識についても聞いたが、「あまりない」との回答が29・8%に上った。
 アンケートは昨年12月中旬に実施され、大阪市内などの同信金の取引先企業1320社が回答した。

(院長のつぶやき)子どもが新型インフルエンザと診断されると1週間会社を休まなくてはならないお父さん、結構いますね。

■ 臨時接種に「2類」創設へ=弱毒性新型インフルに対応−厚労省審議会

(時事通信)新型インフルエンザの予防接種のあり方を検討する厚生労働省厚生科学審議会の予防接種部会が27日開かれ、予防接種法が定める臨時接種の類型に、弱毒性ウイルスに応じた「2類」を創設することで合意した。
 現行の臨時接種は、致死率の高い強毒性新型インフルエンザや天然痘ウイルスを想定。社会経済機能の停滞防止を目的とし、定期接種の「1類」に準じて接種には努力義務が設けられている。弱毒性インフルエンザにはふさわしくなく、新たな枠組みが求められていた。 

(院長のつぶやき)今回の新型インフルワクチンは定期接種に準ずる「臨時接種」に設定すべきだったとの指摘があります。しかし義務化するほど毒性が強くなかったので踏み切れなかったという反省がこのような形になったようです。

■ 「ラピアクタ」24時間以内に過半数の患者が平熱に回復

「ラピアクタ」の開発にかかわった長崎大学病院の河野茂院長は、「重症でなければ外来で、わずか1回15分間の点滴でタミフル5日間分と同等の効果があり、完治します」と話す。副作用も少なく、インフルエンザにかかると長引きやすい糖尿病や慢性呼吸器疾患などの重症患者や、小児も使いやすいという。
臨床試験では、成人の場合は治療開始(1回の投与)から24時間以内に過半数の患者が平熱に回復するなど、タミフルよりも早く効果が表れた。治るまで毎日服用しなければならない経口薬などは、快方に向かうと飲み忘れることも多いのに対して、点滴剤であればそのようなことがなく、確実な効果が期待できる。河野院長は「ラピアクタは点滴剤なので、予防よりも治療が目的です。しかし事前に投与することで予防できますし、通常の季節性インフルエンザだけでなく、新型にも、また試験段階では鳥インフルエンザにも効くことがわかっています」と話す。
「ラピアクタ」のもう一つのメリットは、小児にもよく効き、しかも副作用が少ないことだ。シオノギが小児(2~15歳)約100例を対象に新型インフルエンザに対する効果を調べたところ、薬を投与して平熱に回復するまでの時間は平均約20時間。成人よりも約10時間短く、より早く効くことがわかった。副作用の発現率は27.6%だったが、下痢や嘔吐などの消化器症状が主で、いまのところ投与による小児の「異常行動」も現れていないという
小児用についてはまだ未認可で、シオノギは年度内に追加申請する方針だ。

(院長のつぶやき)待ち遠しい薬です。

■ 【WHO】欧州会議で製薬会社からの影響を否定

(Emergency Assistance Japan)
 WHOは欧州会議による疑惑表明を受けて、昨年のパンデミックインフルエンザに対する自らの対応は間違っていなかったと弁護した。
 パンデミック宣言が6月に出された後、多くの国々が我先にと何千本ものワクチンを発注したが、ふたを開けてみればウィルスは比較的穏やかなものであったことが判明した。欧州会議保健委員会による公聴会では、WHOと医薬品業界との繋がりが疑問視された。
 WHOのインフルエンザ専門家フクダ博士はストラスブールで開催された公聴会に出席し、その疑問を真っ向から否定した。「WHOによるパンデミック政策と対応に医薬品業界からの影響は全くない。」
 昨年6月のパンデミック宣言により、欧州の多くの国々は方針を変更して多額のユーロをワクチンに費やす等、患者の大量発生に備えた。しかし全世界でこれまで14,000人が新型インフルエンザによって死亡し、何百万にもの感染者が出ているが、季節性インフルエンザよりも症状が穏やかで死亡率も低いことが明らかになっている。
 一部政治家やメディアによる製薬会社とのつながりを主張する声がきっかけで、WHOによる内部審査と公聴会が実現した。
 フクダ博士は季節性インフルエンザと新型インフルエンザとの比較を、オレンジとリンゴを較べるようなものだとして拒否している。季節性インフルエンザの数字は統計的モデルをもとにしており、全ての感染が検査施設で確定されている新型インフルエンザと比較はできないとフクダ博士は言う。また、WHOの対応は完璧ではなかったかもしれないが、民間機関を含む様々な専門家の意見を仰いだ結果であり、利害関係の衝突を防ぐセーフガードであったと語る。
 「我々の対応が完璧であったと言うつもりはない。しかしウィルスが爆発的に全世界に広がっていくまで待つことはできないし、多くの人々が亡くなるのを目の当たりにした。我々がやろうとしているのは、予防的措置だ。もし我々が成功したのであれば、誰も死なず、誰も何も気づかないであろう。もっと素早く対応するべきだと感じている。我々の目的はガイダンスを提供し、損害を減らすことにある。
 WHOによる内部審査の一部はパンデミックの発生と深刻度の定義を見直すものであるとフクダ博士は語った。

(院長のつぶやき)フクダ氏の発言内容、立派だと思います(パチパチ)。

1月27日:世界の死者14142人超

■ 新型ワクチン在庫、37都道府県で654万回分

(読売新聞)昨年10月から今月まで8回にわたって国から供給された新型インフルエンザワクチンの在庫が、少なくとも37都道府県で計654万回分あることが、読売新聞の調べでわかった。
 流行の下火で接種を見合わせたり、回数も当初の2回から原則1回となったりし、在庫の大半は医療機関から注文がなく製薬卸業者のもとにある余剰分とみられる。
 ワクチンはこれまで、国が人口割合で配分。その数量に従って、卸業者から各都道府県の医療機関に納入される。しかし、今月下旬の取材で、接種予定のないまま医療機関にあったり、納入予定のないまま卸業者側にあったりする「在庫」があると、37都道府県の担当者が答えた。大阪の75万回分が最も多く、北海道68万回分、愛知50万回分と続いた。「集計中」などの回答もあった。

■ 新型ワクチン入荷中断、群馬県内の在庫10万回分以上

(読売新聞)新型インフルエンザワクチンについて、県が厚生労働省からの次回入荷を見合わせていたことが25日、わかった。現在、国産ワクチンの在庫が10万回分以上あり、間に合うとの判断からだ。入荷再開は、今後の同省からの割り当てや、接種状況から判断する方針。
 県保健予防課によると、新型インフルエンザワクチンは、同省から県内の卸会社などを経て各医療機関に配分される。製薬メーカーからワクチンを買い取った同省が、分割して出荷する仕組みで、次回は29日。県内には約10万回分が配分される予定になっていた。

■ 塩野義製薬:初の国産インフル治療薬を発売 点滴型

(毎日新聞)塩野義製薬は26日、点滴のインフルエンザ治療薬「ラピアクタ」を27日に発売すると発表した。国内開発のインフルエンザ治療薬は初めてで、3月末までに約70万人分を供給する。飲み薬のタミフル、吸入薬のリレンザに次ぐ第3の治療薬で、新型を含むA、B型インフルエンザが対象。5日間投与するタミフル、リレンザと異なり、通常は点滴で1回(約15分間)の投与で済む。人工呼吸器を装着する重症患者にも使いやすく、治療薬選択の幅が広がる。
 世界初の販売となるため、塩野義はすべての患者に副作用調査を行う。小児用も年度内に厚生労働省に製造販売承認の追加申請する準備を進めている
 塩野義が米国のバイオベンチャーのバイオクリスト社から日本での開発・販売権を取得し、07年から開発を進めてきた。
 新薬について塩野義が行った臨床試験では、発熱患者への24時間の効果はタミフルよりも顕著だったという。また、飲まずに点滴で静脈に直接投与するため、長崎大病院の河野茂病院長(呼吸器感染症)は「消化器系の副作用も少ない」と説明する。

(院長のつぶやき)適応は「15歳以上」とのこと。現時点では、子どもに使えません・・・残念!

■ 新型インフルのパンデミック宣言批判は「無責任」 世界保健機関が反論声明

(共同通信)世界保健機関(WHO)は25日、WHOが新型インフルエンザのパンデミック(世界的流行)宣言を出したのは製薬産業の利益のためだとの批判が出ていることに対して声明を発表、そうした批判は「間違いであり、かつ無責任だ」と述べた。
 声明は、昨年に始まった新型インフルエンザウイルス(H1N1)の流行はパンデミック宣言に必要なあらゆる科学的特徴を示しており、WHOが製薬産業に影響されたことは決してないと指摘した。
 欧州会議(本部フランス・ストラスブール)の人権監視組織「議員会議」は最近、パンデミック宣言が製薬産業の不当な圧力によるものかどうかについて調査するよう欧州連合(EU)に勧告した。WHO当局は26日、欧州会議とこの問題について協議する予定だが、欧州会議はEUの正式機関ではなく、拘束力もない。
 WHOによると、1月17日現在、209カ国以上で感染者が確認されており、うち少なくとも1万4142人が死亡。死者数は毎年の季節性インフルによる死者数をはるかに下回っているが、WHOは当局に未報告の感染者が大勢いるとみている。

■ 新型インフルエンザ:ワクチン、国産か輸入か 製造法と効果検証

(毎日新聞)新型インフルエンザワクチンの健康な成人(19~64歳)への接種が、1月から一部の自治体で始まった。海外メーカーによるワクチンが承認、輸入された。医療機関に在庫があれば、国産か輸入かを選んで接種を受けることもできる。それぞれのワクチンの製造法と効果をまとめた。

□ 輸入2種に大差なし

 輸入される2種のワクチンが国産と異なる点は、効果を高めるための免疫補助剤アジュバント」が使われている点だ。グラクソ・スミスクライン社(英国)の製品は鶏卵で培養したワクチン原液に、接種直前にアジュバントを加える。この主成分はサメの肝臓からとれる脂質とビタミンE。免疫細胞の一つ、樹状細胞を刺激するという。
 もう一つのノバルティス社(スイス)のアジュバントも主成分はほぼ同じ。さらに元のウイルス株の増殖に、鶏卵でなくイヌの腎臓の細胞から作り出した増殖力の強い「MDCK細胞」を使う。細胞培養法は国内でも日本脳炎ワクチンなどで利用されている。MDCK細胞は液体窒素で冷凍保存でき、鶏卵培養とは比較にならないほど生産効率が高いため、迅速に必要量を調達でき、卵アレルギーの人も心配なく受けられる
 薬品の安全性基準を審査する国立医薬品食品衛生研究所(東京都世田谷区)の山口照英・生物薬品部長によると、欧州各国では毎年冬に流行する季節性インフルエンザに対し、2年前から細胞培養で製造したワクチンを使っている。山口部長は「生きた細胞が体内に入った場合は良性の腫瘍(しゅよう)を形成する恐れが指摘されるが、細胞は最終的に取り除かれるため心配はない」と説明する。
 臨床試験の結果はどうだったのか。各メーカーが成人100人に実施している。グラクソ・スミスクライン社製は、1回接種3週間後に95%の人が十分な免疫(抗体)を持った。一方で98%の人が痛みを訴え、疲労(46%)などの副作用が報告されている。ノバルティス社製は、1回接種後に81%、2回接種後に96%の人に抗体が確認された。注射した部位の痛みを訴えた人は68%に上った。両ワクチンに大きな差はなかった。

□ 「重症化・死亡」予防

 インフルエンザは「感染↓発症↓重症化・死亡」という経過をたどる。このうち感染については、ウイルスは血液中の抗体の有無と無関係に細胞内に侵入するため、予防効果は期待できないとされる。
 発症はどうか。データのそろった季節性ワクチンについて米国の専門家委員会は「健康成人に対する有効率は70~90%」と評価。これは、接種しない集団の発症率が10%だった場合、接種していれば発症率を1~3%に抑えられるという意味。リスクをある程度低くできるが、発症や他人への感染を止めるのは難しい。
 厚生労働省が前面に出しているのが「重症化・死亡」の予防効果だ。同省によると、これまで新型ワクチンの推計接種者約1900万人(18日現在)のうち、免疫効果が表れるとされる接種3週間以降にインフルエンザに感染し死亡した報告は2件にとどまるという。しかし、死亡や入院した成人の約8割には持病があった。健康成人の重症化・死亡リスクがそもそも低いため接種のメリットも優先接種対象者ほど大きくない。

□ 副作用との兼ね合い

 健康な成人は、ワクチンを接種した方がよいのか。
 国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長は「国民の大多数は新型インフルエンザに対する免疫を持っていない。ピークはいったん過ぎたが、来シーズンまでに基礎免疫を持つためにも接種してほしい」と話している。
 季節性ワクチンでは、入院相当の副作用の発生率は07年度で100万人に3人、08年度は100万人に2人。接種と因果関係が疑われる死亡はなかった。ただ、呼吸困難などの過敏反応を起こすアナフィラキシーは10万人に1人程度の割合で起こるとされている。
 輸入ワクチンは皮膚の下に注射する季節性ワクチンと違い、筋肉に深く注射。接種後の注射部位の腫れや痛みが出る割合も高い。国立病院機構三重病院の庵原(いはら)俊昭院長は「ワクチンの効果が高いほど予測される副作用も高い確率で出る。感染や重症化のリスクと比較し接種してほしい」と話す。
 広田良夫・大阪市立大教授(公衆衛生学)は「ハイリスク者の家族やハイリスク者が多い施設の従事者は、積極的に接種した方がいい。また、健康診断の結果などを見れば、50歳以上は3分の1程度がハイリスク者と考えられる。米国では未成年者などと並んで50歳以上の全員が勧告接種の対象になっている」と説明する。

輸入ワクチンと国産の違い>(厚労省の資料から作成)
製造業者   GSK      ノバルティス   国産4社
免疫補助剤  あり       あり       なし
培養方法   鶏卵培養     細胞培養     鶏卵培養
性状(色)  調製後は乳濁   乳濁     透明~わずかに白濁
接種方法   筋肉注射     筋肉注射     皮下注射
接種回数   1回      18~49歳1回   13歳以上1回
               50歳以上2回
他国の使用  カナダ      なし       なし

1月26日

■ 群馬・インフルエンザ罹患率、児童・生徒36.9% 12月末現在

(毎日新聞)県教委は22日、県内の公立学校に通う児童・生徒のインフルエンザ罹患(りかん)率が昨年12月末現在、36・9%に上ったと発表した。前回の11月末現在に比べ7・2ポイント増加した。
 12月末現在の内訳は▽小学校41・2%▽中学校36・5%▽高校25・9%--など。受験を控えた中学3年(30・0%)、高校3年(14・4%)で前回に続き罹患率が低くなっている。県教委は「流行警報は解除されたが、油断せずにうがいや手洗いなどの徹底を促したい」と話している。

■ 新型ワクチン余剰分、「解約交渉のテーブルに」−長妻厚労相

(医療介護CBニュース)長妻昭厚生労働相は1月25日の衆院厚生労働委員会で、新型インフルエンザの輸入ワクチンは余る公算が大きいとして、現在メーカー2社と「解約交渉のテーブルについている状況」にあると述べた。加藤勝信氏(自民)の質問に答えた。
 加藤氏はワクチンの余剰分について、フランスなどではメーカーと契約解消に向けて交渉していると指摘。「現時点で不要と思われる部分の契約を解消し、そのために再交渉する考えはあるか」とただした。
 これに対し長妻厚労相は、流行が当初考えられていたほどは高まっていないが、備蓄する必要も一定部分あるとしながらも、輸入ワクチンが余る公算が大きいとの認識を示した。その上で、現在ノバルティスファーマとグラクソ・スミスクライン(GSK)の2社と「解約交渉のテーブルに着いている状況」と述べた。

■ 新型インフル「成人に免疫、深刻化回避」 尾身WHO執行理事

(NIKKEI NET)世界保健機関(WHO)の運営方針を決定する執行理事の尾身茂・自治医大教授は日本経済新聞のインタビューに応じ、新型インフルエンザによる重症者や死者数の増加に歯止めがかかっている理由について「多くの成人が基礎免疫を持っている可能性がある」と語った。ウイルスへの抵抗力が強くなる細胞性の免疫で、感染しても重症化しにくいという。
 今回の新型インフルエンザは季節性のソ連型インフルエンザと同じタイプのH1N1。尾身氏は「ウイルスの遺伝子に共通部分があり、多くの成人はソ連型の感染経験によって新型への基礎免疫を得た公算がある」と述べた。新型用ワクチンの有効性を確認する試験で、1回の接種で十分な効果があったことを根拠に挙げた。

■ タミフル耐性のウイルス4例 栃木県内で初確認、新型インフル

(下野新聞)県保健福祉部は25日、県内で新型インフルエンザに感染した2~14歳の患者4人から、抗ウイルス薬タミフルに耐性を持つウイルスが確認された、と発表した。県内では初の確認で、国内ではこの4例を含め43例を数えるという。
 同部によると、PCR(詳細)検査で新型インフルエンザが確定した患者のうち、試験可能な454人のウイルスを県保健環境センターが検査。4例から、タミフルが効きにくい耐性を持つ遺伝子変異が確認された。4例の検体は18日に国立感染症研究所に送付され、20日に耐性が確認された。
 タミフル耐性を持つウイルスは「およそ100株に1、2例の割合で確認されている」(同部)という。4人については昨年11~12月、発熱などの症状が出て医療機関を受診し、インフルエンザと診断された。タミフルを処方されたが、熱が続くなどして入院した。全員が回復し、周囲への感染拡大も確認されていないという。

■ 【インド】新型インフル死者1,163人:マハラシュトラで300人突破

(インド新聞)インド保健・家族福祉省は21日、インド国内で新たに64人の新型インフルエンザ感染が確認されたと発表した。21日現在、インドでの累計感染確認は2万8,465人に達したまた、累計死者確認数は1,163人に達した。

■ 発症前にウイルス検出、唾液から 新型インフルで鹿大教授ら

(共同通信)新型インフルエンザの感染初期に、唾液に含まれる微量のウイルスを検出する方法を鹿児島大の隅田泰生教授(生物化学)らのグループが開発、兵庫医大(兵庫県西宮市)で検査機器の試験運用を進めている。
 簡易検査キットと遺伝子検査の組み合わせによる確定診断方法に比べ、100分の1から1000分の1のウイルス量で検出可能といい「発症前でも感染が確認でき、早期治療で重症化を防ぐ効果が期待できる」としている。
 隅田教授によると、ウイルスがヒトの細胞の表面を覆う糖鎖にくっついて感染することに着目。患者の唾液に含まれるウイルスに、人工的に作った糖鎖をつけた微小な粒子を付着させ濃縮、検出する方法を開発した。
 新型インフルエンザの感染は通常、高熱などの症状が出た後、簡易検査キットで診断されるが、一定量以上のウイルスがないと結果が「陰性」となるケースがある。

(院長のつぶやき)感度が良すぎると、たまたまそこにウイルスが付着して感染を起こしていなくても「陽性」と判定、治療が必要と判断してしまう・・・過剰治療につながりかねません。

1月25日

 めぼしいニュースはありませんでした。

■ インフル予防「読むワクチン」いかが

(読売新聞)インフルエンザの予防法などを印刷したトイレットペーパー「読むワクチン」を静岡県富士市比奈の林製紙(林浩之社長)が開発し、県を通じて22日、県内10の児童福祉施設などに計1000個を寄贈した。
 同社は約4年前から、ユニークな商品を相次いで開発、販売している。浜松市出身の作家、鈴木光司さん書き下ろしの短編ホラー小説を印刷し「日本一怖いトイレットペーパー」として売り出した「ドロップ」シリーズは約20万個を売るヒット商品となった。
 今回、新型インフルエンザの流行を踏まえ、感染予防のための手洗い法、感染した場合の医療機関受診の目安などをイラスト付きで印刷した製品を開発。
 購入は直販店「バンビックス」(0545・34・2434)か、通販サイト(http://www.banbix.com/)へ。

1月24日

新型インフル、輸入ワクチン需要なし 国産も余る

(NIKKEI NET)2月上旬から供給が始まる新型インフルエンザの輸入ワクチンの需要がほとんどないことが22日、厚生労働省の調査で分かった。今月下旬には約649万回分が出荷可能な国産ワクチンの需要も約520万回分にとどまるという。国産ワクチンは今回分を除き3月までに約1466万回分が供給される予定で、輸入ワクチンは大幅に余る可能性がある。

(院長のつぶやき)あらら、輸入ワクチンだけではなく国産ワクチンまで余ってしまいますか・・・。

■ 消毒液誤飲:事故に注意 新型インフル感染予防、県が管理徹底呼びかけ /新潟

(毎日新聞)新型インフルエンザの感染予防策として、公共施設やスーパー、映画館などの入り口やトイレに置かれている手指消毒用アルコール。この消毒液を誤って飲んでしまう事故が県内で相次いでおり、県は管理を徹底するよう関係機関に注意を呼びかけている。新潟市内のスーパーでは、入り口に置いていた消毒液を、店員の目が届きやすいレジ近くに移すところも出てきた。

■ 新型インフルで血液製剤回収、昨年64件

(CBニュース)日赤によると、献血後に新型インフルエンザの感染の疑いや確定診断による血液製剤の回収が昨年、64件あった。血液製剤の安全性について日赤では、「潜伏期間と思われる献血者の血液中に新型インフルエンザウイルスが存在する可能性は極めて低い」としている。
 日赤の集計によると、新型インフルエンザによる昨年の血液製剤の回収は64件。月別に見ると、8月が2件、9月が1件、10月が7件、11月が21件、12月が33件で、年末にかけて増加している。回収された血液製剤はいずれも「人赤血球濃厚液」で、1件につき1本の回収。使用前に回収されたため健康被害はないという。
 さらに、今年は1月22日現在で血液製剤の回収は6件。このうち1件が「人血小板濃厚液」で、他の5件は「人赤血球濃厚液」だった。
 日赤では、ウイルスが血液中に存在するか否かを確認するための検査を実施し、調査した96本の血液すべてが陰性だったことを、昨年12月10日の厚生労働省の薬事・食品衛生審議会血液事業部会運営委員会に報告している。また、この結果から「潜伏期間と思われる献血者の血液中に新型インフルエンザウイルスが存在する可能性は極めて低く、また、輸血による新型インフルエンザ感染の可能性も極めて低い」としている。

1月23日

 学童の流行再燃、輸入ワクチン余剰、ともに前々から私が予想したとおりの展開です。臨床現場の医者の言葉を無視しないで耳を傾ければ、もう少しいろんなことがスムースに進むのに・・・。

■ 小中学生の患者の割合が再び増加—新型インフル

( 医療介護CBニュース)新型インフルエンザの患者に小中学生が占める割合が、再び増加に転じていることが1月22日、厚生労働省のまとめで分かった。健康局結核感染症課の中嶋建介・感染症情報管理室長は同日の記者会見で、学校が再開した影響との見方を示した。
 厚労省によると、小中学生に当たる5-14歳がインフルエンザの推計患者に占める割合は、1月11-17日の週は25.0%だった。ピーク時の昨年11月23-29日の週の49.7%から減少が続き、前週(1月4-10日)には16.9%にまで下がっていたが、再び増加に転じた。
 一方、横ばい傾向にあった成人が推計患者に占める割合は、11-17日の週は52.1%で、前週の64.4%から大幅に減った。中嶋室長は会見で、「年末年始の社会生活が変わる時期が終わり、大人の患者数が減っている」との認識を示した。

「新型」輸入ワクチン、希望は200回分だけ

(読売新聞)2月から出荷が始まる新型インフルエンザの輸入ワクチンについて、第1回出荷分(474万回分)の配分を希望した都道府県は山梨県だけで、配分希望も200回分だけだったことが22日、厚生労働省の調査で分かった。
 当面はほとんどの輸入ワクチンが国の在庫となる見通し。厚労省は「どの程度余るかも含め、対応を検討する」としている。
 輸入ワクチンは、国が欧州の2社から計約1126億円で計約9900万回分を購入する契約を結んでおり、2月3日にノバルティス社(スイス)製の234万回分、同5日にグラクソ・スミスクライン社(英国)製の240万回分がそれぞれ各自治体へ初出荷される予定だった。

(院長のつぶやき)国が主導の税金無駄遣い・・・さあどうする?

■ 緑茶うがいでインフルエンザ予防 静岡県島田市の全小中に給茶機設置へ

(中日新聞)緑茶うがいでインフルエンザを予防しようと、島田市は25の市立小中学校すべてに給茶機を設置する方針を固めた。試験導入した2校に続き、まず小中各1校分の設置費約760万円を市の2010年度当初予算案に計上。以後は年2、3校のペースで増やしていく。子どもたちの感染予防だけでなく、緑茶に親しむ環境づくりを狙った茶産地ならではの取り組みに、専門家も関心を寄せている。
 市は3年前、県内の公立学校で初めて島田第一、五和の両小学校に給茶機を試験導入。児童は手洗い場の蛇口をひねって、冷茶をうがいや飲用に活用している。
 市教委のアンケートによると、児童や保護者の反応は良く、昨年9月から12月の調査では、両小ともインフルエンザA型の罹患(りかん)率が市内の平均より低かった。今後は全校への設置を進めながら、学校現場で効果的なうがい法を指導し、検証していく考え。市と市教委は「健康にいい地元茶を教育に生かし、産業振興につなげたい」としている。
 緑茶うがいについて国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長は「明確な効果は医学的に確立されていないが、のどを清潔に保つ習慣としては良く、近隣の自治体などと比較できるのは面白い」と評価する。
 一方、静岡県立大薬学部の山田浩教授(医薬品情報解析学)は「少人数での研究だが、水のうがいよりインフルエンザ発症を抑えられたとの結果を得ており、予防を期待できる」と話す。効果的なうがい法として「のどの粘膜を茶のカテキンで潤すため、15秒ぐらいゴロゴロゴロと鳴らして」と呼び掛けている。

(院長のつぶやき)ほのぼのする平和な話題ですね。

1月22日

 昨日は電子カルテがストップして大変でした。皆様にはご迷惑をおかけしました。
 外出すると目がしょぼしょぼ・・・スギ花粉、飛び始めたのかなあ。
 群馬県でも新型インフルワクチンの優先順位が1/21に解除され、希望者は誰でも受けられるようになりました。ただし、接種医療機関は限られていますが(当院では扱っていません)。

■ 新型インフルワクチン 0歳児も接種可能…厚労省

(読売新聞)厚生労働省は、新型インフルエンザワクチンの接種を、0歳児に対しても認めることに決めた。これですべての国民がワクチンを受けられることになった。
 ワクチンの優先接種は、1~18歳の子供、65歳以上の高齢者、持病のある人、0歳児の両親などに限られ、0歳児は免疫がつきにくいとして、対象からはずされていた。優先接種が一段落し、19~64歳の健康な成人への接種が始まっている。国産ワクチンも余剰がでる見通しで、親が強く希望すれば、医師と相談の上で0歳児に接種することも可能とした。国産ワクチンの場合、0歳児は成人の5分の1の量を、1~4週間の間隔をおいて2回接種する。

(院長のつぶやき)乳児に対する現行の接種量(0.1ml)では効果が期待できませんので、当院で行う予定はありません。「余りそうだから乳児もいいよ」という短絡的な対応が情けない・・・いつになったらWHO標準の0.25mlへ移行・増量するのでしょう。

■ 豚164頭が新型インフル 国内2例目 人から感染か

(河北新報)山形県は20日、庄内地方の養豚場で飼育されている豚164頭が、新型インフルエンザに感染したと発表した。既にすべての豚が回復し、適切に処理された豚肉を食べれば人へは感染しないという。豚への新型インフルエンザ感染は、昨年10月の大阪府の事例に続き、国内2例目。

(院長のつぶやき)ブタへの感染がどういう意味を持つのか・・・私にはわかりかねます。

1月21日

■ インフル休校693施設と大幅増 学校の本格再開で

(共同通信)厚生労働省は20日、インフルエンザが原因で10日から16日までの1週間に休校や学年閉鎖、学級閉鎖の措置を取った教育関連施設(小中学校、高校、保育所、幼稚園)が693施設だったと発表した。冬休み期間が終わり学校が本格的に再開したため、前週(58施設)の約12倍となった。

新型インフルはSARSより死亡率高い—中国専門家が政府に直言

(サーチナ)広州日報によると、2002年のSARS(新型肺炎)流行時や、09年からの新型インフルエンザの感染拡大時に、「中国政府の発表にはうそがある」と指摘し、“気骨の専門家”として知られる鐘南山氏がこのほど、新型インフルエンザを「それほど恐ろしくない病気」とする楽観論を批判した。
 鐘氏は「新型インフルエンザは危険性が誇張されているとの見方があるが、私は同意できない」と主張。2009年8−11月の発病率を見ると、新型インフルエンザは季節性インフルエンザを上回っている。
 問題なのは死亡率で「全世界では1万人。中国でもほぼ700人。死亡率はSARSより高い」という。
 鐘氏は、「(中国の)多くの地域で、重症患者が経済的理由で、きちんとした治療を受けられない状況が発生している」と指摘。政府に対して、重症患者を救うメカニズムを整えるよう、意見書を提出したという。

(院長のつぶやき)相変わらずのインパクトある意見・・・情報隠蔽社会の中国で、なぜこの人だけが自由に発言できるのか不思議です。

■ 【WHO感染状況】パンデミック対応に関する検証

(Emergency Assistance Japan)
 恐れられていた秋口の感染波も終息し、感染による死者数も比較的低かったことで、H1N1パンデミック対応に対しての逆風が最高潮となっている。その内容は保健機関による過剰反応に対する批判から、製薬会社による陰謀説までにわたる。しかし新型インフルエンザの流行でワクチンメーカーは儲かったかもしれないが、パンデミックの現実はもっと込み入っている。
 第一にパンデミックはまだ終息していない。西欧と北米ではかつての勢いは収まっているが、東欧やアフリカ、アジアの国々では依然ウィルスは猛威をふるっている。一方で1957年から1958年にかけて発生したインフルエンザパンデミックを何らかの基準とすれば、欧州や米国でもまた感染者が増加する可能性もありえる。1958年の1月までは死亡率も低く、パンデミックは終息したとみられており、ワクチンも使用されなかった。しかし2月になると米国で感染死亡者が急増し、それはともすると避けられる事態であった。「当時はワクチンがあったと言うのに、接種を促さなかった。」と米国CDCのアン・シュケット博士は言う。同じようなシナリオの再来を避ける為にも、CDCは引き続き接種を促している。しかし米国内や他の国々でも一部ワクチンの在庫が余っており、また欧州の多くの国々ではワクチンの注文量を減らしたり、余剰分を他国に販売したり、無償で提供している。
 1958年のシナリオの再来とまでは行かなくても、現時点で今回のパンデミックを目論見違いと判断するには余りに早急すぎる。
 さらに重要なことに、単純な死者数の統計は、2009年H1N1新型インフルエンザの本当に恐ろしい側面を隠している。それは老人や病弱な人だけが犠牲者になるわけではないという事実だ。季節性インフルエンザによる死者数の約90%は65歳以上の老人だが、H1N1インフルエンザによる死者数の88%は65歳以下が占めている。
 ワクチンを製造した製薬会社に支払われた巨額の金はどうか?New Scientistがインタビューした研究者達は、パンデミック発生時のワクチン製造着手を正しい行いであると判断する。「保菌動物からウィルスが発生した場合、ウィルスがその後どんな動きをするのかは予想できない。」とWHOの動物学研究者は語る。「今回のパンデミックウィルスではラッキーだったということ。ワクチンがない状況のほうがよかったとでも?我々にできるのはワクチンを製造することしかなかった。」

1月20日:世界の死者14000人超

 今日は学級閉鎖の話を3件聞きました。日本国内の死者のニュースも散見され着実に増加しています。

■ 各県の予防接種状況ー前倒しが進む

京都府・・・18日から健康成人へワクチン接種(読売新聞)
 厚生労働省が健康な成人への新型インフルエンザワクチンの接種時期を早める方針を示したことを受け、京都府は16日、健康な成人(19~64歳)への接種を18日以降、順次行うと発表した。これで、全府民が接種の対象となった。
新潟県・・・新型インフルのワクチン接種前倒し(産経新聞)
 新潟県は19日開いた新型インフルエンザ対策本部会議で、当初は2月からの予定だった高齢者(約40万人)と健康成人(約100万人)向けのワクチン接種を20日に前倒しすることを決めた。

岡山県・・・ワクチン、希望者全員にきょうから接種(毎日新聞)
 県は18日、19日からすべての希望者を対象に、新型インフルエンザのワクチン接種を始めると発表した。県内では最後の優先接種対象者だった65歳以上の接種が15日に始まっており、今回から19~64歳の健康な成人の接種が可能になった。
福井県(読売新聞)
 福井県教委は18日、受験生(中学3年、高校3年)が優先的に新型インフルエンザのワクチンを接種できるよう、学校ごとに取りまとめた予約の申し込み状況を明らかにした。中学3年は対象者の68・8%が予約を申し込み、関心の高さが裏付けられた。
 一方、県は65歳以上の高齢者へのワクチン接種について、19日から予約を受け付け、26日から接種することを明らかにした。

(院長のつぶやき)当地群馬県はまだ沈黙を保っています・・・。

■ 新型インフル再評価委を開催へ WHO、状況を中間総括

(朝日新聞)新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)をめぐり、世界保健機関(WHO)は中間総括へ向けて再評価委員会を立ち上げる。18日の執行理事会でチャン事務局長が表明した。各分野の専門家を集め、5月のWHO総会で1回目の報告をさせる。
 再評価するのは(1)各国とWHOの対応(2)世界的大流行の定義をめぐり、現在は感染の広がりだけが尺度だが、死亡率など重症度を加味するべきかどうか(3)ワクチン製造と分配の問題など。同事務局長は「さまざまな教訓を得るため」としている。
 新型インフルは感染地域が広がるにつれ、警戒レベルの「フェーズ」が段階的に引き上げられた。昨年6月、最高の「フェーズ6」となり、世界的大流行が宣言された。しかし患者の症状が当初の想定より軽かったため、日本など先進国ではワクチンの接種率が低迷し、在庫がだぶついている。欧州では「製薬会社が一部の医師と結び、危機を誇張した」とするワクチン疑惑も報道された。
 同事務局長はまた、感染の今後について、ウイルスの変化など予測できないことが多く、「北半球の冬が終わる4月までに結論を出すのは賢明ではない」と警戒を続ける姿勢を示した。

(院長のつぶやき)さすがWHO、次に進むために反省会を行う姿にあっぱれ!
 一方日本はどうでしょう。
 無駄と批判された空港検疫、歪んだワクチン行政がこれほど明らかなのに、責任者の厚労省健康局長は反省もせずに居座ったまま。これでは進歩は望めません・・・。

■ 「新型」輸入ワクチン、販売後に副作用調査へ

(読売新聞)厚生労働省は19日、輸入が決まった欧州2社の新型インフルエンザワクチンについて、2月からの販売後に副作用を詳細に調べる1万人前後の臨床試験を行う方針を決めた。
 国産ワクチンの副作用や海外のデータなどと比較し、接種事業を継続するかどうか判断する参考にする。
 緊急措置である特例承認で輸入されるのは、英グラクソ・スミスクライン社とスイス・ノバルティス社のワクチン計9900万回分。国産ワクチンでは使っていない免疫増強剤が入っており、ノバルティス社製は鶏卵を使う国産とは異なり、犬の腎臓細胞を用いて作られている。これまでに両社がそれぞれ日本人約100人に行った臨床試験では大きな問題は生じていない。だが、まれな副作用が発生する可能性を調べるため、19~64歳の健康な成人を対象に副作用の種類や発生頻度を調査する。

(院長のつぶやき)今の国内の雰囲気(流行は沈静化へ)のタイミングで、安全性が確保されていないワクチンを積極的に接種しようという気持ちは起きにくいと思われます。

■ タミフル、患者の2割が「飲み残し」

(CBニュース)調査は昨年12月19-22日、過去1年間にインフルエンザにかかったことがある20-60歳代の男女500人(男性250人、女性250人)を対象に、インターネット上で実施された。
 健康日本21推進フォーラムの中原英臣理事(新渡戸文化学園短期大学長)は、今年3月までに1200万人分が処方され、2割に当たる240万人の患者が1日分を飲み残した場合、「約15億円の医療費の無駄(患者の自己負担額を含む)が出る」と指摘している。

■ 修学旅行中止、キャンセル料半額補償の保険

(読売新聞)近畿日本ツーリストは19日、インフルエンザの流行で、小中高校などが国内の修学旅行を中止した場合に、旅行のキャンセル料の50%を補償する新しい保険商品の取り扱いを始めると発表した。
 昨年、新型インフルエンザが全国で流行し、修学旅行を中止する学校が相次いだことに対応するもので、旅行業界では初の試みという。
 3月以降に実施する修学旅行が対象で、掛け金は旅行代金の4・4%。インフルエンザで学年閉鎖や学校閉鎖になり、修学旅行を中止や延期した場合に保険金を支払う。
 児童・生徒の保護者の経済的な負担を減らすのが目的で、東京海上日動火災保険と協力して商品開発した。

■ 【WHO感染状況】パンデミックはおさまりつつあるが、第三波の可能性も

(Emergency Assistance Japan)
 H1N1インフルエンザパンデミックは収まりつつあるように見えるが、第三の感染波が訪れる可能性もあるとWHOは発表した。Dr.フクダはあくまでも推測であると前置きしながら、この冬の後半もしくは春先に北半球に第三波が訪れる可能性もあると警告することを忘れない。
 今回の新型インフルエンザパンデミックの発生当初は抗ウィルス剤や予防ワクチンの供給、特に発展途上国向けの供給が大いに憂慮されたが、当初恐れていたほどパンデミックの致死率が高くないと判明した現在では、多くの国々がワクチンの注文量を減らしている。
 WHOのチャン事務局長によると、今回のパンデミックは穏やかなものであり、多数の死者を出した1918年のスペイン風邪よりは、1957年及び1968年のバージョンに近いと言う。そして北半球では終息に向かいつつあるというが、南半球が再び冬に入り、ウィルスが変異してより感染力が高まれば、どのような状況になるか、判断するには早急であると警告する。
 チャン事務局は製薬会社からの圧力に負けて、パンデミックの危険性を誇張したと言う、ある政治家によるWHOに対する批判に対してこう答えている。『私としては、現在よりもより深刻なパンデミックに対してワクチンが不足している状況よりは、穏やかなパンデミックに対して十分なワクチン量を備えている状況のほうが好ましいと信じている。』
 WHOは今回のパンデミック対応に対して専門家を含めた委員会を立ち上げ、評価を行うとしている。評価は5月までに終了し、結果は保健大臣に提出される。評価の対象にはWHOのパンデミックアラートの基準も含み、パンデミックの深刻度や地理的感染尺度にも反映されることになる。

1月19日

 流行が終息しつつあるような報道が目につきますが、例年冬休み明け2週くらい経過してから流行が再燃します。事実、近隣の市町村での学級閉鎖・学年閉鎖の話がチラホラ聞こえてきます。

■ 最悪期、脱した可能性=新型インフルでWHO事務局長

(時事通信)世界保健機関(WHO)のチャン事務局長は18日、ジュネーブのWHO本部で開いた執行理事会で、新型インフルエンザの世界的な大流行(パンデミック)に関して、「北半球の一部では、大流行は静まりつつあるようだ。最悪期は脱したかもしれない」との見解を示した。
 事務局長によると、これまでに新型インフルエンザのウイルスの毒性が強まるような変異は起きていないほか、治療薬タミフルが効かない耐性ウイルスも広範には広がっていない。
 ただ、「北半球で通常のインフルエンザのピーク期が終わる4月まで明確な結論を出すのは賢明でない」とも語り、今後の推移を注意深く見守る姿勢を強調した。 

■ 新型インフルで17歳高校生死亡 基礎疾患なし

(共同通信)宮崎県は18日、新型インフルエンザに感染した同県美郷町の男子高校生(17)が死亡したと発表した。死因は新型インフルエンザ肺炎による急性呼吸不全。基礎疾患はなかったという。
 県によると、男子高校生は16日に発熱。翌日になって呼吸困難の症状が出たため、医療機関に向かったが、途中で症状が悪化、到着後、死亡が確認された。その後の詳細検査で新型インフルの感染が確認された。

■ 東京都、希望者全員にワクチン接種開始 新型インフル

(朝日新聞)東京都は18日、基礎疾患のない19〜64歳への新型インフルエンザのワクチン接種を予定より約半月早めて始めた。これで健康状態や年齢に関係なく、都内の希望者全員の接種が可能になった。
 都によると、健康な19〜64歳の接種開始は当初2月上旬を予定していた。しかし、厚生労働省が15日、開始時期は都道府県の判断に委ねるとの方針を示したため、都内のワクチン在庫に余裕があることから前倒しを決めた。同省によると、京都府や茨城県などが同様に前倒しして実施している。

■ 【台湾感染状況】ワクチン接種が進まぬ中、入院患者増加の傾向

(Emergency Assistance Japan)
国内での予防接種がなかなか進まない中、台湾で新型インフルエンザによる入院患者がこの2週間で増加していることが判明した。
 「インフルエンザ様疾患で外来や緊急外来で受診する人数はそんなに増加していないが、入院患者は増加している。」と台湾疾病管制局副所長のShih Wen-yiは語る。
 台湾では昨年の新型インフルエンザ発生以来878人が入院し、そのうち37人が死亡している。死者のいずれも新型インフルエンザの予防接種は受けていなかったという。これまでに560万人が予防接種済みであり、予防接種のお陰で、新型インフルエンザによる学級閉鎖の数は減少している。
 疾病管制局の統計によると入院患者の18人はワクチンの二度目の接種を受けていないか、受けたとしても抗体ができる前の状態の10歳以下の子供だった。Shihによるとその他の入院患者は全て予防接種を受けていなかったという。
 入院患者のうちの一部は予防接種の副作用が原因と言われており、この数週間で予防接種の希望者は減少傾向にある。現在予防接種を希望している人数は一日2万人にも満たず、このままでは1月23日までに600万人に予防接種を完了するという当初の目標数値は達成できず、また2月半ばの旧正月にはまた感染増加が予想されているとShihは警告する。

(院長のつぶやき)世界的にワクチンはそれほど信頼されていないのかなあ・・・意外な展開です。

■ 【ポーランドワクチン】ワクチン接種を国家として進めない理由

(Emergency Assistance Japan)
 新型インフルエンザワクチンを輸入しないと言う決断は、リスクを孕んでいるように思えるが、しかし実際にポーランド政府はこれを決断し、世界で唯一ワクチンの安全性とワクチンを製造している製薬会社に疑問を呈した国となった。
 新型インフルエンザの感染は欧州のほとんどの国でピークを迎えているが、ポーランド国民の多くは政府の決断は報われたと感じている:ワクチンの大量の在庫を抱える国ほどワクチンに対する国民の関心が低く、未使用ワクチンの使用期限も切れることで、大きな経済的損失を抱えているからだ。しかしポーランドはワクチンには1セントも投じなかった。
 ポーランド首相と保健相の決断は一貫して支持されていた。ポーランドでは新型インフルエンザにより145人が死亡しているが、ワクチンを拒否する行為は製薬会社に対して称賛に値する反逆と見做され、反ワクチン接種運動と製薬会社による陰謀説がインターネットで活発に議論されている。
 ポーランド首相は、ポーランドはワクチンを拒否した“勇気ある”国家であると自負しており、ワクチンの安全性に対するテストはまだ完全ではないと主張する。「我々はポーランド人患者と納税者の為に決断する。我々はワクチン接種運動に参加しない、なぜなら安全性が確定していないからだ。」
 反ワクチン運動は臨床試験が十分でないこと、危険な原料を含んでいることを主張するが、新型インフルエンザワクチンと通常の季節性ワクチンの生成に大きな違いはない。季節性インフルエンザワクチンはポーランドでも認可され、流通している。WHOによると、世界40ヶ国以上で1億5千万人以上がこれまで新型ワクチンの接種を受けており、危険な副作用は報告されていない。
 ポーランドのアプローチは米国のように、大統領一家自ら予防接種を受けて国民にアピールした国や、オーストリアやスウェーデンのように国民全員のワクチンを備蓄しているような国とは対照をなしている。他の東欧の国々、ハンガリーやルーマニアはワクチン接種を容認しており、国内でワクチンを生産している。ルーマニアでは最近有名なテレビ俳優が新型インフルエンザにより死亡したことで、ワクチンへの関心が高まっているという。
 しかしポーランドでは有名な俳優が死亡することもなく、人口3,800万人の国では新型インフルエンザに対する恐怖もなかなか根付かない。ただ、ポーランドの人権運動家であるJanusz Kochanowskiのみが政府のワクチンに対する姿勢を不合理であり、無責任であると非難している。ポーランドでは医療者の間でも意見が分かれており、一部ははっきりと政府を批判している。
「接種を受けるか受けないかは患者の権利であり、それが医療における民主主義だ。」と最近7歳の息子が新型インフルエンザに感染した医師は言う。「治療法があるのに、それを勧めないなんて、ヒポクラテスでもそれは倫理上おかしいと思うだろう。」

(院長のつぶやき)目立ちませんが、このような方針の国もあったのですね。

1月18日:世界の死者13554人超

■ センター試験終了、追試は過去最多961人

(読売新聞)大学入試センター試験は2日目の17日、理科と数学の試験が行われ、全日程を終了した。
 大学入試センターの同日午後6時までの集計によると、追試験の受験を認められた受験生は昨年より730人多い計961人で、1995年の934人を超え過去最多となった。このうち509人が新型インフルエンザか似た症状が原因。追試験は今月30日と31日、全都道府県の計48会場で行われる。
 受験者数は「理科〈1〉」20万1064人(受験率36・3%)、「数学〈1〉」37万7851人(同68・3%)、「数学〈2〉」33万8887人(同61・2%)、「理科〈2〉」23万7074人(同42・8%)、「理科〈3〉」17万1730人(同31・0%)。平均点の中間発表は今月20日、得点調整を行うかどうかの発表は同22日に行う。
 新型インフルエンザによる影響について、同センターは、「最大で全受験生の1割にあたる5万人の追試実施も想定しており、思ったより少なかった」としている。このほか、北海道で雪の影響により鉄道などに遅れが出たため、札幌市などの9会場で1時限目の理科〈1〉が1時間繰り下げて行われた。

■ H1N1型感染による死者、最大で1万6千人 CDC推定

( CNN)ジョージア州アトランタ(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は15日、昨年4月から大流行した新型インフルエンザ(H1N1型)感染による米国内の死者が、2009年12月12日までに、最大で1万6460人に達するとの推計報告を発表した。感染者数は最大で8000万人としている。
 CDCは、インフルエンザ感染者の全員が医療機関で手当てを受けているわけではなく、正確な数字を把握することは不可能としたうえで、感染者数は3900─8000万人と推計している。また、入院者数は17万3000─36万2000人、死者は7880─1万6460人と見ている。

(院長のつぶやき)死者の数は日本より2桁多い、つまり100倍! なぜなんでしょう。

■ ヨーロッパではワクチンのバーゲン?

(産経新聞)昨年3月末にメキシコで新型インフルエンザの発生が最初に報告されて以来、世界保健機関(WHO)の大流行警告もあって、各国ともワクチンの手当てに奔走した。昨年末までの全世界の死者は1万3000人弱で、感染拡大のペースは減速しているという。イタリアでは、新型インフルエンザによるこれまでの患者は400万人と多いが、死者は200人足らずと予想をはるかに下回っている。こうなると、峠を越えた今になってはワクチン接種を受ける人も激減し、政府がせっかく2400万人分のワクチンを買い集めたのに、約80万人が接種を受けたに過ぎない
 こうした状況は他の欧州連合(EU)諸国でも同じだ。フランスでは9400万人分のワクチンを購入したが500万人分しか使われておらず、5000万人分を購入したドイツでは国民の5%強しか接種を受けていないという。
 原因はワクチンの準備が遅かったためである。まだまだ、流行が再燃するかもしれないし、ワクチンの有効期限は1年間であるにもかかわらず、各国とも購入代金を少しでも取り戻すため、発展途上国へのバーゲンセールも考えているらしい。

■ 【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.83

(Emergency Assistance Japan)
1)  感染状況 1月10日時点で、WHOには、208ヶ国と地域で確定患者と、合計13554名以上の死亡者の報告があがっている。
2)  パンデミックインフルエンザウイルスの伝播が最も激しい地域は、北アフリカ一部、南アジアと欧州の東部、南東部である。
3)  北アフリカでは、パンデミックインフルエンザウイルスの伝播は、全体的に活発であり、特にモロッコ、アルジェリア、エジプトである。西アジアでは、パンデミックウイルスが、12月以前にピークを迎えたとみられる多くの国で依然広く流行することが継続している。
4)  南アジアは、亜大陸の北部と西部で、インフルエンザの伝播が活発な状態が継続している。ネパールでは、12月から1月にかけて、急性呼吸器疾患が急増している。インドでは、12月中旬から下旬にかけて、全体の活動は、ピークを迎えたようだ。スリランカでは、呼吸器疾患も増大していることが報告されているが、活動は、最近高止まり状態になっている。
5)  欧州では、大陸全体に地理的に広範囲な状態であるが、11月以降全体の活動は相当減少し続けている。中程度の激しさの呼吸器疾患活動がルーマニア、ウクライナ、トルコ、スイスで報告されているが、インフルエンザ様疾患の率は、減少もしくは、高止まりしている。少なくても昨週定点観測拠点で20以上の臨床検体を採取している国の中で、最低4ケ国で、25%以上がインフルエンザへの陽性反応があった(ルーマニア、グルジア、ドイツ、フランス)。全体では、欧州では、11月初めに45%のピークに達した後、22%に減少している。
6)  東アジアでは、インフルエンザ活動は広範囲だが、減少が継続している。日本では、インフルエンザ活動は、高い水準ではあるが、2009年11月末にピークに達してから、減少している。インフルエンザの伝播は活発で、ばらつきが中国ではあるが、南部、北部ともに2009年11月中旬にピークを迎えて活動は、相当減少した。 香港では、インフルエンザ活動は、安定的に高い水準にあるが、2009年の9月の末から10月初めにかけてピークに比べると相当低い水準にある。 モンゴルでは、インフルエンザ様疾患の率は、2009年10月後半から例年の水準以上の高い水準にあるが、11月に活動のピークを認めてから、相当減少した。北朝鮮では、2010年1月に、地理的は、地域的に広範囲なインフルエンザ活動と呼吸器疾患の増大が報告されている。パンデミックH1N12009ウイルスが支配的に流行しているが、季節性インフルエンザH3N2ウイルスも、中国北部では非常に少ないながらも継続して流行している。
7)  南北アメリカでは、熱帯ならびに北半球の温帯地域で、パンデミックインフルエンザ活動は、継続して減少しているか、低い水準のままである。北米では、インフルエンザ活動は、それぞれメキシコが10月初め、米国が10月中旬、カナダが10月末にピークに達している。メキシコの中央と北部でインフルエンザ活動が増大している地域が小規模ではあるがあるようである。
8)  南半球の温帯地域では、パンデミックインフルエンザが散発的に報告が継続しているが、持続的に地域内に伝播する証拠はない。

1月17日

 昨日からセンター試験が始まりました。関東地方では冷え込みましたが雪は降らず交通機関のトラブルが無くて何よりです。
 遙か昔、私もこの試験を受けた記憶があります(当時は「共通一次試験」と呼んでました)。数えてみたら・・・もう28年前になりますねえ。

■ センター試験始まる…インフル追試は154人

(読売新聞)志願者は55万3368人で昨年より約1万人増えた。募集定員に対する志願倍率は、昨年、一昨年とほぼ同じ3・00倍。新型インフルエンザが流行中の今回は、救済策として、例年より1週間遅い今月30日、31日、全都道府県を会場に追試験を実施予定。大学入試センターの集計によると、15日までに228人から追試受験の申し出があり、うち154人が新型インフルエンザが理由だという。
 センター試験を利用する大学数は、受験生確保などの目的から毎年増えており、21回目となる今回は、大学、短大で過去最多の811校となった。志願者の79・5%(44万148人)は高校など今春卒業予定の現役生。浪人生の割合は19・3%で過去最低。高校卒業程度認定試験の合格者らは1・2%だった。

■ 余っても解約条項なし=輸入ワクチン、大量廃棄も−厚労省

(時事通信)輸入が承認された外国製の新型インフルエンザワクチンは、余った場合に解約する条項がなく、他国への転売もできない条件になっていることが、15日分かった。購入には約1126億円かかるが、感染者の減少傾向が続いており接種希望者は今後減るとみられる。大量に生じた余剰の廃棄を余儀なくされる可能性もある。
 輸入されるのはグラクソ・スミスクライン(英、GSK)の7400万回分、ノバルティス(スイス)の2500万回分で、国産の5400万回分と合わせれば日本の人口を上回る。一方、国立感染症研究所の調査では、昨年12月から6週連続で感染者の減少傾向が続いており、病院では接種予約のキャンセルが出始めた。
 厚生労働省などによると、日本が結んだ契約には、余剰が出たことを理由とする解約条項はない。GSKのワクチンは転売先で副作用被害が生じた時の補償を日本政府が肩代わりしなければならず、転売は事実上不可能。世界保健機関(WHO)を通じて発展途上国に供与することしかできない。ノバルティスの製品は供与もできず、余れば廃棄するしかないという。

(院長のつぶやき)予想通りの展開になりましたが・・・さあ厚労省、どうする!?
 税金の無駄遣いは許されませんよ。

■ 米国民の2割、新型ワクチンを接種

(読売新聞)米疾病対策センター(CDC)は15日、1月2日までの時点で、米国民の約20%にあたる6100万人が新型インフルエンザの予防接種を受けたとする推計を発表した。
 感染しやすい18歳以下の子供では約30%だった。例年の季節性インフルエンザでは、子供の接種率は24~27%とみられており、新型の接種率も同水準となっている。
 新型インフルの脅威が薄れるにつれワクチン接種の希望者が減り、CDCは接種を勧める運動を、新型に対するリスクが低い高齢者にも広げている。
 CDCは感染状況の推計値も更新。4月の発生から昨年12月12日までの間に新型インフルの患者は5500万人に上り、うち入院24万6000人、死亡1万1000人とした。

1月16日:国内死者155人

■ 新型インフル、ワクチン輸入解約交渉…厚労省

(読売新聞)新型インフルエンザ用の輸入ワクチンについて、厚生労働省が購入の部分解約を製造元の欧州2社と水面下で交渉していることが15日、明らかになった。接種回数が当初の2回から1回に半減したうえ、流行がピークを越えたことで、大量の在庫を抱える懸念が出てきたためだ。途上国に譲渡する案も浮上している。
 同省は、通常1-2年かかる薬事法上の審査を簡略化した「特例承認」の手続きを輸入ワクチンに適用。同日、薬事分科会が輸入ワクチンの有効性と安全性を認める見通しで、来月中旬にも健康成人を対象に接種が始まる。
 欧州各国も状況は同じで、契約の見直し交渉をメーカーと始めている。ドイツが納入予定量の3割を解約したほか、英国やスペイン、オランダも同様の措置を検討している。
 だが、新型インフルが再流行する可能性があり、同省内では使用期限の半年から1年半は備蓄するべきだとの意見も強い。

■ [新型インフル] 入院患者は累計で1万5000人超、死者は155人に

(厚生政策情報センター)厚生労働省は1月14日に、平成22年1月14日時点の新型インフルエンザの国内での患者数を公表した。
 資料によると、平成22年1月6日-1月12日に入院した新型インフルエンザ患者は285人、累計では1万5615人となった。入院患者の内訳は、1-4歳が68人、5-9歳が41人、10-14歳が14人などとなっている。
 平成22年1月12日時点の死亡者数は累計で155人。うち基礎疾患を有する患者は110人だった。
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■ 栃木・インフルエンザ患者数、1医療機関8.67人 警報レベル下回る

(毎日新聞)県健康増進課は14日、先週(1月4-10日)の1医療機関あたりのインフルエンザ患者数が8・67人になったと発表した。大きな流行が発生、または継続しつつある疑いの警報レベル(30人超)の終息基準値である10・00を下回った。10人を下回ったのは昨年10月以来。
 新型インフルエンザの影響とみられる患者数は、昨年10月19-25日の週に初めて注意報レベルである1医療機関あたり10人を超える14・25人に達した。その後ほぼ一貫して増え続け、11月9-15日の週は31・12人で30人を超え、11月23-29日の週にピーク(37・95人)を迎え、それ以降は減り続けている。
 保健所別では、県北保健所(大田原市、那須町など5市4町)は13・93人で、依然として警報レベルが続いているが、5保健所では10人を下回っている。

(院長のつぶやき)インフルエンザに限らず、長期休暇があると風邪の流行は一旦治まります。集団生活が再開されて2週間くらい経つとまた風邪が流行始めますので、これで終息と云うことにはならないでしょう。
 ただ、新型インフルエンザについては既に半数近く罹患しているので、今後大きな流行になることは考えにくい。あとは、季節性インフルエンザ(それも新型の影響を受けにくいとされるB型)がどれくらい流行するか注目されるところです。

■ 新型インフルエンザ:奈良の2カ所で集団感染 病院12人、救護施設で14人 /奈良

(毎日新聞)奈良市は14日、「医療法人平和会吉田病院」(同市西大寺赤田町)の入院患者・職員12人と、救護施設「社会福祉法人大倭安宿苑 須加宮寮」(同市大倭町)の入所者・職員14人が、新型インフルエンザに集団感染した疑いがあると発表した。重症者はおらず、全員快方に向かっている。
 同市保健所によると、吉田病院では、精神科開放病棟の入院患者8人と女性職員4人が9~12日に発熱などの症状を訴え、うち入院患者2人がインフルエンザ肺炎になった。
 須加宮寮では、入所者13人と男性職員1人が6~13日に発熱などの症状を訴えた。
 いずれも簡易検査で全員がインフルエンザA型陽性と判定され、新型インフルエンザに感染した可能性が高いという。

(院長のつぶやき)気をつけてニュースを見ているのですが、やはり高齢者施設の集団感染は起きていないようですね。

■ 新型インフル検査、6時間から15分に 新キット開発

(佐賀新聞)佐賀県鳥栖市藤木町の薬品メーカー「ミズホメディー」(唐川文成社長)と国立国際医療センター(東京)が、新型インフルエンザに感染しているかどうかを15分で判定できる簡易検査キットを共同開発した。現状の遺伝子検査は6時間程度かかるうえ、機材が高価で検査機関も少ないが、開発したキットは費用を抑えることで病院で手軽に判定できることになる。実用化されれば世界初の新型インフル判定簡易キットで、現在、製品化への臨床試験が行われている。
 開発したキットは、患者の鼻やのどから綿棒などで採取した粘膜表皮を専用の水溶液に浸し、キットのプレートに垂らす。陽性の場合は赤紫色の線が浮き出る。ミズホメディーが製品化している季節性インフルの簡易検査キットの仕組みを応用した。
 新型インフル判定の現状は、季節性インフルを判定する簡易検査キットを使ってA型かB型を判定。新型インフルが含まれるA型になると症状や状況などを勘案して新型と〝みなし〟判定している。正確に判定するには遺伝子検査が必要だが、佐賀県でも検査機関が一つしかないなど、時間とコストが課題だった。
 研究では、新型と季節性のウイルスの構造を詳しく分析し、「核たんぱく」といわれる成分に違いがあることを発見した。新型の核たんぱくだけに反応する抗体を作ることで開発できた。
 キットはセンターで臨床試験中で、遺伝子検査の精度にどれだけ近づけるか調べている。ミズホメディーは国に体外診断用医薬品として近く申請し、認可を受け次第、製品化する予定。
 同センターは「新型特定に時間がかからない上、遺伝子検査よりはるかに検査費を抑えることができそう。検査結果が病院ですぐ分かれば、症状に応じた投薬がスピーディーにできる」と期待。ミズホメディーは「子どもや持病のある人の重症化も防げるのではないか。ワクチン接種の判断材料にもなる」とキットの有効性を説明する。

□ ワクチン持ち帰り3人処分 北九州市

(共同通信)北九州市は15日、季節性インフルエンザのワクチンの使い残しを持ち帰ったとして、子ども家庭局の女性職員(61)を戒告の懲戒処分に、市立八幡病院の男性医師2人を文書訓告とした。
 市によると、女性職員は、八幡病院の准看護師だった2004年11月ごろ、廃棄予定だったワクチンと注射器を持ち帰り、孫に1回接種した。男性医師2人も家族や自分に打つなどしていた。
 北九州市では昨年8月、別の女性看護師が季節性インフルエンザワクチンを持ち帰っていたことが発覚、同様の事案がないか調べていた。

(院長のつぶやき)医療機関以外でワクチン接種を行うと法律違反になります。

1月15日

■ 16日からセンター試験=大学受験シーズン到来−インフル対策で個別追試も

(時事通信)約55万人が出願した大学入試センター試験が全国725会場で16、17日に行われ、本格的な受験シーズンが始まる。新型インフルエンザへの対応が課題で、個別入試での追試験実施などを決めた大学は少なくとも539校に上る。過去に阪神大震災に伴って追試が行われたことはあるが、全国的に特例措置が取られるのは初めてだ。
 センター試験を入試で利用する大学は651校、短大は160校でいずれも過去最多。最終的な志願者数は前年度比1.7%増の55万3368人だった。
 大学入試センターはインフルエンザ感染を防ぐため、志願者にマスク着用を求めている。患者が無理に受けて感染を広げることがないよう、38度以上の発熱などの症状が出た場合は医療機関で受診し、追試を利用するよう求めており、事前の受け付けも始まった。
 追試の日程は例年の翌週から2週間後の30、31日にずらし、治療期間を確保した。
 2月に始まる個別の一般入試でも、例年にない対策を取る大学が多い。全国729大学を対象にした文部科学省の集計では、先月15日までに国立55校、公立53校、私立431校がインフルエンザ患者向けの追試を実施したり、別日程での振り替え受験を認めたりする措置を決めた。
 ほかに東京大、早稲田大などが「流行の状況を見極めて追試の有無などを決定する」として対応を検討中だ。 

■ 国公立大の8割が追試予定 新型インフル感染者に特例で

(朝日新聞)受験生が新型インフルエンザに感染した場合の対策について、国公立大の8割超が特例措置として2次試験の追試を予定している。一方、受験機会の多い私立大では、半数近くが後日の日程へ振り替える。教育出版大手の旺文社(東京)の調査でわかった。同社によると、1995年1月の阪神大震災の影響で、関西を中心に再試験などの特例措置があったが、全国規模で講じられるのは初めて。
 調査は昨年11月末〜12月中旬にアンケートで実施し、国公立大112校、私立大130校から有効回答を得た。国公立大のうち前期日程を実施するのは95校、後期日程は80校。前期、後期ともに実施する大学もある。
 調査結果によると、追試を実施する国公立大は、前期日程で84.2%、後期日程で82.5%。追試をせず、「センター試験単独で合否判定する」が前期2.1%、後期3.8%。「措置を講じない」は前期、後期とも6.3%だった。
 私立大は「一般入試の別日程へ振り替え」が最も多い45.1%で、次いで「検定料返還」が31.1%。この二つからどちらかを選択できる大学もある。追試を実施するのは17.2%で、「特例措置を講じない」が15.6%だった。
 追試科目は国公立大の9割、私立大の8割が「本試験と同じ」と回答した。首都圏や東海地方では追試を実施する私立大が目立つが、関西では検定料返還が多い。
 特例措置となる対象は「新型インフル」が国立78.3%、公立54.0%、私立54.5%。「新型インフルと季節性インフル」が国立2.2%、公立16.0%、私立14.5%。「インフルを含む感染症」が国立2.2%、公立2.0%、私立10.0%だった。「病気を限定しない」は国立ではゼロだったが、公立6.0%、私立1.8%に上った。各大学の7割から8割近くが、診断書などの提出を求めている。
 文部科学省は昨年10月、新型インフル対策を定めた入試ガイドラインを策定し、全国の国公立大、私立大に通知。これを受け、各大学が特例措置を検討していた。16、17日に実施される大学入試センター試験でも30、31日に全都道府県で追試がある。

■ 群馬県、インフルエンザ流行警報を解除 2カ月ぶり

(毎日新聞)県は13日、インフルエンザの流行警報を解除したと発表した。4-10日の1週間、県内100医療機関からの報告を基にした1医療機関当たりの患者数が6・63人となり、流行終息基準の10人を下回ったため。昨年11月17日の警報発令以来、約2カ月ぶりの解除となった。
 県によると、県全体の患者数は7週連続で減少しており「一つの流行ピークが去ったのでは」と分析している。再び感染拡大の恐れもあるため、引き続き注意を呼びかける。4-10日の週に患者数が多かったのは▽藤岡保健福祉事務所管内8・00人▽東部同7・70人▽富岡同7・67人--の順だった。
 新型インフルエンザが流行した一方で、例年1-3月に猛威を振るう季節性インフルエンザはなりを潜めている。県衛生環境研究所には昨年8月3日~今年1月8日、144検体が集められたが、季節性のウイルス検出例はゼロだった。
 小沢邦寿所長は「科学的にはっきりしないが、新型の方が季節性より感染力が強いためではないか」と分析。「新型の流行で、タミフル服用や学級閉鎖、手洗い励行など、あらゆる予防策がとられたのも要因」と話している。

■ 大流行宣言は適切 WHOフクダ氏が反論

(共同通信)世界保健機関(WHO)のフクダ事務局長特別顧問(新型インフルエンザ担当)は14日の記者会見で、「今回の新型インフルエンザを世界的大流行(パンデミック)と呼ばないことは、科学的にも歴史的にも間違っている」と述べ、昨年6月の大流行宣言を含む一連のWHOの対応は「均衡が取れて慎重だった」とした。
 WHOがワクチンなどを製造する医薬品業界に影響されて騒ぎすぎたのではないかなどとする一部からの批判に反論した形。
 フクダ氏は世界的大流行は「(全体的な症状が)歴史的にみて非常に重い場合と軽い場合がある」と説明。WHOによる大流行の定義には症状の重さは含まれていないことなどを強調し、理解を求めた。

■ タミフル服用 合併症予防には効果不明

(読売新聞)季節性インフルエンザにかかった成人が、治療薬のタミフルを使用しても、肺炎などの合併症を予防する効果は明らかではないとの解析結果が、英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に掲載された。
 この解析は、英国に本部のある国際研究チーム「コクラン共同計画」が行った。成人を対象に治療薬の効果を調べた複数の臨床試験の結果を分析したところ、インフルエンザの症状が1日程度早く治まる効果はみられたが、肺炎、気管支炎などを防ぐ効果は明確ではなかった。治療薬には吐き気などの副作用がみられた。
 この研究チームは2006年、タミフルに関する10件の臨床試験の結果、肺炎の予防効果がみられたと発表していた。これに対し、大阪府で小児科医院を開く林敬次医師が「10件のうち8件の試験は未公表で、患者のデータも不明だ」と指摘、研究チームは、それらの試験を除外して再解析を行った。
 林医師は「ふだん健康な成人には、多くの場合、タミフルなどの治療薬は必要なく、大量の備蓄も必要ないと考えられる」と話している。

(院長のつぶやき)「コクラン共同計画」は一番信頼されている統計評価法です。

■ 昆虫細胞を利用したインフルエンザワクチンに有望性

(NIKKEI NET)昆虫細胞を用いることで、従来の鶏卵を用いたワクチンよりも迅速に豚インフルエンザワクチンを生産できることがオーストリアのチームにより報告され、医学誌「Biotechnology Journal(バイオテクノロジー)」オンライン版に12月29日掲載された(印刷版は1月号に掲載)。
 研究グループは、この新しい方法を用いて、わずか10週間で組み換えインフルエンザウイルス様粒子(VLP)を作製。VLPはウイルス粒子に似ているがウイルスの核酸をもたないため感染性はない。また、昆虫細胞を用いるので、鶏卵蛋白(たんぱく)に対するアレルギー反応や生物学的安全性、生産量の限界など、鶏卵ベースのワクチンに伴うさまざまな欠点を回避することができるという。
 研究共著者の1人である天然資源・応用生命科学大学(ウィーン)のFlorian Krammer氏は「この研究により、組み換えインフルエンザウイルスの粒子が従来のワクチンに代わる極めて迅速、安全かつ有効な選択肢となり、豚由来のH1N1(新型インフルエンザ)やH5N1(鳥インフルエンザ)のような新たに発生するウイルス株に対応する新しい方法となることが示された」と述べている。
 最近のインフルエンザの流行により、迅速かつ十分なワクチン供給の重要性が浮き彫りにされたが、従来の製造法ではこの要求を満たすことはできないと同氏は指摘する。別の専門家は「ウイルス様粒子は、インフルエンザパンデミック(大流行)におけるウイルスの生物学的変動に対する1つの解決策となると思われる。今回の研究は、ワクチン生産に対する極めて大きな貢献である」と述べている。

(院長のつぶやき)何の昆虫だか知りたいですねえ。

7歳男児が日本脳炎発症 熊本、ワクチン未接種

(共同通信)昨年8月に熊本市在住の7歳の男児が日本脳炎ウイルスに感染、発症していたことが14日、分かった。男児はワクチン接種を受けていなかった。
 熊本市などによると、男児は一時入院したが、その後回復した。感染症法では、医師は直ちに保健所に報告する義務があるが、報告は12月だった。診断確定に時間がかかったためとしている。

 日本では2005年に日本脳炎の定期接種が事実上中断、"空白期間"に免疫のない子どもが増え感染の危険性が高まると懸念されていた。専門家は「感染のリスクが高い地域では、接種を進めるべきだ」と指摘している。
 日本脳炎は、ブタの体内でウイルスが増殖し、ブタを刺したコガタアカイエカを介して人に感染する。症状が出ないことが多いが、05年以降、年間3~10人の発症が報告されている。大半は大人だが、熊本県では06年にも3歳男児が発症した。09年は今回の男児を含め3人で、うち1人は1歳の男児だった。
 予防接種法では、幼児期に3回と9~12歳で1回の計4回の定期接種を規定。だが接種後に急性散在性脳脊髄(せきずい)炎(ADEM)を発症したケースが明らかになり、厚生労働省は05年5月に「接種を積極的に勧奨しない」との見解を発表し、定期接種は事実上中断。副作用リスクが少ないとされる新ワクチンが昨年承認され、接種が始まった。

★ 日本脳炎に詳しい福岡市立西部療育センターの宮崎千明(みやざき・ちあき)センター長の話:
 九州、四国、中国地方では日本脳炎ウイルスの感染源となるブタの抗体陽性率が高く、患者も出る傾向にある。厚生労働省が予防接種の積極的勧奨を差し控えて5年近くたつが、関東以西では感染のリスクはある。希望すればワクチン接種はできるので、国民も自治体も、もう少し積極的に接種してもいいのではないか。

(院長のつぶやき)インフルエンザとは関係ありませんが、注意喚起目的であえてここに載せました。何人犠牲者が出たら接種勧奨を再開するのでしょうか・・・日本のワクチン行政の腰抜け具合が垣間見えます。

1月14日

■ 国産初の抗インフル薬、発売へ 厚労省、スピード承認

(朝日新聞)塩野義製薬は13日、同社が開発した抗インフルエンザ薬「ペラミビル」について、製造販売の承認を厚生労働省から得たと発表した。国内で開発された「国産」薬としては初めての承認事例で、早ければ今月中にも発売を開始する見込み。発売にあたって同社は「ラピアクタ」という商品名をつけ、新たな治療の選択肢として年300万〜400万人分の生産を目指す。
 ラピアクタは1回の投与が15分程度の点滴剤で、成人でのインフルエンザ感染では1回の投与で済み、重症度に応じて複数回の投与もできる。高齢者やせき、嘔吐(おうと)がひどい患者など、飲み薬のタミフルや吸入薬のリレンザの使用が難しい場合にも使え、医療現場のニーズも高いとされる。
 抗インフル薬は国内ではほかに第一三共、富山化学工業が開発中だが、ラピアクタは昨年10月末に国産第1号として承認申請した。新型インフルエンザの流行をふまえ、通常は1〜2年かかるところを約2カ月半という異例のスピードで承認された
 発売は厚労省による薬価の決定後だが、同省も薬価の決定を急ぐとみられ、同社は米国のメーカーから薬の原材料を初年度分はすでに確保するなど生産体制を整えつつある。現在はまだ承認が得られていない小児への使用についても、年度内を目標に申請を行う準備を進めている。

(院長のつぶやき)過去に事例から考えると、急いで認可すると想定外の副作用が問題になるリスクが高くなります。大丈夫かなあ。
 ニュースを読むと「原材料はアメリカから輸入」とあり、日本のフルオリジナルではなさそうですね。

国産か輸入、被接種者が選択可能=新型インフルワクチンで厚労省方針

(時事通信)外国製の新型インフルエンザワクチンをめぐり、厚生労働省は13日、接種を受ける人が国産、輸入ワクチンのどちらかを選択できるとする方針を明らかにした。順調に承認手続きが進んだ場合、輸入ワクチンは最短で来月3日から出荷が始まり、同月中旬から接種が始まる見通しという。
 同省によると、輸入ワクチンの接種対象は主に優先接種の対象から外れる健康成人。今月中旬に承認される最短のケースでは、グラクソ・スミスクライン(英)が来月5日、ノバルティス(スイス)が同3日から出荷が可能となり、医療現場には国産と輸入の両方が混在する可能性が高い。
 輸入ワクチンには国産に含まれない免疫補助剤が添加されるほか、ノバルティスの製剤は動物の細胞を使って培養するなど製法も異なる。

■ 学級閉鎖の基準変更 新型インフル沈静化受け 道教委など (01/13 16:03)

(北海道新聞)道教委と札幌市教委は13日、新型インフルエンザに関する公立の小中学校、高校の学級閉鎖などの基準を緩和することを決めた。感染の沈静化を受けた措置で、3学期から適用する。
 道教委は「学級閉鎖」は、新型の感染者や欠席者が学級の10%に達した場合としてきたが、季節性インフルエンザの基準と同じ20%に戻す。「学年閉鎖」は同一学年で2学級以上の学級閉鎖が基準だったが、感染者や欠席者が学年の20%に達していることも条件に加える。

■ 新型とB型のインフルで初の重感染か—4歳男児、堺市で

(医療介護CBニュース)堺市衛生研究所は1月12日、同市の4歳男児から採取した検体から、新型インフルエンザウイルスとB型インフルエンザウイルスの両方が検出されたと発表した。男児には川崎病の既往があったが、インフルエンザは特に重症化することなく回復したという。国立感染症研究所によると、季節性のA型とB型の重感染は報告されているが、新型とB型の重感染が疑われる例の報告は初めてという。
 堺市衛生研究所によると、男児は昨年11月18日にインフルエンザ簡易検査でB型と判定され、同日に検体が採取された。PCR検査で新型インフルエンザ陽性と確認されたが、ウイルス分離では新型のウイルスは検出されず、B型のウイルスのみが分離された。
 同研究所では、▽先行感染した新型インフルエンザは沈静化しつつあった▽新型は感染しても症状が出ない「不顕性感染」だった▽両ウイルスに重感染したが、一方のウイルスは淘汰された—可能性があるとみている。

■ ドイツへの新型ワクチン納入量、3割減へ

(読売新聞)英大手製薬会社グラクソ・スミスクラインは12日、ドイツ政府に対する新型インフルエンザワクチンの納入量を約3割減らすと発表した。
 納入量は、予定していた5000万回分から3400万回分になる。変更に伴う補償額は不明。
 同社によると、ワクチンは当初、2回の接種が必要と見込まれていたが、臨床試験の結果、1回でも十分な免疫がつくことが判明。ドイツ政府は接種計画を見直し、同社に対して契約の変更を求めていた。
 新型インフルエンザワクチンを巡っては、欧州各国で接種率そのものも低迷しており、余剰分の取り扱いが問題になっている。同社は、ドイツ以外の国とも同様の交渉をしている。

(院長のつぶやき)ドル箱の市場のはずが・・・メーカーは意気消沈していることでしょう。

■ WHO、製薬会社と癒着?新型インフルで欧州会議が調査

(朝日新聞)世界保健機関(WHO)と新型インフルエンザのワクチンを製造する製薬会社との癒着が、世界的大流行(パンデミック)を宣言したWHOの判断に影響を与えたとの疑惑が浮上し、欧州47カ国が加盟する欧州会議(本部・仏ストラスブール)は12日、調査を開始すると発表した。
 同会議保健衛生委員会の委員長で、感染症を専門とするドイツ人医師ボーダルク氏が「虚偽のパンデミック」との動議を提起したことが発端。仏リュマニテ紙のインタビューに「こんな厳戒態勢をとる正当な理由がない。WHO内のあるグループは製薬会社と癒着している」と、不透明な関係の存在を指摘した。
 欧州各国では、接種率の低さからワクチンが大量に余り、売却や製薬会社との売買契約解除の動きが加速している。WHOが当初、「2回のワクチン接種が必要」とし、各国が実際に必要な量の2倍のワクチンを調達したことも背景にあり、WHOに対する批判が強まっている。
 WHOのチャイブ報道官は12日の記者会見で「批判や議論を歓迎する。WHOの対応を検証するのはやぶさかではない」と語り、外部の専門家らを交えて経緯を調査する考えを明らかにした。

(院長のつぶやき)少々意地悪な視点ですが、将来(トリインフルエンザのパンデミック)を考えるとこのような検証も必要ですね。

Google、中国からの大型サイバー攻撃に中国市場撤退も

(TechCrunch by Michael Arrington on 2010年1月13日) Googleは、先月同社の社内インフラに対して行われた「きわめて高度かつ標的を定めた攻撃」に関する情報を公開した 。攻撃は中国が発生源であり、その結果「Googleの知的財産の窃盗」が行われたという。Googleはこの攻撃を踏まえ、同社の中国事業に抜本的変更を行おうとしている。
 Googleは、攻撃に関する情報の一部を一般向けに公開している。同社によると、侵害されたユーザー情報は最小限であったが、攻撃の標的が中国人権活動家の情報であったという事実に驚きを見せている。調べによると、一連の攻撃はGoogleのデータのみが対象ではなく、少なくともその他20社以上の企業が標的となっており、業種はインターネット、金融、化学薬品等多岐にわたる。さらにGoogleは、世界中の中国人権活動家のGmailアカウントに侵入するフィッシング攻撃が使われたことも発見した。
 この攻撃および中国政府によるウェブ上の言論統制の強化を受け、Googleは同社の中国用検索エンジンに、完全無検閲版を導入することを決定した。これは大きな変更である。2006年1月以来、Googleは中国政府に譲歩して、Google.cnに検閲付き(そして大きな議論を呼んだ)検索エンジンを提供してきた。Googleがこのゲームから手を引いたのだ。中国政府がもし、無検閲版エンジンを違法とすれば、Googleは中国での事業から完全撤退する可能性がある。

(院長のつぶやき)新型インフルエンザとは関係ありませんが、中国の情報規制の一旦が垣間見えるこの記事を載せました。「中国を発生源とする人権活動家へのきわめて高度なサイバー攻撃」は記事でははっきり書いていませんが「中国政府」によるものでしょう。情報規制された国の一般市民が偏った考え方を有するのは仕方ないことです。その点では北朝鮮と同レベルかもしれません。

1月13日:国内患者1753万人超

■ 季節性インフルどこへ? 流行期もウイルス検出なし

(共同通信)新型インフルエンザの大流行が続く中で、例年流行していたAソ連型、A香港型の季節性インフルエンザウイルスがほとんど検出されていない。新たなインフルエンザのパンデミック(世界的流行)が起きると、それまで流行していたA型ウイルスが新しいウイルスに置き換わる現象が過去にも起きているが、従来の季節性インフルエンザはもう流行しないのだろうか? 今後の状況次第では、来シーズンのワクチン製造にも影響が出てくる。
世界的に同じ
 毎年、インフルエンザが流行期に入る12月。2008年にはAソ連型、A香港型を合わせて1カ月で919件、07年は1026件、流行開始が遅かった06年でも27件のウイルス検出があった。
 ところが今シーズン、12月のウイルス検出はAソ連型、A香港型ともにゼロ。10月終わりごろに1件報告されて以降、現在まで出ていない。
 「世界的にも日本と同じような状況だ」。国立感染症研究所感染症情報センターの谷口清州(たにぐち・きよす)室長はこう指摘する。
 人で流行するインフルエンザウイルスは、構造の違うA型とB型に分けられる。A型では、昨シーズンまでAソ連型とA香港型の2種類が毎年流行していた。そこに、同じA型の新型インフルエンザが発生した。
仕組みは不明
 新たなウイルスの出現により、それまでのウイルスが淘汰(とうた)されてしまうことは過去に何度も繰り返されてきた。1918年のスペイン風邪以降、長年流行を続けていたウイルスは、57年のアジア風邪流行で新しいウイルスに置き換わった。だが、このウイルスも68年の香港風邪以降はA香港型に置き換わり、77年以降はAソ連型が加わった。
 なぜ淘汰されるのか、そのメカニズムは分かっていない。
 インフルエンザに詳しい押谷仁(おしたに・ひとし)東北大教授は「今後どういう展開になるのかは分からない。従来の季節性インフルエンザが淘汰されたと言うのはまだ早いだろう。今はインフルエンザが出始める時期。新型の患者が1千万人以上出ている中で、少数の季節性の患者を見つけるのが難しいということも考えられる」と慎重な見方だ。
来季のワクチン
 季節性の動向は、来シーズンのワクチン製造に影響する。通常、次のシーズンのワクチン製造に当たっては、前シーズンの国内外の流行状況などを踏まえてはやりそうなウイルスを予測。実際の製造に用いるウイルスの種類を決定し、春から製造を始める。
 現在の季節性インフルエンザワクチンには、Aソ連型、A香港型、B型の3種類の抗原が入っているが、新型が席巻している現状をどう分析し、どの抗原を入れるのか。
 「そろそろ決定しなければならない時期が来るが、その時点のデータで判断するしかないだろう」と谷口室長。押谷教授も「季節性インフルエンザが消えてしまうのか、判断が難しい状況だ」と話している。

(院長のつぶやき)季節性のA型は淘汰されるけど、B型は影響を受けずそれなりに流行するだろうとの意見もあります。

■ 60歳以上の新型インフル感染、20―30代の5分の1以下

(日経産業新聞)豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザウイルス(H1N1型)感染者と接触した場合の感染の成立しやすさは、60歳以上は20~30歳代と比べて5分の1以下になるという数理モデルによる分析結果をオランダなどの国際研究チームがまとめた。過去に季節性のH1N1型ウイルスに感染したときに得た免疫が影響していると考えられる。
 オランダ・ユトレヒト大学の西浦博研究員(科学技術振興機構研究員)と米アリゾナ州立大学などの成果。英国発行の国際学術誌「バイオメッド・セントラル」関連2誌に論文を発表した。
 2009年5月29日~7月14日の日本国内の流行状況などをもとに感染の成立しやすさを年齢別に調べた。

■ ドイツもワクチン解約 2500万回分

(共同通信)ドイツのメディアは8日、国内の新型インフルエンザ対策として製薬会社に発注された計5千万回分のワクチンのうち、半数の注文が取り消される見通しとなったと伝えた。発注したドイツ各州の保健当局と製薬会社が解約に原則同意したという。
 当初、1人2回の接種を見込んだが1回で十分だった上、症状も比較的軽微で接種希望者が少なかったため、ワクチンが大量に余る見通しになった。
 当局の方針の甘さに批判が出る中、国内の専門家からは「ウイルスが再び猛威を振るう可能性を排除すべきではない」と、解約に反対する声も上がっている。
 ドイツは他国への転売を図る方針で、コソボやウクライナ、イランなどの名前が挙がっている。
 新型インフルエンザワクチンの余剰問題は、フランスやイタリアなどでも起きている。

(院長のつぶやき)これから輸入する日本もワクチン余剰問題が必発です。どうするニッポン?
と思ったら、次のニュースを見つけました(↓)。

■ 【主張】新型ワクチン 輸入も余ってしまっては

(毎日新聞)国内の新型インフルエンザの流行が急速に下火になり、電車の中でマスクをする人の姿も減っている。全国約5000の定点医療機関からの患者報告数も、最新の発表である昨年末の第52週(12月21~27日)で19・63と、4週連続の減少を記録している。
 ただし、厚生労働省の推計では52週時点でなお、1週間に約100万人の患者が発生し、累積患者数は1753万人に達している。栄養や休養に気を配り、うがい、手洗いなどの小さな努力は引き続き必要だ。
 一方で、今回のインフルエンザの重症度は懸念されていたより低いことも分かってきた。厚労省が6日に発表した中間まとめによると、死亡報告は5日までに145人で、患者推計と比較すると致死率は0・001%以下である。
 欧米では患者の報告が激減し、致死率が低いこともあって、新型用のワクチンが大量に余り始めたと伝えられている。製薬会社にワクチン購入契約のキャンセルを求め、余剰ワクチンを途上国に回すような動きも出てきた。
 わが国も人口を上回る接種回数のワクチンを確保したが、輸入分はそっくり余りそうな雲行きだ。流行が終息したわけではなく、いまからでも接種の意味は小さくないのだが、優先対象から外れた人たちの間に「いまさら」といった気分が広がるのは避けがたい。
 余剰分を廃棄するようなことにならないよう、購入契約の解除や途上国への提供といった検討も急ぐべきだろう。
 新興感染症の流行は途上国から広がることも多く、ワクチンや治療薬の開発には、先進諸国の研究機関がその病原体の検体を途上国から提供してもらわなければならないことがしばしばある。
 いわば、病原体も途上国にとっては一つの資源なのだが、それを提供しても、ワクチンや新薬開発の恩恵を受けるのは結局、先進国や大手製薬会社だけだといった不満も途上国側には根強い。
 今回は流行の初期段階で先進諸国がワクチンの大量確保に走り、途上国の不満を裏付けるかたちになってしまった。余剰品を譲られても、不満は逆に募る。

日本はなぜ、輸入に頼らず、国産ワクチンでこの危機をしのぐ姿勢を示せなかったのか。結果論の面もあるが、国際的な感染症対策の中で、この点も苦い教訓として検証することが必要だろう。

■ 鼻にスプレー…厚労省「次世代」ワクチン支援へ

(読売新聞)厚生労働省は、鼻にスプレーしたり、肌にシートを張り付けたりする新しいタイプのインフルエンザワクチンの実用化を支援する。
 製薬会社の開発や、臨床試験の費用を補助して、3年後の実用化を目指す。今年度の第2次補正予算案などで50億円を計上した。
 「第3世代ワクチン」と呼ばれるもので、鼻スプレータイプは、米国などで一部使われている。従来の注射タイプに比べて痛みがなく、簡便で、効果も高い。肌に張るタイプのほか、飲み薬などを想定している。
 また、こうした次世代ワクチンのほか、通常のワクチンの効果を高める免疫増強剤なども支援の対象にする方針だ。

(院長のつぶやき)最近の厚生労働省のワクチン行政に関する変化には驚かされます。ドンドン改善して世界標準に近づけて欲しいものです。

1月12日

 日本のニュースは見あたりませんでした。

■ 【中国ワクチン】3歳未満の乳幼児へは無料接種

(Emergency Assistance Japan)中国衛生部が木曜日7日に公表したところによると、6ケ月から3歳未満の乳幼児へのワクチン接種が無料となる。発表によると、このグループは、新型インフルエンザに最も罹患しやすいグループに含まれており、無料接種が必要で、それは透明性をもって、かつ任意を原則として実施される。衛生部と国家食品薬品監督管理局で承認された3社のワクチンメーカー(Sinovac社もそのうちのひとつ)が、同乳幼児向けの新型インフルエンザワクチンの臨床試験を江西省、広西チワン族自治区、海南省で実施している 同省の12月末の発表によると、第一回目の接種者の中で重篤な副作用をしめした例はないという。また、衛生部は、地方の疾病対策センターで予防接種のデータの収集、解析ならびに安全性に対する監視と評価を進めるよう要請した。

(院長のつぶやき)「任意」(強制しないで自分で必要と考えれば接種する)で「無料」は予防接種の理想型です。中国に先を越されてしまいました。

■ 【インド】新型インフル死者約1千人超:マハラシュトラで284人

(インド新聞)インド保健・家族福祉省は10日、インド国内で新たに33人の新型インフルエンザ感染が確認されたと発表した。10日現在、インドでの累計感染確認は2万7,712人に達した。また、累計死者確認数は1,059人に達した。

1月11日

■ 新型インフルワクチンどこに? 鹿児島県が在庫調査へ

(南日本新聞)鹿児島県内で、不足が懸念されていた新型インフルエンザワクチンが余っている医療機関が出始めている。流行が先行し、接種のキャンセルが相次いだからだ。一方、在庫不足で予約を断る医療機関もあり、県民や医師から、ワクチンがどこにあるかの把握や接種の前倒しを求める声が上がっている。偏在を解消し有効活用を図るため、県は国の通知を受け、医療機関の在庫調査を行う。
 新型インフルエンザワクチンは昨秋の接種開始当初、希望者が配分量を上回ると予想され、不足が懸念されていた。このため、国は基礎疾患がある人、妊婦、幼児などを優先する接種計画を立てて、これまで実施してきた。
 しかし、医療機関や子どもがいる親らによると、流行が接種開始より先になったため、感染した人のキャンセルが続出。予約が思うように取れなくて接種をあきらめる人もおり、流行のピークを過ぎた12月中旬ごろからワクチンが余る医療機関が出てきたという。

(院長のつぶやき)群馬県でも同様の調査が始まりました。あくまでも「返品は受け付けない」そうです。

■ 肺炎球菌の重複感染で重症化=新型インフル−アルゼンチン調査

 南米アルゼンチンで、秋から冬に当たる昨年5〜7月に、新型インフルエンザの致死率が4.5%と極めて高かったのは、肺炎球菌との重複感染が主因だったことが分かった。米コロンビア大などの研究チームが10日までに、米オンライン科学誌プロス・ワンに発表した。
 1918年ごろに世界的に大流行した同型のインフルエンザ「スペイン風邪」の際も、肺炎を併発して死亡した患者が多かったことが知られており、ワクチンなどによる肺炎球菌対策も重要とみられる。

■ 【WHO週間レポート】パンデミックH1N12009感染状況報告NO.82

(Emergency Assistance Japan)
1) 感染状況 1月3日時点で、WHOには、208ヶ国と地域で確定患者と、合計12799名以上の死亡者の報告があがっている。
2)最もパンデミックインフルエンザ伝播が活発な地域は、欧州の中央、東、南東の一部と北アフリカと南アジアである。
3)欧州では、パンデミックインフルエンザ伝播は、大陸全体に地理的に広がった状態のままであり、かなりのウイルスの流行が欧州の中央、東、南東部のいくつかの国で継続している。特にポーランド、セルビア、ウクライナ、グルジアでは、呼吸器疾患活動が現在でもかなり高い率で報告されている。欧州の西部、北部の多くの国では、インフルエンザ様疾患並びに急性呼吸器疾患の率は、継続してかなり減少しており、多くの国では通常の年の基準値近くにまで戻っている。季節性インフルエンザH3N2も散発的に西欧地域で確認されているが、非常に少ない件数である
4)北アフリカ、西アジアでは、インフルエンザの伝播は活発な状態であることを示している。西アジアは、インフルエンザ活動としてピークに達したようであるが、北アフリカでは、呼吸器疾患活動が増大傾向にあると報告されている地域がある。特にエジプトである。新型インフルエンザ様疾患活動が依然高い水準でありインフルエンザウイルスの検出率が依然として高いことが、アルジェリア、モロッコでは、11-12月度として観察されているが、活動は、その後ピークを迎えたようだ。
5)南アジアでは、パンデミックインフルエンザの伝播は、地理的に広く拡大した状態で、特に、インド北部、ネパール、スリランカでは、呼吸器疾患活動の増大傾向が報告されている。東南アジアでは、インフルエンザの伝播は地理的には、地域内から広範な範囲という状態になっている。東アジアでは、インフルエンザの伝播は広範で活発な状況だが、概して下降していうようである。インフルエンザ並びにインフルエンザ様疾患活動は、日本、中国の北部、南部並びに台湾、香港では継続して低下している。パンデミックH1N1が、あきらかに流行しているウイルスの中では支配的であるが、季節性インフルエンザH3N2ウイルスも、中国北部では非常に少ないながらも継続して流行している。インフルエンザ様疾患の率が、モンゴルで若干増加したことが報告されている。
中央アジアでは、ウズベキスタンとキルギスタンでそれぞれ11月終わりから12月初めに呼吸器疾患活動がピークを迎えたことから、インフルエンザ様疾患と急性呼吸器疾患の率が減少をしめす証拠となっている。
6)南北アメリカでは、熱帯ならびに北半球の温帯地域で、パンデミックインフルエンザ活動は、継続して減少しているか、低い水準のままである。北米では、インフルエンザ活動は、それぞれ
メキシコが10月初め、米国が10月中旬、カナダが10月末にピークに達している。この3ケ国では、予想していたように、この秋から冬の感染期間での感染者数は、春から夏の期間に比べかなり大きな数字となった。カナダでは、例年と違い、通常の秋冬時期よりも早い時期にかなりのインフルエンザ活動を経験した後、現在のインフルエンザ様疾患の率は、歴史的な通常の年の基準値よりも低い水準となっている。
7)南半球の温帯地域では、パンデミックインフルエンザが散発的に報告が継続しているが、持続的に地域内に伝播する証拠はない。これは、冬期期間中に、非常に強烈で、高い感染を経験した地域では免疫をもった人々が多いため、ウイルスの伝播能力が落ちる夏の間に、ウイルスが持続的に伝播再起することを防止しているのはないかと考えられる。

■ 俳優の死でワクチンに殺到 ルーマニア、新型インフル

(共同通信)ルーマニアで人気男性俳優が新型インフルエンザに感染して死亡したことをきっかけに、首都ブカレストでは週末の9日、ワクチン接種を求める多数の市民らが病院に押し寄せる騒ぎとなった。ロイター通信が伝えた。
 報道によると、この俳優(37)は昨年末から入院していたが、5日に死亡した。
 ルーマニアの新型インフルエンザ感染による死者は80人を超え、ワクチン接種のキャンペーンも展開された。しかし、医療設備の不備に加えて国民の関心も低く、接種率は1%以下だったという。
 病院側は「俳優の死で、人々はワクチンを接種していない危険性に気づいた」とコメント。一方、同国の心理学者は「一種のヒステリー現象だ」と述べ、冷静な対応を呼び掛けた。

1月10日:世界の死者12800人超

■ 【新型インフル】確認死者1万2800人 伸び鈍化 WHOが発表

(産経新聞)世界保健機関(WHO)が8日発表した新型インフルエンザの感染集計によると、3日現在の確認死者数は1万2799人と前週比で579人増えた。増加数は昨年12月下旬まで毎週千人前後の水準が続いたのに対し、ここにきて縮小傾向が出てきた。
 地域別の死者数は最多の米州地域が210人増の少なくとも6880人、欧州地域は132人増の同2554人、日本が含まれる西太平洋地域が112人増の1361人などの順となった。

■ インフルエンザ患者が急増 年末年始で八重山は2倍に ー沖縄

(八重山毎日新聞)県医務課は7日、2009年12月21日~27日、12月28日~1月3日の県内定点(58医療機関)当たりのインフルエンザ患者報告数をまとめた。
 それによると、12月21日~27日は定点当たり43.40人、12月28日~1月3日は54.88人となり、12月14日~20日の26.07人と比べて年末年始の2週間で患者数が急増している。
 八重山保健所管内(定点3)の定点当たりの患者数も12月21日~27日は19人、12月28日~1月3日は36.33人となり、12月14日~20日の13.67人に比べて倍増している。
 県内各保健所管内の定点当たりの患者数は12月21日~27日で北部保健所管内は34.80人、中部保健所管内は30.35人、中央保健所管内は60.71人、南部保健所管内は66.67人、宮古保健所管内で11.75人。
 12月28日~1月3日は北部保健所管内で19人、中部保健所管内で30.80人、中央保健所管内で81.91人、南部保健所管内で99.67人、宮古保健所管内で18.25人と沖縄本島南部地区で患者数が多い傾向が続いている。
 県内では11月下旬に減少していたが12月上旬から増加に転じ、4週連続の増加となっているため、県ではインフルエンザが流行しやすい季節だけに、注意を呼びかけている。

(院長のつぶやき)いつも沖縄の流行は本州に先行します・・・これからもう一山あるのでしょうか。

■ 講談社、「医学的に誤った表記」で新型インフル関連本を緊急回収

(オリコン)講談社は、7日に刊行したばかりの厚生労働省医系技官・村重直子氏の著書『新型インフル禍の真犯人 告発! 死の官僚』を回収すると公式ホームページで発表した。新型インフルエンザの実態を伝えるため、緊急出版として村重氏に取材し、文章を講談社の編集部でまとめた同著だが、編集業務を急ぐあまりに、事実関係の確認が十分でなく、医学的に誤った表記が多数あったという。講談社は「結果として、村重氏の著書としては、タイトルもふくめて本意と違うものになってしまいました。著者の村重氏と話し合い、同書を可及的速やかに回収するという結論にいたりました」と説明している。
 講談社は公式ホームページで「同書は村重氏の書いたものでないため、同氏に内容上の責任はありません」と説明。さらに、「読者の方々、著者の村重氏、さらに同書に登場する方々に、多大なるご迷惑をおかけしましたことを、ここに深くお詫び申し上げます」と謝罪している。
 また、今回の騒動について村重氏は「医療は命に関わるものです。だからこそ正しい情報を知ったうえで、国民の方ひとりひとりが考えなければならないものだと思います。わたしが書くことがみなさんの判断材料のひとつとなり、広く議論していただくきっかけになれば」とコメント。村重氏は2月末までに、講談社からタイトルも新たに書き下ろしの著書を刊行する予定。なお、『新型インフル禍の真犯人 告発! 死の官僚』を既に購入した場合は、村重氏の新著と無償で交換。送料などは講談社が負担するという。

(院長のつぶやき)講談社ともあろうものが・・・本の題名も売れ線狙い見え見えでいやらしい。

1月9日

■ 季節性インフル消えた? 今季の検出報告ゼロ ー群馬県

(読売新聞)新型インフルエンザが流行する中、県内では、今季のインフルエンザシーズンの昨年8月31日以降、季節性インフルエンザウイルスの検出例が8日現在、報告されていないことが分かった。県保健予防課は、流行期は年ごとに異なるとしつつも、「例年では考えられない状況」と話している。
 同課によると、新型が流行する前の2008年11月中旬と12月初旬には、それぞれA香港型とAソ連型といった季節性のウイルスが確認された。一方、県内で新型患者が確認された昨年6月下旬以降は、季節性の検出例はない。
 国立感染症研究所(東京都新宿区)によると、全国で検出されるウイルスの大半が新型となった昨年7月初旬~12月中旬に検査した1万8568件のうち、新型の検出率は99・17%に及んだ。同研究所調整課は「例年ならば、今の時期に季節性の流行がピークに達していてもおかしくないが、今季はほとんどない」と驚いている。
 ただ、検出例がない理由は明確でなく、県衛生環境研究所(前橋市)は「科学的根拠のある説明はできない」とする。同研究所によると、南半球では、昨年の流行期でも季節性の検出が非常に少なかった

(院長のつぶやき)全国的には昨年12月に(季節性)B型インフルエンザが検出されていますね。この冬、どう流行するのか予想不可能です。

■ 医療従事者への接種、想定上回る 新型ワクチンで160万人

 新型インフルエンザの国産ワクチン優先接種を受けた医療従事者が、推定で約160万人に上ることが厚生労働省のまとめで8日分かった。
 厚労省の計画では、医療従事者への優先接種は「新型インフルエンザ患者の診療に直接従事する者」を対象とし、その人数は約100万人と見込んでいたが、これを大きく上回った。同省は「接種は現場の医療機関の判断に任せている部分がある。きちんと接種して医療態勢を守っているということではないか」と説明している。
 接種人数は都道府県からの報告を基に推定。医療従事者以外では、11月末までに優先接種を受けた基礎疾患(持病)のある人は、対象者約900万人のうち約198万人。妊婦は約100万人のうち約21万人、1歳から小学3年生までの子どもは約1千万人のうち約24万人が接種を受けた。

■ 新型インフルエンザ、スペイン風邪と同じ構造 「高齢者に免疫」裏付け

(毎日新聞)新型インフルエンザが人に感染するかどうかを左右するウイルスの構造が、スペイン風邪など20世紀前半に流行したウイルスと同じだったことが、科学技術振興機構の西浦博・さきがけ研究員らの研究で分かった。新型ウイルスでは高齢者に感染者が少ないことが知られているが、その原因の一つが解明されたことになる。また、日本で1人の感染者から広がるのは1・21-1・35人で、感染力は季節性インフルエンザと同じか弱いことも判明した。7日付の英医学誌2誌に発表した。
 ウイルスの表面にはヘマグルチニンという突起があり、この突起を使ってヒトの細胞に侵入する。研究チームは、新型と同じH1N1型の過去のウイルスで、ヘマグルチニンの先端構造を比較した。
 その結果、1918-40年代前半に流行したスペイン風邪や同時期の季節性インフルエンザのウイルスは、先端の構造が同じだった(タンパクに付いている「糖鎖」と呼ばれる構造が一部脱落している共通点)ことが分かった。これに対し、77年以降は同じ構造を持つウイルスが、ほぼなくなっていた。このため、60歳代以上では新型に免疫を持つようになったと考えられる。
 さらに、確定患者約3500人を対象に感染のしやすさを調査。20-39歳を1とした場合、19歳以下は2・7倍、40-59歳が0・56倍、60歳以上は0・17倍となった。

■ ワクチン接種との関係調査へ=新型インフル、重い持病の死者−厚労省

(時事通信)厚生労働省は8日、重い肺炎などの持病がある人が新型インフルエンザのワクチンを接種した後に死亡するケースが報告されていることを受け、ワクチンが死亡リスクを高めているかを調査する方針を明らかにした。
 同省によると、これまでにワクチンを接種したのは最大1600万人。接種後に死亡したと報告されたのは7日までに107人で、大半が重い持病のある高齢者だ。同省が専門家に意見を求めたところ、多くはワクチンとは関係がなく、持病による死亡と判断された。
 しかし、重い肺疾患である間質性肺炎や慢性閉塞(へいそく)性肺疾患、腎臓疾患やがんなどの患者30人弱については、ワクチン接種により持病が悪化して死亡につながった疑いが否定できないとされている。
 ワクチンの副作用について議論している同省検討会の専門家には、重い持病がある人は風邪を引いた程度のきっかけで死亡することも多く、ワクチンが死亡リスクを高めているとは限らないとの意見も多い。

■ 新型インフル:ワクチン接種後に呼吸困難や血圧低下46件

(毎日新聞)厚生労働省は8日、新型インフルエンザワクチンの接種後に、呼吸困難や血圧低下に陥る「アナフィラキシー」を起こした例が46件報告されていることを、専門家会議で明らかにした。報告の頻度は10万件当たり0.6件で、一般的な発生率とされる10万件当たり1件より低いことなどから、専門家会議は「重大な懸念はない」と結論付けた。
 アナフィラキシーはアレルギー症状の一種で、注射で起こる代表的な副作用。
 厚労省によると、ワクチンは昨年12月末までに約830万回接種され、医療機関からアナフィラキシーの報告が102件あった。専門家が検討した結果、このうち46件は接種との因果関係があると判断された。意識を失うなど入院相当のケースも20件含まれていたが、いずれも回復しているという。
 このほか、今月5日までに脳炎・脳症で7件、神経まひなどを起こすギラン・バレー症候群で5件の副作用報告があったが、これらも季節性のワクチンと比べて際立った危険はないと判断された。 

■ 新型インフル、血液感染のリスク低い 日赤

(朝日新聞)新型の豚インフルエンザに感染した人からの輸血や採血などの医療行為によって、別の人に二次感染する可能性は低いことが、日本赤十字社や国立感染症研究所の研究でわかった。
 日赤(本社・東京都)は2009年8〜11月に献血した人のうち、提供後にインフルを発症し、献血時は潜伏期だったと思われる96人の血液を調べた。その結果、いずれもウイルスはみつからず、ウイルスの痕跡を示す遺伝子の断片もなかった
 国立感染研(東京都)も、09年8月以後に新型インフルの疑いで入院した重症の小児患者16人の血液と、遺伝子検査で新型インフルと診断された死亡患者4人の組織を調べたが、ウイルスは見つからなかった。ウイルスが血液に乗って全身を回る「ウイルス血症」を示す病変も認められなかったという。
 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の専門部会でも、「データが十分とは言えないが、今のところ、新型インフル患者の血液中にウイルスがある可能性は低く、輸血や採血などで感染する可能性も低いと考えられる」と評価している。
 現行ではインフル患者は献血できないが、献血後の発症は自己申告。季節性の感染は、のどなどの気道に限られ、ウイルス血症はほとんど起こさないとされている。新型インフルは、のどなどの気道だけでなく、肺にも感染することがわかっており、血液を介して広がるかは、病気の重症度を見極める焦点の一つだという。

■ 【米国ワクチン】米国はワクチンの発注量の見直しを予定せず

(Emergency Assistance Japan)米国の連邦保健当局者は1月7日、同国は新型インフルエンザ・ワクチンの発注量の見直しを予定していないと発表し、欧州諸国とは異なる対応を示した。
 米国の疾病コントロール予防センターのアン・シュケット博士は、米国ではワクチン接種希望が堅調で、政府も如何に多数の国民に接種を受けさせるかを最重点に置いていると説明している。
 現在ワクチンの出荷量は順調であり、多くの国民にワクチンの接種を呼び掛けている。従って、ワクチン接種を縮小するような決定は行なっていないと同博士は記者会見で語った。

ドイツの保健当局者は1月7日、同国はグラクソ・スミスクラインに発注した新型インフルエンザ・ワクチン5,000万投与分のうち、半分の注文を取り消す予定と発表した。今週始めには、フランス政府も注文した新型インフルエンザ・ワクチンの半分以上を取り消している。

 アン・シュケット博士によると、米国は現在、新型インフルエンザ・ワクチンの在庫を先月末の100百万投与分から136百万投与分に増加させた。これに対し、これまでに約5,000万人がワクチン接種を済ませている。

 疾病コントロール予防センターによると、米国では約4,700万人が新型インフルエンザに感染し、約10,000人が死亡また約200,000人が入院した。季節性インフルエンザでは毎年、平均して約200,000人が入院し、約36,000人が死亡している。

1月8日

 予想通り「ワクチン余り」報道が目立ってきました。

■ 新型インフル「沖縄で流行再燃」 厚労省警戒

(共同通信)厚生労働省は7日、12月27日までの1週間に新たに医療機関を受診したインフルエンザ患者が推計約100万人と、4週連続で減少したことについて「過去のシーズンには、流行のピークが今(の数値)より低かった年もある。まだ、新型インフルエンザは流行のただ中にある。沖縄では流行が再燃している」と警戒感を示した。
 定点医療機関1カ所当たりの患者報告数は38都道府県で減少したが、9県では増加。特に沖縄では前週の26・07人から43・40人へと大幅に増え、8月のピーク時(1機関当たり46・31人)に匹敵する報告数となった。
 8月の沖縄では20代の患者が目立ったが、今回の報告では0~9歳が中心。厚労省は「まだ感染していない子どもがいれば、ほかの地域でも沖縄のように再び流行が起こり得る」としている。
 全国的には20歳未満が前週より12万人減少したが、20代は3万人、30代は1万人増えた。

■ 空港検疫すり抜け9割…新型インフル感染者

(読売新聞)昨年4月の発生から5月までに国内の空港検疫をすり抜けた新型インフルエンザ感染者は、最大で入国を防げた感染者の約14倍に上っていたことが、東京大学などの推計でわかった。
 強毒性の鳥インフルエンザなど新しい感染症の流行に備えるには、発生の初期から、検疫と同時に医療体制や休校措置を視野にいれた総合的な対策を取ることが欠かせないことが、改めて裏付けられた。厚生労働省では、「新しい感染症を、どのくらい検疫で食い止められるのかを判断するための参考にしていきたい」と話している。
 この結果は、7日付の欧州の感染症対策専門誌「ユーロサーベイランス」(電子版)に掲載される。すり抜けの多くは、発熱などの症状がない潜伏期間の感染者だったとみられる。
 厚労省は北米大陸でウイルスの発生が確認された昨年4月、流行地のメキシコ、米国、カナダから到着する直行便で検疫を強化し、5月末までに計8人の感染を確認した。だが、同月中に渡航歴のない感染者が国内で見つかり、検疫の効果を疑う声が相次いだ。
 研究チームは、ウイルスの潜伏期間、検疫で捕捉できた感染者数、簡易検査の検出率などのデータをもとに、検疫をすり抜けた感染者数を推計する手法を開発。潜伏期間を2~7日、患者の何%を簡易検査で捕捉できるかを示す「検出率」を、実態に合わせて70%として計算したところ、8人が見つかった5月末までの間に、約14倍に上る計113人の入国を許したとの結果が出た。
 チームの井元清哉・同大准教授と山口類(るい)・同大講師は、「潜伏期間が長い感染症の患者を、検疫ですべて捕捉するのは難しい。すり抜けた患者数の推計を早期に行い、その結果をもとに、国内の医療体制を整えたり、学級閉鎖の時期を検討したりする総合的な対策が大切だ」と話している。

(院長のつぶやき)予想されたことがデータで裏付けられました。しかし日本は次の新興感染症発生の際「検疫は意味がない」と決断できるかなあ・・・疑問ですね。

■ <新型インフル>余剰ワクチン寄付…WHO呼びかけ

(毎日新聞)北米や欧州を中心に新型インフルエンザのワクチンが余る国が出ていることを受け、世界保健機関(WHO)は余剰分を、なおワクチンが不足している国に回す調整を始めた。
 マーガレット・チャンWHO事務局長は昨年12月29日の記者会見で「米国、カナダ、英国などでの爆発的な増加は終わった」と指摘。「エジプト、インドなどではまだ拡大しており、世界的な流行が終わったと言うのは早すぎる。あと6〜12カ月は警戒を続ける必要がある」としたものの、先進国地域での沈静化傾向は認めた。
 ドイツやスペイン、スイスではすでに12月中から、ワクチンを接種する人が予想以上に少なく、注文の取り消しや在庫を返還する動きが出ていた。1月4日にはフランスが、製薬会社に発注した接種9400万回分のワクチンの半分以上にあたる5000万回分の発注を取り消すことを決定。欧州ではワクチンへの需要が急速にしぼみつつある
 こうした事態を受けて、WHOは5日、ワクチン「余剰国」から不足している国への寄付を進める方針を示し、寄付を申し出ている14カ国と製薬会社6社を発表。14カ国には日本も含まれていた。
 「寄付」はWHO認可のワクチンの現物のほか、資金や関連資材などによって行われるとされ、日本の厚生労働省は「資金は出すが、ワクチンを出す予定はない」としている。ただ、WHO関係者は「寄付の方法は各国の方針によるが、日本も傾向として『潜在的余剰国』と見られ、いずれ海外発注分などのワクチンの調整が必要になることは十分に考えられる」と語っている。
 WHOが挙げた日本以外の13カ国は次の通り。オーストラリア、ベルギー、ブラジル、フランス、ドイツ、イタリア、ニュージーランド、ノルウェー、スロベニア、スウェーデン、スイス、イギリス、米国。

(院長のつぶやき)日本は税金で購入したワクチンを海外に寄付することになるのでしょうか。

■ ドイツ、グラクソの新型インフルワクチン発注の半分を取り消す可能性

(ロイター)ドイツはグラクソ・スミスクライン(GSK.L: 株価, 企業情報, レポート)に発注した新型インフルエンザ(H1N1)ワクチンの半分を取り消すことを検討している。実際に発注が撤回されれば、グラクソの業績に影響が出る可能性がある。
 ドイツの各州政府は昨年10月26日に新型インフルに対するワクチン接種を開始した。発注した5000万回分のワクチンは数回に分けて今年の春までに納入される予定になっている。政府は当初、1人につき2回の接種が必要としていた。しかし医療関係者は現在は1回の接種で十分としている。
 各州政府は余剰ワクチンを売却したい考えで、近く交渉が始まる見通し。新型インフルエンザの感染被害が大きいウクライナが関心を示しているという。
 欧州ではこれまでにフランスが発注済ワクチンの半分以上をキャンセルしている。

■ WHOが北朝鮮に新型インフルワクチン、今月中提供

(聯合ニュース)世界保健機関(WHO)は今月、北朝鮮に対し47万5000人分の新型インフルエンザワクチンを提供する計画だ。米国やフランス、オーストラリアなど9カ国の先進国から寄贈されたもので、初のワクチン提供となる。
 米国の自由アジア放送(RFA)が7日、WHOの東南アジア事務所関係者の話として伝えた。北朝鮮保健省と緊密に協議した結果、北朝鮮人口の2%を占める医療従事者の接種を優先することで合意しているという。それが完了すれば2回目のワクチン支援を行う。接種対象は妊産婦や5歳以下のこども、感染すると重症化する危険性の高い患者などで、北朝鮮人口の約8%に相当する。
 この関係者は、WHO平壌事務所がワクチン配布を監視することはしないが、北朝鮮側と約束した通りの優先順序でワクチンが行き届くか確認する計画だと説明した。

(院長のつぶやき)援助を受けても、北朝鮮内では全く報道されないんでしょうねえ。ワクチンの恩恵にあずかるのも政府関係者・軍関係者だけかな。

1月7日

■ 15歳未満、より早い経過で死亡—新型インフル

(医療介護CBニュース)新型インフルエンザを発症した患者が死亡したケースの中で、15歳未満の小児では発症から死亡までの平均日数が5.4日と、ほかの年代より早い臨床経過で死亡していることが、厚生労働省が更新した新型インフルエンザの発生動向に関する「医療従事者向け疫学情報」で分かった。小児の死亡例のうち14.3%が医療機関を受診する前に自宅で心肺停止や死亡した状態で発見されており、厚労省は自宅での経過観察に関して注意を呼び掛けている。
 医療従事者向け疫学情報は昨年12月25日の公表。11月20日の初回公表後に新たに得られた情報を取りまとめて更新した。死亡例については、12月6日までに自治体から報告を受けた死亡100例を分析した。年代別の内訳は、15歳未満が28例、15歳以上65歳未満が40例、65歳以上が32例。
 それによると、発症から死亡までの平均日数は全体で7.2日だった。前回公表の疫学情報で明らかにした11月7日報告分までの死亡50例の平均5.6日より1.6日長くなったが、厚労省は依然として「発症後に短期間で入院し、早期に亡くなっているという臨床経過が分かる」との見解を示している。
 年代別では、15歳未満が5.4日、15歳以上65歳未満が7.7日、65歳以上が8.3日で、15歳未満と65歳以上の間には約1.5倍の差があった。また、15歳未満の死亡例のうち、60.7%に当たる17例が、医療機関を受診して抗ウイルス薬などの投与を受けて帰宅した後、重症化して入院していた。14.3%に当たる4例では、医療機関を受診する前に自宅で心肺停止や死亡の状態で発見されていた。

■ 国民8人に1人が受診=新型インフル、重症化率横ばい−厚労省

(時事通信)厚生労働省は6日までに、新型インフルエンザの発生動向をまとめ、ホームページ上で公開した。先月中旬までに国民の8人に1人が新型インフルエンザで医療機関を受診し、受診者13万人に1人が死亡したと推計。重症化率など季節性インフルエンザとの違いについては、流行中のため比較できないとした。
 同省によると、先月中旬までの推計受診者数は約1539万人。受診者1300人に1人が入院し、入院患者16人に1人が重症化した。受診者100人のうちの入院率と重症化率はそれぞれ0.08%、0.005%で、昨年8月以降横ばいで推移しているという。
 死亡した100例の分析では、「70歳以上と5歳未満が多く、10代は少数」と指摘。死亡した65歳以上の高齢者32人のうち31人に基礎疾患(持病)があり、内訳は慢性呼吸器疾患(42%)と糖尿病(39%)が上位を占めた。

■ 新型インフル 患者、1ヵ月ぶり増加 鹿児島 成人中心に感染

(西日本新聞)減少していた鹿児島県内の新型インフルエンザ感染者数が昨年末、1カ月ぶりに増加に転じたことが6日、分かった。子供たちの集団感染が減少する一方、成人の感染割合が高まったのが要因。県は、引き続き予防対策を怠らないように呼び掛けている。
 県が1週間ごとに定点調査している県内93医療機関の新型インフルエンザの患者数は、ピークだった昨年11月23-29日の5761人から3週連続で減少していたが、同12月21-27日は前週比333人増の3129人に上った。
 県健康増進課によると、学校での集団発生は12月上旬から66件、52件、27件へと減少する一方、患者全体に占める20歳以上の成人の割合は12%、13%、16%と上昇傾向にあるという。

■ 中国大陸、先週の新型インフル感染率、引き続き減少

(中国国際放送)中国衛生省は6日通報を出し、先週、中国大陸での新型インフルエンザの感染率がインフルエンザ感染率全体の68.5%となり、先々週よりも下がったことを明らかにしました。
 統計によりますと、大陸では先週の感染数が先々週より1500人少ない2935人となり、死亡者は先々週より20数人すくない67人でした。 

■ 接種、見込みの「20分の1」=仏政府に批判噴出−新型インフルワクチン

(時事通信)フランスのサルコジ政権が、新型インフルエンザ対策でワクチン9400万回分を注文しながら、実際に接種を受けたのはわずか500万人にすぎないことが判明し、「見込みの20分の1。重大な判断ミスだ」との批判が与野党から噴出している。
 バシュロナルカン保健相によると、仏政府は製薬会社4社に、国民1人当たり2回分をめどにワクチンを発注し、昨年10月から接種を始めた。
 ところが、世界保健機関(WHO)がその後、接種は1人1回で十分と勧告したことで目算が狂った。さらに接種場所を特定医療センターに限定し、一般開業医を外したため、接種が進まなかった。
 同保健相は今月に入って突然、発注の半分余に上る5000万回分の注文契約を取り消すと発表。既に購入した分も、一部が中東のカタールなどへ転売されていることが明らかになった。 

1月6日:国内死亡約140人

■ 2009/10シーズン初のインフルエンザウイルスB型(Victoria系統)分離―新潟県

(感染症情報センター)新潟県では2009年12月に今シーズン初めて季節性インフルエンザB型(Victoria系統)を1株分離した。

 患者は4歳男児。12月12日に発症。症状は発熱39.6℃、上気道炎症状有り。家族も含め海外、国内旅行歴なし。新潟市内の定点医療機関から感染症サーベイランスの検体として12月15日に検体搬入された。医療機関での迅速キットの結果はインフルエンザB型であったが、インフルエンザの地域流行はあるもののB型は稀であるため、新型インフルエンザを疑い検体からリアルタイムPCRを実施した。新型インフルエンザは陰性であった。この咽頭ぬぐい液をMDCK細胞、CaCo-2細胞、LLC-MK2細胞に接種したところ、すべての細胞でウイルスが分離された。このうちMDCK細胞から分離されたウイルス株について、国立感染症研究所から配布された2009/10シーズンウイルス同定用キットを用いて赤血球凝集抑制(HI)試験(0.5%モルモット赤血球を使用)を行った結果、抗B/Brisbane/60/2008(ホモ価2,560)に対してHI価160、抗A/California/7/2009(H1N1)pdm(同2,560)に対してHI価20、抗A/Brisbane/59/2007(同320)、抗A/Uruguay/716/2007(同1,280)および抗B/Bangladesh/3333/2007(同2,560)に対してHI価10であり、B型(Victoria系統)と同定された。

 新潟県内ではこの症例より前にも9月中旬より迅速検査でインフルエンザB型陽性という検体が7件あったが、いずれもインフルエンザウイルスB型は分離されず、新型インフルエンザウイルスが3株、パラインフルエンザウイルス1型が1株、コクサッキーウイルスB3型が1株、アデノウイルス2型1株が分離され、ウイルス分離陰性が1件であった。このため、迅速キットの結果の判定には慎重を要すると考える。

(院長のつぶやき)新型が一段落したら、季節性が取って代わるのでしょうか・・・予想不可能!

■ 新型インフル「長期化」 フクダWHO特別顧問

(朝日新聞)世界保健機関(WHO)で新型インフルエンザを担当するケイジ・フクダ事務局長特別顧問は4日、朝日新聞との単独インタビューに応じた。昨年6月に宣言した世界的大流行(パンデミック)がいつまで続くかについて「まだ見通せない」と述べ、長期化するとの見方を示した。
 フクダ氏は、日本や米国などで感染の勢いが衰えてきたことを認める一方、「東欧、インドなどでまだ流行している」と指摘。「ウイルスの遺伝子の変化はいつ起きるかわからない」とも述べ、警戒を怠らないよう訴えた。
 さらに20世紀には「スペイン風邪」(1918年)や「アジア風邪」(57年)、「香港風邪」(68年)など3回の世界的大流行があり、「当時、流行は1〜2年間続いた。今回はまだ発生から約9カ月だ」と述べた。
 新型インフルは昨年末までに約200の国・地域に感染が広がり、少なくとも全世界では1万2220人が死亡した。実際の死者はもっと多いとWHOは見ている。国立感染症研究所の推計によると、昨年7月下旬から12月13日までに日本で新型インフルにより医療機関を受診した患者数は、全国で累計約1546万人。厚生労働省のまとめでは、4日までに新型インフルで死亡した人は約140人

 フクダ氏は日本生まれ。幼いころから米国で育ち、医師に。インフル専門家として2005年にWHO入りした。

■ 小児ぜんそく患者は呼吸器症状に注意を--松井猛彦さん(63)

(毎日新聞)<日本小児アレルギー学会の調査で、新型インフルエンザに感染すると、ふだん軽いぜんそく症状しかない子どもでも重症化する恐れがあることを明らかにした>
 小児ぜんそくの患者は、150万人に上ると推計されている。日本小児アレルギー学会で、患者や家族に新型インフルエンザへの対応に関する情報を提供するため、ワーキンググループを作った。
 重症化した子どもを対象に調査すると、全国20の医療機関から87人の症例が報告された。すると、普段薬を飲まなくてもぜんそくの発作が出ない、もしくは年に数回発作が出る程度の比較的症状が軽い子どもが全体の72%(63人)を占めた。さらに入院時の発作の強さを調べると、大きな発作を起こした患者は23%(20人)で、普段は症状が軽い子どもが多かった。

(院長のつぶやき)「喘息が重症=新型インフルエンザも重症化しやすい」わけではないということ。不思議ですが、診療現場でも実感してます。

■ 重症新型インフル小児57人全員を救命 静岡、長野のPICU

(中日新聞)静岡と長野両県のこども病院にある小児集中治療室(PICU)が昨年夏以降、重症の新型インフルエンザに陥って運び込まれた小児57人全員を救命していることが分かった。PICUの有効性があらためて立証された形で、中部地方では愛知県でも新設を計画している。
 重症小児の治療には人工呼吸器の圧力や投薬の量に微妙な加減が必要で、PICUは常に専属の小児専門医が対応。子どもの体格に合わせた呼吸器用チューブを19種類備えるなど、高度な治療環境も整っている。
 新型インフル患者への対応では、静岡県立こども病院(静岡市)のPICU(12床)に昨年、33人が搬送されて全員が助かった。中には愛知県内の集中治療室(ICU)で対応できず、ドクターヘリで運ばれた女児(6つ)もいた。植田育也PICUセンター長(42)は「重症の新型インフルは急速な悪化に応じた早い対応が必要。PICUでなければ治療が難しいケースもあった」と話す。
 長野県内の重症小児はすべて県立こども病院(同県安曇野市)のPICU(8床)に送られ、24人全員が助かった。責任者の阿部世紀医師(39)は「新型インフルは特に症状の判断が難しく、最初からPICUに搬送すると決めたのは効果的だった」と話した。
 厚生労働省によると、新型インフルの死亡者は3日までに全国で138人。15歳未満は31人で、愛知2人、滋賀、三重各1人となっている。
 ただ、PICUの運営は多くの小児専門医や看護師が必要なうえ、多大な維持費がかかる。同省は全国で430床必要と試算したが、日本小児総合医療施設協議会の調べでは、全国12カ所で計108床(昨年3月末現在)にとどまる。

【小児集中治療室(PICU)】日本集中治療医学会などの指針では6床以上で専従医師が常時勤務し、看護師は患者2人に1人以上。米国では小児2万人、豪州は6万人に1床あるが、日本は17万人に1床。厚生労働省の昨年度調査では、日本は新生児死亡率が最も低い半面、1~4歳児の死亡率は先進14カ国中ワースト4位で、PICU不足を原因とする見方もある。

■ 【インド】新型インフル死者約1千人に

(インド新聞)インド保健・家族福祉省は4日、インド国内で新たに105人の新型インフルエンザ感染が確認されたと発表した。この結果、1月4日現在のインドでの累計感染確認は2万6,309人に達した。デリーで8,572人、マハラシュトラ州で4,634人、タミルナド州で2,068人、ラジャスタン州で1,966人、ハリアナ州で1,913人、カルナタカ州で1,896人など。
 また、累計死者確認数は989人に達した。死者の地域別内訳は、マハラシュトラ州で275人、ラジャスタン州で151人、カルナタカ州で133人、グジャラート州で126人、デリーで72人、アンドラプラデシュ州で52人などとなっている。

(院長のつぶやき)相変わらず死亡率が高い・・・感染者数の把握が正確にできていないようです。

■ 新型インフルワクチン、ナゾの盗難

(読売新聞)京都府長岡京市の済生会京都府病院で、新型インフルエンザのワクチンが盗まれていたことがわかった。
 同病院から5日、届け出を受けた向日町署は窃盗容疑で捜査。厚生労働省は「全国的にも聞いたことがない被害だ」としている。
 発表によると、盗まれたのは1ミリ・リットル入りアンプル16本で、子ども用として使うと最大80回分にあたる。アンプルは同病院2階にある小児科外来の職員用休憩室の冷蔵庫で保管。昨年最後の接種日だった先月25日夕には16本が一つの箱に入れられていたが、看護師が冷蔵庫を確認した今月4日朝には箱ごとなくなっていた。

1月5日

■ 子どもの接種用量見直しへ インフルエンザワクチン

(共同通信)子どもに対する現行のインフルエンザワクチンの接種用量では効果が低いとの指摘を受け、世界保健機関(WHO)推奨の、より多い用量のワクチンの効果と安全性を調べるために独立行政法人国立病院機構が実施した臨床試験の中間報告が28日まとまった。
 試験では6カ月以上3歳未満では一定の効果が期待できるとの結果が出た。今後さらに解析を進め、来年3月にも用量を変更する申請が出される見通し。
 試験は国立病院機構の全国八つの医療機関で、6カ月以上13歳未満の男女360人を対象に、日本製の新型と季節性インフルエンザワクチンを使用して実施した。
 中間報告によると、6カ月以上3歳未満の乳幼児の場合、WHO推奨用量(0・25ミリリットル)を接種すると、ワクチンの効果を評価する国際基準をほぼ満たす結果が出た。3歳から6歳については、現行用量との比較試験も実施した結果、WHO推奨用量の方が効果が高いことが分かった。

(院長のつぶやき)こんなことわかりきっているのに、何で今までやってくれなかったのかなあ・・・あきれるばかり。

新型インフル対策に116億円—来年度厚労省予算案

(医療介護CBニュース)厚生労働省は来年度の予算案に、地域の医療体制の確立など「新型インフルエンザ対策」に116億円を計上した。省全体では今年度当初予算から28億円の減額だが、感染症対策を所管する健康局単独では32億円多い61億円を計上。このうち、新型インフルエンザ患者を診療する入院・外来医療機関の施設と設備の整備に対する財政支援などの新規事業に34億円を充てる。
 財政支援では、人工呼吸器などの設備の整備に29億円を、院内感染防止のための施設の整備に5億円を充当し、新型インフルエンザ患者を感染症指定医療機関以外でも受け入れられるようにする。支援先は各都道府県で、一律2分の1を補助する。
 新型インフルエンザ対策ではこのほか、医薬食品局がワクチンの買い上げに10億円を、食品安全部が検疫の体制強化に1.1億円を、いずれも新規事業として計上している。

(院長のつぶやき)諸外国と比較してどうなのでしょう? 昨年の予算は一桁少なかったようですけど。

■ 余剰ワクチンの転売開始 仏、新型インフルで

(共同通信)フランス保健省当局者は3日、新型インフルエンザ対策として同国が購入したワクチンが接種人数の伸び悩みなどで大量に余り、一部を中東諸国などへ転売し始めたことを明らかにした。フランス公共ラジオが報じた。
 当局者によると、政府は新型インフルエンザの大流行が予測された昨年夏以降、8億7千万ユーロ(約1160億円)を投じて9400万回分のワクチンを準備。だが、10月の接種開始以来、人口6200万人のうち500万人しか受けていないほか、1人につき2回の接種を前提にしていたこともあり、ワクチンが大量に余る事態となった。
 このため既にカタールに30万回分を売却したほか、エジプトとも200万回分の売却へ向けて交渉中だという。
 フランスでは昨年12月下旬の時点で、新型インフルエンザのため200人弱が死亡しているが、米国などと比べて死亡者が少なく、先進国の間ではワクチン接種率が最も低い。

(院長のつぶやき)フランスの変わり身の速さに脱帽です。ドイツやオランダも外国へ輸出する旨の声明を出しているようで。日本が「ワクチン余り」で処理に困るのは何週間後?何ヶ月後?のことでしょう・・・わかりきっているのにこれから輸入するんですねえ、税金で。

1月4日

 皆お正月休みらしく、ニュースを見かけません。まあ、「冬休み」=「全国一斉学級閉鎖」状態なので流行は一旦終息することでしょう。例年の季節性インフルエンザは、休み明け2週間くらいで増えてきますが、今年はどうなるのでしょう。

■ 中国の新型インフル死亡648人感染12万人

(日刊スポーツ)新華社電によると、中国衛生省は2日、中国本土で昨年12月末までに12万人余りが新型インフルエンザに感染したと診断され、うち648人が死亡したと発表した。
 12月の傾向としては北京、上海など大都市の学校での集団感染が減った一方、農村で引き続き感染が広がっており、衛生省は警戒を続けるよう呼び掛けている。

1月3日

■ 家庭内感染調査では、過去のパンデミックより低い感染率

(Emergency Assistance Japan)新型インフルエンザは過去のパンデミックほど感染力はない」との新しい米国での研究報告が発表された。研究では、2-6人の家族単位で、新型インフルエンザ感染者が確定された216世帯での研究である。

13%のみの家族が、感染した同居家族より感染した。これは平均値で、2人家族では28%、6人家族では低くなり9%のみである。新型インフルエンザは、若い人により感染する。18歳以下の感染者は、19-50歳の人の2倍の感染者である。50歳以上の人は、けた外れで80%以上低い感染者となる。

 「今回の研究では、パンデミックの展開時の子供の果たす重要な役割を強調することになっている」と今回の研究を行っMr.Simon Cauchemiezとその同僚は言う。
 また、本研究では、最初に罹患した家族に症状がでてから、次のメンバーが罹患した時、2-4日後に症状が顕れることが明らかになった。平均では、2.6日である。

(院長のつぶやき)臨床の現場で実感している「季節性インフルより家庭内感染率が低い」「高齢者ほど感染しにくい」が数字となって報告されましたね。

■ 新春1月にも新インフルエンザ治療薬「ペラミビル(商品名ラピアクタ)」が承認の見込み

(サーチナ)塩野義製薬 は昨09年12月の薬事・食品衛生審議会(厚生労働省)で最新のインフルエンザ治療薬の認可を受け、2010年1月にも正式に承認される見通しとなった。
 新型インフルエンザの流行は、国内では峠を越えたと見られているが、平均気温が最も下がる2月、寒暖の差が大きい3~4月、渡り鳥の飛来が増える5月にかけては、インフルエンザを警戒する必要があるとされる。
 塩野義製薬の新薬「ペラミビル(商品名ラピアクタ)」は点滴薬で、高齢者や重症者など体力の弱い患者に投与しやすい領域の製剤のため、治療に新たな選択肢が加わると期待されている。

1月2日

新型インフル 今月にワクチン輸入判断

(産経新聞)大幅な不足で混乱した新型インフルエンザのワクチン接種だが、ワクチンの供給が進むにつれて、不足傾向は徐々に解消されつつある。すでに新型インフルに感染した人はワクチンを打つ必要がないため、厚生労働省の試算では、優先対象者全員が国産ワクチンを打てることも分かってきた。輸入ワクチンを合わせれば、全国民にワクチンが行き渡ることになる
 気がかりなのは今後輸入予定の英系製薬会社「グラクソ・スミスクライン(GSK)」製のワクチンだ。昨年11月末にカナダで使われたワクチンの一部から、通常よりも高率で重い副作用が報告されたためだ。
 GSKは「一部以外では問題は生じていない」と安全性を強調し、カナダ政府も使用を再開したが、副作用が高率で発生した原因は明らかになっていない。
 厚生労働省も職員を派遣して調査にあたったが原因は不明のままだ。輸入については、1月中にも専門家による薬事分科会で検討し、長妻昭厚労相が最終的に判断する。輸入が決まれば2月にも、健康な成人を対象に接種が始まることになる。
 輸入予定のワクチンはほかにもスイス系製薬会社「ノバルティス」製のものもある。GSK製と合わせると輸入ワクチンだけで計9900万回分となり、余りが生じることも指摘され始めている

2010年1月1日:世界の死者12220人超

 新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
 この拾い読みも気力と体力(特に手首の腱鞘炎の具合)が持つ限り続ける所存です。時々サボるかもしれませんが・・・。
 この冬の関心は、以下の2点;

① 新型インフルエンザの第二波は来るのか?
② 季節性インフルエンザの流行はあるのか?

 ですね。

■ 新型インフル死者、27日までに世界で1万2220人確認=WHO

(ロイター)世界保健機関(WHO)は30日、新型インフルエンザ(H1N1型)感染によるものと確認された死者数は、27日までに全世界で1万2220人に達したと発表した。
 前週からの増加数は約700人。1週間前の増加数は1500人だった。WHOは感染拡大のペースは減速しているとしている。
 WHOの報告によると、現時点で最も感染が拡大している地域は中・東欧。ここ数週間で感染が最も拡大したのは、グルジア、モンテネグロ、ウクライナだった。また、ギリシャ、ブルガリア、セルビア、ウクライナに加え、ロシアのウラル地方で、季節性のインフルエンザを含む呼吸器感染症の感染が広がっている。
 4月にH1N1型の新型インフルエンザの出現が確認されてから新型インフルエンザの流行に注目が集まっているが、WHOによると、季節性インフルエンザによる全世界での死者数は毎年25万─30万人に上る。
 WHOのマーガレット・チャン事務局長は、新型インフルエンザの感染拡大に対してワクチン接種による対応が進められているものの、2011年までは流行はおさまらないとして、H1N1型ウイルスに対して引き続き推移を見守る必要があると述べた。
 WHOは、北米(米国、カナダ、メキシコ)でも感染は拡大したものの、この3国では感染拡大の勢いは大幅に弱まったとした。また、南米、中米、およびカリブ海沿岸地域でも感染拡大の勢いは大方弱まったとしており、東アジア(中国、日本、台湾)でも感染の勢いは弱まりつつあるようにみえるとしている。

■ 「新型」ワクチン体調考慮を…季節性より高い副作用報告

(読売新聞)新型インフルエンザワクチン接種後の重い有害事象の報告率が、季節性より高く、死亡例でも厚生労働省の依頼した複数の専門家が「因果関係を否定できない」としたケースが5例あることがわかった。同省の検討会は「安全上、大きな問題はない」としているが、接種を考える際、個人の体調などをより慎重に判断するよう求める声が検討会のメンバーからも出ている。
 厚労省の25日時点の集計では、現場からの有害事象(副作用かも知れない例)の報告は1899件。うち入院相当の重篤例(生存)は191件。その中で129件は因果関係の評価結果が公表され、うち81件は主治医が「関連あり」と報告、専門家も70件を「因果関係を否定できない」とした。
 死亡例は103件で、うち55件は専門家による評価が公表された。結果を分類すると、関連が低いという判断が36件と多いが、複数の専門家が「因果関係を否定できない」としたのが5件、1人が「否定できない」としたのが6件あり、8件は全員が評価不能とした。
 過去5年間(2004~08年度)の季節性ワクチンの重篤・死亡例の報告は、因果関係を問わずに集計して平均113件で、接種者100万人あたり3・06件だった。新型の接種をすでに受けた人数は例年の半分程度。厚労省は「積極的な報告によって率が上がっているのではないか」としてきたが、因果関係が否定できないとされたものに絞っても8・15件と高い。季節性の場合、死亡報告は5年間に18件で、専門家が因果関係を否定できないとしたのは1件だけだった。
 死亡例は、持病のある高齢者が多い。
 評価を担当している久保惠嗣・信州大副学長は「寝たきりの高齢者は感染機会が少ないので積極的に打たなくていいのでは。接種が持病悪化につながる可能性がゼロではない」とする。
 森兼啓太・山形大准教授は「ワクチン接種が体の弱い人に“最後の一押し”になる可能性は否定できない。効果と副反応の可能性を考え、打たなくてもいい人を見極めることが重要だ」と話している。

■ 新型インフルワクチンでサメがピンチ

(National Geographic News)
 今年世界中で猛威をふるった新型インフルエンザH1N1。そのウイルスから人体を守るためワクチンが大量に製造されているが、その陰で絶滅危惧種のサメが危機にさらされている。サメの肝臓から抽出される「スクアレン」という物質がワクチンの原料として使用されているからだ。
 スクアレンは、スキンクリームなどの美容製品に多く用いられる一方、人体の免疫反応を強める働きを持つ合成物質「アジュバント」の原料にもなる。アジュバントを添加したワクチンは活性成分(抗原)の含有量を少量に抑えることができるため大量供給が可能であり、世界保健機関(WHO)もその使用を推奨している。スクアレンは、オリーブ油、小麦胚芽油、米ぬか油などの植物油にも天然に含まれているが、その量はごくわずかである。そのため現在は、商用に捕獲される深海のサメがスクアレンの主な供給源となっている。
 サメの保護ボランティア団体「シャーク・セーフ・ネットワーク」の設立者の1人であるマリー・オマリー氏は、「サメの肝油から抽出されたスクアレンの使用には大きな不安を覚える」と話す。「捕獲の対象となる深海のサメは繁殖率が極めて低く、その多くは絶滅危惧種である」。例えば、抽出できるスクアレンの量が特に多いウロコアイザメは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに絶滅危惧II類(危急種)として登録されている。 スクアレンを添加したワクチンはアメリカではまだ認可されていないが、ヨーロッパやカナダなどの地域では広く使用されている。新型インフルエンザのワクチンを大量に製造する大手製薬会社グラクソ・スミスクライン(GSK)は2009年10月、アジュバンド添加ワクチンを4億4000万本受注したと発表した。
 GSK社製のワクチンは既に世界26カ国で投与されているが、広報担当者クレア・エルドレッド氏は、ワクチンに含まれるアジュバンドの原料にサメ肝油から抽出したスクアレンの使用を認めている。アジュバンド添加ワクチン製造各社では今のところ、サメ由来のスクアレンに代わるものを使用することは考えていないという。オリーブ油など非動物系のスクアレン原料に着目しているということだが、現時点では、「十分な品質の代替物は見つかっていない」とエルドレッド氏は話している。

(院長のつぶやき)さすが「National Geographic」社! 視点が違いますね。

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