予防医学

子どもの紫外線対策

 母子手帳の記載が「日光浴」から「外気浴」へ変わったのをご存じですか?
 「小麦色の肌は健康のシンボル」という考えは過去の話。紫外線は、確かに血液循環をよくしたり、骨の発育に大切なビタミンD合成に役立つなど体に良い面もあります。
 しかし、近年紫外線の体への悪影響(長期的にはシミ・シワ、皮膚癌や白内障のリスク増加)がだんだんわかってくるにつれ、必要以上に紫外線を浴びないようにしようという考えに変わりました。
 「日焼けサロン」に通うことはお金を払ってシミ・シワをつくりに行くようなもの!

■紫外線が強いのは夏だけではありません!
 紫外線が強い季節は5月〜9月(4月〜10月とも)です。夏だけではありません。
 また、太陽が出ていない夜を除き、紫外線量がゼロになることはありません。曇りや雨の日でも紫外線は降ってきます(それぞれ晴れの日の40〜70%、20〜50%)。

■乳幼児の紫外線対策は?
 1日のうち紫外線量がピークになるのは正午をはさんだ前後2時間程度です。
 この時間帯を避けて30分〜1時間、屋外の日陰で過ごすと良いでしょう。
 衣服は長袖・長ズボンがベストですが、暑い季節はいやがるので薄手の長袖シャツ1枚が理想的ですね。また、つばの広い帽子も有効です。蒸れにくい綿やタオル地、メッシュのように通気性の良いものを選びましょう。
 また、紫外線はガラス越しにも肌に届くので要注意。車での移動中、チャイルドシートに座らせた際はサンバイザーやタオルで窓を覆いましょう。

■日焼け止めの上手な利用法は?
 日焼け止めは、紫外線吸収剤(塗り心地がよいが皮膚に刺激を与えやすい)と紫外線散乱剤(比較的皮膚への負担が少ない)の2種類に分けられます(混合タイプも)。
 赤ちゃん用としては紫外線散乱剤で無香料・無着色・アルコールフリーがお勧め。
 生後6ヶ月頃から使用可能で、肌の表面が乳白色になるくらいに塗ると効果的です。
2〜3時間以上経過したら効果が落ちてきますので塗り直しましょう。アトピー性皮膚炎などの治療として軟膏・クリームを塗っている場合は、治療薬の上に重ね塗りするのが基本です(医師に御相談ください)。

★ 日焼け止めの強さについては以下をご参照ください。
・SPF:紫外線B波(人体にもっとも悪影響を及ぼす)の防止効果を示し、数値が大きいほど効果も大。
・PA :紫外線A波の防止効果を示し、+が多いほど効果も大。

(SPF) (PA)    (目安)
 10前後  +    散歩や買い物などの外出
 20前後  ++   公園での外遊びなど
 30前後  +++  海水浴や登山などのアウトドア、スポーツ観戦など

<新聞記事より>

 予防医学や子どもの事故の関する新聞記事を拾い読みしました。

■ 日焼け止め使用法、間違っています! 専門家に学ぶ正しい塗り方、選び方

[J-CASTニュース2015年8月30日]
  日焼け止めの「SPF」や「PA」という表示について、何となく理解しているつもりでも、正確に説明できるかというと自信がない人が多いだろう。 日焼け止めの表示の意味と効果的な使用法を専門家に聞いた。

「SPF」はUV-B、「PA」はUV-Aを防御

 国民の5人に1人が皮膚がんに罹患(りかん)すると言われ、国を挙げて紫外線防止対策を促進している米国でさえ、消費者の日焼け止めに対する知識は十分とは言えない。2015年6月、医学誌「JAMA Dermatology」のオンライン版に掲載された米ノースウエスタン大学による調査では、日焼け止めに表示されている「SPF」値の定義について正しく回答できた消費者は43%にとどまったという。
 日本でも「紫外線から肌を守る」という意識は年々高まり、ドラッグストアには年間を通してさまざまな種類の日焼け止めが並んでいる。そのほとんどに「SPF」と「PA」の表示がある。いずれも紫外線を防ぐ効果を表しているが、これらを正しく理解するには、まず紫外線の種類をおさらいする必要がある。
 地表に届く紫外線には主に、波長の長いUV-Aと短いUV-Bがある。UV-Aは肌の深部まで達し、皮膚の老化を促進する。一方、UV-Bは表皮に影響を及ぼす。主に細胞の核に吸収され、DNAに傷をつけることで皮膚がんを引き起こしたり、免疫力を低下させたりする。さらに最近では、DNAだけではなくRNA(DNAの情報をコピーする遺伝物質)や細胞内のアミノ酸にも吸収され、その結果日焼けの原因となることが明らかにされてきた。電磁波である紫外線は波長が短いほど強力なエネルギーを持つため、UV-BのほうがUV-Aより皮膚に与える刺激は強く、Aの千倍以上の有害作用を持つともいわれる。しかし近年、UV-Aがシミやシワなど肌老化に深く関わっていることや、活性酸素を発生させる力がUV-Bより高いことがわかり、UV-A防御の重要性も注目されている。
【SPF】
 SPF(Sun Protection Factor)はUV-Bを防ぐ指標で、紫外線防御係数またはサンケア係数と呼ばれる。SPF10は「日焼け止めを塗っていないときに比べて、UV-Bが皮膚に届く量を10分の1にする」という意味だ。日焼けを起こす時間には個人差があるが、仮に20分で赤く日焼けする人がSPF10の日焼け止めを塗った場合、20×10=200分は日焼けを防ぐことができるという計算になる。
【PA】
 これに対し、PA(Protection Grade of UV-A)はUV-Aを防ぐ効果を表す。「+」によって4段階で表示され、
 +が1つなら「防御効果がある」、
 2つで「防御効果がかなりある」、
 3つで「防御効果が非常にある」、
 4つになると「防御効果がきわめて高い」
と定義されている。一方、ヨーロッパではPAもSPF同様、数値で表されている。

「塗りやすさ」を重視して選ぶのがいい

 美容・医療ジャーナリストの海野由利子氏は日焼け止めの表示について、「多くの人が使う『顔全体で大豆1粒分』程度の量では、表示されているSPFやPAの効果は得られません」と指摘する。SPFの表示は皮膚1平方センチあたりに2ミリグラム塗布して計測した数値で、顔全体の使用量に換算すると0.8~1グラム。乳液状の日焼け止めなら500円玉大くらいの量になる。現実的には顔につけられる量ではない。「顔全体に大豆1粒分しか塗らなくても日焼け止め効果をしっかりと得るには、普段からSPF50、PA++++のものを使用するのがよいのでは」
 そこで、現実的かつ効果的な日焼け止めの使用法について、アンチエイジング医師団のメンバーである2人の専門家に意見を聞いた。
 湘南鎌倉総合病院形成外科・美容外科部長の山下理絵医師は、「SPFやPAの強さが異なる日焼け止めを、日常使いとレジャー用など場合によって使い分けるのもよいですが、面倒なら、日常でもSPFやPAが高めのものを使ってはいかがでしょうか」と言う。さらに「SPFやPAの強さを確認することももちろん大切ですが、面倒で塗らなくなってしまうのが一番よくありません。顔だけでなく露出している部分にむらなく塗ること、こまめに塗り直すことが大切です」と強調する。ジェルやクリームなどさまざまなタイプがあるが、自分の肌に合っていること、塗りやすい基剤であることが選び方のポイントだ。「肌に合わなかったり、べたべたしたりして、買ったけれど数回しか塗らなかった、ということにならないように。塗り直しも苦にならないものがいいですね」
 紫外線による皮膚の老化(光老化)の研究で世界的に知られる再生未来クリニック院長の市橋正光医師も、汗をかく真夏では、日焼け止めは自然に流れ、効果が減少するため、「塗り直しは大切」と言う。「理想は2時間おきくらいが目安。生活の中で無意識に顔を触ったりこすったりしていることもありますから、マメに塗り直しましょう」
 しかし女性の場合、化粧を落として塗り直すのは手間だが......。山下医師は「日焼けしやすい鼻筋・目の下から頬骨の付近や、シミが気になる部分だけお化粧の上から塗り直し、パウダーをはたく程度でもよいと思います。とにかく日常の心がけが大事。紫外線の影響はすぐには症状に現れませんが、日々の蓄積が老化を促進するのです」と言う。
[監修:市橋正光 神戸大学名誉教授・再生未来クリニック神戸院長、山下理絵 湘南鎌倉総合病院形成外科・美容外科部長]
<参考論文> Assessment of Consumer Knowledge of New Sunscreen Labels.

■ 日焼け禁止法、全米に広がり 【米国皮膚科学会】(2013.6.25:MTPro

ネバダ州政府が新たに未成年者の日焼けマシン使用を禁止

 米国皮膚科学会(AADA)は6月6日、ネバダ州において、バーモント州、カリフォルニア州、およびオレゴン州に続いて、18歳未満の未成年者における日焼けマシンの使用を禁止する法律が成立したと発表した。この法律は7月1日に発効する。
 AADAは、こうしたネバダ州の動きを、悪性黒色腫との闘いを先導するものとして歓迎している。日焼けマシンで紫外線に暴露した人においては、悪性黒色腫のリスクは75%増加し、その後も回を重ねるごとにリスクは増加していく。米国では年間230万人の未成年者が日焼けマシンを使用しており、未成年者による日焼けマシン使用の禁止は、皮膚癌を予防する上で非常に重要である。
 年間200万人以上において、350万件以上の皮膚癌の診断が下されている。米国人の5人に1人が、一生涯のうちに皮膚癌の診断を受け、ネバダ州では、2013年には440件の新規の悪性黒色腫の診断が下されることになると推定されている。米国国立癌研究所によれば、2010年には、米国において、悪性黒色腫の治療に関連して拠出された総費用は、推定23億6000万ドルである。
 18歳未満の未成年者における日焼けマシンの使用を禁止する法律の制定は、イリノイ州とテキサス州でも検討されている。また、コネチカット州では、17歳未満における禁止が検討される見込みである。AADAは、州立法府や米国食品・医薬品局(FDA)と連携して、日焼けマシンの規制の強化や、18歳未満の未成年者におけるこうした危険なマシンの使用の禁止を推し進めていく意向である。

【関連リンク】
Nevada becomes fourth state to ban indoor tanning for minors under 18

■ 日焼け問題、米皮膚学会激怒 【米国皮膚科学会】(2013.1.18:MTPro)

米国日焼け協会が「問題は医療機関」の声明

 米国皮膚科学会(AAD)は1月7日、米国日焼け協会(American Suntanning Association:ASA)の出した声明に対して、「馬鹿げていて、データがない」と強硬に批判する声明を発表した。
 昨年、日焼けマシンが悪性黒色腫やそのほかの皮膚癌を増やすとする論文が報告されたほか、9月には米国のイリノイ州で18歳以下の日焼けマシン利用を禁止する条例が成立していた。AADも日焼けサロンの危険性に対して警鐘を鳴らしていた。
 今回、AADがなぜ「激怒」するに至ったかと言えば、ASAが癌増加の原因は医療機関にあると皮膚科の治療に矛先を向けてきたからだ。危険性を示した従来のデータを受けて、ASAは声明で「日焼けマシンで疾患が増えるのは、事業会社が提供する日焼けサロンによるものではない」と強調。その上で、データ上、癌が増えたのは、研究の対象が医療機関で美容目的に行われる光線療法を受けた患者や自宅で日焼けマシンを使用している患者だったからだと説明した。さらに、「プロの日焼けサロンだけを研究対象とすれば、日焼けに伴うリスクは消えるだろう」とも言い切った。
 その声明に対して、今回、AADは速やかに反論した。まず、「医療機関で使用する光線療法は皮膚科医の監督の下で実施し、安全である」と強調。むしろ事業会社の日焼けサロンでは紫外線の知識がないスタッフがサービスを提供していると指摘した。
 さらに、AADは、医療機関で乾癬、尋常性白斑、アトピー性皮膚炎の治療に使用される機器は、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けていると強調。商用の日焼けマシンは承認を受けたものではないと問題点を挙げた。また、米国連邦取引委員会(FTC)が、「屋内日焼け協会(Indoor Tanning Association)が挙げる日焼けの利益には誤り、誤解がある」と指摘した事実にも言及。日焼けサロンの安全性や利益に疑義を呈した。
 最後にAADは「皮膚科医は人々を紫外線の脅威から守る義務を負っている」と付け加えた。日焼け問題をめぐって、しばらく舌戦が続きそうな様相を呈している。

【関連リンク】
American Academy of Dermatology’s statement regarding the American Suntanning Association
18歳以下、日焼けサロン禁止 【米国皮膚科学会】
・日焼けマシン、悪性黒色腫リスク

■ 18歳以下、日焼けサロン禁止【米国皮膚科学会】

イリノイ州スプリングフィールドで条例が成立(2012年9月11日:MTPro)

 米国皮膚科学会(AAD)は9月10日、イリノイ州スプリングフィールドで、18歳以下の日焼けサロンの利用を禁止する条例が成立したと報告した。
 悪性黒色腫をはじめとした皮膚癌のリスクを抑制するために条例を設けた。特に若年層、白人女性で皮膚癌が増加しており、特に日焼けマシンの利用者に目立っていると説明する。
 米国では年間200万人に350万もの皮膚癌が発生。イリノイ州では、年間2460人に悪性黒色腫が発見されており、全米で8番目に高い。360人が悪性黒色腫により死亡していると推定されている。
 日焼けマシンにより、悪性黒色腫をはじめとした皮膚癌のリスクが高まるとの報告もある。今年7月に、BMJ誌にシステマティックレビューの結果が掲載された。
【関連リンク】
City of Springfield passes ordinance prohibiting indoor tanning for those under 18
日焼けマシン、悪性黒色腫リスクBMJ原文

■ 紫外線… 子どもの肌と目 特に注意(2012年5月19日 読売新聞)

 風薫る5月。さわやかな気候に誘われ思わず外出したくなるが、太陽の紫外線が強くなってくる時期でもある。紫外線は美容の大敵というだけでなく、健康にもかかわる。この季節、対策を見直しておこう。(高梨ゆき子)

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 紫外線(UV)は波長の長さによりA、B、Cの三つに分類される。地表に届く紫外線の約9割はUVAで、肌を黒くし、シミやしわの原因になる。地表に届く量は少ないが、より有害なのがUVBで、皮膚がんの原因にもなる。UVCは、上空のオゾン層に吸収され地表には届かない。
 「紫外線は害がほとんどで、浴びた積み重ねが後々の健康に影響する」と、慈恵医大第三病院(東京都狛江市)皮膚科教授の上出良一さんは語る。
 特に、子どもの皮膚は紫外線を通しやすく細胞分裂も盛んなため、子どものころ大量に紫外線を浴びた人は発がんリスクが高い。日本臨床皮膚科医会は2011年10月、学校での対策指針を作成。屋外活動、プール授業などで、活動時間や日よけの活用、日焼け止めなどの具体的対策を示した。
 テントの下などの日陰では、紫外線は半分になる。服は濃い色だと紫外線を吸収するが熱中症になりやすいため、白っぽく織り目の詰まった素材がよい。日焼け止めはUVB防止なら「SPF15」「SPF30」などと表示され、数字が大きいほど効果が高いが、学校生活での屋外活動にはSPF15あれば十分――など一般的にも参考になる。
 UVA防止効果を表す「PA」は「+」の数が多いほど効果が高い。今は「+++」が最高だが、日本化粧品工業連合会は13年1月から、より精度の高い測定法を採用し「++++」を新設する。
 紫外線は、目の病気にもつながる。白目が黒目に進入する翼状片や白内障などが知られている。雪や水面からの反射など強い紫外線で目の充血や痛みが起こる紫外線角膜炎もある。
 金沢医大(石川県内灘町)が10年夏、石川県の中学生を対象に行った調査によると、紫外線の影響で白目にシミのようなものができる瞼裂斑の潜在的な症状が見られた生徒が36%に上った。すぐ心配のある症状ではないが、進行すると目が炎症を起こしたり、ドライアイの原因になったりするという。
 眼科教授の佐々木洋さんは「紫外線による目の症状は一度なってしまうと治せないので、若いころから予防が大切」と話している。
 気象庁は、紫外線の影響度を数値化した「UVインデックス」による予報を毎日ウェブサイトで発表している。地図が影響度ごとに14段階に色分けされ、段階に応じ対策が示されている。
 ただし、対策も度を越すと、体内のビタミンDが不足して骨がもろくなる可能性もある。特に高齢者や妊婦は要注意で、上出さんは「美白ブームで極端な防御に走る人もいるようだ。外出中やむを得ず浴びてしまう程度のものはあっていい。何事もほどほどが肝心」とアドバイスしている。

■ 赤ちゃんの誤飲で気をつけたいもの(2007年12月 All About)

 赤ちゃんが誤飲してしまった時どうしたらいい?慌てず、まずは状況の確認を。表を見ながら、落ち着いて対応をしてくださいね。
「あっ、それはダメよ!」がいつの間にか口癖になるくらい、赤ちゃんは小さなものを誤飲しそうで、いつもヒヤヒヤさせられますね。赤ちゃんはさまざまな物に触れて手の感触を楽しみ、それを口に入れて口の中で形や感触を確認しながら五感でいろんなものを感じて成長していきます。そのため、生後5ヶ月ごろから、誤飲による事故が増え始めます。「何を食べてるの?!」「こんなものまで?!」……と次々に起こる危険な誤飲事故を防ぐために、気をつけたいこと、もしもの時の対処法をご紹介します。

もしかして……誤飲?!まずは確認を!

 何かに集中しておとなしくなったな、と思ったら要注意!
 0歳では5位、1歳以降では1位の死亡原因:不慮の事故のうち、ほとんどを占めるのが、実は誤飲。もしも赤ちゃんの誤飲が疑われたら、「気のせいかも」と流さずに、必ず確認をしましょう。確認をするポイントは次の通り。

・何を、いつ飲んだか
・完全に飲み込んでしまっているか、まだ口の中に残っているか
・機嫌や顔色が悪くなったり、様子がおかしくないか

 もしも、まだ口の中に残っている様子なら、赤ちゃんが飲み込む前にそっと口の中から取り出してあげましょう。そして、もしも飲み込んでしまっているとしたら、以下の5つの項目を参考にしながら、赤ちゃんの様子に気になるところがあればすぐに病院へ受診することをオススメします。

誤飲しやすい5つのモノ

 赤ちゃんが誤飲をしやすいものを順番に見ると、えっ?!と驚くようなものばかり。

・タバコ
・化学薬品
・ビニール・シール
・コイン・ねじ・クリップ・ボタン
・薬

赤ちゃんが誤飲してしまった時どうしたらいい?慌てず、まずは状況の確認を。表を見ながら、落ち着いて対応をしてくださいね。

「誤飲=水(牛乳)を飲む」は間違い!病院へ行くのが先決なことも

 誤飲が起こると、慌ててしまい、とにかくお水や牛乳を飲ませた方がいいのではないかと考えてしまいますが、実はそうとは限りません。飲み込んだものの性質によって、一刻も早く病院で見てもらうことが大切なこともあるのです。

タバコ
 赤ちゃんの触れないところに置いておいたつもりが、背伸びをしたりしたときに、赤ちゃんの手に触れる危険があります。もしも誤飲してしまったことが発覚したら、すぐに牛乳や水分を飲ませて下の奥に指を入れて吐き出させましょう。もしも空き缶を灰皿にしていた際の水を飲んでしまった場合は、ニコチンの体内へしみ込む速度が早く、危険なのですぐに病院へ連れて行きましょう
化学薬品
 化学薬品とは、洗剤や化粧品、防虫剤、殺虫剤など私たちが普段何気なく使っているものですが、赤ちゃんにとっては、興味の対象になります。もしも飲んでしまった場合には、牛乳はNG。成分が溶け出してしまう恐れがあるからです。対処方法はさまざまになるので、すぐに医療機関を受診しましょう。
ビニール・シール
これらにはパンのパッケージ袋やティッシュ、プリクラ、意外なところでは新聞紙も含まれます。こう考えると、身の回りにあるあらゆるものに誤飲の可能性があるということですね。ただ、これらのものは少量であればウンチと一緒に数日のうちに出てきます。要注意なのは、おかしな咳をしていたり、何度も吐く場合。危険な可能性があるので病院へ行きましょう。
コイン・ねじ・クリップ・ボタン
思わず口に入れてみたくなる気持ちも分かりますね。これらは小さなものであればウンチと一緒に出てきます。しかし、クリップが途中で引っかかってしまった場合、無理に引っ張ることで食道を傷つけてしまったり、電池などが途中で引っ掛かると中で電流が流れて食道が荒れてしまうことがあります。必ず病院へ行きましょう。

薬は、大人の体に変化を起こすほど強い作用のあるもの。赤ちゃんにとっては命に関わることもあるくらい危険なものなので、直ちに病院へ。

誤飲事故を防ぐためには工夫が必要

 悲しい誤飲の事故を防ぐために、普段からなるべく赤ちゃんの手の届くところに危険なものは置かないように配慮をすることは必須です。さらに、行動範囲の広がってくる5ヶ月以降の赤ちゃんは、棚を開けたり、引き出しを出してみたり、テーブルクロスを引っ張って上のものを落としてみたりと好奇心が旺盛な時期でもあります。
 セロリなどの安全なお野菜を少し置いて注意を向ける、赤ちゃんの好きそうな場所におもちゃを隠しておく、など未然に配慮できることがいくつかあります。もしもに備えて、工夫をしておくことが大切です。
 もしも誤飲しそうな現場を発見したら、赤ちゃんへは「これは食べてはいけないものだよ。体に入るとイタイイタイになるんだよ。」などと、その都度お話をしてあげましょう。本能的に何度か繰り返すので、理解していないように見えますが、頭の中にはしっかりとママの言葉が残ります。根気強い気配りが必要になる時期ですが、大人の配慮で赤ちゃんを誤飲の危険から守ってあげましょう。

■ <はぐ>子どもの事故(朝日新聞2010年5月)

交差点角を緑化 見通しよく安心

2010年5月24日(朝日新聞)

 緑を増やして、事故を減らす。そんな取り組みが東京都日野市を中心に広がっている。見通しのききにくい学校や公園の角地を緑地に変えることで、双方向からの視界を確保し、交差点での子どもと車の事故を防ぐ試みだ。
 日野市立日野第一小学校の交差点。車で走ってみると、角地が大きく削られているため、進入してくる親子連れが交差点の十数メートル手前から見える。
 幼稚園の送り迎えで毎日通るという主婦(32)は「植え込みが低いので、子どもの背の高さでも車が来ていることがわかる。不意に駆け出す男の子の親としては、とても安心です」と話す。
 発端は、東京都国立市で「オープンガーデン」などを企画するNPO法人「日本公開庭園機構」の提案だった。
 「見通しの悪い角地を1メートル削り、跡地を高さ50センチ以下の植え込みに変えれば、見通しの良い安全な交差点が造れるのではないか」。2001年、同機構代表の佐藤哲信さん(65)の呼びかけに、当時、日野市の環境共生部長だった笹木延吉さん(66)が応じた。手始めに市役所近くの公園の角地から高い生け垣やフェンスを撤去したら、交差点の見通しが格段に高まった。
 「行政は縦割り組織で、公園や学校の安全を単体でしか考えていなくて、施設の周囲の安全性については意識が足りていなかった」と笹木さん。
 同市は早速、学校の角地を緑地化する事業に着手。07年までに二つの小学校と二つの中学校の角地を削ったほか、日野第一小学校については長さ80メートルに及んでいた高さ1.8メートルのブロック塀を撤去し、軽量フェンスと緑地に変えた。地震のとき児童がブロック塀の下敷きになったり、避難通路がふさがれたりする危険性を取り除いた。「安全緑地」は現在、首都圏の1都3県の通学路などで採用されている。
 交通事故総合分析センターの08年の統計によると、小中学生の事故は登下校中が最も多く、小学生では全体の3~4割、中学生では5~6割を占めている。佐藤さんは「学校の角地はたいてい使い道がなく、ゴミ置き場や用具置き場になっている。工夫するだけで、子どもの登下校の安全性は大幅に向上する」と話している。(三浦英之)

勝負は救急車到着まで

2010年5月27日(朝日新聞)

 子どもがお風呂の湯船に頭から転落し、気づいたら息をしていなかった。どうする?
 22日、東京都世田谷区のスタジオ。4カ月から5歳までの子どもを連れた16組の親たちに、講師が問いかけた。
 119番通報した後、あごをあげて気道を確保。呼吸がなければ、人工呼吸2回、胸の圧迫30回を繰り返す。赤ちゃんと幼児の人形を使い、ママ、パパたちが一斉に心肺蘇生法の練習をする。
 この乳幼児の救命救急講習会を主催したのは、妊婦やママのためのヨガクラスなどを開く「ベイビーオアシスStudio等々力」。窒息、転落、水などの事故から子どもの命を救う方法を親たちに知ってもらいたいと、NPOシーボウル海の教室の講師、中村智子さん(37)に頼んだ。
 中村さんがこうした講習会を始めたのは3年前。きっかけは自身の体験だ。次女(3)が生後4カ月の時、RSウイルスに感染。せきとたんで呼吸困難になった。自宅の外で救急車を待っている間に突然、娘の呼吸が止まった。パニックになりながら路上で人工呼吸と胸の圧迫を5、6回続けた。救急車が着いた直後、娘は息を吹き返した。
 自分はたまたまダイビングインストラクターの夫から心肺蘇生法の説明を何度も聞いていたから、とっさに動くことができた。でも、もし知らなかったら……。乳幼児の救急救命や応急手当てを学び、母親サークルや保育園、病院などで普及活動を始めた。
 5カ月の長男と講習会に参加した世田谷区の大江美穂さん(41)は「いざという時のために心肺蘇生法の練習ができて、よかった」と言う。
 長男が2カ月の時、ベビーベッドから転落し、救急車を呼んだ。玄関で来客に応対していた数分の間の出来事。まだ寝返りもできないので大丈夫だろう、とベッドのさくをあげなかった。「子どもの事故は、いつどこで起きるかわからない」と痛感した。
 総務省消防庁によると、2008年の救急隊の現場到着時間は平均7.7分。一方、心臓停止から3分間、呼吸停止から10分間放置すると、死亡率がそれぞれ50%になるというデータもある。中村さんは話す。「救急車を呼べば安心と思っている人が多いが、来るまでの間に何をするかが生死を分けることがある」(杉山麻里子)

抱っこひもの選び方助言

2010年6月1日(朝日新聞)

 「抱っこひもはどれを選べばいいのか」「使い方がわからない」。育児コンサルタントで保健師の渡辺玲子さん(48)が東京都江東区で月1回程度開いている「抱っこひも講習会」には、こんな悩みを抱えた親たちが集まる。
 5月下旬の講習会場には、約40種類の抱っこひもやおんぶひもが並んだ。縦や横向きに抱くもの、おんぶも抱っこもできるタイプや、赤ちゃんを布でくるむスリング。仕様も値段も様々だ。渡辺さんは「どんな時にどの程度使うかや、赤ちゃんの体格、よく泣く子か外を見たがる子かによっても違う」と選び方を助言。使い方も説明し、実際に試してもらう。30分間マンツーマンで、1人での参加は千円、両親で1500円だ。
 渡辺さんは、江東区の委託を受けて新生児訪問や乳幼児健診をするうち、抱っこひもの使い方がわからずに悩む母親が多いと気付いた。
 自分で長さを調整する部分がいくつもあるし、取り扱い説明書も複雑。周りに相談できる人がいないので自己流で使う人も多いという。しかしスリングの中で足をそろえて横抱きにすると股関節脱臼を起こす場合もあるなど、使い方を誤ると事故の危険性がある。安全な物を選んで正しく使ってほしいと、一昨年秋に講習会を始めた。
 よく泣く子を一日中抱いていて家事ができずに焦り、抱っこひもを使い始めたという母親も多い。そんな親と話をすることで育児ストレスを減らし、虐待防止につなげたいとの思いもある。
 国民生活センターには、抱っこひもなどによる事故が1999~昨年度に計64件寄せられた。「スリングを使用中、前かがみになったときに滑り落ち、コンクリートの上に頭から落ちた」など、転落して打撲したケースが40件を占める。おんぶひもで乳児を背負ったら、顔と背中が密着して窒息しそうになった例もある。今年3月には米国企業の抱っこひもに窒息死の恐れがあるとして日本の輸入元がリコールした。
 抱っこひもの種類が増え、使い方を把握している保健師や助産師も少ないという。事故を防ぐためにも、渡辺さんは今後、自らが所属する江東区助産師会と協力して講習会を広める予定だ。(大井田ひろみ)

使い方の主なポイント
・子も親も体に負担がないか確認する
・子の顔が見える状態で使う
・子は動くので常に緩みをチェックする
・初めて使う前は人形やタオルで練習する

自転車の安全、実地で学ぶ

2010年6月3日(朝日新聞)

 思案顔の子どもたちに大人たちが告げた。「答えは自転車。だから、大人と子どもではルールも違うんだよ」
 東京都国立市の市民団体「くにたち・まちづくり 自転車倶楽部」が5月30日、同市で「走って学ぼう! チャリ(自転車)ツアー」を開いた。今年で2回目。2007年の道路交通法の改正で、子どもや高齢者の自転車は車道ではなく、歩道を通ることができるよう改められた。ところが、改正はほとんど認知されておらず、子どもたちも正しいルールを学べていないと思ったことがきっかけだった。
 参加したのは小学生の男女6人。保護者らと共に3班に分かれ、実際に国立の街を走って回った。歩道を走る自転車の子の姿が植え込みなどに遮られて車から見えず左折車の巻き込み事故の危険がある交差点や、突然乗客が降りてくるバス停近くの歩道では、必ず一時停止して周囲の安全を確認するよう注意を受ける。小学4年生の佐藤舞さん(10)は「色々ややこしいけれど、ケガしないためには必要だと思った」。
 代表の高田啓子さんは「学校の校庭に白線を引いて乗り方を教えても現実味がない。実際の生活圏の中で、どこが危ないのかを具体的に教えた方が危険を回避できる可能性が高いと思った」と話す。
 警察庁の統計によると、09年の自転車の事故は約15万6千件で、交通事故全体の21%を占める。自転車乗車中の死傷者を世代別で見ると、16~24歳が21%、15歳以下が19%で、青少年の割合が高い。
 事故を防ごうと、行政も動き始めている。東京都調布市は3月、首都圏の自転車愛好家らが集う多摩川河川敷の通称「多摩川サイクリングロード」の路面に、自転車の速度を抑制するための高さ2センチ、幅10センチの連続段差を約180万円かけて設置した。
 自転車愛好家からは「転倒などかえって事故の原因につながりかねない」と批判の声が出ているが、河川敷には野球グラウンドや釣りスポットが多く、行き交う子どもも多い。市は「昨今の自転車ブームや自転車の高性能化で、『飛ばしすぎる』愛好家らの事故が後を絶たない。住民の安全を守るためには仕方ない措置だ」と話している。(三浦英之)

<参考HP>

日本耳鼻咽喉科学会による1歳半・3歳児検診の指針

日本学校保健会の特集記事

財団法人神奈川県予防医学協会

財団法人神奈川県予防医学協会

東京都によるインターネット・アンケート(2010年)

東京都 前項を元にした一般向けパンフレット

日本小児科学会による子どもの事故の情報