赤ちゃんのスキンケア

 肌のトラブルを経験しない赤ちゃんはほとんどいないと思います。一方、薬が必要ないレベルの症状で受診される赤ちゃんも少なくありません。そんな時に説明する内容をプリントにしました。ご参考にどうぞ。
 作成にあたり参考図書を読んで感じたことは、① 肌のトラブルが起きてからではなく生後まもなくから始める日々のスキンケア、② 沐浴剤は使わない、という昨今の傾向です。

■ 日々のスキンケアがトラブル知らずの皮膚を造る!

 スキンケアとは「清潔&保湿」(汚れを落とし保湿剤で保護)することに尽きます。バリア機能が低下した乾燥肌に汚れ(=刺激物)が付くとトラブルの元。生後、胎脂がとれたあとから毎日のスキンケアを習慣づけましょう。もちろん、今からでもOKです。

■ 赤ちゃんの皮膚の特徴 〜薄い・多汗・皮脂が少ない〜

皮膚の厚さ
 大人の角質層の厚さは20ミクロン(ラップ1枚程度)、赤ちゃんはその半分しかありません。
多汗傾向
 赤ちゃんの皮膚の面積は大人の1/6程度、しかし汗腺の数は同じなので汗っかきです。
乾燥肌
 「赤ちゃんの肌はキレイ」と思いがちですが、現実はそうでもなさそう。生後2ヶ月まではお母さんからもらったホルモンの関係で顔面・頭部の皮脂分泌量が多く(思春期並み)、それ以降は大人の1/3まで減少し、実は乾燥しがちです。
※ 近年の科学データから「顔以外は生後まもなくから乾燥している」と書かれている本が増えてきましたね。

■ 赤ちゃんの沐浴・入浴の注意点

お湯の温度
 ぬるめの38〜39℃(本によっては37〜38℃とも)が適切です。体を温めるより、むしろ汚れを落とすことが目的なのです。
湯船につかる時間
 3〜5分が目安です。赤い斑点が出てくるようなら温めすぎと思ってください。
お勧めの洗浄剤
 ベビー用石けん(泡タイプがお勧め)&ベビー用シャンプーを使用しましょう。「無添加」より「ベビー用」がベター。頭皮は全身用ボディーソープより、やはり頭皮用のシャンプーの方が皮脂が落ちます。

沐浴剤は必要?
 近年、「沐浴剤は必要ない」という論調が増えてきました。化学薬品を溶かしたお湯に赤ちゃんの体をつけ込む、とも捉えることができるので、肌によくないとの考えです。

洗い方
 ガーゼでゴシゴシこすらず、石けんをよく泡立ててお母さんの手でやさしくなでるように洗いましょう。顔や頭は皮脂の分泌が多いので泡でマッサージするように洗いましょう。
シャワーを使おう
 すすぎはシャワーで念入りにしてください。ゆるめにすれば顔にかかっても大丈夫です(ずっと羊水の中に入っていたのですから)。
ふき方のコツ
 入浴後はバスタオルで押し拭き(軽くおさえるように水分を拭き取る)しましょう。ゴシゴシこすらないように。
出たらすばやく保湿ケア
 できれば5分以内に保湿ケアをしましょう。しっとり感を封じ込めるイメージで。
※ 夏の暑い季節は、昼間たくさん汗をかいたらシャワーを追加するのもよいですね。ただし、皮脂の落ちすぎを避けるため、石けんを使うのは1日1回までにしましょう。

洗うときも拭くときも塗るときも 首や手足のくびれ部分、指の間も忘れずにケアしましょう

■ 保湿ケアの実際

□ 保湿剤は油分+水分の乳液タイプが基本ですが、冬は軟膏、夏はローションも可です。
□ 保湿剤をたっぷり手に取り、体の各部分に点々と置き、赤ちゃんの肌に薄い膜を張るイメージで塗り広げましょう。
□ 口の周りが荒れやすい赤ちゃんは食事前後の保湿ケアを習慣づけましょう。乾いたものやティッシュでこすると肌が傷つき荒れてしまうので、ぬれタオル・ぬれティッシュで押し拭きをしましょう。
※ 市販の保湿剤の選び方:「無添加」より「ベビー用」「低刺激性」がキーワードです。

■ エアコンの適切な設定は?

【夏】24〜26℃ 【冬】20〜22℃ 【湿度】50〜60% 

 が理想的。
 エアコン・扇風機を使う場合は、吹き出す風が赤ちゃんに直接当たらないようにしましょう。室温は赤ちゃんの目線で考える習慣をつけましょう。赤ちゃんはフトンかベッドに寝ており、大人の感じる室温と異なることを忘れないようお願いします。

■ 日常生活での注意点

薄着を心がけましょう
 赤ちゃんの服は生後3ヶ月以降なら大人より1枚少なくするのが基本。赤ちゃんの背中に手を入れて汗をかいていたら暑がっている証拠です。調節してください。
ベビーカーは温室
 ベビーカーはアスファルトからの照り返し熱をまともに受け、内部温度は大人が感じる気温より3〜5℃も高いそうです。ほろで日陰を作るなど工夫をしましょう。
日焼け対策
 基本は直射日光を服で避ける工夫をすることですが、日焼け止め(生後6ヶ月以降)を使うときは保湿剤の上から重ね塗りし、数時間毎に塗り直しましょう。

お肌のトラブルあれこれ
 〜スキンケアで改善がなければ医師に相談を〜

 それでは、実際のトラブルと対処法を記します。
※ 処方される塗り薬・保湿剤は、少量なら目や口に入っても問題ありません。

【おむつかぶれ】

 汗やオシッコでふやけた肌に、ウンチの消化酵素やアンモニアが刺激となり赤くなったりブツブツができたりします。こまめにオムツを替え、ぬれタオルで押し拭きし、十分に乾かしましょう(ドライヤーは禁)。一旦赤くなってしまうと悪循環でなかなかよくなりませんね(うちの子がそうでした)。毎回洗うのは大変ですから、霧吹きにぬるま湯を入れてシュッシュッと吹き付けて半洗いするのが手軽でお勧めです。
 長引いてブツブツが目立つ場合は「カンジダ」というカビが悪さしている可能性ありますので診察を受けましょう。

⇨ 処方される薬:サトウザルベ、エキザルベ、ロコイド、紫雲膏など。

ベビーパウダーシッカロール)はお勧めしません:汗で固まって逆に肌を刺激したり、吸い込むと肺炎を起こすことがあります。

布おむつと紙おむつ、どちらがいい?
・布おむつの利点は「変える回数が多い」こと、欠点は「ゴワゴワして刺激になる」こと。これは柔軟剤を使用することで解決されます。
・紙おむつの利点は「肌触りがソフトで尿はしみ込んで不快にならない」こと、欠点は「変える回数が減るのでウンチでお尻が荒れやすい」こと、でしょうか。
 「紙おむつを使用し、まめにチェックしてタイミングよく替える」のがベストかもしれません。

【乳児脂漏性湿疹〜赤ちゃんニキビ】

 生後数ヶ月まで見られる頭部・顔面の脂っぽい湿疹です。
 特に頭皮は黄色いフケ・カサブタがこびりつきます。ひどいときは入浴前にワセリンやベビーオイル、オリーブ油を塗ってふやかし、入浴中にクシで少しずつ削りましょう。
 顔の「Tゾーン」に脂っぽいブツブツができたら「赤ちゃんニキビ」です。顔も石けんを泡立ててマッサージするように洗いましょう。その後保湿ケアも忘れずに(脂っぽいから必要ないというわけではありません)。

⇨ 処方される薬:アズノール軟膏など。

【あせも(汗疹)】

 赤いブツブツで、正体は汗腺がつまって炎症を起こしたもの。ぬれタオルで押し拭きして塩分を残さないようにしてください。軽いものは、スキンケアや昼間のシャワー追加、環境温度の調節などで改善しますが、掻き壊すと「とびひ」になることもあります。

⇨ 処方される薬:カラミンローション、アズノール軟膏など。

【とびひ(伝染性膿痂疹)】

 傷ついてバリア機能が落ちた肌に細菌(黄色ブドウ球菌・溶連菌)が繁殖し、水ぶくれができて皮が剥けたりカサブタがついたりします。スキンケア&抗生物質入り軟膏の塗布(&抗生物質内服)で治療します。皮疹が乾くまではプールは控えましょう。

⇨ 処方される薬:フシジンレオ軟膏、アクロマイシン軟膏、セフゾン、ホスミシンなど。

<関連記事>

 赤ちゃんの肌に関するニュースの拾い読み。

■ 赤ちゃんのあせも 予防と対策 汗吸う綿素材の服を

(2012年7月3日:東京新聞)

 節電の夏。汗っかきの赤ちゃんや子どもは「あせも」が心配な季節だ。自らも三人の子育てに奮闘しているサザンガーデンクリニック(東京・五反田)の松本美緒医師(皮膚科)に、予防法や対策について聞いた。
 あせもは、表皮に汗がたまり、汗管が閉塞(へいそく)してできる。乳幼児がなりやすく、赤いプツプツをかいたり放置したりすると、伝染性のとびひやカンジダ症、汗腺膿瘍(のうよう)になることもある。注意が必要だ。

あせもイラスト.jpg

 「赤ちゃんは首が短いので、あせもは圧倒的に首に多い」と松本医師。汗を吸収しやすい綿素材の服を着せ、汗をかいたらこまめに着替えさせたり、シャワーで汗を流したりするのが基本。タオルでよく拭き取るようにすれば予防できる。大量に汗をかくのは寝入りばなが多い。起こしたくない場合、最もあせもになりやすい首元にガーゼハンカチを掛け、首の下の部分を下着の下に入れておく。できれば背中にも下着の下に一枚入れておき、それぞれ汗でぬれたらガーゼを引き抜く。
 耳や頭の後ろも汗をかきやすいので、枕元にはタオルを。授乳するときは、頭をのせている母親の腕や手にもタオルを当てておきたい。汗を洗い流すときはせっけんの泡でさっと洗う。ベビーパウダーは使いすぎると、汗管を余計に詰まらせることがある。使うときは、必ず体の水分を取った後、一塗りぐらい。また、あせもに軟こうやクリーム状の保湿剤を塗ると、油の膜ができて汗が余計に外に出なくなるので、液体状、乳液状のものを使いたい。

寝始めはエアコン活用

 最近は、抱っこひもで母子が密着し、あせもになるケースも多いという。抱っこひもはなるべく通気性の高い素材を選びたい。抱っこのまま寝たときのために、やはりガーゼか薄手のタオルを首周りや下着の下に入れて、寝た後に引き抜く。

赤ちゃんにガーゼハンカチ.jpg

 大人はあせもより、汗の中にある塩分や老廃物が皮膚に残り、かぶれて赤くなる人が多い。綿100%ではないシャツなどは、汗が吸収されにくく、かぶれやすいという。
 松本医師は「最近は子どもも、あせもより塩分かぶれで受診する子が多い」と指摘する。
 涼しげに見える服でも、化学繊維が混じっていると汗がたまりやすい。下着には、肌にぴったりとくっつく綿素材のシャツを着せておきたい。汗を拭くときは乾いたタオルではなく、ぬれたタオルで汗を塩分ごと取る。
 悩ましいのはエアコンの使い方。汗をかきやすい寝入りばなは、エアコンで涼しくしておく。「直接だと、喉を痛めたり乾燥したりするので、隣の部屋で戸を開けておいて冷気を入れるのがお勧め」
 ただし、代謝を高め皮膚の免疫力を保つためには、汗をかくことは必要。運動をした方が汗の塩分濃度は低くなりトラブルも少なくなるという。
 松本医師は「月並みだが、きちんと汗をかいて、きちんと肌のケアをすることで夏を乗り切る。かゆがっていたり急に皮膚のプツプツが増えた場合は、皮膚科へ早めに受診を」と呼び掛けている。

■ 誤ったケアは逆効果 赤ちゃんの肌、夏の暑さに要注意

(2012/7/29:日本経済新聞)
 汗びっしょりになり、ひりひりしたり、汗ものためにかゆみを感じたりしてついついかきむしってしまう――。夏はこんな繰り返しで肌を傷めることが多い。表皮が薄くデリケートな赤ちゃんはなおさらだ。健康な肌を保つには温度調整、清潔さなどに加えて、バランスのとれた食事も大切になる。親子ともに暑い夏にこそ注意したい、肌のケアのポイントをまとめた。

乳幼児の肌のケア正誤表.jpg

 愛育病院(東京・港)皮膚科の山本一哉部長は「子どもの肌が赤くなった」と心配顔の母親に連れられてやってくる赤ちゃんを見て驚くことが多い。夏でも冷えを気にしてレッグウオーマーを着け、しっかりと服に身を包んでいるからだ。

■手足の先は冷たく

 赤ちゃんは代謝活動が活発で体温が高いため、汗をどんどん出して熱を逃そうとしている。レッグウオーマーなどで覆うと熱がこもり、汗もができやすくなる。「手足の先が冷たいくらいがちょうどよい。赤ちゃんがいる場合はエアコンの使用を控えるべきでない」(同部長)
 赤ちゃんの肌はとてもデリケートだ。表皮の厚さは大人の半分の0.1ミリメートル程度しかない。もっとも外側の皮脂やその下の角層には細菌やほこりが入るのを防ぐ「バリアー機能」がある。角層内のセラミドと呼ばれる脂質や保湿成分が汗などと一緒に流れると、同機能は失われる。
 短時間、湯につかっただけでもこうした成分は流出するので、風呂の後はしっかりと保湿用ローションを塗る必要がある。バリアー機能が失われると細菌などが入って炎症を起こすことがある。ひっかくと「飛び火」が起き、症状が悪化する。
 一晩寝たあとの赤ちゃんは汗やよだれ、鼻水、涙などが顔や手足に付いている。起きたら柔らかいウエットシートなどを使って、印鑑をしっかりと押すときの要領で力を加えて汚れをとる。こすったりぬぐったりするとすぐに表皮が壊れるので注意が必要だ。こうしておけば汗もの広がりを防げる。
 「生まれた直後の手入れ次第で、のちのちの皮膚の状態が決まる」と山本部長は強調する。出生後2カ月間ほどは皮脂が多いとの誤解があるが、実際には24時間以内にとれて乾燥が始まるため保湿用ローションなどによるケアが大切。初期のケアを徹底すれば、アトピー性皮膚炎にもなりにくくなるという。
 岡村皮フ科医院(東京・小金井市)の岡村理栄子院長は汗もや虫さされなどの診察の際、せっけんの使い方を説明するようにしている。「汗もにせっけんがしみるので使わない方がよい」などの誤解が広がっていると感じるからだ。せっけんできれいにしないと汚れや細菌の影響で、悪化の恐れもあるという。
 「使うのは特別な成分が入っているものではなく、普通の固形せっけんで十分」(同院長)。少量を十分に泡立て、手でやさしく洗う。その後、洗い残しがないようにお湯で流す
 トコジラミ(南京虫)の被害など新しいタイプの虫さされも出ている。「放っておけば治る」と勝手に判断せず、専門医に相談したうえで、体の洗い方や薬を決めた方がよい。

■食事にも心配りを

 赤ちゃんの肌を守るための注意点は、ほとんどそのまま小児や大人にも通用する。加えて食事などにも気を配るとよい。愛育病院の山本部長は「良質なたんぱく質や繊維などを含む様々な食品をバランスよく摂取することが、健康な肌を維持するのに役立つ」と指摘する。
 具体的には豆、ごま、卵、牛乳(乳)、わかめ、野菜、魚、しいたけ、芋などがオススメという。これらの頭文字をとって「まごたちは(わ)やさしい、と覚えておくとよい」と患者らに説明している。
 肌の状態は体調のバロメーターともいわれる。引っかき傷などだけでなく、精神的なストレスも皮膚のバリアー機能を弱めるとの研究報告もある。特に寝苦しい夏は、適度なエアコンの使用で室温を管理し、十分な睡眠と休養で心身の疲れをいやすことが肌にとっても大切といえそうだ。

(編集委員 安藤淳)

<ひとくちガイド>
◆子どもの日常的なスキンケアの基本をわかりやすくまとめた「子どもの皮膚トラブルとのつきあいかた―アトピー性皮膚炎を中心に―」(山本一哉著、日本小児医事出版社)
◆皮膚のしくみや様々な機能、皮膚科学の今後の展開などを解説した「皮膚は考える」(傳田光洋著、岩波書店)

■ 赤ちゃんの肌荒れ 乳幼児の母親の4割が「皮膚が心配」と回答。

(2011.12月:毎日新聞)

 ◇生後すぐから保湿し予防

 新生児へのスキンケアが注目されている。生後すぐから行うことで肌のバリアー機能を正常に保ち、病原体やアレルゲン(アレルギーのもとになる物質)が体に入るのをブロックするのが狙いだ。遺伝子レベルの研究で、肌のバリアー機能の異常とアトピー(アトピー性皮膚炎)の発症に関連があることも明らかになっており、新生児スキンケアがアトピーの予防に効果があるかを検証する研究も始まっている。

 ◇表皮薄く水分不足

 赤ちゃんの肌は意外にトラブルが多い。東京都内の化粧品メーカーが、乳幼児の母親約1400人に心配事をたずねたところ、3分の1以上の37・34%が「皮膚」をあげた。
 肌は体のバリアー役。表面は皮脂の膜と「角質層」という厚さ約0・02ミリのたんぱく質と脂質(セラミド)の層に覆われている=図参照。健康な肌は角質層に十分な水分が保たれているが、乾燥するとセラミドが減って角質層がはがれる。その結果バリアーが壊れ、異物が侵入しやすくなる。
 愛育病院(東京都港区)の山本一哉皮膚科部長は約20年前に、日常の診察から、オムツで覆われ乾燥していない部分には湿疹やアトピーが少ないことに気づいた。「赤ちゃんは大人に比べて表皮が薄く、バリアー機能などが未熟。大人よりも丁寧に、肌を清浄にして保湿するスキンケアを1日に何回もする必要がある」と指摘する。
 「新生児は皮脂量が多い」などとして、国内の多くの産科・小児科では生後すぐのスキンケアは行われていない。しかし、山本医師らの07年の調査では、新生児は最初の沐浴(もくよく)後に保湿をしないと、生後24時間で額、ほお、腹部で角質層の水分量がほぼ半減し、皮脂量も減少。極めて乾燥した状態になっていた。
 京都市の産婦人科クリニック「島岡医院」では、山本医師と協力して退院までの間、新生児にスキンケアを施している。生まれた翌日から、沐浴した後たっぷりのベビーローションで保湿を始める。オムツ替えや授乳など、体が汚れるたびにおしりふきで優しくふき取り、保湿を繰り返す。島岡昌幸医師は「赤ちゃんは、母親の子宮の中では羊水や体を覆う『胎脂』に守られているが、生まれた途端に乾燥が始まる。退院後もスキンケアを続けると肌トラブルが少ない」と話す。

 ◇アトピーに効果?

 肌のバリアー機能をめぐっては遺伝子レベルの研究から、アトピーとの関連が指摘されている。英国の研究チームが06年、アトピー患者とそうでない人の遺伝子を比べ、患者は角質層の保湿など肌のバリアー機能の維持に欠かせない遺伝子「フィラグリン」に異常がある比率が数倍も高いことを突き止めた。
 国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)や、大阪大病院皮膚科は10年度から、新生児の生後1週間以内のスキンケアがアトピー予防に効果があるかどうかを検証中だ。同センターの新関寛徳医師は「アトピーは遺伝病ではなく、遺伝子の異常や乾燥などさまざまな原因で肌のバリアー機能が壊れることが発症につながっているのではないか」と指摘。「アトピーには他にもさまざまな要因があるため、新生児期からの予防が必須であるかどうかはまだわからない。だが一定のスキンケアで患者を減らすことができれば、診療に与える影響は大きい」と話す。
 すでにアトピーの症状がある子供たちも、しっかりとスキンケアをし、正しく薬を使うことで肌のトラブルが改善される可能性があるという。山本医師は「主治医と相談し、根気よく続けてほしい」と話している。